JP2003040988A - 粉体塗料用ポリエステル樹脂、及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料 - Google Patents

粉体塗料用ポリエステル樹脂、及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料

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JP2003040988A
JP2003040988A JP2001227715A JP2001227715A JP2003040988A JP 2003040988 A JP2003040988 A JP 2003040988A JP 2001227715 A JP2001227715 A JP 2001227715A JP 2001227715 A JP2001227715 A JP 2001227715A JP 2003040988 A JP2003040988 A JP 2003040988A
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健史 千塚
Takeshi Sato
健 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平滑性に優れ、経時的に黄変しない艶消し状
塗膜を得ることのできる粉体塗料用ポリエステル樹脂、
及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料を提供する。 【解決手段】 主として芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジ
オールとからなるポリエステル樹脂であって、極限粘度
が0.10〜0.30dl/g、酸価が10〜30mg
KOH/g、かつ、水酸基価が7mgKOH/g以上で
あることを特徴とする粉体塗料用ポリエステル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗膜が経時的に黄
変することがなく、かつ、平滑性、機械的強度に優れた
艶消し状塗膜を得ることのできる粉体塗料用ポリエステ
ル樹脂、及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、従来の溶剤型塗料と比較し
て、無公害塗料であること、塗装直後でも使用に供し得
ること、多層の重ね塗りが不要であること、比較的安価
であること、回収利用が可能であること等の利点が認め
られ、建材、家電製品、自動車部品等の部材の保護装飾
用塗料として、近年、急速に需要が拡大している。
【0003】粉体塗料には、エポキシ樹脂系、アクリル
樹脂系、ポリエステル樹脂系のものが主に知られてお
り、ポリエステル粉体塗料はバランスのとれた塗膜性能
を有する塗料として知られている。そのなかでも、主た
る末端がカルボキシル基であるポリエステル樹脂とエポ
キシ樹脂系硬化剤とからなるポリエステルエポキシ粉体
塗料は、経済性、耐食性に優れ、艶消し剤の添加により
良好な艶消し状塗膜を得ることができることから、スチ
ール製の棚や家電製品などに多く使用されている。
【0004】一方、これらポリエステルエポキシ艶消し
粉体塗料は、エポキシ樹脂を多量に含んでいるため、経
時的に黄変するという問題がある。黄変を抑えるため
に、エポキシ樹脂系硬化剤の添加量を減らすなどの検討
がなされているが、架橋密度の低下に伴って塗膜の機械
的物性が低下したり、艶消し効果が得られないなどの問
題があり、経時的に黄変しない艶消し粉体塗料は未だ開
発されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決し、経時的に黄変しない艶消し状塗膜を得るこ
とのできる粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並
びにこれを用いた粉体塗料を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。 (1)主として芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールと
からなるポリエステル樹脂であって、極限粘度が0.1
0〜0.30dl/g、酸価が10〜30mgKOH/
g、かつ、水酸基価が7mgKOH/g以上であること
を特徴とする粉体塗料用ポリエステル樹脂。 (2)上記(1)記載のポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂系硬化剤、ポリエステル樹脂の水酸基と反応する官能
