JPH11217203A - 金属酸化物粉末の製造方法 - Google Patents
金属酸化物粉末の製造方法Info
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Abstract
て、組成が均一で固溶度が高く、かつ分散性、流動性に
優れた球状粒子からなる複合金属酸化物粉末を高収率、
高能率で製造できる方法を提供すること。 【解決手段】噴霧ノズルから金属イオンを含む水溶液を
堅型反応炉内に噴霧して霧化物とし、該霧化物を焼成し
て金属酸化物粉末を製造する方法において、金属イオン
を含む水溶液を霧化物とするために酸素富化ガスを用
い、霧化物の焼成を行なうためのバーナーを、噴霧ノズ
ルから噴霧される霧化物を火焔が覆うように焼成しうる
位置に設け、前記堅型反応炉の内壁側面全周に沿って空
気流層を常に形成した状態で、前記霧化物を、堅型反応
炉の頂部から垂直下方向に噴霧して焼成することを特徴
とする金属酸化物粉末の製造方法。
Description
クスの原料として有用な金属酸化物粉末、特に2種以上
の金属の複合酸化物粉末を噴霧焼成法により製造する方
法に関し、組成が均一で且つ分散性、流動性に優れた球
状粒子からなる金属酸化物粉末を高能率で製造する方法
に関する。
製造技術が要求される複合酸化物粉末の工業的な製造方
法には、固相法と液相法がある。固相法は、各金属の酸
化物等の不均一混合粉を原材料とするので、原子、分子
レベルの均一混合が得られ難い。一方、液相法は、金属
の硫酸塩、塩化物、硝酸塩等のうち水に可溶の金属塩
(金属イオン)の混合水溶液を原材料とするので、原
子、分子レベルの均一混合が得られ、機能性を重視する
各種セラミックスの製法として利点がある。この液相法
による複合酸化物粉末の製造法には共沈法と噴霧焼成法
が知られている。
制御して複数の金属イオンを難溶性化合物として共沈さ
せ、これを焼成して複合酸化物を得る方法である。しか
し、この共沈法に用いる各金属イオンは、固有のpH適
合域を有するため、複数の金属イオンを所定比率で同時
に沈澱させることが容易でなく、また得られる複合酸化
物粉末の形状は一般に不定形であり、分散性、流動性に
難がある。
高温雰囲気中又は燃焼焔中に噴霧し、脱水と酸化を短時
間内に完了させて複合酸化物粉末とする方法であり、原
理的には組成のずれがない、球状に近い複合酸化物粒子
が得られる方法として注目されている。具体的には、例
えば、フェライトを構成する金属の塩化物の混合溶液を
燃焼焔中に噴霧してフェライト微粉末を製造し、その
際、生成する塩化水素ガスを回収、循環使用する方法が
特公昭47−11550号公報に開示され、金属塩化物
の混合水溶液を、還元性物質を殆ど含まない高温ガス流
中に噴霧混合し、急速に所定の焙焼温度に保つと共に、
原料と生成物の流れを熱ガス流に並流的に同伴させつつ
金属塩化物の分解を行なう方法が特開平1−19270
8号公報に開示され、CeとZrの硝酸塩、硫酸塩、及
び酢酸塩のうちから選ばれた所定比率の混合水溶液ある
いはこれに更に可燃性油と乳化剤を添加したエマルジョ
ンを噴霧すると共に酸化雰囲気で加熱することにより、
Ce−Zr系複合酸化物を製造する方法が特開平8−7
3221号公報に開示されている。また、噴霧焙焼装置
としては、特開平2−59405号公報において、低
温、中温の3段階加熱帯を有する外熱式装置の提案がな
されている。しかし、工業的に安定して実施するために
は未だ解決すべき課題が多く、十分に実用化されていな
いのが現状である。
の〜の問題がある。 生成した粉末が、反応炉の内壁面に付着、堆積し易
く、回収性が極めて悪い。この傾向は外熱式の反応炉を
用いた場合はもちろんのこと、生成物の流れを熱ガス流
に同伴させた場合でも完全に解決できていない。しかも
一度堆積した粉末は回収し得たとしても、焼結が進行し
て製品化できない。 複数の金属イオンが複合酸化物として十分に固溶化反
応を完了しておらず(固溶度が低く)、X線回折によれ
ば、単独の金属酸化物が一部残留しており、期待した複
