JPH1040534A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH1040534A
JPH1040534A JP20882796A JP20882796A JPH1040534A JP H1040534 A JPH1040534 A JP H1040534A JP 20882796 A JP20882796 A JP 20882796A JP 20882796 A JP20882796 A JP 20882796A JP H1040534 A JPH1040534 A JP H1040534A
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magnetic
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powder
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JP20882796A
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English (en)
Inventor
Yuichi Sasaki
勇一 佐々木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性層に工夫を加えることによって、高密度
記録に好適な、高い電磁変換特性を有する磁気記録媒体
及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 非磁性粉末が結合剤中に分散された下層
が非磁性支持体上に設けられ、磁性粉末が結合剤中に分
散された磁性層が前記下層上に設けられた重層塗布型磁
気記録媒体において、前記磁性層の平均厚みが0.5μ
m以下であり、前記磁性層及び前記下層のうち少なくと
も前記磁性層に、アミノ基、リン酸エステル基及びアシ
ル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の官能基を
有するチタネートカップリング剤が、前記磁性粉末又は
前記非磁性粉末100重量部に対して0.5〜5重量部
含有されていることを特徴とする磁気記録媒体。この磁
気記録媒体において、下層が未乾燥の内に磁性層を塗布
する、磁気記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性粉末が結合
剤中に分散された非磁性層からなる下層と、磁性粉末が
結合剤中に分散された磁性層からなる上層とが積層され
た磁気記録媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体は、オーディオ用テ
ープ、ビデオテープ、バックアップ用データカートリッ
ジ、フロッピーディスク等として広く利用され、その需
要は著しく伸びてきている。
【0003】特に、最近では、記録波長の短波長化或い
はデジタル記録方式等、高密度記録の検討が盛んに行わ
れており、電磁変換特性の優れた磁気記録媒体の開発が
要求されている。
【0004】このような磁気記録媒体としては、酸化物
磁性粉末又は合金磁性粉末等の粉末磁性材料を塩化ビニ
ル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機バインダー(結合
剤)中に分散せしめた磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布、乾燥することにより作成されるいわゆる塗布型の磁
気記録媒体が広く使用されている。
【0005】こうした塗布型磁気記録媒体においては、
電磁変換特性を向上させるために、磁性層の薄膜化が検
討されている。
【0006】これは、磁性層の薄膜化によって記録時の
自己減磁損失を低減させ、電磁変換特性を向上させるも
のであり、近年、種々の塗布方式が検討されている。
【0007】非磁性支持体上に、厚さ0.5μm以下の
薄い磁性層を単層で設けた場合、非磁性支持体の表面形
状の影響が現れやすく、平滑な表面を得ることは困難で
あるため、具体的には、磁性層と非磁性支持体との間に
非磁性の下塗り層を設け、磁性層を薄膜化すると共に、
その表面の平滑性を実現する構造が考案されている。
【0008】一方、非磁性支持体上に上記の如き2層を
有する磁気記録媒体において、電磁変換特性の向上やノ
イズの低減等の目的のため、塗布欠陥や塗り筋がなく、
均一な塗膜に各層を形成することが要求される。これを
実現できる方法としては、ダイコータ(エクストルージ
ョン型の押し出し方式のダイを使用)により磁性層(上
層)と非磁性層(下層)とを非磁性支持体上に同時に塗
布する、いわゆる同時重層塗布方式が提案されている。
【0009】また、この塗布方式は、上下層の界面の接
着性を向上させる方法としても有効であり、近年の重層
塗布型の磁気記録媒体の中心的な塗布方式になりつつあ
る。
【0010】さらに、記録再生時のスペーシングロスを
最小限にするために、磁性層表面の平滑化が図られてい
る。高密度記録においては、使用する記録波長が短いた
め、表面の粗さの影響を受けやすく、この表面粗さの制
御が特に重要である。
【0011】さらに、強磁性粉末の改良も、電磁変換特
性の向上及び高密度記録化のために有効な手法である。
具体的には、(1)強磁性粉末として、強磁性合金粉末
の使用、(2)強磁性粉末の微細化、(3)強磁性粉末
の保磁力の増加及び保磁力分布の均一化等が挙げられ
る。
