JPH1046056A - 粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents

粉体塗料用樹脂組成物

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JPH1046056A
JPH1046056A JP22315896A JP22315896A JPH1046056A JP H1046056 A JPH1046056 A JP H1046056A JP 22315896 A JP22315896 A JP 22315896A JP 22315896 A JP22315896 A JP 22315896A JP H1046056 A JPH1046056 A JP H1046056A
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JP
Japan
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resin
resin composition
acid
coating film
weight
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Application number
JP22315896A
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English (en)
Inventor
Takeshi Sato
健 佐藤
Yumi Kamiyoshi
由美 神吉
Makiko Sakai
満喜子 坂井
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な低温硬化性を有し、硬化性及び貯蔵安
定性に優れ、外観の良好な塗膜を形成することができる
粉体塗料用樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸を主体とする酸成分
とエチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主
体とするアルコール成分とからなり、極限粘度が0.10〜
0.30dl/g、酸価が40〜90mgKOH/g で、 150℃における溶
融粘度が 100〜800dPa・s のポリエステル樹脂45.0〜6
5.0重量部、エポキシ当量が 500〜1000g/eqのエポキシ
樹脂35.0〜55.0重量部及び硬化促進剤0.15〜1.0 重量部
(3者の合計で 100重量部)からなり、樹脂組成物のゲ
ル化時間が8〜13分である粉体塗料用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な低温硬化性
を有し、硬化性及び貯蔵安定性に優れ、外観の良好な塗
膜を形成することができる粉体塗料用樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、従来の溶剤型塗料と比較し
て、無公害塗料であること、塗装直後でも利用に供しう
ること、多層の重ね塗りが不要であること、比較的安価
であること、塗装時の余剰分の回収利用が可能であるこ
となどの利点が認められ、家電製品、建材、自動車部品
等の部材の保護装飾用塗料として、近年急速に需要が拡
大している。
【0003】粉体塗料にはエポキシ樹脂系、アクリル樹
脂系、ポリエステル樹脂系のものが主に知られている
が、その中でもポリエステル粉体塗料はバランスのとれ
た塗膜を与える塗料として知られている。
【0004】ところで、ポリエステル粉体塗料は、溶剤
型塗料と比較して一般に高温の焼付け温度が必要とされ
ているが、焼付け温度が低温化されることによって、溶
剤塗装ラインの塗装設備をそのまま転用できたり、発生
熱量の減少により、作業性の向上や作業環境の改善だけ
でなく、省エネルギーによるランニングコストの削減と
いうメリットがある。また、焼付け温度が低温化される
ことによって、耐熱性が十分でないために、従来粉体塗
料による塗装ができなかった材料への塗装が可能になる
など、被塗装物の拡大が見込める。このような点からポ
リエステル粉体塗料の焼付けの低温化が強く要望されて
いる。
【0005】しかしながら、従来のポリエステル粉体塗
料は、低温で焼付けた場合、硬化反応性が低下して十分
に硬化しないという問題があり、硬化反応性を上げるた
めに、硬化促進剤を多量に添加すると、塗膜外観が著し
く悪化するという問題があった。そして、塗膜外観を実
用的なレベルにするため、柔軟性成分を共重合したりす
ると、樹脂のガラス転移点が低下し、塗料の貯蔵安定性
が悪化してしまうなど実用に供するものを得ることが困