合酸化物としての特性が得られない場合がある。この固
溶化反応を完了させ、反応率を上げるために炉内温度を
高めると前記の傾向を更に助長する。 回収した粉末がサラサラしておらず、分散性、流動性
が不十分である。そのため使用時のハンドリングや成型
性に難がある。
粉末製造におけるこれらの問題点を解決し、特に、組成
が均一で固溶度が高く、かつ分散性、流動性に優れた球
状粒子からなる複合金属酸化物粉末を高収率、高能率で
製造できる方法を提供することを目的とする。
の課題を解決するために鋭意検討した結果、従来技術
における技術的思想から脱却し本発明を完成するに至っ
た。要するに、従来技術においては、炉内における反応
を充分に行なわせることが主眼とされ、炉壁は保温が強
化され、更には外部加熱をも併用して炉の内壁温度を上
げることが目的とされている。本発明者は、このような
従来技術の技術的思想に基づく場合には、前述のの問
題が回避できず、更にはの課題も解決しえないと考
え、内壁面の過熱と生成する粉末粒子の内壁面への衝突
とを抑制・防止すると共に炉内の反応を充分に行なわせ
うる手段を検討した。このような、炉の内壁面の過熱を
抑制・防止することと、炉内の反応を充分に行なわせる
こと(換言すれば、炉内の温度を充分高くすること)と
は、全く相反することを同時に実現させることであっ
て、従来においては、このような技術的思想は全く考え
られていなかった。本発明者は、まず、内壁面の過熱を
抑制・防止しうる手段として、種々の冷却手段を検討し
た。例えば、炉壁を水冷する方法が考えられるが、本発
明が対象とする金属塩水溶液の噴霧焼成においては、金
属塩の熱分解で生じる多量の酸根を含む露点の高い蒸気
が内壁に結露し、これが粉末の付着の核となって、この
ような冷却法では前記の課題も解決できない。そこ
で、本発明者は、炉の内壁側面に沿って空気層を形成す
る冷却手段に着目し、この空気層の存在にかかわらず、
炉内における反応を充分に行なわせうる方法を見い出し
本発明を完成した。
ら金属イオンを含む水溶液を堅型反応炉内に噴霧して霧
化物とし、該霧化物を焼成して金属酸化物粉末を製造す
る方法において、前記金属イオンを含む水溶液を霧化物
とするために酸素富化ガスを用い、前記霧化物の焼成を
行なうためのバーナーを、前記噴霧ノズルから噴霧され
る霧化物を火焔が覆うように焼成しうる位置に設け、前
記堅型反応炉の内壁側面全周に沿って空気流層を常に形
成した状態で、前記霧化物を、堅型反応炉の頂部から垂
直下方向に噴霧して焼成することを特徴とする金属酸化
物粉末の製造方法が提供される。また本発明によれば、
前記バーナーを設ける、前記噴霧ノズルから噴霧される
霧化物を火焔が覆うように焼成しうる位置が、噴霧ノズ
ルを中心とする同心円上に位置し、且つ該ノズルに接す
る位置であることを特徴とする前記金属酸化物粉末の製
造方法が提供される。更に本発明によれば、前記堅型反
応炉の下方に冷却通路を設け、焼成され落下してくる金
属酸化物粉末を前記冷却通路内で、冷却用空気により冷
却することを特徴とする前記金属酸化物粉末の製造方法
が提供される。
を参照して、装置に基づき更に詳細に説明するが、本発
明はこの装置による方法に限定されるものではない。本
発明の金属酸化物粉末の製造方法では、竪型反応炉を用
い、噴霧焼成法により金属イオンを含む水溶液を霧化物
として反応炉内で焼成して金属酸化物粉末を製造する。
下方部が中心部側にテーパーをなす鋼板からなる竪型反
応炉を用いることができる。図1において10は、竪型
反応炉であり、20は、竪型反応炉から焼成され落下し
てくる金属酸化物粉末を冷却用空気により冷却する冷却
通路であって、竪型反応炉10の下方に連結して設けて
いる。竪型反応炉10は、金属イオンを含む水溶液を霧
化するための噴霧ノズル及び焼成のためのバーナーを備
える、反応炉の頂部中心部に設けた霧化焼成器具11
と、反応炉の内壁側面全周に沿って空気流層を形成しう
る空気供給ノズル(12A,12B)とを備える。
おける金属塩の分解、酸化、焼成(固溶化)の全過程
