JPH11214662A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH11214662A
JPH11214662A JP10017014A JP1701498A JPH11214662A JP H11214662 A JPH11214662 A JP H11214662A JP 10017014 A JP10017014 A JP 10017014A JP 1701498 A JP1701498 A JP 1701498A JP H11214662 A JPH11214662 A JP H11214662A
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gate
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semiconductor device
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JP10017014A
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Kimihiro Ueda
公大 上田
Takanori Hirota
尊則 広田
Yoshiki Wada
佳樹 和田
Koichiro Masuko
耕一郎 益子
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • H01L27/0207Geometrical layout of the components, e.g. computer aided design; custom LSI, semi-custom LSI, standard cell technique
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    • H01L27/11803Masterslice integrated circuits using field effect technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作速度が高く消費電力が低いゲートアレイ
型の半導体装置を得る。 【解決手段】 SOI層にアレイ状に配列するベーシッ
クセルBCの各々に、PMOSおよびNMOSトランジ
スタが、対称に形成されている。ボディ領域11,12
はソース・ドレイン層1、2を分断するように形成さ
れ、その上に、ゲート絶縁膜を挟んで、ゲート電極3,
4が形成されている。ゲート電極3,4の両端にはゲー
トコンタクト領域5〜8が連結され、ボディ領域11,
12の一端にはボディコンタクト領域9,10が連結さ
れている。ボディコンタクト領域9,10は、ゲート電
極3,4との間に、ゲートコンタクト領域5,7を挟む
ように配置される。SOI型であるため、動作速度が高
く、消費電力が低い。ボディコンタクト領域9,10と
ゲートコンタクト領域5,7の位置関係から、トランジ
スタをゲート制御型、ゲート固定型のいずれに設定する
ことも自在である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体層にMO
Sトランジスタがアレイ状に配置されたゲートアレイ型
の半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ゲートアレイ型の半導体装置は、短い開
発期間でLSIを作製することが可能な技術として、幅
広く用いられている。このゲートアレイ型の半導体装置
は、アレイ状に配置されたMOSトランジスタ(通常に
おいて、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタ
の対)の各々を構成する半導体領域とゲート電極を形成
する工程(「マスタ工程」と称される)を実施すること
によって、中間段階の半導体装置としてあらかじめ形成
される。
【0003】この段階における各素子、すなわち各MO
Sトランジスタ(PMOS,NMOSトランジスタの対
が形成されるときには、それらの対でもよい)は、ベー
シックセルと称される。その後、この半導体装置は、ユ
ーザの注文に応じて、各ベーシックセルの上に、コンタ
クトホールやビアホールを形成し、配線パターンを形成
する工程(「スライス工程」と称される)を実施するこ
とによって、注文に即した機能を有するLSIとして作
製される。スライス工程を通じて、各ベーシックセルの
上に形成されるコンタクトホール、配線パターン等の要
素は、マクロセルと称される。
【0004】このようにゲートアレイ技術では、マスタ
工程を通じて、様々なLSIの製造に共通に供される中
間段階の半導体装置が、あらかじめ準備されるので、す
べての工程がユーザの注文に応じて実施されるフルカス
タム技術に比べて、短い開発期間で、ユーザが所望する
様々のLSIを製造することが可能であるという利点が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、埋め込み絶
縁層(通常において、酸化物で構成される)の表面上に
積層する半導体層(SOI(Semiconductor On Insulato
r)層)に形成されたMOSトランジスタは、バルクの半
導体基板に形成されたMOSトランジスタに比べて、寄
生容量が小さいために高速動作が可能であるとともに、
消費電力を低く抑えることができるという利点があるこ
とから、注目を集めている。
【0006】また、近年において、ゲート電極とボディ
電極とを接続した、いわゆるボディ制御型のSOI−C
MOS回路が公表され、0.5Vという超低電圧のもとでも
高速で動作する半導体装置として注目されている("199
6 IEEE International Solid-State Circuit Conferenc
e"p.84-85,p.88-89, "1997 IEEE International Solid-
State Circuit Conference"p.286-287)。しかしなが
ら、これらはいずれも、フルカスタム技術にもとづいて
製造された半導体装置(フルカスタム型の半導体装置)
であるに過ぎず、多種類のLSIを実現するには多大な
開発期間を要するという問題点があった。
【0007】この発明は、従来の装置における上記した
問題点を解消するためになされたもので、高速動作が可
能で消費電力が低く、しかも、開発期間を短縮し得るゲ
ートアレイ型の半導体装置を提供することを目的として
おり、特に、ボディ制御型のMOSトランジスタを要素
として備える回路を実現し得る半導体装置を得ることを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明の装置は、ゲ
ートアレイ型の半導体装置において、電気絶縁性の絶縁
層と、当該絶縁層の上に形成され、当該絶縁層とは反対
