JPH11201628A - 冷蔵庫の断熱箱体 - Google Patents
冷蔵庫の断熱箱体Info
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- JPH11201628A JPH11201628A JP10002782A JP278298A JPH11201628A JP H11201628 A JPH11201628 A JP H11201628A JP 10002782 A JP10002782 A JP 10002782A JP 278298 A JP278298 A JP 278298A JP H11201628 A JPH11201628 A JP H11201628A
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Abstract
使用せず、その代替物としてシクロペンタンと水混合系
を用いて、高強度でウレタン充填量の低減および熱漏洩
量低減による省エネも可能な冷蔵庫および冷凍庫の断熱
箱体を提供することにある。 【解決手段】発泡剤として水およびシクロペンタン、ポ
リオ−ル成分としてシクロペンタン溶解性の低いポリオ
−ル成分を60重量部以上用い、ポリオ−ル成分とイソ
シアネ−ト成分とを触媒、整泡剤の存在下において反応
させて得られる硬質ポリウレタンフォ−ムを冷蔵庫およ
び冷凍庫の断熱材とする。 【効果】発泡剤として、オゾン層破壊係数がゼロである
シクロペンタンおよび水を用いて、低密度で高流動性お
よび高強度の特性を両立するウレタン材料を発泡充填す
ることにより、低コスト化や軽量化と共に圧縮強度や寸
法安定性も優れ、熱漏洩量低減による省エネが可能な断
熱箱体を得ることができる。
Description
よび水の混合発泡剤を用いた硬質ポリウレタンフォ−ム
を充填した冷蔵庫の断熱箱体に関する。
箱の空間に独立気泡を有する硬質ポリウレタンフォ−ム
を充填する断熱材を用いている。硬質ポリウレタンフォ
−ムは、ポリオ−ル成分とイソシアネ−ト成分を発泡
剤、触媒、整泡剤の存在下において反応させることによ
り得られる。これまでの発泡剤としては、ガス熱伝導率
の低い難分解性のクロロフルオロカ−ボン(CFC)のト
リクロロモノフルオロメタン(公知例として特開昭59
−84913号公報がある)が冷蔵庫の断熱部に使用さ
れてきたが、大気中に放出されると成層園のオゾン層を
破壊したり、温室効果による地表の温度上昇を発生させ
るされ、代替品の選択が進められている。現在、代替発
泡剤としてハイドロクロロフルオロカ−ボン(HCFC)の
1種である1、1−ジクロロ−1−モノフルオロエタン
(公知例として特開平3−258823号公報、特開平
7−25978号公報がある)が冷蔵庫の断熱材に用い
られている。しかしながら、これら代替発砲剤がオゾン
層破壊係数がゼロではないため、2003年には規制の
対象となり全廃の予定になっている。一方、オゾン層破
壊係数がゼロのノンフロン系発泡剤は、欧州を中心に炭
化水素系化合物(公知例として特開平3−152160
号公報がある)への代替えが活発となり、それに伴い日
本でもシクロペンタン発泡剤が冷蔵庫の断熱分野に使用
されてきた。しかし、シクロペンタンはこれまでの発泡
剤に比べ、ガスの熱伝導率が高く断熱性能が大きく劣る
問題がある。近年では、シクロペンタン処方の硬質ポリ
ウレタンフォ−ム材料について、エネルギ−需要が増大
する中、エネルギ−需給バランスの確保、地球温暖化問
題への対応から省エネによる断熱性能の向上および地球
環境保護の立場からウレタン使用量低減の重要性は増大
