JP2002373413A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2002373413A
JP2002373413A JP2001180364A JP2001180364A JP2002373413A JP 2002373413 A JP2002373413 A JP 2002373413A JP 2001180364 A JP2001180364 A JP 2001180364A JP 2001180364 A JP2001180364 A JP 2001180364A JP 2002373413 A JP2002373413 A JP 2002373413A
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Kazuhiko Morisawa
和彦 守澤
Akira Takahashi
亮 高橋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の表面性の向上、磁気特性の向
上を図る。 【解決手段】 磁気記録媒体10の磁性層2形成用の塗
料中に、分散剤として、カルボキシル基およびヒドロキ
シル基を分子中に有する縮合環の芳香族化合物を、強磁
性粉末100〔重量部〕に対して0.4〜10〔重量
部〕添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に係
わる。
【0002】
【従来の技術】非磁性支持体上に磁性層が形成されてな
る磁気記録媒体は、オーディオ装置やビデオ装置、コン
ピュータ装置等において外部記憶媒体として従来から広
く利用されている。磁気記録媒体は、その製造法により
塗布型と金属薄膜型とに分けられる。
【0003】金属薄膜型の磁気記録媒体は、非磁性支持
体上に真空蒸着やスパッタリング等により磁性層が形成
された構成を有し、磁性層中に結合剤が含有されないの
で高い飽和磁化が得られ、塗布型の磁気記録媒体に比し
て高密度化に好適であるという利点があるが、反面製造
上コスト高に成りやすいという欠点を有している。
【0004】一方、塗布型の磁気記録媒体は、磁性金属
粉末や酸化鉄等よりなる強磁性粉末、結合剤、および有
機溶剤等を含有する磁性塗料を非磁性支持体上に連続的
に塗布し、乾燥することによって作製され、上記金属薄
膜型の磁気記録媒体に比してコスト安であるという利点
を有している。しかし、実用用良好な耐久性を付与させ
るためには、磁性層中に結合剤の他に潤滑剤や研磨剤等
の各種添加剤よりなる、磁性材料以外のものを含有させ
なければならず、磁性材料の充填度が低下するため、出
力が低下してしまうという問題を生じる。
【0005】近年、IT分野における技術成長は著し
く、それに伴い、磁気記録媒体においては、さらなる高
密度記録化、大容量化が進められ、磁気記録媒体の特性
向上への要求が高まって来ている。
【0006】このような状況から、磁気記録媒体のさら
なる高密度記録化、高速記録化を目的として、磁性層を
形成する各種原材料についての検討がなされており、例
えば、塗布型の磁気記録媒体においては、強磁性粉末の
改良が進められている。具体的方法として、第1には高
飽和磁化が得られる強磁性金属粉末を使用すること、第
2には強磁性粉末を微細化させること、第3には強磁性
粉末の保磁力の増加および保磁力分布の均一化をはかる
ことが挙げられる。
【0007】上記第1の方法については、現在において
は飽和磁化が140〔Am2 /kg〕を超える強磁性粉
末が開発されており、上記第2の方法においては、平均
長軸長0.1〔μm〕もの微細な強磁性粉末が開発され
ている。また、第3の方法においては、保磁力が170
〔kA/m〕を超える強磁性金属が開発されており、保
磁力分布を反映する粒子サイズも極めて均一化する等、
目ざましい発展が見られる。
【0008】また、特に信号再生用の磁気ヘッドとし
て、高感度の磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)
を用いる場合に対応するため、磁性層を構成する強磁性
粉末として、バリウムフェライト等の微細で高保磁力が
得られる六方晶板状フェライトを適用することも検討さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁性層
を構成する強磁性粉末を微細化させると、磁性塗料中に
おける分散性が悪化するという問題が生じた。磁性塗料
中における強磁性粉末の分散不良は、磁気記録媒体の出
力の低下を招来し、かつ磁性層の表面性を悪化させ、ノ
イズを上昇させため、従来から強磁性粉末の分散性の向
上を図るための検討がなされてきた。
【0010】例えば、磁性塗料中の結合剤分子の骨格中
に強磁性粉末と強い相互作用がある極性官能基を導入し
たり(例えば、特開平10−334449号公報)、磁
性塗料中にシランカップリング剤やチタネートカップリ
ング剤のような各種分散剤を添加したりすることが提案
されている(例えば、特開平9−128736号公
報)。また、磁性塗料の分散工程において強磁性粉末の
凝集体へ機械的エネルギーを強力に付与できる分散機の
改良、開発もなされている。
