JP2012237522A - 断熱箱体 - Google Patents

断熱箱体 Download PDF

Info

Publication number
JP2012237522A
JP2012237522A JP2011107778A JP2011107778A JP2012237522A JP 2012237522 A JP2012237522 A JP 2012237522A JP 2011107778 A JP2011107778 A JP 2011107778A JP 2011107778 A JP2011107778 A JP 2011107778A JP 2012237522 A JP2012237522 A JP 2012237522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
box
polyurethane foam
polyol
polyurethane
heat insulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011107778A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Izeki
崇 井関
Masayoshi Furuhashi
正良 古橋
Kuninari Araki
邦成 荒木
Fusao Hojo
房郎 北條
Yuri Nakazawa
ゆり 中澤
Hiroyuki Kagawa
博之 香川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Appliances Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Appliances Inc filed Critical Hitachi Appliances Inc
Priority to JP2011107778A priority Critical patent/JP2012237522A/ja
Priority to CN2012100448042A priority patent/CN102775573A/zh
Publication of JP2012237522A publication Critical patent/JP2012237522A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Refrigerator Housings (AREA)

Abstract

【課題】ポリウレタンフォームの流動性を改善して、断熱箱体全体の断熱特性の均一化及び断熱性能を向上することを目的とする。
【解決手段】外箱と内箱との間にポリウレタンフォームを充填した複数の面を有する断熱箱体において、前記複数の面のそれぞれの面の中央付近における前記ポリウレタンフォームの密度の標準偏差が1.5kg/m3以下とする。また、外箱と内箱との間にポリウレタンフォームを前記外箱の注入口から充填した断熱箱体において、前記注入口から少なくとも500mm離れた部分における厚さ20〜25mmのポリウレタンは、熱伝導率が平均温度10℃で17.0〜19.0mW/m・K、空気中で70℃及び−20℃で24時間放置した場合の寸法変化率が2%以下であって、前記注入口から少なくとも500mm離れた部分における前記ポリウレタンフォームの圧縮強度が150kPa以上とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷蔵庫等の断熱箱体に関する。
冷蔵庫の断熱箱体には、外箱と内箱の空間に気泡を有する硬質ポリウレタンフォームを用いた断熱材が用いられている。この硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分とイソシアネート成分を発泡剤,触媒,整泡剤の存在下で反応させることにより得られるものである。
ポリウレタン用発泡剤として広く使われてきたCFC−11は、日米において1995年末,HCFC−141Cは2003年末までに廃止された。これに伴い、オゾン層破壊係数がゼロのノンフロン系発泡剤は、欧州を中心に炭化水素系化合物への代替えが活発となり、日本でもシクロペンタン発泡剤が冷蔵庫の断熱分野に使用されてきた(特許文献1,2参照)。
しかし、シクロペンタンはフロン系発泡剤に比べ、ガスの熱伝導率が高く断熱性能が大きく劣るという問題があった。また、シクロペンタン処方のポリウレタンフォームは高密度で流動性が劣るため、ポリウレタン充填量を多く使用しなければ、細部までウレタンが充填されず、断熱性能及び強度の確保が十分でないという問題があった。この問題に対し、発泡剤としてシクロペンタンと併用する水の配合量を多くし、低密度及び高強度の特性が両立できるシクロペンタン処方が開発された(特許文献2参照)。
特許第3475763号公報 特許第3475762号公報
地球温暖化問題への対応やエネルギー需給バランスの確保の観点から、省エネルギー化による冷蔵庫箱体の断熱性能の向上は必至である。これらの観点から、シクロペンタン発泡剤を用いたポリウレタン断熱材の高性能化が要求される。