し、その観点からシクロペンタン発泡剤を用いた冷蔵庫
の断熱箱体に全面的に拡大され、高性能化が要求されて
いる。
−ム材料は、主原料のポリオ−ルとイソシアネ−トが化
学構造の制御、気泡を形成する発泡剤および水、界面現
象を調整する整泡剤が物理構造の制御、触媒が反応性の
制御を行う。反応はポリオ−ルとイソシアネ−トの混合
時から始まり、ポリウレタン樹脂中に発泡剤の独立気泡
が分散したポリウレタンフォ−ムが形成される。ポリウ
レタンフォ−ムは、特に断熱性と共に強度が要求され
る。これらの物性は、ポリウレタン樹脂の化学構造、密
度、気泡を囲む樹脂骨格からなるセル径、大きさなどの
ポリウレタンフォ−ムの物理構造によって決まると考え
られている。ポリウレタン樹脂の化学構造は、原料であ
るポリオ−ル、イソシアネ−トの化学構造と共に発泡剤
の量、水の量、触媒によって制御される反応性に依存す
る。ポリウレタンフォ−ムの物理構造は、原料の化学構
造、反応性と共に整泡剤によって制御される気泡の発
生、成長などの物理現象にも依存し、特に原料各素材の
相溶性、反応性、発泡過程での反応液の流動性が影響す
る。このため、ポリウレタンフォ−ムを高性能化するに
は、各原料の化学構造および組成を最適化しなければな
らない。
根知箱体用断熱材は、従来のCFC、HCFC発泡剤に比べ断
熱性能が大きく劣ると共に高密度で流動性が劣るため、
ウレタン充填量を多く使用しなければ断熱性能および強
度の確保が十分でないという問題がある。更に、冷蔵庫
の省スペ−ス化などの要求により、キャビネット壁内空
間の狭隙間化および複雑形状の箱体や駆動配線数の増加
に伴い壁内部はウレタンフォ−ムが流動しにくい状況に
ある。このことから、フォ−ムが一様に伸びにくく、冷
蔵庫の天丼部、底部、背面部、ハンドル部、ヒンジ部で
スキン層の全体密度とコア層密度が大きく異なり均一な
フォ−ムになりにくく、最終充填部付近の気泡の樹脂化
(ダブルスキン)、ボイド発生なども起こり易くなるた
め、シクロペンタン処方での高性能化が要求されてい
る。その課題に対応するには、シクロペンタン処方でも
低密度と高流動性および高強度の特性が両立できる新た
なウレタン材料を開発する必要がある。即ち、低密度で
高強度のシクロペンタン処方のウレタン材料を冷蔵庫に
充填する結果として、断熱材の使用量低減に伴い低コス
トや軽量化が図れ、高流動性から熱漏洩量の低減による
省エネ化も可能となり、地球温暖化、地球環境保護の立
場からシクロペンタン発泡剤を用いた高品質の冷蔵庫な
どの製品が達成される。しかし、シクロペンタン発泡剤
を用いたポリウレタンフォ−ムは、飽和蒸気圧が従来の
発泡剤に比べ小さくなるため、気泡セル内の圧力も低下
し収縮も発生し易くなり強度などが低下すると言う大き
な課題がある。即ち、フォ−ム密度と圧縮強度は、一般
的に比例関係にあり密度が高くなると圧縮強度が高くな
る傾向を示す。これは、フォ−ム密度が高い程ポリウレ
タン樹脂の割合が高くなりフォ−ムの圧縮強度も高くな
るものである。例えば、圧縮強度を0.1Mpa以上にす
るにはスキン層全体密度が通常38Kg/m3以上必要であ
り、現状のシクロペンタン処方のウレタン材料では、低
密度と高強度の両立が困難になってきている。従って、
現状のシクロペンタン処方の硬質ポリウレタンフォ−ム
は強度を主に確保するため、密度が38Kg/m3以上と高
いウレタンを使用しキャビネット壁内空間に多量の材料
を充填して、断熱材の作製を行っている。このことか
ら、高性能のシクロペンタン処方ウレタンは、低密度で
高流動性および圧縮強度や寸法安定性も優れる両立可能
な材料を発泡充填することにより、ウレタンを大幅に低
