JPH10241153A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10241153A
JPH10241153A JP4447097A JP4447097A JPH10241153A JP H10241153 A JPH10241153 A JP H10241153A JP 4447097 A JP4447097 A JP 4447097A JP 4447097 A JP4447097 A JP 4447097A JP H10241153 A JPH10241153 A JP H10241153A
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JP
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magnetic
binder
group
recording medium
powder
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JP4447097A
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Inventor
Kenichi Kurihara
研一 栗原
Noriyuki Kishii
典之 岸井
Yuichi Sasaki
勇一 佐々木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性層中の強磁性粉末の分散性を向上させ、
これによって高い電磁変換特性を有するようにする。 【解決手段】 非磁性支持体上に結合剤と比表面積35m
2/g以上の磁性粉末を主体とする磁性塗料が塗布され磁
性層が形成されてなる磁気記録媒体において、前記磁性
層内に金属と錯体形成能を有するジケトン化合物を含有
し、かつ結合剤中に極性基として第4級アンモニウム塩
を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粉末と結合剤
とを主成分として含有した磁性層を有し、特に高密度記
録に好適な高い電磁変換特性および優れた走行耐久性を
有する磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、オーディオ用テープ、
ビデオテープ、バックアップ用データーカートリッジ、
フロッピーディスク等として広く利用されている。特に
最近では、記録波長の短波長化、あるいはディジタル記
録方式等、高密度記録の検討が盛んに行われており、電
磁変換特性の優れた磁気記録媒体の開発が要求されてい
る。
【0003】塗布型磁気記録媒体においては、電磁変換
特性を向上させるために磁性層の薄膜化が検討されてい
る。これは記録時の自己減磁損失を低減することにより
電磁変換特性を向上させる方法であり、近年種々の塗布
方式が提案されている。
【0004】また、一般に記録再生時のスペーシングロ
スを最小限にするために表面の平滑化が図られている。
高密度記録においては使用する記録波長が短いため、表
面の粗さの影響を受けやすく、表面粗さの制御が特に重
要である。
【0005】更に、強磁性粉末の改良も有効な手法であ
る。具体的には、(1)強磁性粉末として強磁性合金粉
末の使用、(2)強磁性粉末の微細化、(3)強磁性粉
末の保磁力の増加及び保磁力分布の均一比等が挙げられ
る。(1)、(2)については、磁性材料の改良が積極
的に進められた結果、現在では飽和磁化が140Am2
/kgを超える強磁性粉末や長軸長0.1μm以下の強
磁性粉末が開発されている。また(3)については、保
磁力が160kA/mを超える強磁性粉末も現れている
し、保磁力分布を反映する粒子サイズ分布も極めて均一
化する等、目ざましい発展が見られる。
【0006】ところで磁気記録媒体が良好な電磁変換特
性を発揮するためには、強磁性粉末は結合剤中に均一に
分散されていなければならないが、強磁性粉末の微細化
に伴って、結合剤中への粉体の分散は困難になる傾向が
ある。このような課題を解決する手法として、磁性塗料
を調整する際に行う混線あるいは分散の所要時間を長く
することが考えられるが、磁性粉末の損傷や製造効率の
低下の問題が生じ好ましくない。
【0007】一方、結合剤に−SO3M、−OSO3M、
−COOM、P=O(OM)2、−NR12、−NR1
23 +-、>NR12 +-等の官能基を含有させること
で強磁性粉末との相互作用を強化し、分散性を向上させ
る試みもなされている。しかしながら、前記官能基を有
する結合剤は従来の結合剤に比べ優れた性能を発揮する
ものの、高密度記録用として開発された微細な強磁性粉
末を十分に分散させるのは末だ困難であるというのが現
状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
実情に鑑みてなされたものであって、磁性層中の強磁性
粉末の分散性を向上させ、これによって高い電磁変換特
性を有する磁気記録媒体を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成せんものと様々な角度から鋭意検討を重ねてき
た。その結果、結合剤と磁性粉末を主体とする磁性層を
有する磁気記録媒体であって、結合剤中に極性基として
第4級アンモニウム塩を含有し、かつ前記磁性内に磁性
粉表面処理剤として適正な比率でジケトン化合物を添加