【0012】これらのうち、(1)及び(2)について
は、磁性材料の改良が積極的に進めれた結果、現在では
飽和磁化が140Am2 /kgを超える強磁性粉末や長
軸長0.1μm以下の強磁性粉末が開発されている。
【0013】また、(3)については、保磁力が160
Am2 /kgを超える強磁性粉末も現れている他、保磁
力分布を反映する粒子サイズ分布も均一化する等、目ざ
ましい発展がみられる。
【0014】ところで、磁気記録媒体が良好な電磁変換
特性を発揮するためには、強磁性粉末が結合剤中に均一
に分散されていなければならないが、強磁性粉末の微細
化に伴って結合剤中への分散が困難になる傾向がある。
【0015】このような問題を解決する手法として、磁
性塗料を調製する際に行う混練、混合又は分散の所要時
間を長くすることが考えられるが、磁性粉末の損傷や製
造(生産)効率の低下等の問題が生じ易くなる。
【0016】一方、結合剤中に−SO3 M、−OSO3
M、−COOM、−P=O(OM)2 、−NR1 2
−NR1 2 3+- 、>NR1 2+- 等の官能基を
含有させることによって、結合剤と強磁性粉末との相互
作用を強化し、強磁性粉末の分散性を向上させる試みも
なされている。
【0017】しかしながら、これらの官能基を有する結
合剤は従来の結合剤に比べて優れた性能を発揮するもの
の、高密度記録用として開発された微細な強磁性粉末を
十分に分散させることは未だ困難であるというのが現状
である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした従
来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁
性層が薄膜化しても、その表面性及び分散性を向上さ
せ、高密度記録に好適であって電磁変換特性に優れた磁
気記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、非磁性粉末が結合
剤中に分散された下層が非磁性支持体上に設けられ、磁
性粉末が結合剤中に分散された薄膜の磁性層が前記下層
上に設けられた重層塗布型磁気記録媒体において、前記
磁性層及び前記下層のうち少なくとも前記磁性層に、特
定のカップリング剤を特定量含有させることによって、
磁性層が薄くてもその表面平滑化が可能であり、かつ磁
性粉末の分散性を向上させ、高密度記録に好適であって
高い電磁変換特性を有する磁気記録媒体を提供できるこ
とを見出し、本発明に到達したものである。
【0020】即ち、本発明は、非磁性粉末が結合剤中に
分散された非磁性層からなる下層と、磁性粉末が結合剤
中に分散された磁性層からなる上層とが積層された磁気
記録媒体において、前記上層の平均厚みが0.5μm以
下であり、前記上層及び前記下層のうち少なくとも前記
上層に、アミノ基、リン酸エステル基及びアシル基から
なる群より選ばれた少なくとも一種の官能基を有するチ
タネートカップリング剤が、前記磁性粉末又は前記非磁
性粉末100重量部に対して0.5〜5重量部含有され
ていることを特徴とする磁気記録媒体(以下、本発明の
磁気記録媒体と称する。)に係るものである。
【0021】さらに、本発明は、前記下層の表面(即
ち、磁性層との境界面)が滑らかになると共に、磁性層
の表面性が良好となり、かつ、前記上層と下層間の接着
性も向上し、加えて、生産性にも優れた磁気記録媒体の
製造方法として、本発明の磁気記録媒体を製造するに際
し、前記下層を形成するための非磁性塗料を塗布し、こ
の塗布層が未乾燥状態の内に、前記上層を形成するため
の磁性塗料を塗布する、磁気記録媒体の製造方法(以
下、本発明の製造方法と称する。)も提供するものであ
る。
【0022】本発明の磁気記録媒体及びその製造方法に
よれば、まず、上層(磁性層)の平均厚みを0.5μm
以下と薄膜化しているため、自己減磁損失の低減が可能
であり、短波長における出力が向上し、またオーバーラ
イト特性も向上する。但し、この磁性層厚は、塗布性や
電磁変換特性の劣化を防止する点で0.05μm以上と
するのがよい。
【0023】ここで、TEM(透過型電子顕微鏡)で撮
影した断面写真の任意の10点について、磁性層の厚み
を求め、その平均値を上記の「平均厚み」と定義するも
のである。
【0024】そして、上層、又は上層及び下層両層に、
上記した特定のチタネートカップリング剤を所定量含有
させているので、その分子内のカップリング基(親水
基)が磁性粉末又は非磁性粉末の表面に吸着し、またチ
タネートカップリング剤の疎水基が結合剤と親和性が良
いために磁性粉末間に結合剤を充填する作用もあり、こ
れによって、カップリング剤が分散剤として機能し、磁
性粉末又は非磁性粉末の分散性を向上させることができ
る。
【0025】この場合、チタネートカップリング剤の疎
水基中の上記のアミノ基、リン酸エステル基又はアシル
基が結合剤中の官能基と相互作用し、磁性粉の分散を一
層促進することになる。
【0026】こうして、磁性層が薄膜化しても、磁性粉
末又は非磁性粉末の高分散によって磁性層の表面が平滑
化されると同時に、磁性粉末の特性が十分に発揮され、
磁気記録媒体の電磁変換特性が向上する。
【0027】さらに、上記のチタネートカップリング剤
は磁性粉末又は非磁性粉末に対して速い速度で吸着する
ため、これらの粉末の分散速度が速く、分散に要する時
間の短縮が可能である。
【0028】そして、磁性層、又は磁性層及び非磁性層
の両層に含有される上記チタネートカップリング剤の量
は、磁性粉末又は非磁性粉末100重量部に対して0.