減することができる断熱材が地球環境保護の立場から強
く望まれている。
用する断熱箱体が発泡充填する硬質ポリウレタンフォ−
ムにおいて、低密度および高強度の特性が両立できるシ
クロペンタン処方のウレタン断熱材を充填することによ
り、充填量の低減による低コスト化や軽量化および圧縮
強度、寸法安定性も優れ、更に高流動性のため、熱漏洩
量低減による省エネ対応の製品を安定的に歩留まり良く
高性能な断熱箱体を提供することにある。
び冷凍庫に使用する最適な硬質ポリウレタンフォ−ムを
開発するため、シクロペンタン処方で要求される低密度
と高流動性およびウレタン樹脂骨格(セル)強度の向上
を両立させる具体策として、剛直で溶解性の低いポリオ
−ルの選定により発泡剤をセル中に完全封止が可能とな
るシクロペンタン発泡剤のセルに対する溶剤可塑化効果
の低減、またシクロペンタン発泡剤に併用する水配合量
を多く使用して、セル内ガス中の炭酸ガス分圧を増やし
セル内圧力を高める方法などを鋭意検討した結果、以下
の知見が得られ本発明を完成するに至った。
の外箱と内箱との間に形成された空間に、シクロペンタ
ンと水の混合発泡剤を用いた硬質ポリウレタンフォ−ム
を充填してなる冷蔵庫の断熱箱体において、上記硬質ポ
リウレタンフオームの注入口から少なくとも500mm以
上離れた硬質ポリウレタンフォ−ムのスキン層全体密度
が34〜37Kg/m3および圧縮強度が0.1Mpa以上、
曲げ強度が0.4Mpa以上の材料を用いて、上記空間内
に充填する断熱材が内容積に対し30〜35g/Lを注入
することにより達成される。
ンフォ−ムのポリオ−ル成分が、シクロペンタン溶解性
の低い成分を60重量部以上含有し、ウレタン注入口か
ら少なくとも500mm以上離れた平面部分から厚みが約
20〜25mmのコア層断熱材の熱伝導率が平均温度10
℃で18.0〜18.5mW/m・K、コア層密度が3
2〜34Kg/m3および空気中で70℃と−20℃の温度
で24時間劣化放置時の寸法変化率が2%以下、樹脂当
たりフォ−ム伸び量が2.6mm/g以上の流動性を有す
る断熱材で構成する。
オ−ル成分とは、ポリオ−ル中にシクロペンタンを10
重量%混合した際、不透明状態になるポリオ−ル混合系
をシクロペンタン溶解性の低いポリオ−ル成分と定義す
る。
ンフォ−ムのポリオ−ル成分が、シクロペンタン溶解性
の低いトリレンジアミン、グリセリン、シュ−クロ−
ズ、ビスフェノ−ルAを60重量部以上およびトリエタ
ノ−ルアミンにエチレンオキシドおよび/またはプロピ
レンオキシドを付加した混合物とイソシアネ−ト成分と
を触媒、整泡剤、ポリオ−ル混合物100重量部に対し
て2.0〜2.5重量部の水および10〜14重量部の
シクロペンタンを組み合わせた混合発泡剤中で反応させ
て得られる断熱材で構成する。
ンフォ−ムのポリオ−ル成分が、トリレンジアミンにエ
チレンオキシドおよびプロピレンオキシドを付加して得
られるOH価380〜480のポリオ−ル40〜50重
量%、トリエタノ−ルアミンにエチレンオキシドおよび
プロピレンオキシドを付加して得られるOH価300〜
400のポリオ−ル10〜20重量%、グリセリンにプ
ロピレンオキシドを付加して得られるOH価450〜5
00のポリオ−ル15〜25重量%、シュ−クロ−ズに
プロピレンオキシドを付加して得られるOH価400〜
450のポリオ−ル5〜10重量%、ビスフェノ−ルA
にエチレンオキシドを付加して得られるOH価200〜
300のポリオ−ル5〜15重量%を含む混合物からな
り、該ポリオ−ルの平均OH価が350〜450である
硬質ポリウレタンフォ−ムを用いた断熱材で構成する。