を、バーナー火焔内で最も効率的に完結するため、反応
炉頂部に設け、且つ霧化物の噴霧が、反応炉頂部から垂
直下方向に行なわれるように設置する必要がある。加え
て、霧化焼成器具11の構成は、金属イオンを含む水溶
液を霧化するための噴霧ノズルを中心とし、この噴霧ノ
ズルから噴霧される霧化物を火焔が覆うように焼成しう
る位置にバーナーを設置する必要がある。好ましくは、
噴霧ノズルを中心とする同心円上に位置し、且つ噴霧ノ
ズルに接する位置にバーナーを設置する。このような好
ましい態様としては、図2及び図3に示す態様が挙げら
れる。図2(a)は霧化焼成器具11の垂直断面図であ
り、図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。
また、図3は図2(b)のその他の態様を示す断面図で
ある。図2及び図3において、11Aは金属イオンを含
む水溶液を吐出する管、11Bは管11Aから吐出する
水溶液を霧化物とするための酸素富化ガスを吐出する
管、11Cは燃焼ガスを吐出する管、並びに11Dは燃
焼酸素を吐出する管をそれぞれ示す。ここで、噴霧ノズ
ルは管11A及び管11Bにより構成されており、バー
ナーは管11C及び管11Dにより構成されている。い
ずれの例もバーナーが、噴霧ノズルを中心とする同心円
上に位置し、且つ噴霧ノズルに接して設けられた例であ
る。従来技術では、噴霧ノズルとバーナーとを別の位置
(45〜90度の関係にある位置、例えば図11に示す
位置)に設け、バーナーの燃焼焔内に霧化物を噴霧ノズ
ルから噴霧するものが主流であって、霧化物を火焔で覆
うような位置にバーナーを設置するものは少ない。しか
し、本発明においては、後述する空気流層を反応炉の内
側壁面全周に沿って形成した状態で霧化物を効率良く焼
成する必要があるため、霧化物を火焔で覆うような位置
にバーナーを設置する構成を採用する。例えば図11に
示すような位置にバーナー51を設置した場合には、後
述する空気流層を常に形成した場合にも、内壁面に生成
した粉末の付着、堆積が生じるという問題がある。本発
明では、更に、霧化物の形成に、通常の空気でなく、酸
素富化ガスを採用することにより、火焔内部を強度の酸
化雰囲気としてはじめてバーナー火焔内で焼成を完結さ
せることができる。
流層を形成する空気供給ノズル(12A,12B)は、
内壁面の過熱を防ぐと共に焼成により生成する粉末粒子
の内壁面への衝突を緩和し、粉末を内壁面に付着・堆積
させることを抑制・防止して、該粉末粒子をスムーズに
反応炉から排出するよう作用する。空気供給ノズルの構
造及び設置位置は、内壁側面全周に沿って略均等に空気
が流下して空気流層が形成される構造であれば良く、必
ずしも内壁側面全体が隙間なく空気流層により覆われて
いる必要はない。また、必ずしも図1における空気供給
ノズル(12A,12B)の両方から空気を流下させる
必要はなく、内壁側面全周に沿って反応炉の中心部から
下方部に空気流層が形成されるように、片方のみの空気
供給ノズルから空気を流下させても良い。従って、空気
供給ノズルは、例えば内壁側面全周に等間隔に多数のノ
ズルを配置するか、あるいは全周又は分割された円弧状
にスリットノズルを形成した構造のものを好適に用いる
ことができる。空気を流下させる方向、即ちノズルの向
きは、鉛直方向のみならず、鉛直方向から内壁側面側に
略45度以内の角度を与えて設置することができ、この
場合、空気流は、図1に示すように旋回気流となって内
壁側面を下降する空気流層13を形成する。また、ノズ
ルから出る空気流が内壁側面に沿って旋回しながら下降
するようにノズルの向きを決定することもでき、この場
合、ノズルの数を少なくすることができる。空気供給ノ
ズルを設置する位置は、炉内最上部の内周面に沿って1
か所(図1の12Aに相当)でもよいが、炉本体の大き
さに応じて下流側に更に1か所(図1の12Bに相当)
又は更に複数箇所追加して設けても良い。
結して設置される冷却通路20は、空気供給ダクト21
