JPH11209241A - 粉体−樹脂複合体含有化粧料 - Google Patents

粉体−樹脂複合体含有化粧料

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JPH11209241A
JPH11209241A JP10027699A JP2769998A JPH11209241A JP H11209241 A JPH11209241 A JP H11209241A JP 10027699 A JP10027699 A JP 10027699A JP 2769998 A JP2769998 A JP 2769998A JP H11209241 A JPH11209241 A JP H11209241A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 本発明は、色材の分散安定性に優れる着色用
の組成物を提供することを課題とする。 【解決手段】 疎水化処理した粉体と親水性樹脂とアク
リル酸、メタクリル酸及びそれらのエステルから選ばれ
る1種乃至は2種以上の重合体及び/又は共重合体を含
有する粉体−樹脂複合体組成物を着色用の組成物に含有
させる。本発明によれば、色材の分散安定性に優れる着
色用の組成物を提供出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色材が分散性或い
は沈降性を改善されたことを特徴とする、ペイントや化
粧料に好適な着色用の組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ベンガラや酸化チタン等に代表される顔
料やマイカやセリサイト等の体質粉体等の粉体は、化粧
料、ペイント等の分野で広く用いられている。一般にこ
の様な粉体類の表面は等電点を有しており、水系溶媒に
対しては、いわゆる電気二重層を形成して分散するとさ
れている。従って、この様な分散系に於いては、この電
気二重層の形成を阻害する電解物質の存在下では、安定
な分散系が得られず、粉体凝集が起こることがしばしば
であった。特に、被膜剤や増粘剤として用いられるアク
リル酸系樹脂やアクリル酸系高分子はこの様な現象を起
こしやすいことが既に知られている。即ち、電解性物
質、取り分けアクリル酸系樹脂やアクリル酸系高分子と
共存しうる粉体分散系が求められているにもかかわら
ず、得られていないと言っても過言ではなかった。又、
この様なメカニズムでの分散では、作成直後安定であっ
ても、経時的に凝集・沈澱を引き起こすこともしばしば
であった。更に、親水性高分子をコア・シェル構造でコ
ーティングして分散安定性を向上させる手段も考案さ
れ、分散性は著しく向上したが、乳化重合の際に用いる
乳化剤がコア部分に入り込んでしまうと言う欠点が残っ
た。即ち、経時的にも安定な粉体分散系は求められてい
るにもかかわらず得られていないと言っても過言ではな
かった。従って、この様な色材の分散を必須としてい
る、ペイントや化粧料などの着色用の組成物に於いて、
この様な分散性の改良は望まれているにも関わらず未だ
充分には達成されていないのが現状と言わざるを得な
い。
【0003】一方、疎水化処理した粉体と親水性樹脂と
アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステルから選
ばれる1種乃至は2種以上の重合体及び/又は共重合体
を含有する粉体−樹脂複合体組成物はまだ知られておら
ず、従ってこのものが分散性に優れることも全く知られ
ていなかった。従って、このものをペイントや化粧料な
どの着色用の組成物に含有させると、着色剤の分散安定
性の良い着色用の組成物が得られることも全く知られて
いなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況
下行われたものであり、色材の分散安定性に優れる着色
用の組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこの様な状
況に鑑みて、着色用の組成物に於ける、色材の分散・安
定性の向上を求めて鋭意研究を重ねた結果、ハイドロジ
ェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキ
サン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル
化アミノ酸塩コーティング処理等の疎水化処理をした粉
体と親水性樹脂とアクリル酸、メタクリル酸及びそれら
のエステルから選ばれる1種乃至は2種以上の重合体及
び/又は共重合体を含有する粉体−樹脂複合体組成物を
色材として含有する着色用の組成物にその様な性質を見
いだし発明を完成させた。以下、本発明について、発明
の実施の形態を中心に詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】(1)本発明で使用する粉体−樹
脂複合体組成物 本発明の粉体−樹脂複合体組成物は疎水化処理した粉体