0を下回ると圧縮強度や寸法安定性が低下し、450を
越えるとフォ−ムがもろくなる傾向を示し、平均OH価
は350〜450が安定した硬質ポリウレタンフォ−ム
を製造するうえで好ましい。ここでOH価とは、試料1g
から得られるアセチル化物に結合している酢酸を中和す
るのに必要な水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)であ
る。
リオ−ル成分を基本原料としてシクロペンタンと水、整
泡剤、反応触媒の存在下で、イソシアネ−トを反応させ
て得られるものである。シクロペンタン処方における低
密度化、高流動性および高強度を両立可能な要因が余り
明らかでないため、種々ポリオ−ルにおけるシクロペン
タン発泡剤の溶解性および圧縮強度、寸法安定性などの
関係を調べた。その結果、ポリオ−ルは発泡剤のシクロ
ペンタンに対する溶解性が高いものより溶解性の低い化
合物の方が、ウレタンフォ−ムの圧縮強度や寸法安定性
が優れることがわかってきた。ポリオ−ルは付加するア
ルキレンオキサイドによってもシクロペンタンの溶解性
が異なり、エチレンオキシドよりもプロピレンオキシド
付加の方が溶解性は高くなる性質を示す。ポリオ−ルの
プレミックス安定性からは、シクロペンタンに対する溶
解性の高い系が望ましく、逆にセル骨格強度の向上から
は溶解性の低い系が好ましい傾向が見られる。即ち、シ
クロペンタン発泡剤への相溶性およびフォ−ム強度のバ
ランスを両立することが、ポリオ−ル混合組成物の選定
に重要な要因であることがわかってきた。
クロペンタンに対する溶解性が高いポリオ−ル系よりも
逆に低いポリオ−ル系を60部以上使用し気泡セルの樹
脂骨格強度を高め、更にプレミックス安定性を向上する
には最適な整泡剤を選定してバランスを得るようにし
た。その際、混合ポリオ−ルは溶解性の低いポリオ−ル
が、60重量部の配合量を下回ると圧縮強度および寸法
安定性が低下する傾向が見られる。この理由は、溶解性
の低い剛直なポリオ−ルの方がシクロペンタンに対しウ
レタン樹脂壁が強くなり、発泡剤が気泡内に十分封止さ
れてシクロペンタンに対する溶剤可塑化がより小さくな
った影響と考えられる。
減するにはフォ−ムの熱伝導率を低減すると共に、フォ
−ムのスキン層およびコア層の表面状態の差が少ない断
熱材が優れることもわかってきた。その理由は、低密度
で高流動性ウレタン材料の方がコア層部と同様にスキン
層部にも樹脂化(ダブルスキン)などが生じにくくな
り、また冷蔵庫キャビネット壁内の形状が複雑に屈曲し
ているため、低密度で高流動性の性質を示すウレタン材
料の方がスキン層とコア層の密度差、気泡セル径分布差
も小さい均一フォ−ムの形成によるものと考えられる。
び高強度のウレタン材料を達成するには、発泡剤のシク
ロペンタンと補助発泡剤の水配合量も大きく影響する。
これまでの知見からは、シクロペンタンおよび水配合量
ともに多く使用すればフォ−ム密度が容易に低減するこ
とが知られている。従来発泡剤では気泡セル内の骨格強
度が比較的高いため、フロン、代替フロンなどの発泡剤
配合量を多く用いて、熱伝導率に悪影響を与える水配合
量を少量使用することにより、低密度、高流動性および
高強度の特性が比較的容易に両立可能であった。しか
し、地球環境に優しいシクロペンタン処方の場合は従来
発泡剤と異なり、フォ−ム密度が低くなると飽和蒸気圧
が低いため、気泡セル内の骨格強度も弱くなりフォ−ム
収縮や圧縮強度および寸法安定が劣る問題がある。そこ
で、シクロペンタン処方の飽和蒸気圧を高める手段とし
て、従来発泡剤時とは逆にシクロペンタン発泡剤の配合
