JPH11213381A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH11213381A JPH11213381A JP1067598A JP1067598A JPH11213381A JP H11213381 A JPH11213381 A JP H11213381A JP 1067598 A JP1067598 A JP 1067598A JP 1067598 A JP1067598 A JP 1067598A JP H11213381 A JPH11213381 A JP H11213381A
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- magnetic
- magnetic layer
- magnetic powder
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塗布型の磁気記録媒体において、比表面積が
35m2/g以上の微細な磁性粉末が磁性層中に高度に
分散されるようにし、高密度記録領域における電磁変換
特性を向上させ、走行耐久性を改善する。 【解決手段】 磁性層2中に、所定の官能基を有するジ
ヒドロキシベンゼン化合物を添加する。
35m2/g以上の微細な磁性粉末が磁性層中に高度に
分散されるようにし、高密度記録領域における電磁変換
特性を向上させ、走行耐久性を改善する。 【解決手段】 磁性層2中に、所定の官能基を有するジ
ヒドロキシベンゼン化合物を添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粉末と結合剤
を主体とした磁性層を有する、いわゆる塗布型の磁気記
録媒体に関する。
を主体とした磁性層を有する、いわゆる塗布型の磁気記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体としては、磁性粉末や結合
剤、各種添加剤を有機溶媒とともに分散せしめて調製さ
れた磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布乾燥することで
磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が
知られており、高密度記録化の目的から上記磁性粉末と
しては金属微粒子が用いられるようになっている。
剤、各種添加剤を有機溶媒とともに分散せしめて調製さ
れた磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布乾燥することで
磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が
知られており、高密度記録化の目的から上記磁性粉末と
しては金属微粒子が用いられるようになっている。
【0003】このような金属微粒子を用いる塗布型の磁
気記録媒体は、オーディオ用あるいはビデオ用の磁気テ
ープを始め、バックアップ用データカートリッジ、フロ
ッピーディスク等として利用されている。特に最近で
は、記録波長の短波長化、あるいはディジタル記録方式
等のような記録密度の高い記録方式の検討が盛んに行わ
れており、これに対応する電磁変換特性に優れた磁気記
録媒体の開発が要求されている。
気記録媒体は、オーディオ用あるいはビデオ用の磁気テ
ープを始め、バックアップ用データカートリッジ、フロ
ッピーディスク等として利用されている。特に最近で
は、記録波長の短波長化、あるいはディジタル記録方式
等のような記録密度の高い記録方式の検討が盛んに行わ
れており、これに対応する電磁変換特性に優れた磁気記
録媒体の開発が要求されている。
【0004】ところで、塗布型の磁気記録媒体におい
て、電磁変換特性を向上させるための手法としては磁性
層の薄膜化がある。磁性層を薄膜化することによって、
自己減磁損失が低減し、電磁変換特性を改善することが
できる。
て、電磁変換特性を向上させるための手法としては磁性
層の薄膜化がある。磁性層を薄膜化することによって、
自己減磁損失が低減し、電磁変換特性を改善することが
できる。
【0005】しかし、磁性層の膜厚を、例えば1μm以
下に単純に薄膜化すると、磁性層表面に非磁性支持体の
表面形状が現れ易くなり、磁性層表面の平滑化が困難に
なる。このため、磁性層を薄膜化する場合には、非磁性
支持体と磁性層の間に非磁性の塗布層を介在させる重層
塗布型構成が採られる場合が多くなっている。このよう
に非磁性層を介在させることで非磁性支持体表面と磁性
層表面の間に厚さが稼がれ、非磁性支持体の表面形状が
磁性層表面に現れ難くなる。したがって、厚さの薄い磁
性層が平滑な表面形状で形成されることになる。
下に単純に薄膜化すると、磁性層表面に非磁性支持体の
表面形状が現れ易くなり、磁性層表面の平滑化が困難に
なる。このため、磁性層を薄膜化する場合には、非磁性
支持体と磁性層の間に非磁性の塗布層を介在させる重層
塗布型構成が採られる場合が多くなっている。このよう
に非磁性層を介在させることで非磁性支持体表面と磁性
層表面の間に厚さが稼がれ、非磁性支持体の表面形状が
磁性層表面に現れ難くなる。したがって、厚さの薄い磁
性層が平滑な表面形状で形成されることになる。
【0006】この他、電磁変換特性を改善する方法とし
ては、磁性層の表面を平滑化することによって磁気ヘッ
ドと磁性層の間のスペーシングを狭くすることも有効で
ある。特に、記録波長を短くした場合には、電磁変換特
性が磁性層の表面粗さの影響を受け易く、表面粗さの制
御が重要になる。
ては、磁性層の表面を平滑化することによって磁気ヘッ
ドと磁性層の間のスペーシングを狭くすることも有効で
ある。特に、記録波長を短くした場合には、電磁変換特
性が磁性層の表面粗さの影響を受け易く、表面粗さの制
御が重要になる。
【0007】さらに、磁性粉末自身の改良も電磁変換特
性の改善には不可欠である。この改良としては(1)強
磁性合金粉末の使用、(2)磁性粉末の微細化、(3)
磁性粉末の保磁力の増加及び保磁力分布の均一化等が挙
げられる。
性の改善には不可欠である。この改良としては(1)強
磁性合金粉末の使用、(2)磁性粉末の微細化、(3)
磁性粉末の保磁力の増加及び保磁力分布の均一化等が挙
げられる。
【0008】このうち、(1)、(2)については、磁
性材料の改良が積極的に進められた結果、飽和磁化が1
40Am2/kgを越える強磁性合金粉末や長軸長が
0.1μm以下の磁性粉末が開発されるに至っている。
また、(3)磁性粉末の保磁力に関しては、保磁力が1
60kA/mを越える磁性粉末が得られるようになって
いる。また、保磁力分布には磁性粉末の粒子サイズ分布
が反映されるが、この粒子サイズを均一化することで保
磁力分布も著しく改善されている。
性材料の改良が積極的に進められた結果、飽和磁化が1
40Am2/kgを越える強磁性合金粉末や長軸長が
0.1μm以下の磁性粉末が開発されるに至っている。
また、(3)磁性粉末の保磁力に関しては、保磁力が1
60kA/mを越える磁性粉末が得られるようになって
いる。また、保磁力分布には磁性粉末の粒子サイズ分布
が反映されるが、この粒子サイズを均一化することで保
磁力分布も著しく改善されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、良好な電磁
変換特性を得るためには、磁性粉末が結合剤中に均一に
分散されていることも重要である。
変換特性を得るためには、磁性粉末が結合剤中に均一に
分散されていることも重要である。
【0010】しかし、上述の手法のうち磁性粉末の微細
化を行った場合、結合剤中への磁性粉末の分散が困難に
なる傾向がある。
化を行った場合、結合剤中への磁性粉末の分散が困難に
なる傾向がある。
【0011】これに対しては、磁性塗料の調整段階で、
塗料の混練あるいは分散の時間を長くすることが考えら
れるが、そうすると磁性粉末の損傷や製造効率の低下の
問題が生じる。
塗料の混練あるいは分散の時間を長くすることが考えら
れるが、そうすると磁性粉末の損傷や製造効率の低下の
問題が生じる。
【0012】また、結合剤に−SO3M,−OSO3M,
−COOM,P=O(OM)2,−NRdRe、−NRdR
eRf+X-、>NRdRe+X-(但し、Mは、水素原子ある
いはリチウム,カリウム,ナトリウム等のアルカリ金属
であり、Rd、Re,Rfは、水素原子あるいは炭化水素基
であり、X-は、弗素,塩素,臭素,ヨウ素等のハロゲ
ン元素イオンあるいは無機イオン,有機イオンであ
る。)等の官能基を導入することによって、結合剤と磁
性粉末との相互作用を強化し、分散性を向上させる試み
もなされている。
−COOM,P=O(OM)2,−NRdRe、−NRdR
eRf+X-、>NRdRe+X-(但し、Mは、水素原子ある
いはリチウム,カリウム,ナトリウム等のアルカリ金属
であり、Rd、Re,Rfは、水素原子あるいは炭化水素基
であり、X-は、弗素,塩素,臭素,ヨウ素等のハロゲ
ン元素イオンあるいは無機イオン,有機イオンであ
る。)等の官能基を導入することによって、結合剤と磁
性粉末との相互作用を強化し、分散性を向上させる試み
もなされている。
【0013】しかしながら、結合剤にこれらの官能基を
導入しても、比表面積が35m2/g以上の微細な磁性
粉末を分散させるのは困難であり、磁性粉末の微細化に
よって高密度記録化を行うためには、分散性に関するさ
らなる改良が必要である。
導入しても、比表面積が35m2/g以上の微細な磁性
粉末を分散させるのは困難であり、磁性粉末の微細化に
