JPH11232637A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH11232637A
JPH11232637A JP2614198A JP2614198A JPH11232637A JP H11232637 A JPH11232637 A JP H11232637A JP 2614198 A JP2614198 A JP 2614198A JP 2614198 A JP2614198 A JP 2614198A JP H11232637 A JPH11232637 A JP H11232637A
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magnetic
recording medium
magnetic recording
magnetic layer
powder
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JP2614198A
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English (en)
Inventor
Takuya Ito
琢哉 伊藤
Makoto Inoue
誠 井上
Nobuyuki Nagai
信之 永井
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、強磁性粉末の分散性を向上させ、
磁性層の薄い磁気記録媒体においても、平滑な表面を得
ることのできる磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体
と、上記非磁性支持体上に形成され少なくとも磁性層を
有する薄膜層とを有し、上記薄膜層は、長軸方向に垂直
な断面の長径と短径との比が1.2以上、1.6以下で
ある針状粉末を含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体と非
磁性支持体上に形成された磁性層とを有する磁気記録媒
体に関し、特に高密度記録に好適な磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、オーディオ用テープ、
ビデオテープ、バックアップ用データカートリッジ、フ
レキシブルディスク等として広く利用されている。特に
最近では、記録波長の短波長化、あるいはデジタル記録
方式等、高密度記録の検討が盛んに行われており、電磁
変換特性の優れた磁気記録媒体の開発が要求されてい
る。
【0003】塗布型の磁気記録媒体においては、電磁変
換特性を向上させるために磁性層の薄膜化が検討されて
いる。これは記録時の自己減磁損失を低減することによ
り電磁変換特性を向上させる方法であり、近年種々の塗
布方式が提案されている。非磁性支持体上に0.05μ
mから0.5μmの薄い磁性層を単層で設けた場合、支
持体の表面形状の影響が現れやすく、平滑な表面を得る
ことは困難であり、記録再生時のスペーシングロスの増
加等の問題がある。これを解決するために、磁性層と非
磁性支持体との間に非磁性の下塗り層を設け、磁性層を
薄膜化するとともに平面性を向上する方法が提案されて
いる。
【0004】一方、このような2層を有する磁気記録媒
体の塗布においては、電磁変換特性の向上や、ノイズの
低減といった目的により、塗布欠陥や塗り筋のない均一
な塗膜にすることが要求され、その方法としてダイコー
タにより上層の磁性層と下層の非磁性層とを非磁性支持
体上に同時に塗布する、いわゆる同時重層塗布方式が提
案されている。同時重層塗布方式は、磁性層と非磁性層
との界面の接着性を向上させる方法としても有効であ
り、近年の重層塗布型の磁気記録媒体の中心的な塗布方
式になりつつある。
【0005】更に、記録再生時のスペーシングロスを最
小限にする目的で媒体表面の平滑化も検討されている。
高密度記録においては、使用する記録波長が短い故に表
面の粗さの影響を受けやすく、特に表面粗さの制御が重
要である。塗布型磁気記録媒体において表面を平滑化す
る手法としては、一般に、含有させる粉末の分散を良化
する、あるいはカレンダー処理などの方法が行われてお
り、従来より種々の検討がなされてきた。例えば、粉末
の分散を向上させるために粉末と強固に相互作用する結
合剤を使用する、種々の分散剤を使用する、分散効率の
高い分散機を使用するなどの方法が実用されている。一
方、カレンダー処理においても、高温処理やスチールロ
ールのみから構成されるカレンダー装置の使用など、種
々の改良がなされている。また、ガラス転移点の低い結
合剤を使用してカレンダー処理時の成形性を高めること
も有効な方法であるが、走行耐久性を損なうといった実
用特性上の弊害も生じることから、現在はガラス転移点
の高い結合剤を使用する傾向にある。
【0006】また、強磁性粉末の改良も有効な手法であ
る。具体的には、強磁性粉末として強磁性合金粉末の使
用、強磁性粉末の微細化、強磁性粉末の保磁力の増加及
び保磁力分布の均一化等が挙げられる。磁性材料の改良
が積極的に進められた結果、現在では飽和磁化が140
Am2/kgを越える強磁性粉末や、長軸長が0.1μ
m以下の強磁性粉末、更に保磁力が160kA/mを越
える強磁性粉末が開発されている。また、保磁力分布を
反映する粒子サイズ分布も極めて均一化する等、目覚ま
しい発展がみられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな強磁性粉末は、塗布厚の薄い磁気記録媒体を想定し
て設計されておらず、塗布厚が薄くなってくると満足の
いくノイズ及び出力特性は得られていなかった。
【0008】本発明は、上述したような従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、強磁性粉末の分散性を向上
させ、磁性層の薄い磁気記録媒体においても、平滑な表
面を得ることのできる磁気記録媒体を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、非磁性支持体と、上記非磁性支持体上に形成され少
なくとも磁性層を有する薄膜層とを有し、上記薄膜層
は、長軸方向に垂直な断面の長径と短径との比が1.2
以上、1.6以下である針状粉末を含有することを特徴
とする。
【0010】上述したような本発明に係る磁気記録媒体
