JPH10147731A - 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物

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JPH10147731A
JPH10147731A JP32476796A JP32476796A JPH10147731A JP H10147731 A JPH10147731 A JP H10147731A JP 32476796 A JP32476796 A JP 32476796A JP 32476796 A JP32476796 A JP 32476796A JP H10147731 A JPH10147731 A JP H10147731A
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JP
Japan
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acid
polyester resin
mol
coating
diol component
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Pending
Application number
JP32476796A
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English (en)
Inventor
Makiko Sakai
満喜子 坂井
Yumi Kamiyoshi
由美 神吉
Takeshi Sato
健 佐藤
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性に優れ、かつ、厚膜塗装した場合でも
優れた外観及び強度を有する塗膜を与える粉体塗料用ポ
リエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 テレフタル酸65〜100 モル%とイソフタ
ル酸35〜0 モル%とからなる酸成分と、ネオペンチルグ
リコール40〜100 モル%からなるジオール成分とで主と
して構成され、酸成分におけるイソフタル酸の割合とジ
オール成分におけるネオペンチルグリコールの割合の合
計が50モル%以上であり、温度 180℃、剪断速度1.4sec
-1における溶融粘度が 100〜800dPa・s 、酸価が20〜45
mgKOH/gであるポリエステル樹脂に、トリグリシジルイ
ソシアヌレート硬化剤を配合した粉体塗料用ポリエステ
ル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性に優れ、か
つ、厚膜塗装した場合でも優れた外観及び強度を有する
塗膜を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂系粉体塗料は、従来の
溶剤型塗料と比較して、低公害塗料であること、塗装の
自動化が容易であること、比較的安価であること等の利
点が認められ、家電製品や自動車部品等の部材の保護、
装飾用塗料として、近年急速に需要が拡大している。
【0003】また、粉体塗料を用いると、1回の塗装で
塗膜の厚さが 100μm 以上のような厚膜塗装が可能であ
り、フェンスや屋外で使用される建築材料等の塗装にも
粉体塗料を使用することが試みられている。
【0004】このような用途に用いられる粉体塗料は、
耐候性が良好であると共に、厚膜塗装しても塗膜の外観
及び強度が良好であることが要求される。耐候性の良好
な粉体塗料として、ブロックドイソシアネート硬化型の
ポリエステル樹脂系粉体塗料があるが、この粉体塗料
は、厚膜塗装するとブロック剤の揮発による発泡のた
め、塗膜表面に微細な孔 (ピンホール) が発生して外観
が不良になるという問題があった。
【0005】また、エポキシ硬化型のポリエステル樹脂
系粉体塗料は、厚膜塗装してもピンホールの問題はない
が、耐候性が悪いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決し、耐候性に優れ、かつ、厚膜塗装した場合
でも優れた外観及び強度を有する塗膜を与える粉体塗料
用ポリエステル樹脂組成物を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために研究を重ねた結果、特定のポリエス
テル樹脂とトリグリシジルイソシアヌレート硬化剤とを
組み合わせることにより、この目的が達成されることを
見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、テレフタル酸
65〜100 モル%とイソフタル酸35〜0 モル%とからなる
酸成分と、ネオペンチルグリコール40〜100 モル%から
なるジオール成分とで主として構成され、酸成分におけ
るイソフタル酸の割合とジオール成分におけるネオペン
チルグリコールの割合の合計が50モル%以上であり、温
度 180℃、剪断速度1.4sec-1における溶融粘度が 100〜
800dPa・s 、酸価が20〜45 mgKOH/gであるポリエステル
樹脂に、トリグリシジルイソシアヌレート硬化剤を配合
したことを特徴とする粉体塗料用ポリエステル樹脂組成
物にある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明におけるポリエステル樹脂は、テレ
フタル酸(TPA)65〜100 モル%とイソフタル酸(I
PA)35〜0 モル%とからなる酸成分と、ネオペンチル
グリコール(NPG)40〜100 モル%からなるジオール
成分とで主として構成される。
【0011】ポリエステル樹脂を構成する酸成分として