と親水性樹脂とを含有することを特徴とする。本発明の
組成物における疎水化処理粉体の疎水化方法としては、
通常知られている疎水化処理であれば特段の限定を受け
ず、例えば、ハイドロジェンポリシロキサン焼き付け処
理、ジメチルポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コ
ーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理
等が挙げられる。本発明の粉体−樹脂複合体組成物は、
例えば、次のような手順で製造される。疎水化処理粉体
を親水性樹脂でコーティングする。この時、親水性樹脂
によるコーティングは、親水性樹脂を固体のまま或いは
水溶液の状態でボールミル等で処理しコーティングする
方法で行えばよい。この様な方法によれば、親水性樹脂
によって疎水化処理粉体が緊密に被覆されるためであ
る。この様にして得られた粉体は、必要に応じて乾燥や
粉砕などの処理を行った後、水性担体に分散した後、こ
れにアクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステルか
ら選ばれる1種乃至は2種以上を加え重合させれば得る
ことができる。
【0007】(2)本発明で用いる粉体−樹脂複合体組
成物の作成に用いる粉体 上記粉体−樹脂複合体組成物で、疎水化処理粉体のベー
スとして用いることの出来る粉体は、通常化粧料やペイ
ントなどで証されているものであれば、特段の限定無く
用いることが出来る。この様な粉体としては、例えば、
酸化チタン、ベンガラ、群青、紺青、黄色酸化鉄、酸化
亜鉛、酸化クロム、水酸化クロム等の顔料類や、マイ
カ、セリサイト、タルク等の体質粉体、チタンマイカ等
のパール剤等が例示できる。これらの粉体を、例えば、
アルミナ処理、シリカ処理、燐酸処理などの疎水化処理
以外の表面処理したものも、本発明の効果を損なわない
限りに於いて使用することが出来る。粉体は唯一種を用
いても良いし、二種以上を用いても良い。
【0008】(3)上記粉体の疎水化処理 上記粉体の疎水化処理としては、通常知られている疎水
化処理であれば特段の限定を受けず、例えば、ハイドロ
ジェンポリシロキサン焼き付け処理、ジメチルポリシロ
キサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシ
ル化アミノ酸塩コーティング処理等が挙げられる。かか
る疎水化処理は常法に従って行えば良く、ハイドロジェ
ンメチルポリシロキサンやジメチルポリシロキサン焼き
付け処理であれば、ベースとなる粉体に対して0.1〜
20重量部の当該シリコーンを粉体にコーティングし、
80〜200℃で焼き付け処理すればよい。又、金属石
鹸処理であれば、粉体と脂肪酸石鹸を水性担体中に共存
させ、塩化アルミニウムや塩化亜鉛等の可溶性金属塩を
加え、金属石鹸を粉体上に析出させればよい。このもの
を取り出し乾燥させれば、金属石鹸コーティング粉体を
得ることができる。この方法に準じてアシル化アミノ酸
塩コーティング粉体も作成することができる。金属石鹸
やアシル化アミノ酸塩はベースになる粉体に対して0.
1〜20重量%用いるのが好ましい。
【0009】(4)粉体−樹脂複合体組成物の作成に用
いる親水性高分子 上記粉体−樹脂複合体組成物の作成に用いる親水性高分
子としては、親水性基を有し水に一様に分散又は可溶化
するものであれば特段の限定無く用いることが出来、こ
の様な高分子としては、ビニルアルコール、アクリル
酸、メタアクリル酸、アクリル酸アルキル、メタクリル
酸アクリル等を構成モノマーに有する、重合体又は共重
合体が例示できる。ここで、アルキルとしては、炭素数
1〜4の、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ノルマルブチル、イソブチル、ターシャリーブチルが好
ましく、中でもノルマルブチルが特に好ましい。この様
な親水性高分子を例示すれば、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、アクリル酸−ビ
ニルアルコールコポリマー、メタアクリル酸−ビニルア
ルコールコポリマー、アクリル酸−メタアクリル酸コポ
リマー及び/又はこれらのエステルが挙げられる。これ
らはただ一種を用いても、二種以上を組み合わせて用い
ても良い。更にこれ以外にも、本発明の効果を損なわな
い範囲で、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエ
ン、アクリロニトリルをコポリマーの成分として含有す
ることが出来る。コポリマーに於いて、ビニルアルコー
ル、アクリル酸、メタアクリル酸の構成割合は5重量%
以上が好ましく、より好ましくは10重量%以上であ
り、更に好ましくは15重量%以上である。又、粉体と
親水性高分子の好ましい割合は、1:10〜10:1で
あり、より好ましくは1:5〜5:1であり、更に好ま