では、上記薄膜層が、長軸方向に垂直な断面の長径と短
径との比が1.2以上、1.6以下とされている針状粉
末を含有しているので、上記針状粉末の分散性が向上
し、平滑な媒体表面が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0012】本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例
を図1に示す。この磁気記録媒体1は、非磁性支持体2
と、非磁性支持体2の一方の主面上に形成された非磁性
層3と、非磁性層3上に形成された磁性層4とを有す
る。
【0013】非磁性支持体2としては、ポリエステル
類、ポリオレフィン類、セルロース類、ビニル系樹脂、
ポリイミド類、又はポリカーボネート類等の高分子材料
あるいは金属、ガラス、セラミックス等が用いられる。
【0014】ポリエステル類としては、例えばポリエチ
レンテレフタラート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート等が挙げられる。ポリオレフィン類としては、例え
ばポリプロピレン等が挙げられる。セルロース類として
は、例えばセルローストリアセテート、セルロースダイ
アセテート等が挙げられる。
【0015】非磁性層3は、非磁性粉末が結合剤中に分
散されてなる。
【0016】非磁性粉末には、例えば、α−Fe23
の非磁性酸化鉄、ゲータイト、ルチル型酸化チタン、ア
ナターゼ型酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、
酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、チ
タンカーバイド、BN、α−アルミナ、β−アルミナ、
γ−アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化
モリブデン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸
バリウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等が
挙げられる。これらの非磁性粉末は、一種単独で用いて
もよいし、複数種を混合して用いることも可能である。
【0017】非磁性粉末は、目的に応じて適当量の不純
物をドープしてもよいし、分散性の向上、導電性の付
与、色調の改善等の目的で、Al、Si、Ti、Sn、
Sb、Zr等で表面処理してもよい。
【0018】また、非磁性粉末の比表面積は、30m2
/g〜80m2/gが好ましく、より好ましい比表面積
は40m2/g〜70m2/gである。
【0019】非磁性粉末は磁気的な凝集力を有さず、強
磁性粉末に比べ分散が容易である。しかし、比表面積が
上述の範囲よりも大きい場合には、非磁性粉末の分散が
困難となる。比表面積が小さすぎると、高密度記録に耐
えられる表面平滑性が確保できない。
【0020】非磁性粉末の比表面積が上述の範囲にある
と、形状の微粒子化を伴い、非磁性層3が平滑化し、結
果的に磁性層4の平滑化が可能となるため、変調ノイズ
特性が優れ、スペーシングロスの影響の少ない磁気記録
媒体1を得ることができる。
【0021】この磁気記録媒体1は、非磁性層3中にカ
ーボン粉末を含有していてもよい。カーボン粉末を非磁
性層3中に含有させることで、磁気記録媒体1の表面比
抵抗を下げることができる。
【0022】非磁性層3中に含有させるカーボン粉末と
しては、ゴム用ファーネス、熱分解カーボン、カラー用
ブラック、アセチレンブラック等を用いることができ
る。これらのカーボン粉末は、比表面積が100m2
g〜400m2/gであり、DBP(Dibutylphtalate)
吸油量が20ml/100g〜290ml/100gで
あることが好ましい。
【0023】非磁性粉末を分散させる結合剤は、従来よ
り磁気記録媒体の結合剤として使用される公知の熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等が使用可能であ
り、その中でも重量平均分子量が15000〜2000
00のものが好ましい。
【0024】このような熱可塑性樹脂としては、例えば
塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化
ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリ
ロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニ
トリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン
共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重
合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、メ
タクリル酸エステル−エチレン共重合体、ポリフッ化ビ
ニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアミド樹
脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴム等が用いられる。また
上記セルロース誘導体としては、セルロースアセテート
ブチレート、セルロースダイアセテート、セルロースト
リアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセル
ロース等がある。
【0025】また、結合剤として用いられる熱硬化性樹
脂又は反応型樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が用いられる。
【0026】また、このとき非磁性層3に用いる結合剤
として−SO3M、−OSO3M、−COOM、−P=O
(OM)2等の極性官能基を有するものを使用すること
が好ましい。ただし、Mは水素原子又はアルカリ金属で
ある。
【0027】また、極性官能基として、−NR12、−
345X等の末端基を有する側鎖型のもの、>NR6
7+-等の主鎖型のものがある。ここで、式中R1乃至
7は、水素原子あるいは炭化水素基であり、Xはフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素イオン、ある
