JP2007302566A - 皮脂吸着剤及びこれを配合した皮膚外用剤 - Google Patents

皮脂吸着剤及びこれを配合した皮膚外用剤 Download PDF

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Abstract

【課題】水性の皮膚外用剤中に均一且つ安定に分散可能な皮脂吸着剤、及びさっぱりした使用感を有し、皮膚に塗布した際に優れた皮脂吸着作用を発揮する皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】ポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーと架橋性モノマーとを重合して得られる共重合体からなる皮脂吸着剤及びこれを配合した皮膚外用剤。
【効果】皮脂吸着剤は水性の皮膚外用剤中に均一且つ安定に分散し、優れた皮脂吸着機能を発揮する。皮脂吸着剤は水を含有する水性化粧料に利用され、滑らかでさっぱりした使用感を有し、皮脂吸着作用に優れている。
【選択図】図1

Description

本発明は化粧料等の皮膚外用剤に配合する皮脂吸着剤及びこれを配合した皮膚外用剤に関する。
さらに詳しくは、水性の皮膚外用剤中に均一且つ安定に分散可能な皮脂吸着剤及び低粘度の滑らかでさっぱりした使用感を有し、皮膚に塗布した際に皮脂吸収作用の向上が認められる皮膚外用剤に関する。
皮膚上に分泌される皮脂の制御は、にきびの防止、化粧持続性の向上等において重要である。従来より、皮膚外用剤には皮脂を吸収、除去する作用を有する粉末が使用されてきた。このような皮脂吸収性粉末としては、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸マグネシウム・ナトリウム等の水膨潤性粘土鉱物、植物質粉末、酢酸ビニル、N-ビニルピロリドン、2,4-ジアミノ-6-フェニル-1,3,5-トリアジン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等の球状多孔性樹脂粉末、ヒドロキシアパタイト被覆無機球状粉末、カオリン、マイカ、タルク、結晶セルロース、炭酸カルシウム等の多孔性粉体、麦飯石粉末等が挙げられる。
上記に示した皮脂吸収性粉末を含有する化粧料は、ペースト状、クリーム状、ゲル状の形態で提供されることが多い(特許文献1〜6)。一方、カーマインローションのような、粉体を含有する水性化粧料は、さっぱりした使用感と、粉体による皮脂吸着作用により化粧崩れを防ぐことから、特に夏期において好ましく使用される。しかしながら、経時的な沈降や凝集、或いは浮遊等により、粉末を低粘度の水性化粧料中に長期間均一に分散しておくことができないため、これらは通常二層式の化粧水として提供され、使用に際し振とう操作により粉体を分散させる必要があった。
また、親水性粉末を微細化したり、疎水性を示すような高分子粉末を陰イオン性界面活性剤などにより親水化処理した粉末を用いることで水性化粧料を調製する技術がある(特許文献7)。
しかしながら、上記の手段では微細親水性粉末は粒子径が50nm以下にするのは非常に困難であり、かつ粒度分布も広くなるため粉末の凝集が生じてしまい、安定な分散状態が得られない。一方、150nm以上になると、粉末の沈降が生じてしまうことから粒子径のコントロールが非常に難しい。
さらに疎水性高分子粉末を陰イオン性界面活性剤で親水化処理した粉末を用いる場合、多量に配合すると、特に電解質を含む化粧料中では粉末の凝集が生じやすく、安定な系の維持が困難である。
また、これらの粉体含量が多過ぎると、皮膚に塗布する際に違和感を生じたり、化粧料の伸びが重くなったり、塗布面に厚ぼったい感じ或いは白浮きといった不自然な外観を与えることもあるという問題があった。
特公平4−14642 特公平4−35443 特公平4−51522 特公平6−92288 特開平8−208430 特開平9−267528 特開平11−199422
このように親水性粉末を利用した水性化粧料は、系の安定性から使用直前に振とうが必要であったり、皮脂吸着性効果を高めるために高配合した場合には、塗布膜を感じ、使用感が悪くなるという解決すべき課題があった。