よって高密度記録化を行うためには、分散性に関するさ
らなる改良が必要である。
【0014】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、比表面積が35m2/g
以上の微細な磁性粉末を高度に分散させることができ、
高密度記録領域において高い電磁変換特性が得られると
ともに良好な走行耐久性が得られる磁気記録媒体を提供
することを目的とする。
鑑みて提案されたものであり、比表面積が35m2/g
以上の微細な磁性粉末を高度に分散させることができ、
高密度記録領域において高い電磁変換特性が得られると
ともに良好な走行耐久性が得られる磁気記録媒体を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、磁
性粉末と結合剤を含有する磁性層が形成されてなり、上
記磁性層は、化2で表されるジヒドロキシベンゼン化合
物を含有することを特徴とするものである。
めに、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、磁
性粉末と結合剤を含有する磁性層が形成されてなり、上
記磁性層は、化2で表されるジヒドロキシベンゼン化合
物を含有することを特徴とするものである。
【0016】
【化2】
【0017】磁性層に化2で表されるジヒドロキシベン
ゼン化合物を添加すると、比表面積が35m2/g以上
の微細な磁性粉末であっても磁性層中に高度に分散さ
れ、高密度記録領域で高い電磁変換特性が得られるよう
になるとともに良好な走行耐久性が得られるようにな
る。
ゼン化合物を添加すると、比表面積が35m2/g以上
の微細な磁性粉末であっても磁性層中に高度に分散さ
れ、高密度記録領域で高い電磁変換特性が得られるよう
になるとともに良好な走行耐久性が得られるようにな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。
態について説明する。
【0019】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上
に、磁性粉末と結合剤を含有する磁性層が形成されてな
る、いわゆる塗布型の磁気記録媒体であり、前記磁性層
は磁性粉末や結合剤を有機溶媒とともに混合して調製さ
れた磁性塗料を非磁性支持体上に保持させ、乾燥させる
ことで形成される。
に、磁性粉末と結合剤を含有する磁性層が形成されてな
る、いわゆる塗布型の磁気記録媒体であり、前記磁性層
は磁性粉末や結合剤を有機溶媒とともに混合して調製さ
れた磁性塗料を非磁性支持体上に保持させ、乾燥させる
ことで形成される。
【0020】そして、この磁気記録媒体では特に、上記
磁性層に、化3で表されるジヒドロキシベンゼン化合物
が含有されている。
磁性層に、化3で表されるジヒドロキシベンゼン化合物
が含有されている。
【0021】
【化3】
【0022】なお、Mに導入されるアルカリ金属として
はリチウム,カリウム,ナトリウム等が挙げられ、Xに
導入されるハロゲンとしては塩素,臭素等が挙げられ
る。
はリチウム,カリウム,ナトリウム等が挙げられ、Xに
導入されるハロゲンとしては塩素,臭素等が挙げられ
る。
【0023】磁性層にこのようなジヒドロキシベンゼン
化合物が含有されていると、このジヒドロキシベンゼン
化合物が、そのOH基等の官能基を介して磁性粉末表面
に吸着する。このとき、このジヒドロキシベンゼン化合
物は、隣り合った位置にOH基が導入されているので、
磁性粉末表面に安定に吸着し、その結果、微細な磁性粉
末が磁性層中に高度に分散される。
化合物が含有されていると、このジヒドロキシベンゼン
化合物が、そのOH基等の官能基を介して磁性粉末表面
に吸着する。このとき、このジヒドロキシベンゼン化合
物は、隣り合った位置にOH基が導入されているので、
磁性粉末表面に安定に吸着し、その結果、微細な磁性粉
末が磁性層中に高度に分散される。
【0024】また、このジヒドロキシベンゼン化合物と
磁性粉末とは速い速度で吸着するので、分散時間を短縮
することができる。
磁性粉末とは速い速度で吸着するので、分散時間を短縮
することができる。
【0025】そして、特に、結合剤に第3級アミノ基ま
たは第4級アンモニウム塩が導入されていると、これら
極性基と、磁性粉末表面に吸着しているジヒドロキシベ
ンゼン化合物の官能基とが相互作用を起こし、これによ
って磁性粉末の分散性がさらに向上する。
たは第4級アンモニウム塩が導入されていると、これら
極性基と、磁性粉末表面に吸着しているジヒドロキシベ
ンゼン化合物の官能基とが相互作用を起こし、これによ
って磁性粉末の分散性がさらに向上する。
【0026】また、結合剤に導入されている第3級アミ
ノ基または第4級アンモニウム塩が、ジヒドロキシベン
ゼン化合物中の官能基と相互作用することによって、磁
性粉末と結合剤の界面の付着力が増し、磁気記録媒体の
走行耐久性が向上する。
ノ基または第4級アンモニウム塩が、ジヒドロキシベン
ゼン化合物中の官能基と相互作用することによって、磁
性粉末と結合剤の界面の付着力が増し、磁気記録媒体の
走行耐久性が向上する。
【0027】なお、このような作用は、特にR2,R3に
官能基が導入されているジヒドロキシベンゼン化合物を
用いた場合に著しく、官能基として−SO3M,−CO
OM,NRaRbRc+X-が導入されているジヒドロキシ
ベンゼン化合物を用いた場合にさらに著しい。
官能基が導入されているジヒドロキシベンゼン化合物を
用いた場合に著しく、官能基として−SO3M,−CO
OM,NRaRbRc+X-が導入されているジヒドロキシ
ベンゼン化合物を用いた場合にさらに著しい。
【0028】磁性層に含有させるジヒドロキシベンゼン
化合物の量は、磁性粉末100重量部に対して0.3〜
10重量部、さらには1.0〜5.0重量部であるのが
望ましい。ジヒドロキシベンゼン化合物の含有量がこの
範囲よりも少ない場合には、磁性粉末や結合剤へのジヒ
ドロキシベンゼン化合物の付着量が不足し、磁性粉末の
分散性を十分に改善することができない。またジヒドロ
キシベンゼン化合物の含有量がこの範囲よりも多い場合
には、ジヒドロキシベンゼン化合物において結合剤と未
反応の官能基が多く残存することになり、これらが相互
作用を及ぼし合うことによって磁性粉末の分散性が低下
する。
化合物の量は、磁性粉末100重量部に対して0.3〜
10重量部、さらには1.0〜5.0重量部であるのが
望ましい。ジヒドロキシベンゼン化合物の含有量がこの
範囲よりも少ない場合には、磁性粉末や結合剤へのジヒ
ドロキシベンゼン化合物の付着量が不足し、磁性粉末の
分散性を十分に改善することができない。またジヒドロ
キシベンゼン化合物の含有量がこの範囲よりも多い場合
には、ジヒドロキシベンゼン化合物において結合剤と未
反応の官能基が多く残存することになり、これらが相互
作用を及ぼし合うことによって磁性粉末の分散性が低下
する。
【0029】なお、ジヒドロキシベンゼン化合物は1種
類を単独で使用してもよく、複数種を組み合わせて用い
ても構わない。また、他の分散剤を併用しても差し支え
ない。
類を単独で使用してもよく、複数種を組み合わせて用い
ても構わない。また、他の分散剤を併用しても差し支え
ない。
【0030】このようなジヒドロキシベンゼン化合物が
含有される磁性層において、この他の材料としては次の
ようなものが用いられる。
含有される磁性層において、この他の材料としては次の
ようなものが用いられる。
【0031】まず、磁性層に含有させる磁性粉末として
は、Fe、Co、Ni等の金属、Fe−Co、Fe−N
i、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Al−P、
Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−Si−Al−M
n、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−N
i,Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni−
Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co−B、Fe−
Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co
−V等の合金、窒化鉄、炭化鉄等よりなる磁性粉末が単
独あるいは2種類以上が組み合わせて用いられる。これ
ら磁性粉末には、還元時の焼結防止または形状維持等の
目的で、Al、Si、P、B等の軽金属元素が適当量含
まれていても良い。
は、Fe、Co、Ni等の金属、Fe−Co、Fe−N
i、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Al−P、
Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−Si−Al−M
n、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−N
i,Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni−
Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co−B、Fe−
Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co
−V等の合金、窒化鉄、炭化鉄等よりなる磁性粉末が単