基を有する硬化剤、及び艶消し剤を、下式及びを満
たす割合で含む粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物。 0.8≦(A+B)/C≦1.2 0.2≦A/B≦0.9 但し、A:ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の量
(当量)、B:艶消し剤中のカルボキシル基の量(当
量)、C:エポキシ樹脂系硬化剤中に含まれるエポキシ
基の量(当量)。 (3)上記(2)記載の粉体塗料用ポリエステル樹脂組
成物を用いた粉体塗料。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるポリエステル樹脂は、主として芳
香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとからなるものであ
る。
【0008】本発明のポリエステル樹脂を構成する芳香
族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、無水フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられるが、本発
明の効果を損なわない範囲で、アジピン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸などの三価以上のカルボン酸を
少量使用してもよい。また、以上のカルボン酸のエステ
ル形成性誘導体を使用してもよい。必要に応じて、4−
ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどのオキシ
カルボン酸を併用してもよい。
【0009】本発明のポリエステル樹脂を構成する脂肪
族ジオールとしては、エチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール等が挙げられるが、本発明の効果を損なわない範
囲で、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−
シクロヘキサンジオールなどの脂環族グリコール、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリ
ンなどの三価以上のアルコール、あるいはビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSの
エチレンオキサイド付加物などの芳香族グリコールを併
用してもよい。
【0010】本発明のポリエステル樹脂の極限粘度は、
0.10〜0.30dl/gであることが必要であり、
好ましくは0.15〜0.25dl/gである。ポリエ
ステル樹脂の極限粘度が0.10dl/gに満たない
と、樹脂の分子量が低いために樹脂の耐ブロッキング性
が低下したり、塗膜の平滑性が低下するため好ましくな
い。一方、0.30dl/gを超えると、樹脂の分子量
が高いために粉砕性が悪くなったり、流動性が低下する
ため、塗膜の平滑性が悪くなる。また、エポキシ樹脂系
硬化剤の配合量が少なくなり、艶消し状の塗膜が得られ
なくなるため好ましくない。
【0011】本発明のポリエステル樹脂の酸価は、10
〜30mgKOH/gであることが必要であり、好まし
くは15〜25mgKOH/gである。ポリエステル樹
脂の酸価が10mgKOH/gに満たないと、エポキシ
樹脂系硬化剤の配合量が少なくなりすぎて、艶消し剤を
添加しても、艶消し状の塗膜が得られないため好ましく
ない。一方、酸価が30mgKOH/gを超えると、エ
ポキシ樹脂系硬化剤の配合量が多くなりすぎて、塗膜が
経時的に黄変するため好ましくない。
【0012】本発明のポリエステル樹脂の水酸基価は、
7mgKOH/g以上であることが必要であり、好まし
くは10mgKOH/g以上である。ポリエステル樹脂
の水酸基価が7mgKOH/gに満たないと、塗膜の架
橋密度が低くなりすぎて、十分な機械的強度が得られな
いため好ましくない。
【0013】上記の条件を満足するポリエステル樹脂
は、主として前記のような芳香族カルボン酸成分と脂肪
族ジオール成分(それらのエステル形成性誘導体を含
む)とを原料とし、常法によって、200〜280℃の
温度でエステル化又はエステル交換反応を行った後、5
hPa以下の減圧下、200〜300℃、好ましくは2
30〜290℃の温度で重縮合反応を行って高重合度の
ポリエステルとし、さらに酸成分及びアルコール成分を
添加して解重合反応を行う方法で調製することができ
る。
【0014】あるいは、常法によって、エステル化又は
エステル交換反応を行った後、常圧下、又は50〜10