は、主としてTPAとIPAが用いられるが、必要に応
じて、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸やアジピン酸(ADA)、セバシン酸、
ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸を併用してもよ
い。さらには、トリメリット酸、ピロメリット酸等の三
価以上のカルボン酸をポリエステル樹脂をゲル化させな
い範囲で併用してもよい。また、必要に応じて、4−ヒ
ドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキシ
カルボン酸を少量併用してもよい。
【0012】TPAの割合が65モル%未満であったり、
IPAの割合が35モル%を超えたりすると、ポリエステ
ル樹脂を粉体とした時ブロッキングを起こしやすくなっ
たり、塗膜の強度が低下したりして好ましくない。
【0013】一方、ポリエステル樹脂を構成するジオー
ル成分としては、NPGをジオール成分の40〜100 モル
%以上用いることが必要であり、これより少ないと、塗
膜の耐候性が不十分となる。必要に応じて、NPG以外
のジオール成分として、エチレングリコール(EG)、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、 1,4−
ブタンジオール、 1,6−ヘキサンジオール(1,6-HD)
等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、 1,4−シクロヘキサンジオール等の脂環族ジオー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビ
スフェノールSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族
ジオールが併用される。さらには、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、グリセリン等の三価以上
のアルコールをポリエステル樹脂をゲル化させない範囲
で併用してもよい。
【0014】また、ポリエステル樹脂は、酸成分におけ
るIPAの割合とジオール成分におけるNPGの割合の
合計が50モル%以上であることが必要である。この要件
が満たされないと、塗膜の耐候性が不十分となる。
【0015】さらに、ポリエステル樹脂は、温度 180
℃、剪断速度1.4sec-1における溶融粘度が 100〜800dPa
・s 、好ましくは 200〜600dPa・s 、酸価が20〜45 mgK
OH/g、好ましくは25〜35 mgKOH/gであることが必要であ
る。
【0016】溶融粘度が100dPa・s 未満の場合、塗膜の
強度が低下したり、塗装物の焼き付け時に塗料が垂れ落
ちたりすることがあり、800dPa・s を超える場合は、樹
脂の粉砕性が悪くなるため、好ましくない。
【0017】また、酸価が20 mgKOH/gに未満であると、
塗膜の表面に大きな凹凸が生じ、平滑性が低下したり、
塗膜の架橋密度が低いことに起因して厚膜塗装すると塗
膜の強度が低下したりする。一方、酸価が45 mgKOH/gを
超えると、塗膜の可撓性が低下し、塗装物の加工性が悪
くなる。
【0018】なお、ポリエステル樹脂は、軟化温度が50
〜150 ℃の範囲のものが好ましい。軟化温度が50℃未満
のものでは、粉体化した樹脂が凝集して固化しやすく、
耐ブロッキング性が劣る傾向があり、一方、 150℃を超
えると、混練温度を高くすることが必要となり、塗料化
時に硬化反応が進み、結果として塗膜の平滑性や強度が
低下する傾向がある。
【0019】ポリエステル樹脂は、前記のようなカルボ
ン酸成分、ジオール成分(それらのエステル形成性誘導
体を含む)を原料とし、常法によって、温度 200〜280
℃でエステル化 (又はエステル交換反応) を行った後、
5 hPa以下の減圧下、温度 200〜300 ℃、好ましくは 2
30〜290 ℃で重縮合反応を行って高重合度のポリマーと
し、さらにカルボン酸成分、例えば無水トリメリット酸
(TMA)、IPA等を添加して解重合反応を行う方法
で調製することができる。この際、共重合組成、重縮合
条件や解重合条件を調節することにより、前記の条件を
満足するポリエステル樹脂とすることができる。
【0020】なお、ポリエステル樹脂を製造する際に
は、公知の反応触媒等を用いることができる。
【0021】本発明の樹脂組成物は、上記のようなポリ
エステル樹脂にトリグリシジルイソシアヌレート(TG
IC)硬化剤を配合したものである。TGIC硬化剤の
市販品としては、「アラルダイトPT-810」 (チバガイギ
ー社製、商品名) がある。
【0022】硬化剤の配合量は、ポリエステル樹脂のカ
ルボキシル基量にほぼ対応する官能基量、すなわち、
0.8〜1.2 倍当量となるようにするのが適当である。
【0023】本発明の樹脂組成物は、上記のようなポリ
エステル樹脂と硬化剤とをニーダー又はロールを用い
て、温度70〜150 ℃で混練することにより調製すること
ができる。
【0024】なお、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じて公知の硬化触媒、レベリング剤、その他の添加剤、
顔料等を配合することができる。
【0025】本発明の樹脂組成物は、耐候性が優れてい
るとともに、粉体塗料として塗装物を焼き付けする際の
重量減少率が小さく、100 μm以上の厚膜塗装を行って
もピンホールが発生することがない。
【0026】
【実施例】次に、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明する。なお、ポリエステル樹脂及び塗膜の特