いは無機、有機イオンである。また、−OH、−SH、
−CN、エポキシ基等の極性官能基もある。
【0028】上記結合剤は、このような極性官能基を1
-1mol/g〜10-8mol/gの割合で含有するこ
とが好ましく、より好ましい含有量は10-2mol/g
〜10-6mol/gである。非磁性層3に使用する結合
剤として極性官能基を有するものを使用すると、非磁性
層用塗料を作製する際、塗料化が容易であり、非磁性粉
末の良好な分散状態を得ることができる。これにより非
磁性層3の表面が平滑化し、結果的に磁性層4の平滑化
が可能となるため、変調ノイズ特性が優れ、スペーシン
グ損失の影響の少ない磁気記録媒体1を得ることが可能
である。
【0029】結合剤は、磁気記録媒体1に走行耐久性、
可撓性、靭性を付与したり、非磁性層3と非磁性支持体
2との接着を良好にする等の目的で使用される。なお、
これらの結合剤は、1種単独で用いられてもよいが、2
種以上を混合して用いることも可能である。
【0030】非磁性層3は、このような結合剤を、非磁
性粉末100重量部に対して1重量部から100重量部
の割合で含有していることが好ましく、より好ましい含
有量は、非磁性粉末100重量部に対して10重量部〜
50重量部である。非磁性層3中の結合剤の含有量を上
述の範囲とすることで、非磁性粉末のより良好な分散状
態を得ることができる。
【0031】磁性層4は、強磁性粉末が結合剤中に分散
されてなる。
【0032】強磁性粉末には、例えばFe、Co、Ni
等の金属、あるいはFe−Co、Fe−Ni、Fe−A
l、Fe−Ni−Al、Fe−Al−P、Fe−Ni−
Si−Al、Fe−Ni−Si−Al−Mn、Fe−M
n−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−Ni、Co−P、
Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni−Cr、Fe−C
o−Ni−P、Fe−Co−B、Fe−Co−Cr−
B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等の合金
が挙げられる。
【0033】なお、強磁性粉末の表層部分に、Al、S
i、Ca、Mg、P、B、Zr、Yや希土類元素等の添
加物を、単独あるいは2種類以上を併用して適量添加し
てもよい。上述したような添加物を添加することで、強
磁性粉末還元時の焼結が防止され、また強磁性粉末の形
状が維持される。
【0034】この磁気記録媒体において、強磁性粉末
は、針状であり、その長軸長が0.05μm〜0.2μ
mであることが好ましい。
【0035】強磁性粉末の長軸長が0.05μmより小
さいと、強磁性粉末の分散性が悪く、また媒体表面の平
滑性も悪くなる。また、強磁性粉末の長軸長が0.2μ
mよりも大きいと、短波長記録を行ったときに、十分な
特性が得られない。
【0036】従って、強磁性粉末の長軸長を0.05μ
m〜0.2μmとすることで、磁性層用塗料の作製工程
において塗料化が容易になり、強磁性粉末の良好な分散
状態を得ることができる。また、粒子形状も針状性が高
いため、媒体表面が平滑になり、変調ノイズ特性が優
れ、スペーシング損失の影響の少ない磁気記録媒体1を
得ることが可能である。
【0037】さらに、この強磁性粉末は、長軸方向に垂
直な断面の長径と短径との比(以下、偏平率と称す
る。)が、1.2〜1.6であることが好ましい。
【0038】偏平率が1.2よりも小さい強磁性粉末
は、結晶粒径が大きいためノイズが大きく、媒体表面の
平滑性も悪い。また、偏平率が1.6よりも大きい強磁
性粉末は、結晶粒径が小さくなりノイズは小さくなる
が、比表面積が大きくなるので分散性が低下してしま
う。
【0039】従って、強磁性粉末の偏平率を1.2〜
1.6とすることで、磁性層用塗料の作製工程において
塗料化が容易であり、強磁性粉末の良好な分散状態をさ
らに良好にすることができる。また、粒子断面が偏平な
ため、媒体表面が平滑になり、変調ノイズ特性が優れ、
スペーシング損失の影響の少ない磁気記録媒体1を得る
ことが可能である。
【0040】なお、本明細書中における針状粒子の偏平
率は、以下のようにして測定されたものである。
【0041】まず、針状粒子の長軸方向を回転軸と略一
致させて針状粒子を回転させ、異なる方向から見たとき
の針状粒子を電子顕微鏡を用いて写真撮影する。次に、
異なる方向から見たときの、針状粒子の長軸方向に垂直
な方向の長さを写真から測定し、その最大値と最小値と
の比から針状粒子の偏平率を求める。
【0042】磁性層4に含有させる結合剤は、非磁性層
3に含有される結合剤と同様に、従来より磁気記録媒体
用の結合剤として使用される公知の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂等が使用可能であり、重量平均分
子量が15000〜200000のものが好ましい。こ
れらの結合剤は、非磁性層3の結合剤と同様に、強磁性
粉末の分散性を向上させる目的で、上述したような極性
官能基を有していることが好ましい。極性官能基の含有
量は10-1mol/g〜10-8mol/gが好ましく、
より好ましい含有量は10-2mol/g〜10-6mol
/gである。
【0043】なお、上述した結合剤には、その結合剤を
架橋硬化させるポリイソシアネートを併用することが可
能である。このポリイソシアネートとしては、トルエン
ジイソシアネート又はトルエンジイソシアネートの付加
体、あるいはアルキレンジイソシアネート又はアルキレ
ンジイソシアネートの付加体等が用いられる。これらの
ポリイソシアネートの結合剤への配合量は、結合剤10
0重量部に対して、5重量部〜80重量部が好ましく、
より好ましい配合量は10重量部〜50重量部である。
【0044】これらのポリイソシアネート類は、非磁性
層3及び磁性層4の両層の結合剤中に用いることが可能
であり、またいずれか一層のみに限定して用いることも
可能である。非磁性層3及び磁性層4の両層にポリイソ
シアネートを配合する場合、その配合量は、各層に等量
配合することも可能であるし、任意の比率で変えること
も可能である。
【0045】磁性層4の厚さは、0.05μm〜0.5
μmとすることが好ましい。磁性層4の厚さが0.05
μmより薄いと、高密度記録に耐えられる表面の平滑性
が得られない。また、磁性層4の厚さが0.5μmより