0hPa程度の減圧下、200〜300℃、好ましくは
220〜280℃の温度で所定の極限粘度となるまで重
縮合反応を行い、次いで酸成分を添加して付加反応を行
う方法によっても調製することができる。なお、エステ
ル化、エステル交換反応及び重縮合反応において、公知
の反応触媒などを用いることができる。
【0015】本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂系硬化剤、ポリエステル樹脂
の水酸基と反応する官能基を有する硬化剤、及び艶消し
剤を、下式及びを満たす割合で含むことが必要であ
る。 0.8≦(A+B)/C≦1.2 0.2≦A/B≦0.9 但し、A:ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の量
(当量)、B:艶消し剤中のカルボキシル基の量(当
量)、C:エポキシ樹脂系硬化剤中に含まれるエポキシ
基の量(当量)。
【0016】式における(A+B)/Cが0.8に満
たないと、塗膜の架橋密度が低下して塗膜の機械的強度
が低下するため好ましくない。一方、(A+B)/Cが
1.2を超えると、エポキシ樹脂系硬化剤の配合量が少
なくなりすぎて、艶消し状の塗膜が得られないため好ま
しくない。式におけるA/Bが0.2に満たないと、
ポリエステル樹脂の配合量が少なくなりすぎるため、艶
消し状の塗膜とならないだけでなく、架橋密度が低くな
り、塗膜の機械的物性が低下するため好ましくない。ま
た、塗料に占めるエポキシ樹脂系硬化剤の重量が多くな
り、塗膜が経時的に黄変するため好ましくない。一方、
A/Bが0.9を超えると、艶消し剤の添加量が少なく
なり、艶消し状塗膜が得られなくなるため好ましくな
い。
【0017】エポキシ樹脂系硬化剤としては、ビスフェ
ノールAとエピクロルヒドリンから誘導されるエピ・ビ
ス型エポキシ樹脂が好ましく、東都化成社製の「エポト
ートYD−014」、シェル社製の「エピコート100
3」、チバガイギー社製の「アラルダイトAER 60
03」などが挙げられる。また、必要に応じてホスフィ
ン類化合物などの硬化促進剤を添加してもよい。ホスフ
ィン類化合物としては、トリフェニルホスフィンが好ま
しく、イハラケミカル工業社製の「PP−360」が挙
げられる。
【0018】ポリエステル樹脂の水酸基と反応する官能
基をもつ硬化剤としてはイソシアネート系硬化剤が好ま
しく、必要に応じて錫化合物などの硬化促進剤を添加し
てもよい。イソシアネート系硬化剤としては、ε−カプ
ロラクタム等のブロック剤でブロックされたε−カプロ
ラクタムブロックドイソホロンジイソシアネートや、自
己ブロックタイプであるウレトジオン結合型イソシアネ
ートが好ましい。このようなε−カプロラクタムブロッ
クドイソホロンジイソシアネートとしては、ヒュルス社
製の「ベスタゴン B 1530」、バイエル社製の
「クレランU−I」が挙げられ、また、ウレトジオン結
合型イソシアネートとしては、ヒュルス社製の「ベスタ
ゴン BF 1540」が挙げられるが、塗膜性能の面
から「ベスタゴン B 1530」が好ましい。ポリエ
ステル樹脂の水酸基と反応する官能基をもつ硬化剤の配
合量は、ポリエステル樹脂の水酸基価に対して0.8〜
1.2倍当量、好ましくは1.0倍当量とするのが適当
である。
【0019】錫系硬化促進剤としては、ジオクチル錫マ
レエート系硬化触媒が好ましく、三共有機合成社製「S
tann OMF」が挙げられる。硬化促進剤の配合量
は、ポリエステル樹脂と硬化剤の合計100質量部に対
してそれぞれ0.1〜1.0質量とするのが塗膜の平滑
性と塗膜の硬化性を両立できる点で好ましい。
【0020】艶消し剤としては、芳香族多価カルボン酸
のイミダゾリン塩類化合物が好ましく、ヒュルス社製の
「ベスタゴン B68」が挙げられる。
【0021】本発明の粉体塗料は、上記のようなポリエ
ステル樹脂、硬化剤、艶消し剤からなる粉体塗料用樹脂
組成物に、必要に応じて公知のレベリング剤、その他の
添加剤、例えば二酸化チタン、沈降性硫酸バリウム、カ
ーボンブラック等の顔料などからなる混合物をニーダー
またはロールを用いて70〜150℃で溶融混練するこ
とによって調製することができる。
【0022】本発明の粉体塗料は、これを被塗物に塗装
し、通常、170〜200℃の温度で、15〜25分間
焼付けることにより、平滑性に優れ、かつ、経時的に黄
変しない塗膜を与える。
【0023】
【作用】本発明における粉体塗料用ポリエステル樹脂
は、エポキシ樹脂系硬化剤の一部を耐候性の良好な硬化
剤に置き換えることによって、塗膜の諸性能を損なうこ
となく、塗料中に含まれるエポキシ樹脂の量を減らすこ
とができるため、塗膜が経時的に黄変しない艶消し状塗
