JP2015166653A - 断熱箱体 - Google Patents

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Takashi Izeki
崇 井関
伏木 隆之
Takayuki Fushiki
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Abstract

【課題】熱漏洩が少なく、断熱性能の経時劣化が抑制された断熱箱体を提供する。【解決手段】内箱(貯湯タンク1)と、前記内箱を収容する外箱(外装体2,3,8,10)と、前記内箱と前記外箱との間の空間に充填された発泡性断熱材20とを備える断熱箱体15であって、前記断熱箱体15の鉛直方向における前記内箱と前記外箱との間の空間の一半部は、充填された前記発泡性断熱材20の平均気泡径が、前記内箱と前記外箱との間の空間の他半部における平均気泡径よりも小さいことを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、貯湯式給湯機や冷蔵庫等に用いられる断熱箱体に関する。
従来、貯湯式給湯機に備えられる貯湯タンクユニットや冷蔵庫には、湯や冷蔵物を保温して貯蔵するための断熱箱体が備えられている。断熱箱体は、内箱と、外箱と、内箱と外箱との間の空間に充填された発泡性断熱材とを備えている。一般に、内箱と外箱との間の空間に発泡性断熱材を充填する方法としては、内箱と外箱との間の空間に液状の発泡性断熱材の原料液を注入し、空間内で発泡させて充填する方法が採用されている。
例えば、特許文献1には、湯を貯える貯湯タンクと、貯湯タンクの周囲を覆う成形断熱材と、成形断熱材の周囲を覆う外装ケースとを備えた貯湯式給湯器が記載され、特許文献2には、断熱材として発泡ウレタンを充填する貯湯槽が記載されている。また、特許文献3には、発泡ウレタンを、冷蔵庫の部品を形成する内箱と外箱の間隙に充填した冷蔵庫が記載されている。
特開2011−106791号公報 特開昭58−160758号公報 特開2000−128256号公報
特許文献1に開示されるような貯湯式給湯機では、貯湯タンクの上部側に高温の湯が分布することになるため、上部側における熱漏洩は下部側と比較して大きくなる傾向がある。また、特許文献2のように、内箱と外箱との間の空間に発泡性断熱材を充填した場合、貯湯タンクの上部側では発泡性断熱材が高温に晒され、発泡性断熱材の気泡(発泡セル)に包摂されているガスの置換や気泡の内圧変化が生じて発泡性断熱材が劣化し易くなる。すなわち、貯湯タンクの上部側は、下部側に比して、相対的に熱漏洩を生じ易く、発泡性断熱材の断熱性能の経時安定性を確保し難い領域となっている。
また、特許文献2に開示されるような冷蔵庫は、発泡性断熱材の原料混合液を背面の注入口から注入し、前面側に原料混合液の液溜まりを形成して製造されるため、冷蔵庫の背面側における発泡性断熱材の密度は、前面側と比較して低くなってしまう。そして、冷蔵庫の背面側の空間が狭隘である場合には、前面側と比較して大面積である背面側に発泡中の発泡性断熱材が充填され難く、狭隘な空間に充填された発泡性断熱材が薄肉ともなる。特に、このような背面側の領域には発熱を伴う機械室が区画されることから、その近傍の領域においては、熱漏洩を低減させたり、発泡性断熱材の経時安定性を確保したりするのが難い現状がある。
そのため、発泡性断熱材の充填量の削減と充填率の維持を両立しつつ、特に熱漏洩が見込まれる領域の断熱性能を改善し、断熱箱体の全体における断熱性能やその経時安定性を向上させる技術が求められている。