独あるいは2種類以上が組み合わせて用いられる。これ
ら磁性粉末には、還元時の焼結防止または形状維持等の
目的で、Al、Si、P、B等の軽金属元素が適当量含
まれていても良い。
【0032】また、γ−Fe2O3、Fe3O4、γ−Fe
2O3とFe3O4とのベルトライド化合物、Co含有γ−
Fe2O3、Co含有Fe3O4、Coを含有するγ−Fe
2O3とFe3O4とのベルトライド化合物、CrO2に1
種またはそれ以上の金属元素、たとえばTe、Sb、F
e、B等を含有させた酸化物等がある。
2O3とFe3O4とのベルトライド化合物、Co含有γ−
Fe2O3、Co含有Fe3O4、Coを含有するγ−Fe
2O3とFe3O4とのベルトライド化合物、CrO2に1
種またはそれ以上の金属元素、たとえばTe、Sb、F
e、B等を含有させた酸化物等がある。
【0033】さらに、六方晶系板状フェライトも使用可
能であり、M型、W型、Y型、Z型のバリウムフェライ
ト、ストロンチウムフェライト、カルシウムフェライ
ト、鉛フェライト、及びこれらに保磁力を制御する目的
でCo−Ti、Co−Ti−Zn、Co−Ti−Nb、
Co−Ti−Zn−Nb、Cu−Zr、Ni−Ti等を
添加したものも使用可能である。
能であり、M型、W型、Y型、Z型のバリウムフェライ
ト、ストロンチウムフェライト、カルシウムフェライ
ト、鉛フェライト、及びこれらに保磁力を制御する目的
でCo−Ti、Co−Ti−Zn、Co−Ti−Nb、
Co−Ti−Zn−Nb、Cu−Zr、Ni−Ti等を
添加したものも使用可能である。
【0034】これらの磁性粉末は、1種類を単独で用い
てもよく、2種類以上を併用することも可能である。
てもよく、2種類以上を併用することも可能である。
【0035】以上のような磁性粉末は、比表面積が30
〜80m2/g、好ましくは40〜70m2/gであるの
が良い。比表面積が上記範囲にある磁性粉末は、微粒子
であることから、高密度記録領域における媒体の電磁変
換特性が向上し、ノイズが低減する。
〜80m2/g、好ましくは40〜70m2/gであるの
が良い。比表面積が上記範囲にある磁性粉末は、微粒子
であることから、高密度記録領域における媒体の電磁変
換特性が向上し、ノイズが低減する。
【0036】また、特に磁性粉末が針状粒子である場合
には、長軸長が0.05〜0.50μm、軸比が2〜1
5であるのが好ましい。磁性粉末の長軸長が0.05μ
m未満である場合には、磁性塗料中に分散させるのが困
難となる。逆に、磁性粉末の長軸長が0.50μmを越
えると、ノイズ特性が劣化する。また、磁性粉末の軸比
が5未満であると、磁性粉末の配向性が損なわれ、出力
が低下する。磁性粉末の軸比が15を超える場合には、
短波長信号出力が低下する。
には、長軸長が0.05〜0.50μm、軸比が2〜1
5であるのが好ましい。磁性粉末の長軸長が0.05μ
m未満である場合には、磁性塗料中に分散させるのが困
難となる。逆に、磁性粉末の長軸長が0.50μmを越
えると、ノイズ特性が劣化する。また、磁性粉末の軸比
が5未満であると、磁性粉末の配向性が損なわれ、出力
が低下する。磁性粉末の軸比が15を超える場合には、
短波長信号出力が低下する。
【0037】磁性粉末が板状フェライトの場合には、板
径が0.01〜0.5μm、板厚が0.001〜0.2
μmであるのが好ましい。
径が0.01〜0.5μm、板厚が0.001〜0.2
μmであるのが好ましい。
【0038】なお、これらの長軸長、軸比、板径及び板
厚は、透過型電子顕微鏡写真から無作為に100サンプ
ル以上の磁性粉末を選択し、その平均値を算出すること
で求められる。
厚は、透過型電子顕微鏡写真から無作為に100サンプ
ル以上の磁性粉末を選択し、その平均値を算出すること
で求められる。
【0039】結合剤としては、従来より磁気記録媒体用
の結合剤として使用される公知の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、反応型樹脂等が用いられ、特に数平均分子量が
5000〜100000のものが好ましい。
の結合剤として使用される公知の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、反応型樹脂等が用いられ、特に数平均分子量が
5000〜100000のものが好ましい。
【0040】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル、酢酸
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合
体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、
アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル
酸エステル−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステ
ル−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチ
ラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチ
レート、セルロースダイアセテート、セルローストリア
セテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロー
ス)、スチレンブタジエン共重合体、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴム等が挙げ
られる。
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合
体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、
アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル
酸エステル−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステ
ル−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチ
ラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチ
レート、セルロースダイアセテート、セルローストリア
セテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロー
ス)、スチレンブタジエン共重合体、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴム等が挙げ
られる。
【0041】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂とし
ては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬
化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、
シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂等も使用可能である。
ては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬
化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、
シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂等も使用可能である。
【0042】これら結合剤には、磁性粉末の分散性向上
や媒体の走行耐久性向上の効果を得る点から、第3級ア
ミノ基または第4級アンモニウム塩が導入されているの
が望ましい。
や媒体の走行耐久性向上の効果を得る点から、第3級ア
ミノ基または第4級アンモニウム塩が導入されているの
が望ましい。
【0043】第3級アミノ基の場合、化4で表される構
造のものが分子内に導入されていても良く、化5で表さ
れる構造のものが末端に導入されていても良い。
造のものが分子内に導入されていても良く、化5で表さ
れる構造のものが末端に導入されていても良い。
【0044】
【化4】
【0045】
【化5】
【0046】また、第4級アンモニウム塩の場合、化6
で表される構造のものが分子内に導入されていても良
く、化7で表される構造のものが末端に導入されていて
も良い。
で表される構造のものが分子内に導入されていても良
く、化7で表される構造のものが末端に導入されていて
も良い。
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】また、この他、−SO3M、−OSO3M、
−COOM、P=O(OM)2(但し、Mは、水素原子
あるいはリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ
金属である。)や、−OH、−SH、−CN、エポキシ
基等の極性官能基が導入されていても良い。
−COOM、P=O(OM)2(但し、Mは、水素原子
あるいはリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ
金属である。)や、−OH、−SH、−CN、エポキシ
基等の極性官能基が導入されていても良い。
【0050】結合剤の極性官能基の含有量は、0.00
1〜1mmol/gであるのが好ましく、さらには0.