及び通路22により主に構成されている。空気供給ダク
ト21の空気導入側にはダストフィルター23を設け、
通路22の空気供給ダクト側には開度調整機構24を設
け、冷却通路20内に清浄な空気を必要量取り込める機
構としている。このような冷却通路20を設けることに
よって、反応炉で生成した未だ組成によっては一部溶融
状態にある球状粒子を所望空気量によって冷却すること
ができると共に、流動性及び分散性に優れた球状粒子を
より多く含む粉末を、更に効率良く回収することができ
る。一般に、原料金属塩の成分に由来する酸根(硫酸
根、硝酸根、塩素など)は、原理的にはバーナーの火焔
温度で分解しガス化しているはずであるが、その分解生
成ガスの分圧と粉末の温度(冷却速度)の兼ね合いによ
り、製品粉末の表面に酸根を含む蒸気が結露する条件が
生じ、反応炉から排出される生成粉末粒子の表面に酸根
が吸着し、粉末粒子の流動性及び分散性を劣化させるも
のと考えられる。しかし、前記冷却通路20を、反応炉
10とは別に、且つ反応炉下部に連結して設ける構成を
採用することによって酸根の粒子への吸着を防止するこ
とができ、より流動性及び分散性に優れる球状の粒子を
多く含む粉末を得ることができる。
ような霧化焼成手段を設けた、図1に示すような竪型反
応炉、必要に応じて冷却通路を設けた装置を用いて実施
することができる。通常は、図4に示すように、竪型反
応炉10に、バグフィルター41、排ガス洗浄設備42
及び吸引ファン43等を結合した構成の装置により実施
することができる。
10の空気供給ノズル(12A,12B)から空気を流
下させ、反応を実施している間は、反応炉10の内壁側
面全周に沿って空気流層13を常に形成した状態に維持
する。この空気量は、炉の直径、長さ、金属イオンを含
む水溶液の噴霧量に依存するため、反応炉の内壁面にお
ける粉末の堆積の有無を実際に確認することにより経験
的にノズルの使用段数及び最適流量を求めて決定するこ
とができる。そして、反応炉10の頂部に設けた霧化噴
霧器具11から酸素富化ガスで霧化された金属イオンを
含む水溶液を噴霧すると共に、バーナーから燃料ガス及
び燃焼用酸素を吐出させて、前記噴霧により発生する霧
化物をバーナーからの火焔により覆い、急速に脱水、酸
化、焼成して金属酸化物の球状粒子を生成させる。特に
複合金属酸化物粉末の場合は固溶度の高い球状粒子を生
成させることができる。
を含む水溶液は、例えば金属の塩化物、硫酸塩、硝酸
塩、炭酸塩等のうち水溶性のものを水溶液としたもので
あれば良く、特に2種以上の金属イオンを含む複合金属
酸化物粉末の場合は、それら水溶液同士を混合しても水
溶状態を保ちえるものであることが必要である。水溶液
の濃度は、噴霧ノズルの構造にもよるが、目的とする粉
末粒度を大きくする場合は濃度を高くし、小さくする場
合は濃度を低く調整すれば良く、通常、0.5〜4mo
l/L程度の範囲から適宜選択することができる。前記
水溶液を霧化するための酸素富化ガス(図2及び3にお
ける管11Bから吐出する酸素富化ガス)としては、工
業用純度の純酸素ガス又は酸素60容量%以上として窒
素ガス等で希釈したもの等が好ましく使用できる。酸素
60容量%未満のガスでは、複合金属酸化物粉末とした
際の固溶度が不十分になる恐れがあるので好ましくな
い。前記バーナーによる火焔の温度は、対象とする粉末
の種類にもよるが、燃料ガス量及び燃焼用酸素ガスの調
整により約2000℃前後に維持して行なうことができ
る。
度調整機構24により調整することができ、図4に示す
バグフィルター41に到達するまでに粉末の温度が15
0〜250℃に冷却されうる空気量とするのが好まし
い。
イオンを含む水溶液を霧化物とするために酸素富化ガス
を用い、この霧化物を火焔が覆うように焼成しうる位置
にバーナーを設け、堅型反応炉の内壁側面全周に沿って
空気流層を常に形成した状態で霧化物を、堅型反応炉の
頂部から垂直下方向に噴霧して焼成するので、特に、組
成が均一で固溶度が高く、かつ分散性、流動性に優れた
球状粒子からなる複合金属酸化物粉末を高収率、高能率
