JP4805713B2 - 化粧料用表面処理粉体及びこれを含有する化粧料 - Google Patents

化粧料用表面処理粉体及びこれを含有する化粧料 Download PDF

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Description

本発明は表面処理粉体及び化粧料、特に化粧料用粉体の疎水性及び洗い流し性の改善に関する。
化粧料、特にメーキャップ化粧料においては、人を美しく見せる美的効果は当然のことながら、その効果の持続性、すなわち化粧持ちも極めて重要な性能の一つとして要求される。このため、化粧料基剤の開発にあたって、化粧持ちの向上は重要な課題の一つとなっている。メーキャップ化粧料の分野においては、汗や涙、あるいは唾液等の水分によって化粧崩れが起こることのないように油性の基剤が用いられることが多いが、このような油性基剤中に親水性の粉体を配合した場合には、基剤との分離が生じやすく、また水分によって親水性粉体が流れ出してしまうため、化粧崩れの大きな原因となる。このような問題点から、従来、化粧料中に粉体を配合する場合には、粉体に予め疎水化処理を施した疎水化粉体を配合することが広く行なわれてきた。
化粧料用粉体の疎水化に関しては、多くの方法が知られており、例えば、高級脂肪酸、高級アルコール、炭化水素、トリグリセライド、エステル、シリコーンオイル、シリコーン樹脂等のシリコーン類、あるいはフッ素化合物等を用いて、親水性粉体の表面を被覆して、粉体に疎水性を付与する方法が行なわれている。中でも、シリコーン類を表面処理剤として用いた粉体の疎水化処理は、特に優れた疎水性を付与することができることから、現在までに多くの方法が確立されている(例えば、特許文献1,2参照)。また、近年では、アクリル酸やアクリル酸エステルのコポリマーを粉体の表面処理剤として用いる方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。
一方、化粧料においてはその洗い流し性も重要な性能の一つとして要求される。しかしながら、前述した従来の疎水化処理粉体を配合した場合には、化粧持ちを向上することはできても、その優れた疎水性のため石鹸等を用いたとしても水では容易に洗い流すことができない。このため、油性の洗い落とし用製剤が広く用いられているが、この油性製剤はさらに石鹸等で洗い流す必要があり、使用者に対する負担が大きい。また、洗い流しを容易にする目的で親水性粉体を配合した場合には、前述したように化粧崩れが生じやすく、化粧持ちに劣る結果となる。このため、化粧をしている間にはその効果を長時間持続することができ、一方で化粧を落とす際には容易に洗い流すことができるという両者の性能を同時に満たすことは非常に困難な課題であった。
特開昭60−163973号公報 特開昭62−177070号公報 特開平8−337514号公報
本発明は、前述の課題に鑑みて行なわれたものであり、その目的は、疎水性に優れるとともに、洗い流し性の改善された表面処理粉体、及びこれを含有する化粧料を提供することにある。
本発明者らが前述の課題に鑑み鋭意研究を行なった結果、疎水化処理剤と、特定構造のアクリル系誘導体を構成モノマーとして含有するポリマーとを用いて粉体の表面を処理することによって、適当なpH条件での疎水性−親水性変化に優れた表面処理粉体が得られることを見出した。そして、この結果、当該表面処理粉体を化粧料中に配合した場合、化粧持ちに優れているにもかかわらず、石鹸等を用いて水で容易に洗い流すことが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる化粧料用表面処理粉体は、基粉体表面上に、疎水化処理剤と、下記一般式(1)で示されるモノマー(A)を構成モノマーとして含有するポリマーとが被覆されていることを特徴とするものである。

(式中、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数4〜22のアルキレン基、Xは−NH−基又は酸素原子、Mは水素又は1価の無機又は有機カチオンを表す。)
また、前記化粧料用表面処理粉体において、前記疎水化処理剤が、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、及びパーフルオロアルキルリン酸から選択されることが好適である。また、前記化粧料用表面処理粉体において、前記基粉体に対する前記疎水化処理剤の被覆量が質量比で、疎水化処理剤:基粉体=1:99〜20:80であることが好適である。また、前記化粧料用表面処理粉体において、前記ポリマーがモノマー(A)を構成モノマー全量中70モル%以上含有することが好適である。
また、前記化粧料用表面処理粉体において、前記ポリマーがさらに下記一般式(2)に示されるモノマー(B)を構成モノマーとして含有することが好適である。

(式中、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、Xは−NH−基又は酸素原子、Mは水素又は1価の無機又は有機カチオンを表す。)
また、前記化粧料用表面処理粉体において、前記基粉体に対する前記ポリマーの被覆量が質量比で、ポリマー:基粉体=3:97〜40:60であることが好適である。
また、本発明にかかる化粧料は、前記化粧料用表面処理粉体を含有することを特徴とするものである。

本発明にかかる表面処理粉体は、疎水性に優れているとともに、その洗い流し性が著しく改善されているものである。このため、本発明の表面処理粉体を化粧料に配合した場合、化粧持ちに優れているにもかかわらず、石鹸等を用いて水で容易に洗い流すことが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳述する。
なお、本発明にかかる表面処理粉体は、基粉体表面上に、疎水化処理剤と、上記一般式(1)で示されるモノマー(A)を構成モノマーとして含有するポリマーとが被覆されていることを特徴とするものである。