本発明者等は上述の事情に鑑みて鋭意研究した結果、水性の皮膚外用剤に特定の共重合体からなるミクロゲルを配合すると、皮脂吸着効果と水分散性効果の両方に優れ、粘度が非常に低い水性化粧料においても系を安定に維持でき、しかもさっぱりとした使用感を発揮することを見出し本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、水性の皮膚外用剤中に均一且つ安定に分散可能な皮脂吸着剤、及びさっぱりした使用感を有し、皮膚に塗布した際に優れた皮脂吸着効果を発揮する皮膚外用剤を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記式(1)のポリエチレンオキサイドマクロモノマーと下記式(2)の疎水性モノマーと下記式(3)の架橋性モノマーとを重合して得られる共重合体からなる皮脂吸着剤を提供するものである。
Figure 2007302566
(1)
1は炭素原子数1〜3のアルキルを表し、nは20〜200の数である。XはHまたはCH3を表す。
Figure 2007302566
(2)
2は炭素原子数1〜3のアルキルを表し、R3は炭素原子数1〜8のアルキルを表す。
Figure 2007302566
(3)
4とR5はそれぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキルを表し、mは0〜2の数である。
また、本発明は、下記(A)、(B)、(C)、(D)の条件下に、前記(1)〜(3)のモノマーを水−エタノール混合溶媒中にてラジカル重合して得られる共重合体のミクロゲルからなる皮脂吸着剤を提供するものである。
(A)疎水性モノマーは炭素原子数1〜8のアルキルを有するメタクリル酸誘導体を一種もしくは二種以上を混合した組成であること
(B)ポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーの仕込み量が、ポリエチレンオキサイドマクロモノマー:疎水性モノマー=1:10〜1:250(モル比)であること
(C)架橋性モノマーの仕込み量が、疎水性モノマーの仕込み量に対して、0.1〜1.5質量%であること
(D)水−エタノール混合溶媒が、水:エタノール=90〜30:10〜70(20℃の容積比)であること
さらに、本発明は、上記の皮脂吸着剤を配合することを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
また、本発明は、粘度が1000cps未満であることを特徴とする上記の皮膚外用剤を提供するものである。
(1)本発明の皮脂吸着剤は、粘度が低い水性の皮膚外用剤に安定に配合できる。
(2)本発明の皮脂吸着剤を配合した皮膚外用剤は、塗布後、肌上の皮脂を効率よく吸着し、経時による化粧崩れを防止する効果がある。
(3)本発明の皮膚外用剤は使用感に優れている。すなわち、なめらかで、さっぱり感がありべたつきがない。
以下、本発明について詳述する。
「本発明に用いる共重合体」
式(1)のポリエチレンオキサイドマクロモノマーは、例えばAldrich社から市販されている試薬、あるいは日本油脂から発売されているブレンマー(登録商標)を使用することが出来る。これら市販品の式(1)のポリエチレンオキサイド部分の分子量(即ちnの値)は幅広く、これを使用することができる。このポリエチレンオキサイド部分の分子量の好ましいサイズはn=20〜200のものである。例えば、日本油脂製ブレンマー(登録商標)PME1000あるいはブレンマー(登録商標)PME4000などが好適である。
式(2)の疎水性モノマーは、例えば、Aldrich社もしくは東京化成社から市販されている試薬を使用することができる。式(2)のR3のアルキル鎖は炭素原子数1〜8のアルキルである。式(2)は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸へプチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸へプチル、メタクリル酸オクチルなどである。特に、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレートが好適である。これらの疎水性モノマーは汎用原料であり、一般工業原料としても容易に入手することができる。
式(3)の架橋性モノマーは、市販の試薬あるいは工業用原料として入手が可能である。この架橋性モノマーは疎水的であることが好ましい。式(3)のmの値は好ましくは1〜3である。具体的にはAldrich社から発売されているエチレングリコールジメタクリレート、日本油脂製ブレンマー(登録商標)PDE−50などが好適である。