することで、優れた電磁変換特性および走行耐久性が得
られることを見いだし、本発明を完成するに至ったもの
である。
【0010】即ち、非磁性支持体上に結合剤と比表面積
35m2/g以上の磁性粉末を主体とする磁性塗料が塗
布され磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、
前記磁性層内の結合剤中に極性基として第4級アンモニ
ウム塩を含有し、かつ金属と錯体形成能を有するジケト
ン化合物を磁性粉末の表面処理剤として含有することを
特徴とするものである。
【0011】本発明の磁気記録媒体において、強磁性粉
末の表面処理剤として使用されるジケトン化合物は下記
の化4で表されることが望ましい。
【0012】
【化4】
【0013】この化4において、R1〜R3のうち少なく
とも1つはカルボキシル基を有し、それ以外は水素、ハ
ロゲン、およびこれらで置換されたアルキル基、アリー
ル基、複素芳香族から選ばれる1種である。
【0014】本発明によれば、磁性層に用いたジケトン
化合物が強磁性粉末の表面に配位吸着することによっ
て、ジケトン化合物が分散剤として機能し、強磁性粉末
の分散性を向上させる。これによって、強磁性粉末の特
性が十分に発揮され、磁気記録媒体の電磁変換特性が向
上する。更に、該ジケトン化合物は強磁性粉末に対して
速い速度で吸着する吸着するため、これら粉末の分散速
度が速く、分散に要する時間の短縮が可能である。
【0015】また、ジケトン化合物中に含有するカルボ
キシル基が、結合剤中に含有する極性基である第4級ア
ンモニウム塩と相互作用を及ぼすため、強磁性粉と結合
剤の界面の付着力が増し、その結果テープの走行耐久性
が向上する。
【0016】磁性層に含有するジケトン化合物の量は、
強磁性粉末あるいは非磁性粉末100重量部に対して
0.3重量部から10重量部である。含有量が上記の量
より多い場合には、結合剤と末反応の官能基が磁性層中
に多く残存し、これらが相互作用を及ぼす合うため分散
性が低下する。一方、ジケトン化合物の含有量が上記の
量より少ない場合には、粉体の分散剤としての機能が発
揮されない。分散剤としての機能が十分発揮させるに
は、その添加重が1.0重量部から5.0重量部である
ことが望ましい。
【0017】また添加の際、前添加量が前述した範囲内
であれば、2種類以上のジケトン化合物を同時添加して
も構わないし、他の分散剤と併用して使用しても構わな
い。
【0018】磁性塗料塗料は、実際には、ジケトン化合
物を強磁陸粉末と結合剤と同時に混合し、溶剤と共に混
線、分散を行う方法、あるいは予めジケトン化合物で処
理した粉末を結合剤と溶剤と共に混線、分散を行う方法
によって調整される。
【0019】結合剤中に含有する第4級アンモニウム塩
は化5及び/又は化6で表される。そして、その含有量
は、0.001mmol/gから1mmol/gの範囲
である。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】これは、含有量が0.001mmol/g
以下の場合、結合剤と表面処理剤の界面間の相互作用が
弱くなるため、十分な走行耐久性を確保できない。一
方、1mmol/g以上になると塗料の粘度が増し、強
磁性粉末の分散性が阻害されるのみならず、チープ表面
の平滑性も悪化し、良好な電磁変換特性が得られないか
らである。従って、第4級アンモニウム塩の含有量を、
0.001mmol/gから1mmol/gの範囲とす
る必要があり、0.001mmol/gから0.3mm
ol/gの範囲内にすることが望ましい。
【0023】非磁性支持体上の上記磁性層が設けられて
いない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向上や
帯電防止および転写防止等を目的として、バックコート
層を設けてもよい。
【0024】また、磁性層と非磁性支持体との間に、磁
性層の平滑性を得る目的で、非磁性粉末を結合剤中に分
散させた非磁性層(下層)を設けることも可能である。
これは一般に重層塗布型磁気記録媒体と呼ばれるもので
ある。
【0025】本発明の磁性層に含有させる結合剤は、従
来より磁気記録媒体用の結合剤として使用される公知の
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等が使用可能
であり、数平均分子量が5000から100000のも
のが好ましい。熱可塑性樹脂の例としては塩化ビニル、
酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロ
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニルー塩化
ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共
重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合
体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メ
タクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタク
リル酸エステル−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エ