も厚いと、自己減磁損失により、短波長記録における特
性が低下してしまう。
【0046】従って、磁性層4の厚さを0.05μm〜
0.5μmとすることで、自己減磁損失の低減が可能で
あり、短波長における10MHz出力が向上する。しか
も、磁性層4の厚さが薄いために、オーバーライト特性
の改善も可能となる。
【0047】また、磁性層4に研磨材粒子として、例え
ば酸化アルミニウム(α、β、γ)、酸化クロム、炭化
ケイ素、ダイヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホ
ウ素、チタンカーバイド、炭化チタン、酸化チタン(ル
チル、アナターゼ)等を含有させてもよい。これらの研
磨材粒子の含有量は、強磁性粉末100重量部に対し
て、20重量部以下、好ましくは10重量部以下とする
のがよい。また、研磨材粒子のモース硬度は4以上、好
ましくは5以上がよい。さらに、研磨材粒子の比重は2
〜6、好ましくは3〜5がよい。研磨材粒子の平均粒径
は0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下がよい。
【0048】なお、磁性層4及び非磁性層3には、潤滑
剤又は界面活性剤を含有させることが可能である。上記
潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タン
グステン、シリコーンオイル、炭素数が10〜22の脂
肪酸、炭素数が10〜22の脂肪酸と炭素数が2〜26
のアルコールとからなる脂肪酸エステル、テルペン系化
合物、並びに上述した化合物のオリゴマー等が用いられ
る。これらの潤滑剤は、磁性層4又は非磁性層3のどち
らかにのみ添加することも可能であるし、磁性層4と非
磁性層3との両層に添加することも可能である。
【0049】上記界面活性剤としては、陽イオン系界面
活性剤、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性
剤、両性界面活性剤の各種の界面活性剤を用いることが
でき、種類や量を目的に応じて各層に使い分けたり、1
層のみに使用することが可能である。
【0050】非磁性層3及び磁性層4は、各層の形成材
料を溶剤中に分散して塗料とし、この塗料を非磁性支持
体2上に塗布、乾燥して形成される。
【0051】このような塗料を作製する際に用いられる
溶剤としては、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、エス
テル系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、
ハロゲン化炭化水素系溶媒等、磁気記録媒体の非磁性層
用塗料及び磁性層用塗料に通常用いられている溶媒が使
用可能である。
【0052】ケトン系溶媒として例えば、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等が挙げられる。アルコール系溶媒として例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げら
れる。エステル系溶媒として例えば、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチ
レングリコールアセテート等が挙げられる。エーテル系
溶媒として例えばジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素系溶媒として
例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ
る。ハロゲン化炭化水素系溶媒として例えば、メチレン
クロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロ
ホルム、クロロベンゼン等が挙げられる。
【0053】上記塗料は、混練工程、混合工程、分散工
程の各工程を経て作製される。混練工程及び分散工程に
は、ロールミル、ボールミル、サンドミル、アジター、
ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、超音波
分散機等の混合機が用いられる。
【0054】まず、混練工程にて、強磁性粉末や結合剤
や添加剤や分散剤等を混ぜ合わせる。次に、混合工程及
び分散工程にて、温度をかけて溶け合わせ、混合機で繰
り返し混合した後、フィルターによりろ過して塗料が作
製される。
【0055】次に、以上のようにして作製された塗料を
非磁性支持体上に塗布、乾燥する。一般に、非磁性支持
体上に非磁性層と磁性層とを形成するには、非磁性層用
塗料と磁性層用塗料とを1層ずつ塗布して乾燥する、い
わゆるウエット・オン・ドライ塗布方式と、乾燥されて
いない湿潤状態にある非磁性層上に磁性層を重ねて塗布
する、いわゆるウエット・オン・ウエット塗布方式とが
ある。
【0056】ウエット・オン・ドライ塗布方式は、特開
平6−236543号公報にも示されるように、非磁性
層の材料として、その上に形成される磁性層の塗料に対
して十分な耐溶剤性のあるものを選択する必要がある。
また、このウエット・オン・ドライ塗布方式では、表面
の平滑性が損なわれ、その結果電磁変換特性に支障をき
たす。
【0057】一方、ウエット・オン・ウエット塗布方式
は、非磁性層が湿潤状態で、その非磁性層上に磁性層の
磁性塗料を塗布するので、非磁性層の表面が平滑化され
るともに、磁性層の表面性も良好となり、かつ非磁性層
と磁性層との接着性も向上する。この結果、特に高密度
記録のために高出力、低ノイズの要求される磁気記録媒
体としての要求性能を満たしたものとなり、かつ膜剥離
がなくなり、膜強度が向上する。また、ドロップアウト
も低減することが可能であり、信頼性が向上する。
【0058】そこで、磁気記録媒体1は、ウエット・オ
ン・ウエット塗布方式により非磁性層3及び磁性層4が
形成されることが好ましい。
【0059】上記塗料を非磁性支持体上にウエット・オ
ン・ウエット塗布方式により塗布するには、ダイコータ
ーを用いて、非磁性層用塗料と磁性層用塗料とを非磁性
支持体上に同時に塗布する同時重層塗布方式により行う
のがよい。ダイコーターのリップ構成には、2リップ方
式、3リップ方式、4リップ方式等がある。
【0060】なお、このウエット・オン・ウエット塗布
方式によって形成される非磁性層3及び磁性層4は、図
1に示すような明確な境界が存在する場合と、一定の厚