【0011】また、強磁性粉末の分散性の向上を図るた
めには、結合剤の分子量を低下させることが有効である
ことが知られているが、結合剤分子に導入する極性基種
によっては、磁性塗料を非磁性支持体上に塗布する際
に、長手方向に筋が発生し大きなうねり成分となって現
れるため、変調ノイズの増大をもたらし、磁気記録媒体
の特性上、重大な支障を来すおそれがある。
【0012】特に磁性塗料中の強磁性粉末として、六方
晶系板状フェライトを用いる場合においては、粒子間の
スタッキングにより、凝集が生じやすく、分散性を向上
させることが必要とされている。
【0013】そこで、本発明においては、いわゆる塗布
型の磁気記録媒体において、磁性塗料中の強磁性粉末の
分散性の向上を図ることを目的とするものであるが、特
に、六方晶系板状フェライトを適用する場合における分
散性の向上について着目し、高密度記録に好適で、かつ
高い電磁変換特性を有する磁気記録媒体を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、非磁性支持体上に、少なくとも強磁性粉末と結合剤
とを含有する磁性塗料を塗布することによって形成され
た磁性層を有するいわゆる塗布型の磁気記録媒体である
ものとし、磁性層中には、カルボキシル基と、少なくと
も1以上のヒドロキシル基とを有し、芳香環が2個以上
の場合には縮合環である芳香族化合物を、強磁性粉末1
00〔重量部〕に対し、0.4〔重量部〕〜10〔重量
部〕含有しているものとする。
【0015】本発明によれば、強磁性粉末として、特に
六方晶系板状フェライトを用いた場合においても、良好
な分散性が得られることから、高密度記録に好適で、か
つ高い電磁変換特性を有する磁気記録媒体が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体につ
いての一実施の形態を、図を参照して説明する。なお、
本発明の磁気記録媒体は、以下に示す例に限定されるも
のではない。
【0017】図1に示す磁気記録媒体10は、非磁性支
持体1の一主面上には、磁性塗料を塗布することによっ
て形成した磁性層2が設けられてなる構成を有する。
【0018】非磁性支持体1としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等
のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリカーボネート類に代表されるよう
な高分子材料が挙げられる。
【0019】非磁性支持体1は、各種表面処理や各種装
飾を施してもよい。例えば、適宜微細な凹凸形状を形成
したり、表面に、コロナ放電処理や電子線照射処理等
の、前処理を施したりしてもよい。また、非磁性支持体
1上には、後述する磁性層2やその他の非磁性層(図示
せず)との間の密着性を向上させるために、下塗り層を
形成してもよい。この場合、下塗り層の厚さは、0.0
1〜1〔μm〕とすることが好適であり、さらには0.
03〜0.5〔μm〕とすることが望ましい。下塗り層
の形成に際しては、従来から磁気テープ、磁気ディスク
において用いられている公知の材料を適用することがで
きる。
【0020】次に、非磁性支持体1上に形成する磁性層
2について説明する。磁性層2は、強磁性粉末、結合剤
(バインダー)、その他、硬化剤、分散剤、帯電防止
剤、防錆剤等の添加剤、および有機溶剤を用いて、これ
らを従来公知の方法により、調整することにより磁性塗
料を作製し、この磁性塗料を非磁性支持体1上に所定の
厚さに塗布することによって形成される。
【0021】本発明の磁気記録媒体10の磁性層2を構
成する強磁性粉末については、M型、W型、Y型、Z型
のバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、カ
ルシウムフェライト、鉛フェライト等の六方晶系板状フ
ェライトを適用する。
【0022】上記強磁性粉末の保磁力を制御するため
に、Co−Ti,Co−Ti−Zn,Co−Ti−N
b,Co−Ti−Zn−Nb,Cu−Zr,Ni−Ti
等を添加することもでき、保磁力は1800〜3500
〔Oe〕程度に制御することが好適である。強磁性粉末
の比表面積は、20〜80〔m2 /g〕さらには30〜
70〔m2/g〕であることが望ましい。比表面積が上
記範囲内であると、強磁性粉末が微細化され、最終的に
得られる磁気記録媒体の高密度記録化が可能となり、S
/N特性の向上を図ることができる。
【0023】また、本発明の磁気記録媒体10において
は、磁性層2形成用の強磁性粉末として適用する六方晶
系板状フェライトの平均板径は、0.01〜0.1〔μ
m〕であるものとする。これは、六方晶系板状フェライ
トの平均板径が0.01〔μm〕未満であると、磁性塗
料中において充分な分散性を確保することが困難にな
り、また、平均板径が0.1〔μm〕よりも大きくなる
と、磁気記録媒体10のノイズ特性が劣化し、高密度記
録媒体として充分に機能しなくなるおそれがあるからで
ある。なお、六方晶系板状フェライトの板径および板厚
は、電子顕微鏡写真によって測定するものとし、100
以上のサンプルを無作為に選出して平均値を求めること
によって得られる。また、強磁性粉末の含水率は、0.