5〜5重量部とすべきである。
【0029】この含有量が5重量部より多い場合には、
結合剤と未反応の官能基が磁性層又は非磁性層中に多く
残存し、これらが相互作用を及ぼし合うため、分散性が
低下する。一方、カップリング剤の含有量が0.5重量
部より少ない場合には、粉体の分散剤として機能が発揮
されない。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体及びその製
造方法に使用できるチタネートカップリング剤は、磁性
粉末又は非磁性粉末に対して親和性のある親水基と、結
合剤に対して親和性のある疎水基とを有しているものが
望ましく、以下にその一般式を示し、また具体例を例示
する。
【0031】
【化1】一般式: (但し、R−Oは親水基であり、Rはアルキル基等であ
ってTiと環を形成してよく、OR’は疎水基であって
アミノ基、リン酸エステル基又はアシル基を含む。)
【0032】
【化2】
【0033】但し、上記の構造式中、「Ti・」はチタ
ン原子における非共有電子を示す。また、上記の各構造
式において、Tiの左側に結合した官能基は磁性粉末又
は非磁性粉末と相互作用する親水基(これは、加水分解
によって磁性粉表面と親和力の強い水酸基又は活性官能
基が生じるものと考えられる。)であり、その右側に結
合した官能基は結合剤や溶剤と相互作用するアミノ基、
リン酸エステル基又はアシル基を含む疎水基である。
【0034】上記に例示したチタネートカップリング剤
は1種類又はそれ以上を磁性層又は非磁性層に含有させ
る。チタネートカップリング剤の種類は上記のものに限
らないことは言うまでもない。また、上記の官能基は1
分子中に複数含まれてよい。
【0035】本発明において、磁性層及び非磁性層を形
成するのに用いる磁性塗料及び非磁性塗料は、実際に
は、チタネートカップリング剤を強磁性粉末又は非磁性
粉末と結合剤とを同時に混合し、溶剤と共に混練、分散
を行う方法、或いは、予めチタネートカップリング剤で
処理した粉末を結合剤と溶剤と共に混練、分散を行う方
法によって調製される。
【0036】この場合、チタネートカップリング剤は、
少なくとも上層(磁性層)に含有させるが、上層(磁性
層)及び下層(非磁性層)の両層に含有させることが好
ましい。
【0037】本発明において、上記の上層及び下層に含
有させる結合剤は、従来から磁気記録媒体用の結合剤と
して使用される公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂等が使用可能であり、数平均分子量が5,00
0〜100,000のものが好ましい。
【0038】熱可塑性樹脂の例としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−ア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビ
ニル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化
ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニ
リデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニル共
重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合体、ポ
リフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体
(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイア
セテート、セルローストリアセテート、セルロースプロ
ピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン
共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アミ
ノ樹脂、合成ゴム等が挙げられる。
【0039】また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂の例と
しては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹
脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアル
デヒド樹脂等が挙げられる。
【0040】また、上記の全ての結合剤には、顔料の分
散性を向上させる目的で−SO3 M、−OSO3 M、−
COOM、−P=O(OM)2 等で表される極性官能基
が導入されていてもよい(ここで、Mは水素原子又はリ
チウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属であ
る)。
【0041】さらに、上記極性官能基としては、−NR
1 2 、−NR1 2 3+- で表される末端基を有す
る側鎖型のもの、>NR1 2+- で表される主鎖型の
ものがある(ここで、R1 、R2 、R3 は、水素原子又
は炭化水素基であり、X- はフッ素、塩素、臭素、ヨウ