側に主面を規定する半導体層と、を備え、前記装置は、
前記主面に沿って配列するセル領域の列を規定し、前記
半導体層は、前記セル領域の列の各々ごとに、前記主面
に露出する第1導電型のソース・ドレイン領域と、前記
主面に露出し、前記ソース・ドレイン領域を、前記セル
領域の列の配列方向に沿って互いに並ぶ二領域に、分断
するように配置された第2導電型のボディ領域と、前記
主面に露出し、前記ボディ領域の両端の少なくとも一方
に連結する第2導電型のボディコンタクト領域と、を備
えている。そして、前記装置は、前記セル領域の列の各
々ごとに、前記ボディ領域の露出面の上に形成された電
気絶縁性のゲート絶縁膜と、当該ゲート絶縁膜の上に形
成された導電性のゲート電極と、前記ゲート絶縁膜の上
に形成され、前記ゲート電極の両端にそれぞれ連結する
導電性のゲートコンタクト領域と、をさらに備え、前記
ボディコンタクト領域は、前記ゲート電極との間に前記
ゲートコンタクト領域を挟む部位に配置されている。
【0009】第2の発明の装置は、第1の発明の半導体
装置において、前記半導体層が、前記セル領域の列の中
の任意の隣り合うセル領域の間で、前記ボディコンタク
ト領域を互いに分離する分離絶縁膜を、さらに備える。
【0010】第3の発明の装置は、第2の発明の半導体
装置において、前記セル領域の列に属する少なくとも一
部のセル領域の各々において、前記ボディコンタクト領
域と前記ゲートコンタクト領域とを電気的に接続する接
続配線を、さらに備える。
【0011】第4の発明の装置は、第3の発明の半導体
装置において、電源電位を供給するための電源配線を、
さらに備え、前記セル領域の列に属し、前記少なくとも
一部のセル領域以外の他の一部のセル領域が存在し、当
該他の一部のセル領域の各々において、前記ボディコン
タクト領域と前記電源配線とを電気的に接続する接続配
線を、さらに備える。
【0012】第5の発明の装置は、第1ないし第3のい
ずれかの発明の半導体装置において、前記セル領域の列
の中の任意の隣り合うセル領域の間で、前記ソース・ド
レイン領域が、互いに一体的に連結している。
【0013】第6の発明の装置は、第5の発明の半導体
装置において、電源電位を供給するための電源配線を、
さらに備え、前記セル領域の列の中の少なくとも一部の
セル領域の各々において、前記電源配線と前記ボディコ
ンタクト領域と前記ゲートコンタクト領域とを互いに電
気的に接続する接続配線を、さらに備える。
【0014】第7の発明の装置は、第1ないし第6のい
ずれかの発明の半導体装置において、前記ボディコンタ
クト領域が、前記ボディ領域の両端の双方に連結する。
【0015】第8の発明の装置は、第1ないし第7のい
ずれかの発明の半導体装置において、前記セル領域の列
の中の少なくとも一部のセル領域の各々において、前記
ゲート電極よりも電気抵抗が低く、前記ゲート電極の上
方に配設され、前記ゲート電極の両端に連結した前記ゲ
ートコンタクト領域を互いに電気的に接続する接続配線
を、さらに備える。
【0016】第9の発明の装置は、第1ないし第8のい
ずれかの発明の半導体装置において、前記ボディ領域
が、前記ゲート電極と前記ゲートコンタクト領域とのい
ずれの直下に位置する部分においても、前記ボディコン
タクト領域に比べて、前記配列方向に沿った幅が狭く設
定されている。
【0017】第10の発明の装置は、半導体装置におい
て、電気絶縁性の絶縁層と、当該絶縁層の上に形成さ
れ、当該絶縁層とは反対側に主面を規定する半導体層
と、を備え、当該半導体層は、前記主面に露出する第1
導電型のソース・ドレイン領域と、前記主面に露出し、
前記ソース・ドレイン領域を、二領域に分断するように
配置された第2導電型のボディ領域と、前記主面に露出
し、前記ボディ領域の両端の少なくとも一方に連結する
第2導電型のボディコンタクト領域と、を備えている。
そして、前記装置は、前記ボディ領域の露出面の上に形
成された電気絶縁性のゲート絶縁膜と、当該ゲート絶縁
膜の上に形成された導電性のゲート電極と、前記ゲート
絶縁膜の上に形成され、前記ゲート電極の両端にそれぞ
れ連結する導電性のゲートコンタクト領域と、をさらに
備え、前記ボディコンタクト領域は、前記ゲート電極と
の間に前記ゲートコンタクト領域を挟む部位に配置され
ており、前記ボディ領域は、前記ゲート電極と前記ゲー
トコンタクト領域とのいずれの直下に位置する部分にお
いても、前記ボディコンタクト領域に比べて、前記ゲー
ト電極、前記ゲートコンタクト領域、および、前記ボデ
ィコンタクト領域が配列する方向に直交する方向の幅
が、狭く設定されている。
【0018】
【発明の実施の形態】<1.実施の形態1>はじめに、実
施の形態1の半導体装置について説明する。
【0019】<1-1.マスタ工程後の装置>図1は、実施
の形態1の半導体装置の平面図である。また、図2〜図
5は、それぞれ、図1におけるA−A切断線、B−B切
断線、C−C切断線、および、D−D切断線に沿った断
面を表す縦断面図である。この装置101は、ゲートア
レイ型の半導体装置として構成されており、しかも、マ
スタ工程後の中間段階の半導体装置に相当する。
【0020】図1〜図5に示すように、装置101で
は、半導体基板20の上に絶縁層21が形成され、さら
に絶縁層21の上にSOI層17が形成されている。す
なわち、装置101は、SOI型の半導体装置として構
成されている。半導体基板20は、例えばシリコン基板
である。また、絶縁層21は、例えばシリコン酸化物層
(「埋め込み酸化膜」と称される)として構成され、S
OI層17は、例えばシリコン層として構成される。
【0021】SOI層17には、その主面に沿って、P
MOS領域RPとNMOS領域RNとが形成されてい
る。これらの領域は、対称軸SAを境界として、その両
側に対称に形成される。PMOS領域RPは、PMOS
トランジスタが形成される領域であり、NMOS領域R
Nは、PMOSトランジスタが形成される領域である。
すなわち、この装置101は、CMOSトランジスタを
回路要素とする回路の形成に適した装置として構成され
ている。
【0022】PMOS領域RPとNMOS領域RNとの
間で、それらの構成要素の導電形式は、ともに対称の関
係にある。また、構成要素の位置および形状も、対称軸
SAに関して対称の関係にある。PMOS領域RPに
は、P+導電型のソース・ドレイン領域1、N導電型の
ボディ領域11、および、N+導電型のボディコンタク
ト領域9が形成されている。ソース・ドレイン領域1
は、その上面がSOI層17の上主面に露出し、底面が
絶縁層21の上主面に達するように形成されている。
【0023】ボディ領域11は、ソース・ドレイン領域
1を分断するように選択的に形成され、しかも、互いに
平行、かつ等間隔で、対称軸SAに沿って配列された複
数個の帯状の領域として形成されている。また、帯状の
ボディ領域11は、対称軸SAに直交する方向に延在す