ステル−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、塩化ビ
ニリデン−アルリロニトリル共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニル
ブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテート
ブチレート、セルロースダイアセテート、セルロースト
リアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセル
ロース)、スチレンブタジエン共重合体、ポリウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴム等が挙
げられる。また熱硬化性樹脂または反応型樹脂の例とし
てはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン棚旨、アルキッド樹脂、シ
リコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド
樹脂等が挙げられる。また上記の全ての結合剤には、前
述した4級アンモニウム塩以外に、顔料の分散性を向上
させる目的で−SO3M、−OSO3M、−COOM、P
=O(OM)2等の極性官能基が導入されていても良
い。ここで、式中Mは、水素原子あるいは、リチウム、
カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属である。また、
−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の極性官能基も
ある。これら極性官能基の量は、0.001mmol/
gから1mmol/gであり、好ましくは0.01mm
ol/gから0.3mmol/gである。これら結合剤
は、1種単独で用いられることが可能であるが、2種以
上を併用することも可能である。塗膜におけるこれら結
合剤は、上記強磁性粉末または非磁性粉末100重量部
に対して、1重量部から200重量部、好ましくは、1
0重量部から50重量部である。結合剤の使用量が多す
ぎると、上層においては相対的に強磁性粉末の磁性層に
占める割合が低下して出力の低下となるし、また、ドラ
イブでの繰り返し摺動などにより塑性流動を起こしやす
く、媒体の走行耐久性の低下につながる。一方、結合剤
の使用量が少なすぎると塗膜が脆くなり、媒体の走行耐
久性が低下する。
【0026】本発明では、上記結合剤を架橋硬化させる
ポリイソシアネートを併用することが可能である。この
ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネー
トならびに、これの付加体、アルキレンジイソシアネー
トならびに、これの付加体等がある。これらポリイソシ
アネートの上記結合剤への配合量は、上記結合剤100
重量部に対して、5重量部から80重量部、好ましく
は、10重量部から50重量部である。
【0027】本発明の磁性層で用いられる強磁性粉末と
しては、Fe、Co、Ni等の金属、Fe−Co、Fe
−Ni、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Al−
P、Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−Si−Al
−Mn、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−
Ni、Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni
−Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co−B、Mn
−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V、等の合金、窒化
鉄、炭化鉄等が挙げられる。もちろん、還元時の焼結防
止または形状維持等の目的で添加されるAl、Si、
P、B等の軽金属元素が適当量含有したとしても、本発
明の効果を妨げるものではない。更に、γ−Fe23
Fe34、γとFe34とのベルトライド化合物、Co
含有γ−Fe23、Co含有Fe34、Coを含有する
γ−Fe23とFe34とのベルトライド化合物、Cr
2に1種またはそれ以上の金属元素、たとえばTe、
Sb、Fe、B等を含有させた酸化物等がある。さら
に、六方晶系板状フェライトも使用可能であり、M型、
W型、Y型、Z型のバリウムフェライト、ストロンチウ
ムフェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライト、
及びこれらに、保磁力を制御する目的で、Co−Ti、
Co−Ti−Zn、Co−Ti−Nb、Co−Ti−Z
n−Nb、Cu−Zr、Ni−Ti等を添加したものも
使用可能である。これら強磁性粉末は、それぞれ1種を
用いることも可能であるが、2種以上を併用することも
可能である。また、本発明に用いる強磁性粉末の比表面
積は、30m2/gから80m2/g好ましくは、40m2
/gから70m2/gであることが望ましい。比表面積
が、上記範囲にあると、強磁性粉末の形状の微粒子化を
伴い、高密度記録が可能となり、ノイズ特性の優れた磁
気記録媒体を得ることが可能である。さらに、本発明に
用いられる強磁性粉末は、長軸長0.05μmから0.