難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決し、低温で焼付けすることができ、硬化性及
び貯蔵安定性に優れ、外観の良好な塗膜を形成すること
ができる粉体塗料用樹脂組成物を提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために研究を重ねた結果、特定の溶融粘度を
有するポリエステル樹脂とエポキシ樹脂及び硬化促進剤
を組み合わせた特定のゲル化時間を有する樹脂組成物と
することにより、この目的が達成されることを見出し、
本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、芳香族ジカルボン酸
を主体とする酸成分とエチレングリコール及びネオペン
チルグリコールを主体とするアルコール成分とからな
り、極限粘度が0.10〜0.30dl/g、酸価が40〜90mgKOH/g
で、 150℃における溶融粘度が100〜800dPa・s のポリ
エステル樹脂45.0〜65.0重量部、エポキシ当量が 500〜
1000g/eqのエポキシ樹脂35.0〜55.0重量部及び硬化促進
剤0.15〜1.0 重量部(3者の合計で 100重量部)からな
り、樹脂組成物のゲル化時間が8〜13分であることを特
徴とする粉体塗料用樹脂組成物を要旨とするものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明におけるポリエステルの樹脂は、芳
香族ジカルボン酸を主体とする酸成分とエチレングリコ
ール及びネオペンチルグリコールを主体とするアルコー
ル成分とからなるものである。
【0011】芳香族ジカルボン酸としては、必要とする
樹脂特性やコストパフォーマンスなどの理由から、主と
してテレフタル酸及びイソフタル酸が用いられる。必要
に応じて、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、無水フ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸等のその他の芳香族ジ
カルボン酸を併用してもよい。
【0012】また、アルコール成分としては、必要とす
る樹脂特性やコストパフォーマンスなどの理由から、主
としてエチレングリコールとネオペンチルグリコールが
用いられる。
【0013】本発明において、特に好ましいポリエステ
ル樹脂は、低温硬化性、コスト面、塗膜外観及び塗膜性
能の面で、上記のような芳香族ジカルボン酸成分及びア
ルコール成分に加えて、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボ
ン酸A及び/又は炭素数3〜12の直鎖又は脂環族ジオー
ルB、及び3官能化合物Cを共重合成分として含有する
ものである。
【0014】脂肪族ジカルボン酸Aとしては、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸等、直鎖又は脂環族ジオールBとしては、 1,3−プ
ロパンジオール、 1,4−ブタンジオール、 1,5−ペンタ
ンジオール、 1,6−ヘキサンジオール、 1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、 1,4−シクロヘキサンジオール
等、3官能化合物Cとしては、トリメリット酸、無水ト
リメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン等
が挙げられる。
【0015】そして、Aの全酸成分に対する割合とBの
全ジオール成分に対する割合の合計が1〜10モル%、C
の全酸成分に対する割合が1〜10モル%のものが好まし
い。
【0016】さらに、上記のような成分の他に、本発明
の効果を損なわない範囲で、4−ヒドロキシ安息香酸、
ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸、ピロメ
リット酸、ペンタエリスリトール等の多官能化合物、ビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェ
ノールSのエチレンオキサイド付加物等の芳香環を有す
るジオール等を共重合してもよい。
【0017】本発明におけるポリエステル樹脂は、極限
粘度が0.10〜0.30dl/g、好ましくは0.10〜0.20dl/gの範
囲のものである。極限粘度が0.10dl/g未満のものでは、
分子量が低いために、樹脂及び組成物の耐ブロッキング
性が低下したり、塗膜の強度が低下して好ましくない。
一方、極限粘度が0.30dl/gを超えるものでは、分子量が
高いために粉砕性が悪くなったり、流動性が低下するた
め、塗膜の平滑性が悪くなる。
【0018】また、ポリエステル樹脂は、酸価が40〜90
mgKOH/g、好ましくは、50〜80 mgKOH/gの範囲のもので