しくは2:5〜5:2である。これらを例えば、乾式で
溶媒を用いずにボールミル等によって処理したり、水な
どの溶媒存在下混在させながら溶媒を除去したりするこ
とによってコーティングさせることができる。更に、金
属石鹸処理やアシル化アミノ酸塩処理をしたものについ
ては、金属石鹸処理やアシル化アミノ酸塩処理を湿式に
て行い、湿潤した状態で水溶性樹脂をコーティングする
事もできる。コーティングに際しては、水溶性樹脂はカ
ルボン酸フリーの状態でコーティングし、しかる後必要
に応じて中和してイオン化させても良いし、中和してイ
オン化した状態でコーティングしても良い。
【0010】(5)上記粉体−樹脂複合体組成物で用い
るアクリル酸系重合体・共重合体 上記粉体−樹脂複合体組成物で用いる、アクリル酸、メ
タクリル酸及びそれらのエステルから選ばれる1種乃至
は2種以上の重合体及び/又は共重合体を構成する、モ
ノマーとしては、通常この様な重合体・共重合体の構成
要素として用いられるものであれば、特段の限定を受け
ず用いることが出来る。この様なモノマーとしては、例
えば、アクリル酸、アクリル酸アルキル、メタアクリル
酸、メタアクリル酸アルキル等のアクリル酸或いはメタ
アクリル酸誘導体が好ましく例示でき、これらの中で
は、2−エチルヘキシルアクリレートやメチルメタアク
リレートが好ましく例示できる。これらの重合反応は、
必要に応じて水などの溶媒を用い、上記親水性樹脂で処
理した疎水化粉体の存在下、例えばアゾビスイソブチロ
ニトリル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の重
合開始剤を用いて反応させればよい。好ましい粉体に対
する当該モノマーの割合は、親水性樹脂で処理した疎水
化粉体:モノマーの比が、1:10〜10:1であり、
より好ましくは1:5〜5:1であり、更に好ましくは
2:5〜5:2である場合である。更に、疎水化処理が
金属石鹸コーティングやアシル化アミノ酸塩コーテイン
グによる場合は、ベース粉体を水性溶媒に分散させ、水
溶性樹脂を中和などでイオン化させた状態でこの水性溶
媒に加え、ここに上記アクリル酸系或いはメタクリル酸
系のモノマーを滴下し、重合開始剤を加え重合させて本
発明の粉体−樹脂複合体としても良い。かくして得られ
た本発明の必須成分である粉体−樹脂複合体は水性担体
に対して優れた分散性を示し、沈降性が著しく改善して
いるため、本発明の着色組成物である、ファンデーショ
ンやネイルカラー等の化粧料原料やペイントなどの原料
として極めて有用である。取り分け、使用している樹脂
成分と溶媒の種類より、爪に対して優しいネイルカラー
を作成する原料として取り分け有用である。
【0011】(6)粉体−樹脂複合体組成物の製造例 以下に製造例を示して、本発明について更に詳細に説明
するが、本発明の組成物の原料がこれら製造例にのみ限
定を受けないことは言うまでもない。
【0012】<参考例1> 親水性樹脂の作成 攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素導入管
を装着した反応器にイソプロピルアルコール50重量部
を秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴
下ロートより、イソプロパノール30重量部、スチレン
15重量部、α−メチルスチレン47重量部、アクリル
酸28重量部、アクリル酸ブチル10重量部及びアゾビ
スイソブチロニトリル0.2重量部を、攪拌下80℃ま
で昇温した反応器に滴下した。モノマー滴下終了後2時
間80℃で攪拌し、アゾビスイソブチロニトリル0.2
重量部をイソプロパノール10重量部に溶解させた液を
滴下した。3時間80℃で攪拌を続けた後、アゾビスイ
ソブチロニトリル0.1重量部をイソプロパノール10
重量部で溶解させた液を滴下し、更に5時間80℃で攪
拌を続けた。反応終了後、反応液を室温に戻し、95%
アンモニア水を加えて中和し、水300重量部を加え、
減圧濃縮し固形分30%の親水性樹脂分散液1を得た。
【0013】<参考例2> 親水性樹脂の作成 攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素導入管
を装着した反応器にイソプロピルアルコール50重量部
を秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴
下ロートより、イソプロパノール30重量部、スチレン
15重量部、α−メチルスチレン47重量部、アクリル
酸ブチル10重量部、アクリル酸28重量部及びアゾビ
スイソブチロニトリル0.2重量部を、攪拌下80℃ま
で昇温した反応器に滴下した。モノマー滴下終了後2時
間80℃で攪拌し、アゾビスイソブチロニトリル0.2
重量部をイソプロパノール10重量部に溶解させた液を
滴下した。3時間80℃で攪拌を続けた後、アゾビスイ
ソブチロニトリル0.1重量部をイソプロパノール10
重量部で溶解させた液を滴下し、更に5時間80℃で攪