特に近年では、より断熱性能が優れた冷蔵庫が要求されているのに対して、発泡断熱材と共に真空断熱材を用いることが検討されている。しかし、真空断熱材を厚くすると、断熱箱体内部のウレタンフォーム原料が流動する空間が狭くなり、ポリウレタンフォームを充分に充填するのが難しくなる。また、冷蔵庫の大容量化及び省スペース化の要求により、断熱箱体内の空間の狭隙化及び複雑形状化して、断熱箱体内部はポリウレタンフォーム原料が流動しにくくなっている。
すなわち、真空断熱材がポリウレタンの流動阻害となることで、ポリウレタン特性のバラツキ,未充填,密度バラツキによる充填量の増大等の課題があった。
また、狭くなった流動空間をスムーズに流動し充填させるためには、ポリウレタンフォーム原料自体の流動性を向上させる必要がある。ポリウレタンフォームの流動性改善の手段としては、ポリウレタンフォーム原料のひとつであるプレミックスポリオールの低粘度化が有効である。プレミックスポリオールを低粘度化するため、低分子ポリオールの配合量を増加させる必要があるが、ポリウレタン強度の低下が懸念される。ポリウレタンフォームは断熱箱体の構造部材としても働いているため、フォーム強度を維持した高流動化処方が課題となる。
そこで本発明は、ポリウレタンフォームの流動性を改善して、断熱箱体全体の断熱特性の均一化及び断熱性能を向上することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。その一例としては、外箱と内箱との間にポリウレタンフォームを充填した複数の面を有する断熱箱体において、前記複数の面のそれぞれの面の中央付近における前記ポリウレタンフォームの密度の標準偏差が1.5kg/m3以下とする。
本発明によれば、ポリウレタンフォームの流動性を改善して、断熱箱体全体の断熱特性の均一化及び断熱性能を向上することができる。
本発明の実施形態の冷蔵庫の正面図である。 図1のA−A断面図である。 4点注入により硬質ポリウレタンフォームを充填する図である。 実施例及び比較例における物性及び特性を表す図表である。
以下、本発明の一実施例について詳細に説明する。
本実施形態の冷蔵庫1の全体構成に関して図1及び図2を参照しながら説明する。図1は本実施形態を備えた冷蔵庫の正面図、図2は図1のA−A断面図である。
冷蔵庫1は、断熱箱体20と断熱扉6〜9とを主要構成要素として備えている。この断熱箱体20は、天面,底面,両側面及び背面からなり、前面を開口した箱型形状をしている。そして、断熱箱体20は、図2に示すように、冷蔵室2,貯氷室3及び切替え室,冷凍室4,野菜室5を上からこの順に有している。
断熱扉6〜9は、各貯蔵室2〜5の前面開口部を閉塞する扉である。各貯蔵室2〜5に対応して冷蔵室扉6a,6b、貯氷室扉7a及び上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8,野菜室扉9が配置されている。冷蔵室扉6a,6bはヒンジ10を中心に回動する観音開き式扉であり、冷蔵室扉6a,6b以外の扉は全て引き出し式の扉である。これらの引き出し式扉7〜9を引き出すと、各貯蔵室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。各扉6〜9には断熱箱体20と密閉するためのパッキン11を備えている。このパッキン11は各扉6〜9の室内側外周縁に取り付けられている。
また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間は、区画断熱するための断熱仕切り12が配置されている。この断熱仕切り12は、厚さ30〜50mm程度の断熱壁であり、スチロフォーム,発泡断熱材(例えばウレタンフォーム),真空断熱パネル等のそれぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。また、製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4との間は、温度帯が同じであるため区画断熱する断熱仕切りではなく、パッキン受面を形成する仕切り部材13が設けられている。下段冷凍室4と野菜室5との間には、区画断熱するための断熱仕切り14が設けられている。この断熱仕切り14は、断熱仕切り12と同様に、30〜50mm程度の断熱壁であり、スチロフォーム,発泡断熱材(例えばウレタンフォーム),真空断熱パネル等のそれぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。基本的に冷蔵,冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには断熱仕切りが設置されている。本実施形態では、断熱仕切り12,14は、発泡ポリスチレン33と真空断熱パネル50とで構成されている。
なお、断熱箱体20内には上から冷蔵室2,製氷室3a及び上段冷凍室3b,下段冷凍室4,野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a,6b、製氷室扉7a,上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8,野菜室扉9に関しても回転による開閉,引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