1〜3〔%〕程度とすることが好適である。
【0024】次に、磁性塗料中の結合剤(バインダー)
について説明する。結合剤の種類は特に限定されるもの
ではなく、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応
型樹脂等が適用可能である。
【0025】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル、酢酸
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン
共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重
合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、メ
タクリル酸エステル−エチレン共重合体、ポリフッ化ビ
ニル、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体
(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイア
セテート、セルローストリアセテート、セルロースプロ
ピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン
共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アミ
ノ樹脂、合成ゴム等が挙げられる。熱硬化性樹脂、また
は反応型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、
尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
【0026】本発明の磁気記録媒体においては、重量平
均分子量が5000〜15000であって、分子中に極
性基を有する結合剤が、全結合剤に対して50〔重量
%〕以上含有されていることが望ましい。重量平均分子
量が上記範囲であって分子中に極性基を有する結合剤を
全結合剤に対して50〔重量%〕以上含有させることに
より、強磁性粉末の分散性の向上を図ることができる。
【0027】重量平均分子量が5000未満であると、
強磁性粉末の分散性の低下のほかに、塗布膜の強度が不
充分で所望の走行耐久性が得られないなどの弊害が生じ
ることがある。逆に重量平均分子量が15000を超え
ると、強磁性粉末の分散性が低下するという傾向があ
る。また、重量平均分子量が5000〜15000の結
合剤が、全結合剤に対して50〔重量%〕未満である場
合にも、強磁性粉末の分散性が低下する傾向がある。な
お、重量平均分子量とは、ゲルパーミネーションクロマ
トグラフィー(GPC)により測定された値とする。
【0028】本発明の磁気記録媒体においては、磁性層
2を形成するために用いる結合剤が、極性官能基とし
て、4級アンモニウム塩または3級アミンを含有してい
ることが望ましい。4級アンモニウム塩または3級アミ
ンを含有していることにより、磁性塗料塗布時における
筋の発生を抑制でき、磁性層2の表面を平坦化させるこ
とができる。したがって、本発明の磁気記録媒体10を
作製するために用いる結合剤は、重量平均分子量が50
00〜15000であるとともに、極性官能基として、
4級アンモニウム塩または3級アミンを含有しているこ
とが好ましい。好適な3級アミン、4級アンモニウム塩
としては、それぞれ下記〔化1〕および〔化2〕に示す
化合物が挙げられる。但し、下記〔化1〕および〔化
2〕中、R1 ,R2 ,R3 は、水素原子あるいは炭化水
素基であり、X- はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいず
れかのハロゲン原子イオンあるいは無機、有機イオンで
あるものとする。
【0029】
【化1】−NR1 2
【化2】−N+ 1 2 3 -
【0030】なお、−SO3 M,−OSO3 M,−CO
OM,P=O(OM)2 (式中、Mは、水素原子あるい
はリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属で
ある)等の官能基も過度の強磁性粉末の凝集の防止に有
用である。また、−OH,−SH,−CN,エポキシ基
等の極性官能基も走行耐久性の向上を図るために有用で
ある。
【0031】結合剤に含まれる極性官能基の量は、10
-8〜10-1〔mol/g〕、より好ましくは10-6〜1
-2〔mol/g〕の範囲であるものとする。官能基が
10-8〔mol/g〕未満であると、強磁性粉末の分散
に対する効果が得られず、10-1〔mol/g〕を超え
ると、磁性塗料の粘度が増大したり、強磁性粉末の分散
性が低下したりする等の弊害が生じる。なお、極性官能
基の導入部位は主骨格の側鎖である。
【0032】本発明の磁気記録媒体10に適用する結合
剤の具体的な例としては、VAGH,VYHH,VMC
H,VAGF,VAGD,VROH,VYES,VYN
C,VMCC,XYHL,XYSG,PKHH,PKH
J,PKHC,およびPKFE(ユニオンカーバイト社
製)、MR110,MR100,MR112,MR55
5,およびMR104(日本ゼオン(株)製)、ニッポ
ランN2301,N2302,およびN2304(日本
ポリウレタン工業(株)製)、バイロンUR8200,
UR8300,RV530,およびRV280(東洋紡
(株)製)、ダイフェラミン4220,9020,90
22,および7020(大日精化(株)製)、サランF
310,およびF210(旭化成(株)製)等が挙げら
れる。上記結合剤は、1種のみ単独で適用することもで
き、2種以上を組み合わせて適用することもできる。
【0033】本発明の磁気記録媒体10において、磁性
層2を形成するために用いる結合剤の総量は、強磁性粉
末100〔重量部〕に対して、1〜200〔重量部〕、
好ましくは10〜50〔重量部〕であるものとする。