性値は次に示す方法で測定した。 (a) TPA、IPA及びNPGの共重合割合 樹脂をメタノール分解した後、島津製作所製GC−14A
を用いたガスクロマトグラフ法で求め、全酸成分又は全
ジオール成分に対するモル%で表した。 (b) 溶融粘度 ブルックフィールド社製VISCO METER DV−1型溶融粘度
計を用い、試料量15g、温度 180℃、剪断速度1.4sec-1
で測定した。 (c) 酸価 樹脂をジオキサンと水との容量比10/1 の混合液に溶解
し、30分間加熱還流した後、 0.5規定の水酸化カリウム
メタノール溶液で滴定して求めた。 (d) 軟化温度 60〜100 メッシュの大きさに粉砕した樹脂を直径 2.5m
m、長さ 150mm、有底ガラス管に30mmの高さまで充填
し、樹脂充填部を油浴中に浸漬して、1℃/分の速度で
昇温し、液化し始める温度を目視で求め、軟化温度とし
た。 (e) 重量減少率 粉体塗料をリン酸亜鉛鋼板上に膜厚が 100〜110 μmに
なるように静電塗装し、塗装物を 180℃で20分間焼き付
けを行い、焼き付け前の重量に対する重量減少率を求め
た。 (f) ピンホールの有無 塗膜の状態を目視が観察して判定した。 (g) 耐衝撃性 JIS K 5400に準じ、直径1.27cmの球面を持つ撃ち型とそ
れに合う窪みを持つ受け台との間に塗膜が球面と接触す
るように塗装鋼板を挟み込み、その上方から1kgの重り
を垂直に落下させて、塗膜の破壊する高さを求めた。
(この値が50cm以上であれば合格である。) (h) 0T折り曲げ(可撓性) 塗装鋼板を塗膜を外側にして隙間なく 180度折り曲げ、
塗膜の割れの有無を目視で判定した。 (i) 促進耐候性(光沢保持率) JIS K 5400に準じ、スガ試験機社製WEL-6XS-HC-B・Ec型
サンシャインウェザーメーターを用いて、塗膜に 500時
間照射後の60度鏡面光沢度の保持率を求めた。(この値
が60%以上であれば合格である。) ここで、60度鏡面光沢度は、JIS K 5400に準じて測定し
た。
【0027】実施例1〜4、比較例1〜4 表1及び表2に示した原料化合物を、表1及び表2に示
した量(モル部)でエステル化反応槽に仕込み、圧力0.
3MPa、温度 200〜260 ℃で6時間エステル化反応を行っ
た。得られたエステル化物を重縮合反応槽に移送した
後、三酸化アンチモンを2×10-4モル/酸成分1モル添
加し、0.4hPaに減圧し、温度 280℃で4時間重縮合反応
を行い、極限粘度0.45のポリエステルを得た。次いで、
このポリエステルに、表1及び表2の解重合の欄に示し
た化合物を表1及び表2に示した量(モル部)で添加
し、常圧下、温度 250℃で2時間解重合反応を行い、表
1及び表2に示す特性値のポリエステル樹脂を得た。得
られたポリエステル樹脂に、TGIC硬化剤:「アラル
ダイトPT-810」、化触媒:チバガイギー社製「アラル
ダイト DT-3126」、ブチルポリアクリレート系レベリン
グ剤:BASF社製「アクロナール4F」、ベンゾイン、
エポキシ樹脂系耐蝕性改良剤:東都化成社製「エポトー
トYD-014」 及びルチル型二酸化チタン顔料:石原産業社
製「CR-90」を表1及び表2に示す量(重量部)添加し、
FM10B型ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)でド
ライブレンドした後、PR−46型コ・ニーダ(ブッス社
製)を用い、温度 110℃で溶融混練し、冷却、粉砕後、
140メッシュの金網で分級して粉体塗料を得た。得られ
た粉体塗料をリン酸亜鉛処理鋼板上に膜厚が 100μmと
なるように静電塗装して、 180℃×20分間の条件で焼付
けを行った。塗膜の性能を評価した結果を表1及び表2
に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、耐候性に優れ、かつ、
厚膜塗装した場合でも優れた外観及び強度を有する塗膜
を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物が提供され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸65〜100 モル%とイソフタ
    ル酸35〜0 モル%とからなる酸成分と、ネオペンチルグ
    リコール40〜100 モル%からなるジオール成分とで主と
    して構成され、酸成分におけるイソフタル酸の割合とジ
    オール成分におけるネオペンチルグリコールの割合の合
    計が50モル%以上であり、温度 180℃、剪断速度1.4sec
    -1における溶融粘度が 100〜800dPa・s 、酸価が20〜45
    mgKOH/gであるポリエステル樹脂に、トリグリシジルイ
    ソシアヌレート硬化剤を配合したことを特徴とする粉体
    塗料用ポリエステル樹脂組成物。
JP32476796A 1996-11-19 1996-11-19 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 Pending JPH10147731A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002024823A3 (en) * 2000-09-25 2002-06-06 Shell Int Research Polyester triglycidyl isocyanurate resin powder coatings based on 1, 3-propanediol

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