る。ボディ領域11の上面は、SOI層17の上主面に
露出し、底面は、絶縁層21の上面に達している。すな
わち、ボディ領域11は、ソース・ドレイン領域1が、
主面に沿った方向(水平方向)と主面に垂直な方向(垂
直方向)のいずれ方向にも、一体的に連結しないよう
に、ソース・ドレイン領域1を分断している。
【0024】ボディ領域11の露出面の上には、ゲート
絶縁膜13が形成されており、このゲート絶縁膜13の
上には、ゲート電極3が配設されている。すなわち、ゲ
ート電極3は、ゲート絶縁膜13を挟んで、ボディ領域
11の露出面に対向している。ゲート電極3の両端に
は、ゲートコンタクト領域5,6が連結されている。ゲ
ートコンタクト領域5,6も、ゲート電極3と同様に、
SOI層17の上主面に形成されたゲート絶縁膜13の
上に配設されている。ゲートコンタクト領域5,6は、
ゲート電極3と後述する配線パターンとを中継するため
の電極領域であるために、その対称軸SAに沿った幅
は、ゲート電極3の幅よりも広く設定される。
【0025】ゲートコンタクト領域5の直下には、ソー
ス・ドレイン領域1の外側にはみ出たボディ領域11の
部分が存在している。そして、ボディ領域11の一端に
はボディコンタクト領域9が選択的に形成されている。
ボディコンタクト領域9についても、ボディ領域11と
同様に、その上面はSOI層17の上主面に露出し、そ
の底面は絶縁層21の上主面に達している。
【0026】ボディコンタクト領域9は、ボディ領域1
1と同一の導電型を有し、ボディ領域11とは一体的に
連結している。また、ボディコンタクト領域9は、ボデ
ィ領域11と後述する配線パターンとを中継するための
半導体領域であるために、その不純物濃度は、図5に示
すように、好ましくはボディ領域11よりも高く設定さ
れる。また、同じ理由により、ボディコンタクト領域9
の対称軸SAに沿った幅は、ボディ領域11の幅よりも
広く設定される。ボディコンタクト領域9は、さらに、
ゲート電極3から見て、ゲートコンタクト領域5よりも
外側の位置を占めるように形成される。
【0027】以上が、PMOS領域RPの構造である
が、すでに述べたように、NMOS領域RNとPMOS
領域RPは、対称軸SAに関して対称の関係にある。す
なわち、SOI層17には、ソース・ドレイン領域1に
対応して、N+導電型のソース・ドレイン領域2、ボデ
ィ領域11に対応してP導電型のボディ領域12、ボデ
ィコンタクト領域9に対応してP+導電型のボディコン
タクト領域10が、それぞれ選択的に形成されている。
【0028】また、ゲート絶縁膜13に対応してゲート
絶縁膜14、ゲート電極3に対応してゲート電極4、ゲ
ートコンタクト領域5,6に対応して、ゲートコンタク
ト領域7,8が形成されている。ゲートコンタクト領域
5,6およびゲートコンタクト領域7,8は、それぞれ
ボディ領域11およびボディ領域12の対称軸SAから
遠い方の一端に連結している。
【0029】図2〜図5に示すように、PMOS領域R
PとNMOS領域RNの双方の領域全体は、分離絶縁膜
22によって包囲されている。これによって、SOI層
17の他の領域、例えば、別の領域に同様に形成される
PMOS領域RPおよびNMOS領域RNから電気的に
絶縁される。また、図5に示すように、PMOS領域R
PとNMOS領域RNの間は、分離絶縁膜24によっ
て、電気的に絶縁されている。
【0030】さらに、図4に示すように、ゲートコンタ
クト領域5(または6)どうし、および、ボディコンタ
クト領域9(または10)どうしは、分離絶縁膜23に
よって電気的に絶縁されている。図示を略するが、ゲー
トコンタクト領域6(または8)どうしも、分離絶縁膜
23によって電気的に絶縁されている。これらの、分離
絶縁膜22〜24は、いずれも、その上部は、SOI層
17の上主面の上に露出するとともに、その底部は、絶
縁層21の上主面に達している。これによって、分離絶
縁膜22〜24は、それらの両側に分け隔てられたSO
I層17の部分を互いに電気的に絶縁する。
【0031】分離絶縁膜22〜24は、SOI層17が
シリコンを母材とする半導体で構成されるときには、例
えば、シリコン酸化物で構成される(このとき、「分離
酸化膜」と称される)。ゲート電極3,4およびゲート
コンタクト領域5〜8は、例えば、不純物がドープされ
た多結晶半導体(例えば、ポリシリコン)で構成され
る。このとき、ゲート電極3とゲート電極4の間、ゲー
トコンタクト領域5,6とゲートコンタクト領域7,8
の間で、それらにドープされる不純物の導電型は対称で
ある必要はない。
【0032】装置101は、以上のように構成されるこ
とにより、図1に示すように、一対のゲート電極3,4
等を含むベーシックセルBCが、対称軸SAに沿って等
間隔で配列したゲートアレイを形成している。すなわ
ち、対称軸SAは、ベーシックセルBCの配列方向をも
示している。各ベーシックセルBCには、幾何学的配置
および導電型式において、互いに対称の関係にあるPM
OSトランジスタとNMOSトランジスタとが、一個ず
つ含まれる。ただし、ベーシックセルBCは、図1のよ
うに相補的な一対のトランジスタを含むように定義され
る代わりに、NMOSおよびPMOSトランジスタのそ
れぞれについて、別個に定義されてもよい。
【0033】一つのベーシックセルBCが占める領域を
「セル領域」と定義すると、装置101では、SOI層
17の主面に沿って配列するセル領域の列が規定されて
いる。そして、セル領域の列の各々に対して、MOSト
ランジスタを構成する各半導体領域、ゲート電極、その
他の要素が、SOI層17の中および上に形成されてい
る。それによって、ゲートアレイの構造が出来上がって
いる。
【0034】一つのベーシックセルBCに属し、ゲート
電極3(または4)の両側に位置するソース・ドレイン
領域1(または2)は、それぞれソースまたはドレイン
として機能し、ゲート電極3(または4)に印加される
電圧の高さに応じて、ボディ領域11(または12)の
露出面近傍に反転層が形成され、あるいは消滅すること
により、ソースとドレインの間が導通または遮断され
る。このように、ボディ領域11(または12)の露出
面近傍が、チャネル領域として機能する。
【0035】隣接するベーシックセルBCの間で、ソー
ス・ドレイン領域1どうしは、絶縁層を介することな
く、一体的に連結している。同様に、ソース・ドレイン
領域2どうしも、一体的に連結している。このことは、
後述するように、ボディコンタクト領域9(または1
0)とゲートコンタクト領域5(または7)との間の位
置関係と相俟って、ゲート分離の実現を可能にする。そ
の結果、ベーシックセルBCの高密度化がもたらされ
る。
【0036】ゲートコンタクト領域5は、その直下に存
在するボディ領域11の露出面を覆うように形成される
必要がある。しかしながら、装置101では、ゲートコ
ンタクト領域5の直下に存在するボディ領域11は、ゲ
ート電極3の直下に位置するボディ領域11と同一幅に
