JPH09128736A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09128736A
JPH09128736A JP28419695A JP28419695A JPH09128736A JP H09128736 A JPH09128736 A JP H09128736A JP 28419695 A JP28419695 A JP 28419695A JP 28419695 A JP28419695 A JP 28419695A JP H09128736 A JPH09128736 A JP H09128736A
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JP
Japan
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magnetic
silane coupling
layer
coupling agent
magnetic layer
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JP28419695A
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English (en)
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Yuichi Sasaki
勇一 佐々木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細化された強磁性粉末を十分に分散させる
ことにより、高密度記録に好適な高い電磁変換特性を有
し、且つ、優れた走行耐久性を有する磁気記録媒体を提
供する。 【解決手段】 非磁性支持体上に、非磁性粉末と結合剤
とを主体とする非磁性層(下塗り層)が設けられ、その
上に、強磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性層が設け
られてなる重層塗布型の磁気記録媒体において、前記磁
性層に、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、イソシアネ
ート基より選ばれる1種類以上の官能基を有するシラン
カップリング剤と、ポリイソシアネート化合物とが含有
される。シランカップリング剤の含有量は、強磁性粉末
あるいは非磁性粉末100重量部に対して0.5〜5重
量部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上
に、非磁性粉末と結合剤とを主体とする非磁性層と、強
磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性層とがこの順に設
けられてなる重層塗布型の磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、オーディオ用テープ、
ビデオテープ、バックアップ用データーカートリッジ、
フロッピーディスク等として広く利用されている。特に
最近では、記録波長の短波長化、あるいはディジタル記
録方式等、高密度記録の検討が盛んに行われており、電
磁変換特性の優れた磁気記録媒体の開発が要求されてい
る。
【0003】電磁変換特性を向上させる手段としては、
記録/再生時のスペーシングロスを最小限に抑えるため
に、磁性層表面を平滑化することが挙げられる。特に、
高密度記録化を進めるために使用する記録波長の短波長
化が図られるに伴い、表面粗さの制御が重要となってき
ている。
【0004】また、塗布型の磁気記録媒体においては、
電磁変換特性を向上させるために磁性層の薄膜化が検討
されている。磁性層を薄膜化すると、記録時の自己減磁
損失を低減することができ、電磁変換特性を向上させる
ことができるからである。
【0005】ところが、非磁性支持体上に1μm以下の
薄い磁性層を単層にて設けた場合には、磁性層の表面に
支持体の表面形状の影響が現れやすく、磁性層の表面を
平滑にすることが困難となる。このため、磁性層と非磁
性支持体の間に非磁性の下塗り層を設けることにより、
磁性層を薄膜化すると共に平滑面を実現することが提案
されている。
【0006】このように下塗り層と磁性層とを形成する
に際しては、電磁変換特性の向上やノイズの低減といっ
た目的により、塗布欠陥や塗り筋を発生させることな
く、均一な塗布を行うことが要求される。これを実現す
る手法としては、ダイコーターにより、下塗り層と磁性
層とを非磁性支持体上に同時に塗布する、いわゆる同時
重層塗布方式が提案されている。また、この塗布方式は
上下層の界面の接着性を向上させる方法としても有効で
あり、近年の重層塗布型の磁気記録媒体の中心的な塗布
方式になりつつある。
【0007】電磁変換特性を向上させ、磁気記録媒体の
高密度記録化を図るためには、強磁性粉末の改良も有効
である。具体的には、(1)強磁性粉末として強磁性合
金粉末を使用すること、(2)強磁性粉末の微細化を図
ること、(3)強磁性粉末の保持力を増加させることお
よび保磁力分布の均一化を図ること、等が挙げられる。
【0008】(1)、(2)については、磁性材料の改
良が積極的に進められた結果、現在では飽和磁化が14