素等のハロゲン元素イオン或いは無機又は有機イオンで
ある。また、−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の
極性官能基を導入してもよい)。
【0042】これらの極性官能基の量は、10-1〜10
-8mol/gが好ましく、より好ましくは10-2〜10
-6mol/gである。
【0043】上記した結合剤は、1種を単独で用いるこ
とが可能であるが、2種以上を併用することも可能であ
る。
【0044】塗膜におけるこれら結合剤の量は、上記強
磁性粉末又は非磁性粉末100重量部に対して、1〜2
00重量部が好ましく、より好ましくは10〜50重量
部である。
【0045】この結合剤の使用量が多すぎると、上層に
おいては、相対的に強磁性粉末の磁性層に占める割合が
低下して出力が低下し易く、また、ドライブでの繰り返
し摺動などにより塑性流動を起こし易く、媒体の走行耐
久性が低下する傾向がある。一方、結合剤の使用量が少
なすぎると、上下層共に塗膜が脆くなり、媒体の走行耐
久性が低下し易くなる。
【0046】本発明では、上記結合剤を架橋硬化させる
ポリイソシアネートを併用することが可能である。この
ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネー
ト又はその付加体、アルキレンジイソシアネート又はそ
の付加体等がある。これらのポリイソシアネートの上記
結合剤への配合量は、上記結合剤100重量部に対し
て、5〜80重量部が好ましく、より好ましくは10〜
50重量部である。
【0047】これらのポリイソシアネート類は、上下両
層に用いることが可能であるが、いずれか一層のみに限
定して用いることも可能である。上下両層に用いる場合
の配合量は、各層に等量投入することも可能であるし、
任意の比率で変えることも可能である。
【0048】本発明の上層で用いられる強磁性粉末とし
ては、Fe、Co、Ni等の金属、Fe−Co、Fe−
Ni、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Al−
P、Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−Si−Al
−Mn、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−
Ni、Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni
−Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co−B、Fe
−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−C
o−V等の合金、窒化鉄、炭化鉄等が挙げられる。もち
ろん、還元時の焼結防止又は形状維持等の目的で添加さ
れるAl、Si、P、B等の軽金属元素が適当量含有し
たとしても、本発明の効果を妨げるものではない。
【0049】また、γ−Fe2 3 、Fe3 4 、γ−
Fe2 3 とFe3 4 とのベルトライド化合物、Co
含有γ−Fe2 3 、Co含有Fe3 4 、Coを含有
するγ−Fe2 3 とFe3 4 とのベルトライド化合
物、CrO2 に1種またはそれ以上の金属元素、例えば
Te、Sb、Fe、B等を含有させた酸化物等がある。
【0050】さらに、六方晶系板状フェライトも使用可
能であり、M型、W型、Y型、Z型のバリウムフェライ
ト、ストロンチウムフェライト、カルシウムフェライ
ト、鉛フェライト、及びこれらに、保磁力を制御する目
的で、Co−Ti、Co−Ti−Zn、Co−Ti−N
b、Co−Ti−Zn−Nb、Cu−Zr、Ni−Ti
等を添加したものも使用可能である。
【0051】これらの強磁性粉末は、それぞれ1種を用
いることも可能であるが、2種以上を併用することも可
能である。
【0052】また、本発明に用いる強磁性粉末の比表面
積は、30〜80m2 /gが好ましく、より好ましくは
40〜70m2 /gである。この比表面積が上記範囲に
あると、強磁性粉末の形状の微粒子化によって高密度記
録が可能となり、ノイズ特性の優れた磁気記録媒体を得
ることが可能である。
【0053】さらに、本発明に用いられる強磁性粉末
は、長軸長が0.05〜0.50μm、軸比が2〜15
であることが好ましい。長軸長が0.05μm未満であ
ると、磁性塗料中の分散が困難となり、また長軸長が
0.50μmを超えると、ノイズ特性が劣化するおそれ
がある。そして、軸比が2未満であると、強磁性粉末の
配向性が低下し、出力の低下となり、また軸比が15を
超えると、短波長信号出力が低下するおそれがある。板
状フェライトの場合は、板径0.01〜0.5μm、板
厚0.001〜0.2μm程度が好ましい。但し、長軸
長、軸比、板径及び板厚は、透過型電子顕微鏡写真から
無作為に選んだ100個以上のサンプル粒子の平均値で
示す。
【0054】本発明において、下層に含有させる非磁性
粉末として用いられるものは、例えば、α−Fe2 3
等の非磁性酸化鉄、ゲータイト、ルチル型酸化チタン、
