JPH10308014A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10308014A
JPH10308014A JP10051297A JP10051297A JPH10308014A JP H10308014 A JPH10308014 A JP H10308014A JP 10051297 A JP10051297 A JP 10051297A JP 10051297 A JP10051297 A JP 10051297A JP H10308014 A JPH10308014 A JP H10308014A
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JP
Japan
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magnetic
layer
nonmagnetic
powder
magnetic layer
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JP10051297A
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Nobuyuki Nagai
信之 永井
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度記録に十分対応すべく、薄膜の磁性層
を有するとともに、耐久性に優れ、表面が平滑化されて
高電磁変換特性を実現する磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体1は、非磁性支持体2上
に、非磁性層3、磁性層が順次積層形成されてなる。非
磁性層3を形成する非磁性粉末は、オキシ水酸化鉄を含
有する。非磁性粉末は、比表面積が50m2/g以上1
00m2/g以下、吸着水分量が0.5重量%以上3.
0重量%以下、X線粒径が10nm以上20nm以下で
あると好ましい。また、Lを非磁性粉末の長軸方向の平
均粒径[μm」、σを標準偏差[μm]とするとき、比
磁性粉末の粒度分布が、L+3σ<0.3[μm」を満
たすと好ましい。さらに、非磁性粉末は、かさ密度が
0.2g/c以上1.0g/cc以下、また等電点が5
以上9以下であると好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜の磁性層を有
する磁気記録媒体に関し、特に高密度記録に好適な磁気
記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、オーディオ用テープ、
ビデオテープ、バックアップ用データーカートリッジ、
フロッピーディスク等として広く利用されている。近
年、特に記録波長の短波長化、或いはデジタル記録方式
等の高密度記録の検討が盛んに行われており、電磁変換
特性の優れた磁気記録媒体の開発が要求されている。
【0003】一般に磁気記録媒体としては、非磁性支持
体上に酸化物磁性粉末または合金磁性粉末等の粉末磁性
材料を有機バインダー中に分散した磁性材料を塗布し、
乾燥することにより製造される塗布型の磁気記録媒体が
広く使用されている。
【0004】塗布型の磁気記録媒体においては、電磁変
換特性を向上させるために磁性層の薄膜化が検討されて
いる。これは、記録時の自己減磁損失を低減することに
より電磁変換特性を向上させる方法であり、近年種々の
塗布方式が提案されている。
【0005】ところが、この塗布型の磁気記録媒体は、
例えば非磁性支持体上に0.05μm乃至0.5μmの
薄い磁性層が単層で形成されており、非磁性支持体の表
面形状の影響を受け易く、平滑な表面を得ることが困難
となるため、記録再生時のスペーシング損失が増加する
といった問題がある。
【0006】これを解決するために、上記塗布型の磁気
記録媒体においては、磁性層と非磁性支持体との間に非
磁性の下塗層(以下、非磁性層と称する。)を形成する
ことにより、磁性層を薄膜化するとともに、平滑面を実
現する方法が、特開平5−210838号公報等で考案
されている。
【0007】さらに、このような2層を有する塗布型の
磁気記録媒体の塗布方式においては、電磁変換特性の向
上やノイズの低減等の目的から、塗布欠陥や塗り筋のな
い均一な塗膜にすることが要求され、その方法としてダ
イコーターにより、上記磁性層と非磁性層を非磁性支持
体上に同時に塗布する、いわゆる同時重層塗布方式が特
開平5−285443号公報等で提案されている。上記
同時重層塗布方式は、磁性層と非磁性層との接着性を向
上させる方法としても有効なため、近年の重層塗布型磁
気記録媒体の中心的な塗布方式になってきている。
【0008】一方、上記塗布型の磁気記録媒体は、記録
再生時のスペーシング損失を最小限に抑えるために、更
なる表面の平滑化も検討されている。上述したように、
塗布型の磁気記録媒体は、高密度記録において使用する
記録波長が短いために、表面の粗さの影響を受け易く、
特に表面粗度の制御が必要である。そこで、この塗布型
の磁気記録媒体においては、表面をより平滑化するため
に、含有させる粉末の分散の改善、あるいはカレンダー
処理等の方法が行われている。
【0009】例えば、粉末の分散を向上させるために、
粉末と強固に相互作用する結合剤や、分散剤、あるいは
分散効率の高い分散機を使用する等の方法が実用化され
ている。また、カレンダー処理においても、高温処理
や、スチールロールのみから構成されるカレンダー装置
の使用等の様々な改良がなされている。
【0010】さらに、重層塗布型の磁気記録媒体におい
ては、強磁性粉末として強磁性合金粉末の使用、強磁性
粉末の微細化、強磁性粉末の保磁力の増加及び保磁力分
布の均一化等の強磁性粉末の改良も行われている。特
に、強磁性合金粉末の使用及び強磁性粉末の微細化を達
成するためには、飽和磁化が140Am2/kg以上の
強磁性粉末や長軸長0.1μm以下の強磁性粉末が開発
されている。また、保磁力の増加及び保磁力分布の均一
化を達成するためには、保磁力が160kA/mを越え
る強磁性粉末を使用したり、保磁力分布を反映する粒子
サイズ分布を均一化するといった改良がなされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
重層塗布型の磁気記録媒体においては、記録波長の短い
高密度記録に十分対応可能とするため、磁気記録媒体表
面の更なる平滑化を目的として、非磁性層に使用する非
磁性粉末についても酸化チタンやヘマタイト等の酸化物
が検討されている。
【0012】しかしながら、これらの非磁性粉末を用い
た重層塗布型の磁気記録媒体は、高密度記録に対応すべ
く、薄膜の磁性層を有するとともに、表面の平滑化及び
耐久性を確保するには不十分である。
【0013】そこで、本発明は、このような従来の実状
に鑑みて提案されたものであり、高密度記録に十分対応
すべく、薄膜の磁性層を有するとともに、耐久性に優
れ、表面が平滑化されて高電磁変換特性を実現する磁気
記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体上に形成さ
れた、非磁性粉末を結合剤中に分散してなる非磁性層
と、上記非磁性層上に形成された、強磁性粉末を結合剤
中に分散してなる磁性層とを有し、上記非磁性粉末がオ
キシ水酸化鉄を含有し、上記磁性層の膜厚が0.05μ
m以上、0.5μm以下であることを特徴とする。
【0015】この磁気記録媒体においては、非磁性粉末
の比表面積が、50m2/g以上、100m2/g以下で
あることが好ましい。
【0016】また、上記非磁性粉末は、アルミニウムを
含有すると好ましい。しかも、上記非磁性粉末の含有量
が、オキシ水酸化鉄の鉄に対して、1原子%以上、20
原子%以下であることがより好ましい。
【0017】さらに、上記非磁性粉末の吸着水分量が、
0.5重量%以上、3.0重量%以下であると好まし
い。また、上記非磁性粉末のX線粒径が、10nm以
上、20nm以下であると好ましい。また、Lを非磁性
粉末の長軸方向の平均粒径[μm]、σを標準偏差[μ
m]とするとき、上記非磁性粉末の粒度分布が、下記式
(1)の範囲であると好ましい。L+3σ<0.3[μ
m] ・・・(1) さらに、上記非磁性粉末のかさ密度が、0.2g/cc
以上、1.0g/cc以下であると好ましい。また、上
記非磁性粉末の等電点が、5以上、9以下であると好ま
しい。
【0018】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体によれば、非磁性粉末がオキシ水酸化鉄を含有