量を低減し、熱伝導率に悪影響する水配合量を増加する
ことにより、セル内の炭酸ガス分圧を増やし気泡セル内
の圧力を向上させて低密度と高強度を両立する検討を行
った。その際、シクロペンタンに混合する水配合量は、
溶解性が限界値に近い場合にはプレミックス時に層分離
を引きおこしたり、熱伝導率を悪化する要因ともなる。
しかし、シクロペンタン処方は従来発泡剤に比べ、熱伝
導率に対する水の影響が小さいことがわかってきた。水
およびシクロペンタンの最適配合比は、水1重量部に対
しシクロペンタンが7重量部以下が好ましい。即ち、ポ
リオ−ル成分100重量部に対して2.0〜2.5重量
部の水および10〜14重量部のシクロペンタンを使用
することがより好ましい。ポリオ−ル成分100重量部
に対し水配合量が下回ると圧縮強度や寸法安定性が劣
り、水配合量が上回ると熱伝導率が著しく悪化する傾向
が見られる。また、シクロペンタン発泡剤も配合量が上
回ると圧縮強度や寸法安定性が劣ってくる。
て、ポリエステルポリオ−ルがある。例えば、多価アル
コ−ルと多価カルボン酸縮合系および環状エステル開環
重合体系のポリオ−ルも使用できる。多価アルコ−ルと
してはエチレングリコ−ル、グリセリン、トリメチロ−
ルプロパン、糖類としてはシュ−クロ−ズ、ソルビト−
ル、アルカノ−ルアミンとしてはジエタノ−ルアミン、
トリエタノ−ルアミン、ポリアミンとしてはエチレンジ
アミン、トリレンジアミン、フェノ−ルとしてはビスフ
ェノ−ルAなど、多価カルボン酸としてはアジピン酸、
フタル酸、多価カルボン酸などが使用できる。ポリエス
テルポリオ−ルの量は、5〜20重量部の混合系が好ま
しい。
ルヘキサメチレンジアミン、トリメチルアミノエチルピ
ペラジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエ
チレンジアミンなどの第3級アミンおよびトリメチルア
ミノエチルピペラジンの蟻酸塩、ジプロピレングリコ−
ル併用などの遅効性触媒など反応性が合致すれば従来公
知の触媒全てが使用することができる。反応触媒の量
は、ポリオ−ル成分100重量部あたり3〜5重量部が
好ましい。
X −20−1548、 X −20−1614、 X −20
−1634 などプレミックス相溶性の安定性からSi分
子量が1800〜3000およびSi含有率が25〜30
の比較的低い乳化作用に適したものがより好ましい。即
ち、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン
で末端にOH基またはアルコキシ基などを有する有機シリ
コ−ン系化合物、フッ素系化合物などの使用も可能であ
る。整泡剤の量は、ポリオ−ル成分100重量部あたり
1〜4重量部が好ましい。
しては、必要に応じて通常用いられる充填剤、難燃剤、
強化繊維、着色剤などの添加剤も含むことができる。
であれば全て使用できるが、最も一般的にはトリレンジ
イソシアネ−ト(TDI)およびジフェニルメタンジイソ
シアネ−ト(MDI)である。TDIは異性体の混合物、即ち
2、4−体100%、2、4−体/2、6−体=80/
20、65/35(重量比)はもちろん商品名三井コス
モネ−トTRC 、武田薬品のタケネ−ト4040など多官
能性のタ−ルを含有する粗TDIも使用できる。また、MDI
としては、4、4´−ジフェニルメタンジイソシアネ
−トを主成分とする純品の他に、3核体以上の多角体を
含有する商品名三井コスモネ−トM−200、武田薬品
のミリオネ−ト MR などのポリメリックMDIが使用でき
る。その他、ポリメチレンポリフェニルイソシアネ−