【0034】本発明の磁気記録媒体においては、特に、
磁性層2中に、カルボキシル基と、少なくとも1以上の
ヒドロキシル基とを分子中に有し、芳香環が2個以上の
場合には縮合環である芳香族化合物が、強磁性粉末10
0〔重量部〕に対し、0.4〜10〔重量部〕含有され
ているものとする。この芳香族化合物は、分散剤として
機能し、添加することにより強磁性粉末の分散性および
分散安定性を向上を図ることができる。なお、この芳香
族化合物においては、カルボキシル基およびヒドロキシ
ル基の結合位置は特に制限されるものではない。
【0035】本発明において用いる芳香族化合物として
は、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸、およびその構造
異性体、3,5−ジヒドロキシ安息香酸およびその構造
異性体、5−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジカルボン
酸およびその構造異性体、6−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸およびその構造異性体等が挙げられる。これらの芳
香族化合物の添加量が、強磁性粉末100〔重量部〕に
対して、0.4〔重量部〕未満であると、分散剤として
の効果が充分に発揮されず、10〔重量部〕を超えると
分散効果が劣化する。
【0036】また、結合剤にはポリイソシアネート系硬
化剤を添加することによって、架橋が促進され、磁性層
の耐久性を向上させることができる。このような硬化剤
としては、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメ
タントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4
' −ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート等のイソシアネート類、これ
らと多価アルコールとの反応物、イソシアネートの縮合
物(ポリイソシアネート)等を使用することができる。
【0037】上記磁性塗料には、上述した強磁性粉末、
結合剤の他、添加剤として研磨剤、帯電防止剤、防錆剤
等を適宜添加する。研磨剤としては、金属酸化物、金属
硫化物、硫酸化物、炭酸化物、窒化物、炭化物、コラン
ダム、人工ダイヤモンド等の無機充填剤等、公知のもの
を適用することができる。また、その他帯電防止剤、防
錆剤、抗菌(防黴)剤、磁性分散液、磁性分散液等は、
従来公知の材料をいずれも適用することができる。
【0038】磁性塗料を調整するための有機溶剤として
は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イ
ソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレング
リコールアセラート等のエステル系溶剤、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
剤、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化
炭素、クロロホルム、ジクロロベンゼン等のハロゲン化
炭化水素系溶媒等を適用することができる。これらの有
機溶媒の他、これらの異性体、未反応物、分解物、酸化
物や、水分等の不純成分が20%以下程度含有されてい
るものも適用できる。
【0039】磁性塗料は、上述した強磁性粉末、結合
剤、有機溶剤、およびその他の添加剤を用いて、混合工
程、混練工程、および分散工程を経て調整される。強磁
性粉末、結合剤、有機溶剤、その他の添加剤は、上記調
整工程において適宜添加されるものとし、個々の材料を
複数回に分割して添加することもできる。磁性塗料の混
練工程、および分散工程散においては、例えば、ロール
ミル、ボールミル、サンドミル、アジター、ニーダー、
エクストルーダー等の従来公知の塗料調整装置を用いる
ことができる。
【0040】上述のようにして作製された磁性塗料を、
従来公知の塗布方法、例えばグラビア塗布、ロール塗
布、ブレード塗布、ダイコーティング等によって非磁性
支持体上に塗布し、未乾燥状態において長手配向処理を
行う。長手配向処理は、例えばソレノイドコイルを用い
て磁界強度を1000〔Oe〕として走行方向に磁場を
印加させて行う。その後、乾燥処理を施して磁性層2が
形成される。
【0041】本発明の磁気記録媒体10は、例えば非磁
性支持体1上に直接磁性層2を形成した構成としてもよ
く、あるいは非磁性支持体1上に、非磁性粉末を結合剤
中に分散させた塗料を塗布することによって形成した非
磁性層を設け、この非磁性層が未乾燥状態において、上
記磁性塗料を塗布し、非磁性層上に磁性層2を積層形成
した構成としてもよい。
【0042】この場合、非磁性粉末としては、例えば、
α−Fe2 3 等の非磁性酸化鉄、ルチル型酸化チタ
ン、アナターゼ型酸化チタン、酸化錫、酸化タングステ
ン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウ
ム、チタンカーバイド、BN、α−アルミナ、β−アル
ミナ、γ−アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二硫化モリブデン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸バリ
ウム等が挙げられ、これらの粉末は、単独で用いてもよ
く、複数を組み合わせて用いることもできる。
【0043】上記非磁性支持体1と磁性層2との間に介
在させる非磁性層には、必要に応じてゴム用ファーネ
ス、熱分解カーボン、カラー用ブラック、アセチレンブ
ラック等のカーボンブラックが含有されていてもよい。
なお、非磁性粉末とカーボンブラックとの体積比率は、
100:0〜50:50であることが好適である。カー