し、磁性層の膜厚が0.05μm以上、0.5μm以下
である。したがって、本発明に係る磁気記録媒体は、薄
膜の磁性層を有するとともに、非磁性粉末の形状の微粒
子化を伴って、非磁性層及び磁性層が平滑化される。そ
の結果、スペーシング損失が抑えられて、自己減磁損失
やノイズを低減し再生出力が向上して、高電磁変換特性
を実現する。
【0019】しかも、上記非磁性粉末の非表面積が、5
0m2/g以上、100m2/g以下であることによっ
て、より表面が平滑化され、電磁変換特性を向上させ
る。
【0020】さらに、本発明に係る磁気記録媒体は、非
磁性層中に含有された非磁性粉末がアルミニウムを含有
することによって、高温条件下においても、電磁変換特
性や耐久性等の特性の劣化が少なくなり、環境変化等に
対して安定となる。しかも、本発明に係る磁気記録媒体
においては、上記アルミニウムの含有量が、オキシ水酸
化鉄の鉄に対して、1原子%以上、20原子%以下とさ
れることによって、非磁性粉末の形状がより均一化さ
れ、かつ分散性が向上するために、磁気記録媒体の表面
をより平滑化する。
【0021】また、上記非磁性粉末の吸着水分量が上記
範囲内にあることにより、非磁性層の塗料作製工程にお
いて塗料化が容易となり、良好な分散状態を得ることが
できる。これにより、非磁性層の表面が平滑化され、そ
の結果上層の磁性層面も平滑化される。
【0022】さらに、上記非磁性粉末のX線粒径が上記
範囲内にあることにより、非磁性層の塗料化が容易とな
り、良好な分散状態を得ることができる。しかも、粒子
形状の針状性が高く、結晶断面が偏平なため、非磁性層
及び磁性層の表面の更なる平滑化を実現する。
【0023】また、上記非磁性粉末の粒度分布が上記範
囲内にあることにより、粒子サイズが均一であるため、
非磁性層及び磁性層の表面を平滑化することができる。
【0024】また、上記非磁性粉末のかさ密度が上記範
囲内にあることにより、非磁性層の塗料化が容易とな
り、良好な分散状態を得ることができ、その結果非磁性
層及び磁性層の表面を平滑化することができる。
【0025】さらに、上記非磁性粉末の等電点が上記範
囲内にあることにより、非磁性層の塗料化が容易とな
り、良好な分散状態を得ることができ、その結果非磁性
層及び磁性層の表面を平滑化することができる。さら
に、非磁性層に潤滑剤を添加した場合に、潤滑剤の拡散
を効果的に行うことができるため、耐久性に優れた磁気
記録媒体を実現する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0027】本発明を適用した磁気記録媒体1は、図1
に示すように、非磁性支持体2の一方の主面上に形成さ
れた、非磁性粉末を結合剤中に分散してなる非磁性層3
と、上記非磁性層3上に形成された、強磁性粉末を結合
剤中に分散してなる磁性層4とを有する。また、非磁性
層3及び磁性層4が形成された面とは反対側の非磁性支
持体2の一主面上には、非磁性粉末と結合剤とを主体と
するバックコート層5を有している。
【0028】非磁性支持体2の材料としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレー
ト等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン類、セルローストリアセテート、セルロースジアセ
テート等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド
類、ポリカーボネート類に代表されるような高分子材料
あるいは金属、ガラス、セラミックス等が挙げられる。
【0029】非磁性層3を形成する非磁性粉末として
は、従来、酸化チタンやヘマタイト(Fe23)等の酸
化物が用いられていた。これに対して、本実施例におけ
る非磁性粉末は、α−FeOOH、γ−FeOOH等の
オキシ水酸化鉄である。なお、上記非磁性粉末は、目的
に応じて適量の不純物をドープすることも可能である
し、分散性の改良、導電性の付与、色調の改善等の目的
で、Al、Si、Ti、Sn、Sb、Zr等の化合物で
表面処理することも可能である。また、特に本発明に使
用する非磁性粉末としては、少なくともオキシ水酸化鉄
を含むものとする。
【0030】また、本発明で使用されるオキシ水酸化鉄
としては、α−FeOOH、β−FeOOH、γ−Fe
OOH等が挙げられ、特に、α−FeOOH、γ−Fe
OOHが好ましい。これらオキシ水酸化鉄は、Co、N
i、Cr、Mn、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、T
i、Mo、Ag、Cu等の金属化合物が共存していても
良く、表面にアルミニウム化合物や希土類元素化合物が
存在していても良い。また、本発明においては、これら
オキシ水酸化鉄が脱水して得られる中間生成物である酸
化鉄をも、オキシ水酸化鉄の概念中に含めるものとす
る。
【0031】特に、本発明で使用されるオキシ水酸化鉄
は、比表面積が50m2/g以上、100m2/g以下で
ある。これにより、本発明を適用した磁気記録媒体は、
薄膜の磁性層を有するとともに、非磁性粉末の形状の微
粒子化を伴って、非磁性層及び磁性層が平滑化される。
その結果、スペーシング損失が抑えられて、自己減磁損
失やノイズを低減し再生出力が向上して、高電磁変換特
性が実現可能となる。
【0032】さらに、上記オキシ水酸化鉄は、アルミニ
ウムを鉄に対して、1原子%以上、20原子%以下含有
することが好ましい。アルミニウムをオキシ水酸化鉄中
に含有させるには、オキシ水酸化鉄の作製段階で、溶液
中にアルミニウム化合物の水溶液を添加し、FeOOH
結晶の成長過程で内部に取り込む方法や、作製したFe
OOH粉末を水中に懸濁した後、アルミニウム化合物の
水溶液を添加して、アルカリ水溶液を加えることによっ
てpHを調節し、アルミニウムの沈澱物を粒子表面に被
着させる方法等の、従来公知の方法がいずれも使用可能
である。これにより、非磁性粉末の形状がより均一化さ
れ、かつ分散性が向上するために、磁気記録媒体の表面
をより平滑化することができる。
【0033】また、本発明で使用されるオキシ水酸化鉄
は、吸着水分量が0.5重量%以上、3.0重量%以下
であると好ましい。ここで、吸着水分量は、温度等の製
造条件により調整することができる。これにより、非磁
性層の塗料作製工程において塗料化が容易となり、良好
な分散状態を得ることができる。その結果、非磁性層及
び磁性層のが平滑化されて、変調ノイズ特性が向上し、
かつスペーシング損失が抑えられて、再生出力が向上
し、高電磁変換特性を実現することができる。
【0034】また、本発明で使用されるオキシ水酸化鉄
は、X線粒径が10nm以上、20nm以下であると好
ましい。ここで、X線粒径は、温度等の製造条件により
調整することができる。これにより、非磁性層の塗料化
が容易となり、かつ粒子形状も針状性が高く、結晶断面
が偏平となるため、その結果非磁性層及び磁性層の表面
が平滑化する。よって、変調ノイズ特性が向上し、かつ
スペーシング損失が抑えられて、再生出力が向上し、高
電磁変換特性を実現することができる。
【0035】さらに、本発明で使用されるオキシ水酸化
鉄の粒度分布としては、Lを非磁性粉末の長軸方向の平
均粒径[μm]、σを標準偏差[μm]とするとき、下
記式(1)の範囲内であると好ましい。
【0036】 L+3σ<0.3[μm] ・・・(1) ここで、粒度は、温度等の製造条件により適宜調整する
ことができる。これにより、非磁性粉末のサイズがより
均一にされるため、非磁性層及び磁性層の表面が平滑化
して、変調ノイズ特性が向上し、かつスペーシング損失
が抑えられて、再生出力が向上し、高電磁変換特性を実
現することができる。
【0037】さらに、本発明で使用されるオキシ水酸化
鉄は、かさ密度が0.2g/cc以上、1.0g/cc
以下であると好ましい。ここで、かさ密度は、温度等の
製造条件により適宜調整することができる。これによ
り、非磁性層の塗料化工程時における塗料化が容易にな
って良好な分散状態が得られるため、非磁性層及び磁性
層の表面が平滑化され、変調ノイズ特性が向上し、かつ
スペーシング損失が抑えられて、再生出力が向上し、高
電磁変換特性が実現される。
【0038】また、本発明で使用されるオキシ水酸化鉄
は、等電点が5以上、9以下であると好ましい。ここ
で、等電点は、非磁性粉末が主に表面に含有するAlの
組成により変化する。これにより、非磁性層の塗料化が
容易となって良好な分散状態が得られるため、その結果
非磁性層及び磁性層の表面が平滑化されて、変調ノイズ
特性が向上し、スペーシング損失が抑えられて、再生出
力が向上し、高電磁変換特性が実現される。さらに、非