断熱箱体20は、金属製の外箱21と合成樹脂製の内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21または内箱22の内側に沿って真空断熱パネル50を配置し、真空断熱パネル50以外の空間に硬質ポリウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填して断熱部が構成されている。真空断熱パネルを一般的に表す際には符号50を用い、特定の場所の真空断熱パネルを表す際には符号50の後にアルファベットの添え字をすることとする。
外箱21は、折り曲げられた鋼板または平坦な鋼板を溶接することにより、天面,底面,両側面及び背面からなる箱状に形成されている。内箱22は、合成樹脂板を成形することにより、天面,底面,両側面及び背面からなる箱状に形成されている。
冷蔵室2,冷凍室3a,4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a,4の背側には冷却器28が備えられている。この冷却器28と圧縮機30と凝縮器31とキャピラリーチューブ(図示せず)とを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
内箱22の天面の一部に、発泡断熱材23側に突き出したケース45aを有する庫内灯45を設置し、冷蔵庫の扉を開けたときの庫内を明るく、見え易くしている。庫内灯45は、白熱電球,蛍光灯,キセノンランプ,LED等が用いられる。庫内灯45の設置により、ケース45aと外箱21との間の発泡断熱材23の厚さが薄くなってしまうため、この部分に真空断熱パネル50aを配置して断熱性能を確保している。
断熱箱体20の天面の後部には、冷蔵庫1の運転を制御するための制御基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹段部40が形成されている。これによって、外箱21の天面は凹段部40による立体形状を呈することとなる。電気部品41は発熱量が大きな自己発熱部品である。凹段部40には、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。凹段部40は発泡断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態であるため、発泡断熱材23を厚くしてこの部分の断熱性能を確保しようとすると、内容積が犠牲になってしまう。逆に、内容積を確保しようとすると、凹段部40と内箱22との間の発泡断熱材23の厚さが薄くなり、断熱性能が悪くなってしまう。
これらのことから、本実施形態では、凹段部40の発泡断熱材23側の面に真空断熱パネル50aを配置して断熱性能を強化している。具体的には、真空断熱パネル50aを庫内灯45のケース45aと電気部品41とに跨るように1枚の立体形状の真空断熱パネル50aを設置している。
断熱箱体20の底面の後部に機械室15が左右全幅にわたって形成されている。この機械室15には圧縮機30及び凝縮器31が配置されている。圧縮機30,凝縮器31は発熱量の大きい自己発熱部品である。そこで、この機械室15から庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に1枚の立体形状の真空断熱パネル50bを配置している。
次に、プレミックスポリオールについて説明する。本実施例のプレミックスポリオールは、ポリオール,整泡剤,触媒,水とシクロペンタンを含むプレミックスポリオール組成物において、ポリオールが水酸基数4〜8個の多価アルコール1種または2種以上を含む混合物にアルキレンオキシドを付加した化合物をポリオール成分の30〜80重量%を含む。
また、ポリオールは水酸基数4〜8個の多価アルコール1種または2種以上を含む混合物にアルキレンオキシドを付加したポリオールである。これらのポリオールは、反応架橋点が多く、ポリウレタン強度低下させずにポリオールの低粘度化が可能となる。
また、水酸基数4〜8の多価アルコールは、4価アルコールとしてはジグリセリン,ペンタエリスリトール,メチルグルコシド等、5価アルコールとしてはグルコース,マンノース,フルクトース等の単糖類、6価アルコールとしてはジペンタエリスリトール,ソルビトール等、7〜8価アルコールとしてはシュークローズ,ラクトースなどの糖類およびその誘導体、フェノール類が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。好ましくは、シュークローズである。
水酸基数4〜8の多価アルコール1種または2種以上を含む混合物に付加するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド,プロピレンオキシド,ブチレンオキシド等を用いることができる。このうち、いずれかのオキシド1種を用いてもよく、2種以上のオキシドを併用してもよい。2種以上のオキシドを併用する場合、これらを順次反応させてもよく、またはこれらを混合して反応させてもよい。
用いることができるポリオールの粘度は、2000〜6000mPasであり、好ましくは3000〜5000mPasである。また、当該ポリオールの重量平均分子量は600〜1300であり、好ましくは重量平均分子量が800〜1000のポリオールが良い。重量平均分子量(Mw)が600よりも小さなポリオールを用いた場合、ポリオールの粘度は低下し流動性は向上するが、強度が低下する。一方、1300よりも大きなポリオールを用いると、粘度が上昇し、流動性が著しく悪化する。