ある。酸価が40 mgKOH/g未満のものでは、分子量が高く
なりすぎて流動性が低下するため、塗膜の表面に大きな
凹凸が生じ、平滑性が低下し、90 mgKOH/gを超えるもの
では、分子量が低くなりすぎて塗膜の強度が低下した
り、硬化速度が速くなりすぎるため、塗膜の平滑性が低
下する。
【0019】さらに、本発明におけるポリエステル樹脂
は、 150℃における溶融粘度が 100〜800dPa・s 、好ま
しくは 150〜500dPa・s の範囲のものであることが必要
がある。この溶融粘度が100dPa・s に満たないと、塗料
として焼付けた時に流動性が大きすぎ、塗膜の端にタレ
が生じて、好ましくない。一方、この溶融粘度が800dPa
・s を超えると、流動性が低下し、塗膜の平滑性が悪く
なる。従来の粉体塗料用ポリエステル樹脂の溶融粘度
は、1500〜3000 dPa・s 程度であり、本発明では、従来
よりも著しく溶融粘度の小さいものを使用することが必
要である。
【0020】なお、ポリエステル樹脂は、軟化温度が50
〜100 ℃の範囲のものが好ましい。軟化温度が50℃未満
であると、粉体化した樹脂が凝集して塊状化しやすく、
耐ブロッキング性が劣り、一方、 100℃を超えると、混
練温度を高くすることが必要となり、塗料化時に硬化反
応が進み、結果として塗膜の平滑性が低下する。
【0021】上記の条件を満足するポリエステル樹脂
は、前記のような酸成分とアルコール成分(それらのエ
ステル形成性誘導体を含む)を原料とし、常法によっ
て、 200〜280 ℃の温度でエステル化又はエステル交換
反応を行った後、5hPa以下の減圧下、 200〜300 ℃、好
ましくは 230〜290 ℃の温度で重縮合反応を行って高重
合度のポリマーとし、さらに酸成分を添加して解重合反
応を行う方法で調製することができる。
【0022】また、常法によって、エステル化又はエス
テル交換反応を行った後、常圧下、又は50〜100hPa程度
の減圧下、 200〜300 ℃、好ましくは 220〜280 ℃の温
度で所定の極限粘度となるまで重縮合反応を行った後、
常圧下、 220〜280 ℃の温度で所定量のジカルボン酸を
添加し、付加反応を行うことによって調製することもで
きる。なお、極限粘度の非常に小さいものは、カルボン
酸過剰の状態において常圧下、 200〜280 ℃の温度でエ
ステル化反応を行うことにより調製することもできる。
【0023】また、エステル化、エステル交換反応及び
重縮合反応において、公知の反応触媒等を用いることが
できる。
【0024】本発明において、エポキシ樹脂は、硬化剤
として作用するものであり、エポキシ当量が 500〜1000
g/eqのエポキシ樹脂を使用する必要がある。エポキシ当
量が500g/eqに満たないものであると、塗料としたとき
塊状化するなど貯蔵安定性がよくない。また、エポキシ
当量が1000g/eqを超えるものでは、塗料中にエポキシ樹
脂の占める割合が多くなり、塗膜の強度が低下すること
などによって塗膜性能のバランスが損なわれるため好ま
しくない。
【0025】このようなエポキシ樹脂としては、ビスフ
ェノールAとエピクロルヒドリンから誘導されるエピ・
ビス型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。エピ・ビス
型エポキシ樹脂の具体例としては、東都化成社製の「エ
ポトートYD-014」、シェル社製の「エピコート 1002
F」、チバ・ガイギー社製の「アラルダイトAER 6003」
等が挙げられる。
【0026】また、本発明の樹脂組成物には、硬化促進
剤を配合することが必要であり、硬化促進剤としては、
イミダゾール系化合物やリン系化合物が用いられるが、
特にイミダゾール系化合物が好ましい。イミダゾール系
硬化促進剤としては、四国化成社製の「キュアゾール
C11Z」及び「キュアゾール C17Z」等が挙げられ、特に
「キュアゾール C11Z」が好ましい。リン系硬化促進剤
としては、イハラケミカル工業社製の「トリフェニルホ
スフィン PP-360」等が挙げられる。
【0027】本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂
45.0〜65.0重量部、エポキシ樹脂35.0〜55.0重量部及び
硬化促進剤0.15〜1.0 重量部で、3者の合計が 100重量
部となるように配合したものである。
【0028】ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂の量が
上記範囲を外れると、塗料が十分に硬化しないため塗膜
の強度が低下する。また、硬化促進剤の量が上記範囲よ
り少ないと十分な低温硬化性が得られず、逆に多すぎる
と硬化反応性が増大し過ぎるため塗膜外観が悪化した