膜が得られると思われる。
【0024】
【実施例】次に実施例および比較例によって本発明を具
体的に説明する。なお、実施例および比較例においてポ
リエステル樹脂及び樹脂組成物の特性値、塗膜性能の評
価は以下に示す方法で測定した。
【0025】極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒と
し、20℃で測定した。水酸基価 無水酢酸でアセチル化した後、0.5×103mol/
3の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求め
た。酸価 ポリエステル樹脂0.5gをジオキサン/蒸留水=10
/1(質量比)の混合溶媒50mlに溶解し、加熱還流
後、0.1×103mol/m3の水酸化カリウムメタノ
ール溶液で滴定して求めた。ポリエステル樹脂組成 ポリエステル樹脂を重水素化トリフルオロ酢酸に溶解さ
せ、1H−NMR(日本電子社製JNM−LA400)
を用いて測定し、求めた。平滑性 塗膜の平滑性を目視により、次の2段階で評価した。 ○:塗膜に凹凸が少なく平滑性が良好なもの。 ×:塗膜に大きな凹凸があり平滑性がよくないもの。60度鏡面光沢度 JIS K 5400に準じて求め、30%以下のもの
を合格とした。機械的強度(耐衝撃性試験) JIS K 5400に準じ、直径1.27cmの球面
をもつ撃ち型とそれにあう窪みをもつ受け台との間に塗
膜が球面に接触するように塗装鋼板を挟み込み、その上
から1kgのおもりを垂直に落下させて、塗膜の破壊す
る高さを求めた。この値が30cm以上であれば合格と
した。経時黄変性 JIS K 5400に準じ、WEL−SUN−HCH
・B・BR型サンシャインウェザーメーター(スガ試験
機社製)を用いて、156時間照射を行った。照射前後
の塗膜の色調を、色差計(日本電色工業社製SEΣ80
型)を用いて測定し、下式に従ってΔEを算出した。Δ
Eが2.0以下のものを合格とした。 (ΔE)2=(L0−L)2+(a0−a)2+(b0−b)
2 ただし、L0、a0、b0:照射前の塗膜の色調(La
b)。L、a、b:156時間照射後の塗膜の色調(L
ab)。
【0026】実施例1 テレフタル酸90モル部、イソフタル酸10モル部、ネ
オペンチルグリコール80モル部、エチレングリコール
50モル部をエステル化反応槽に仕込み、圧力0.3M
PaG、温度260℃で4時間エステル化反応を行っ
た。得られたエステル化物を重縮合反応槽に移送した
後、三酸化アンチモンを4.0×10-4モル/酸成分1
モル添加し、0.5hPaに減圧し、280℃で4時間
重縮合反応を行い、極限粘度0.45dl/g以上のポ
リエステルを得た。次いで、このポリエステルに、4モ
ル部のネオペンチルグリコールを添加し、常圧下、27
0℃で1時間、次いでイソフタル酸6モル部を添加して
250℃で2時間、解重合反応を行い、表1に示す特性
値のポリエステル樹脂を得た。
【0027】得られたポリエステル樹脂に、ε−カプロ
ラクタムブロックタイプのイソホロンジイソシアネート
硬化剤(ヒュルス社製「ベスタゴン B 153
0」)、艶消し剤(ヒュルス社製「ベスタゴン B6
8」)、ジオクチル錫マレエート系硬化触媒(三共有機
合成社製「Stann OMF」)、エピ・ビス型エポ
キシ樹脂硬化剤(チバガイギー社製「アラルダイトAE
R 6003」)、トリフェニルホスフィン系硬化触媒
(イハラケミカル工業社製「PP−360」)、ブチル
ポリアクリレート系レベリング剤(BASF社製「アク
ロナール4F」)、及び、ルチル型二酸化チタン顔料
(石原産業社製「タイペークCR−90」)、沈降性硫
酸バリウム(堺化学工業社製)を表1に示す量(質量
部)添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製
「FM10B型」)でドライブレンドした後、コ・ニー
ダ(ブッス社製「PR−46型」)を用いて120℃で
溶融混練し、冷却、粉砕後、140メッシュ(106μ
m)の金網で分級して粉体塗料を得た。
【0028】得られた粉体塗料をリン酸亜鉛処理鋼板上
に膜厚が50〜60μmとなるように静電塗装して、1
80℃×20分間焼付けを行った。塗膜の性能を評価し
た結果を表1に示す。
【0029】得られた粉体塗料は、艶消し状態が良好
で、経時的に黄変しない粉体塗料であり、塗膜の平滑性
も良好で、機械的強度も十分に得られていた。
【0030】実施例2〜4 実施例1と同様な方法で、表1に示すようなポリエステ
ル樹脂、粉体塗料を得た。いずれも、得られた粉体塗料
は、艶消し状態が良好で、経時的に黄変しない粉体塗料
であり、塗膜の平滑性も良好で、機械的強度も十分に得