磁性層に潤滑剤を添加した場合に、潤滑剤の拡散を効果
的に行うことができるため、更なる耐久性を実現するこ
とができる。
【0039】非磁性層3に含有させる結合剤は、従来よ
り磁気記録媒体用の結合剤として使用される公知の熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等が使用可能であ
り、重量平均分子量が15000〜200000のもの
が好ましい。これらの結合剤は、磁気記録媒体1に走行
耐久性、可撓性、靭性を付与したり、非磁性支持体2と
の接着を良好にする等の目的で使用される。
【0040】上記結合剤として用いられる熱可塑性樹脂
としては、例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アク
リル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル
−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩
化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビ
ニル共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合
体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリトニトリ
ル共重合体、アクリトニトリル−ブタジエン共重合体、
ポリアミド樹脂、ポエイビニルブチラール、セルロース
誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロース
ダイアセテートセルローストリアセテート、セルロース
プロピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
アミノ樹脂、合成ゴム等が用いられる。
【0041】また、上記結合剤として用いられる熱硬化
性樹脂または反応型樹脂としては、例えばフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、
ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒト樹脂等が用いら
れる。
【0042】なお、上述した結合剤には、顔料の分散性
を向上させる目的で、−SO3M、−OSO3M、−CO
OM、P=0(OM)2等の極性官能基が導入されても
よい。ここで、式中のMは、水素原子あるいはリチウ
ム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属である。ま
た、上記極性官能基としては、上述の他にNR12、−
NR123 +-の末端基を有する側鎖型のもの、ある
いは>NR12 +-の主鎖型のものを用いてもよい。こ
こで、式中のR1、R2、R3は、水素原子あるいは炭化
水素基であり、X-は弗素、塩素、臭素、ヨウ素等のハ
ロゲン元素イオンあるいは無機、有機イオンである。さ
らに、−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の極性官
能基もある。これら極性官能基の量は、10-1〜10-8
mol/gであり、好ましくは、10-2〜10-6mol
/gがよい。なお、これら結合剤は、1種単独で用いら
れてもよいが、2種以上を併用することも可能である。
【0043】また、上記結合剤の使用量は、非磁性粉末
100重量部に対して、本発明に適用する塩化ビニル系
結合剤と併せて1〜100重量部、好ましくは、10〜
50重量部である。上記塩化ビニル系結合剤を1種単独
で用いる場合は、同様に非磁性粉末100重量部に対し
て、1〜100重量部、好ましくは、10〜50重量部
がよい。これは、結合剤の使用量が多すぎると、ドライ
ブでの繰り返し摺動により塗膜の塑性流動が生じやす
く、走行耐久性が低下するためである。また、結合剤の
使用量が少なすぎると、非磁性粉末の分散不良や塗膜の
力学的強度が低下するといった問題が生じるためであ
る。
【0044】磁性層4に用いられる強磁性粉末には、例
えばFe、Co、Ni等の金属、あるいはFe−Co、
Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−A
l−P、Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−Si−
Al−Mn、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、C
o−Ni、Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−Co−
Ni−Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co−B、
Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe
−Co−V等の合金が挙げられる。なお、磁性層4の表
層部分には、還元時の焼結防止または形状維持等の目的
で添加されるAl、Si、Ca、Mg、P、B、Zr、
Yや希土類元素等を、単独あるいは2種類以上を併用し
て適量含有してもよい。
【0045】特に、本発明を適用した磁気記録媒体1に
おいて、磁性層4は、その膜厚が0.05μm以上、
0.5μm以下の薄膜である。
【0046】以上のことから、本発明に係る磁気記録媒
体は、非磁性粉末がオキシ水酸化鉄を含有し、しかも磁
性層の膜厚が0.05μm以上、0.5μm以下とされ
ることにより、薄膜の磁性層を有するとともに、非磁性
粉末の形状の微粒子化を伴って、非磁性層及び磁性層が
平滑化される。その結果、スペーシング損失が抑えられ
て、自己減磁損失やノイズを低減し再生出力が向上し
て、高電磁変換特性を実現する。
【0047】また、磁性層4に研磨材粒子として、例え
ば酸化アルミニウム(α、β、γ)、酸化クロム、炭化
珪素、ダイヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ
素、チタンカーバイト、炭化チタン、酸化チタン(ルチ
ル、アナターゼ)等を含有させてもよい。これら研磨材
粒子は、非磁性粉末100重量部に対して、20重量
部、好ましくは10重量部以下に含有されるとよい。ま
た、研磨材粒子のモース硬度は、4以上、好ましくは5
以上がよい。さらに、研磨材粒子の比重は、2〜6、好
ましくは3〜5がよい。しかも、研磨材粒子の平均粒径
は、0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下がよ
い。
【0048】磁性層4に含有させる結合剤は、非磁性層
3に含有される結合剤と同様に、従来より磁気記録媒体
用の結合剤として使用される公知の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂等が使用可能であり、重量平均分
子量が15000〜200000のものが好ましい。こ
れらの結合剤には、顔料の分散性を向上させる目的で上
述した極性官能基が導入されてもよく、導入量は10-1
〜10-8mol/gであり、好ましくは10-2〜10ー6
mol/gである。
【0049】なお、上述した結合剤には、その結合剤を
架橋硬化させるポリイソシアネートを併用することが可
能である。このポリイソシアネートとしては、トルエン
ジイソシアネート又はこの付加体、あるいはアルキレン
ジイソシアネート又はこの付加体等が用いられる。これ
らポリイソシアネートの上記結合剤への配合量は、結合
剤100重量部に対して、5〜80重量部、好ましく
は、10〜50重量部がよい。これらポリイソシアネー
ト類は、非磁性層3及び磁性層4の両層の結合剤中に用
いることが可能であり、またいずれか一層のみに限定し
て用いることも可能である。上記両層にポリイソシアネ
ートを配合する場合、その配合量は、各層に等量投入す
ることも可能であるし、任意の比率で変えることも可能
である。
【0050】なお、磁性層4及び非磁性層3には、潤滑
剤及び界面活性剤を含有させることが可能である。上記
潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化ダン
グステン、シリコーンオイル、炭素数10〜22までの
脂肪酸、またはこれらのオリゴマー等が用いられる。こ
れら潤滑剤は、磁性層4にのみ添加することも可能であ
るし、両層に添加することも可能である。上記界面活性
剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両