ボンブラックの含有量を多くしすぎると、磁性層2の表
面の平滑性が損なわれる。特に、非磁性層と磁性層とを
同時重層塗布によって塗膜を形成する場合、下層の流動
特性のコントロールが困難になり、塗膜の表面性が一層
悪化する。非磁性粉末の比表面積は10〜80〔m2
g〕、好ましくは、20〜70〔m2 /g〕とし、粒子
径は0.5〔μm〕であるものとする。また、カーボン
ブラックの比表面積は10〜1000〔m2 /g〕と
し、DBP吸油量は20〜1000〔ml/100g〕
とし、粒子径は0.05〔μm〕であるものとする。非
磁性粉末およびカーボンブラックの比表面積および粒子
径が上記範囲内であると、非磁性層表面の平滑化を図る
ことができ、最終的に得られる磁性層2表面を平滑化す
ることができるので、変調ノイズ特性に優れ、スペーシ
ングロスの影響の少ない磁気記録媒体が得られる。
【0044】また、磁性層2の表面には、潤滑剤や防錆
剤等よりなるトップコート層を形成してもよい。
【0045】なお、本発明の磁気記録媒体10は、テー
プ形状、ディスク形状、カード形状、シート形状等、従
来公知の各種形状の磁気記録媒体に適用できる。
【0046】本発明の磁気記録媒体10は、高感度の磁
気ヘッド、例えば磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッ
ド)を用いて記録信号の再生が行われるものとする。以
下に信号の再生を行うMRヘッドの一例として、磁気抵
抗効果感磁部へのセンス電流の通電方向と、磁気記録媒
体からの記録信号磁界の方向が、直行するように選択さ
れたMRヘッドについて、図2に概略斜視図を示す。
【0047】図2に示すように、MRヘッド100にお
いては、非磁性の基板81aと非磁性の基板81bとの
間に、例えばNi−Zn多結晶フェライト等のような軟
磁性材料からなる一対の磁性体82、86と、絶縁体
(図示せず)を介して一対の磁性体82、86によって
挟持されたMR素子80とを具備した構成を有する。M
R素子80の両端からは、一対の端子が導出されてお
り、これらの端子を介してMR素子80にセンス電流を
供給できるようになされている。
【0048】MR素子80は、磁気抵抗効果を有するM
R素子部分と、SAL(Soft Adjacent Layer) 膜と、こ
れらの間に配された絶縁体膜とが積層されてなる構成を
有する。磁気抵抗効果を有するMR素子部分は、異方性
磁気抵抗効果(AMR)により、外部磁界の大きさによ
って抵抗値が変化するNi−Fe等のような軟磁性材料
からなる。SAL膜は、いわゆるSALバイアス方式に
より、MR素子にバイアス磁界を印加するものであり、
パーマロイ等のように低保磁力で高透磁率の磁性材料か
らなる。絶縁体は、MR素子部分とSAL膜との間を絶
縁し、電子的な分流損を防ぐためのものであり、Ta等
のような絶縁材料からなる。
【0049】MR素子80は、一側面が磁気記録媒体対
向面87に露呈するようになされている。この磁気記録
媒体対向面87は、磁気記録媒体10の摺動方向に沿っ
て円筒研磨されているとともに、磁気記録媒体10の摺
動方向に対して直交する方向に沿って円筒研磨されてい
る。これによりMRヘッドは、MR素子領域が最も突出
するようになされ、磁気記録媒体に対する当たり特性を
良好なものとしている。
【0050】上述したようなMRヘッドを用いて磁気記
録媒体の記録信号の再生を行う際には、磁気記録媒体面
にMRヘッドを摺動させ、MR素子の両端の電極88
a,88bを介してMR素子80のセンス電流を供給す
る。磁気記録媒体上を移行させる際に得られる磁気記録
媒体からの磁界に応じて、MR素子80の抵抗値が変化
し、その結果センス電流に電圧変化が生じる。そこで、
このセンス電流の電圧変化を検出することにより、磁気
記録媒体10からの信号磁界が検出され、磁気記録媒体
に記録されている信号が再生される。
【0051】以下に、具体的な〔実施例〕、〔実験
例〕、および〔比較例〕の磁気記録媒体を挙げて説明す
るが、本発明の磁気記録媒体は、以下に示す例に限定さ
れるものではない。
【0052】〔実施例1〕非磁性支持体1として、厚さ
19〔μm〕のポリエチレンテレフタレートフィルムを
用意した。次に、以下に示す材料により、磁性層2を形
成するために用いる磁性塗料を作製する。 〔磁性層用分散液組成〕 磁性粉末:Ba−Fe系強磁性粉末 :100〔重量部〕 (保磁力1520〔Oe〕、飽和磁化量58〔emu/g〕、 比表面積55〔m2 /g〕、板径0.030〔μm〕) 結合剤 :ポリ塩化ビニル樹脂 : 10〔重量部〕 (官能基〔−N(CH3 3 Cl〕=14×10-5〔mmol/g〕 重量平均分子量:10000) 分散剤 :4−ヒドロキシ安息香酸 : 3〔重量部〕 有機溶剤:トルエン :105〔重量部〕 :メチルエチルケトン : 63〔重量部〕 :シクロヘキサノン : 42〔重量部〕
【0053】上記強磁性粉末、結合剤、4−ヒドロキシ
安息香酸、有機溶媒を所定量混合し、プラネタリーミキ
サーとエクストルーダーを用いて混練処理を施し、その
後所定の添加剤を加えてアジターを用いて分散処理を施
し、磁性塗料を作製した。
【0054】上述のようにして作製した磁性塗料に、非
磁性支持体1上に膜厚6〜7〔μm〕となるように塗布
し、未乾燥のうちにソレノイドコイルにより磁場10
〔kOe〕の条件で長手配向処理を施した。その後、所
定時間膜硬化を行い、磁性層2を形成して磁気記録媒体
10を作製した。
【0055】〔実施例2〕〜〔実施例7〕4−ヒドロキ
シ安息香酸の添加量を、下記〔表1〕に示すように、
0.4〜10〔重量部〕の範囲で変化させて磁性層を形
成し、その他の製造条件は上記〔実施例1〕と同様とし
て磁気記録媒体を作製した。
【0056】〔実施例8〕4−ヒドロキシ安息香酸に代
えて、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を3.0〔重量
部〕添加した。その他の製造条件は上記〔実施例1〕と