疎水化処理剤
本発明にかかる表面処理粉体において、表面処理剤として用いられる疎水化処理剤は、特に限定されるものではなく、化粧料用途に用いられる疎水化処理粉末を調製するための公知の疎水化処理剤を用いることが可能である。公知の疎水化処理剤としては、例えば、高級脂肪酸、界面活性剤、金属石鹸、油脂、ロウ、シリコーン油、フッ素化合物、炭化水素、デキストリン脂肪酸エステル等が挙げられる。本発明に用いられる疎水化処理剤としては、高級脂肪酸(ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸)、高級脂肪酸デキストリン(ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン)、変性シリコーン(アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン)、シランカップリング剤(メチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン)、又はパーフルオロアルキルリン酸が好適である。
本発明にかかる表面処理粉体において、基粉体に対する疎水化処理剤の被覆量は、質量比で、疎水化処理剤:基粉体=1:99〜20:80である、より好ましくは1:99〜15:85である。1:99よりも疎水化処理剤の被覆量が少ないと、粉体に対して適切な疎水性を付与することができない場合があり、20:80より被覆量が多いと、疎水性が高くなりすぎてしまい、洗い落とし性に劣る場合がある。
ポリマー
また、本発明にかかる表面処理粉体において、表面処理剤として用いられるポリマーは、前記一般式(1)で示されるモノマー(A)を構成モノマーとして含有するポリマーである。
一般式(1)に示されるモノマー(A)は、アクリル酸あるいはアルキル置換アクリル酸、又はアクリルアミドあるいはアルキル置換アクリルアミドにおいて脂肪酸が付加された化合物である。一般式(1)において、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。Rがアルキル基である場合には直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。Rは、水素又はメチル基であることが好ましい。また、一般式(1)において、Rは炭素数4〜22のアルキレン基である。アルキレン基は直鎖状、分岐状いずれのもので良い。Rとしては、例えば、炭素数8のオクチレン基、11のウンデシレン基、12のドデシレン基が挙げられる。また、Rとしては、構造中に芳香族環や炭素−炭素二重結合を含んでいてもよく、例えば、ビニレン基、メチルフェニレン基、ビニルフェニレン基等であっても構わない。また、一般式(1)において、Xは−NH−基又は酸素原子であり、特に−NH−基であることが好ましい。また、一般式(1)において、Mは水素又は1価の無機又は有機カチオンである。1価の無機又は有機カチオンはカルボン酸の塩を形成し得るものであればよく、1価の無機カチオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等が挙げられ、また、1価の有機カチオンとしては、例えば、アンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン等が挙げられる。なお、Mに関しては、ポリマー製造後、希塩酸あるいは希水酸化ナトリウム溶液等を適当量用いて、カルボン酸(M=水素)あるいはナトリウム塩(M=ナトリウム)の形に可逆的に変換することも可能である。
本発明に用いられるモノマー(A)としては、例えば、11−メタクリルアミドウンデカン酸、8−アクリルアミドオクタン酸、12−アクリルアミドドデカン酸、12−メタクリルアミドドデカン酸、3−{4−[(メタクリロキシ)メチル]フェニル}アクリル酸等が挙げられる。なお、本発明のポリマーにおいては、前記モノマー(A)の1種又は2種以上を構成モノマーとすることができる。
本発明に用いられるポリマーにおいては、前記モノマー(A)を構成モノマー全量中70モル%以上含有していることが好適である。モノマー(A)が70モル%未満であると、疎水性−親水性の調整効果が小さく、粉体に対して所望の性能を付与することができない場合がある。また、モノマー(A)が90モル%以上であることが特に好適である。なお、本発明に用いられるポリマーにおいては、前記モノマー(A)が構成モノマーの全量を占めていても構わない。
また、本発明のポリマーとしては、前記モノマー(A)以外の構成モノマーとして、さらに前記一般式(2)に示されるモノマー(B)を好適に用いることができる。
一般式(2)に示されるモノマーは、アクリル酸あるいはアルキル置換アクリル酸、又はアクリルアミドあるいはアルキル置換アクリルアミドにおいてアルキルスルホン酸が付加された化合物である。一般式(2)において、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。Rがアルキル基である場合には直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。Rは、水素又はメチル基であることが好ましい。また、一般式(2)において、Rは炭素数1〜4のアルキレン基である。アルキレン基は直鎖状、分岐状いずれのもので良い。Rとしては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基が挙げられ、特にエチレン基、プロピレン基であることが好ましい。また、一般式(2)において、Xは−NH−基又は酸素原子であり、特に−NH−基であることが好ましい。また、一般式(2)において、Mは水素又は1価の無機又は有機カチオンである。1価の無機又は有機カチオンはスルホン酸の塩を形成し得るものであればよく、1価の無機カチオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等が挙げられ、また、1価の有機カチオンとしては、例えば、アンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン等が挙げられる。なお、Mに関しては、ポリマー製造後、希塩酸あるいは希水酸化ナトリウム溶液等を適当量用いて、スルホン酸(M=水素)あるいはナトリウム塩(M=ナトリウム)の形に可逆的に変換することも可能である。