性の界面活性剤を用いることができ、種類、量を目的に
応じて各層に使い分けたり、1層のみに使用することが
可能である。
【0051】非磁性層3及び磁性層4は、非磁性支持体
2上に各層の形成材料を塗料化して塗布乾燥して形成す
る。この塗料化に用いられる溶剤としては、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、
エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、2ーエトキシエ
タノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素系溶媒等が用いられる。
【0052】なお、非磁性支持体2上の上記磁性層4が
形成された面とは反対側の一主面上には、磁気記録媒体
1の走行性の向上や帯電防止及び転写防止等を目的とし
て、バックコート層5を設けてもよい。また、非磁性層
3と非磁性支持体2との間には、接着性を強化するため
に、下塗層を形成することも可能である。ただし、この
下塗層は、上記の非磁性層3とは異なるものであること
は言うまでもない。
【0053】以上のように構成された磁気記録媒体1
は、以下に示した製造工程によって製造される。すなわ
ち、磁気記録媒体1は、非磁性支持体2上に塗布される
塗料を作製する塗料作製工程と、上述した塗料を非磁性
支持体2上に塗布する重層塗布工程と、非磁性支持体2
上にバックコート層5を形成するバックコート層形成工
程と、非磁性層3と磁性層4とバックコート層5とが形
成された磁気記録媒体1を裁断する裁断工程の各工程を
経て製造される。
【0054】まず、上記塗料作製工程は、混練工程、混
合工程、分散工程の各工程から構成される。混練工程及
び分散工程には、ロールミル、ボールミル、サンドミ
ル、アジター、ニーダー、エクストルーダー、ホモイナ
イザー、超音波分散機等の混合機が用いられる。まず、
混練工程にて、強磁性粉末や結合剤や添加剤や分散剤等
を混ぜ合わせる。次に、混合工程および分散工程にて、
温度をかけて溶け合わせ、混合機で繰り返し混合した
後、フィルターによりろ過する。
【0055】次に、このようにして作製された塗料を非
磁性支持体2上に重層塗布工程を施して塗布する。この
重層塗布工程は、ダイコーターが用いられる同時重層塗
布方式で行う。ダイコーターのリップ構成には、2リッ
プ式、3リップ式、4リップ式等がある。
【0056】一般に、非磁性支持体2上に非磁性層3と
磁性層4を形成するには、1層ずつ塗布乾燥する方式
(いわゆるウエット・オン・ドライ塗布方式)と、乾燥
されていない湿潤状態にある非磁性層3上に磁性層4を
重ねて塗布する方式(いわゆるウエット・オン・ウエッ
ト塗布方式)とがある。
【0057】ウエット・オン・ウエット塗布方式は、非
磁性層3が湿潤状態で、その非磁性層3上に磁性層4の
磁性塗料を塗布するので、非磁性層3の表面が平滑化さ
れるともに、磁性層4の表面性も良好となり、かつ非磁
性層3と磁性層4との接着性も向上する。この結果、特
に高密度記録のために高出力、低ノイズの要求される磁
気記録媒体としての要求性能を満たしたものとなり、か
つ膜剥離がなくなり、膜強度が向上する。また、ドロッ
プアウトも低減することが可能であり、信頼性が向上す
る。
【0058】一方、ウエット・オン・ドライ塗布方式
は、特開平6−236543号公報にも示されるよう
に、非磁性層3として、その上に形成された磁性層4の
塗料に対して十分な耐溶剤性のあるものを選択する必要
がある。また、この方式では、表面の平滑性が損なわ
れ、その結果電磁変換特性に支障をきたす。
【0059】そこで、本実施の形態として示す重層塗布
工程には、上記ウエット・オン・ウエット塗布方式を用
いる。なお、このウエット・オン・ウエット塗布方式に
よって形成される非磁性層3及び磁性層4は、図1に示
すような明確な境界が存在する場合と、一定の厚みを以
て両層の成分が混在してなる境界領域が存在する場合と
がある。いずれの場合も、本発明の実施の形態に含まれ
る。
【0060】次に、重層塗布工程の後、非磁性層3及び
磁性層4を形成した磁気記録媒体1を乾燥機に導入し、
カレンダー装置に導いてカレンダー処理を施し、巻き取
りロールに巻き取る。さらに、この磁気記録媒体1の磁
性層4の形成された面とは反対側の一主面上に、バック
コート層形成工程にて、バックコート層5を形成する。
【0061】そして、バックコート層形成工程の後、こ
の磁気記録媒体1は、裁断工程にて長さ方向に沿って所
定幅、例えば8mm幅に切断されて、複数本の磁気テー
プが製造される。
【0062】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について、具
体的な実験結果に基づいて詳細に説明する。
【0063】実施例1 まず、下記に示す組成の磁性層4及び非磁性層3の形成
材料を塗料化した。塗料化は、上述した方法にて、顔
料、結合剤、添加剤、溶剤を混合し、エクストルーダー
により混練した後、サンドミルで4時間分散し、フィル
ターでろ過した。次に、塗布直前にポリイソシアネート
を磁性層4の塗料に3重量部、非磁性層3の塗料に3重
量部を加え、各塗料を4リップ方式ダイコーターを用い
て、厚さ7μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
上に磁性層4を0.2μm、非磁性層3を2.0μmと
なるように同時重層塗布した。
【0064】 <磁性層塗料組成> メタル強磁性粉末(長軸長0.11μm、X線粒径15.3nm、保磁力172 .8kA/m、飽和磁化量131.2Am2/kg) 100重量部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン製 MR−110) 14重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂(重量平均分子量 35000、東洋紡製) 3重量部 α−Al23 5重量部 ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部 <非磁性層塗料組成> α−FeOOH(比表面積65.2m2/g) 100重量部 塩化ビニル系共重合体(重量平均分子量 10000、官能基[−SO3K]= 7×10-5mol/g) 16重量部 ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 メチルエチルケトン 105重量部 シクロヘキサノン 105重量部 次いで、ソレノイドコイルにより磁場配向処理した後、
乾燥して巻取った。これをカレンダー処理した後、硬化
処理を行った。
【0065】そして、下記に示す組成のバック塗料を上
記磁性層4及び非磁性層3の形成された面とは反対側の
非磁性支持体2の一主面上に塗布した。
【0066】 <バック塗料組成> カーボンブラック(商品名:旭#50) 100重量部 ポリエステルポリウレタン(商品名:ニッポランN−2304) 100重量部 メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部 そして、上述したように、バックコート層を形成した
後、この磁気記録媒体を長さ方向に沿って8mm幅に裁
断し、磁気テープを作製した。
【0067】実施例2 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積80.
4m2/gのα−FeOOHを使用した以外は、実施例
1と同様にして磁気テープを作製した。
【0068】実施例3 磁性層に含まれるメタル強磁性粉末として、長軸長が
0.08μm、X線粒径が15.1nm、保磁力が18
9.3kA/m、飽和磁化量が141.2Am2/kg
の強磁性粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして
磁気テープを作製した。
【0069】実施例4 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積80.
4m2/gのα−FeOOHを使用した以外は、実施例
3と同様にして磁気テープを作製した。
【0070】実施例5 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、α−FeOOH
の代わりに、比表面積が76.3m2/gのγ−FeO
OHを使用した以外は、実施例1と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0071】実施例6 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積94.