り、得られる塗膜の色調が著しく悪化したりする。
【0029】なお、エポキシ樹脂の量は、ポリエステル
樹脂の酸価に対応する官能基量(0.8〜1.2 倍当量)とな
るようにする。
【0030】また、本発明の樹脂組成物は、ゲル化時間
が8〜13分、好ましくは9〜12分となるように組成を調
整することが必要である。樹脂組成物のゲル化時間が8
分に満たないと、硬化反応が速くなりすぎるため、塗膜
の平滑性が著しく悪化し、ゲル化時間が13分を超える
と、硬化反応性が遅いため十分に硬化せず、塗膜の強度
が低下する。
【0031】本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、上記の
ようなポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及び硬化促進剤
をニーダー又はロールを用いて70〜120 ℃で混練するこ
とにより調製することができる。なお、硬化促進剤は、
ポリエステル樹脂の重合時に添加しておくことも可能で
ある。
【0032】また、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じて公知のレベリング剤、顔料、その他の添加剤を配合
することができる。
【0033】本発明の樹脂組成物を用いて得られる粉体
塗料は、これを被塗装物に塗装し、通常、 140〜160 ℃
の比較的低温で、15〜25分間焼付けることにより、光沢
や平滑性等の優れた塗膜を与える。
【0034】
【作用】本発明の樹脂組成物は、上記したような特定の
極限粘度及び酸価を有し、特定の低い溶融粘性をもつポ
リエステル樹脂、特定のエポキシ樹脂及び硬化促進剤か
らなり、特定のゲル化時間(硬化反応性) を有するた
め、これを用いれば、低温での硬化反応性、焼付け後の
塗膜外観及び塗膜強度がバランスよく備わった優れた粉
体塗料となる。
【0035】本発明及び実施例における特性値の測定法
等は、次のとおりである。 (a) 共重合成分の割合 ポリエステル樹脂をメタノール分解した後、ガスクロマ
トグラフ (島津製作所社製GC-14A) を用いて求めた。 (b) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒と
し、20℃で測定した。 (c) 酸価 ポリエステル樹脂 0.5gをジオキサン/蒸留水=10/1
(重量比)の混合溶媒50mlに溶解し、加熱還流後、 0.1
規定の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求め
た。 (d) 溶融粘度 試料量15g、温度 150℃で、ブルックフィールド溶融粘
度計(ブルックフィールド社製VISCO METER DV-1)で測
定した。 (e) 軟化温度 60〜100 メッシュの大きさに粉砕したポリエステル樹脂
を直径 2.5mm、長さ 150mmの有底ガラス管に30mmの高さ
まで充填し、樹脂充填部を油浴中に浸漬して、1℃/分
の速度で昇温し、液化し始める温度を目視で求め、軟化
温度とした。 (f) ゲル化時間 ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及び硬化促進剤からな
る樹脂組成物 100重量部に対し二酸化チタン顔料50重量
部を混合したものを試料とし、試料量 100g、温度 150
℃で、ブラベンダー・プラスチコーダー(ブラベンダー
社製 PLV-340)を用いて硬化曲線を求め、測定開始から
トルク値が250m・gに達するまでの時間をゲル化時間と
した。 (g) 耐ブロッキング性 直径3cm、高さ7cmの有底ガラス管に、粉体塗料を高さ
4cmまで入れ、40℃の恒温槽中に1週間放置した後、ガ
ラス管を逆さにして粉体塗料を出し、塗料の状態によ
り、次の2段階で評価した。 ○:塗料に塊がない。 ×:塗料が凝集した大きな塊がある。 (h) 平滑性 塗膜の平滑性を目視により、次の2段階で評価した。 ○:塗膜に凹凸が少なく、平滑性が良好である。 ×:塗膜に大きな凹凸があり、平滑性が不良である。 (i) 60度鏡面光沢度 JIS K 5400に準じて求めた。 (j) 耐衝撃性 JIS K 5400に準じ、直径1.27cmの球面を持つ撃ち型とそ
れに合う窪みを持つ受台との間に塗膜が球面と接触する
ように塗装鋼板を挟みこみ、その上から1kgのおもりを
垂直に落下させて、塗膜の破壊する高さを求めた。(こ
の値が20cm以上であれば合格である。) (k) エリクセン JIS Z 2247に準じて求めた。(この値が9mm以上であれ
ば合格である。)
【0036】
【実施例】次に実施例及び比較例によって本発明を具体
的に説明する。
【0037】実施例1〜5及び比較例1〜7 表1及び表2に示した原料化合物を、表1及び表2に示
した量(モル部)でエステル化反応槽に仕込み、圧力0.