同様として磁気記録媒体を作製した。
【0057】〔実施例9〕、〔実施例10〕強磁性粉末
の板径を、下記〔表1〕に示すようにそれぞれ0.01
〔μm〕、0.1〔μm〕とした。その他の製造条件は
上記〔実施例1〕と同様として磁気記録媒体を作製し
た。
【0058】〔実施例11〕、〔実施例12〕結合剤の
重量平均分子量を、下記〔表1〕に示すようにそれぞれ
5000、15000とした。その他の製造条件は上記
〔実施例1〕と同様として磁気記録媒体を作製した。
【0059】〔実施例13〕下記〔表1〕に示すよう
に、結合剤の骨格をポリウレタン(PU)とした。その
他の製造条件は、上記〔実施例1〕と同様として磁気記
録媒体を作製した。
【0060】〔実験例1〕、〔実験例2〕強磁性粉末の
板径を、下記〔表1〕に示すようにそれぞれ0.009
〔μm〕、0.15〔μm〕とした。その他の製造条件
は上記〔実施例1〕と同様として磁気記録媒体を作製し
た。
【0061】〔実験例3〕下記〔表1〕に示すように、
磁性層中に分子中に極性基を有する結合剤が、全結合剤
に対して40〔重量%〕含有することとした。その他の
製造条件は、上記〔実施例1〕と同様として磁気記録媒
体を作製した。
【0062】〔比較例1〕、〔比較例2〕下記〔表1〕
に示すように、4−ヒドロキシ安息香酸の添加量を、そ
れぞれ0.2〔重量部〕、11.0〔重量部〕とした。
その他の製造条件は上記〔実施例1〕と同様として磁気
記録媒体を作製した。
【0063】〔比較例3〕下記〔表1〕に示すように磁
性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸を添加しなかった。
その他の製造条件は上記〔実施例1〕と同様として磁気
記録媒体を作製した。
【0064】〔比較例4〕下記〔表1〕に示すように、
磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えて安息香酸
を添加した。その他の製造条件は上記〔実施例1〕と同
様として磁気記録媒体を作製した。
【0065】〔比較例5〕下記〔表1〕に示すように、
磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えてフタル酸
を添加した。その他の製造条件は上記〔実施例1〕と同
様として磁気記録媒体を作製した。
【0066】〔比較例6〕下記〔表1〕に示すように、
磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えてイソフタ
ル酸を添加した。その他の製造条件は上記〔実施例1〕
と同様として磁気記録媒体を作製した。
【0067】〔比較例7〕下記〔表1〕に示すように、
磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えてテレフタ
ル酸を添加した。その他の製造条件は上記〔実施例1〕
と同様として磁気記録媒体を作製した。
【0068】〔比較例8〕下記〔表1〕に示すように、
磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えてフェノー
ルを添加した。その他の製造条件は上記〔実施例1〕と
同様として磁気記録媒体を作製した。
【0069】〔比較例9〕下記〔表1〕に示すように、
磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えて1,2−
ジヒドロキシベンゼンを添加した。その他の製造条件は
上記〔実施例1〕と同様として磁気記録媒体を作製し
た。
【0070】〔比較例10〕下記〔表1〕に示すよう
に、磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えて1,
3−ジヒドロキシベンゼンを添加した。その他の製造条
件は上記〔実施例1〕と同様として磁気記録媒体を作製
した。
【0071】〔比較例11〕下記〔表1〕に示すよう
に、磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えて1,
4−ジヒドロキシベンゼンを添加した。その他の製造条
件は上記〔実施例1〕と同様として磁気記録媒体を作製
した。
【0072】上記〔実施例1〕〜〔実施例13〕、〔実
験例1〕〜〔実験例3〕、および〔比較例1〕〜〔比較
例11〕の磁気記録媒体の製造条件を下記〔表1〕に示
す。
【0073】
【表1】
【0074】上述のようにして作製した磁気記録媒体に
ついて、磁気特性および磁性層最表面の平坦性の評価を
行った。磁気特性は、東英工業社製のVSM(Vibratin
g Sample Magnetometer)、「VSMP−IS」によっ
て、残留磁化量(Br)、および角形比(SR)を測定
した。サンプルとして、幅6.25〔mm〕、長さ32
〔mm〕、膜厚6.5〔μm〕とした磁気テープを用い
た。表面の平坦性は、日本電色工業のGROSS ME
TER、「VGS SENSER」を用いて、サンプル
の磁気テープに対して45°の入射光に対する反射光量
(45°グロス値)を測定し、相対値で表した。測定範
囲は2×1cm2 とした。測定結果を下記〔表2〕に示
す。
【0075】
【表2】
【0076】〔表2〕に示すように、本発明に係る〔実
施例1〕〜〔実施例13〕の磁気記録媒体は、磁気特性
が良好であり、磁性層のグロス値が高く表面平坦性が良
好であることがわかった。また、〔実験例1〕において
は、強磁性粉末として極めて微細なものを適用したこと
から磁性塗料中における分散性がやや劣り、その結果磁
気記録媒体の磁性層表面のグロス値が低下した。〔実験
例2〕においては、強磁性粉末の板径が大きいため、磁
気特性が低下した。〔実験例3〕においては、極性基を
有する結合剤の配合比が50〔重量%〕未満であるた
め、分散性がやや劣り、グロス値が低下した。
【0077】〔比較例1〕においては、4−ヒドロキシ
安息香酸の添加量が少ないため、充分な分散効果が得ら