アナターゼ型酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステ
ン、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、
チタンカーバイト、窒化ホウ素、α−アルミナ、β−ア
ルミナ、γ−アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二硫化モリブデン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸バ
リウム等があり、これらの粉末は、単独で用いることも
可能であるし、複数を混合して用いることも可能であ
る。
【0055】上記非磁性粉末は、目的に応じて、適当量
の不純物をドープすることも可能であるし、分散性の改
良、導電性の付与、色調の改善等の目的で、Al、S
i、Ti、Sn、Sb、Zr等の化合物で表面処理する
ことも可能である。
【0056】非磁性粉末の比表面積は、30〜80m2
/gが好ましく、より好ましくは40〜70m2 /gで
ある。
【0057】また、必要に応じて、ゴム用ファーネス、
熱分解カーボン、カラー用ブラック、アセチレンブラッ
ク等のカーボンブラックが含まれていてもよい。
【0058】これらの非磁性粉末の比表面積は100〜
400m2 /g、ジブチルフタレート(DBP)吸油量
は20〜200ml/100gであることが好ましい。
非磁性粉末及びカーボンブラックの比表面積が、上記範
囲にあると、形状の微粒子化によって下層が平滑化し、
結果的に上層の平滑化が可能となるため、変調ノイズ特
性が優れ、スペーシングロスの影響の少ない磁気記録媒
体を得ることが可能である。非磁性粉末は磁気的な凝集
力を有さないので、強磁性粉末に比べて分散が容易であ
るとはいえ、比表面積が上記の範囲より大きい場合に
は、本発明の手法を用いても粉体の分散が困難となるこ
とがあり、また比表面積が小さすぎると、高密度記録に
耐えられる表面平滑性が確保できないことがある。
【0059】本発明においては、必要に応じて潤滑剤を
前記磁性層及び前記非磁性層に含有させることが可能で
ある。上記潤滑剤としては、黒鉛、二流化モリブデン、
二流化タングステン、シリコーンオイル、炭素数10〜
22までの脂肪酸、この脂肪酸と炭素数2〜26までの
アルコールとからなる脂肪酸エステル、テルペン系化合
物、ならびにこれらのオリゴマー等がある。上記潤滑剤
は、上層にのみ添加することも可能であるし、上下両層
に添加することも可能である。
【0060】また、本発明において、前記磁性層に研磨
剤粒子を含有させることが可能である。これらの例とし
ては、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、酸
化クロム、炭化珪素、ダイヤモンド、ガーネット、エメ
リー、窒化ホウ素、チタンカーバイト、炭化珪素、炭化
チタン、酸化チタン(ルチル、アナターゼ)等がある。
【0061】これらの粒子は、強磁性粉末100重量部
に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下
が更によい。また、モース硬度は、4以上が好ましく、
5以上が更によく、比重は2〜6が好ましく、3〜5の
範囲が更によく、平均粒径は0.5μm以下が好まし
く、0.3μm以下が更によい。
【0062】但し、これらの非磁性研摩剤粒子の平均粒
径も、強磁性粉末の場合と同様に、透過型電子顕微鏡写
真から測定し、統計処理により求めた平均値とする。
【0063】本発明において、非磁性支持体としては、
公知の材料を使用できるが、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等の
ポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポ
リカーボネート類に代表されるような高分子材料、或い
は、金属、ガラス、セラミックス等により形成される支
持体等である。
【0064】上記非磁性支持体上に塗膜を形成するに
は、前記上下層の形成材料を塗料としてそれぞれ塗布、
乾燥して形成されるが、この塗料化に用いられる溶剤
は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、
乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステ
ル系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2
−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチ
レンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等の公知溶媒がい
ずれも使用可能である。
【0065】上記塗料の作成には、混練工程、混合工
程、分散工程の各工程によって行われる。分散及び混練
には、ロールミル、ボールミル、サンドミル、アジタ
ー、ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、超