0m2/gのα−FeOOHを使用し、かつ強磁性粉末
として、以下の磁性粉末を使用した。
【0072】 メタル強磁性粉末(長軸長0.08μm、保磁力177.8kA/m、飽和磁 化量136.2Am2/kg) 100重量部 上記以外については、実施例1と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0073】実施例7 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積60.
0m2/gのα−FeOOHを使用した以外は、実施例
6と同様にして磁気テープを作製した。
【0074】実施例8 磁性層に含まれる強磁性粉末として、以下の磁性粉末を
使用した。
【0075】 メタル強磁性粉末(長軸長0.10μm、保磁力192.1kA/m、飽和磁 化量150.8Am2/kg) 100重量部 上記以外については、実施例6と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0076】実施例9 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積60.
0m2/gのα−FeOOHを使用した以外は、実施例
8と同様にして磁気テープを作製した。
【0077】実施例10 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積94.
0m2/gであり、AlをFeに対して4.7原子%含
有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例6と同様
にして磁気テープを作製した。
【0078】実施例11 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積60.
0m2/gであり、AlをFeに対して4.7原子%含
有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例6と同様
にして磁気テープを作製した。
【0079】実施例12 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積94.
0m2/gであり、AlをFeに対して4.7原子%含
有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例8と同様
にして磁気テープを作製した。
【0080】実施例13 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積60.
0m2/gであり、AlをFeに対して4.7原子%含
有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例8と同様
にして磁気テープを作製した。
【0081】実施例14 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積94.
0m2/gであり、AlをFeに対して12.1原子%
含有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例6と同
様にして磁気テープを作製した。
【0082】実施例15 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積60.
0m2/gであり、AlをFeに対して12.1原子%
含有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例6と同
様にして磁気テープを作製した。
【0083】実施例16 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積94.
0m2/gであり、AlをFeに対して12.1原子%
含有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例8と同
様にして磁気テープを作製した。
【0084】実施例17 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積60.
0m2/gであり、AlをFeに対して12.1原子%
含有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例8と同
様にして磁気テープを作製した。
【0085】実施例18 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積76.
3m2/gであり、AlをFeに対して7.8原子%含
有したγ−FeOOHを用いた以外は、実施例6と同様
にして磁気テープを作製した。
【0086】実施例19 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積76.
3m2/gであり、AlをFeに対して7.8原子%含
有したγ−FeOOHを用いた以外は、実施例8と同様
にして磁気テープを作製した。
【0087】実施例20 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積73.
4m2/gであり、AlをFeに対して16.3原子%
含有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例6と同
様にして磁気テープを作製した。
【0088】実施例21 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積73.
4m2/gであり、AlをFeに対して16.3原子%
含有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例8と同
様にして磁気テープを作製した。
【0089】実施例22 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積11
6.1m2/gのα−FeOOHを使用した以外は、実
施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0090】実施例23 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積40.
6m2/gのα−FeOOHを使用した以外は、実施例
22と同様にして磁気テープを作製した。
【0091】実施例24 磁性層に含まれるメタル強磁性粉末として、長軸長が
0.08μm、X線粒径が1.51×10-2、保持力が
189.3kA/m、飽和磁化量が141.2m2/k
gの強磁性粉末を使用した以外は、実施例22と同様に
して磁気テープを作製した。
【0092】実施例25 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積40.
6m2/gのα−FeOOHを使用した以外は、実施例
22と同様にして磁気テープを作製した。
【0093】実施例26 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積94.
0m2/gであり、AlをFeに対して22.6原子%
含有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例6と同
様にして磁気テープを作製した。
【0094】実施例27 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積60.
0m2/gであり、AlをFeに対して22.6原子%
含有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例6と同
様にして磁気テープを作製した。
【0095】実施例28 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、比表面積94.
0m2/gであり、AlをFeに対して22.6原子%
含有したα−FeOOHを用いた以外は、実施例8と同
様にして磁気テープを作製した。
【0096】実施例29 非磁性粉末として、比表面積60.0m2/gであり、
AlをFeに対して22.6原子%含有したα−FeO
OHを用いた以外は、実施例8と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0097】実施例30 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、吸着水分量1.