0Am2 /kgを超える強磁性粉末や、長軸長0.1μ
m以下の強磁性粉末が開発されている。(3)について
は、保磁力が160kA/mを超える強磁性粉末も現れ
ており、また、保磁力分布を反映する粒子サイズ分布も
極めて均一化する等、目ざましい発展が見られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気記録媒
体が良好な電磁変換特性を発揮するためには、上述した
ような強磁性粉末が結合剤中に均一に分散されているこ
とも必要である。しかしながら、強磁性粉末が微細化さ
れると、結合剤中への分散が困難となる傾向がある。分
散性を改善するためには、磁性塗料を調整する際に行う
混練あるいは分散の所要時間を長くすることが考えられ
るが、強磁性粉末の損傷や製造効率の低下の問題が生じ
好ましくない。
【0010】また、結合剤に、−SO3 M、−OSO3
M、−COOM、P=O(OM)2、−NR1 2 、−
NR1 2 3 + - 、>NR1 2 + - 等の官能基
を含有させることで、強磁性粉末との相互作用を強化
し、分散性を向上させる試みもなされている。
【0011】しかしながら、前記官能基を有する結合剤
は、従来の結合剤に比べ優れた性能を発揮するものの、
高密度記録用として開発された微細な強磁性粉末を十分
に分散させるには至っていないのが現状である。
【0012】また、前述したように、高密度記録に好適
な高い電磁変換特性を達成するために磁性層を薄膜化し
た場合には、非磁性の下塗り層を設けることにより、表
面の平滑化を図ることはできるが、力学的な強度が不足
して、十分な走行耐久性を得られないという問題も残っ
ている。
【0013】そこで、かかる従来の実情を鑑み、本発明
においては、微細化された強磁性粉末を十分に分散させ
ることにより、高密度記録に好適な高い電磁変換特性を
有し、且つ、優れた走行耐久性を有する磁気記録媒体を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録媒
体は、上述の目的を達成するために提案されたものであ
り、非磁性支持体上に、非磁性粉末と結合剤とを主体と
する非磁性層(下塗り層)が設けられ、その上に、強磁
性粉末と結合剤とを主体とする磁性層が設けられてなる
重層塗布型の磁気記録媒体であって、前記磁性層に、ア
ミノ基、エポキシ基、ビニル基、イソシアネート基より
選ばれる1種類以上の官能基を有するシランカップリン
グ剤と、ポリイソシアネート化合物とが含有されている
ものである。
【0015】また、前記非磁性層にも、アミノ基、エポ
キシ基、ビニル基、イソシアネート基より選ばれる1種
類以上の官能基を有するシランカップリング剤と、ポリ
イソシアネート化合物とが含有されて好適である。
【0016】本発明にて用いられるシランカップリング
剤においては、Si原子が有する4つの結合手のうち少
なくとも1つには、アルコキシル基に代表されるよう
な、無機質材料との吸着性に優れた置換基が結合してい
ることが好ましい。このような構造を有するシランカッ
プリング剤においては、アルコキシル基等の置換基が強
磁性粉末または非磁性粉末の表面に吸着する役割を果た
し、上述したアミノ基、エポキシ基、ビニル基、イソシ
アネート基等の官能基が結合剤と結合する役割を果た
す。したがって、このようなシランカップリング剤を含
有させることによって、強磁性粉末または非磁性粉末の
分散性を向上させることができる。そして、磁性層にお
いては、強磁性粉末の特性が十分に発揮され、非磁性層
においては、表面の平滑化が図られるため、磁気記録媒
体の電磁変換特性が向上する。 また、シランカップリ
ング剤の官能基が結合剤と強く結合することにより、磁
性層、非磁性層の力学的強度も高くなる。そして、これ
によって、磁気記録媒体の走行耐久性を向上させること
ができる。
【0017】ここで、上述のシランカップリング剤の含
有量は、強磁性粉末あるいは非磁性粉末100重量部に
対して0.5〜5重量部であって好適である。0.5重
量部未満であると、分散剤としての効果が発揮できず、
逆に、5重量部より多いと、未反応の官能基が多く残存
することとなり、これらが相互作用を及ぼすために、か
えって分散性が低下してしまう。
【0018】なお、本発明の磁気記録媒体を製造するに
際しては、架橋剤としてポリイソシアネート化合物を添
加するが、ポリイソシアネート化合物は、シランカップ
リング剤の未反応の官能基とも反応するため、シランカ
ップリング剤とポリイソシアネート化合物とを併用する
と、磁性層、非磁性層の力学的強度、耐熱性が一層向上
する。しかしながら、シランカップリング剤の未反応の
官能基が多すぎると、この官能基とポリイソシアネート
化合物とが速やかに反応して、分散性を低下させる虞れ
もある。
【0019】本発明にて用いられるシランカップリング
剤は、官能基としてアミノ基を有するものとして、下記
の化学式(1)〜(4) H2 NC3 6 Si(OC2 5 3 ・・・(1) H2 NC2 4 NHC3 6 Si(OCH3 3 ・・・(2) H2 NCONHC3 6 Si(OC2 5 3 ・・・(3) C6 5 NHC3 6 Si(OCH3 3 ・・・(4) に示すようなものが挙げられ、官能基としてビニル基を
有するもの、イソシアネート基を有するものとして、下