一方で、低粘度化を可能にする水酸基数4〜8個の多価アルコール1種または2種以上を含む混合物にアルキレンオキシドを付加したポリオールは極性が高いため、発泡剤であるシクロペンタンとプレミックスポリオールの相溶性を悪化させてしまう。そこで、本実施例に用いることのできる整泡剤はSP値(溶解パラメータ)8.10〜8.60であることを特徴とする。
ここで、SP値(溶解パラメータ)とは、次式(1)で求められるものである。
Figure 2012237522
ただし、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal/モル)、Vはモル体積(cm3/モル)を表す。また、ΔH及びVは“Polymerengineering and Science、February、1974、Vol.14、No.2、Robert F.Fedors. (p151-153)”に記載の原子団のモル体積(Δvi)の合計(V)を用いることができる。
また、以下の一般式(2)で示される構造の整泡剤のうち、X/Yは10〜20及び、m+nが20〜35の範囲にある有機シリコーンであれば、限定されない。
Figure 2012237522
本実施例において用いることのできる触媒は、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N′−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N′,N″−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、N,N′,N″−トリス(3−ジエチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン等を用いることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施例に使用されるポリイソシアネートは、従来公知のものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とその誘導体、これらは単独で使用しても、混合して使用しても差し支えない。トリレンジイソシアネート(TDI)とその誘導体としては、例えば、2,4−TDIと2,6−TDIの混合物、TDIの末端イソシアネートプレポリマー誘導体等を挙げることができる。また、MDIとその誘導体としては、例えば、MDIとその重合体のポリフェニルポリメチレンジイソシアネートの混合体、末端イソシアネート基をもつジフェニルメタンジイソシアネート誘導体等を挙げることができる。
[実施例]
以下実施例について説明する。
(実施例1〜8)
ポリオール成分1として、アルキレンオキサイドを付加したペンタエリスリトール系ポリオール(ポリオールA)またはシュークローズ系ポリオール(ポリオールB)またはソルビトール系ポリオール(ポリオールC)のうち少なくとも1種類以上を使用した。
ポリオール成分2として、トリレンジアミン,トリエチレンジアミン,トリエタノールアミンにアルキレンオキサイドを付加したポリオール(それぞれ、ポリオールD,E,Fとする)のうち少なくとも一種類以上を使用した。
ポリオール成分1+2の平均分子量Mwは600〜1300である。
ポリオール成分(ポリオール成分1:ポリオール成分の30〜80重量%、ポリオール成分2:70〜20重量%を含む)100重量部を用いて、発泡剤として水1.8部及びシクロペンタン(日本ゼオン社製)15.3部、反応触媒として三級アミン触媒を3.0部、整泡剤としてSP値が8.00〜9.00である有機シリコーンを2.5部、イソシアネート成分としてポリメチレンポリフェニルジイソシアネートを使用し、充填発泡して硬質ポリウレタンフォームを作製した。
図3に、4点注入により硬質ポリウレタンフォームが充填される冷蔵庫の断熱箱体103の模式図を示すとともに、測定サンプルとするポリウレタンフォームの採取位置を示す。冷蔵庫箱体の発泡工程については、まず鋼板からなる外箱104と、樹脂の成形品からなる内箱105から、ポリウレタン注入空隙を有する箱体を作製し予め温調する。その後、箱体全面を下側、箱体背面が上側になるように、こちらも予め温調された発泡治具にセットし、外箱104の背面に設けたポリウレタン注入口102から規定量の硬質ポリウレタンフォームを空隙部分(ポリオール混合物および水,シクロペンタン,触媒,整泡剤をプレミックスした混合組成物とイソシアネート)に注入する。注入に際しては、ポリウレタン原料であるポリオールとイソシアネートをポリウレタン注入ヘッド1内で衝突混合させることで化学反応を促し、発泡圧力により加圧され、発泡ポリウレタンフォームが冷蔵庫のキャビネット内に充填され断熱箱体が完成する。
図3に示す4点注入(外箱104の4箇所のポリウレタン注入口102から注入)により硬質ポリウレタンフォームを充填した断熱材の物性・特性結果を図4に示す。なお、図4の各物性・特性は下記のようにして調べた。
箱体フォーム密度:図3に示す天面,側面,背面,底面の各中央部分(ポリウレタンフォームサンプル採取位置107,108,109,110)から、50×50×50tmmのポリウレタンフォームを切り出し、その質量と体積から密度を算出する。
フォーム密度の標準偏差は、測定値と平均値の差を2乗した数値の和を4で除した値である分散値の平方根とする。