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−トなどを代
表とする芳香族系あるいは脂肪族系の多官能イソシアネ
−ト、ウレタン変成トリレンジイソシアネ−ト、カルボ
ジイミド変成ジフェニルメタンジイソシアネ−トなどの
変成イソシアネ−トも使用することができる。
は、当業界で用いられている通常の発泡機で形成され、
例えばプロマ−ト社製PU−30型発泡機が用いられる。
発泡条件は発泡機の種類によって多少異なるが通常は液
温18〜30℃、吐出圧力80〜150Kg/cm2、吐出
量15〜30Kg/min、型箱の温度は35〜45℃が好
ましい。更に好ましくは、液温20℃、吐出圧力100
Kg/cm2、吐出量25Kg/minn、型箱の温度は45℃付
近である。
庫に発泡充填する硬質ポリウレタンフォ−ムは、低密度
で高流動性および高強度の特性が両立できるウレタン材
料を充填することにより、発泡充填量の低減効果による
低コスト化および軽量化が可能となる。また、フォ−ム
の圧縮強度や寸法安定性も優れ、高流動性も図れること
から熱漏洩量も低減し省エネ化が達成される。
ながら、更に詳細に説明する。なお、実施例の説明の中
で部および%は重量部を示す。
ピレンオキシドおよびエチレンオキシドで付加したトリ
レンジアミン系ポリエ−テルポリオ−ル(ポリオ−ルA
と称す)、平均水酸基価が300〜400のプロピレン
オキシドおよびエチレンオキシドで付加したトリエタノ
−ルアミン系ポリエ−テルポリオ−ル(ポリオ−ルBと
称す)、平均水酸基価が450〜500のプロピレンオ
キシドで付加したグリセリン系ポリエ−テルポリオ−ル
(ポリオ−ルCと称す)、平均水酸基価が400〜45
0のプロピレンオキシドで付加したシュ−クロ−ズ系ポ
リエ−テルポリオ−ル(ポリオ−ルDと称す)、平均水
酸基価が200〜300のエチレンオキシドで付加した
ビスフェノ−ルA系ポリエ−テルポリオ−ル(ポリオ−
ルEと称す)、平均水酸基価が400〜750のプロピ
レンオキシドで付加したトリメチロ−ルプロパン系ポリ
エ−テルポリオ−ル(ポリオ−ルFと称す)、平均水酸
基価が250〜450のエチレンオキシドで付加したト
リレンジアミン系ポリエステルポリオ−ル(ポリオ−ル
Gと称す)の混合ポリオ−ル成分(平均水酸基価が35
0〜450)100重量部を用いて、発泡剤として水
2.0部およびシクロペンタン(日本ゼオン社製)13
部、反応触媒としてトリメチルアミノエチルピペラジン
(花王社製)1.6部とトリメチルアミノエチルピペラ
ジン(東ソ−社製)2.4部、トリエチレンジアミンの
ジプロピレングリコ−ル液(東ソ−社製)0.4部、整
泡剤として有機シリコ−ン化合物(X−20−161
4、信越化学社製)2部、イソシアネ−ト成分としてポ
リメチレンポリフェニルジイソシアネ−ト(NCO%=3
1)を使用し、充填発泡して硬質ポリウレタンフォ−ム
を作製した。まず、図1に示す4点注入により硬質ポリ
ウレタンフォ−ムを充填した断熱材の物性・特性結果を
表1に示す。なお、表1の各物性・特性は下記のように
して調べた。
なくとも500mm以上離れたウレタン充填された断熱材
部分から、50mm×50mm×35tmmのスキン付きフォ
−ムの重量(A)を測定する。ビ−カ中に蒸留水および
金属針に付着したフォ−ムを天秤でゼロ点調整後、フォ
−ムを金属針で水没させた時の体積(B)を測定し、重
量(A)を体積(B)で除した値を評価した。
も500mm以上離れたウレタン充填された断熱材部分か
ら、200mm×200mm×20〜25tmmのフォ−ムを
寸法および重量測定後、重量を体積で除した値を評価し
た。