一般式(2)に示されるモノマーとしては、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−メタクリロキシプロパンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
また、本発明に用いられるポリマーにおいては、前記モノマー(B)を構成モノマー全量中1〜30モル%含有していることが好適である。モノマー(B)が1モル%未満であると配合による効果が得られず、30モル%を超えると相対的にモノマー(A)の含有量が減少してしまい、粉体に対して所望の性能を付与することができない場合がある。
また、本発明に用いられるポリマーは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記モノマー(A),(B)以外のモノマーを構成モノマーとして含有することもできる。含有量は、構成モノマー全量の30モル%以下の範囲であればよく、例えば、1〜20モル%程度含有することができる。このようなモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリルアミド、メチルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、エチルアクリルアミド、エチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ε―カプロラクタム、ビニルアルコール、無水マレイン酸、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリル酸、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、N,N’−ジメチルアクリルアミド、スチレン等が挙げられる。
本発明に用いられるポリマーは、上記モノマーを含有する各種モノマーを公知の重合方法を用いて重合することにより得ることができる。例えば、均一溶液重合法、不均一溶液重合法、乳化重合法、逆相乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法、沈殿重合法等を用いることができる。例えば、均一溶液重合法の場合には、各種モノマーを溶媒中に溶解し、窒素雰囲気下、ラジカル重合開始剤を添加して加熱撹拌することにより本発明のポリマーを得ることができる。なお、ポリアクリル酸あるいはポリアクリルアミドに官能基を付加させるポストモディフィケーションによって、本発明に用いられるポリマーを得ることも可能である。
重合の際に用いられる溶媒としては、各種モノマーを溶解又は懸濁し得るものであって、水を含まない有機溶媒であればいかなる溶媒でも用いることが可能であり、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、流動パラフィンなどの炭化水素系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化物系溶媒などの他、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒は2種以上混合して用いてもよい。通常、用いる重合開始剤の開始温度よりも沸点が高い溶媒を選択することが好適である。
重合開始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、例えば、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル等のアゾ系化合物の他、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系重合開始剤が挙げられる。なお、これらの重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射等によっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常50〜70℃程度とすればよい。
重合時間は特に制限されないが、通常30分〜24時間程度である。比較的高分子量のポリマーを得たい場合には、24時間程度反応させることが望ましい。反応時間が短すぎると未反応のモノマーが残存し、分子量も比較的小さくなることがある。本発明のポリマーの平均分子量は特に制限されず、オリゴマー以上の重合度を有していれば目的とする効果を発揮し得るが、特に平均分子量3000〜10万程度であることが好ましい。なお、2種以上のモノマーを混合して重合を行なうことにより、通常は各種モノマーがランダム状に付加されたコポリマーが得られる。
本発明に用いられるポリマーは、ポリマー側鎖に前記モノマー(A)に由来するカルボキシル基を有しており、このカルボキシル基は、酸性〜中性の条件下では疎水性のカルボン酸(−COOH)、塩基性条件下では親水性のカルボキシレートイオン(−COO)に変化する。このため、このポリマーによって粉体の表面を処理した処理粉体は、例えば、酸性〜中性環境において疎水性、塩基性環境において親水性といったように、pH応答性の疎水性−親水性変化を示すようになると考えられる。
そして、このようにして得られた表面処理粉体を化粧料中に配合した場合、化粧料が通常用いられる酸性〜中性領域においては疎水性を示すために化粧持ちに優れているにもかかわらず、石鹸等を用いて適度な塩基性環境とした場合には処理粉体の表面が親水性へと変化するため、水によって容易に洗い流すことが可能となる。