熱伝導率:ポリウレタン注入口から少なくとも500mm以上離れたポリウレタン断熱材部分(図3のポリウレタンフォームサンプル採取位置106(注入口から500mm以上の平面部))から、200×200mm×20〜25tmmのフォームを切り出し、英弘精機社製HC−073型(熱流計法,平均温度10℃)にて評価した。
圧縮強度:ポリウレタン注入口から少なくとも500mm以上離れたポリウレタン断熱材部分(図3のポリウレタンフォームサンプル採取位置106(注入口から500mm以上の平面部))から、50mm×50mm×20〜25tmmのフォームを切り出し、送り速度4mm/minで負荷し、厚みが10%圧縮された時の荷重を元の重圧面積で除して圧縮強度を算出する。
低温寸法変化率:ポリウレタン注入口から少なくとも500mm以上離れたポリウレタン充填された断熱材部分(図3のポリウレタンフォームサンプル採取位置106(注入口から500mm以上の平面部))から、200×200mm×20〜25tmmのフォームを−20℃で24時間放置したときの厚さの寸法変化率を評価した。
高温寸法変化率:ポリウレタン注入口から少なくとも500mm以上離れたポリウレタン充填された断熱材部分(図3のポリウレタンフォームサンプル採取位置106(注入口から500mm以上の平面部))から、200×200mm×20〜25tmmのフォームを70℃で24時間放置したときの厚さの寸法変化率を評価した。
実施例1〜8において、SP値が8.10〜8.60の範囲内の整泡剤を使用したプレミックスポリオールを用いて作製したポリウレタンフォームは、いずれも圧縮強度が150kPa以上、熱伝導率18.0〜19.0(mW/m・K)の範囲以内であり、かつ、寸法安定性が2.0%以下であった。また、形成された断熱箱体において、断熱箱体各中央部のポリウレタンフォーム密度標準偏差はいずれも1.5(kg/m3)以下であった。
(比較例1〜3)
ポリオール成分1として、アルキレンオキサイドを付加したシュークローズ系ポリオール(ポリオールB)を使用した。ポリオール成分1+2の平均分子量Mwは600より小さく、または3000より大きいポリオールを使用した。
以下、実施例と同様に硬質ポリウレタンフォーム並びに冷蔵庫断熱箱体を作製した。
図4において、実施例と比較例1を比較する。図4は、実施例及び比較例における物性及び特性を表す図表である。
ポリオールが水酸基数4〜8個の多価アルコール1種又は2種以上を含む混合物にアルキレンオキシドを付加しポリオールの配合量が30wt%よりも少ない比較例1では、反応架橋点の多いポリオールが少ないため、圧縮強度が126kPaと低下している。また、熱伝導率が18.9(mW/m・K)と悪化した。
実施例と比較例2,3を比較する。整泡剤のSP値が8.10〜8.60の範囲外の整泡剤を用いた比較例2,3では、シクロペンタンとプレミックスポリオールの相溶性が悪化し、熱伝導率もそれぞれ、19.3,19.4(mW/m・K)と悪化した。また、ポリウレタン気泡セル形状の不均一からポリウレタンフォーム強度も低下し、圧縮強度が低下している。加えて、高温寸法変化や低温寸法変化も実施例と比較して大きく悪化している。
形成された断熱箱体においては、断熱箱体各中央部のポリウレタンフォーム密度標準偏差がいずれも1.5(kg/m3)以上となり、シクロペンタンとの相溶性の悪化から起因するポリウレタンフォームの流動性の悪化の影響が見られる。特に断熱厚が小さくなりポリウレタン流動阻害が大きくなる冷蔵庫背面部での密度が比較して大きくなっていることからも分かる。
すなわち、外箱と内箱との間にポリウレタンフォームを充填した複数の面を有する断熱箱体において、複数の面のそれぞれの面の中央付近におけるポリウレタンフォームの密度の標準偏差が1.5kg/m3以下とする。これにより、断熱箱体全体としての断熱特性が均一化して、断熱性能も向上する。
また、外箱と内箱との間にポリウレタンフォームを外箱の注入口から充填した断熱箱体において、注入口から少なくとも500mm離れた部分における厚さ20〜25mmのポリウレタンは、熱伝導率が平均温度10℃で17.0〜19.0mW/m・K、空気中で70℃及び−20℃で24時間放置した場合の寸法変化率が2%以下であって、注入口から少なくとも500mm離れた部分におけるポリウレタンフォームの圧縮強度が150kPa以上とする。これにより、寸法安定性に優れ、且つ高流動性を有することで、歩留まりが良く、熱漏洩量低減効果の高い断熱箱体を提供することができる。
また、ポリウレタンフォームは、ポリオール,整泡剤,触媒,水及びシクロペンタンを含むプレミックスポリオール組成物を用いて、ポリオールは、水酸基数4〜8個の多価アルコール1種または2種以上を含む混合物にアルキレンオキシドを付加した化合物をポリオール成分の30〜80重量%を含む。また、整泡剤のSP値8.10〜8.60である。このプレミックスポリオールを用いることで、何れの部分でも安定したフォーム密度を有するポリウレタン断熱箱体を実現できる。さらに、断熱箱体全体での熱漏洩量を低減することが出来る。加えて、当該プレミックスポリオールを用いると、低温寸法安定性,高温寸法安定性ともに2%以下となり、ポリウレタン強度を低下させないポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫を製造できる。