音波分散機等が用いられる。
【0066】更に、このように形成された塗料を非磁性
支持体上に同時に重層塗布するのが良いが、これには主
にダイコーターが用いられる。ダイコーターのリップ構
成は、2リップ方式、3リップ方式、4リップ方式等が
用いられる。
【0067】また、この重層塗布には後述するダイコー
ト方式が好適であるが、その他に、ダイレクトグラビア
法、リバースグラビア法、オフセットグラビア法等のグ
ラビア法によって重層塗布する方法も使用することがで
きる。
【0068】非磁性支持体上の上記磁性層が設けられて
いない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向上や
帯電防止及び転写防止等を目的として、バックコート層
を設けてもよい。また、下層と非磁性支持体との間に
は、塗膜と支持体との接着性を強化する目的で、下塗り
層を設けることも可能である。この下塗り層は、本発明
における上記の下層(非磁性層)とは異なるものである
ことは言うまでもない。
【0069】図5(A)は、本発明の磁気記録媒体の一
例(例えば8mmビデオテープ)を示すものであり、図
5(C)は、図5(A)における上下層部分の拡大図で
ある。
【0070】即ち、この磁気記録媒体を製造するには、
非磁性支持体1上に上述した非磁性層からなる下層4a
を設け、この上に、これが未乾燥のうちに磁性層からな
る上層2aを塗布する方式(いわゆる、ウエット・オン
・ウエット方式)を適用しているので、上下層間の接着
力は充分となる。
【0071】なお、この方式によると、磁性層2a中の
塗料成分が一部拡散して下層4a中に混入し、磁性粉末
の混入した遷移層5が破線のように形成されることがあ
るが、この遷移層は厳密には上層でも下層でもない。
【0072】また、非磁性支持体1の上層2aとは反対
側の面(裏面)には、仮想線のようにバックコート層3
を有していても良い。
【0073】図5(B)は、下層4b及び磁性層2bを
形成する場合、一層ずつ塗布及び乾燥を行う方式(いわ
ゆる、ウエット・オン・ドライ方式)によるものであ
る。この場合も、磁性層とは反対側の面に、バックコー
ト層3を有していても良い。
【0074】図6は、本発明の磁気記録媒体における、
好ましい製造方法(ウエット・オン・ウエット方式の押
し出し塗布法(ダイコーティング)を用いた重層塗布)
の構成の三例(A)、(B)、(C)を示すものであ
る。
【0075】図6(A)は、コーターを2個用いた例、
図6(B)はコーターを1個用い、別々のスリットから
塗料を吐出させる例(図7はその要部の具体例の拡大
図)、図6(C)はコーターを1個用い、単一のスリッ
トから各塗料を重ねて吐出させる例を示す。
【0076】図6の塗布装置においては、例えば図5
(A)の磁気記録媒体を製造するに際し、供給された非
磁性支持体1を矢印Dの方へ送りながらエクストルージ
ョン方式のダイコーター10、11又は10によって、
下層用塗料4a’、磁性層用塗料2a’を吐出し、ウエ
ット・オン・ウエット方式で下層4a及び上層2aの2
層を形成するものである。
【0077】ダイコーターには、液溜まり部6、7が設
けられ、各塗料2a’、4a’をウエット・オン・ウエ
ット方式で同時に重ねる。
【0078】このウエット・オン・ウエット方式による
重層塗布においては、下層4aが湿潤(未乾燥)状態の
まま上層の磁性層2aを塗布するので、下層の表面(即
ち、上層との境界面)が滑らかになると共に上層の表面
性が良好になり、上層の塗料に対する下層の耐溶剤性を
考慮する必要がなく、かつ、上下層間の接着性も向上す
るという利点がある。
【0079】この結果、特に高密度記録のために高出
力、低ノイズの要求される磁気記録媒体としての要求性
能を満たしたものとなり、かつ膜剥離がなくなり、膜強
度が向上する。またドロップアウトも低減することが可
能であり、信頼性も向上する。
【0080】上記ウエット・オン・ウエット重層塗布方
式によって形成される上下層間には、明確な境界が実質
的に存在する場合以外に、図5(A)に示したように一
定の厚みを以て両層の成分が混在してなる境界領域が存
在する場合があるが、こうした境界領域を除いた上層又
は下層の層を上記磁性層、下層として良い。何れの場合
も、本発明の範囲に含まれる。
【0081】なお、上記の重層塗布後は、乾燥機に導入
し、更に必要とあれば、カレンダ装置に導き、巻取りロ
ールに巻き取る。更に、バックコート層を重層塗布層の
反対面に塗布した後、例えば8mm幅にスリットして磁
気テープを作成し、これをカセット内に収容してテープ
カセットを製造する。
【0082】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0083】下記の組成にて、上層(磁性層)及び下層
(非磁性層)用の塗料を調製した。即ち、常法に従い、
強磁性粉末又は非磁性粉末を結合剤、添加剤、溶剤及び
チタネートカップリング剤と所定の配合比で混合し、エ
クストルーダーによって混練した後、サンドミルで6時
間混合、分散した。但し、以下の各実施例及び比較例に