形成されている。
【0037】したがって、ゲートコンタクト領域5,6
の幅は、専ら、中継という目的を果たすに必要な広さに
設定すれば足りる。その結果、装置101では、ベーシ
ックセルBCの対称軸SA(セルの配列方向)に沿った
幅を狭く保ちつつ、しかも、ゲートコンタクト領域5,
6の間の間隔Wを、必要な広さに確保することが可能と
なる。ゲートコンタクト領域7,8についても同様であ
る。このことは、ベーシックセルBCの高密度化に寄与
する。
【0038】<1-2.スライス工程後の装置>つぎに、装
置101の上に、スライス工程を実行することによっ
て、最終的に集積回路として形成される半導体装置の一
例について説明する。図6は、ここで例示する装置の回
路構造を示す回路図である。この装置102は、CMO
S型の2入力NAND回路として構成されている。すなわ
ち、互いに相補的なトランジスタQ1、Q4のゲート電
極に共通に入力された入力信号I1と、互いに相補的な
トランジスタQ2,Q3のゲート電極に共通に入力され
た入力信号I2との反転論理積(NAND)が、出力信号O
UTとして出力される。これらのトランジスタQ1〜Q
4の各々の主電極(ドレイン電極およびソース電極の総
称)は、電源電位VDD,GNDを供給する配線のいず
れかに接続されている。
【0039】図7は、装置101の上にスライス工程を
実行することによって、図6の集積回路を実現した半導
体装置の平面図である。また、図8は、図7におけるE
−E切断線に沿った断面図である。マスタ工程を通じて
形成されるベーシックセルの上には、第1の絶縁層3
3、第1の配線パターンM1、第2の絶縁層34、およ
び、第2の配線パターンM2が、この順に積層されてい
る。絶縁層33,34は、例えば、シリコン酸化物で構
成され、配線パターンM1,M2は、例えば、アルミニ
ウムを母材とする金属で構成される。
【0040】絶縁層33には、適宜、金属等の導電体が
埋め込まれたコンタクトホールCHが形成される。この
コンタクトホールCHは、絶縁層33の上に配設される
配線パターンM1と、絶縁層33の直下に存在するSO
I層17、ゲートコンタクト領域5などとの間を接続す
る。同様に、絶縁層34には、適宜、金属等の導電体が
埋め込まれたビアホールBHが形成されている。このビ
アホールBHは、配線パターンM1と配線パターンM2
とを接続する。
【0041】図7では、便宜上、絶縁層33,34は除
去して描かれている。また、配線パターンM1,M2、
コンタクトホールCH、および、ビアホールBHは、図
7に付記されるように、それぞれ、特定のハッチングを
付して表現されている。この4種のハッチングは、以下
の平面図においても共通に用いられる。これらの配線パ
ターンM1,M2、コンタクトホールCH、および、ビ
アホールBHは、実現すべき回路の種類に応じて、適
宜、形成される。それによって、ユーザの注文に応じた
他種類の回路を、共通の装置101の上に、実現するこ
とが可能となる。
【0042】装置101の上には、正の電源電位VDD
を供給するための電源配線31および負の(接地側の)
電源電位GNDを供給するための電源配線32が、それ
ぞれ、PMOS領域RPおよびNMOS領域RNの外周
に隣接し、ベーシックセルの配列方向に沿うように配設
されている。これらの電源配線31,32は、配線パタ
ーンM1で構成され、分離絶縁膜22の上方に配設され
る。
【0043】装置102では、図7に示すように、隣接
する二つのベーシックセルによって、図6のトランジス
タQ1〜Q4が形成されている。すなわち、トランジス
タQ1のゲートコンタクト領域6、および、トランジス
タQ4のゲートコンタクト領域8には、コンタクトホー
ルCHを通じて配線パターンM1が接続され、さらに、
この配線パターンM1にはビアホールBHを通じて配線
パターンM2が接続されている。この配線パターンM2
から、トランジスタQ1,Q4のゲート電極3,4へ
と、入力信号I1が共通に供給される。同様にして、入
力信号I2が、トランジスタQ2,Q3のゲート電極
3,4へと、共通に供給される。
【0044】トランジスタQ1,Q2のソース・ドレイ
ン領域1の一方には、電源配線31に連結した配線パタ
ーンM1が、コンタクトホールCHを通じて接続されて
いる。また、トランジスタQ4のソース・ドレイン領域
2の一方には、電源配線32に連結した配線パターンM
1が、コンタクトホールCHを通じて接続されている。
さらに、トランジスタQ1,Q2のソース・ドレイン領
域1の他方と、トランジスタQ3のソース・ドレイン領
域2の一方とが、コンタクトホールCHと配線パターン
M1とを通じて接続されている。この配線パターンM1
は、さらに、ビアホールBHを通じて、配線パターンM
2へと接続されている。そして、この配線パターンM2
を通じて、出力信号OUTが出力される。
【0045】トランジスタQ1,Q2では、ボディコン
タクト領域9は、コンタクトホールCHと配線パターン
M1とを通じて、ゲートコンタクト領域5へと接続され
ている。同様に、トランジスタQ3,Q4において、ボ
ディコンタクト領域10は、ゲートコンタクト領域7へ
と接続されている。すなわち、トランジスタQ1〜Q4
は、図6の回路図が示すように、ボディ制御型のMOS
トランジスタとして構成されている。ボディコンタクト
領域9(または10)が、MOSトランジスタごとに、
分離絶縁膜22(図4)によって分離されているため
に、ボディ制御型のMOSトランジスタを構成すること
が可能となっている。
【0046】さらに、トランジスタQ1,Q2に隣接す
るMOSトランジスタ、すなわち、これらのトランジス
タを挟むトランジスタについては、ゲートコンタクト領
域5およびボディコンタクト領域9は、ともに、コンタ
クトホールCHおよび配線パターンM1を通じて電源配
線31へと接続されている。同様に、トランジスタQ
3,Q4に隣接するMOSトランジスタ、すなわち、こ
れらのトランジスタを挟むトランジスタについては、ゲ
ートコンタクト領域7およびボディコンタクト領域10
は、ともに、コンタクトホールCHおよび配線パターン
M2を通じて電源配線32へと接続されている。
【0047】このように、トランジスタQ1〜Q4を挟
む位置にあるMOSトランジスタは、遮断状態に保持さ
れる。それによって、トランジスタQ1〜Q4が形成さ
れる領域が、例えば他の回路が形成される他の領域か
ら、電気的に絶縁される。すなわち、トランジスタQ1
〜Q4が形成される領域は、他の領域から、ゲート分離
によって電気的に絶縁されている。
【0048】ボディコンタクト領域9(または10)
が、ゲート電極3(または4)から見て、ゲートコンタ
クト領域5(または7)の外側に形成されているため
に、ボディコンタクト領域9(または10)は、ゲート
コンタクト領域5(または7)と電源配線31(または
32)との、いずれにも接続することが可能である。こ
れによって、ボディ制御型のMOSトランジスタと、ゲ