記の化学式(5)〜(7) CH2 =CHSi(OCH3 3 ・・・(5) CH2 =CHSi(OC2 5 3 ・・・(6) OCNC3 6 Si(OC2 5 3 ・・・(7) に示すようなものが挙げられる。
【0020】また、官能基としてエポキシ基を有するも
のとしては、化1、化2、化3に示す化学式(8)〜
(10)のようなものが挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】なお、シランカップリング剤の種類は上記
のものに限られず、例えば、アルコキシル基の代わりに
ハロゲンを有する、あるいは、アルコキシル基とともに
ハロゲンを有するものであってもよい。ハロゲンは、ア
ルコキシル基同様、強磁性粉末または非磁性粉末の表面
に吸着する役割を果たす。また、上述のようなシランカ
ップリング剤を2種類以上を併用しても構わない。
【0025】このようなシランカップリング剤を磁性
層、非磁性層に含有させるには、磁性塗料、非磁性塗料
を調製する際に、強磁性粉末あるいは非磁性粉末と結合
剤と同時に混合し、溶剤と共に混練、分散を行ってもよ
いし、強磁性粉末あるいは非磁性粉末を予めシランカッ
プリング剤で処理してから結合剤と溶剤と共に混練、分
散を行ってもよい。なお、ポリイソシアネート化合物
は、強磁性粉末あるいは非磁性粉末が結合剤中に十分に
分散されてから添加されて好適である。
【0026】ところで、磁性塗料および非磁性塗料に含
有される結合剤としては、従来より磁気記録媒体用の結
合剤として使用される公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂等が使用可能であり、数平均分子量が5
000〜100000のものが好ましい。熱可塑性樹脂
の例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリ
ル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸
エステル−塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化
ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化
ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニ
ル共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合
体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アルリロニトリ
ル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘
導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダ
イアセテート、セルローストリアセテート、セルロース
プロピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
アミノ樹脂、合成ゴム等が挙げられる。また熱硬化性樹
脂または反応型樹脂の例としてはフェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン
樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
【0027】また、上記の全ての結合剤には、顔料の分
散性を向上させる目的で−SO3 M、−OSO3 M、−
COOM、P=O(OM)2 等の極性官能基が導入され
ていても良い。ここで、式中Mは、水素原子あるいは、
リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属であ
る。さらに、結合剤に導入される極性官能基としては、
−NR1 2 、−NR1 2 3 + - の末端基を有す
る側鎖型のもの、>NR1 2 + - の主鎖型のもので
あってもよい。ここで、式中R1 、R2 、R3は、水素
原子あるいは炭化水素基であり、X- は弗素、塩素、臭
素、ヨウ素等のハロゲン元素イオンあるいは無機・有機
イオンである。また、−OH、−SH、−CN、エポキ
シ基等の極性官能基を導入してもよい。これら極性官能
基の量は、10-1〜10-8mol/gであり、好ましく
は10-2〜10-6mol/gである。これら結合剤は、
1種単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されて
もよい。
【0028】これら結合剤の含有量は、上記強磁性粉末
または非磁性粉末100重量部に対して、1〜200重
量部、好ましくは、10〜50重量部である。磁性層に
おいては、結合剤の使用量が多すぎると、相対的に強磁
性粉末の磁性層に占める割合が低下し、出力の低下とな
り、一方、結合剤の使用量が少なすぎると、塗膜の力学
的強度が低下し、磁気媒体の走行耐久性が低下する。
【0029】本発明では、上述のような結合剤を架橋硬
化させるためにポリイソシアネート化合物が用いられる
が、このポリイソシアネートとしては、トルエンジイソ
シアネートならびに、これの付加体、アルキレンジイソ
シアネートならびに、これの付加体等が挙げられる。こ