みをもって両層の成分が混在してなる境界領域が存在す
る場合とがある。いずれの場合も、本発明の実施の形態
に含まれる。
【0061】また、磁気記録媒体1は、図2に示すよう
に、非磁性支持体2の一方の面に非磁性層3及び磁性層
4を設け、他方の面上にバックコート層5が設けられて
もよい。バックコート層5を設けることで磁気記録媒体
1の走行性を向上させ、また帯電や転写等を防止するこ
とができる。
【0062】また、磁気記録媒体1は、図3に示すよう
に、非磁性支持体2上に下塗り層6を設け、下塗り層6
上に非磁性層3と磁性層4とが形成されていてもよい。
非磁性層3と非磁性支持体2との間に下塗り層6を設け
ることで、非磁性層3と非磁性支持体2との接着性が強
化する。この下塗り層6は、上述の非磁性層3とは異な
るものであることは言うまでもない。
【0063】上述した実施の形態では、強磁性粉末の偏
平率が1.2〜1.6である場合を例に挙げて説明した
が、本発明の磁気記録媒体は、これに限定されるもので
はなく、非磁性層に含有される非磁性粉末の偏平率が
1.2〜1.6であってもよい。
【0064】また、上述した実施の形態では、非磁性支
持体上に非磁性層と磁性層とが形成されてなる磁気記録
媒体を例に挙げて説明したが、本発明の磁気記録媒体
は、これに限定されるものではなく、非磁性層を有さ
ず、非磁性支持体上に磁性層が形成されてなる磁気記録
媒体についても適用可能である。また、この磁気記録媒
体は、非磁性支持体の磁性層が形成された面と反対側の
面にバックコート層が形成されていてもよい。
【0065】
【実施例】図2に示すような構成の磁気記録媒体を作製
した。
【0066】〈実施例1〉まず、非磁性層用塗料を作製
した。
【0067】非磁性粉末を100重量部と、結合剤を1
6重量部と、ステアリン酸を1重量部と、ヘプチルステ
アリレートを1重量部と、メチルエチルケトンを105
重量部と、シクロヘキサノンを105重量部とを混合
し、エクストルーダーにより混練した後、サンドミルで
4時間分散した。塗布直前にポリイソシアネートを3重
量部を加えて非磁性層用塗料を作製した。
【0068】ここで、非磁性粉末には、比表面積が53
2/gのヘマタイト(α−Fe23)を用いた。そし
て、このヘマタイトは、長軸長が0.15μm、短軸径
が0.03μmであり、長軸長と短軸径との比は5であ
った。
【0069】また、結合剤には、極性官能基として−S
3Kを7×10-5mol/gの割合で含有し、重量平
均分子量が10000の塩化ビニル系共重合体を用い
た。
【0070】次に、磁性層用塗料を作製した。
【0071】強磁性粉末を100重量部と、結合剤を1
4重量部と、ポリエステルポリウレタン樹脂を3重量部
と、α−Al23を5重量部と、ステアリン酸を1重量
部と、ヘプチルステアリレートを1重量部と、メチルエ
チルケトンを150重量部と、シクロヘキサノンを15
0重量部とを混合し、エクストルーダーにより混練した
後、サンドミルで4時間分散した。塗布直前にポリイソ
シアネートを3重量部を加えて磁性層用塗料を作製し
た。
【0072】ここで、強磁性粉末には強磁性金属粉末を
用いた。そして当該強磁性粉末の長軸長は0.15μ
m、偏平率は1.25であった。強磁性粉末の保磁力は
136.1kA/mであり、飽和磁化量は119.8A
2/kgであった。
【0073】また、結合剤には、塩化ビニル系共重合体
として、日本ゼオン製MR−110を用いた。また、ポ
リエステルポリウレタン樹脂の重量平均分子量は350
00であった。
【0074】次に、非磁性層用塗料と磁性層用塗料と
を、非磁性支持体の一方の主面上に同時重層塗布した。
非磁性支持体には厚さ7μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを用いた。塗布は4リップ方式ダイコータ
を用いて、下層の非磁性層の厚さが2μm、上層の磁性
層の厚さが0.2μmとなるように同時重層塗布した。
塗料乾燥後、ソレノイドコイルにより配向処理した後、
カレンダー処理、硬化処理を行った。
【0075】最後に、非磁性支持体の他方の主面上に、
バックコート層用塗料を塗布、乾燥し、8mm幅に裁断
して、テープ状の磁気記録媒体を作製した。
【0076】ここで、バックコート層用塗料は、カーボ
ンブラックを100重量部と、ポリエステルポリウレタ
ンを100重量部と、メチルエチルケトンを500重量
部と、トルエンを500重量部とを混合して作製した。
【0077】〈実施例2〉強磁性粉末として、長軸長が
0.11μmであり、偏平率が1.31であり、保磁力
が172.8kA/mであり、飽和磁化量が131.2
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0078】〈実施例3〉強磁性粉末として、長軸長が
0.15μmであり、偏平率が1.37であり、保磁力
が143.6kA/mであり、飽和磁化量が112.8
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0079】〈実施例4〉強磁性粉末として、長軸長が
0.11μmであり、偏平率が1.40であり、保磁力
が166.7kA/mであり、飽和磁化量が138.8
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0080】〈実施例5〉強磁性粉末として、長軸長が
0.08μmであり、偏平率が1.50であり、保磁力
が183.2kA/mであり、飽和磁化量が124.3
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0081】〈実施例6〉強磁性粉末として、長軸長が
0.08μmであり、偏平率が1.55であり、保磁力
が174.6kA/mであり、飽和磁化量が130.5
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0082】〈実施例7〉強磁性粉末として、長軸長が
0.25μmであり、偏平率が1.38であり、保磁力
が143.2kA/mであり、飽和磁化量が122.7
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0083】〈実施例8〉強磁性粉末として、長軸長が
0.045μmであり、偏平率が1.40であり、保磁
力が144.6kA/mであり、飽和磁化量が121.
5Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1
と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0084】〈実施例9〉磁性層の厚みを0.03μm
としたこと以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0085】〈実施例10〉磁性層の厚みを0.03μ
mとしたこと以外は、実施例2と同様にして磁気記録媒
体を作製した。
【0086】〈実施例11〉磁性層の厚みを0.03μ
mとしたこと以外は、実施例3と同様にして磁気記録媒
体を作製した。
【0087】〈実施例12〉磁性層の厚みを0.03μ
mとしたこと以外は、実施例4と同様にして磁気記録媒
体を作製した。
【0088】〈実施例13〉磁性層の厚みを0.03μ
mとしたこと以外は、実施例5と同様にして磁気記録媒
体を作製した。
【0089】〈実施例14〉磁性層の厚みを0.03μ
mとしたこと以外は、実施例6と同様にして磁気記録媒
体を作製した。
【0090】〈実施例15〉磁性層の厚みを1.0μm
としたこと以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0091】〈実施例16〉磁性層の厚みを1.0μm
としたこと以外は、実施例2と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0092】〈実施例17〉磁性層の厚みを1.0μm
としたこと以外は、実施例3と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0093】〈実施例18〉磁性層の厚みを1.0μm
としたこと以外は、実施例4と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0094】〈実施例19〉磁性層の厚みを1.0μm
としたこと以外は、実施例5と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0095】〈実施例20〉磁性層の厚みを1.0μm
としたこと以外は、実施例6と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0096】〈比較例1〉強磁性粉末として、長軸長が
0.11μmであり、偏平率が1.19であり、保磁力
が128.8kA/mであり、飽和磁化量が139.4
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0097】〈比較例2〉強磁性粉末として、長軸長が
0.08μmであり、偏平率が1.12であり、保磁力
が133.1kA/mであり、飽和磁化量が138.3
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0098】〈比較例3〉強磁性粉末として、長軸長が
0.15μmであり、偏平率が1.10であり、保磁力
が156.2kA/mであり、飽和磁化量が142.3
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0099】〈比較例4〉強磁性粉末として、長軸長が
0.11μmであり、偏平率が1.65であり、保磁力
が158.3kA/mであり、飽和磁化量が109.8
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0100】〈比較例5〉強磁性粉末として、長軸長が
0.08mであり、偏平率が1.70であり、保磁力が
176.8kA/mであり、飽和磁化量が98.3Am
2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と同様
にして磁気記録媒体を作製した。
【0101】〈比較例6〉強磁性粉末として、長軸長が
0.15μmであり、偏平率が1.73であり、保磁力
が150.6kA/mであり、飽和磁化量が106.2
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0102】以下に示す実施例21〜実施例27及び比
較例7〜比較例12では、非磁性層を有さず、非磁性支
持体上に磁性層が形成されてなる磁気記録媒体を作製し
た。
【0103】〈実施例21〉まず、磁性層用塗料を作製
した。
【0104】強磁性粉末を100重量部と、結合剤を2
0重量部と、研磨剤としてα−Al23を3重量部と、
帯電防止剤としてカーボン粉末を2重量部と、メチルエ
チルケトンを100重量部と、トルエンを100重量部
と、シクロヘキサノンを50重量部とを混合し、エクス
トルーダーにより混練した後、サンドミルで分散して磁
性層用塗料を作製した。
【0105】ここで、強磁性粉末には強磁性金属粉末を
用いた。そして当該強磁性粉末の長軸長は0.10μ
m、偏平率は1.23であった。強磁性粉末の保磁力は
185.6kA/mであり、飽和磁化量は145.3A
2/kgであった。
【0106】次に、磁性層用塗料を、非磁性支持体の一
方の主面上に塗布した。非磁性支持体には厚さ7μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。塗布は
ダイコータを用いて、磁性層の厚さが約3μmとなるよ
うに塗布した。塗料乾燥後、ソレノイドコイルにより配
向処理した後、カレンダー処理、硬化処理を行った。
【0107】最後に、非磁性支持体の他方の主面上に、
バックコート層用塗料を塗布、乾燥し、8mm幅に裁断
して、テープ状の磁気記録媒体を作製した。
【0108】ここで、バックコート層用塗料は、カーボ
ンブラックを100重量部と、ポリエステルポリウレタ
ンを100重量部と、メチルエチルケトンを500重量
部と、トルエンを500重量部とを混合して作製した。
【0109】〈実施例22〉強磁性粉末として、長軸長
が0.23μmであり、偏平率が1.25であり、保磁
力が177.3kA/mであり、飽和磁化量が148.
4Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例2
1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0110】〈実施例23〉強磁性粉末として、長軸長
が0.15μmであり、偏平率が1.35であり、保磁
力が183.2kA/mであり、飽和磁化量が152.
4Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例2
1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0111】〈実施例24〉強磁性粉末として、長軸長
が0.25μmであり、偏平率が1.38であり、保磁
力が143.7kA/mであり、飽和磁化量が122.
6Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例2
1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0112】〈実施例25〉強磁性粉末として、長軸長
が0.045μmであり、偏平率が1.40であり、保
磁力が144.6kA/mであり、飽和磁化量が12
1.5Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施
例21と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0113】〈実施例26〉強磁性粉末として、長軸長
が0.06μmであり、偏平率が1.45であり、保磁
力が172.7kA/mであり、飽和磁化量が139.
2Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例2
1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0114】〈実施例27〉強磁性粉末として、長軸長
が0.04μmであり、偏平率が1.51であり、保磁
力が134.3kA/mであり、飽和磁化量が131.
2Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例2
1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0115】〈比較例7〉強磁性粉末として、長軸長が
0.12μmであり、偏平率が1.05であり、保磁力
が150.1kA/mであり、飽和磁化量が134.4
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0116】〈比較例8〉強磁性粉末として、長軸長が
0.15μmであり、偏平率が1.10であり、保磁力
が188.4kA/mであり、飽和磁化量が150.5
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0117】〈比較例9〉強磁性粉末として、長軸長が
0.08μmであり、偏平率が1.18であり、保磁力
が161.3kA/mであり、飽和磁化量が142.2
Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0118】〈比較例10〉強磁性粉末として、長軸長
が0.09μmであり、偏平率が1.65であり、保磁
力が184.0kA/mであり、飽和磁化量が143.
7Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1
と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0119】〈比較例11〉強磁性粉末として、長軸長
が0.18μmであり、偏平率が1.75であり、保磁
力が173.4kA/mであり、飽和磁化量が135.
6Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1
と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0120】〈比較例12〉強磁性粉末として、長軸長
が0.13μmであり、偏平率が1.83であり、保磁
力が154.3kA/mであり、飽和磁化量が160.
4Am2/kgのものを使用したこと以外は、実施例1
と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0121】以上のようにして作製された磁気記録媒体
について、表面粗度、磁気特性、電磁変換特性を評価し
た。
【0122】表面粗度は、非接触型表面粗さ計を用い
て、光干渉方式により、中心線平均粗さRaを測定し
た。
【0123】磁気特性は、試料振動型磁力計を用いて、
保磁力、飽和磁化を測定した。
【0124】電磁変換特性は、固定ヘッド式電磁変換特
性測定機を用いて測定した。この固定ヘッド式電磁変換
特性測定機は、回転するドラムとこれに接触するヘッド
とから構成されており、テープ状の磁気記録媒体はドラ
ムに巻き付けられる。
【0125】測定は、実施例1〜実施例20及び比較例
1〜比較例6の磁気記録媒体については、まず、各磁気
記録媒体の最適記録電流で10MHzの矩形波信号を記
録し、スペクトラムアナライザーにより10MHzの出
力レベルを検出した。なお、テープとヘッド間の相対速
度は3.33m/sとした。また、1MHz離れたとこ
ろ(9MHz)でのノイズと、10MHzの出力レベル
との差を10MHzC/Nとした。10MHzの出力と
10MHzC/Nとは、それぞれ比較例1の値を0dB
として計算した。
【0126】また、実施例21〜実施例27及び比較例
7〜比較例12の磁気記録媒体については、まず、各磁
気記録媒体の最適記録電流で7MHzの矩形波信号を記
録し、スペクトラムアナライザーにより7MHzの出力
レベルを検出した。なお、テープとヘッド間の相対速度
は3.8m/sとした。また、1MHz離れたところ
(6MHz)でのノイズと、7MHzの出力レベルとの
差を7MHzC/Nとした。7MHzの出力と7MHz
C/Nとは、それぞれ比較例9の値を0dBとして計算
した。
【0127】実施例1〜実施例20及び比較例1〜比較
例6の各磁気記録媒体の特性評価結果を表1に示す。
【0128】
【表1】
【0129】強磁性粉末の偏平率を1.2よりも小さく
した比較例1〜比較例3の磁気記録媒体は、強磁性粉末
の結晶粒径が大きいため10MHzC/Nが低い。ま
た、媒体表面の平滑性も悪い。また、強磁性粉末の偏平
率を1.6よりも大きくした比較例4〜比較例6の磁気
記録媒体は、強磁性粉末の比表面積が大きくなるため分
散性が低下し、10MHz出力が低く、特に10MHz
C/Nが低い。また、媒体表面の平滑性も悪い。
【0130】これに対して、強磁性粉末の偏平率を1.