本実施例によれば、ポリウレタンフォーム原料の流動性が改善し、断熱箱体各部分のポリウレタンフォーム状態が安定化し、箱体全体としての断熱特性が均一化して、断熱性能も向上する。また、本実施例のプレミックスポリオールを用いれば、少ない充填量で安定した物性を発揮するポリウレタンフォームやそれを用いた断熱箱体を形成することができる。
101 ポリウレタン注入ヘッド
102 ポリウレタン注入口
103 断熱箱体
104 外箱
105 内箱
106 ポリウレタンフォームサンプル採取位置(注入口から500mm以上の平面部)
107 ポリウレタンフォームサンプル採取位置(天井面中央部)
108 ポリウレタンフォームサンプル採取位置(側面中央部)
109 ポリウレタンフォームサンプル採取位置(背面中央部)
110 ポリウレタンフォームサンプル採取位置(底面中央部)

Claims (4)

  1. 外箱と内箱との間にポリウレタンフォームを充填した複数の面を有する断熱箱体において、前記複数の面のそれぞれの面の中央付近における前記ポリウレタンフォームの密度の標準偏差が1.5kg/m3以下であることを特徴とする断熱箱体。
  2. 外箱と内箱との間にポリウレタンフォームを前記外箱の注入口から充填した断熱箱体において、
    前記注入口から少なくとも500mm離れた部分における厚さ20〜25mmのポリウレタンは、熱伝導率が平均温度10℃で17.0〜19.0mW/m・K、空気中で70℃及び−20℃で24時間放置した場合の寸法変化率が2%以下、圧縮強度が150kPa以上であることを特徴とする断熱箱体。
  3. 前記ポリウレタンフォームは、ポリオール,整泡剤,触媒,水及びシクロペンタンを含むプレミックスポリオール組成物を用いて、
    前記ポリオールは、水酸基数4〜8個の多価アルコールにアルキレンオキシドを付加した化合物をポリオール成分に対し30〜80重量%を含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の断熱箱体。
  4. 前記整泡剤のSP値は8.10〜8.60であることを特徴とする、請求項3記載の断熱箱体。
JP2011107778A 2011-05-13 2011-05-13 断熱箱体 Pending JP2012237522A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011107778A JP2012237522A (ja) 2011-05-13 2011-05-13 断熱箱体
CN2012100448042A CN102775573A (zh) 2011-05-13 2012-02-23 绝热箱体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011107778A JP2012237522A (ja) 2011-05-13 2011-05-13 断熱箱体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012237522A true JP2012237522A (ja) 2012-12-06

Family

ID=47460570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011107778A Pending JP2012237522A (ja) 2011-05-13 2011-05-13 断熱箱体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012237522A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016090147A (ja) * 2014-11-05 2016-05-23 日立アプライアンス株式会社 冷蔵庫の断熱箱体及びこの断熱箱体の製造方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05320404A (ja) * 1992-05-18 1993-12-03 Toshiba Corp ポリウレタン樹脂発泡体
JPH0873553A (ja) * 1994-09-06 1996-03-19 Sumitomo Bayer Urethane Kk 硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物およびその用途
JPH11199696A (ja) * 1998-01-14 1999-07-27 Mitsubishi Electric Corp 発泡断熱材の製造方法およびそれを用いた断熱箱体の製造方法
JP2002356535A (ja) * 2001-05-29 2002-12-13 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物、及びそれを用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法
JP3475763B2 (ja) * 1998-01-09 2003-12-08 株式会社日立製作所 冷蔵庫の断熱箱体
JP3475762B2 (ja) * 1998-01-09 2003-12-08 株式会社日立製作所 冷蔵庫および冷凍庫の断熱扉