10重量%であるα−FeOOHを用いた以外は、実施
例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0098】実施例31 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、吸着水分量0.
76重量%であるα−FeOOHを用いた以外は、実施
例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0099】実施例32 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、吸着水分量2.
70重量%であるα−FeOOHを用いた以外は、実施
例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0100】実施例33 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、X線粒径が13
nmであるα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【0101】実施例34 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、X線粒径が16
nmであるα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【0102】実施例35 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、X線粒径が18
nmであるα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【0103】実施例36 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、粒度分布L+3
σが0.15μmであるα−FeOOHを用いた以外
は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0104】実施例37 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、粒度分布L+3
σが0.23μmであるα−FeOOHを用いた以外
は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0105】実施例38 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、粒度分布L+3
σが0.10μmであるα−FeOOHを用いた以外
は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0106】実施例39 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、かさ密度が0.
45μmであるα−FeOOHを用いた以外は、実施例
1と同様にして磁気テープを作製した。
【0107】実施例40 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、かさ密度が0.
67μmであるα−FeOOHを用いた以外は、実施例
1と同様にして磁気テープを作製した。
【0108】実施例41 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、かさ密度が0.
89μmであるα−FeOOHを用いた以外は、実施例
1と同様にして磁気テープを作製した。
【0109】実施例42 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、等電点が6であ
るα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
【0110】実施例43 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、等電点が8であ
るα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
【0111】実施例44 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、吸着水分量が
1.10重量%であり、かつX線粒径が13nmである
α−FeOOHを用いた以外は、実施例1と同様にして
磁気テープを作製した。
【0112】実施例45 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、吸着水分量が
1.10重量%であり、かつ等電点が6であるα−Fe
OOHを用いた以外は、実施例1と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0113】実施例46 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、X線粒径が13
nmであり、かつ粒度分布L+3σが0.15μmであ
るα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
【0114】実施例47 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、粒度分布L+3
σが0.23μmであり、かつかさ密度が0.45μm
であるα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と同様
にして磁気テープを作製した。
【0115】比較例1 磁性層の厚さを1.0μm、非磁性層の厚さを2.0μ
mとなるように同時重層塗布した以外は、実施例1と同
様にして磁気テープを作製した。
【0116】比較例2 磁性層の厚さを1.0μm、非磁性層の厚さを2.0μ
mとなるように同時重層塗布した以外は、実施例2と同
様にして磁気テープを作製した。
【0117】比較例3 磁性層の厚さを1.0μm、非磁性層の厚さを2.0μ
mとなるように同時重層塗布した以外は、実施例3と同
様にして磁気テープを作製した。
【0118】比較例4 磁性層の厚さを1.0μm、非磁性層の厚さを2.0μ
mとなるように同時重層塗布した以外は、実施例4と同
様にして磁気テープを作製した。
【0119】比較例5 磁性層の厚さを0.03μm、非磁性層の厚さを2.0
μmとなるように同時重層塗布した以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【0120】比較例6 磁性層の厚さを0.03μm、非磁性層の厚さを2.0
μmとなるように同時重層塗布した以外は、実施例2と
同様にして磁気テープを作製した。
【0121】比較例7 磁性層の厚さを0.03μm、非磁性層の厚さを2.0
μmとなるように同時重層塗布した以外は、実施例3と
同様にして磁気テープを作製した。比較例8 磁性層の厚さを0.03μm、非磁性層の厚さを2.0
μmとなるように同時重層塗布した以外は、実施例4と
同様にして磁気テープを作製した。比較例9 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、α−FeOOH
の代わりに、比表面積が60.5m2/gのα−Fe2
3を使用した以外は、実施例1と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0122】比較例10 磁性層を1.0μm、非磁性層を2.0μmとなるよう
に塗布した以外は、実施例10と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0123】比較例11 磁性層を1.0μm、非磁性層を2.0μmとなるよう
に塗布した以外は、実施例11と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0124】比較例12 磁性層を1.0μm、非磁性層を2.0μmとなるよう
に塗布した以外は、実施例12と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0125】比較例13 磁性層を1.0μm、非磁性層を2.0μmとなるよう
に塗布した以外は、実施例13と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0126】比較例14 磁性層を1.0μm、非磁性層を2.0μmとなるよう
に塗布した以外は、実施例14と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0127】比較例15 磁性層を1.0μm、非磁性層を2.0μmとなるよう
に塗布した以外は、実施例15と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0128】比較例16 磁性層を1.0μm、非磁性層を2.0μmとなるよう
に塗布した以外は、実施例16と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0129】比較例17 磁性層を1.0μm、非磁性層を2.0μmとなるよう
に塗布した以外は、実施例17と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0130】比較例18 磁性層を0.03μm、非磁性層を2.0μmとなるよ
うに塗布した以外は、実施例10と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0131】比較例19 磁性層を0.03μm、非磁性層を2.0μmとなるよ
うに塗布した以外は、実施例11と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0132】比較例20 磁性層を0.03μm、非磁性層を2.0μmとなるよ
うに塗布した以外は、実施例12と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0133】比較例21 磁性層を0.03μm、非磁性層を2.0μmとなるよ
うに塗布した以外は、実施例13と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0134】比較例22 磁性層を0.03μm、非磁性層を2.0μmとなるよ
うに塗布した以外は、実施例14と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0135】比較例23 磁性層を0.03μm、非磁性層を2.0μmとなるよ
うに塗布した以外は、実施例15と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0136】比較例24 磁性層を0.03μm、非磁性層を2.0μmとなるよ
うに塗布した以外は、実施例16と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0137】比較例25 磁性層を0.03μm、非磁性層を2.0μmとなるよ
うに塗布した以外は、実施例17と同様にして磁気テー
プを作製した。
【0138】比較例26 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、吸着水分量が
0.3重量%であるα−FeOOHを用いた以外は、実
施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0139】比較例27 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、吸着水分量が
3.5重量%であるα−FeOOHを用いた以外は、実
施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0140】比較例28 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、X線粒径が8n
mであるα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と同
様にして磁気テープを作製した。
【0141】比較例29 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、X線粒径が22
nmであるα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【0142】比較例30 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、粒度分布がL+
3σが0.35μmであるα−FeOOHを用いた以外
は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0143】比較例31 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、粒度分布がL+
3σが0.40μmであるα−FeOOHを用いた以外
は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0144】比較例32 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、かさ密度が0.
15μmであるα−FeOOHを用いた以外は、実施例
1と同様にして磁気テープを作製した。
【0145】比較例33 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、かさ密度が1.