2〜1.6とした実施例1〜実施例20の磁気記録媒体
では、強磁性粉末の分散性が良好であり、また、粒子断
面が偏平なため、媒体表面の平滑性も良く、10MHz
出力、10MHzC/Nともに良好な値が得られた。
【0131】従って、強磁性粉末の偏平率を約1.2〜
約1.6程度とすることで、優れた磁気記録媒体が得ら
れることがわかった。
【0132】偏平率が1.2〜1.6の範囲であって
も、長軸長が0.25μmである強磁性粉末を用いた実
施例7や、長軸長が0.045μmである強磁性粉末を
用いた実施例8に比べて、長軸長が0.05μm〜0.
2μmである強磁性粉末を用いた実施例1〜実施例6及
び実施例9〜実施例20では、強磁性粉末の分散性が良
く、媒体表面の平滑性が向上し、十分な特性が得られて
いる。
【0133】従って、強磁性粉末の長軸長を約0.05
μm〜約0.2μm程度とすることで、より優れた磁気
記録媒体が得られることがわかった。
【0134】また、磁性層の厚さを0.03μmとした
実施例9〜実施例14や、磁性層の厚さを1.0μmと
した実施例15〜実施例20に比べて、磁性層の厚さを
0.2μmとした実施例1〜実施例8では、媒体表面の
平滑性が向上し、十分な特性が得られている。
【0135】従って、磁性層の厚さを約0.05μm〜
約0.5μm程度とすることで、より優れた磁気記録媒
体が得られることがわかった。
【0136】また、実施例21〜実施例27及び比較例
7〜比較例12の各磁気記録媒体の特性評価結果を表2
に示す。
【0137】
【表2】
【0138】強磁性粉末の偏平率を1.2よりも小さく
した比較例7〜比較例9の磁気記録媒体は、強磁性粉末
の結晶粒径が大きいため7MHzC/Nが低い。また、
媒体表面の平滑性も悪い。また、強磁性粉末の偏平率を
1.6よりも大きくした比較例10〜比較例12の磁気
記録媒体は、強磁性粉末の比表面積が大きくなるため分
散性が低下し、7MHz出力が低く、特に7MHzC/
Nが低い。また、媒体表面の平滑性も悪い。
【0139】これに対して、強磁性粉末の偏平率を1.
2〜1.6とした実施例21〜実施例27の磁気記録媒
体では、強磁性粉末の分散性が良好であり、また、粒子
断面が偏平なため、媒体表面の平滑性も良く、7MHz
出力、7MHzC/Nともに良好な値が得られた。
【0140】従って、強磁性粉末の偏平率を約1.2〜
約1.6程度とすることで、優れた磁気記録媒体が得ら
れることがわかった。
【0141】偏平率が1.2〜1.6の範囲であって
も、長軸長が0.05μmよりも小さい強磁性粉末を用
いた実施例25や実施例27、長軸長が0.2μmより
も大きい強磁性粉末を用いた実施例22や実施例24に
比べて、長軸長が0.05μm〜0.2μmである強磁
性粉末を用いた実施例21、実施例23及び実施例26
では、強磁性粉末の分散性が良く、媒体表面の平滑性が
向上し、十分な特性が得られている。
【0142】従って、強磁性粉末の長軸長を約0.05
μm〜約0.2μm程度とすることで、より優れた磁気
記録媒体が得られることがわかった。
【0143】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体では、針状粉末の
分散性を向上させ、薄い磁性層であっても高密度記録に
好適な表面の平滑性を実現することができる。そして本
発明では高い電磁変換特性を有する優れた磁気記録媒体
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一構成例を示す断面図
である。
【図2】本発明の磁気記録媒体の一構成例を示す断面図
である。
【図3】本発明の磁気記録媒体の一構成例を示す断面図
である。
【符号の説明】 1 磁気記録媒体、 2 非磁性支持体、 3 非磁性
層、 4 磁性層、5 バックコート層、 6 下塗り

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体と、上記非磁性支持体上に
    形成され少なくとも磁性層を有する薄膜層とを有し、 上記薄膜層は、長軸方向に垂直な断面の長径と短径との
    比が1.2以上、1.6以下である針状粉末を含有する
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記針状粉末は、強磁性粉末からなり、
    上記磁性層に含有されていることを特徴とする請求項1
    記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記針状粉末の長軸長が、0.05μm
    以上、0.2μm以下であることを特徴とする請求項1
    記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記磁性層の厚みが、0.05μm以
    上、0.5μm以下であることを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記薄膜層は、上記磁性層の下に非磁性
    層を有することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 上記非磁性層は、非磁性粉末を含有する
    ことを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体。
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