また、前記モノマー(A)に加えて、さらに前記モノマー(B)を構成モノマーとして有するポリマーは、ポリマー側鎖に前記モノマー(B)に由来するスルホン酸基を有しており、このスルホン酸基は、非常に幅広いpH範囲において親水性のスルホネートイオン(−SO )として存在する。したがって、構成モノマー中の前記モノマー(A)とモノマー(B)のモノマー比率を適宜調整してポリマーを製造することにより、粉体に付与する疎水性−親水性のバランスを好適に調整することが可能となる。例えば、粉体に付与する親水性を高めようとした場合には前記モノマー(B)の割合を増やせばよく、反対に疎水性を高めようとした場合には前記モノマー(A)の割合を増やせばよい。また、前記モノマー(B)を適当量用いることによって、粉体へのポリマーの吸着性を高めることもできる。
本発明に用いられるポリマーは、モノマー(A)とモノマー(B)との割合がモル比で(A):(B)=70:30〜99.9:0.1となるように調整することが好適である。モノマー(A)の割合が70:30より少ないと、処理粉体が親水性に偏ってしまうため、十分な疎水性を付与することができない場合があり、一方でモノマー(A)の割合が99.9:0.1より多いと、粉体の表面にポリマーが吸着しにくくなり、粉体の安定性に悪影響を与える場合がある。
本発明にかかる表面処理粉体において、基粉体に対するポリマーの被覆量は、質量比で、ポリマー:基粉体=3:97〜40:60、より好ましくは5:95〜30:70である。3:97よりポリマーの被覆量が少ないと、粉体に対して所望の性能を付与することができない場合があり、40:60より被覆量が多いと、化粧料として用いた場合の使用感等について悪影響を与える場合がある。
基粉体
本発明に用いる基粉体は、特に限定されるものではないが、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、雲母、ベントナイト、チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック及びこれらの複合体等の無機粉体、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、上記化合物の単量体の2種以上からなる共重合体、セルロイド、アセチルセルロース、セルロース、多糖類、タンパク質、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジ、CIピグメントグリーン等の有機粉体が挙げられる。また、粉体の形状についても、例えば、板状、塊状、鱗片状、球状、多孔性球状等、どのような形状のものでも用いることができ、粒径についても特に制限されない。
本発明の表面処理粉体において、基粉体の表面処理は、通常の処理方法により用いればよく、その方法は特に限定されるものではない。例えば、基粉体を予め上記疎水化処理剤により処理し、次いで上記ポリマーにより処理することにより、本発明の表面処理粉体を得ることができる。あるいは、基粉体に対して上記疎水化処理剤及び上記ポリマーを同時に処理することによって、本発明の表面処理粉体とすることも可能である。上記疎水化処理剤及び/又は上記ポリマーによって基粉体を処理する場合には、例えば、疎水化処理剤及び/又はポリマーをエチルアルコール等の適当な溶媒中に溶解し、この溶液中に粉体を混合、攪拌した後、溶媒を留去する方法が挙げられる。また、本発明にかかる表面処理粉体を化粧料中に配合する場合には、化粧料の製造過程において、疎水化処理剤及びポリマーを粉体基剤中に直接混合攪拌してもよい。
なお、本発明において、上記ポリマーにより基粉体を処理する場合には、基粉体のゼータ電位に注意する必要がある。ここで、粉体のゼータ電位とは、固相と液相とが相対運動をする場合に固相に密着して動く層の最外面(すべり面)における電位と溶液内部の電位との差を示すものである。溶液が中性付近の場合、酸化チタンやシリカ等のゼータ電位はマイナスとなり、反対に酸化亜鉛やアルミナ等のゼータ電位はプラスとなる。酸化亜鉛やアルミナ等のゼータ電位がプラスの粉体を処理する場合には、通常の方法で処理すると、pH応答性に重要なカルボン酸部位が粉体表面のプラス電荷により相殺されてしまい、得られた表面処理粉体がpH応答性を示さなくなる場合がある。このような粉体に対してpH応答性を付与するためには、予めシリカやポリスチレンスルホン酸等のマイナス電荷を帯びた無機物あるいは有機物を粉体表面に処理して、粉体表面のゼータ電位をマイナスに転じさせる必要がある。このような処理方法としては、例えば、粉体を水ガラス溶液中に分散させ、酸を滴下して表面上にシリカを析出させる方法、あるいは粉体をポリスチレンスルホン酸水溶液中に分散させた後、水を揮発させる等の方法が挙げられる。
化粧料
また、本発明にかかる化粧料は、以上のようにして得られる表面処理粉体を含有することを特徴とするものである。表面処理粉体の配合量は、化粧料全量中3質量%以上であることが好ましく、特に5〜95質量%であることが好ましい。配合量が3質量%未満では本発明の効果が得られない場合がある。
本発明にかかる化粧料においては、上記表面処理粉体の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に用いられる水、油分、粉体(未処理)、界面活性剤、フッ素化合物、樹脂、粘剤、防腐剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤等の成分を配合することができる。
本発明にかかる化粧料の形態は、特に限定されるものではないが、例えば、ファンデーション、白粉、口紅、アイシャドウ、チーク、マスカラ、アイライナー等のメイクアップ化粧料や、サンスクリーン剤、下地クリーム、ヘアクリーム等が挙げられる。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず最初に、本発明に用いるポリマーの合成方法について説明する。