22μmであるα−FeOOHを用いた以外は、実施例
1と同様にして磁気テープを作製した。
【0146】比較例34 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、等電点が9.5
であるα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と同様
にして磁気テープを作製した。
【0147】比較例35 非磁性層に含まれる非磁性粉末として、等電点が4であ
るα−FeOOHを用いた以外は、実施例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
【0148】以上のようにして作製された各磁気テープ
について表面粗度及び電磁変換特性を比較した。表面粗
度の特性評価については、光干渉方式による非接触型表
面粗さ計を用いて中心線平均粗さ(Ra)を測定した。
【0149】また、電磁変換特性の測定は、固定ヘッド
式電特測定機を用いて行った。この測定機は、回転する
ドラムとこれに接触するヘッドとから構成されている。
ここで、磁気テープは、ドラムに巻き付けられる。ま
ず、各テープの最適記録電流で10MHzの矩形波信号
を記録し、スペクトラムアナライザーにより10MHz
の出力レベルを検出する。なお、テープとヘッド間の相
対速度は、3.33m/sとする。また、9MHzにお
いてのノイズと10MHzの出力レベルとの差を10M
HzC/Nとした。
【0150】実施例1〜実施例5及び実施例22〜実施
例25についての上記の結果を、表1に示す。比較例1
〜比較例9についての上記の結果を、表2に示す。実施
例6〜実施例21についての上記の結果を、表3に示
す。実施例26〜実施例29及び比較例10〜比較例1
7についての上記の結果を、表4に示す。比較例18〜
比較例25についての上記の結果を、表5に示す。ここ
で、表1及び表2においては、10MHzの出力と10
MHzC/Nについて、それぞれ実施例22の再生出力
値を0dBとしてその相対値を示した。また、表3、表
4及び表5においては、10MHzの出力と10MHz
C/Nについて、それぞれ実施例6の値を0dBとして
その相対値を示した。また、表1、表2、表3、表4及
び表5において、各磁性層の膜厚、FeOOHの比表面
積(SSA)、磁気テープの保磁力、残留磁束密度につ
いても示す。更に、表3、表4及び表5においては、F
eOOH中のAl含有量をFeに対する原子%で示す。
【0151】実施例30〜実施例32、比較例26及び
比較例27についての上記の結果を、表6に示す。実施
例33〜実施例35、比較例28及び比較例29につい
ての上記の結果を表7に示す。実施例36〜実施例3
8、比較例30及び比較例31についての上記の結果を
表8に示す。実施例39〜実施例41、比較例32及び
比較例33についても上記の結果を表9に示す。実施例
42、実施例43、比較例34及び比較例35について
も上記の結果を表10に示す。実施例44、実施例4
5、実施例46及び実施例47についての上記の結果
を、それぞれ表11、表12、表13、表14に示す。
ここで、比較例26における再生出力を0dBとしてそ
の相対値を示した。
【0152】
【表1】
【0153】
【表2】
【0154】
【表3】
【0155】
【表4】
【0156】
【表5】
【0157】
【表6】
【0158】
【表7】
【0159】
【表8】
【0160】
【表9】
【0161】
【表10】
【0162】
【表11】
【0163】
【表12】
【0164】
【表13】
【0165】
【表14】
【0166】表1及び表2に示すように、非磁性粉末に
α−FeOOHを用いた実施例1〜実施例4及びγ−F
eOOHを用いた実施例5は、従来一般に使用されてい
たFe23(ヘマタイト)を用いた比較例9に比べて、
中心線平均粗さが小さく、表面の平滑性が向上してい
る。また、このために実施例1〜実施例5は、スぺーシ
ング損失が抑えられ再生出力も比較例9に比べて高い。
このことから、非磁性粉末には、FeOOHを含有する
ことが望ましいと判明した。
【0167】そこで、更にFeOOHの比表面積を検討
するため、実施例1〜実施例5と実施例22〜実施例2
5とを比較すると、実施例1〜実施例5のほうが、実施
例22〜実施例25よりも、表1、表2及び図2に示す
ように、表面の平滑性に優れ、再生出力も高いことがわ
かる。これは、実施例22及び実施例24のように、非
磁性粉末の比表面積が大きすぎると、粒子が小さくて分
散が難しくなり表面の平滑性が劣り、実施例23及び実
施例25のように、非磁性粉末の比表面積が小さすぎる
と、粒子が大きくて表面の粗度が高くなるためである。
このことから、非磁性粉末の比表面積は、図2に示すよ
うに、50m2/g以上、100m2/g以下が好ましい
といえる。
【0168】また、磁性層4の厚さが0.2μmである
実施例1〜実施例5は、磁性層4の厚さが1.0μmで
ある比較例1〜比較例4と比べて、10MHzにおける
再生出力が高い。これは、比較例1〜比較例4の磁性層
4の厚さが厚いため、自己減磁損失により再生出力が低
下しているといえる。さらに、実施例1〜実施例5は、
磁性層の厚さが0.03μmである比較例5〜比較例8
と比べて、表面の平滑性や再生出力が優れている。これ
は、比較例5〜比較例8の磁性層4の厚さが薄いため、
塗布が困難となり表面の平滑性が劣化し、さらに残留磁
束密度も低くなっているため、10MHzにおける再生
出力が低くなるといえる。このことから、磁性層4の厚
みは、表面の平滑性を向上させ、しかも再生出力を高め
るために、0.05μm以上、0.5μm以下であるこ
とが望ましいと判明した。
【0169】したがって、表1及び表2の結果から、磁
性層4が0.05μm以上、0.5μm以下の厚さに形
成され、かつ非磁性層3中の非磁性粉末が比表面積の5
0m2/g以上、100m2/g以下であるオキシ水酸化
鉄を含有することによって、表面がより平滑化され、か
つ磁性層4の薄膜化により再生出力等の電磁変換特性を
向上することができる。
【0170】表3、表4及び表5に示すように、非磁性
粉末であるα−FeOOH中にAlを含む実施例10〜
実施例21は、Alを含まない実施例6〜実施例9より
も、再生出力及び表面の平滑性においてより一層優れて
いることがわかった。このことから、FeOOHがAl
を含有することが好ましいと判明した。
【0171】しかしながら、Alを過剰に含む実施例2
6〜実施例29においては、Alを含まない実施例6〜
実施例9と比べて、それほど表面の平滑性や再生出力が
優れているとはいえない。
【0172】また、Alを適量含有する一方、磁性層の
膜厚がより厚くされた比較例10〜比較例17及び磁性
層の膜厚がより薄くされた比較例18〜比較例25は、
実施例6〜実施例21と比べて、特に再生出力が低下す
ることがわかった。
【0173】以上の表1、表2、表3、表4及び表5の
結果から、磁性層4の膜厚が0.05以上、0.5以下
にされ、かつ非磁性粉末が、比表面積の50m2以上、
100m2以下であるオキシ水酸化鉄を含有するととも
に、このオキシ水酸化鉄がAlをFeに対して1原子%
以上、20原子%以下含有すると、より一層の表面の平
滑性と再生出力等の電磁変換特性が実現できると判明し
た。
【0174】さらに、表6の結果より、吸着水分量が
0.5重量%以上、3.0重量%以下である実施例30
〜実施例32は、吸着水分量が上記範囲外である比較例
26及び比較例27よりも、表面がより平滑化され、そ
の結果再生出力が向上しているとわかった。したがっ
て、非磁性粉末の吸着水分量が0.5重量%以上、3.