50μm、軸比が2から15であることが好ましい。長
軸長が0.05μm未満であると、磁性塗料中の分散が
困難となり、長軸長が0.50μmを越えるとノイズ特
性が劣化する恐れがあり好ましくない。軸比が5未満で
あると、強磁性粉末の配向性が低下し出力の低下とな
り、軸比が15を超えると短波長信号出力が低下する恐
れがあり好ましくない。板状フェライトの場合は、板径
0.01μm〜0.5μm、板厚0.001μmから
0.2μm程度が好ましい。長軸長、軸比、板径、及び
板厚は、透過型電子顕微鏡写真から無作為に選んだ10
0サンプル以上の平均値を採用する。
【0028】本発明において、重層塗布を行う場合に下
層に含有させる非磁性粉末として用いられるものは、例
えば、α−Fe23等の非磁性酸化鉄、ゲータイト、ル
チル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、酸化錫、
酸化タングステン、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化クロム、
酸化セリウム、チタンカーバイト、BN、α−アルミ
ナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸マグネシウム、炭
酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、チ
タン酸バリウム等があり、これらの粉末は、単独で用い
ることも可能であるし、複数を混合して用いることも可
能である。上記非磁性粉末は、目的に応じて適当量の不
純物をドープすることも可能であるし、分散性の改良、
導電性の付与、色調の改善等の目的で、Ai、Si、T
i、Sn、Sb、Zr等の化合物で表面処理することも
可能である。非磁性粉末の比表面積は、30m2/gか
ら80m2/g、好ましくは40m2/gから70m2
gである。また必要に応じてゴム用ファーネス、熱分解
カーボン、カラー用ブラック、アセチレンブラック等の
カーボンブラックが含まれていても良い。比表面積は1
00m2/gから400m2/g、DBP吸油量は20m
l/100gから200ml/100gであることが好
ましい。非磁性粉末及びカーボンブラックの比表面積
が、上記範囲にあると、形状の微粒子化を伴い、下層が
平滑化し、結果的に上層の平滑化が可能となる為、変調
ノイズ特性が優れ、スペーシングロスの影響の少ない磁
気記録媒体を得ることが可能である。
【0029】本発明においては、必要に応じて潤滑剤を
前記磁性層に含有させることが可能である。上記潤滑剤
としては、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ン、シリコーンオイル、炭素数10から22までの脂肪
酸、並びに、これと炭素数2から26までのアルコール
からなる脂肪酸エステル、テルペン系化合物、ならびに
これらのオリゴマー等ある。
【0030】また本発明において前記磁性層に研磨剤粒
子を含有させることが可能である。これらの例として
は、酸化アルミニウム(α、β、γ)、酸化クロム、炭
化珪素、ダイヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホ
ウ素、チタンカーバイト、炭化珪素、炭化チタン、酸化
チタン(ルチル、アナターゼ)等がある。これらの粒子
は、強磁性粉末100重量部に対して、20重量部以
下、好ましくは、10重量部以下がよい、又、モース硬
度は、4以上、好ましくは5以上、比重は、2〜6、好
ましくは3〜5の範囲、平均粒径は、0.5μm以下、
好ましくは、0.3μm以下がよい。非磁性補強粒子の
平均粒径も、強磁性粉末の場合と同様に、透過型電子顕
微鏡写真から測定し、統計処理する。
【0031】非磁性支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンー2,6ーナフタレート等の
ポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポ
リカーボネート類に代表されるような高分子材料あるい
は、金属、ガラス、セラミクス等により形成される支持
体等である。
【0032】上記非磁性支持体上に塗膜を形成するに
は、前記磁性層形成材料を塗料として塗布乾燥して形成