ート分離を行うためのMOSトランジスタとを、切換自
在に構成することが可能となっている。ゲート分離を実
現できるので、隣接するMOSトランジスタの間に、電
気的絶縁を実現するための分離絶縁膜を形成する必要が
ない。その結果、ベーシックセルの高密度化、言い換え
ると、装置101の小型化が実現する。
【0049】<2.実施の形態2>図7に例示した装置1
02では、ボディコンタクト領域9は、ゲートコンタク
ト領域5へ接続される。このため、入力信号I1が入力
されるゲートコンタクト領域6と、ボディコンタクト領
域9の間には、寄生抵抗が発生する。また、ボディ領域
11は、その一端に連結されたボディコンタクト領域9
のみを通じて、ゲート電極3に接続されるために、ボデ
ィ領域11の他端とゲート電極3との間にも、寄生抵抗
が発生する。
【0050】同様に、ボディコンタクト領域10とゲー
トコンタクト領域8の間、および、ボディコンタクト領
域10が連結されない側のボディ領域12の端部とゲー
ト電極4の間にも、寄生抵抗が発生する。これらの寄生
抵抗は、図9の回路図において、抵抗成分Rとして表現
される。図9は、NMOSトランジスタを例示してい
る。
【0051】ゲート電極Gとボディ領域Bが、抵抗成分
Rを通じて接続されるために、ゲート電極Gへ入力され
る入力信号I1の周波数が高くなると、ボディ領域Bへ
と入力信号I1の電位が伝達され難くなる。実施の形態
2、および、つぎの実施の形態3に示す装置は、この問
題点を解消ないし緩和することによって、より高速での
動作が可能なMOSトランジスタを実現する。
【0052】図10は、実施の形態2の半導体装置を示
す平面図である。この装置103は、スライス工程を経
た後の装置である。この装置103は、図6の回路を実
現する点において、装置102と共通する。しかしなが
ら、装置103は、トランジスタQ3,Q4の各々につ
いて、一対のゲートコンタクト領域7,8が、ゲート電
極4を通じてだけでなく、コンタクトホールCHと配線
パターンM1をも通じて接続されている点において、装
置102とは特徴的に異なっている。
【0053】ゲート電極3(または4)がポリシリコン
で構成されるときには、これらの抵抗は、シリサイド技
術を用いてそれらの抵抗を低く抑えた場合においても、
約8Ω程度の大きさを有している。これに対して、配線
パターンM1によって接続されたときのゲートコンタク
ト領域7,8の間の抵抗は、配線パターンM1の材料
が、Al−Si−Cuであるときの例を挙げると、約5
0mΩ程度と、大幅に引き下げられる。
【0054】すなわち、トランジスタQ3,Q4に関し
て、ゲートコンタクト領域7,8の間の寄生抵抗が大幅
に低減され、図9に示した抵抗成分Rが引き下げられ
る。その結果、トランジスタQ3,Q4の動作速度が向
上し、さらに、トランジスタQ1,Q2を含めた回路全
体についても、動作速度の改善がもたらされる。
【0055】図11および図12は、トランジスタQ
1,Q2についても、動作速度の向上を図るべく構成さ
れた装置を示す平面図である。図11の装置104で
は、トランジスタQ1,Q2の各々についても、装置1
03のトランジスタQ3,Q4と同様に、ゲートコンタ
クト領域5,6の間が、コンタクトホールCHと配線パ
ターンM1とを通じて接続されている。
【0056】また、トランジスタQ1,Q2のソース・
ドレイン領域1から出力信号OUTを伝えるための配線
パターンM1の一部は、ビアホールBHを通じて接続さ
れる配線パターンM2へと置き換えられている。それに
よって、トランジスタQ2のゲートコンタクト領域5,
6の間を接続する配線パターンM1と、出力信号OUT
を伝える配線パターンとが、短絡することなく交差する
こと、すなわち立体交差が可能となっている。
【0057】図12に示す装置105では、出力信号O
UTを伝える配線パターンは、装置103と同様に、配
線パターンM1で構成される一方で、トランジスタQ2
のゲートコンタクト領域5,6を接続する配線パターン
が、配線パターンM2で構成されている。これによっ
て、装置104と同様に、双方の配線パターンの立体交
差が実現されている。
【0058】このように、配線パターンM1,M2を、
適宜、使い分けることによって、回路を構成するトラン
ジスタの中の所望のトランジスタについて、一対のゲー
トコンタクト領域の間を配線パターンで接続することが
可能である。それによって、回路の動作速度を向上させ
ることができる。
【0059】<3.実施の形態3>図13は、実施の形態
3の半導体装置の平面図である。この装置106は、マ
スタ工程後の中間段階の半導体装置に相当する。装置1
06では、ボディ領域11のボディコンタクト領域9が
連結される一端とは異なる他端に、もう一つのボディコ
ンタクト領域41が連結されている。同様に、ボディ領
域12のボディコンタクト領域10が連結される一端と
は異なる他端に、もう一つのボディコンタクト領域42
が連結されている。装置106は、これらの点におい
て、装置101(図1)とは特徴的に異なっている。
【0060】ボディコンタクト領域41はボディコンタ
クト領域9と同等に構成される。すなわち、ボディコン
タクト領域41は、SOI層17に選択的に形成され、
その上面はSOI層17の上主面に露出し、その底面は
絶縁層21の上主面に達している。また、ボディコンタ
クト領域41は、ボディ領域11と同一の導電型を有
し、ボディ領域11とは一体的に連結している。
【0061】さらに、ボディコンタクト領域41は、ボ
ディ領域11と配線パターンとを中継するための半導体
領域であるために、その不純物濃度は、好ましくはボデ
ィ領域11よりも高く設定される。また、同じ理由によ
り、ボディコンタクト領域41の対称軸SAに沿った幅
は、ボディ領域11の幅よりも広く設定される。ボディ
コンタクト領域41は、さらに、ゲート電極3から見
て、ゲートコンタクト領域6よりも外側の位置を占める
ように形成される。ボディコンタクト領域42も、以上
に述べたボディコンタクト領域41と同様に構成され
る。
【0062】図13のF−F切断線に沿った断面は、図
4と同様に描かれる。すなわち、図4において、ボディ
コンタクト領域10をボディコンタクト領域42へ、ゲ
ートコンタクト領域7をゲートコンタクト領域6へと置
き換えた図が、F−F切断線に沿った断面図となる。し
たがって、隣り合うボディコンタクト領域42どうし
は、分離絶縁膜23によって電気的に絶縁されている。
ボディコンタクト領域41についても同様である。
【0063】装置106では、ボディコンタクト領域4
1,42が設けられるために、ボディコンタクト領域4
1とゲートコンタクト領域6とを接続すること、およ
び、ボディコンタクト領域42とゲートコンタクト領域
8とを接続することが可能となる。これによって、装置
101に比べて、寄生的な抵抗成分Rを低減することが
可能となる。
【0064】装置106では、ボディ領域11は、ボデ