られていた。
【0031】比較例1〜7 実施例1と同様な方法で、表2に示すようなポリエステ
ル樹脂、粉体塗料を得た。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】比較例1は、樹脂の極限粘度が低く、酸価
が高いため、エポキシ樹脂系硬化剤の配合量が多く、塗
膜が経時的に黄変したものであった。また、硬化速度が
早いため塗膜の平滑性が悪いものであった。比較例2
は、樹脂の樹脂の溶融粘度が高く、酸価が低いため、塗
膜の平滑性が悪かった。また、エポキシ樹脂系硬化剤の
配合量が少なすぎるため、艶消し剤を添加しても、艶消
し状塗膜が得られなかった。比較例3は、水酸基価が7
mgKOH/g未満であり、塗膜の架橋密度が低いた
め、十分な機械的強度が得られなかった。比較例4は、
(A+B)/Cが0.8未満であるため、塗膜の架橋密
度が低く、十分な機械的強度が得られなかった。一方、
比較例5は、(A+B)/Cが1.2を超えているた
め、エポキシ樹脂系硬化剤の配合量が少なく、艶消し剤
を添加しても艶消し状塗膜とならず、また、十分な機械
的強度が得られなかった。比較例6は、A/Bが0.2
未満であるため、ポリエステル樹脂の配合量が少なく、
艶消し状の塗膜とならないだけでなく、架橋密度が低い
ため、十分な機械的強度が得られなかった。また、エポ
キシ樹脂系硬化剤の配合量が多いため、塗膜が経時的に
黄変した。比較例7は、A/Bが0.9を超えているた
め、艶消し剤の配合量が少なく、艶消し状塗膜とならな
かった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、平滑性、機械的強度に
優れ、経時的に黄変しない艶消し状塗膜を得ることので
きる粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこ
れを用いた粉体塗料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AB01 AC01 AC02 AD01 AD02 AD03 AE11 BA02 BA03 BA05 BA08 BA10 BD04A BD07A BF09 BF26 BH02 CA02 CA06 CB04 CB05 CB06 CC05A CH02 DB02 DB13 FC03 FC05 FC08 FC35 FC36 HA01 HB01 4J038 DB002 DB062 DD061 DG262 GA03 GA06 KA03 KA04 NA01 NA11 NA15 PA02 PB05 PB07 PB09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジ
    オールとからなるポリエステル樹脂であって、極限粘度
    が0.10〜0.30dl/g、酸価が10〜30mg
    KOH/g、かつ、水酸基価が7mgKOH/g以上で
    あることを特徴とする粉体塗料用ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル樹脂、エポ
    キシ樹脂系硬化剤、ポリエステル樹脂の水酸基と反応す
    る官能基を有する硬化剤、及び艶消し剤を、下式及び
    を満たす割合で含む粉体塗料用ポリエステル樹脂組成
    物。 0.8≦(A+B)/C≦1.2 0.2≦A/B≦0.9 但し、A:ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の量
    (当量)、B:艶消し剤中のカルボキシル基の量(当
    量)、C:エポキシ樹脂系硬化剤中に含まれるエポキシ
    基の量(当量)。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の粉体塗料用ポリエステル
    樹脂組成物を用いた粉体塗料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003082279A (ja) * 2001-09-12 2003-03-19 Shinto Paint Co Ltd 粉体塗料組成物
JP2006083265A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Nippon Ester Co Ltd ポリエステルの製造方法およびポリエステル
CN112724783A (zh) * 2020-12-29 2021-04-30 江南载福粉末涂料(张家港)有限公司 一种轮毂底漆用低光粉末涂料及制备方法

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