拌を続けた。反応終了後、反応液を室温に戻し、水30
0重量部を加え、減圧乾固し、粉砕し親水性樹脂2を粉
体で得た。
【0014】<製造例1>3%ステアリン酸アルミニウ
ムコーティングルチル型酸化チタンを600℃で焼成
し、アルミナコーティング酸化チタンと為し、このもの
97重量部に10%ハイドロジェンメチルポリシロキサ
ン・エタノール溶液30重量部を加え良く混練りし、溶
媒を留去した後、130℃で12時間焼き付け疎水化粉
体を得た。この疎水化粉体を100重量部秤り、スチレ
ン−アクリル酸ブチル−α−メチルスチレン−アクリル
酸共重合体(モノマーの構成比15:10:47:2
8、親水性樹脂2)15重量部を加え、遊星ボールミル
で200r.p.m.4時間処理した後、窒素置換し、
水35重量部を加えた後濃アンモニア水で中和した後、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル2重量部加
え、窒素置換し、攪拌しながら2−エチルヘキシルアク
リレートを50重量部滴下し、75℃に昇温し、過硫酸
アンモニウム0.5重量部を水10重量部に溶かして滴
下し、70〜75℃で2時間攪拌を続けた。過硫酸アン
モニウム0.2重量部を水10重量部に溶かして加え、
2時間攪拌し反応を止めて、粉体−樹脂複合体組成物1
を得た。このものは40℃で1週間放置しても沈降しな
かった。対照として、同じ粉体100重量部を水65重
量部とスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸ブチ
ル−アクリル酸共重合体(モノマーの構成比15:4
7:10:28)15重量部とジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル2重量部とポリ−2−エチルヘキシル
アクリレート50重量部を遊星ボールミルで処理したも
のは、40℃で1週間放置すると、完全に2層分離して
いた。
【0015】<製造例2>3%ステアリン酸アルミニウ
ムコーティングルチル型酸化チタンを600℃で焼成
し、アルミナコーティング酸化チタンと為し、このもの
97重量部に10%ジメチルポリシロキサン・エタノー
ル溶液30重量部を加え良く混練りし、溶媒を留去した
後、130℃で12時間焼き付け疎水化粉体を得た。こ
の疎水化粉体を100重量部秤り、ポリビニルアルコー
ル15重量部を加え、遊星ボールミルで200r.p.
m.4時間処理した後、窒素置換し、水35重量部とジ
エチレングリコールモノブチルエーテル2重量部とを加
え、窒素置換し、攪拌しながら2−エチルヘキシルアク
リレートを50重量部滴下し、75℃に昇温し、過硫酸
アンモニウム0.5重量部を水10重量部に溶かして滴
下し、70〜75℃で2時間攪拌を続けた。過硫酸アン
モニウム0.2重量部を水10重量部に溶かして加え、
2時間攪拌し反応を止めて、粉体−樹脂複合体組成物2
を得た。このものは40℃で1週間放置しても沈降しな
かった。対照として、同じ粉体100重量部を水65重
量部とポリビニルアルコール15重量部とジエチレング
リコールモノブチルエーテル2重量部とポリ−2−エチ
ルヘキシルアクリレート50重量部を遊星ボールミルで
処理したものは、40℃で1週間放置すると、完全に2
層分離していた。
【0016】<製造例3>3%ステアリン酸アルミニウ
ムコーティングルチル型酸化チタンを600℃で焼成
し、アルミナコーティング酸化チタンと為し、これを5
0重量部秤り、1.6重量部のステアリン酸ナトリウム
を加え、水30重量部に分散させ、これに塩化アルミニ
ウム0.3重量部を3重量部の水に溶かして加え、固体
を濾取した。この固体を湿潤状態のままで、水30重量
部に分散させ、参考例の親水性樹脂分散液1を30重量
部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル2重量部
加え、窒素置換し、攪拌しながら2−エチルヘキシルア
クリレートを50重量部滴下し、75℃に昇温し、過硫
酸アンモニウム0.5重量部を水10重量部に溶かして
滴下し、70〜75℃で2時間攪拌を続けた。過硫酸ア
ンモニウム0.2重量部を水10重量部に溶かして加
え、2時間攪拌し反応を止めて中和し、粉体−樹脂複合
体組成物3を得た。このものは40℃で1週間放置して
も沈降しなかった。対照として、同じ粉体50重量部を
同様に金属石鹸処理し、水50重量部と親水性樹脂分散
液1を30重量部とジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル2重量部とポリ−2−エチルヘキシルアクリレー
ト50重量部を遊星ボールミルで処理したものは、40
℃で1週間放置すると、完全に2層分離していた。
【0017】<製造例4>製造例3の粉体をベンガラに
置き換えて同様に処理して、粉体−樹脂複合体組成物4
を得た。このものは40℃で1週間良好な分散性を維持
した。対照として、同じ粉体50重量部を水50重量部