ィコンタクト領域41へ接続されるために、ゲートコン
タクト領域6の直下にも延長して形成されなければなら
ない。しかしながら、装置106では、ゲートコンタク
ト領域6の直下に存在するボディ領域11は、ゲート電
極3の直下に位置するボディ領域11と同一幅に形成さ
れている。したがって、ゲートコンタクト領域6の幅
は、専ら、中継という目的を果たすに必要な広さに設定
すれば足りる。
【0065】その結果、装置106においても装置10
1と同様に、ベーシックセルBCの対称軸SA(セルの
配列方向)に沿った幅を狭く保ちつつ、しかも、ゲート
コンタクト領域6の間の間隔Wを、必要な広さに確保す
ることが可能となる。ゲートコンタクト領域8について
も同様である。このことは、ベーシックセルBCの高密
度化に寄与する。
【0066】図14は、装置106の上にスライス工程
を実行することによって、図6の集積回路を実現した半
導体装置の平面図である。この装置107では、トラン
ジスタQ1,Q2の各々において、ゲートコンタクト領
域6とボディコンタクト領域41とが、コンタクトホー
ルCHと配線パターンM1を通じて接続されている。ま
た、同様に、トランジスタQ3,Q4の各々において、
ゲートコンタクト領域8とボディコンタクト領域42と
が、コンタクトホールCHと配線パターンM1を通じて
接続されている。装置107は、この点において、装置
102とは特徴的に異なっている。
【0067】ボディ領域11の双方の端部が、ボディコ
ンタクト領域9,41を通じてゲートコンタクト領域
5,6へと接続されるので、入力信号I1,I2が入力
されるゲートコンタクト領域6と、ボディ領域11の全
体との間の寄生抵抗が、約1/2へと低く抑えられる。
その結果、図9に示した抵抗成分Rが低減されるので、
トランジスタQ1,Q2の動作速度が向上する。同様
に、ボディ領域12の双方の端部が、ボディコンタクト
領域10,42を通じてゲートコンタクト領域7,8へ
と接続されるので、トランジスタQ3,Q4の動作速度
も向上する。
【0068】図14には、ゲート分離に供されるMOS
トランジスタについては、ゲートコンタクト領域6(ま
たは8)とボディコンタクト領域41(または42)
が、配線パターンを通じて接続されない例が示されてい
る。ゲート分離に供されるMOSトランジスタでは、ボ
ディ領域11(または12)の電位は、一定の電源電位
VDD(またはGND)に固定されるので、ゲートコン
タクト領域6(または8)とボディコンタクト領域41
(または42)とが接続されなくても支障はない。
【0069】<4.実施の形態4>実施の形態4の装置の
説明に先立って、その背景となる問題点について説明す
る。図15は、ゲート電極とボディ領域とが接続された
ボディ制御型のMOSトランジスタで構成される回路を
示す回路図である。この回路は、縦続接続された2個の
インバータを備えている。電源電位VDD,GNDの間
の電圧、すなわち電源電圧が、仮に、0.5Vに設定された
中で、この装置が動作する場合について説明する。
【0070】前段のインバータの入力信号INが、ロウ
レベル(0V)であるときには、その出力信号OUT、す
なわち後段のインバータの入力信号INは、ハイレベル
(0.5V)となる。その結果、後段のインバータの出力信
号OUTは、ロウレベルとなる。
【0071】ところで、図15の回路に含まれるトラン
ジスタT1〜T4の中のPMOSトランジスタT1,T
3では、ボディ領域(N型)とソース・ドレイン領域
(P+型)が、ダイオードを形成している。同様に、N
MOSトランジスタT2,T4では、ボディ領域(P
型)とソース・ドレイン領域(N+型)が、ダイオード
を形成している。一般に、シリコンダイオードのオン電
圧(順方向電圧)は、0.8V程度であるが、0.5V程度の順
方向電圧が印加されると、わずかながらリーク電流が順
方向に流れる。
【0072】後段のインバータの出力信号OUTが、ロ
ウレベルであるときには、トランジスタT4において、
ボディ領域(P型)とソース・ドレイン領域(N+型)
で構成されるダイオードには、0.5Vの順方向電圧が印加
される。その結果、このダイオードには、リーク電流が
流れる。このため、図15に矢印で示す経路に沿って、
リーク電流が流れる。回路が特に大規模集積回路である
場合には、このリーク電流は、スタンバイ状態にあると
きの消費電力を高める要因となる。
【0073】実施の形態4では、スタンバイ状態にある
ときの消費電流、すなわち、スタンバイ電流を低減する
ように構成された半導体装置について説明する。図16
に例示する回路は、実施の形態4の半導体装置の一例を
示す回路図である。この回路は、図15の回路と同様
に、2段のインバータを備えており、論理演算機能に関
しては、図15の回路と同等である。
【0074】しかしながら、図16の回路では、前段の
インバータに属するトランジスタT1,T2は、ゲート
電極とボディ領域とが接続されたボディ制御型のMOS
トランジスタとして構成されているが、後段のインバー
タに属するトランジスタT3,T4は、ボディ領域とソ
ース・ドレイン領域とが接続されたボディ固定型のMO
Sトランジスタとして構成されている。このため、トラ
ンジスタT3,T4のリーク電流が解消される。その結
果、図16の回路全体のスタンバイ電流も節減される。
【0075】このように、複数のMOSトランジスタを
備える回路を、ボディ制御型のトランジスタとボディ固
定型のトランジスタとが混在するように、構成すること
によって、スタンバイ電流を低く抑えることが可能とな
る。一方、ボディ制御型のトランジスタは、ボディ固定
型のトランジスタに比べて、動作速度が高いという利点
を持っている。
【0076】したがって、好ましくは、容量負荷が大き
い部位、あるいは、高速動作が要求される経路(クリテ
ィカルパス)に位置するトランジスタにのみ、ボディ制
御型のトランジスタが配置され、その他の部位には、ボ
ディ固定型のトランジスタが配置される。それにより、
ボディ制御型のトランジスタのみが配置された回路に比
べて、動作速度の劣化を抑えつつ、スタンバイ電流を節
減し得る回路が実現する。これに対して、動作速度が問
題とならずに、専らスタンバイ電流の節減のみが重視さ
れる集積回路においては、すべてのトランジスタをボデ
ィ固定型として構成することも可能である。
【0077】マスタ工程後の装置101,106(図
1,図13)は、多数のMOSトランジスタを、個別
に、ボディ制御型とボディ固定型のいずれにも自在に設
定することが可能である。図17の回路図で示される回
路を実現する半導体装置の例を用いて、このことを以下
に説明する。図17の回路は、図6の回路と、論理演算
機能に関しては同等であり、すべてのトランジスタQ1
〜Q4がボディ固定型である点において相違する。
【0078】図18は、装置101のベーシックセルを
用いて、図17の回路を実現した半導体装置の例を示す