で製造することができる。また、堅型反応炉の下方に冷
却通路を設け、焼成され落下してくる金属酸化物粉末を
この冷却通路内で冷却用空気により冷却することにより
更にこのような効果を向上させることができる。従っ
て、各種金属酸化物粉末、特に複合金属酸化物粉末の製
造に極めて有用である。
細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。実施例1 図2に示す霧化焼成器具11を設けた、図1に示す構成
を有する竪型反応炉10及び冷却通路20を備えた図4
に示す実験設備(反応炉円筒部の内径が300mm、長
さ2500mm)を用い、オキシ塩化ジルコニウム(Z
rOCl2)水溶液を噴霧焼成してジルコニア(Zr
O2)粉末の製造を行なった。噴霧は、濃度3mol/
Lの水溶液0.3L/hrで管11Aから供給し、0.
6m3/hrの酸素ガスを管11Bから噴霧し霧化して
行なった。炉の内壁最上部には空気供給ノズル12Aを
5cm間隔で円周状に設け、室温の空気を3m3/hr
で流下させて常に空気流層が内壁側面全周に沿って形成
された状態に維持した。バーナーにはLPG−酸素炎を
用い火焔温度を約2000℃に維持した。噴霧焼成の開
始と共にバクフィルター41の入口内部の粉末温度を監
視し、150〜200℃で推移するよう空気供給ダクト
21からの空気量を開度調整機構24で調整しながら行
なった。5時間の連続運転後、投入原料の量から換算し
た理論金属酸化物粉末量に対するバグフィルター41に
回収された粉末重量の割合(以下、回収率という)を測
定したところ95%であった。得られたジルコニア粉末
は、図5の走査型電子顕微鏡写真で示されるように流動
性に優れた球状粒子からなっており、残留塩素根を分析
したところ63ppmと低いレベルであった。
ウム3mol/Lの水溶液に、硝酸イットリウム(Y
(NO3)3)をモル比で、Zr:Y=92:8になるよう
に添加した水溶液を用い、内壁側面に形成する空気流層
を、図1に示す空気供給ノズル(12A,12B)(各
々5cm間隔で円周状に設けられている)の2か所から
各1.5m3/hr流下させて内壁側面全周に沿って形
成し、更に冷却用通路20に冷却用空気を供給せずにバ
グフィルター41における温度管理を行なわなかった以
外は、実施例1と同様な条件で噴霧焼成を行なった。そ
の結果、複合金属酸化物粉末の回収率は72%であっ
た。この際、粉末には1200ppmの塩素根の残留が
認められた。
50〜200℃で推移するよう空気供給ダクト21から
の空気量を開度調整機構24で調整して冷却用通路20
に空気を供給しながら行なった以外は、実施例2と同様
にして噴霧焼成を行なった。得られた複合金属酸化物粉
末の走査型電子顕微鏡写真を図6に、X線回折チャート
を図7に示す。これらの結果から、該粉末は、イットリ
ウムが十分に固溶した複合酸化物(イットリウム安定化
ジルコニア)の球状粒子からなることが判る。また、粉
末の回収率は96%、残留塩素根は87ppmと良好で
あった。
うに硝酸リチウム(LiNO3)と硝酸コバルト(Co
(NO3)3)とを合計で2.5mol/L溶解させた水溶
液を用い、内壁側面に形成する空気流層を、図1に示す
空気供給ノズル12B(5cm間隔で円周状に設けられ
ている)に示す位置から3m3/hr流下させて内壁側
面全周に沿って形成し、火焔温度を1000℃とした以
外は、実施例1と同様に噴霧焼成を行なった。得られた
複合金属酸化物粉末の走査型電子顕微鏡写真を図8に、
X線回折チャートを図9に示す。これらの結果から、こ
の粉末は、LiイオンとCoイオンとが複合酸化物コバ
ルト酸リチウム(LiCoO2)として十分に反応を完
了した球状粒子からなることがわかる。また、粉末の回
収率は92%と良好であった。
同様の条件で噴霧焼成を行なった。この際、内壁側面の
温度は700℃以上に上昇した。1時間後に実験を中止
して内壁を調べたところ、金属酸化物粒子が最高10m
mの厚さに付着・堆積していた。その結果、粉末の回収