合成例1:11−メタクリルアミドウンデカン酸(MAU)ホモポリマー
11−メタクリルアミドウンデカン酸ナトリウム(NaMAU)5.244g(18mmol)、アゾビスイソブチロニトリル7.4mg(0.045mmol)を、メタノール32.4mLと水3.6mLの混合溶媒(メタノール/水=9/1)に溶解した。30分間アルゴンをバブルして脱気を行ない、セプタムで容器に蓋をして60℃で12時間加熱して重合した。重合反応終了後に大過剰のエーテル中に反応溶液を滴下して沈殿物を吸引ろ過で回収した。この沈殿物を水に溶解して1週間純水に対して透析を行ない、凍結乾燥を行なうことにより、NaMAUホモポリマー2.64gを得た(収率:50.40%)。
回収したNaMAUホモポリマー1.10gを水に溶解し、塩酸を用いてpHを4に調整した。この溶液について1週間pH5の水に対して透析を行ない、凍結乾燥を行なうことにより、11−メタクリルアミドウンデカン酸(MAU)ホモポリマー0.97gを得た。
合成例2:11−メタクリルアミドウンデカン酸(MAU)/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)コポリマー(90/10)
11−メタクリルアミドウンデカン酸(MAU)18.42g(68.41mmol)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS:シグマ−アルドリッチ・ジャパン社製)1.58g(7.60mmol)、水酸化ナトリウム0.31g(7.60mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.31g(1.89mmol)を、メタノール59.4gに溶解した。60分間窒素をバブルして脱気を行ない、セプタムで容器に蓋をして60℃で20時間加熱して重合した。重合反応終了後に大過剰の酢酸エチル中に反応溶液を滴下して沈殿物を吸引ろ過で回収した。減圧乾燥の後、ランダム状のMAU/AMPSコポリマー(90/10)17.8gを得た(収率:87.9%)。重量平均分子量は92000だった。
本発明者らは、疎水化処理剤及びポリマーによる表面処理を行なった表面処理粉体の特性について検討を行なうため、ステアリン酸及び上記合成例2のMAU/AMPSコポリマーにより表面処理した酸化チタン粉体を製造し、酸性(pH5)及び塩基性(pH10)の各条件における当該処理粉体の水溶性の評価を行った。評価結果を表1及び図1,2に示す。なお、表面処理粉体の製造条件及び評価方法は以下の通りである。
実施例1−1
エタノール700mL中にステアリン酸4gを溶解し、つづいてこの溶液中に、酸化チタン196gを混合、分散し、エタノールを揮発させ、ステアリン酸処理酸化チタンを得た。別途、エタノール300g中に、上記合成例2により製造したMAU/AMPSコポリマー7gを溶解し、以上で得られたステアリン酸処理酸化チタン93gを混合、分散し、エタノールを揮発させた。得られた塊状物質を粉砕し、ステアリン酸/MAU/AMPSコポリマー表面処理粉体89.9gを得た。
実施例1−2
エタノール700mL中にステアリン酸10gを溶解し、つづいてこの溶液中に酸化チタン190gを混合、分散し、エタノールを揮発させ、ステアリン酸処理酸化チタンを得た。別途、エタノール300g中に、上記合成例2により製造したMAU/AMPSコポリマー7gを溶解し、以上で得られたステアリン酸処理酸化チタン93gを混合、分散し、エタノールを揮発させた。得られた塊状物質を粉砕し、ステアリン酸/MAU/AMPSコポリマー表面処理粉体87.2gを得た。
実施例1−3
エタノール700mL中にステアリン酸14gを溶解し、つづいてこの溶液中に酸化チタン186gを混合、分散し、エタノールを揮発させ、ステアリン酸処理酸化チタンを得た。別途、エタノール300g中に、上記合成例2により製造したMAU/AMPSコポリマー7gを溶解し、以上で得られたステアリン酸処理酸化チタン93gを混合、分散し、エタノールを揮発させた。得られた塊状物質を粉砕し、ステアリン酸/MAU/AMPSコポリマー表面処理粉体90.1gを得た。
実施例1−4
エタノール700mL中にステアリン酸22gを溶解し、つづいてこの溶液中に酸化チタン178gを混合、分散し、エタノールを揮発させ、ステアリン酸処理酸化チタンを得た。別途、エタノール300g中に、上記合成例2により製造したMAU/AMPSコポリマー7gを溶解し、以上で得られたステアリン酸処理酸化チタン93gを混合、分散し、エタノールを揮発させた。得られた塊状物質を粉砕し、ステアリン酸/MAU/AMPSコポリマー表面処理粉体92.7gを得た。
比較例1−1
エタノール300g中に、上記合成例2により製造したMAU/AMPSコポリマー7g7gを溶解し、未処理の酸化チタン93gを混合、分散し、エタノールを揮発させた。得られた塊状物質を粉砕し、ポリマー表面処理粉体85.1gを得た。
処理粉体の水溶性
各種表面処理剤により表面処理した酸化チタン粉体0.1gを、pH5及びpH10の各種pH緩衝水溶液30mLとともにバイアル中に入れ、マグネチックスターラーにより1分間混合攪拌した後静値し、溶液の状態を確認した。
○:粉体が水中に均一に溶解し、白濁溶液となった。
×:粉体が水と溶解せず、水面上に分離した。
表1及び図1,2に示すように、ステアリン酸及びMAU/AMPSコポリマーにより表面処理された実施例1−1〜1−4の表面処理粉体は、pH5の酸性条件下においては水中に全く溶解しておらず、粉体が優れた疎水性を示す一方で、pH10の塩基性条件とした場合には、処理粉体が水中に均一に溶解しており、粉体が親水性に変化することが明らかとなった。すなわち、実施例1−1〜1−4の表面処理粉体を化粧料に配合した場合、一般的な化粧料が用いられる酸性〜中性領域では優れた疎水性を示すため、化粧持ちに優れているにもかかわらず、石鹸等を用いて適度な塩基性環境とした場合には粉体の表面が親水性へと変化するため、水で容易に洗い流すことが可能になると考えられる。