JP2004131651A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Mitsui Takeda Chemicals Inc 硬質ポリウレタンフォームおよびその製造方法
JP2007224123A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Rimtec Kk ノルボルネン系樹脂成形体の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05320404A (ja) * 1992-05-18 1993-12-03 Toshiba Corp ポリウレタン樹脂発泡体
JPH0873553A (ja) * 1994-09-06 1996-03-19 Sumitomo Bayer Urethane Kk 硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物およびその用途
JP3475763B2 (ja) * 1998-01-09 2003-12-08 株式会社日立製作所 冷蔵庫の断熱箱体
JP3475762B2 (ja) * 1998-01-09 2003-12-08 株式会社日立製作所 冷蔵庫および冷凍庫の断熱扉
JPH11199696A (ja) * 1998-01-14 1999-07-27 Mitsubishi Electric Corp 発泡断熱材の製造方法およびそれを用いた断熱箱体の製造方法
JP2002356535A (ja) * 2001-05-29 2002-12-13 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物、及びそれを用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法
JP2004131651A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Mitsui Takeda Chemicals Inc 硬質ポリウレタンフォームおよびその製造方法
JP2007224123A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Rimtec Kk ノルボルネン系樹脂成形体の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016090147A (ja) * 2014-11-05 2016-05-23 日立アプライアンス株式会社 冷蔵庫の断熱箱体及びこの断熱箱体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10456962B2 (en) Heat-insulating wall, and heat-insulating housing and method for producing the same
KR20140137108A (ko) 냉장고 및 이의 제조방법
KR100845674B1 (ko) 단열 하우징 및 그의 제조 방법
JP2007056974A (ja) 真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫
KR100323504B1 (ko) 냉장고
KR101444530B1 (ko) 단열 도어 및 단열 상자체
JP3700499B2 (ja) 冷蔵庫
JP2007056973A (ja) 真空断熱パネル及びそれを用いた冷蔵庫
JP2012237522A (ja) 断熱箱体
JP5889707B2 (ja) 硬質ウレタンフォーム用プレミックスポリオール組成物及びそれを用いた硬質ウレタンフォームの製造方法、断熱扉体
JP5891106B2 (ja) 硬質ウレタンフォーム、硬質ウレタンフォームを用いた冷蔵庫の断熱扉及び断熱箱体、硬質ウレタンフォーム製造用プレミックスポリオール並びに断熱箱体又は断熱扉の製造方法
JP5904868B2 (ja) 断熱材用硬質ウレタンフォーム、硬質ウレタンフォーム製造用プレミックスポリオール、硬質ウレタンフォームの製造方法及び冷蔵庫
JPH11248344A (ja) 冷蔵庫と冷凍庫の断熱箱体および断熱扉
CN102775573A (zh) 绝热箱体
JP6169324B2 (ja) 冷蔵庫または冷凍庫
JP5878423B2 (ja) 硬質ポリウレタンフォーム及び硬質ポリウレタンフォーム製造用プレミックスポリオール
KR101472441B1 (ko) 경질 폴리우레탄폼 및 경질 폴리우레탄폼 제조용 프리믹스 폴리올
JP5801247B2 (ja) 断熱扉、断熱箱体及び断熱扉の製造方法
KR20120127187A (ko) 단열 상자체
WO2013140806A1 (ja) 断熱箱体および冷蔵庫
JP2008064283A (ja) 冷却装置の断熱体
JP2017198396A (ja) 冷蔵庫
JP2014206336A (ja) 冷蔵庫
JP5753732B2 (ja) 断熱箱体
JP2015166653A (ja) 断熱箱体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140417

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140909