01〜0.3mmol/gであるのがより好ましい。
1〜1mmol/gであるのが好ましく、さらには0.
01〜0.3mmol/gであるのがより好ましい。
【0051】極性基の含有量が0.001mmol/g
未満の場合には、結合剤とジヒドロキシベンゼン化合物
の界面の相互作用を十分に強めることができず、走行耐
久性を改善する効果が不足する。また、極性基の含有量
が1mmol/gを超えると、磁性塗料の粘度が高くな
る。その結果、磁性粉末の分散が阻害され、また、媒体
表面の平滑性も損なわれ、良好な電磁変換特性が得られ
ない。
未満の場合には、結合剤とジヒドロキシベンゼン化合物
の界面の相互作用を十分に強めることができず、走行耐
久性を改善する効果が不足する。また、極性基の含有量
が1mmol/gを超えると、磁性塗料の粘度が高くな
る。その結果、磁性粉末の分散が阻害され、また、媒体
表面の平滑性も損なわれ、良好な電磁変換特性が得られ
ない。
【0052】このような結合剤の含有量は、磁性粉末1
00重量部に対して1〜200重量部であるのが好まし
く、10〜50重量部であるのが望ましい。結合剤の含
有量が多過ぎると、磁性粉末の磁性層に占める割合が相
対的に低下し、出力の低下に繋がる。また、ドライブ上
で、磁気ヘッドや各種摺動部材と繰り返し摺動されるこ
とによって磁性層が塑性流動を起こし易く、媒体の走行
耐久性が損なわれる。また、結合剤の含有量が少な過ぎ
ると、塗膜が脆くなり、媒体の走行耐久性が低下する。
なお、これらの結合剤は、1種類を単独で使用してもよ
く、2種類以上を併用することも可能である。
00重量部に対して1〜200重量部であるのが好まし
く、10〜50重量部であるのが望ましい。結合剤の含
有量が多過ぎると、磁性粉末の磁性層に占める割合が相
対的に低下し、出力の低下に繋がる。また、ドライブ上
で、磁気ヘッドや各種摺動部材と繰り返し摺動されるこ
とによって磁性層が塑性流動を起こし易く、媒体の走行
耐久性が損なわれる。また、結合剤の含有量が少な過ぎ
ると、塗膜が脆くなり、媒体の走行耐久性が低下する。
なお、これらの結合剤は、1種類を単独で使用してもよ
く、2種類以上を併用することも可能である。
【0053】これらの結合剤には、ポリイソシアネート
によって架橋硬化させることも可能である。このポリイ
ソシアネートとしては、トルエンジイソシアネートなら
びに、これら付加体、アルキレンジイソシアネートなら
びに、これら付加体等がある。これらポリイソシアネー
トの添加量は、結合剤100重量部に対して5〜80重
量部、好ましくは10〜50重量部である。
によって架橋硬化させることも可能である。このポリイ
ソシアネートとしては、トルエンジイソシアネートなら
びに、これら付加体、アルキレンジイソシアネートなら
びに、これら付加体等がある。これらポリイソシアネー
トの添加量は、結合剤100重量部に対して5〜80重
量部、好ましくは10〜50重量部である。
【0054】以上が磁気記録媒体の基本的な構成である
が、さらにこの他、磁気記録媒体で通常設けられる付加
的な層や添加剤を用いるようにしても構わない。
が、さらにこの他、磁気記録媒体で通常設けられる付加
的な層や添加剤を用いるようにしても構わない。
【0055】例えば、非磁性支持体の磁性層が形成され
る側とは反対側の面に、磁気記録媒体の走行性の向上や
帯電防止及び転写防止等を目的としてバックコート層を
設けてもよい。このバックコート層は、カーボンブラッ
ク等の帯電防止剤と結合剤を主体として構成される。
る側とは反対側の面に、磁気記録媒体の走行性の向上や
帯電防止及び転写防止等を目的としてバックコート層を
設けてもよい。このバックコート層は、カーボンブラッ
ク等の帯電防止剤と結合剤を主体として構成される。
【0056】また、磁性層と非磁性支持体の間に、非磁
性粉末と結合剤を含有する非磁性層(下層)を設けるよ
うにしても良い。磁性層を薄膜化した場合に磁性層を非
磁性支持体上に直接設けると、非磁性支持体の表面粗さ
が磁性層表面に浮き出し、磁性層の表面性が損なわれ
る。これに対して、磁性層と非磁性支持体の間に非磁性
層を介在させると、非磁性支持体の表面粗さが磁性層表
面に浮き出し難くなり、磁性層の表面性が改善される。
性粉末と結合剤を含有する非磁性層(下層)を設けるよ
うにしても良い。磁性層を薄膜化した場合に磁性層を非
磁性支持体上に直接設けると、非磁性支持体の表面粗さ
が磁性層表面に浮き出し、磁性層の表面性が損なわれ
る。これに対して、磁性層と非磁性支持体の間に非磁性
層を介在させると、非磁性支持体の表面粗さが磁性層表
面に浮き出し難くなり、磁性層の表面性が改善される。
【0057】この非磁性層の材料としては次のようなも
のが用いられる。
のが用いられる。
【0058】まず、非磁性粉末としては、α−Fe2O3
等の非磁性酸化鉄、ゲータイト、ルチル型酸化チタン、
アナターゼ型酸化チタン、酸化錫、酸化タングステン、
酸化珪素、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、チタ
ンカーバイト、BN、α−アルミナ、β−アルミナ、γ
−アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モ
リブデン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バ
リウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等が挙
げられる。上記非磁性粉末は、目的に応じて適当量の不
純物がドープされていても良い。また、分散性の改良、
導電性の付与、色調の改善等の目的で、Al,Si,T
i,Sn,Sb,Zr等を含有する化合物による表面処
理が施されていても構わない。これらの非磁性粉末は、
1種類を単独で使用しても良く、複数種を混合して用い
ても構わない。
等の非磁性酸化鉄、ゲータイト、ルチル型酸化チタン、
アナターゼ型酸化チタン、酸化錫、酸化タングステン、
酸化珪素、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、チタ
ンカーバイト、BN、α−アルミナ、β−アルミナ、γ
−アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モ
リブデン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バ
リウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等が挙
げられる。上記非磁性粉末は、目的に応じて適当量の不
純物がドープされていても良い。また、分散性の改良、
導電性の付与、色調の改善等の目的で、Al,Si,T
i,Sn,Sb,Zr等を含有する化合物による表面処
理が施されていても構わない。これらの非磁性粉末は、
1種類を単独で使用しても良く、複数種を混合して用い
ても構わない。
【0059】これら非磁性粉末は比表面積が30〜80
m2/gであるのが望ましく、さらには40〜70m2/
gであるのが好ましい。比表面積がこの範囲にある非磁
性粉末は微粒子であることから形状が非磁性層表面に現
れにくく、非磁性層が平滑に形成され、これを反映して
上層の磁性層も平滑に形成される。これにより、変調ノ
イズ特性が改善され、スペーシングロスが抑えられる。
m2/gであるのが望ましく、さらには40〜70m2/
gであるのが好ましい。比表面積がこの範囲にある非磁
性粉末は微粒子であることから形状が非磁性層表面に現
れにくく、非磁性層が平滑に形成され、これを反映して
上層の磁性層も平滑に形成される。これにより、変調ノ
イズ特性が改善され、スペーシングロスが抑えられる。
【0060】また、この他、非磁性粉末としてゴム用フ
ァーネス、熱分解カーボン、カラー用ブラック、アセチ
レンブラック等のカーボンブラックが含まれていても良
い。これらカーボンブラックは比表面積が100〜40
0m2/g、DBP吸油量(フタル酸ジブチル吸油量)
が20〜200ml/100gであることが好ましい。
比表面積がこの範囲にあるカーボンブラックは微粒子で
あることから形状が非磁性層表面に現れにくく、その結
果、非磁性層が平滑に形成され、これを反映して上層の
磁性層も平滑に形成される。
ァーネス、熱分解カーボン、カラー用ブラック、アセチ
レンブラック等のカーボンブラックが含まれていても良
い。これらカーボンブラックは比表面積が100〜40
0m2/g、DBP吸油量(フタル酸ジブチル吸油量)
が20〜200ml/100gであることが好ましい。
比表面積がこの範囲にあるカーボンブラックは微粒子で
あることから形状が非磁性層表面に現れにくく、その結
果、非磁性層が平滑に形成され、これを反映して上層の
磁性層も平滑に形成される。
【0061】非磁性層の結合剤としては、磁性層の結合
剤として例示したものがいずれも使用可能である。
剤として例示したものがいずれも使用可能である。
【0062】また、このような非磁性層を設ける場合、
この非磁性層にも非磁性粉末の分散性改善を目的として
上記ジヒドロキシベンゼン化合物を添加しても構わな
い。
この非磁性層にも非磁性粉末の分散性改善を目的として
上記ジヒドロキシベンゼン化合物を添加しても構わな
い。
【0063】非磁性層に含有させるジヒドロキシベンゼ
ン化合物の量は、非磁性粉末100重量部に対して0.