これに対して、疎水化処理剤を全く用いなかった比較例1−1の表面処理粉体においては、pH5の酸性条件下においても、粉体が水に溶解してしまった。このことから、疎水化処理剤を用いない表面処理粉体においては、MAU/AMPSコポリマーの被覆によってpH応答性は有しているものと考えられるが、粉体自身の有する疎水性が十分でないことから酸性〜中性領域で水に溶解してしまい、このため、一般的な化粧料が用いられる酸性〜中性領域において優れた化粧持ち効果を示すことができないことがわかる。
つづいて、本発明者らは、各種疎水化処理剤及び各種ポリマーにより表面処理した粉体を配合した化粧料の調製を試み、その評価を行った。
実施例2−1
エタノール1000mL中に、上記合成例2に準じて製造したMAU/AMPSコポリマー(MAU/AMPS=95/5)16g、ステアリン酸16gを溶解した。この溶液中にタルク85g、セリサイト50.8g、酸化チタン10g、ナイロン粉末6g、黒酸化鉄0.4g、黄酸化鉄5.8g、ベンガラ2gを混合、分散し、エバポレータによりエタノールを揮発させた。得られた塊状物質を粉砕し、実施例2−1の表面処理粉体を得た。
実施例2−2
エタノール1000mL中に、上記合成例1に準じて製造したMAUホモポリマー(MAU/AMPS=100/0)16g、ステアリン酸16gを溶解した。この溶液中にタルク85g、セリサイト50.8g、酸化チタン10g、ナイロン粉末6g、黒酸化鉄0.4g、黄酸化鉄5.8g、ベンガラ2gを混合、分散し、エバポレータによりエタノールを揮発させた。得られた塊状物質を粉砕し、実施例2−2の表面処理粉体を得た。
実施例2−3
エタノール1000mL中に、上記合成例2に準じて製造したMAU/AMPSコポリマー(MAU/AMPS=80/20)16g、ステアリン酸16gを溶解した。この溶液中にタルク85g、セリサイト50.8g、酸化チタン10g、ナイロン粉末6g、黒酸化鉄0.4g、黄酸化鉄5.8g、ベンガラ2gを混合、分散し、エバポレータによりエタノールを揮発させた。得られた塊状物質を粉砕し、実施例2−3の表面処理粉体を得た。
実施例2−4
エタノール1000g中に上記合成例1により製造したMADホモポリマー10.0gを溶解し、パーフルオロアルキルリン酸処理酸化亜鉛(特開2005−232279号公報に記載の製法により調製)90.0gを添加混合し、乾燥させて、実施例2−4のMADホモポリマー/パーフルオロアルキルリン酸,アクリル酸アルキルジメチコン/酸化亜鉛粉体92.0gを得た。
実施例2−5
エタノール1000g中に上記合成例1により製造したMADホモポリマー10.0gを溶解し、パルミチン酸デキストリン処理酸化亜鉛(WO99/25654号公報に記載の製法により調製)90.0gを添加混合し、乾燥させて、実施例2−5のMADホモポリマー/パルミチン酸デキストリン/酸化亜鉛粉体92.0gを得た。
実施例2−6
オクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製)10.0gをエタノール1000ml中に添加混合した。この溶液中に、酸化亜鉛粉体(未処理酸化亜鉛,MZ−500:テイカ社製)90.0gを添加混合し、分散した。分散液を攪拌混合した後、乾燥させて、オクチルトリエトキシシラン/酸化亜鉛粉体90.2gを得た。別途、エタノール1000g中に上記合成例1により製造したMADホモポリマー10.0gを溶解し、以上で得られたオクチルトリエトキシシラン/酸化亜鉛粉体90.0gを添加混合し、乾燥させて、実施例2−6のMADホモポリマー/オクチルトリエトキシシラン/酸化亜鉛粉体89.7gを得た。
12−メタクリルアミドドデカン酸(MAD)/N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)コポリマー(90/10)
12−メタクリルアミドドデカン酸(MAD)19.14g(67.63mmol)、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA:興人社製)0.86g(7.51mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.33g(1.97mmol)を、メタノール60.0gに溶解した。アゾビスイソブチロニトリルは、定法に従い、メタノールから再結晶して用いた。60分間アルゴンをバブルして脱気を行ない、セプタムで容器に蓋をして60℃で20時間加熱して重合した。重合反応終了後に大過剰のジエチルエーテル中に反応溶液を滴下して沈殿物を吸引ろ過で回収した。減圧乾燥の後、MAD/HEAAコポリマー(90/10)16.90gを得た。
実施例2−7
カルボキシル変性シリコーン(X22−3710:信越シリコーン社製)10.0gをエタノール1000ml中に添加混合した。この溶液中に、酸化亜鉛粉体(未処理酸化亜鉛,MZ−500:テイカ社製)90.0gを添加、分散した。分散液を攪拌混合し、乾燥させて、カルボキシル変性シリコーン/酸化亜鉛粉体88.8gを得た。別途、エタノール1000g中に上記MAD/HEAAコポリマー(MAD/HEAA=90/10)10.0g、を溶解し、以上で得られたカルボキシル変性シリコーン/酸化亜鉛粉体90.0gを添加混合し、乾燥させて、実施例2−7のMAD/HEAAコポリマー(MAD/HEAA=90/10)/カルボキシル変性シリコーン/酸化亜鉛粉体86.7gを得た。
実施例2−8
パウダー型ファンデーション 配合量(質量%)
(1)実施例2−1の表面処理粉体 86.6
(2)流動パラフィン 4.0