と親水性樹脂分散液1を30重量部とジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル2重量部とポリ−2−エチルヘ
キシルアクリレート50重量部を遊星ボールミルで処理
したものは、40℃で1週間放置すると、完全に2層分
離していた。
【0018】<製造例5>製造例3の粉体を黄色酸化鉄
に置き換えて同様に処理して、粉体−樹脂複合体組成物
5を得た。このものは40℃で1週間良好な分散性を維
持した。対照として、同じ粉体50重量部を水50重量
部と親水性樹脂分散液1を30重量部とジエチレングリ
コールモノブチルエーテル2重量部とポリ−2−エチル
ヘキシルアクリレート50重量部を遊星ボールミルで処
理したものは、40℃で1週間放置すると、完全に2層
分離していた。
【0019】<製造例6>製造例3の粉体を紺青に置き
換えて同様に処理して、粉体−樹脂複合体組成物6を得
た。このものは40℃で1週間良好な分散性を維持し
た。対照として、対照として、同じ粉体50重量部を水
50重量部と親水性樹脂分散液1を30重量部とジエチ
レングリコールモノブチルエーテル2重量部とポリ−2
−エチルヘキシルアクリレート50重量部を遊星ボール
ミルで処理したものは、40℃で1週間放置すると、完
全に2層分離していた。
【0020】<製造例7>製造例3の粉体を群青に置き
換えて同様に処理して、粉体−樹脂複合体組成物7を得
た。このものは40℃で1週間良好な分散性を維持し
た。対照として、同じ粉体50重量部を水50重量部と
親水性樹脂分散液1を30重量部とジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル2重量部とポリ−2−エチルヘキ
シルアクリレート50重量部を遊星ボールミルで処理し
たものは、40℃で1週間放置すると、完全に2層分離
していた。
【0021】<製造例8>製造例3の粉体をタルクに置
き換えて同様に処理して、粉体−樹脂複合体組成物8を
得た。このものは40℃で1週間良好な分散性を維持し
た。対照として、同じ粉体50重量部を水50重量部と
親水性樹脂分散液1を30重量部とジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル2重量部とポリ−2−エチルヘキ
シルアクリレートを遊星ボールミルで処理したものは、
40℃で1週間放置すると、完全に2層分離していた。
【0022】<製造例9>製造例3の粉体をタルクに置
き換えて同様に処理して、粉体−樹脂複合体組成物9を
得た。このものは40℃で1週間良好な分散性を維持し
た。対照として、同じ粉体50重量部を水50重量部と
親水性樹脂分散液1を30重量部とジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル2重量部とポリ−2−エチルヘキ
シルアクリレート50重量部を遊星ボールミルで処理し
たものは、40℃で1週間放置すると、完全に2層分離
していた。
【0023】<製造例10>製造例3の粉体をセリサイ
トに置き換えて同様に処理して、粉体−樹脂複合体組成
物10を得た。このものは40℃で1週間良好な分散性
を維持した。対照として、同じ粉体50重量部を水50
重量部と親水性樹脂分散液1を30重量部とジエチレン
グリコールモノブチルエーテル2重量部とポリ−2−エ
チルヘキシルアクリレート50重量部を遊星ボールミル
で処理したものは、40℃で1週間放置すると、完全に
2層分離していた。
【0024】<製造例11>製造例3の粉体をチタンマ
イカに置き換えて同様に処理して、粉体−樹脂複合体組
成物11を得た。このものは40℃で1週間良好な分散
性を維持した。対照として、同じ粉体50重量部を水5
0重量部と親水性樹脂分散液1を30重量部とジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル2重量部とポリ−2−
エチルヘキシルアクリレート50重量部を遊星ボールミ
ルで処理したものは、40℃で1週間放置すると、完全
に2層分離していた。
【0025】<製造例12>製造例3の粉体を虹彩箔に
置き換えて同様に処理して、粉体−樹脂複合体組成物1
2を得た。このものは40℃で1週間良好な分散性を維
持した。対照として、同じ粉体50重量部を水50重量
部と親水性樹脂分散液1を30重量部とジエチレングリ
コールモノブチルエーテル2重量部とポエイ−2−エチ
ルヘキシルアクリレート50重量部を遊星ボールミルで
処理したものは、40℃で1週間放置すると、完全に2
層分離していた。
【0026】<製造例13>3%ステアリン酸アルミニ
ウムコーティングルチル型酸化チタンを600℃で焼成
し、アルミナコーティング酸化チタンと為し、これを5
0重量部秤り1.6重量部のステアリン酸ナトリウムを
加え、水30重量部に分散させ、これに塩化アルミニウ
ム0.3重量部を3重量部の水に溶かして加え、固体を
濾取し、80℃で24時間乾燥させた。親水性樹脂2の
15重量部を加え、遊星ボールミルで200r.p.