くとも500mm以上離れたウレタン充填された断熱材部
分から、150mm×300mm×20〜25tmmのフォ−
ムを−20℃で24時間放置した時の厚さ寸法変化率を
評価した。
くとも500mm以上離れたウレタン充填された断熱材部
分から、150mm×300mm×20〜25tmmのフォ−
ムを70℃で24時間放置した時の厚さ寸法変化率を評
価した。
500mm以上離れたウレタン充填された断熱材部分か
ら、200mm×200mm×20〜25tmmのフォ−ムを
英弘精機社製HC−073型(熱流計法、平均温度10
℃)を用いて評価した。
500mm以上離れたウレタン充填された断熱材部分か
ら、50mm×50mm×20〜25tmmのフォ−ムを送り
速度4mm/minで負荷し、10%変形時の荷重を元の受
圧面積で除した値を評価した。
500mm以上離れたウレタン充填された断熱材部分か
ら、80mm×250mm×20〜25tmmのフォ−ムを送
り速度10mm/minで負荷し、フォ−ム折損時の荷重を
フォ−ムの巾と厚さの2乗で除した値を評価した。
5tmm の逆Lパネルの中で発泡した時のウレタン充填量
当たりのフォ−ム伸びを評価した。
ネット壁内空間に、硬質ポリウレタンフォ−ムを充填す
る作製内容から、以下本発明の実施例および比較例を説
明する。図1には4点注入により硬質ポリウレタンフォ
−ムが充填される流れ状態およびフォ−ムを採取、測定
サンプルの模式図を示す。まず、鉄製の外箱とプラスチ
ック製の内箱とを組立て冷蔵庫に充填するウレタンフォ
−ム発泡前の箱体を作製し、ウレタンフォ−ム発泡雇い
にセット後予備加熱を行って、硬質ポリウレタンフォ−
ムを空隙部分(ポリオ−ル混合物および水、シクロペン
タン、触媒、整泡剤をプレミックスした混合組成物とイ
ソシアネ−ト)に発泡充填する。その時にウレタンフォ
−ムのポリオ−ルとイソシアネ−トが化学反応し、発泡
圧力により加圧され、発泡ウレタンフォ−ムが冷蔵庫の
キャビネット内に注入され断熱箱体が形成される。
タン材料をゼロパック(実機充填に必要な最低注入量と
称す)設定した後、パック率110%で注入した箱体の
冷蔵庫について、ウレタン注入口から少なくとも500
mm以上離れたウレタン充填された断熱材部分から、フォ
−ムサンプルを採取し種々の物性および特性を評価し
た。その際の注入時温度は約45℃、ポリオ−ル液およ
びイソシアネ−ト液の液温は約20℃で行った。その結
果を表1に示す。表1から、本発明の実施例断熱材は比
較例の断熱材に比べ、スキン層密度およびコア層密度も
低くなり、低温寸法変化率、高温寸法変化率および気泡
セル径分布も小さく、また熱伝導率が低減し、圧縮強度
および曲げ強度も高くなり、フォ−ム伸び量が向上する
ことが明らかになった。
150〜180Lの冷蔵庫を用いて、実施例1、2およ
び比較例1、2について、パック率110%時のウレタ
ン実充填量について評価した。その結果、機種によって
も異なるが約180Lの内容積を有する冷蔵庫におい
て、比較例1、2が6.35〜6.60kgの充填量が
必要であるのに対し、実施例1、2のウレタン材料では
5.45〜5.90kgの充填量で良いことがわかっ
た。また、内容積が約150Lの冷蔵庫において、比較
例1、2のウレタン材料が5.35〜5.65kgに対
し、実施例1、2では4.65〜5.00kgの充填量
まで低減でき、約10〜18%のウレタン材料が節約で
きることが確認できた。また、断熱材を形成した冷蔵庫
に冷凍サイクル部品(圧縮機/コンデンサ/エバポレ−
タ)を組み替えて熱漏洩量を測定した結果、比較例1、
2より実施例1、2の方が熱漏洩量で3〜6%低減し、