されるが、この塗料化に用いられる溶剤は、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、
エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、2−エトキシエ
タノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素系溶媒等が用いられる。
【0033】上記塗料の作成は混練工程、混合工程、分
散工程の各工程によって行われる。分散及び混線には、
ロールミル、ボールミル、サンドミル、アジター、ニー
ダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、超音波分散
機等が用いられる。
【0034】磁性塗料調整後、この磁性塗料を前記の非
磁性支持体上に吹き付けまたはロール塗布等の任意の方
法で塗布し、乾燥させればよい。更に必要とあれば、カ
レンダー装置に導き、巻き取りロールに巻き取る。更に
バックコート層を重層塗布層の反対面に塗布した後、例
えば8mm幅にスリットして磁気テープを作成し、これ
をカセット内に収容してテープカセットを製造する。
【0035】本発明の磁気記録媒体によれば、磁性層中
に含まれるジケトン化合物が分散剤としての機能をはた
し、強磁性粉末を均一に分散することができ、かつ結合
剤と強磁性粉末との界面の相互作用を向上させるので得
られる磁気記録媒体において優れた電磁変換特性および
走行耐久性が確保できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例及
び比較例について説明するが、本発明はこの実施例に限
定されるものではないことは言うまでもない。
【0037】<磁性塗料の調整及び磁気記録媒体の作製
>下記の組成にて塗料化を行った。塗料化は、常法に従
い、粉末、結合剤、添加剤、所定量の溶剤とジケトン化
合物を混合し、エクストルーダーにより混線した後、サ
ンドミルで6時間分散した。
【0038】 <磁性層塗料組成> Fe系メタル強磁性粉末 100重量部 (保磁力=160kA/m、飽和磁化量=145Am2/kg、 比表面積=51m2/g、長軸長=0.08μm、針状比=3) ポリ塩化ビニル樹脂 14重量部 (極性基含有量0.05mmol/g Tg=73℃) ポリエステルポリウレタン樹脂 3重量部 (極性基含有量0.08mmol/g Tg=70℃) 添加剤(Al23) 5重量部 ジケトン化合物(表1に記載) (表1に記載) ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部
【0039】
【表1】
【0040】得られた塗料にポリイソシアネートを3重
量部を加えて、厚さ7μmのPET(ポリエチレンテレ
フタレート)フィルム上に厚みが6.5μmになるよう
に塗布し、ソレノイドコイルにより配向処理した後、乾
燥、カレンダー処理、硬化処理を行った。更に下記の組
成のバック塗料を上記塗布面の反対面に塗布し、8mm
幅にスリットしてテープ化した。
【0041】 <バック塗料組成> カーボンブラック(旭カーボン社製 商品名:旭#50) 100重量部 ポリエステルポリウレタン 100重量部 (ニッポラン社製 商品名:ニッポランN‐2304) メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部実施例1〜12および比較例1〜5 上記表1に示すジケトン化合物を分散剤として使用し、
上記した方法に従って磁気テープ(サンプルテープ1〜
12,比較テープ1〜5)を得た。尚、比較例1には市
販の8mmVTR用テープを用いた。また、比較例5は
カルボキシル基を含まないジケトン化合物を使用した。
【0042】電磁変換特性の測定は、固定ヘッド式電特
測定機を用いて行った。この測定機は回転するドラムと
これに接触するヘッドから構成されており、テープはド
ラムに巻き付けられる。実際の測定は、まず、各テープ
の最適記録電流で10MHzの矩形波信号を記録し、ス
ペクトラムアナライザーにより10MHzの出力レベル
を検出するものである。尚、テープーヘッド間の相対速
度は3.33m/sとし、リファレンス(0dB)には
市販の8mmVTR用テープを用いた。