m.4時間処理し、これに水35重量部を加え濃アンモ
ニア水にて中和し、窒素置換した後、攪拌しながらメチ
ルメタアクリレートを50重量部滴下し、75℃に昇温
し、過硫酸アンモニウム0.5重量部を水10重量部に
溶かして滴下し、70〜75℃で2時間攪拌を続けた。
過硫酸アンモニウム0.2重量部を水10重量部に溶か
して加え、2時間攪拌し反応を止めて、粉体−樹脂複合
体組成物13を得た。このものは40℃で1週間放置し
ても沈降を見なかった。同じ粉体を製造例1と同様に1
5重量部の水性樹脂2で処理し、水35重量部を加え濃
アンモニア水で中和した対照品は40℃で1週間で完全
2層分離していた。
【0027】<参考例> 親水性樹脂の作成 攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素導入管
を装着した反応器にイソプロピルアルコール50重量部
を秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴
下ロートより、イソプロパノール30重量部、スチレン
18重量部、α−メチルスチレン53重量部、アクリル
酸25重量部、アクリル酸ブチル4重量部及びアゾビス
イソブチロニトリル0.2重量部を、攪拌下80℃まで
昇温した反応器に滴下した。モノマー滴下終了後2時間
80℃で攪拌し、アゾビスイソブチロニトリル0.2重
量部をイソプロパノール10重量部に溶解させた液を滴
下した。3時間80℃で攪拌を続けた後、アゾビスイソ
ブチロニトリル0.1重量部をイソプロパノール10重
量部で溶解させた液を滴下し、更に5時間80℃で攪拌
を続けた。反応終了後、反応液を室温に戻し、水300
重量部を加え、減圧乾固し、粉砕し親水性樹脂3を粉体
で得た。
【0028】<製造例14>酸化チタン(チタン100
A)97重量部に10%ハイドロジェンメチルポリシロ
キサン・エタノール溶液30重量部を加え良く混練り
し、溶媒を留去した後、130℃で12時間焼き付け疎
水化粉体を得た。この疎水化粉体を15重量部秤り、ス
チレン−アクリル酸ブチル−α−メチルスチレン−アク
リル酸共重合体(親水性樹脂3;モノマーの構成比1
8:4:53:25、水溶性樹脂)5重量部を加え、遊
星ボールミルで200r.p.m.4時間処理した後、
窒素置換し、水40重量部を加えた後濃アンモニア水で
中和した後、窒素置換し、攪拌しながらメチルメタクリ
レート2重量部、2−エチルヘキシルアクリレートを1
重量部滴下し、75℃に昇温し、過硫酸アンモニウム
0.5重量部を水10重量部に溶かして滴下し、70〜
75℃で2時間攪拌を続けた。過硫酸アンモニウム0.