本発明に用いる共重合体は、任意の重合法により上記モノマーを共重合体させたものであるが、特に下記(A)、(B)、(C)の条件下に、前記(1)〜(3)のモノマーを水−エタノール混合溶媒中にてラジカル重合して得られる共重合体(ミクロゲル)であることが好ましい。
(A)ポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーの仕込み量が、ポリエチレンオキサイドマクロモノマー:疎水性モノマー=1:10〜1:250(モル比)であること
(B)架橋性モノマーの仕込み量が、疎水性モノマーの仕込み量に対して、0.1〜1.5質量%であること
(C)水−エタノール混合溶媒が、水:エタノール=90〜30:10〜70(20℃の容積比)であること
(A)のポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーの仕込み量は、ポリエチレンオキサイドマクロモノマー:疎水性モノマー=1:10〜1:250(モル比)の範囲でコロナ−コア型ミクロゲルが重合可能である。エチレンオキサイドマクロモノマーの仕込み量が、モル比で疎水性モノマーの10分の1を下回ると重合されるポリマーは水溶性になり、コロナ−コア型ポリマーミクロゲルは形成しない。また、ポリエチレンオキサイドマクロモノマーのモル量に対して疎水性モノマーが250倍以上になるとポリエチレンオキサイドマクロモノマーによる分散安定化が不完全になり不溶性の疎水性モノマーによる疎水性ポリマーが凝集、沈殿する。ポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーの仕込み比は、好ましくは1:10〜1:200の範囲である。さらに好ましくは1:25から1:100の範囲である。
(B)の架橋性モノマーを共重合することでコア部分の疎水性ポリマーが架橋されたミクロゲルを重合することが出来る。架橋性モノマーの仕込み量が疎水性モノマーの仕込み量の0.1重量%未満であると、架橋密度が低く、このミクロゲルは膨潤時に崩壊してしまう。また1.5重量%を上回ると、ミクロゲル粒子同士の凝集が生じ、粒度分布の狭い好適なミクロゲル粒子を重合することは出来ない。好ましい架橋性モノマーの仕込み量は、0.2〜1.0、さらに好ましくは0.2〜0.8、最も好ましくは0.2〜0.5質量%である。
(C)の重合溶媒である水/エタノールの混合比は、水−エタノール混合溶媒が、水:エタノール=90〜30:10〜70(20℃の容積比)である。重合溶媒は疎水性モノマーを均一溶解するためにエタノールを加えることが必要である。エタノールの混合比は10〜60容量比である。エタノールの混合比が10容量比より低い場合は疎水性モノマーを可溶化することが困難になり、重合されるミクロゲル粒子の粒度分布が広くなってしまう。またエタノールの混合比が60容量比を上回ると、重合されるポリマーは重合溶媒に溶解してしまい、ミクロゲル粒子は得られない。好ましい水/エタノールの混合比は、水−エタノール混合溶媒が、水:エタノール=90〜60:10〜40(20℃の容積比)である。さらに好ましくは水:エタノール=80〜70:20〜30(20℃の容積比)である。
この重合系に用いられる重合開始剤は通常の水溶性熱ラジカル重合に用いられる市販の重合開始剤を用いることが出来る。
この重合系では特に攪拌条件を厳密にコントロールすることなく重合を行っても重合されるミクロゲル粒子の粒度分布は非常に狭いものを得ることが出来る。
本発明で使用するミクロゲルは、親水性マクロモノマーと疎水性モノマーとが溶媒中にて図1に示すように秩序化が起り、粒子径がほぼ一定で、かつコア部分が架橋されたコロナ−コア型高分子ミクロゲルが生成すると考えられる。そしてこのコア部分の疎水性ポリマーが架橋された部分が優れた皮脂吸着性を有し、コロナ部分が優れた水分散性を有するものと考えられる。
なお、上記ミクロゲルからなる皮脂吸着剤を、医薬品や化粧品等の皮膚外用剤の配合成分として応用を考える際、生理的条件化での適応においては耐酸性や耐塩性は非常に重要な性能である。包接体を構成する上記ミクロゲルは非イオン性高分子であるポリエチレンオキサイド鎖で安定化されたミクロゲルであり、その水中での分散安定性は耐酸性や耐塩性が期待できる。