れらポリイソシアネートの配合量は、結合剤100重量
部に対して、5〜80重量部、好ましくは、10〜50
重量部である。これらポリイソシアネート化合物は、磁
性層と非磁性層の両層に用いてもよいし、いずれか一層
のみに限定して用いることも可能である。両層に用いる
場合の配合量は、各層に等量投入することも可能である
し、任意の比率で変えることも可能である。
【0030】また、磁性塗料に含有させる強磁性粉末と
しては、Fe、Co、Ni等の金属、Fe−Co、Fe
−Ni、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Al−
P、Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−Si−Al
−Mn、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−
Ni、Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni
−Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co−B、Fe
−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−C
o−V、等の合金、窒化鉄、炭化鉄等が挙げられる。も
ちろん、還元時の焼結防止または形状維持等の目的で添
加されるAl、Si、P、B等の軽金属元素が適当量含
有したとしても、本発明の効果を妨げるものではない。
さらに、γ−Fe2 3 、Fe3 4 、γ−Fe2 3
とFe34 とのベルトライド化合物、Co含有γ−F
2 3 、Co含有Fe3 4 、Coを含有するγ−F
2 3 とFe3 4 とのベルトライド化合物、CrO
2に1種またはそれ以上の金属元素、たとえばTe、S
b、Fe、B等を含有させた酸化物等がある。さらに、
六方晶系板状フェライトも使用可能であり、M型、W
型、Y型、Z型のバリウムフェライト、ストロンチウム
フェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライト、お
よびこれらに、保磁力を制御する目的で、Co−Ti、
Co−Ti−Zn,Co−Ti−Nb、Co−Ti−Z
n−Nb、Cu−Zr、Ni−Ti等を添加したものも
使用可能である。これら強磁性粉末は、単独で用いられ
てもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0031】また、本発明で用いる強磁性粉末の比表面
積は、30〜80m2 /g、好ましくは、40〜70m
2 /gであることが望ましい。比表面積が、上記範囲に
あると、強磁性粉末の微粒子化を伴うため、高密度記録
が可能となり、ノイズ特性の優れた磁気記録媒体を得る
ことが可能となる。さらに、本発明に用いられる強磁性
粉末は、長軸長が0.05〜0.50μm、軸比が5〜
15であることが好ましい。長軸長が0.05μm未満
であると、磁性塗料中の分散が困難となり、長軸長が
0.50μmを越えるとノイズ特性が劣化する恐れがあ
り好ましくない。軸比が5未満であると、強磁性粉末の
配向性が低下し出力の低下となり、軸比が15を超える
と短波長信号出力が低下する恐れがあり好ましくない。
板状フェライトの場合は、板径0.01〜0.5μm、
板厚0.001〜0.2μm程度が好ましい。長軸長、
軸比、板径、および板厚は、透過型電子顕微鏡写真から
無作為に選んだ100サンプル以上の平均値を採用す
る。
【0032】一方、非磁性塗料に含有させる非磁性粉末
としては、例えば、α−Fe2 3等の非磁性酸化鉄、
ゲータイト、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チ
タン、酸化錫、酸化タングステン、酸化珪素、酸化亜
鉛、酸化クロム、酸化セリウム、チタンカーバイト、B
N、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸マ
グネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸スト
ロンチウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。これら
の粉末は、単独で用いられてもよいし、複数が併用され
てもよい。これら非磁性粉末には、目的に応じて適当量
の不純物がドープされてもよいし、分散性の改良、導電
性の付与、色調の改善等の目的で、Al、Si、Ti、
Sn、Sb、Zr等の化合物にて表面処理されてもよ
い。
【0033】非磁性粉末の比表面積は、30〜80m2
/g、好ましくは40〜70m2 /gとする。また必要
に応じてゴム用ファーネス、熱分解カーボン、カラー用
ブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックが
含まれていても良い。比表面積は100〜400m2
g、DBP吸油量は20〜200ml/100gである
ことが好ましい。非磁性粉末の比表面積が、上記範囲に
あると、非磁性粉末の微粒子化を伴うため、非磁性層が
平滑化し、結果的に磁性層の平滑化が可能となる。これ
により、変調ノイズ特性が優れ、スペーシングロスの影
響の少ない磁気記録媒体を得ることが可能となる。非磁