2重量部を水10重量部に溶かして加え、2時間攪拌し
反応を止めて、粉体−樹脂複合体組成物14を得た。こ
のものは40℃で1週間放置しても沈降しなかった。対
照として、同じ粉体15重量部を水65重量部とスチレ
ン−α−メチルスチレン−アクリル酸ブチル−アクリル
酸共重合体(モノマーの構成比15:47:10:2
8)28重量部を遊星ボールミルで処理したものは、4
0℃で1週間放置すると、完全に2層分離していた。
【0029】<参考例>攪拌機、還流冷却機、滴下ロー
ト、温度計、窒素導入管を装着した反応器にイソプロピ
ルアルコール50重量部を秤込み、窒素ガスを吹き込み
溶存酸素を除去した。滴下ロートより、イソプロパノー
ル30重量部、スチレン18重量部、α−メチルスチレ
ン53重量部、アクリル酸25重量部、アクリル酸ブチ
ル4重量部及びアゾビスイソブチロニトリル0.2重量
部を、攪拌下80℃まで昇温した反応器に滴下した。モ
ノマー滴下終了後2時間80℃で攪拌し、アゾビスイソ
ブチロニトリル0.2重量部をイソプロパノール10重
量部に溶解させた液を滴下した。3時間80℃で攪拌を
続けた後、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を
イソプロパノール10重量部で溶解させた液を滴下し、
更に5時間80℃で攪拌を続けた。反応終了後、反応液
を室温に戻し、95%アンモニア水を加えて中和し、水
300重量部を加え、減圧濃縮し固形分30%の親水性
樹脂分散液4を得た。
【0030】<製造例15>二酸化チタン(チタン10
0A)15重量部秤り、0.6重量部のステアリン酸ナ
トリウムを加え、水30重量部に分散させ、これに塩化
アルミニウム0.1重量部を3重量部の水に溶かして加
え、固体を濾取し、遊星ボールミルで200r.p.m.
8時間処理し、これに水を加え遠心分離して水洗し、水
30mlを加えた。これを窒素置換した後、スチレン−
アクリル酸ブチル−α−メチルスチレン−アクリル酸共
重合体(モノマーの構成比18:4:53:25、水溶
性樹脂の固形分30%;親水性樹脂分散液4)14重量
部を加え、遊星ボールミルで200r.p.m.1時間
処理した。水30重量部を加えた後、濃アンモニア水で
中和した後、窒素置換し、攪拌しながらメチルメタクリ
レート2重量部、2−エチルヘキシルアクリレートを1
重量部滴下し、75℃に昇温し、過硫酸アンモニウム
0.5重量部を水10重量部に溶かして滴下し、70〜
75℃で2時間攪拌を続けた。過硫酸アンモニウム0.
2重量部を水10重量部に溶かして加え、2時間攪拌し
反応を止めて、粉体−樹脂複合体組成物15を得た。こ
のものは40℃で1週間放置しても沈降しなかった。対
照として、同じ粉体15重量部を水65重量部とスチレ
ン−α−メチルスチレン−アクリル酸ブチル−アクリル
酸共重合体(モノマーの構成比15:47:10:2
8)14重量部を遊星ボールミルで処理したものは、4
0℃で1週間放置すると、完全に2層分離していた。
【0031】(7)本発明の着色用の組成物 本発明の着色用の組成物は、上記粉体−樹脂複合組成物
を含有することを特徴とする。組成物の種類としては、
着色用であれば特段の限定は受けず、例えば、ペイン
ト、ファンデーションやマニキュア等の化粧料等が例示
できる。更に、二酸化チタンや酸化亜鉛のような色材
は、紫外線吸収剤としても使用されるので、内容物や皮
膚を紫外線から防護する目的で、着色以外の目的で化粧
料や医薬品に含有させることも本発明の技術的範囲に属
するものであり、この様な組成物も本発明の組成物に属
する。これらの内特に好ましいものは化粧料である。こ
れは、本発明の組成物に於いて色材の分散性が優れると
共に、安全性に優れるためである。これは色材が樹脂に
よってコートされている為である。本発明の着色用の組
成物では、必須成分である粉体−樹脂複合組成物以外に
通常化粧料やペイントで使用される任意成分を含有する
ことができる。この様な任意成分としては、例えば、ワ
セリンやマイクロクリスタリンワックス等のような炭化
水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オ
リーブ油等のトリグリセライド類、セタノール、オレイ
ルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オ
レイン酸等の脂肪酸、グリセリンや1,3−ブタンジオ
ール等の多価アルコール類、非イオン界面活性剤、アニ
オン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性
剤、エタノール、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫
外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類等が好ましく例示
できる。本発明の着色用の組成物に於ける、粉体−樹脂
複合組成物の好ましい含有量は、乾燥重量で、0.01