上記ミクロゲルからなる皮脂吸着剤は、粘度が1000mPa・s未満(B型粘度計にて20℃における粘度)の低い粘度の水性化粧料に配合する場合であっても、皮脂吸着剤の粉末を安定に分散させることが可能である。特に平均粒子径が100〜250nmが好ましい。好ましく配合される水性化粧料としては、柔軟性化粧水、収斂化粧水、洗浄化粧水、制汗剤などの水を少なくとも10質量%以上含有する化粧料である。また、水中油型乳化化粧料に配合することも好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、皮脂吸着剤の粉末を皮膚外用剤に配合することにより製造される。あらかじめ皮脂吸着剤の粉末を水及び/又はアルコール中に混合分散させた溶液を、皮膚外用剤に配合することが好ましい。皮脂吸着剤の配合量は特に限定されず任意であるが、皮膚外用剤全量に対して0.001〜10.0質量%が好ましい。
本発明において、皮脂吸着剤を構成する上記ミクロゲルは、水に僅か0.01質量%配合するだけでさらさら感を付与することが確認でき、使用性改善剤としても機能する。従来の技術では、皮脂吸着効果を向上させるために無機粉末を高配合する結果、塗布時及び乾燥後の肌のきしみ感を抑制することが極めて困難なものであった。
本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬品等に通常使用される成分、例えば、薬効剤、保湿成分、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機粉体、香料、色素などを必要に応じて適宜配合することができる。
次に実施例を挙げて本発明を説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。最初に、実施例に使用した共重合体(ミクロゲル)の製造例を示す。配合量は特に断りのない限り、質量%で表す。
「ミクロゲルの製造例」
ミクロゲルの重合は以下の方法で実施した。還流管と窒素導入管を備えた200mLの三口フラスコに水−エタノール混合溶媒(水:エタノール=60:40容量比)50mLにPME−4000、メチルメタクリレート(MMA)、ブチルメタクリレート(nBMA)、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)およびエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)を溶解する。十分溶解した後、2,2'アゾビス(2メチルプロピオンアミジン 2塩酸塩)を全モノマー量に対して1mol%の割合で添加してさらに溶解する。完全に均一になった重合溶液を20分間窒素置換して溶存酸素を除いた後、マグネチックスターラーで攪拌しながら、オイルバスにて65から70℃に8時間保って重合する。重合終了後、重合液を室温に戻した後、重合液を水に対して5日間透析して、残存モノマーを除去し、同時に分散液を水に置換する。
用いたモノマーの量(g)を「表1」に示す。
Figure 2007302566
次に上記ミクロゲルの皮脂吸着能及びこれを配合した実施例について説明する。
「評価(1):ミクロゲルの皮脂吸着能」
ミクロゲル分散液10gに擬似皮脂成分1gを添加し、擬似皮脂成分の添加前と添加後のミクロゲルの粒子径(擬似皮脂成分添加前をd0、添加後をdとする)を測定した。この体積変化率(d/d03から擬似皮脂成分がミクロゲル内に取り込まれていることを確認した。なお、(d/d03が高いほど、擬似皮脂成分がミクロゲルコア内に多く取り込まれていると評価できる。
「測定サンプル」
<ミクロゲル分散液>
製造例7のミクロゲル 0.1 質量%
水 99.9
<擬似皮脂成分>
トリグリセリド 41質量%
ジグリセリド 2.2
脂肪酸 16.4
スクワレン 12
ワックスエステル 25
コレステロール 1.4
コレステロールエステル 2.1
「粒子径及び分散度の測定方法」
上記ミクロゲルの粒子径の測定は、マルバーン社製ゼータサイザーを用いて測定した。ミクロゲル分散液のミクロゲル濃度を約0.1%に調製し測定サンプルを作成し、25℃での散乱強度を散乱角度178度で測定し、測定装置に搭載されている解析ソフトで平均粒子径および分散度を算出した。粒子径はキュムラント解析法により解析し、粒子径解析に必要な溶媒の粘度は25℃の水とアルコールの混合溶媒の粘度の値を用いた。
測定は各サンプルについて10回の測定を行いその平均値をとった。



Figure 2007302566
上記表2に示されるように、各ミクロゲルは擬似皮脂成分を効率良く吸着して、その体積が増加していることがわかる。
「実施例1〜7および比較例1の製造」
下記の皮膚外用剤を次の製造法により調製した。なお、比較例1の皮膚外用剤は製造例のポリマーを配合していない。
<製造法>