0重量%以下であることにより、磁気記録媒体の表面が
平滑化されて、高電磁変換特性が実現されることが判明
した。
【0175】表7の結果より、X線粒径が10nm以
上、20nm以下である実施例33〜実施例35は、X
線粒径が上記範囲以外の比較例28及び比較例29より
も、表面が平滑化され、その結果再生出力が向上してい
ることがわかった。したがって、非磁性粉末のX線粒径
が10nm以上、20nm以下であることにより、磁気
記録媒体の表面が平滑化されて、高電磁変換特性が実現
されることが判明した。
【0176】表8の結果より、粒度分布がL+3σ<
0.3[μm]である実施例36〜実施例38は、粒度
分布が上記範囲以外の比較例30及び比較例31より
も、表面が平滑化されて、その結果再生出力が向上して
いることがわかった。したがって、非磁性粉末の粒度分
布がL+3σ<0.3[μm]であることにより、磁気
記録媒体の表面が平滑化されて、高電磁変換特性が実現
されることが判明した。
【0177】表9の結果より、かさ密度が0.2g/c
c以上、1.0g/cc以下である実施例39〜実施例
41は、かさ密度が上記範囲以外の比較例32及び比較
例33よりも、表面が平滑化されて、その結果再生出力
が向上していることがわかった。したがって、非磁性粉
末のかさ密度が0.2g/cc以上、1.0g/cc以
下であることにより、磁気記録媒体の表面が平滑化され
て、高電磁変換特性が実現されることが判明した。
【0178】表10の結果より、等電点が5以上、9以
下である実施例42及び実施例43は、等電点が上記範
囲以外の比較例34及び比較例35よりも、表面が平滑
化されて、その結果再生出力が向上していることがわか
った。したがって、非磁性粉末の等電点が5以上、9以
下であることにより、磁気記録媒体の表面が平滑化され
て、高電磁変換特性が実現されることが判明した。
【0179】表11の結果より、吸着水分量及びX線粒
径が上記の範囲内である実施例44は、実施例30〜実
施例35と同様に、吸着水分量が上記範囲以外の比較例
26及び比較例27や、X線粒径が上記範囲以外の比較
例28及び比較例29よりも、表面が平滑化されて、そ
の結果再生出力が向上していることがわかった。
【0180】また、表12の結果より、吸着水分量及び
等電点が上記の範囲内である実施例45は、実施例30
〜実施例32、実施例42及び実施例43と同様に、吸
着水分量が上記範囲以外の比較例26及び比較例27
や、等電点が上記範囲以外の比較例34及び比較例35
よりも、表面が平滑化されて、その結果再生出力が向上
していることがわかった。
【0181】また、表13の結果より、X線粒径及び粒
度分布が上記の範囲内である実施例46は、実施例33
〜実施例38と同様に、X線粒径が上記範囲以外の比較
例28及び比較例29や、粒度分布が上記範囲以外の比
較例30及び比較例31よりも、表面が平滑化されて、
その結果再生出力が向上していることがわかった。
【0182】また、表14の結果より、粒度分布及びか
さ密度が上記の範囲内である実施例47は、実施例36
〜実施例41と同様に、粒度分布が上記範囲以外の比較
例30及び比較例31や、かさ密度が上記範囲以外の比
較例32及び比較例33よりも、表面が平滑化されて、
その結果再生出力が向上していることがわかった。
【0183】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る磁気記録媒体によれば、磁性層の膜厚が、0.05μ
m以上、0.5μm以下であり、かつ非磁性粉末がオキ
シ水酸化鉄を含有することによって、高密度記録に十分
対応すべく、薄膜の磁性層を有するとともに、表面が平
滑化され、またその結果スペーシング損失を抑えて高電
磁変換特性を実現することができる。また、非磁性粉末
の比表面積を、50m2/g以上、100m2/g以下と
することにより、表面の平滑化及び電磁変換特性の更な
る向上を図ることができる。さらには、非磁性粉末がア
ルミニウムを所定量含有することにより、より一層の表
面の平滑化と高電磁変換特性を実現できる。
【0184】また、本発明に係る磁気記録媒体によれ
ば、吸着水分量、X線粒径、粒度分布、かさ密度、等電
点の少なくともいすれかが上述した所定範囲内とされる
ことにより、非磁性層の塗料調整工程時における塗料化
が容易となり、良好な分散状態が得られる。その結果、
非磁性層及び磁性層の表面が平滑化され、スペーシング
損失が抑えられて、再生出力が向上し、高電磁変換特性
が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一例を示す要
部断面図である。
【図2】非磁性層に用いられる非磁性粉末の比表面積
と、中心線平均粗さ及び再生出力との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、2 非磁性支持体、3 非磁性層、
4 磁性層、5 バックコート層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に形成された、非磁性粉
    末を結合剤中に分散してなる非磁性層と、 上記非磁性層上に形成された、強磁性粉末を結合剤中に
    分散してなる磁性層とを有し、 上記非磁性粉末が、オキシ水酸化鉄を含有し、 上記磁性層の膜厚が、0.05μm以上、0.5μm以
    下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記非磁性粉末の比表面積が、50m2
    /g以上、100m2/g以下であることを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記非磁性粉末が、アルミニウムを含有
    することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記アルミニウムが、オキシ水酸化鉄の
    鉄に対して1原子%以上、20原子%以下で含有される
    ことを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記非磁性粉末の吸着水分量が、0.5
    重量%以上、3.0重量%以下であることを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記非磁性粉末のX線粒径が、10nm
    以上、20nm以下であることを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 Lを非磁性粉末の長軸方向の平均粒径
    [μm]、σを標準偏差[μm]とするとき、上記非磁
    性粉末の粒度分布が、下記式(1)の範囲であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 L+3σ<0.3[μm] ・・・(1)
  8. 【請求項8】 上記非磁性粉末のかさ密度が、0.2g
    /cc以上、1.0g/cc以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記非磁性粉末の等電点が、5以上、9
    以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。
JP10051297A 1997-03-06 1997-04-17 磁気記録媒体 Withdrawn JPH10308014A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6777061B2 (en) 2002-03-29 2004-08-17 Tdk Corporation Magnetic recording medium and process for producing the same

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