3MPa、温度 260℃で4時間エステル化反応を行った。得
られたエステル化物を重縮合反応槽に移送した後、三酸
化アンチモンを2×10-4モル/酸成分1モル添加し、0.
5hPaに減圧し、 270℃で3時間重縮合反応を行い、極限
粘度0.45dl/gのポリエステルを得た。次いで、このポリ
エステルに、表1及び表2に示した解重合剤を表1及び
表2に示した量(モル部)で添加し、常圧下、 250℃で
2時間解重合反応を行い、表1及び表2に示す特性値の
ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂
に、エポキシ当量が 760g/eqのエピ・ビス型エポキシ樹
脂硬化剤:チバ・ガイギー社製アラルダイトAER 6003、
イミダゾール系硬化促進剤:四国化成社製C11Z(ウンデ
シルイミダゾール)、ブチルポリアクリレート系レベリ
ング剤:BASF社製アクロナール4F、ベンゾイン及
びルチル型二酸化チタン顔料:石原産業社製 CR-90を表
1及び表2に示す量(重量部)添加し、FM 10B型ヘンシ
ェルミキサー:(三井三池製作所製)でドライブレンド
した後、PR-46 型コ・ニーダ:(ブッス社製)を用いて
100℃で溶融混練し、冷却、粉砕後、 140メッシュの金
網で分級して粉体塗料を得た。得られた粉体塗料をリン
酸亜鉛処理鋼板上に膜厚が50〜60μmとなるように静電
塗装して、 150℃×20分間焼付けを行った。塗膜の性能
を評価した結果を表1及び表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】実施例6及び比較例8 重縮合反応温度を 260℃、重縮合反応時間を2時間と
し、極限粘度0.35dl/gのポリエステルを得、その後同様
に解重合反応を行って、得られるポリエステルの極限粘
度を変えた以外は実施例1と同様に行った。
【0041】実施例7 重縮合反応時間を4時間とし、極限粘度0.48dl/gのポリ
エステルを得、その後同様に解重合反応を行って、得ら
れるポリエステルの極限粘度を変えた以外は実施例1と
同様に行った。
【0042】比較例9 重縮合反応温度を 280℃、重縮合反応時間を4時間と
し、極限粘度0.52dl/gののポリエステルを得、その後同
様に解重合反応を行って、得られるポリエステルの極限
粘度を変えた以外は実施例1と同様に行った。
【0043】実施例8、比較例10 硬化促進剤として、リン系の硬化促進剤:イハラケミカ
ル工業社製「トリフェニルホスフィン PP-360」を使用
した以外は実施例1と同様に行った。
【0044】実施例9 エピ・ビス型エポキシ樹脂硬化剤として、エポキシ当量
が 650g/eqのシェル社製「エピコート 1002F」を使用し
た以外は実施例1と同様に行った。
【0045】実施例10 エピ・ビス型エポキシ樹脂硬化剤として、エポキシ当量
が 950g/eqの東都化成社製「エポトートYD-014」を使用
した以外は実施例1と同様に行った。
【0046】比較例11 エピ・ビス型エポキシ樹脂硬化剤として、エポキシ当量
が 190g/eqの東都化成社製「エポトートYD-128」を使用
した以外は実施例1と同様に行った。
【0047】比較例12 エピ・ビス型エポキシ樹脂硬化剤として、エポキシ当量
が1500g/eqの東都化成社製「エポトートYD-907」を使用
した以外は実施例1と同様に行った。
【0048】実施例11 塗料の焼付条件を 140℃×20分とし、表3の条件で試験
した。
【0049】実施例6〜11及び比較例8〜12の結果を表
3及び表4に示す。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】実施例1〜11で得られた塗料は、強度、外
観を満足した良好な塗膜を与えるものであった。
【0053】これに対して、比較例では、次のような問
題があった。比較例1、2では、ポリエステル樹脂とエ
ポキシ樹脂の配合量が不適当であったため、十分に硬化
せず、塗膜の強度が不十分であった。比較例3では、樹
脂組成物のゲル化時間が短すぎたため、硬化反応性が速
くなりすぎ、塗膜外観が不良であった。比較例4では、
樹脂組成物のゲル化時間が長すぎたため、硬化反応性が