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 3.0
(4)イソステアリン酸ソルビタン 3.0
(5)オクチルドデカノール 3.0
(6)防腐剤 0.1
(7)殺菌剤 0.1
(8)酸化防止剤 0.1
(9)香料 0.1
(製法) (1),(7)〜(9)を加熱溶解した(2)〜(6)に加えて、ヘンシェルミキサーにて混合し、パウダー型ファンデーションを得た。
以上のようにして得られたパウダー型ファンデーションは、化粧持ちに優れており、さらに石鹸を用いて容易に水で洗い流すことが可能であった。
実施例2−9
2層タイプW/Oサンスクリーン 配合量(質量%)
(1)タルク 10.0
(2)実施例1−1の表面処理酸化チタン 10.0
(3)オクタン酸イソセチル 5.0
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 26.8
(5)ジメチルポリシロキサン 10.0
(6)POE変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(7)イオン交換水 28.0
(8)1,3−ブチレングリコール 8.0
(9)防腐剤 0.1
(10)香料 0.1
(製法) (3)〜(6)を70℃で加熱混合し、油相とした。別に(7)中に(8),(9)を溶解させ、これを水相とした。油相中に(1),(2)の粉末を加え、ホモミキサーで分散した。この中に先の水相を添加し、ホモミキサーで乳化した。さらに(10)を混合して容器に充填した。
以上のようにして得られた2層タイプW/Oサンスクリーンは、化粧持ちに優れており、さらに石鹸を用いて容易に水で洗い流すことが可能であった。
実施例2−10
W/O型ファンデーション 配合量(質量%)
(1)実施例2−1の表面処理粉体 20.32
(2)流動パラフィン 5.0
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 29.0
(4)POE変性ジメチルポリシロキサン 4.5
(5)イオン交換水 36.0
(6)1,3−ブチレングリコール 5.0
(7)防腐剤 0.1
(8)香料 0.08
(製法) (2)〜(4)を70〜80℃で加熱溶解した(これを油相とした)。また、(5)に(6)および(7)を溶解した(これを水相とした)。(1)に先の油相を加え、ホモミキサーで混合した。(8)を加え混合した後、水相を加え乳化し、容器に充填した。
以上のようにして得られたW/O型ファンデーションは、化粧持ちに優れており、さらに石鹸を用いて容易に水で洗い流すことが可能であった。
実施例2−11
口紅 配合量(質量%)
(1)実施例1−3の表面処理酸化チタン 10.0
(2)赤色201号 0.6
(3)赤色202号 1.0
(4)赤色223号 0.2
(5)キャンデリラロウ 9.0
(6)固形パラフィン 8.0
(7)ミツロウ 5.0
(8)カルナバロウ 5.0
(9)ラノリン 11.0
(10)ヒマシ油 23.2
(11)2−エチルヘキサン酸セチル 17.0
(12)イソプロピルミリスチン酸エステル 10.0
(13)酸化防止剤 適 量
(14)香料 適 量
(製法) (1)〜(3)を(10)の一部と混合し、ローラー処理した(これを顔料部とした)。(4)を(10)の一部に溶解した(これを染料部とした)。(5)〜(13)を混合し、加熱溶解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散した。これを型に流し込み急冷し、スティック状とした。
以上のようにして得られた口紅は、化粧持ちに優れており、さらに石鹸を用いて容易に水で洗い流すことが可能であった。
実施例2−12
油性スチックファンデーション 配合量(質量%)
(粉末部)
(1)実施例2−2の表面処理粉体 50.0
(油相部)
(2)固形パラフィン 3.0
(3)マイクロクリスタリンワックス 7.0
(4)ワセリン 15.0
(5)ジメチルポリシロキサン 3.0
(6)スクワラン 5.0
(7)パルミチン酸イソプロピル 17.0
(8)酸化防止剤 適 量
(9)香料 適 量
(製法) (2)〜(8)を85℃で溶解し、これに十分混合された粉末部を攪拌しながら添加する。次にコロイドミルで磨砕分散する。(9)を加え、脱気後70℃で容器に流し込み冷却して化粧料を得た。
以上のようにして得られたスチックファンデーションは、化粧持ちに優れており、さらに石鹸を用いて容易に水で洗い流すことが可能であった。
実施例2−13
2層タイプW/Oサンスクリーン 配合量(質量%)
(1)タルク 10.0
(2)実施例2−4の表面処理酸化亜鉛粉体 10.0
(3)オクタン酸イソセチル 5.0
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 26.8
(5)ジメチルポリシロキサン 10.0
(6)POE変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(7)イオン交換水 28.0
(8)1,3−ブチレングリコール 8.0
(9)防腐剤 0.1
(10)香料 0.1
(製法) (3)〜(6)を70℃で加熱混合し、油相とした。別に(7)中に(8),(9)を溶解させ、これを水相とした。油相中に(1),(2)の粉末を加え、ホモミキサーで分散した。この中に先の水相を添加し、ホモミキサーで乳化した。さらに(10)を混合して容器に充填した。
以上のようにして得られた2層タイプW/Oサンスクリーンは、化粧持ちに優れており、さらに石鹸を用いて容易に水で洗い流すことが可能であった。
実施例2−14
2層タイプW/Oサンスクリーン 配合量(質量%)
(1)タルク 10.0
(2)実施例2−5の表面処理酸化亜鉛粉体 10.0
(3)オクタン酸イソセチル 5.0
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 26.8