性粉末は磁気的な凝集力を有さないので、強磁性粉末に
比べ分散が容易であるとはいえ、比表面積が上記の範囲
より大きい場合には、本発明の手法を用いても粉体の分
散が困難となる。比表面積が小さすぎると、高密度記録
に耐えられる表面平滑性が確保できない。
【0034】なお、磁性塗料、非磁性塗料には、必要に
応じて潤滑剤、非磁性補強粒子を含有させてもよい。上
記潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タ
ングステン、シリコーンオイル、炭素数10〜22の脂
肪酸、並びに、これと炭素数2〜26のアルコールから
なる脂肪酸エステル、テルペン系化合物、ならびにこれ
らのオリゴマー等ある。このような潤滑剤は、磁性層に
のみ添加されてもよいし、磁性層および非磁性層の両層
に添加されてもよい。非磁性補強粒子としては、酸化ア
ルミニウム(α、β、γ)、酸化クロム、炭化珪素、ダ
イヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタ
ンカーバイト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ル
チル、アナターゼ)等が挙げられる。これら非磁性補強
粒子が磁性塗料に添加される場合には、強磁性粉末10
0重量部に対して、20重量部以下、好ましくは、10
重量部以下とされて好適である。また、モース硬度は、
4以上、好ましくは5以上、比重は、2〜6、好ましく
は3〜5の範囲、平均粒径は、1.0μm以下、好まし
くは、0.5μm以下がよい。非磁性補強粒子の平均粒
径も、強磁性粉末の場合と同様に、透過型電子顕微鏡写
真から測定し、統計処理する。
【0035】また、磁性塗料あるいは非磁性塗料を調製
するに際して用いられる溶媒としては、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プ
ロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレ
ングリコールアセテート等のエステル系溶媒、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、2−エトキシエタノー
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶
媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四
塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0036】上述したような種々の材料から磁性塗料お
よび非磁性塗料を作成するに際しては、混練工程、混合
工程、分散工程の各工程を経る。分散および混練には、
ロールミル、ボールミル、サンドミル、アジター、ニー
ダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、超音波分散
機等が用いられる。
【0037】なお、以上のようにして作製された磁性塗
料および非磁性塗料は、非磁性支持体上に塗布され、乾
燥されることによって、磁性層および非磁性層となる
が、ここで用いられる非磁性支持体としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン類、セルローストリアセテート、セルロースジア
セテート等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド
類、ポリカーボネート類に代表されるような高分子基板
あるいは、金属、ガラス、セラミクス等により形成され
る基板が挙げられる。
【0038】このように形成された磁性塗料および非磁
性塗料を非磁性支持体上に塗布するための塗布装置とし
ては、グラビアコーター、ナイフコーター、ブレードコ
ーター、リバースロールコーター、ダイコーター等が使
用可能である。なお、ダイコーターのリップ構成として
は、2リップ方式、3リップ方式、4リップ方式等があ
る。
【0039】また、磁性塗料、非磁性塗料といった2種
類の塗料を重層塗布するには、1層ずつ塗布乾燥を行う
方式(いわゆるウエット・オン・ドライ塗布方式)を適
用してもよいし、乾燥されていない湿潤状態にある非磁
性層の上に磁性層を重ねて塗布する方式(いわゆるウエ
ット・オン・ウエット塗布方式=湿潤重層塗布方式)を
適用してもよい。
【0040】但し、特開平6−236543号公報に示
されるようなウエット・オン・ドライ方式による場合、
下層として設けられる非磁性層を、この上層に塗布され
る磁性塗料に対して十分な耐溶剤性のある材料によって
構成する必要がある。また、表面の平滑性が損なわれ、
結果的に電磁変換特性に支障をきたす虞れもある。
【0041】これに対して、ウエット・オン・ウエット
方式においては、非磁性層が湿潤状態のまま、この上に
磁性塗料を塗布するので、非磁性層の表面(即ち、磁性
層との境界面)が滑らかになると共に磁性層の表面性が
良好となり、かつ上下層間の接着性も向上する。この結
果、特に高密度記録のために高出力、低ノイズの要求さ
れる磁気記録媒体としての要求性能を満たしたものとな
り、かつ膜剥離がなくなり、膜強度が向上する。またド
ロップアウトも低減することが可能であり、信頼性も向