使用したチタネートカップリング剤の組成及び添加量は
下記の表1にそれぞれ示した。
【0084】 <上層塗料組成> Fe80−Co20の強磁性金属粉末 100重量部 (保磁力=160kA/m、飽和磁化量=145Am2 /kg、 比表面積=51m2 /g、長軸長=0.08μm、針状比=3、 表面に焼結防止用のAl付着) ポリ塩化ビニル樹脂(−SO3 K含有) 14重量部 (日本ゼオン社製のMR−110) ポリエステルポリウレタン樹脂(−SO3 Na含有) 3重量部 (東洋紡社製のUR8300) α−Al2 3 5重量部 カップリング剤(種類は下記の表1に記載)(添加量は下記の表1に記載) ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部
【0085】 <下層塗料組成> 針状α−Fe2 3 100重量部 (比表面積=53m2 /g、長軸長=0.15μm、針状比=5) ポリ塩化ビニル樹脂(−SO3 K含有) 13重量部 (日本ゼオン社製のMR−110) ポリエステルポリウレタン樹脂(−SO3 Na含有) 4重量部 (東洋紡社製のUR8300) カップリング剤(種類は下記の表1に記載)(添加量は下記の表1に記載) ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 メチルエチルケトン 105重量部 シクロヘキサノン 105重量部
【0086】以上の組成で得られた各塗料に、硬化剤と
してポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製のコロ
ネートL)を上層塗料及び下層塗料に各々3重量部を加
えて、図7に示した如き4リップ方式ダイコーターを用
いて、非磁性支持体としての厚さ7μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)をフィルム状に同時重層塗布
し、ソレノイドコイルにより配向処理した後、乾燥、カ
レンダ処理及び硬化処理を行った。ここで、上層の塗布
厚(平均厚み)は、下記の表2に示す。また、下層の塗
布厚(平均厚み)は、すべて2.0μmである。
【0087】更に、下記組成のバックコート層塗料を、
上記塗布面とは反対側の非磁性支持体面(裏面)に塗布
し、8mm幅にスリットしてテープ化した。
【0088】 <バックコート層塗料組成> カーボンブラック 100重量部 (旭カーボン社製の旭#50) ポリエステルポリウレタン 100重量部 (日本ポリウレタン社製のニッポランN−2304) メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】以上説明したようにして作成された各磁気
テープについて、固定ヘッド式電磁気特性測定器を用い
て電磁変換特性の測定を行った。この測定器は、回転す
るドラムとこれに接触するヘッドとから構成されてお
り、テープはドラムに巻き付けられて走行する。
【0093】実際の測定は、まず、各テープの最適記録
電流で10MHz矩形波信号を記録し、スペクトラムア
ナライザーにより10MHzの出力レベルを検出したも
のである。なお、テープと磁気ヘッドとの間の相対速度
は3.33m/sとし、リファレンス(0dB)には、
ソニー社製の8mmHi8テープを用いた。
【0094】また、各テープについて、レーザー光干渉
方式による非接触型表面粗さ計(Zygo社製のMax
im 3D5700)を用いて、中心線平均粗さ(R
a)を測定した。
【0095】以上の要領で測定した値を下記の表2及び
図1〜4に示した。
【0096】
【0097】
【0098】<結果>表2及び図1〜4から、本発明の
実施例1〜14による磁気テープは、磁性層が薄くても
磁性面が平滑であり、かつ、電磁変換特性に優れている
ことが分かる。
【0099】即ち、表2及び図1〜2から、磁性層、又
は磁性層及び非磁性層の両層にチタネートカップリング
剤を磁性粉末又は非磁性粉末100重量部に対して0.
5〜5重量部添加しているので、このチタネートカップ
リング剤が分散剤として効果的に機能し、強磁性粉末又
は非磁性粉末の分散性を向上させることができるからで
ある。
【0100】これに反し、比較例1及び2は、チタネー
トカップリング剤の量がゼロ又は少なすぎるため、分散
不良により出力、表面性共に悪化する。また、比較例3
〜5は、上層又は下層のチタネートカップリング剤の量
が多すぎるため、粉末の分散が損なわれ、出力及び表面
性が悪化する。
【0101】また、実施例1〜10からは、上層(磁性
層)のみにチタネートカップリング剤を含有した磁気記
録媒体よりも、上層及び下層(非磁性層)の両層にチタ
ネートカップリング剤を含有した磁気記録媒体の方が電
磁変換特性及び表面性により優れていることが分かる。
【0102】実施例11〜14及び比較例6、7は、実
施例1において上層の塗布厚のみを変化させたものであ
り、図3は、この塗布厚による再生出力及び表面粗さの
変化を示すグラフである。このグラフから、上層の塗布
厚は0.5μm以下であると、電磁変換特性及び表面性
に優れていること、上層の塗布厚が0.5μmを超える
と、それらの特性が劣化することが分かる。また、0.