低下し十分に硬化せず塗膜の強度が不十分であった。比
較例5では、ポリエステル樹脂の酸価が低すぎるため、
樹脂の分子量が高くなりすぎ流動性が低下し、塗膜外観
が不良であったり、硬化反応性が低下し十分に硬化せ
ず、塗膜の強度が不十分であった。比較例6では、硬化
促進剤量が少なすぎたため、十分に硬化せず、塗膜の強
度が不十分であった。比較例7では、硬化促進剤量が多
すぎるため、硬化反応性が速くなりすぎ塗膜外観が不良
であった。比較例8では、ポリエステル樹脂の極限粘度
が低く、またポリエステル樹脂の溶融粘度が低すぎるた
め、樹脂の分子量が低くなりすぎ樹脂及び塗料の耐ブロ
ッキング性や塗膜の強度が不十分であったり、組成物と
した場合の流動性がありすぎ、塗膜にタレが生じた。比
較例9では、ポリエステル樹脂の極限粘度が高く、また
ポリエステル樹脂の溶融粘度が高すぎるため、樹脂及び
組成物の流動性が低下し、塗膜外観が不良であった。比
較例10では、ポリエステル樹脂の酸価が高すぎるため、
硬化反応性が速くなりすぎ、塗膜外観が不良となった
り、分子量も低いため耐ブロッキング性も不良であっ
た。比較例11では、エポキシ樹脂のエポキシ当量が低す
ぎるため、塗料の耐ブロッキング性が悪化するなど貯蔵
安定性がよくなかったり、ポリエステル樹脂とエポキシ
樹脂の配合量が不適当になり、十分に硬化せず、塗膜の
強度が不十分であった。比較例12では、エポキシ樹脂の
エポキシ当量が高すぎるため、塗料中に占めるエポキシ
樹脂の割合が多くなり、塗膜性能のバランスが損なわ
れ、塗膜外観が不良であった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、良好な低温硬化性を有
し、硬化性及び貯蔵安定性に優れ、外観の良好な塗膜を
形成することができる粉体塗料用樹脂組成物が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NJX C08L 63/00 NJX

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸を主体とする酸成分
    とエチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主
    体とするアルコール成分とからなり、極限粘度が0.10〜
    0.30dl/g、酸価が40〜90mgKOH/g で、 150℃における溶
    融粘度が 100〜800dPa・s のポリエステル樹脂45.0〜6
    5.0重量部、エポキシ当量が 500〜1000g/eqのエポキシ
    樹脂35.0〜55.0重量部及び硬化促進剤0.15〜1.0 重量部
    (3者の合計で 100重量部)からなり、樹脂組成物のゲ
    ル化時間が8〜13分であることを特徴とする粉体塗料用
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂が、炭素数4〜12の脂
    肪族ジカルボン酸A及び/又は炭素数3〜12の直鎖又は
    脂環族ジオールB、及び3官能化合物Cを共重合成分と
    して含有し、Aの全酸成分に対する割合とBの全ジオー
    ル成分に対する割合の合計が1〜10モル%、Cの全酸成
    分に対する割合が1〜10モル%のポリエステル樹脂であ
    る請求項1記載の粉体塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 硬化促進剤がイミダゾール系化合物であ
    る請求項1又は2記載の粉体塗料用樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100474044B1 (ko) * 1996-12-30 2005-12-26 고려화학 주식회사 저온소부분체도료조성물
WO2022239693A1 (ja) * 2021-05-11 2022-11-17 株式会社ベルポリエステルプロダクツ ポリエステル樹脂及びその使用方法、並びに化粧料容器及び化粧製品

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