上する。
【0042】なお、ウエット・オン・ウエット方式を適
用する場合には、塗布装置として、ダイコーターを用い
て好適である。具体的には、非磁性塗料と磁性塗料とを
それぞれ供給する2つの塗料溜まりと、各塗料を非磁性
支持体に向かって吐出させる2つのスリットとを有する
ダイコーターを用い、走行する非磁性支持体に向かっ
て、上記2つのスリットから非磁性塗料と磁性塗料を同
時に吐出させ、非磁性塗料の塗膜上に磁性塗料の塗膜を
形成すればよい。
【0043】ウエット・オン・ウエット方式によって塗
布された磁性層と非磁性層との間には、明確な境界が実
質的に存在する場合以外に、一定の厚みをもって両層の
成分が混在してなる境界領域が存在する場合がある。後
者の場合には、こうした境界領域を除いた上層または下
層の層を磁性層、非磁性層として考えればよい。何れの
場合も、本発明の範囲に含まれる。
【0044】上述のようにして重層塗布を行った後は、
乾燥機にて乾燥させ、さらに必要とあれば、カレンダー
装置にてカレンダー処理して、巻き取りロールに巻き取
ればよい。
【0045】なお、非磁性支持体の磁性層が設けられて
いない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向上や
帯電防止および転写防止等を目的として、バックコート
層を設けてもよい。また、非磁性層と非磁性支持体との
間には、塗膜と支持体との接着性を強化する目的で、下
塗層を設けることも可能である。これは本発明における
非磁性層と異なるものであることは言うまでもない。
【0046】以上のような構成を有する本発明の磁気記
録媒体は、例えば8mm幅にスリットして磁気テープと
し、これをカセット内に収容してテープカセットとして
好適である。
【0047】ところで、本発明は、厚さ1μm以下の薄
い磁性層を有する磁気記録媒体に適用して好適である。
磁性層を薄膜化すると、記録時の自己減磁損失の低減が
可能となること、短波長での高出力が可能となること、
オーバーライトに有利となること等、電磁変換特性が向
上する。単層の磁性層を薄膜化すると、磁性層表面の平
坦性を確保することが困難となるが、本発明において
は、下塗り層として非磁性層が設けられるので、平坦性
を確保できるようになる。また、単に磁性層を薄くする
と、力学的強度が不足して、磁気記録媒体の走行耐久性
が劣化してしまうが、本発明を適用することによって、
十分な走行耐久性が確保できるようになる。また、薄い
磁性層を形成するには、微細化された強磁性粉末を用い
る必要があるが、本発明を適用すれば、微細化された強
磁性粉末をも十分に分散させることが可能である。
【0048】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例および比較例
について説明するが、本発明はこの実施例に限定される
ものではないことは言うまでもない。
【0049】実施例1 本実施例においては、磁性層にのみ官能基としてアミノ
基を有するシランカップリング剤が含有され、非磁性層
にはいずれのシランカップリング剤が含有されない磁気
テープを作製した。
【0050】先ず、下記の磁性塗料の材料を用意し、 <磁性塗料組成> Fe系メタル強磁性粉末(比表面積51m2 /g、長軸長0.12μm、 針状比6、保磁力160kA/m、 飽和磁化135Am2 /kg) 100重量部 ポリ塩化ビニル樹脂(日本ゼオン社製、商品名:MR−110)14重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡社製) 3重量部 添加剤(カーボン) 2重量部 添加剤(Al2 3 ) 5重量部 シランカップリング剤(A) 2重量部 ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部 この材料を混合し、ニーダーにより混練した後、サンド
ミルで4時間分散した。そして、架橋剤としてポリイソ
シアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名:コ
ロネートL)を3重量部添加し、さらに混合して磁性塗
料を得た。
【0051】なお、シランカップリング剤(A)は、下
記の化学式(11) H2 NC3 6 Si(OC2 5 3 ・・・(11) にて示される、官能基としてアミノ基を有するものであ
る。
【0052】また、下記の非磁性塗料の材料を用意し、 <非磁性層塗料組成> 針状α−Fe2 3 (比表面積53m2 /g、長軸長0.15μm、 針状比=8) 100重量部 ポリ塩化ビニル樹脂(日本ゼオン社製、商品名:MR−110)13重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡社製) 4重量部 ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 メチルエチルケトン 105重量部 シクロヘキサノン 105重量部 この材料を混合し、ニーダーにより混練した後、サンド
ミルで4時間分散した。そして、架橋剤としてポリイソ
シアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名:コ
ロネートL)を2重量部添加し、さらに混合して非磁性
塗料を得た。