(A)各成分を均一に混合溶解する。「表3」及び「表4」中の(B)の各成分を均一に混合溶解する。(A)90gに(B)10gを撹拌しながら加えてローションを得る。これを試料として、以下の評価方法にしたがい評価を行った。
(A)イオン交換水 74.32質量%
一般アルコール95度合成 10
化粧品用グリセリン(85%) 0.5
ジプロピレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール1000 1.0
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテル
8.5
l−メントールJP 0.002
クエン酸(食品) 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
ヘキサメタリン酸ソーダ 0.03
フェノキシエタノール 0.3
香料 0.05
(B)共重合体の分散水溶液
Figure 2007302566




Figure 2007302566
「評価(2):経時安定性」
経時安定性を50℃、37℃、RT、0℃の恒温槽に静置し、安定性試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
○:各温度にて1ヶ月以上、沈降又は浮遊がないことを認めた。
×:各温度にて1ヶ月以内に、沈降又は浮遊が生じた。
「評価(3):肌へのべたつきのなさ」
使用中及び使用後の肌へのべたつきのなさを専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎:専門パネラー8名以上が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
○:専門パネラー6名以上8名未満が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
△:専門パネラー3名以上6名未満が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
×:専門パネラー3名未満が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
「評価(4):化粧崩れの防止効果」
サンプル塗布から3時間後の化粧崩れ(ファンデーションのにじみ)の防止効果を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎:専門パネラー8名以上が化粧崩れの低減を認めた。
○:専門パネラー6名以上8名未満が化粧崩れの低減を認めた。
△:専門パネラー3名以上6名未満が化粧崩れの低減を認めた。
×:専門パネラー3名未満が化粧崩れの低減を認めた。
Figure 2007302566
上記表5に示されるように、上記製造例1〜7で得られた様々な組成のミクロゲルを皮脂吸着剤成分として含有する皮膚外用剤は、経時安定性、べたつき、化粧崩れの防止の全ての点に優れている。
「皮脂吸着剤の配合量の影響」
下記試験用基本組成により、ミクロゲルからなる皮脂吸着剤を配合したローションを製造し、その評価を行った。
<ローション>
製造例4のミクロゲル 表6記載の配合量
一般アルコール95度合成 10
化粧品用グリセリン(85%) 0.5
ジプロピレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール1000 1.0
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテル
8.5
l−メントールJP 0.002
クエン酸(食品) 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
ヘキサメタリン酸ソーダ 0.03
フェノキシエタノール 0.3
香料 0.05
イオン交換水 残部
Figure 2007302566
上記表6に示されるように、ローションへのミクロゲルの配合量は、0.001〜10質量%が好ましく、0.1〜10.0質量%が特に好ましい。
下記に、本発明の皮脂吸着剤を含有する皮膚外用剤を挙げる。配合されるミクロゲルは、下記処方に示す配合量添加した混合水溶液と、その他の配合成分とを常法により混合して製造することが可能である。また、ミクロゲル乾燥物を配合することも可能である。
「実施例12 収れん化粧水」
製造例5のミクロゲル 1 質量%
エタノール 40
ジプロピレングリコール 1