【0043】各テープについて、レーザー光干渉方式に
よる非接触型表面粗さ計を用いて中心線平均粗さ(R
a)を測定した。
【0044】スチル特性の測定は、8mmビデオデッキ
を耐久性試験用に改造し、回転ドラムと記録再生機能を
持ち、テープの同一部分のみの出力変化を追うことがで
きる装置を使用した。出力が再生1回目の半分になるま
での時間(分)を測定し、測定は最長120分とした。
以上の結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2より、本発明の実施例は比較例1の市
販の8mmVTR用テープあるいは分散剤を添加してい
ない比較例2と比較して表面が平滑であり、かつ電磁変
換特性に優れることがわかる。また、添加量の少ない比
較例3ではジケトン化合物の効果が発揮されず、出力が
低い。また表面平滑性も十分でない。比較例4は磁性層
に含まれるジケトン化合物の量が多すぎる例で、粉末の
分散が損なわれ、出力、表面粗さが悪化した。比較例5
はカルボキシル基を含まない例で、優れた電磁変換特性
は得られるものの、スチル特性が不十分で、良好な走行
耐久性は得られない。このことから、ジケトン化合物中
のカルボキシル基が不可欠であることが判る。
【0047】実施例1乃至12ではいずれのサンプルに
おいても高い出力およびスチル耐久性が得られている
が、添加重には最適値が存在し、実施例l乃至3の5重
量部以下が最も効果がある。また、化4におけるR1
至R3を変化させても特に特性上大きく変化せず、良好
な値が得られている。
【0048】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体によれば、磁性層
中に含まれるジケトン化合物が分散剤としての機能をは
たし、強磁性粉末を均一に分散することができ、かつ結
合剤と強磁性粉末との界面の相互作用を向上させるので
得られる磁気記録媒体において優れた電磁変換特性およ
び走行耐久性が確保できる。
【0049】従って本発明により、高密度記録に好適な
高い電磁変換特性および走行耐久性を有する塗布型磁気
記録媒体が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に結合剤と比表面積35
    2/g以上の磁性粉末を主体とする磁性塗料が塗布され
    磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、 前記磁性層内に金属と錯体形成能を有するジケトン化合
    物を含有し、かつ結合剤中に極性基として第4級アンモ
    ニウム塩を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 ジケトン化合物が下記の化1で表される
    請求項1に記載の磁気記録媒体。 【化1】 (R1乃至R3のうち、少なくとも1つはカルボキシル基
    を所有し、それ以外は水素、ハロゲン、およびこれらで
    置換されたアルキル基、アリール基、複素芳香族から選
    ばれる1種である。)
  3. 【請求項3】 前記磁性層に、化1で表される1種類以
    上のジケトン化合物が含有していることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記磁性層に含有するジケトン化合物の
    含有量が、強磁性粉末100重量部に対して0.3重量
    部から10重量部であることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記結合剤中に含有する第4級アンモニ
    ウム塩が下記の化2及び/又は化3で表せる請求項1に
    記載の磁気記録媒体。 【化2】 【化3】 (R4,R5,R6は水素あるいは炭素数10以下のアル
    キル基またはアリール基当の脂肪族、ないしフェニル
    基、ベンジル基等の芳香族である。X-は有機または無
    機のアニオンである。)
  6. 【請求項6】 前記結合剤中に含有する第4級アンモニ
    ウム塩の含有量が、0.001mmol/gから1mm
    ol/gの範囲である請求項1に記載の磁気記録媒体。
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