【0053】次いで、得られた磁性塗料および非磁性塗
料を4リップ方式ダイコーターを用いて、厚さ7μmの
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に同
時重層塗布し、ソレノイドコイルにより配向処理した
後、乾燥、カレンダー処理、硬化処理を行った。これに
より、PETフィルム上に、厚さ2.0μmの非磁性層
と厚さ0.3μmの磁性層とがこの順に形成された。
【0054】また、下記のバックコート層用塗料の材料
を用意し、 <バックコート層用塗料組成> カーボンブラック(商品名:旭#50) 100重量部 ポリエステルポリウレタン(商品名:ニッポランN−2304) 100重量部 メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部 この材料を混合・混練・分散してバックコート層用塗料
を調製後、これをPETフィルムの磁性層が形成された
面とは反対面に塗布した。
【0055】その後、8mm幅にスリットしてテープ化
することにより、実施例1のサンプルテープを得た。
【0056】実施例2〜実施例6 本実施例では、磁性塗料に添加するシランカップリング
剤の種類または添加量を異ならせて磁気テープを作製し
た。
【0057】具体的には、シランカップリング剤の種類
および添加量を表1に示すように異ならせた以外は、実
施例1と同様にして磁気テープを作製し、実施例2〜実
施例6のサンプルテープを得た。
【0058】
【表1】
【0059】なお、表1では、磁性塗料に添加するシラ
ンカップリング剤の種類および添加量を「上層」の欄に
記載した。また、非磁性塗料にはシランカップリング剤
を添加していないので、「下層」の欄では、シランカッ
プリング剤の種類を「なし」とし、添加量の記載をして
いない。
【0060】ここで、シランカップリング剤(B)は、
化4に示される化学式(12)のように、官能基として
エポキシ基を有するものである。
【0061】
【化4】
【0062】また、シランカップリング剤(C)は、化
学式(13) CH2 =CHSi(OCH3 3 ・・・(13) にて示される、官能基としてビニル基を有するものであ
り、シランカップリング剤(D)は、化学式(14) OCNC3 6 Si(OC2 5 3 ・・・(14) にて示される、官能基としてイソシアネート基を有する
ものである。
【0063】実施例7〜実施例15 本実施例では、磁性塗料のみならず、非磁性塗料にもシ
ランカップリング剤を添加して磁気テープを作製した。
【0064】具体的には、シランカップリング剤として
前述したシランカップリング剤(A)〜(D)のいずれ
かを用い、これを非磁性塗料、磁性塗料に、表2に示す
ような組合わせ、添加量にて添加した以外は、実施例1
と同様にして磁気テープを作製し、実施例7〜実施例1
5のサンプルテープを得た。
【0065】
【表2】
【0066】なお、表2では、磁性塗料に添加するシラ
ンカップリング剤の種類および添加量を「上層」の欄に
記載し、非磁性塗料に添加するシランカップリング剤の
種類および添加量を「下層」の欄に記載する。
【0067】また、シランカップリング剤(A)〜
(D)は、前述した化学式(11)〜(14)に示され
るものである。
【0068】比較例1〜比較例8 ここでは、磁性層にシランカップリング剤が含有されな
い磁気テープ、磁性層に含有されるシランカップリング
剤が少なすぎる、あるいは、多すぎる磁気テープ、非磁
性層に含有されるシランカップリング剤が多すぎる磁気
テープを作製した。
【0069】具体的には、磁性塗料および非磁性塗料の
いずれにもシランカップリング剤を添加しなかった以外
は、実施例1と同様にして磁気テープを作製し、これを
比較例1のサンプルテープとした。また、磁性塗料に添
加するシランカップリング剤の添加量が多すぎる、ある
いは、少なすぎる以外は、実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製し、これを比較例2〜比較例5のサンプルテ
ープとした。さらに、非磁性塗料に添加するシランカッ
プリング剤の添加量が多すぎる以外は、実施例1と同様
にして磁気テープを作製し、これを比較例6〜比較例8
のサンプルテープとした。
【0070】なお、各サンプルテープにて、用いられた
シランカップリング剤の種類および添加量を表3にまと
める。表3においても、磁性塗料に添加するシランカッ
プリング剤の種類および添加量を「上層」の欄に記載
し、非磁性塗料に添加するシランカップリング剤の種類
および添加量を「下層」の欄に記載する。
【0071】
【表3】
【0072】シランカップリング剤(A)〜(D)は、
前述した化学式(11)〜(14)に示されるものであ
る。
【0073】特性の評価 ここで、以上のようにして作製された実施例1〜実施例
15、比較例1〜8のサンプルテープについて、電磁変
換特性、耐久性、表面粗さの評価を行った。
【0074】電磁変換特性の測定は、固定ヘッド式の電
磁変換特性測定機を用いて行った。この測定機は回転す
るドラムとこれに接触するヘッドから構成されており、
テープはドラムに巻き付けられる。実際の測定は、まず
各テープの最適記録電流で7MHzの矩形波信号を記録
し、スペクトラムアナライザーにより7MHzの出力レ
ベルを検出した。なお、テープとヘッドとの相対速度は