05μmが塗布厚の好ましい下限であることも分かる。
【0103】図4は、サンドミルによる磁性粉の分散効
率を各上層塗料について、以下の方法に従って測定した
結果を示す。即ち、一定時間毎に塗料をサンドミルより
サンプリングして、2mil(50μm)厚のドクター
ブレードにて塗膜を形成し、乾燥後の塗布面の光沢度を
測定した。入射角及び受光角は共に45度とした。
【0104】この結果によれば、本発明の実施例(ここ
では実施例1)による磁気記録媒体は比較例(ここでは
比較例1)の磁気記録媒体に比べて、分散時間を大幅に
削減できることが分かる。これにより、生産効率が大き
く向上する。この分散時間は、サンドミルを分散に用い
る場合、1時間以上であるのが望ましいが、本発明の実
施例では、チタネートカップリング剤が磁性粉末(又は
非磁性粉末)に対して速い速度で吸着するため、これら
の粉末の分散速度が速く、分散に要する時間が短くても
分散が良好となり(光沢度の向上)、サンドミルを分散
に用いる場合は、特に分散時間が1時間以上で優れた結
果が得られ、分散時間の短縮が可能である。
【0105】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、非磁性粉末
が結合剤中に分散された下層が非磁性支持体上に設けら
れ、磁性粉末が結合剤中に分散された磁性層が前記下層
上に設けられた磁気記録媒体であって、前記磁性層の厚
みを0.5μm以下とし、前記磁性層及び前記下層のう
ち少なくとも前記磁性層に、アミノ基、リン酸エステル
基及びアシル基からなる群より選ばれた少なくとも一種
の官能基を有するチタネートカップリング剤を前記磁性
粉末又は前記非磁性粉末100重量部に対して0.5〜
5重量部含有させているので、磁性層厚が0.5μm以
下と薄くても、粉末の分散性が向上し、電磁変換特性及
び表面性に優れ、かつ、生産効率も向上した磁気記録媒
体及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上層(磁性層)のみに添加するチタネートカッ
プリング剤の添加量による10MHz再生出力及び表面
粗さの変化を示すグラフである。
【図2】チタネートカップリング剤を上下両層に添加し
たときのチタネートカップリング剤の添加量による10
MHz再生出力及び表面粗さの変化を示すグラフであ
る。
【図3】上層(磁性層)の塗布厚による10MHz再生
出力及び表面粗さの変化を示すグラフである。
【図4】上層塗料の分散時間による光沢度の変化を示す
グラフである。
【図5】本発明を適用した磁気記録媒体の構成例を示す
概略断面図である。
【図6】同磁気記録媒体の上層(磁性層)及び下層(非
磁性層)の形成に使用可能なダイコート塗布装置の概略
図である。
【図7】図6(B)の具体例の拡大断面図である。
【符号の説明】
1…非磁性支持体、2a、2b…磁性層、2a’、4
a’…塗料(塗膜)、3…バックコート層、4a、4b
…下層(非磁性層)、5…遷移層、10、11…押し出
しコーター

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性粉末が結合剤中に分散された非磁
    性層からなる下層と、磁性粉末が結合剤中に分散された
    磁性層からなる上層とが積層された磁気記録媒体におい
    て、前記上層の平均厚みが0.5μm以下であり、前記
    上層及び前記下層のうち少なくとも前記上層に、アミノ
    基、リン酸エステル基及びアシル基からなる群より選ば
    れた少なくとも一種の官能基を有するチタネートカップ
    リング剤が、前記磁性粉末又は前記非磁性粉末100重
    量部に対して0.5〜5重量部含有されていることを特
    徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上層のみにチタネートカップリング剤が
    含有されている、請求項1に記載した磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上層及び下層の両方にチタネートカップ
    リング剤がそれぞれ含有されている、請求項1に記載し
    た磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 チタネートカップリング剤が、磁性粉末
    又は非磁性粉末に対して親和性のある親水基と、結合剤
    に対して親和性のある疎水基とを有している、請求項1
    に記載した磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 非磁性粉末が結合剤中に分散された非磁
    性層からなる下層と、磁性粉末が結合剤中に分散された
    磁性層からなる上層とが積層され、前記上層の平均厚み
    が0.5μm以下であり、前記上層及び前記下層のうち
    少なくとも前記上層に、アミノ基、リン酸エステル基及
    びアシル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の官
    能基を有するチタネートカップリング剤が、前記磁性粉
    末又は前記非磁性粉末100重量部に対して0.5〜5
    重量部含有されている磁気記録媒体を製造するに際し、
    前記下層を形成するための非磁性塗料を塗布し、この塗
    布層が未乾燥状態の内に、前記上層を形成するための磁
    性塗料を塗布する、磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上層のみにチタネートカップリング剤を
    含有させる、請求項5に記載した製造方法。
  7. 【請求項7】 上層及び下層の両方にチタネートカップ
    リング剤をそれぞれ含有させる、請求項5に記載した製
    造方法。
  8. 【請求項8】 チタネートカップリング剤として、磁性
    粉末又は非磁性粉末に対して親和性のある親水基と、結
    合剤に対して親和性のある疎水基とを有するチタネート
    カップリング剤を使用する、請求項5に記載した製造方
    法。
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