消費電力量で約1〜2Kwh/月の省エネが可能であるこ
とがわかった。このことから、本発明の硬質ポリウレタ
ンフォ−ムは低密度で高流動性および高強度の特性が両
立されたため、ウレタン発泡充填量の低減効果による低
コスト化、軽量化、フォ−ムの圧縮強度や寸法安定性も
優れ、且つ熱漏洩量の低減効果から省エネも達成され
た。
ン層密度、コア層密度、寸法変化率、セル径分布、熱伝
導率、圧縮強度、曲げ強度、フォ−ム伸び量)を示す。
び高強度の硬質ポリウレタンフォ−ムを発泡充填した断
熱箱体において、ウレタン充填量の低減により低コスト
化や軽量化が図れると共に圧縮強度や寸法安定性も優
れ、熱漏洩量の低減効果により省エネも可能な高品質の
冷蔵庫および冷凍庫を提供する。
填する模式図である。
図)
Claims (4)
- 【請求項1】冷蔵庫の外箱と内箱との間に形成された空
間に、シクロペンタンと水の混合発泡剤を用いた硬質ポ
リウレタンフォ−ムを充填してなる冷蔵庫の断熱箱体に
おいて、上記硬質ポリウレタンフオームの注入口から少
なくとも500mm以上離れた硬質ポリウレタンフォ−ム
のスキン層全体密度が34〜37Kg/m3および圧縮強度
が0.1Mpa以上、曲げ強度が0.4Mpa以上の材料を用
いて、上記空間内に充填する断熱材が内容積に対し30
〜35g/Lを注入した冷蔵庫の断熱箱体。 - 【請求項2】請求項1において、上記硬質ポリウレタン
フォ−ムのポリオ−ル成分が、シクロペンタン溶解性の
低い成分を60重量部以上含有し、ウレタン注入口から
少なくとも500mm以上離れた平面部分から厚みが約2
0〜25mmのコア層断熱材の熱伝導率が平均温度10℃
で18.0〜18.5mW/m・K、コア層密度が32
〜34Kg/m3および空気中で70℃と−20℃の温度で
24時間劣化放置時の寸法変化率が2%以下、樹脂当た
りフォ−ム伸び量が2.6mm/g以上の流動性を有する
断熱材でである冷蔵庫の断熱箱体。 - 【請求項3】請求項において、上記硬質ポリウレタンフ
ォ−ムのポリオ−ル成分が、シクロペンタン溶解性の低
いトリレンジアミン、グリセリン、シュ−クロ−ズ、ビ
スフェノ−ルAを60重量部以上およびトリエタノ−ル
アミンにエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオ
キシドを付加した混合物とイソシアネ−ト成分とを触
媒、整泡剤、ポリオ−ル混合物100重量部に対して
2.0〜2.5重量部の水および10〜14重量部のシ
クロペンタンを組み合わせた混合発泡剤中で反応させて
得られる断熱材である冷蔵庫の断熱箱体。 - 【請求項4】請求項1において、上記硬質ポリウレタン
フォ−ムのポリオ−ル成分が、トリレンジアミンにエチ
レンオキシドおよびプロピレンオキシドを付加して得ら
れるOH価380〜480のポリオ−ル40〜50重量
%、トリエタノ−ルアミンにエチレンオキシドおよびプ
ロピレンオキシドを付加して得られるOH価300〜4
00のポリオ−ル10〜20重量%、グリセリンにプロ
ピレンオキシドを付加して得られるOH価450〜50
0のポリオ−ル15〜25重量%、シュ−クロ−ズにプ
ロピレンオキシドを付加して得られるOH価400〜4
50のポリオ−ル5〜10重量%、ビスフェノ−ルAに
エチレンオキシドを付加して得られるOH価200〜3
00のポリオ−ル5〜15重量%を含む混合物からな
り、該ポリオ−ルの平均OH価が350〜450である
硬質ポリウレタンフォ−ムを用いた断熱材である冷蔵庫
の断熱箱体。
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