3〜10重量部、さらには1.0〜5.0重量部である
のが望ましい。ジヒドロキシベンゼン化合物の含有量が
この範囲よりも少ない場合には、非磁性粉末や結合剤へ
のジヒドロキシベンゼン化合物の付着量が不足し、非磁
性粉末の分散性を十分に改善することができない。また
ジヒドロキシベンゼン化合物の含有量がこの範囲よりも
多い場合には、ジヒドロキシベンゼン化合物において結
合剤と未反応の官能基が多く残存することになり、これ
らが相互作用を及ぼし合うことによって非磁性粉末の分
散性が低下する。
ン化合物の量は、非磁性粉末100重量部に対して0.
3〜10重量部、さらには1.0〜5.0重量部である
のが望ましい。ジヒドロキシベンゼン化合物の含有量が
この範囲よりも少ない場合には、非磁性粉末や結合剤へ
のジヒドロキシベンゼン化合物の付着量が不足し、非磁
性粉末の分散性を十分に改善することができない。また
ジヒドロキシベンゼン化合物の含有量がこの範囲よりも
多い場合には、ジヒドロキシベンゼン化合物において結
合剤と未反応の官能基が多く残存することになり、これ
らが相互作用を及ぼし合うことによって非磁性粉末の分
散性が低下する。
【0064】なお、この場合もジヒドロキシベンゼン化
合物は1種類を単独で使用してもよく、複数種を組み合
わせて用いても構わない。また、他の分散剤を併用して
も差し支えない。
合物は1種類を単独で使用してもよく、複数種を組み合
わせて用いても構わない。また、他の分散剤を併用して
も差し支えない。
【0065】また、上記磁性層および非磁性層には、次
のような潤滑剤を添加しても良い。
のような潤滑剤を添加しても良い。
【0066】潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン等の固体潤滑剤や、シリコーン
オイル、炭素数10〜22の脂肪酸、炭素数10〜22
の脂肪酸と炭素数2〜26のアルコールにより合成され
る脂肪酸エステル、テルペン系化合物及びこれらのオリ
ゴマー等が挙げられる。
ン、二硫化タングステン等の固体潤滑剤や、シリコーン
オイル、炭素数10〜22の脂肪酸、炭素数10〜22
の脂肪酸と炭素数2〜26のアルコールにより合成され
る脂肪酸エステル、テルペン系化合物及びこれらのオリ
ゴマー等が挙げられる。
【0067】また、磁性層にはさらに研磨剤粒子を添加
しても構わない。
しても構わない。
【0068】研磨剤粒子としては、酸化アルミニウム
(α、β、γ)、酸化クロム、酸化珪素、ダイヤモン
ド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタンカーバ
イト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ルチル、ア
ナターゼ)等がある。これら研磨剤粒子は、モース硬度
が4以上、好ましくは5以上、比重が2〜6、好ましく
は3〜5の範囲、平均粒径が0.5μm以下、さらに好
ましくは0.3μm以下がよい。また、これらの添加量
は、磁性粉末100重量部に対して20重量部以下、好
ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以
下がよい。なお、研磨剤粒子の平均粒径は、透過型電子
顕微鏡写真から無作為に100サンプル以上を選択し、
その平均値を算出することで求められる。
(α、β、γ)、酸化クロム、酸化珪素、ダイヤモン
ド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタンカーバ
イト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ルチル、ア
ナターゼ)等がある。これら研磨剤粒子は、モース硬度
が4以上、好ましくは5以上、比重が2〜6、好ましく
は3〜5の範囲、平均粒径が0.5μm以下、さらに好
ましくは0.3μm以下がよい。また、これらの添加量
は、磁性粉末100重量部に対して20重量部以下、好
ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以
下がよい。なお、研磨剤粒子の平均粒径は、透過型電子
顕微鏡写真から無作為に100サンプル以上を選択し、
その平均値を算出することで求められる。
【0069】以上のような磁性層や非磁性層は非磁性支
持体上に形成される。
持体上に形成される。
【0070】非磁性支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等の
ポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポ
リカーボネート類に代表されるような高分子材料、ある
いは金属、ガラス、セラミクス等により形成される支持
体等が用いられるこれらの材料よりなる磁気記録媒体は
例えば次のようにして製造される。
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等の
ポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポ
リカーボネート類に代表されるような高分子材料、ある
いは金属、ガラス、セラミクス等により形成される支持
体等が用いられるこれらの材料よりなる磁気記録媒体は
例えば次のようにして製造される。
【0071】まず、各層の材料を有機溶剤とともに混
練、分散して磁性塗料と、必要に応じて非磁性塗料やバ
ック塗料を調製する。
練、分散して磁性塗料と、必要に応じて非磁性塗料やバ
ック塗料を調製する。
【0072】磁性塗料を調製するに際して、ジヒドロキ
シベンゼン化合物は、磁性粉末や結合剤、有機溶剤と同
時に混合しても良く、あるいは予めジヒドロキシベンゼ
ン化合物で磁性粉末を処理しておき、この処理が施され
た磁性粉末を結合剤や有機溶剤と混合しても良い。
シベンゼン化合物は、磁性粉末や結合剤、有機溶剤と同
時に混合しても良く、あるいは予めジヒドロキシベンゼ
ン化合物で磁性粉末を処理しておき、この処理が施され
た磁性粉末を結合剤や有機溶剤と混合しても良い。
【0073】また、非磁性層にジヒドロキシベンゼン化
合物を添加する場合にも、ジヒドロキシベンゼン化合物
は、非磁性粉末や結合剤、有機溶剤と同時に混合しても
良く、あるいは予めジヒドロキシベンゼン化合物で非磁
性粉末を処理しておき、この処理が施された非磁性粉末
を結合剤や有機溶剤と混合しても良い。
合物を添加する場合にも、ジヒドロキシベンゼン化合物
は、非磁性粉末や結合剤、有機溶剤と同時に混合しても
良く、あるいは予めジヒドロキシベンゼン化合物で非磁
性粉末を処理しておき、この処理が施された非磁性粉末
を結合剤や有機溶剤と混合しても良い。
【0074】ここで、塗料化のための溶媒としては、ア
セトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケト
ン,シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール,
エタノール,プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸
メチル,酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸プロピル,乳酸
エチル,エチレングリコールアセテート等のエステル系
溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル,2−エ
トキシエタノール,テトラヒドロフラン,ジオキサン等
のエーテル系溶媒、ベンゼン,トルエン,キシレン等の
芳香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド,エチレン
クロライド,四塩化炭素,クロロホルム,クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が単独あるいは混合
されて使用される。
セトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケト
ン,シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール,
エタノール,プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸
メチル,酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸プロピル,乳酸
エチル,エチレングリコールアセテート等のエステル系
溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル,2−エ
トキシエタノール,テトラヒドロフラン,ジオキサン等
のエーテル系溶媒、ベンゼン,トルエン,キシレン等の
芳香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド,エチレン
クロライド,四塩化炭素,クロロホルム,クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が単独あるいは混合
されて使用される。
【0075】また、混練及び分散装置としては、ロール
ミル、ボールミル、サンドミル、アジター、ニーダー、
エクストルーダー、ホモジナイザー、超音波分散機等が
使用される。
ミル、ボールミル、サンドミル、アジター、ニーダー、
エクストルーダー、ホモジナイザー、超音波分散機等が
使用される。
【0076】そして、このようにして調製された非磁性
塗料及び磁性塗料を、非磁性支持体上に吹き付けるか、
あるいは塗布ロールやダイコータを用いた塗布方法等に
よって塗布し、乾燥させることによって非磁性層と磁性
層を形成する。この後、必要に応じてカレンダー処理等
の平滑化処理を行っても良い。
塗料及び磁性塗料を、非磁性支持体上に吹き付けるか、
あるいは塗布ロールやダイコータを用いた塗布方法等に
よって塗布し、乾燥させることによって非磁性層と磁性
層を形成する。この後、必要に応じてカレンダー処理等
の平滑化処理を行っても良い。
【0077】そして、非磁性支持体の非磁性層および磁
性層が形成された側とは反対側の面に、バックコート塗
料を塗布、乾燥させることでバックコート層を形成し、
所定の媒体形状に裁断する。
性層が形成された側とは反対側の面に、バックコート塗
料を塗布、乾燥させることでバックコート層を形成し、
所定の媒体形状に裁断する。
【0078】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について実験
結果に基づいて説明するが、本発明がこの実施例に限定
されるものでないことは言うまでもない。
結果に基づいて説明するが、本発明がこの実施例に限定
されるものでないことは言うまでもない。
【0079】実施例1−1 実施例1−1のサンプルテープは、図1に示すように、
非磁性支持体1上に磁性層2が形成され、非磁性支持体
1の磁性層2が形成された側とは反対側の面にバックコ
ート層3が形成されて構成されるものである。
非磁性支持体1上に磁性層2が形成され、非磁性支持体
1の磁性層2が形成された側とは反対側の面にバックコ
ート層3が形成されて構成されるものである。
【0080】このサンプルテープを作製するために、ま
ず下記の組成に基づいて磁性塗料を調製した。なお、ジ
ヒドロキシベンゼン化合物は、化8で表され、R1,
R2,R3,R4に表1に示す官能基または水素が導入さ
れたものである。
ず下記の組成に基づいて磁性塗料を調製した。なお、ジ
ヒドロキシベンゼン化合物は、化8で表され、R1,
R2,R3,R4に表1に示す官能基または水素が導入さ
れたものである。
【0081】塗料化は、常法に従って磁性粉末、結合
剤、添加剤、溶剤及びジヒドロキシベンゼン化合物を混
合した後、エクストルーダーにより混練し、さらにサン
ドミルで5時間分散させることで行った。
剤、添加剤、溶剤及びジヒドロキシベンゼン化合物を混
合した後、エクストルーダーにより混練し、さらにサン
ドミルで5時間分散させることで行った。
【0082】 磁性塗料の組成 磁性粉末:Fe系メタル磁性粉末 100重量部 (保磁力:160kA/m,飽和磁化量:145Am2/kg,比表 面積:51m2/g,長軸長:0.08μm,針状比:3) 結合剤 :ポリ塩化ビニル樹脂 14重量部 (極性基:化5の第3級アミノ基(R6:CH3,R7:CH3),含有 量:0.05mmol/g,ガラス転移点温度Tg:73℃) ポリエステルポリウレタン樹脂 3重量部 (極性基:スルホン酸,極性基含有量:0.08mmol/g, ガラス転移点温度Tg:70℃) 添加剤 :Al2O3 5重量部 ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 溶剤 :メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部 ジヒドロキシベンゼン化合物 0.2重量部 調製された磁性塗料にポリイソシアネートを3重量部添
加した後、塗料を、厚さ7μmのPET(ポリエチレン
テレフタレート)フィルム上に、厚さが6.5μmとな
るように塗布した。そして、未乾燥状態の塗膜を、ソレ
ノイドコイルにより配向処理した後、乾燥、カレンダー
処理、硬化処理を順次行うことで磁性層を形成した。
加した後、塗料を、厚さ7μmのPET(ポリエチレン
テレフタレート)フィルム上に、厚さが6.5μmとな
るように塗布した。そして、未乾燥状態の塗膜を、ソレ
ノイドコイルにより配向処理した後、乾燥、カレンダー
処理、硬化処理を順次行うことで磁性層を形成した。
【0083】次に、下記の組成に基づいてカーボンブラ
ック、結合剤及び溶剤を混合、混練、分散させることで
バック塗料を調製した。
ック、結合剤及び溶剤を混合、混練、分散させることで
バック塗料を調製した。
【0084】 バック塗料の組成 カーボンブラック 100重量部 (旭カーボン社製 #9) 結合剤 :ポリエステルポリウレタン 100重量部 (ニッポラン社製 商品名N−2304) 溶剤 :メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部 続いて、このバック塗料を、非磁性支持体の磁性層が形
成された側とは反対側の面に塗布、乾燥することでバッ
クコート層を形成した。
成された側とは反対側の面に塗布、乾燥することでバッ
クコート層を形成した。
【0085】そして、このようにして磁性層及びバック
コート層が形成されてテープ原反を、8mm幅に裁断す
ることでサンプルテープを作製した。
コート層が形成されてテープ原反を、8mm幅に裁断す
ることでサンプルテープを作製した。
【0086】実施例1−2〜実施例1−14 実施例1−2〜実施例1−14は、磁性層に添加するジ
ヒドロキシベンゼン化合物として、化8で表され、
R1,R2,R3,R4の位置に表1に示すような官能基ま
たは水素が導入されたものを用い、その添加量を表1に
示すように変えたこと以外は実施例1−1と同様のサン
プルテープの例である。
ヒドロキシベンゼン化合物として、化8で表され、
R1,R2,R3,R4の位置に表1に示すような官能基ま
たは水素が導入されたものを用い、その添加量を表1に
示すように変えたこと以外は実施例1−1と同様のサン
プルテープの例である。
【0087】比較例1−1 比較例1−1は、磁性層にジヒドロキシベンゼン化合物
が添加されていない市販の磁気テープ(ソニー社製8m
mHi8テープ)である。
が添加されていない市販の磁気テープ(ソニー社製8m
mHi8テープ)である。
【0088】比較例1−2 比較例1−2は、磁性層にジヒドロキシベンゼン化合物
を添加しないこと以外は実施例1−1と同様のサンプル
テープの例である。
を添加しないこと以外は実施例1−1と同様のサンプル
テープの例である。
【0089】比較例1−3 比較例1−3は、磁性層に添加するジヒドロキシベンゼ
ン化合物として、化8で表され、R1,R2,R3,R4の
位置に水素が導入されたものを用い、その添加量を表1
に示すように変えたこと以外は実施例1−1と同様のサ
ンプルテープの例である。
ン化合物として、化8で表され、R1,R2,R3,R4の
位置に水素が導入されたものを用い、その添加量を表1
に示すように変えたこと以外は実施例1−1と同様のサ
ンプルテープの例である。
【0090】
【化8】
【0091】
【表1】
【0092】以上のようにして作製したサンプルテープ
について、電磁変換特性(10MHzの再生出力)、表
面粗さRa、スチル特性を調べた。これらの特性は次の
ようにして測定した。
について、電磁変換特性(10MHzの再生出力)、表
面粗さRa、スチル特性を調べた。これらの特性は次の
ようにして測定した。
【0093】電磁変換特性:固定ヘッド式電磁変換特性