率は27%と低かった。図10にこの粉末の走査型電子
顕微鏡写真を示す。この写真から得られた粒子は変形し
た形状のものが多く混在していることがわかる。
ノズルとバーナーとを一体化させず、噴霧ノズル50の
噴霧方向と45度の角度に対向して設けた2基のバーナ
ー51を霧化焼成器具11の代わりに設け、且つ空気供
給ノズル12Aを設けていない反応炉の省略概念図であ
って、この図11に示す反応炉を用いて焼成を行なった
以外は実施例4と同様に噴霧焼成を行なった。このバー
ナー51の配置では、内壁側面全周に沿って空気流層を
形成して焼成を行なったにもかかわらず、内壁側面への
粉末の付着・堆積が生じ、バグフィルター41における
粉末の回収率は54%と実施例4に比べて極めて低いも
のであった。
スから空気に代えた以外は、実施例4と同様に噴霧焼成
を行なった。得られた粉末のX線回折チャートを図12
に示す。図12の結果で示されるように、実施例4(図
9)に比べて固溶度の低いものであった。なお、固溶度
を高めるために火焔温度を1300℃まで上昇させた追
加実験を行なったが、粉末を構成する成分中Li元素の
気化が生じ、設計通りの成分バランスが得られなかっ
た。
連結された竪型反応炉の概略図である。
図であって、図2(a)は霧化噴霧器具11の垂直断面
図、図2(b)は図2(a)におけるA−A断面図であ
る。
あって、図2(b)の他の実施の態様を示す断面図であ
る。
体を示す概略図である。
子顕微鏡写真である。
子顕微鏡写真である。
チャートである。
子顕微鏡写真である。
チャートである。
電子顕微鏡写真である。
す反応炉の省略図である。
折チャートである。
Claims (3)
- 【請求項1】 噴霧ノズルから金属イオンを含む水溶液
を堅型反応炉内に噴霧して霧化物とし、該霧化物を焼成
して金属酸化物粉末を製造する方法において、 前記金属イオンを含む水溶液を霧化物とするために酸素
富化ガスを用い、前記霧化物の焼成を行なうためのバー
ナーを、前記噴霧ノズルから噴霧される霧化物を火焔が
覆うように焼成しうる位置に設け、前記堅型反応炉の内
壁側面全周に沿って空気流層を常に形成した状態で、前
記霧化物を、堅型反応炉の頂部から垂直下方向に噴霧し
て焼成することを特徴とする金属酸化物粉末の製造方
法。 - 【請求項2】 前記バーナーを設ける、前記噴霧ノズル
から噴霧される霧化物を火焔が覆うように焼成しうる位
置が、噴霧ノズルを中心とする同心円上に位置し、且つ
該ノズルに接する位置であることを特徴とする請求項1
に記載の金属酸化物粉末の製造方法。 - 【請求項3】 前記堅型反応炉の下方に冷却通路を設
け、焼成され落下してくる金属酸化物粉末を前記冷却通
路内で、冷却用空気により冷却することを特徴とする請
求項1又は2に記載の金属酸化物粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03040998A JP4191811B2 (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 金属酸化物粉末の製造方法 |
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---|---|---|---|
JP03040998A JP4191811B2 (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 金属酸化物粉末の製造方法 |
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JPH11217203A true JPH11217203A (ja) | 1999-08-10 |
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JP (1) | JP4191811B2 (ja) |
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