平面図である。この装置108では、トランジスタQ
1,Q2の各々のボディコンタクト領域9は、コンタク
トホールCHと配線パターンM1とを通じて、ゲートコ
ンタクト領域5ではなく、電源配線31へと接続されて
いる。同様に、トランジスタQ3,Q4の各々のボディ
コンタクト領域10は、ゲートコンタクト領域7ではな
く、電源配線32へと接続されている。この点におい
て、装置108は、装置102とは特徴的に相違してい
る。
【0079】すなわち、装置102では、トランジスタ
Q1〜Q4の各々は、ボディ制御型であったのに対し
て、装置108では、いずれれも、ボディ固定型に設定
されている。装置102と装置108では、すべてのト
ランジスタQ1〜Q4が、共通して、ボディ制御型かボ
ディ固定型に設定されているが、トランジスタQ1〜Q
4の中の一部をボディ制御型とし、他をボディ固定型と
することも、同様に可能であることは、図7および図1
8から自明である。
【0080】図19は、装置106のベーシックセルを
用いて、図17の回路を実現した半導体装置の例を示す
平面図である。この装置109では、トランジスタQ
1,Q2の各々のボディコンタクト領域9は、コンタク
トホールCHと配線パターンM1とを通じて、ゲートコ
ンタクト領域5ではなく、電源配線31へと接続されて
いる。同様に、トランジスタQ3,Q4の各々のボディ
コンタクト領域10は、ゲートコンタクト領域7ではな
く、電源配線32へと接続されている。
【0081】さらに、トランジスタQ1,Q2の各々の
ボディコンタクト領域41上には、コンタクトホールC
Hが形成されず、ボディコンタクト領域41とゲートコ
ンタクト領域6とは互いに接続されない。同様に、トラ
ンジスタQ3,Q4の各々のボディコンタクト領域42
上には、コンタクトホールCHが形成されず、ボディコ
ンタクト領域42とゲートコンタクト領域8とは互いに
接続されない。これらの点において、装置109は、装
置107(図14)とは、特徴的に異なっている。
【0082】装置109において、ボディコンタクト領
域41は、他方のボディコンタクト領域9とは異なり、
電源配線31には接続されない。しかしながら、ボディ
領域11の電位は、電源配線31の電位に固定されるの
で、ボディコンタクト領域41が電源配線31に接続さ
れないことそれ自体が、動作速度の劣化をもたらす恐れ
はない。ボディコンタクト領域42についても、同様の
ことが言える。
【0083】<5.変形例>以上の各実施の形態では、P
MOSトランジスタとNMOSトランジスタの双方が形
成されたCMOS型のゲートアレイ型の半導体装置につ
いて説明したが、それらの一方のみを含むゲートアレイ
型の半導体装置を、同様に構成することも可能である。
【0084】
【発明の効果】第1の発明の装置は、ゲートアレイ型
で、しかもSOI型の半導体装置として構成されるの
で、この装置をベースとしてスライス工程を実行するこ
とによって、高速動作、低消費電力という特性上の利点
を有する様々な種類の集積回路が、短い開発期間で実現
可能である。特に、ボディコンタクト領域とゲート電極
との間にゲートコンタクト領域が位置するので、スライ
ス工程の中で、ボディコンタクト領域を、接続配線を通
じて、ゲートコンタクト領域へ接続することも、電源配
線へと接続することも、また双方に接続することも可能
である。
【0085】第2の発明の装置では、隣り合うセル領域
の間で、ボディコンタクト領域が分離絶縁膜によって分
離されているので、ボディコンタクト領域とゲートコン
タクト領域とを電気的に接続することによって、ボディ
制御型のMOSトランジスタを備える回路を実現するこ
とができる。
【0086】第3の発明の装置では、一部のセル領域に
おいては、ボディコンタクト領域とゲートコンタクト領
域とが接続されているので、動作速度の高いボディ制御
型のMOSトランジスタを備える回路が実現する。
【0087】第4の発明の装置では、ボディ制御型とボ
ディ固定型のMOSトランジスタが混在した回路が実現
するので、高速化を損なうことなく消費電力を節減する
ことが可能である。
【0088】第5の発明の装置では、隣り合うセル領域
の間でソース・ドレイン領域が一体的に連結されてお
り、しかも、スライス工程において、電源配線とボディ
コンタクト領域とゲートコンタクト領域とを接続するこ
とが可能であるので、一部のセル領域においてゲート分
離を構成することによって、集積度の高い回路を実現す
ることが可能である。
【0089】第6の発明の装置では、一部のセル領域に
おいて、電源配線とボディコンタクト領域とゲートコン
タクト領域とが、接続配線によって電気的に接続されて
いるので、ゲート分離によって回路要素が分離された集
積度の高い回路が実現する。
【0090】第7の発明の装置では、ボディコンタクト
領域が、ボディ領域の両端の双方に連結するので、これ
らの領域を通じて、ボディ領域の両端をゲート電極の両
端にそれぞれ、接続することにより、ボディ領域の電気
抵抗を引き下げ、MOSトランジスタの動作速度を高め
ることが可能である。
【0091】第8の発明の装置では、ゲート電極よりも
電気抵抗の低い接続配線によって、ゲート電極の両端が
接続される。その結果、ゲート電極の電気抵抗が、実効
的に引き下げられるので、動作速度の高いMOSトラン
ジスタを含む回路を実現することが可能である。
【0092】第9の発明の装置では、ボディコンタクト
領域の幅が、ボディ領域よりも広いので、接続配線を容
易にボディコンタクト領域へと接続することができる。
さらに、ボディ領域が、ゲートコンタクト領域の直下の
部分においても、ボディコンタクト領域よりも幅が狭い
ので、ゲートコンタクト領域を、マージンを見込んで幅
広く設定する必要がない。このため、セル領域の配列間
隔を狭くして、回路の集積度を高めることが可能であ
る。
【0093】第10の発明の装置では、ボディコンタク
ト領域の幅が、ボディ領域よりも広いので、接続配線を
容易にボディコンタクト領域へと接続することができ
る。さらに、ボディ領域が、ゲートコンタクト領域の直
下の部分においても、ボディコンタクト領域よりも幅が
狭いので、ゲートコンタクト領域を、マージンを見込ん
で幅広く設定する必要がない。このため、半導体層に占
めるMOSトランジスタの面積を節減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1のマスタ工程後の装置の平面図
である。
【図2】 図1のA−A切断線に沿った断面図である。
【図3】 図1のB−B切断線に沿った断面図である。
【図4】 図1のC−C切断線に沿った断面図である。
【図5】 図1のD−D切断線に沿った断面図である。
【図6】 実施の形態1のスライス工程後の装置の回路
図である。
【図7】 実施の形態1のスライス工程後の装置の平面
図である。
【図8】 図7のE−E切断線に沿った断面図である。
【図9】 実施の形態2の装置の背景を説明する回路図