測定機を用いて測定を行った。この測定機はサンプルテ
ープが巻き付けられる回転ドラム、この回転ドラムに対
して対向配置されたヘッドからなる記録系と、出力レベ
ルを検出するためのスペクトラムアナライザーによって
構成されている。この測定機によって、最適記録電流で
10MHzの矩形波信号を記録し、その後、スペクトラ
ムアナライザーにより10MHzの出力レベルを検出し
た。ここで、テープ−ヘッド間の相対速度は3.33m
/秒である。出力は、比較例1−1のサンプルテープの
出力を0dBとしたときの相対値として表示した。
測定機を用いて測定を行った。この測定機はサンプルテ
ープが巻き付けられる回転ドラム、この回転ドラムに対
して対向配置されたヘッドからなる記録系と、出力レベ
ルを検出するためのスペクトラムアナライザーによって
構成されている。この測定機によって、最適記録電流で
10MHzの矩形波信号を記録し、その後、スペクトラ
ムアナライザーにより10MHzの出力レベルを検出し
た。ここで、テープ−ヘッド間の相対速度は3.33m
/秒である。出力は、比較例1−1のサンプルテープの
出力を0dBとしたときの相対値として表示した。
【0094】表面粗さRa:JIS B 0601で規
定される中心線平均粗さRaであり、レーザ光干渉方式
による非接触型表面粗さ計を用いて測定した。
定される中心線平均粗さRaであり、レーザ光干渉方式
による非接触型表面粗さ計を用いて測定した。
【0095】スチル特性:記録再生手段を備えた回転ド
ラムと、テープの同一部分を繰り返し再生できるように
なされた8mmビデオデッキを使用して測定した。ここ
では、この同一部分から再生される出力が、再生1回目
の半分になるまでの時間(スチル時間)を測定した。な
お、測定は最長120分とした。
ラムと、テープの同一部分を繰り返し再生できるように
なされた8mmビデオデッキを使用して測定した。ここ
では、この同一部分から再生される出力が、再生1回目
の半分になるまでの時間(スチル時間)を測定した。な
お、測定は最長120分とした。
【0096】これらの測定結果を表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】表2に示すように、所定の位置に官能基を
有するジヒドロキシベンゼン化合物を添加した実施例1
−1〜実施例1−14のサンプルテープは、ジヒドロキ
シベンゼン化合物を添加していない比較例1−2のサン
プルテープに比べて10MHzの再生出力が大きく、表
面粗さRaが小さく、またスチル特性に優れている。ま
た、ジヒドロキシベンゼン化合物であっても、所定の官
能基を有さないものを添加した比較例1−3のサンプル
テープは、10MHzの再生出力が小さく、表面粗さR
aが大きく、スチル特性が劣っている。
有するジヒドロキシベンゼン化合物を添加した実施例1
−1〜実施例1−14のサンプルテープは、ジヒドロキ
シベンゼン化合物を添加していない比較例1−2のサン
プルテープに比べて10MHzの再生出力が大きく、表
面粗さRaが小さく、またスチル特性に優れている。ま
た、ジヒドロキシベンゼン化合物であっても、所定の官
能基を有さないものを添加した比較例1−3のサンプル
テープは、10MHzの再生出力が小さく、表面粗さR
aが大きく、スチル特性が劣っている。
【0099】このことから、磁性層に所定の官能基を有
するジヒドロキシベンゼン化合物を添加すると、磁気記
録媒体の電磁変換特性や走行耐久性が改善されることが
わかる。
するジヒドロキシベンゼン化合物を添加すると、磁気記
録媒体の電磁変換特性や走行耐久性が改善されることが
わかる。
【0100】但し、ジヒドロキシベンゼン化合物として
同じ種類のものを用い、その添加量を変化させた実施例
1−1〜実施例1−6を比較すると、添加量を0.2重
量部と少なくした実施例1−1のサンプルテープや、1
2重量部と多くした実施例1−6のサンプルテープは、
ジヒドロキシベンゼン化合物を添加していない比較例1
−2のサンプルテープに比べれば特性が改善されている
ものの、十分であるとは言えない。
同じ種類のものを用い、その添加量を変化させた実施例
1−1〜実施例1−6を比較すると、添加量を0.2重
量部と少なくした実施例1−1のサンプルテープや、1
2重量部と多くした実施例1−6のサンプルテープは、
ジヒドロキシベンゼン化合物を添加していない比較例1
−2のサンプルテープに比べれば特性が改善されている
ものの、十分であるとは言えない。
【0101】したがって、ジヒドロキシベンゼン化合物
の添加量は、磁性粉末100重量部に対して0.3〜1
0重量部であるのが望ましく、さらには1.0〜5.0
重量部であるのが好ましい。
の添加量は、磁性粉末100重量部に対して0.3〜1
0重量部であるのが望ましく、さらには1.0〜5.0
重量部であるのが好ましい。
【0102】また、シヒドロキシベンゼン化合物の種類
を変えた実施例1−3及び実施例1−7〜実施例1−1
4を比較すると、ジヒドロキシベンゼン化合物に−SO
3M、−COOM、−NRaRbRc+X-を導入した場合、
さらにはR2,R3の位置に極性基を導入した場合に良好
な特性が得られることがわかる。
を変えた実施例1−3及び実施例1−7〜実施例1−1
4を比較すると、ジヒドロキシベンゼン化合物に−SO
3M、−COOM、−NRaRbRc+X-を導入した場合、
さらにはR2,R3の位置に極性基を導入した場合に良好
な特性が得られることがわかる。
【0103】実施例2−1〜実施例2−14 実施例2−1〜実施例2−14は、磁性層に添加するポ
リ塩化ビニル樹脂として、化6の第4級アンモニウム塩
(R8:CH3,R9:CH3,Y-:Cl-)が0.05m
mol/gなる量で含有されたポリ塩化ビニル樹脂(ガ
ラス転移点:73℃)を用い、ジヒドロキシベンゼン化
合物として、化8で表され、R1,R2,R3,R4の位置
に表3に示すような官能基または水素が導入されたもの
を用い、その添加量を表3に示すように変えたこと以外
は実施例1−1と同様のサンプルテープの例である。
リ塩化ビニル樹脂として、化6の第4級アンモニウム塩
(R8:CH3,R9:CH3,Y-:Cl-)が0.05m
mol/gなる量で含有されたポリ塩化ビニル樹脂(ガ
ラス転移点:73℃)を用い、ジヒドロキシベンゼン化
合物として、化8で表され、R1,R2,R3,R4の位置
に表3に示すような官能基または水素が導入されたもの
を用い、その添加量を表3に示すように変えたこと以外
は実施例1−1と同様のサンプルテープの例である。
【0104】比較例2−1 比較例2−1は、磁性層にジヒドロキシベンゼン化合物
が添加されていない市販の磁気テープ(ソニー社製8m
mHi8テープ)である。
が添加されていない市販の磁気テープ(ソニー社製8m
mHi8テープ)である。
【0105】比較例2−2 比較例2−2は、磁性層にジヒドロキシベンゼン化合物
を添加しないこと以外は実施例2−1と同様のサンプル
テープの例である。
を添加しないこと以外は実施例2−1と同様のサンプル
テープの例である。
【0106】比較例2−3 比較例2−3は、磁性層に添加するジヒドロキシベンゼ
ン化合物として、化8で表され、R1,R2,R3,R4の
位置に水素が導入されたものを用い、その添加量を表3
に示すように変えたこと以外は実施例2−1と同様のサ
ンプルテープの例である。
ン化合物として、化8で表され、R1,R2,R3,R4の
位置に水素が導入されたものを用い、その添加量を表3
に示すように変えたこと以外は実施例2−1と同様のサ
ンプルテープの例である。
【0107】
【表3】
【0108】以上のようにして作製したサンプルテープ
について、上述と同様にして電磁変換特性(10MHz
の再生出力)、表面粗さRa、スチル特性を調べた。そ
の結果を表4に示す。
について、上述と同様にして電磁変換特性(10MHz
の再生出力)、表面粗さRa、スチル特性を調べた。そ
の結果を表4に示す。
【0109】
【表4】
【0110】表4に示すように、所定の位置に極性基を
有するジヒドロキシベンゼン化合物を添加した実施例2
−1〜実施例2−14のサンプルテープは、ジヒドロキ
シベンゼン化合物を添加していない比較例2−2のサン
プルテープに比べて10MHzの再生出力が大きく、表
面粗さRaが小さく、またスチル特性に優れている。ま
た、ジヒドロキシベンゼン化合物であっても所定の極性
基を有さないものを添加した比較例2−3のサンプルテ