れず、磁気特性およびグロス値が低下した。〔比較例
2〕においては、4−ヒドロキシ安息香酸の添加量が多
過ぎ、磁気特性が低下した。〔比較例3〕〜〔比較例1
1〕においては、充分な分散効果が得られず、グロス値
が低下し、磁気特性も低下した。
【0078】次に、結合剤の極性官能基およびその量を
下記のように変更して磁性塗料を作製し、この磁性塗料
を非磁性支持体に塗布することによって磁性層を形成し
た磁気記録媒体を作製した。以下に、具体的な〔実施
例〕、〔実験例〕、および〔比較例〕の磁気記録媒体を
挙げて説明する。
【0079】〔実施例14〕非磁性支持体1として、厚
さ19〔μm〕のポリエチレンテレフタレートフィルム
を用意した。次に、以下に示す材料により、磁性層2を
形成するために用いる磁性塗料を作製する。 〔磁性層用分散液組成〕 磁性粉末:Ba−Fe系強磁性粉末 :100〔重量部〕 (保磁力1520〔Oe〕、飽和磁化量58〔emu/g〕、 比表面積55〔m2 /g〕、板径0.030〔μm〕) 結合剤 :ポリ塩化ビニル樹脂 : 10〔重量部〕 (官能基〔−OSO3 K〕=7×10-5〔mmol/g〕 重量平均分子量:10000) 分散剤 :4−ヒドロキシ安息香酸 : 3〔重量部〕 有機溶剤:トルエン :105〔重量部〕 :メチルエチルケトン : 63〔重量部〕 :シクロヘキサノン : 42〔重量部〕
【0080】上記強磁性粉末、結合剤、4−ヒドロキシ
安息香酸、有機溶媒を所定量混合し、混練処理、分散処
理を施して磁性塗料を作製し、非磁性支持体1上に膜厚
6〜7〔μm〕となるように塗布し、未乾燥のうちにソ
レノイドコイルにより磁場10〔kOe〕の条件で長手
配向処理を施した。その後、所定時間膜硬化を行い、磁
性層2を形成して磁気記録媒体10を作製した。
【0081】〔実施例15〕〜〔実施例20〕4−ヒド
ロキシ安息香酸の添加量を、下記〔表3〕に示すよう
に、0.4〜10〔重量部〕の範囲で変化させて磁性層
を形成し、その他の製造条件は上記〔実施例14〕と同
様として磁気記録媒体を作製した。
【0082】〔実施例21〕4−ヒドロキシ安息香酸に
代えて、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を3.0〔重
量部〕添加した。その他の製造条件は上記〔実施例1
4〕と同様として磁気記録媒体を作製した。
【0083】〔実施例22〕、〔実施例23〕強磁性粉
末の板径を、下記〔表3〕に示すようにそれぞれ0.0
1〔μm〕、0.1〔μm〕とした。その他の製造条件
は上記〔実施例14〕と同様として磁気記録媒体を作製
した。
【0084】〔実施例24〕、〔実施例25〕結合剤の
重量平均分子量を、下記〔表3〕に示すようにそれぞれ
5000、15000とした。その他の製造条件は上記
〔実施例14〕と同様として磁気記録媒体を作製した。
【0085】〔実施例26〕下記〔表3〕に示すよう
に、結合剤の骨格をポリウレタン(PU)とした。その
他の製造条件は、上記〔実施例14〕と同様として磁気
記録媒体を作製した。
【0086】〔実験例4〕、〔実験例5〕強磁性粉末の
板径を、下記〔表3〕に示すようにそれぞれ0.009
〔μm〕、0.15〔μm〕とした。その他の製造条件
は上記〔実施例14〕と同様として磁気記録媒体を作製
した。
【0087】〔実験例6〕下記〔表3〕に示すように、
磁性層中に分子中に極性基を有する結合剤が、全結合剤
に対して40〔重量%〕含有することとした。その他の
製造条件は、上記〔実施例14〕と同様として磁気記録
媒体を作製した。
【0088】〔比較例12〕、〔比較例13〕下記〔表
3〕に示すように、4−ヒドロキシ安息香酸の添加量
を、それぞれ0.2〔重量部〕、11.0〔重量部〕と
した。その他の製造条件は上記〔実施例14〕と同様と
して磁気記録媒体を作製した。
【0089】〔比較例14〕下記〔表3〕に示すように
磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸を添加しなかっ
た。その他の製造条件は上記〔実施例14〕と同様とし
て磁気記録媒体を作製した。
【0090】〔比較例15〕下記〔表3〕に示すよう
に、磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えて安息
香酸を添加した。その他の製造条件は上記〔実施例1
4〕と同様として磁気記録媒体を作製した。
【0091】〔比較例16〕下記〔表3〕に示すよう
に、磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えてフタ
ル酸を添加した。その他の製造条件は上記〔実施例1
4〕と同様として磁気記録媒体を作製した。
【0092】〔比較例17〕下記〔表3〕に示すよう
に、磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えてイソ
フタル酸を添加した。その他の製造条件は上記〔実施例
14〕と同様として磁気記録媒体を作製した。
【0093】〔比較例18〕下記〔表3〕に示すよう
に、磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えてテレ
フタル酸を添加した。その他の製造条件は上記〔実施例
14〕と同様として磁気記録媒体を作製した。
【0094】〔比較例19〕下記〔表3〕に示すよう
に、磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えてフェ
ノールを添加した。その他の製造条件は上記〔実施例1
4〕と同様として磁気記録媒体を作製した。
【0095】〔比較例20〕下記〔表3〕に示すよう
に、磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えて1,
2−ジヒドロキシベンゼンを添加した。その他の製造条
件は上記〔実施例14〕と同様として磁気記録媒体を作
製した。
【0096】〔比較例21〕下記〔表3〕に示すよう