である。
【図10】 実施の形態2の装置の平面図である。
【図11】 実施の形態2の別の装置例の平面図であ
る。
【図12】 実施の形態2のさらに別の装置例の平面図
である。
【図13】 実施の形態3のマスタ工程後の装置の平面
図である。
【図14】 実施の形態3のスライス工程後の装置の平
面図である。
【図15】 実施の形態4の背景を説明する回路図であ
る。
【図16】 実施の形態4の装置の回路図である。
【図17】 実施の形態4の別の装置の回路図である。
【図18】 図17の装置の平面図である。
【図19】 実施の形態4のさらに別の装置の平面図で
ある。
【符号の説明】
1,2 ソース・ドレイン領域、3,4 ゲート電極、
5,6,7,8 ゲートコンタクト領域、9,10,4
1,42 ボディコンタクト領域、11,12ボディ領
域、13,14 ゲート絶縁膜、17 半導体層、21
絶縁層、23 分離絶縁膜、31,32 電源配線、
M1,M2 配線パターン(接続配線)。
フロントページの続き (72)発明者 益子 耕一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲートアレイ型の半導体装置において、 電気絶縁性の絶縁層と、 当該絶縁層の上に形成され、当該絶縁層とは反対側に主
    面を規定する半導体層と、を備え、 前記装置は、前記主面に沿って配列するセル領域の列を
    規定し、 前記半導体層は、前記セル領域の列の各々ごとに、 前記主面に露出する第1導電型のソース・ドレイン領域
    と、 前記主面に露出し、前記ソース・ドレイン領域を、前記
    セル領域の列の配列方向に沿って互いに並ぶ二領域に、
    分断するように配置された第2導電型のボディ領域と、 前記主面に露出し、前記ボディ領域の両端の少なくとも
    一方に連結する第2導電型のボディコンタクト領域と、
    を備え、 前記装置は、前記セル領域の列の各々ごとに、 前記ボディ領域の露出面の上に形成された電気絶縁性の
    ゲート絶縁膜と、 当該ゲート絶縁膜の上に形成された導電性のゲート電極
    と、 前記ゲート絶縁膜の上に形成され、前記ゲート電極の両
    端にそれぞれ連結する導電性のゲートコンタクト領域
    と、をさらに備え、 前記ボディコンタクト領域は、前記ゲート電極との間に
    前記ゲートコンタクト領域を挟む部位に配置されている
    半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 前記半導体層は、 前記セル領域の列の中の任意の隣り合うセル領域の間
    で、前記ボディコンタクト領域を互いに分離する分離絶
    縁膜を、さらに備える半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置において、 前記セル領域の列に属する少なくとも一部のセル領域の
    各々において、前記ボディコンタクト領域と前記ゲート
    コンタクト領域とを電気的に接続する接続配線を、さら
    に備える半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体装置において、 電源電位を供給するための電源配線を、さらに備え、 前記セル領域の列に属し、前記少なくとも一部のセル領
    域以外の他の一部のセル領域が存在し、当該他の一部の
    セル領域の各々において、前記ボディコンタクト領域と
    前記電源配線とを電気的に接続する接続配線を、さらに
    備える半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の半導体装置において、 前記セル領域の列の中の任意の隣り合うセル領域の間
    で、前記ソース・ドレイン領域が、互いに一体的に連結
    している半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の半導体装置において、 電源電位を供給するための電源配線を、さらに備え、 前記セル領域の列の中の少なくとも一部のセル領域の各
    々において、前記電源配線と前記ボディコンタクト領域
    と前記ゲートコンタクト領域とを互いに電気的に接続す
    る接続配線を、さらに備える半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の半導体装置において、 前記ボディコンタクト領域が、前記ボディ領域の両端の
    双方に連結する半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記
    載の半導体装置において、 前記セル領域の列の中の少なくとも一部のセル領域の各
    々において、前記ゲート電極よりも電気抵抗が低く、前
    記ゲート電極の上方に配設され、前記ゲート電極の両端
    に連結した前記ゲートコンタクト領域を互いに電気的に
    接続する接続配線を、さらに備える半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載の半導体装置において、 前記ボディ領域は、前記ゲート電極と前記ゲートコンタ
    クト領域とのいずれの直下に位置する部分においても、
    前記ボディコンタクト領域に比べて、前記配列方向に沿
    った幅が狭く設定されている半導体装置。
  10. 【請求項10】 半導体装置において、 電気絶縁性の絶縁層と、 当該絶縁層の上に形成され、当該絶縁層とは反対側に主
    面を規定する半導体層と、を備え、 当該半導体層は、 前記主面に露出する第1導電型のソース・ドレイン領域
    と、 前記主面に露出し、前記ソース・ドレイン領域を、二領
    域に分断するように配置された第2導電型のボディ領域
    と、 前記主面に露出し、前記ボディ領域の両端の少なくとも
    一方に連結する第2導電型のボディコンタクト領域と、
    を備え、 前記装置は、 前記ボディ領域の露出面の上に形成された電気絶縁性の
    ゲート絶縁膜と、 当該ゲート絶縁膜の上に形成された導電性のゲート電極
    と、 前記ゲート絶縁膜の上に形成され、前記ゲート電極の両
    端にそれぞれ連結する導電性のゲートコンタクト領域
    と、をさらに備え、 前記ボディコンタクト領域は、前記ゲート電極との間に
    前記ゲートコンタクト領域を挟む部位に配置されてお
    り、 前記ボディ領域は、前記ゲート電極と前記ゲートコンタ
    クト領域とのいずれの直下に位置する部分においても、
    前記ボディコンタクト領域に比べて、前記ゲート電極、
    前記ゲートコンタクト領域、および、前記ボディコンタ
    クト領域が配列する方向に直交する方向の幅が、狭く設
    定されている半導体装置。
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