ープは、10MHzの再生出力が小さく、表面粗さRa
が大きく、スチル特性が劣っている。
有するジヒドロキシベンゼン化合物を添加した実施例2
−1〜実施例2−14のサンプルテープは、ジヒドロキ
シベンゼン化合物を添加していない比較例2−2のサン
プルテープに比べて10MHzの再生出力が大きく、表
面粗さRaが小さく、またスチル特性に優れている。ま
た、ジヒドロキシベンゼン化合物であっても所定の極性
基を有さないものを添加した比較例2−3のサンプルテ
ープは、10MHzの再生出力が小さく、表面粗さRa
が大きく、スチル特性が劣っている。
【0111】このことから、磁性層に所定の極性基を有
するジヒドロキシベンゼン化合物を添加すると、磁気記
録媒体の電磁変換特性や走行耐久性が改善されることが
わかる。
するジヒドロキシベンゼン化合物を添加すると、磁気記
録媒体の電磁変換特性や走行耐久性が改善されることが
わかる。
【0112】但し、ジヒドロキシベンゼン化合物として
同じ種類のものを用い、その添加量を変化させた実施例
2−1〜実施例2−6のサンプルテープを比較すると、
添加量を0.2重量部と少なくした実施例2−1のサン
プルテープや、12重量部と多くした実施例2−6のサ
ンプルテープは、ジヒドロキシベンゼン化合物を添加し
ていない比較例2−2のサンプルテープに比べれば特性
が改善されているものの、十分であるとは言えない。
同じ種類のものを用い、その添加量を変化させた実施例
2−1〜実施例2−6のサンプルテープを比較すると、
添加量を0.2重量部と少なくした実施例2−1のサン
プルテープや、12重量部と多くした実施例2−6のサ
ンプルテープは、ジヒドロキシベンゼン化合物を添加し
ていない比較例2−2のサンプルテープに比べれば特性
が改善されているものの、十分であるとは言えない。
【0113】したがって、ジヒドロキシベンゼン化合物
の添加量は、磁性粉末100重量部に対して0.3〜1
0重量部であるのが望ましく、さらには1.0〜5.0
重量部であるのが好ましいことがわかる。
の添加量は、磁性粉末100重量部に対して0.3〜1
0重量部であるのが望ましく、さらには1.0〜5.0
重量部であるのが好ましいことがわかる。
【0114】また、シヒドロキシベンゼン化合物の種類
を変えた実施例2−3及び実施例2−7〜実施例2−1
4を比較すると、ジヒドロキシベンゼン化合物に−SO
3M、−COOM、−NRaRbRc+X-を導入した場合、
さらにはR2,R3の位置に官能基を導入した場合に良好
な特性が得られることがわかる。
を変えた実施例2−3及び実施例2−7〜実施例2−1
4を比較すると、ジヒドロキシベンゼン化合物に−SO
3M、−COOM、−NRaRbRc+X-を導入した場合、
さらにはR2,R3の位置に官能基を導入した場合に良好
な特性が得られることがわかる。
【0115】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録媒体は、磁性層に所定の構造を有するジヒ
ドロキシベンゼン化合物が含有されているので、比表面
積が35m2/g以上の磁性粉末を磁性層中に高度に分
散させることができ、高密度記録領域において高い電磁
変換特性が得られるとともに良好な走行耐久性が得られ
る。
明の磁気記録媒体は、磁性層に所定の構造を有するジヒ
ドロキシベンゼン化合物が含有されているので、比表面
積が35m2/g以上の磁性粉末を磁性層中に高度に分
散させることができ、高密度記録領域において高い電磁
変換特性が得られるとともに良好な走行耐久性が得られ
る。
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一例を示す断
面図である。
面図である。
1 非磁性支持体、2 磁性層、3 バックコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 健 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に、磁性粉末と結合剤を
含有する磁性層が形成されてなり、 上記磁性層は、化1で表されるジヒドロキシベンゼン化
合物を含有することを特徴とする磁気記録媒体。 【化1】 - 【請求項2】 磁性粉末の比表面積が、35m2/g以
上であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項3】 磁性層のジヒドロキシベンゼン化合物の
含有量が、磁性粉末100重量部に対して0.3重量部
〜10重量部であることを特徴とする請求項1記載の磁
気記録媒体。 - 【請求項4】 結合剤は、第3級アミノ基を有すること
を特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 結合剤の第3級アミノ基の含有量が、
0.001mmol/g〜1mmol/gであることを
特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】 結合剤は、第4級アンモニウム塩を有す
ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】 結合剤の第4級アンモニウム塩の含有量
が、0.001mmol/g〜1mmol/gであるこ
とを特徴とする請求項6記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01067598A JP3852198B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01067598A JP3852198B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11213381A true JPH11213381A (ja) | 1999-08-06 |
JP3852198B2 JP3852198B2 (ja) | 2006-11-29 |
Family
ID=11756845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01067598A Expired - Fee Related JP3852198B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3852198B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002373413A (ja) * | 2001-06-14 | 2002-12-26 | Sony Corp | 磁気記録媒体 |
JP2013131285A (ja) * | 2011-11-21 | 2013-07-04 | Fujifilm Corp | 塗布型磁気記録媒体製造用アルミナ分散物、これを用いる塗布型磁気記録媒体の製造方法、および塗布型磁気記録媒体 |
JP2013229090A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-11-07 | Fujifilm Corp | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
-
1998
- 1998-01-22 JP JP01067598A patent/JP3852198B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002373413A (ja) * | 2001-06-14 | 2002-12-26 | Sony Corp | 磁気記録媒体 |
JP2013131285A (ja) * | 2011-11-21 | 2013-07-04 | Fujifilm Corp | 塗布型磁気記録媒体製造用アルミナ分散物、これを用いる塗布型磁気記録媒体の製造方法、および塗布型磁気記録媒体 |
JP2013229090A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-11-07 | Fujifilm Corp | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3852198B2 (ja) | 2006-11-29 |
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