3.33m/sとし、リファレンス(0dB)には、ソ
ニー社製、商品名:8mmHi8テープを用いた。
【0075】耐久性を評価するためには、スチル耐久性
を測定した。具体的には、8mmビデオデッキ(ソニー
社製、商品名:EV−S55)を改造したものを用い
て、5℃の環境下で60分間スチル状態を継続した後の
出力の変化を読みとった。
【0076】また、各テープについて、光干渉方式によ
る非接触型表面粗さ計を用いて中心線平均粗さ(Ra)
も測定した。
【0077】これらの測定結果を表4、表5に示す。
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】表4、表5より、磁性層にシランカップリ
ング剤が含有されていないか、含有されても非常に少な
い量である比較例1、比較例2のサンプルテープは、シ
ランカップリング剤による分散効果が発揮されず、この
結果、出力が低く、スチル耐久性が悪いものとなってい
る。また、表面平滑性も十分でない。比較例3〜5,
6,8のサンプルテープにおいては、磁性層または非磁
性層に含まれるシランカップリング剤の量が多すぎるた
めに、粉体の分散が損なわれ、出力、表面粗さが劣悪と
なっている。また、比較例5,7のサンプルテープにつ
いては、塗布欠陥が多く良好な塗膜は得られなかった。
【0081】これに対し、磁性層に適量のシランカップ
リング剤が含有されている実施例1〜実施例6のサンプ
ルテープ、磁性層および非磁性層の両層に適量のシラン
カップリング剤が含有されている実施例7〜実施例15
のサンプルテープは、表面が平滑であり、且つ、電磁変
換特性、スチル耐久性共に優れていることがわかる。な
お、磁性層に含有させるシランカップリング剤と、非磁
性層に含有させるシランカップリング剤との組合わせ、
これらシランカップリング剤の添加量によっては、磁性
層にのみシランカップリング剤が含有される場合より、
非磁性層にもシランカップリング剤を含有させた方が、
磁性層表面を平滑化する効果が高くなることがわかる。
これは、非磁性塗料にシランカップリング剤を添加する
ことにより、非磁性粉末の分散性が向上し、非磁性層が
平滑化されたことによる。
【0082】以上の結果より、非磁性支持体上に非磁性
層、磁性層がこの順に設けられてなる重層塗布型の磁気
記録媒体において、磁性層、あるいは、磁性層および非
磁性層の両層に、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、イ
ソシアネート基より選ばれる1種類以上の官能基を有す
るシランカップリング剤が適量含有されると、高い電磁
変換特性と、優れた走行耐久性とを達成できるようにな
ることがわかった。
【0083】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
を適用すると、高い電磁変換特性を有し、且つ、優れた
走行耐久性を有する重層塗布型の磁気記録媒体を提供す
ることができる。
【0084】したがって、1μm以下の極めて薄い磁性
層を有する磁気記録媒体においても、十分な電磁変換特
性および走行耐久性を確保でき、さらなる高密度記録化
を図ることも可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、非磁性粉末と結合剤
    とを主体とする非磁性層が設けられ、その上に、強磁性
    粉末と結合剤とを主体とする磁性層が設けられてなる重
    層塗布型の磁気記録媒体において、 前記磁性層に、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、イソ
    シアネート基より選ばれる1種類以上の官能基を有する
    シランカップリング剤と、ポリイソシアネート化合物と
    が含有されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記シランカップリング剤の含有量は、
    強磁性粉末100重量部に対して0.5〜5重量部であ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記非磁性層にも、アミノ基、エポキシ
    基、ビニル基、イソシアネート基より選ばれる1種類以
    上の官能基を有するシランカップリング剤と、ポリイソ
    シアネート化合物とが含有されることを特徴とする請求
    項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記シランカップリング剤の含有量は、
    非磁性粉末100重量部に対して0.5〜5重量部であ
    ることを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。
JP28419695A 1995-10-31 1995-10-31 磁気記録媒体 Withdrawn JPH09128736A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007287198A (ja) * 2006-04-13 2007-11-01 Sony Corp 磁気記録媒体

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