に、磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えて1,
3−ジヒドロキシベンゼンを添加した。その他の製造条
件は上記〔実施例14〕と同様として磁気記録媒体を作
製した。
【0097】〔比較例22〕下記〔表3〕に示すよう
に、磁性塗料中に4−ヒドロキシ安息香酸に代えて1,
4−ジヒドロキシベンゼンを添加した。その他の製造条
件は上記〔実施例14〕と同様として磁気記録媒体を作
製した。
【0098】上記〔実施例14〕〜〔実施例26〕、
〔実験例4〕〜〔実験例6〕、および〔比較例12〕〜
〔比較例22〕の磁気記録媒体の製造条件を下記〔表
3〕に示す。
【0099】
【表3】
【0100】上述のようにして作製した磁気記録媒体に
ついて、磁気特性および磁性層最表面の平坦性の評価を
行った。磁気特性については、東英工業社製のVSM
(Vibrating Sample Magnetometer)、「VSMP−I
S」によって、残留磁化量(Br)、および角形比(S
R)を測定した。サンプルとして、幅6.25〔m
m〕、長さ32〔mm〕、膜厚6.5〔μm〕とした磁
気テープを用いた。磁性層表面の平坦性については、日
本電色工業のGROSS METER、「VGS SE
NSER」を用いて、サンプルの磁気テープに対して4
5°の入射光に対する反射光量(45°グロス値)を測
定し、相対値で表した。測定範囲は2×1cm2 とし
た。測定結果を下記〔表4〕に示す。
【0101】
【表4】
【0102】〔表4〕に示すように、本発明に係る〔実
施例14〕〜〔実施例26〕の磁気記録媒体は、磁気特
性が良好であり、磁性層のグロス値が高く表面平坦性が
良好であることがわかった。また、〔実験例4〕におい
ては、強磁性粉末として極めて微細なものを適用したこ
とから磁性塗料中における分散性がやや劣り、磁気特性
および磁性層表面のグロス値が低下した。〔実験例5〕
においては、強磁性粉末の板径が大きいため、磁気特性
が低下した。〔実験例6〕においては、極性基を有する
結合剤の配合比が50〔重量%〕未満であるため、磁性
塗料中における強磁性粉末の分散性がやや低下し、磁気
特性およびグロス値が低下した。
【0103】〔比較例12〕においては、4−ヒドロキ
シ安息香酸の添加量が少ないため、充分な分散効果が得
られず、磁気特性およびグロス値が低下した。〔比較例
13〕においては、4−ヒドロキシ安息香酸の添加量が
多過ぎ、磁気特性が低下した。〔比較例14〕〜〔比較
例22〕においては、本発明に係る磁気記録媒体を構成
する分散剤を用いなかったので、充分な分散効果が得ら
れず、グロス値が低下し、磁気特性も低下した。
【0104】上述したように、本発明の磁気記録媒体に
おいては、磁性層を構成する強磁性粉末として特に六方
晶系板状フェライトを適用した場合においても、カルボ
キシル基およびヒドロキシル基を分子中に有する縮合環
の芳香族化合物を所定量添加したため、磁性層中におけ
る分散性を高めることができ、これによって磁気特性の
向上、および磁性層の表面性の向上を図ることができ
た。
【0105】
【発明の効果】本発明においては、強磁性粉末として特
に六方晶系板状フェライトを適用した場合においても、
分散剤として、カルボキシル基およびヒドロキシル基を
分子中に有する縮合環の芳香族化合物を所定量添加した
ことによって、磁性層中における分散性の向上が図ら
れ、高い磁気特性および良好な表面性を有する磁気記録
媒体が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一例の概略断面図を示
す。
【図2】本発明の磁気記録媒体の記録信号の再生を行う
磁気ヘッドの概略斜視図を示す。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、2 磁性層、3 バックコート層、
10 磁気記録媒体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、非磁性支持体上に、強磁性
    粉末と結合剤とを含有する磁性塗料を塗布することによ
    って形成された磁性層を有する磁気記録媒体であって、 上記磁性層中に、 カルボキシル基と、少なくとも1以上のヒドロキシル基
    とを分子中に有し、芳香環が2個以上の場合には縮合環
    である芳香族化合物を、 上記強磁性粉末100〔重量部〕に対し、0.4〔重量
    部〕〜10〔重量部〕含有してなることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記強磁性粉末が、平均板径0.01
    〔μm〕〜0.1〔μm〕の、六方晶系板状フェライト
    であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 上記芳香環の数が、1又は2であること
    を特徴とする請求項1又は2の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記芳香族化合物が、4−ヒドロキシ安
    息香酸であることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記芳香族化合物が、6−ヒドロキシ−
    2−ナフトエ酸であることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の磁気記録媒体、
  6. 【請求項6】 上記磁性層中に、重量平均分子量が50
    00〜15000であって、分子中に極性基を有する結
    合剤が、全結合剤に対して50〔重量%〕以上含有され
    てなることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の
    磁気記録媒体。
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