〜50重量%であり、より好ましくは、0.05〜30
重量%であり、更に好ましくは0.1〜20重量%であ
る。本発明の着色用の組成物は、常法に従って製造する
ことができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明について更に
詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限
定を受けないことは言うまでもない。
【0033】<実施例1〜15>以下に示す処方に従っ
て、ネイルカラーを作成した。即ち、処方成分をボール
ミルで良く混合し、ネイルカラーを得た。これらは何れ
も40℃、1カ月の保存条件で異常を認めなかった。こ
れより本発明の組成物は安定性に優れることがわかる。 粉体−樹脂複合組成物* 50 重量部 クエン酸トリエチル 1 重量部 1,3−ブタンジオール 3 重量部 エタノール 20 重量部 水 26 重量部 *粉体−樹脂複合組成物の詳細は表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】<実施例16>上記実施例1〜15のマニ
ュキアをハートレー系モルモット1群5匹(雄性250
〜350g、)の背部に24時間貼付し、皮膚反応を観
察した。皮膚反応はドレーズの基準に従って判定した。
即ち、++:浮腫を伴う反応、+:明らかな紅斑を伴う
反応、±:疑わしい紅斑を伴う反応、−:無反応の基準
である。結果は、いずれの動物も無反応(−)であり、
本発明の着色用の組成物が優れた安全性を有しているこ
とが証明された。
【0036】<実施例17>下記処方に従って、ファン
デーションを作成した。即ち、処方成分をボールミルに
仕込み、十分に混合し、ファンデーションを得た。この
ものは40℃、1カ月でも安定であった。 粉体−樹脂複合体3 12 重量部 粉体−樹脂複合体4 1 重量部 粉体−樹脂複合体5 5 重量部 粉体−樹脂複合体7 0.1重量部 粉体−樹脂複合体8 7 重量部 1,3−ブタンジオール 5 重量部 エタノール 10 重量部 水 59.9重量部
【0037】<実施例18>下記処方に従って、医薬組
成物を作成した。即ち、処方成分をボールミルに仕込
み、十分に混合し、抗炎症皮膚外用剤を得た。このもの
は、光毒性の発現が抑制されていた。 粉体−樹脂複合体1 5 重量部 インドメタシン 1 重量部 エタノール 50 重量部 水 44 重量部
【0038】<実施例19>下記処方に従って、医薬組
成物を作成した。即ち、処方成分をボールミルに仕込
み、十分に混合し、抗真菌外用剤を得た。このものは、
光毒性の発現が抑制されていた。 粉体−樹脂複合体1 5 重量部 ブテナフィン 1 重量部 エタノール 50 重量部 水 44 重量部
【0039】<実施例20〜34>下記処方に従って、
ペイントを作成した。即ち、処方成分をボールミルでよ
く混合し、ペイントを得た。これらは優れた分散性を有
していると同時に、再分散性も有していた。 アクリル酸エステルエマルジョン 50 重量部 粉体−樹脂複合組成物** 50 重量部 **粉体−樹脂複合組成物の詳細は表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、色材の分散安定性に優
れる着色用の組成物を提供出来る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水化処理した粉体と親水性樹脂とアク
    リル酸、メタクリル酸及びそれらのエステルから選ばれ
    る1種乃至は2種以上の重合体及び/又は共重合体を含
    有する粉体−樹脂複合体組成物を含有する着色用の組成
    物。
  2. 【請求項2】 粉体−樹脂複合体組成物が、疎水化処理
    した粉体を親水性樹脂で被覆し、このものの存在下モノ
    マー組成物を水性溶媒中で重合させてなることを特徴と
    する、請求項1に記載の着色用の組成物。
  3. 【請求項3】 粉体−樹脂複合組成物に於いて、疎水化
    処理が、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け
    処理、ジメチルポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸
    処理及びアシル化アミノ酸塩処理から選ばれる1種乃至
    は2種以上である、請求項1又は2に記載の着色用の組
    成物。
  4. 【請求項4】 粉体−樹脂複合体組成物に於いて、親水
    性樹脂が、モノマー組成にアクリル酸、メタアクリル
    酸、ビニルアルコールから選ばれる1種乃至は2種以上
    を含有する重合体又は共重合体である、請求項1〜3何
    れか一項に記載の着色用の組成物。
  5. 【請求項5】 化粧料であることを特徴とする、請求項
    1〜4の何れか一項に記載の着色用の組成物。
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