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル
0.1
無水ケイ酸 1
サリチル酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.2
パラフェノールスルホン酸亜鉛 0.2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
塩酸ピリドキシン 0.1
L−メントール 0.05
EDTA3ナトリウム 0.05
精製水 残余
「実施例13 化粧下地クリーム(低粘度タイプ)」
製造例7のミクロゲル 1 質量%
ジメチルポリシロキサン 2
デカメチルシクロペンタシロキサン 5
エタノール 3
ベヘニルアルコール 0.1
バチルアルコール 0.1
ジプロピレングリコール 5
1,3−ブチレングリコール 3
ポリエチレングリコール1500 4
植物性スクワラン 0.1
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 0.3
酸化チタン・ベンガラ被覆雲母 0.3
雲母チタン 0.3
水酸化カリウム 0.2
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
酢酸トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
チタン酸リチウムコバルト 適量
多孔性球状セルロース末 0.5
ポリエチレングリコール(MW=100万) 0.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2
精製水 残余
「実施例14 化粧水型スプレー」
(原液処方)
製造例6のミクロゲル 1 質量%
精製水 10
アルミニウムハイドロキシクロライド 10
無水エチルアルコール 残余
ミリスチン酸イソプロピル 2
1,3ブチレングリコール 3
抗菌性ゼオライトB 1
エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム 0.1
(充填処方)
原液 50
LPG 50
本発明の皮脂吸着剤は、水性の皮膚外用剤中に均一且つ安定に分散し、優れた皮脂吸着機能を発揮する。本発明の皮脂吸着剤は水を含有する水性化粧料に特に好ましく利用され、滑らかでさっぱりした使用感を有し、皮脂吸収作用に優れた化粧料を提供できる。
本発明の皮脂吸着剤に使用するミクロゲルのコロナ−コア型高分子ナノスフェア生成メカニズムを示す模式図である。

Claims (4)

  1. 下記式(1)のポリエチレンオキサイドマクロモノマーと下記式(2)の疎水性モノマーと下記式(3)の架橋性モノマーとを重合して得られる共重合体からなる皮脂吸着剤。
    Figure 2007302566
    (1)
    1は炭素原子数1〜3のアルキルを表し、nは20〜200の数である。XはHまたはCH3を表す。
    Figure 2007302566
    (2)
    2は炭素原子数1〜3のアルキルを表し、R3は炭素原子数1〜8のアルキルを表す。
    Figure 2007302566
    (3)
    4とR5はそれぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキルを表し、mは0〜2の数である。
  2. 下記(A)、(B)、(C)、(D)の条件下に、前記(1)〜(3)のモノマーを水−エタノール混合溶媒中にてラジカル重合して得られる共重合体のミクロゲルからなる皮脂吸着剤。
    (A)疎水性モノマーは炭素原子数1〜8のアルキルを有するメタクリル酸誘導体を一種もしくは二種以上を混合した組成であること
    (B)ポリエチレンオキサイドマクロモノマーと疎水性モノマーの仕込み量が、ポリエチレンオキサイドマクロモノマー:疎水性モノマー=1:10〜1:250(モル比)であること
    (C)架橋性モノマーの仕込み量が、疎水性モノマーの仕込み量に対して、0.1〜1.5質量%であること
    (D)水−エタノール混合溶媒が、水:エタノール=90〜30:10〜70(20℃の容積比)であること
  3. 請求項1又は2記載の皮脂吸着剤を配合することを特徴とする皮膚外用剤。
  4. 粘度が1000mPa・s未満であることを特徴とする請求項3記載の皮膚外用剤。
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