(5)ジメチルポリシロキサン 10.0
(6)POE変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(7)イオン交換水 28.0
(8)1,3−ブチレングリコール 8.0
(9)防腐剤 0.1
(10)香料 0.1
(製法) (3)〜(6)を70℃で加熱混合し、油相とした。別に(7)中に(8),(9)を溶解させ、これを水相とした。油相中に(1),(2)の粉末を加え、ホモミキサーで分散した。この中に先の水相を添加し、ホモミキサーで乳化した。さらに(10)を混合して容器に充填した。
以上のようにして得られた2層タイプW/Oサンスクリーンは、化粧持ちに優れており、さらに石鹸を用いて容易に水で洗い流すことが可能であった。
実施例2−15
2層タイプW/Oサンスクリーン 配合量(質量%)
(1)タルク 10.0
(2)実施例2−6の表面処理酸化亜鉛粉体 10.0
(3)オクタン酸イソセチル 5.0
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 26.8
(5)ジメチルポリシロキサン 10.0
(6)POE変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(7)イオン交換水 28.0
(8)1,3−ブチレングリコール 8.0
(9)防腐剤 0.1
(10)香料 0.1
(製法) (3)〜(6)を70℃で加熱混合し、油相とした。別に(7)中に(8),(9)を溶解させ、これを水相とした。油相中に(1),(2)の粉末を加え、ホモミキサーで分散した。この中に先の水相を添加し、ホモミキサーで乳化した。さらに(10)を混合して容器に充填した。
以上のようにして得られた2層タイプW/Oサンスクリーンは、化粧持ちに優れており、さらに石鹸を用いて容易に水で洗い流すことが可能であった。
実施例2−16
2層タイプW/Oサンスクリーン 配合量(質量%)
(1)タルク 10.0
(2)実施例2−7の表面処理酸化亜鉛粉体 10.0
(3)オクタン酸イソセチル 5.0
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 26.8
(5)ジメチルポリシロキサン 10.0
(6)POE変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(7)イオン交換水 28.0
(8)1,3−ブチレングリコール 8.0
(9)防腐剤 0.1
(10)香料 0.1
(製法) (3)〜(6)を70℃で加熱混合し、油相とした。別に(7)中に(8),(9)を溶解させ、これを水相とした。油相中に(1),(2)の粉末を加え、ホモミキサーで分散した。この中に先の水相を添加し、ホモミキサーで乳化した。さらに(10)を混合して容器に充填した。
以上のようにして得られた2層タイプW/Oサンスクリーンは、化粧持ちに優れており、さらに石鹸を用いて容易に水で洗い流すことが可能であった。
本発明にかかる実施例1−1(酸化チタン:ステアリン酸:MAU/AMPS(90/10)=91:2:7)、及び実施例1−2(酸化チタン:ステアリン酸:MAU/AMPS(90/10)=88:5:7)のpH5緩衝溶液、及びpH10緩衝溶液の写真図である。 本発明にかかる実施例1−3(酸化チタン:ステアリン酸:MAU/AMPS(90/10)=86:7:7)、及び実施例1−4(酸化チタン:ステアリン酸:MAU/AMPS(90/10)=83:10:7)のpH5緩衝溶液、及びpH10緩衝溶液の写真図である。

Claims (7)

  1. 基粉体表面上に、疎水化処理剤と、下記一般式(1)で示されるモノマー(A)を構成モノマーとして含有するポリマーとが被覆されていることを特徴とする化粧料用表面処理粉体。

    (式中、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数4〜22のアルキレン基、Xは−NH−基又は酸素原子、Mは水素又は1価の無機又は有機カチオンを表す。)
  2. 請求項1に記載の化粧料用表面処理粉体において、前記疎水化処理剤が、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、及びパーフルオロアルキルリン酸から選択されることを特徴とする化粧料用表面処理粉体。
  3. 請求項1又は2に記載の化粧料用表面処理粉体において、前記基粉体に対する前記疎水化処理剤の被覆量が質量比で、疎水化処理剤:基粉体=1:99〜20:80であることを特徴とする化粧料用表面処理粉体。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の化粧料用表面処理粉体において、前記ポリマーがモノマー(A)を構成モノマー全量中70モル%以上含有することを特徴とする化粧料用表面処理粉体。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の化粧料用表面処理粉体において、前記ポリマーがさらに下記一般式(2)に示されるモノマー(B)を構成モノマーとして含有することを特徴とする化粧料用表面処理粉体。

    (式中、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、Xは−NH−基又は酸素原子、Mは水素又は1価の無機又は有機カチオンを表す。)
  6. 請求項1から5に記載のいずれかの化粧料用表面処理粉体において、前記基粉体に対する前記ポリマーの被覆量が質量比で、ポリマー:基粉体=3:97〜40:60であることを特徴とする化粧料用表面処理粉体。
  7. 請求項1から6に記載のいずれかの化粧料用表面処理粉体を含有することを特徴とする化粧料。
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