そこで、本発明は、熱漏洩が少なく、断熱性能の経時劣化が抑制された断熱箱体を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明に係る断熱箱体は、内箱と、前記内箱を収容する外箱と、前記内箱と前記外箱との間の空間に充填された発泡性断熱材とを備える断熱箱体であって、前記断熱箱体の鉛直方向における前記内箱と前記外箱との間の空間の一半部は、充填された前記発泡性断熱材の平均気泡径が、前記内箱と前記外箱との間の空間の他半部における平均気泡径よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、熱漏洩が少なく、断熱性能の経時劣化が抑制された断熱箱体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る貯湯タンクユニットを示す図である。(a)は貯湯タンクユニットの斜視図であり、(b)は貯湯タンクユニットが備える断熱箱体の斜視図であり、(c)は貯湯タンクユニットの分解斜視図である。 第1実施形態に係る断熱箱体の断面図であり、図1(b)のX−X線断面図である。 第1実施形態に係る断熱箱体の断面図であり、図2のY−Y線断面図である。 第1実施形態に係る断熱箱体の発泡性断熱材が充填された状態を示す図である。 第1実施形態に係る断熱箱体に発泡性断熱材を充填する方法を示す図である。 第2実施形態に係る冷蔵庫を示す図である。(a)は冷蔵庫の斜視図であり、(b)は冷蔵庫が備える断熱箱体の縦断面図であり、(c)は冷蔵庫が備える断熱箱体の横断面図である。 第2実施形態に係る断熱箱体の発泡性断熱材が充填された状態を示す図である。 第2実施形態に係る断熱箱体に発泡性断熱材を充填する方法を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
[第1実施形態]
はじめに、第1実施形態に係る断熱箱体について説明する。
図1は、第1実施形態に係る貯湯タンクユニットを示す図である。(a)は貯湯タンクユニットの斜視図であり、(b)は貯湯タンクユニットが備える断熱箱体の斜視図であり、(c)は貯湯タンクユニットの分解斜視図である。
貯湯タンクユニットTUは、ヒートポンプ給湯機を構成する機器であり、図1(a)、(b)及び(c)に示すように、貯湯タンク1と、貯湯タンク1を覆う外装体とを備えている。貯湯タンク1は、湯水等を貯留する容器であり、中空の略円柱形状を有している。一方、外装体は、外装板2,3,4と、仕切板5と、継手取付板6と、天板補助板7,8と、天板9と、底板10とから構成されている。そして、これら外装体の一部を構成する外装板2,3、仕切板5、天板補助板7,8、底板10は、図1(b)に示すように、貯湯タンク1を収容した断熱箱体15をなす。このように第1実施形態に係る断熱箱体15は、外装板2,3と、仕切板5と、天板補助板7,8と、底板10とを外箱とし、貯湯タンク1を内箱として構成される。
貯湯タンクユニットTUの内部において、貯湯タンク1は、図1(c)に示すように、底板10の上面に固定される内脚11に支持されて外箱の内部に収容される。そして、貯湯タンク1と外箱との間には、断熱室14(図2参照)が区画される。一方、貯湯タンクユニットTUの内部における、仕切板5の前側には、外装板4、仕切板5及び天板補助板7を側壁とし、天板9を天壁とし、継手取付板6を底壁として機械室が区画される。なお、機械室の内部には、例えば、配管や、配管に備えられる弁、ポンプ類、電装部品類、制御機器、センサ類等の不図示の計装機器類が収容される。そして、このような断熱室14と機械室とが内部に区画された貯湯タンクユニットTUは、底板10の下面に固定された外脚12によって支持されて設置される。
貯湯タンク1には、底面部(底壁)及び天面部(天壁)に不図示の複数の配管が接続される。貯湯タンク1の底面部には、給水配管が接続され、この給水配管を通じて、給水源から供給される水が貯湯タンク1に給水される。また、底面部と天面部に出湯配管と入水配管がそれぞれ接続され、これらの配管の他端には熱交換器が接続されて、熱交換器、出湯配管、貯湯タンク1、入水配管が順に接続されてなる環状の管路が形成される。
貯湯タンクユニットTUが備えられるヒートポンプ給湯機では、この熱交換器が、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器等によって構成されるヒートポンプサイクルによって熱交換することで、貯湯タンク1に貯留される湯水を加熱する。なお、貯留されている湯水は、貯湯タンク1の天面部から、入水配管を経て熱交換器に供給され、加熱された湯水は、出湯配管を経て貯湯タンク1の底面部に還流される。また、天面部には、給湯配管が接続され、この給湯配管を通じて、貯湯タンク1に貯蔵される湯(90℃〜100℃)が給湯されて利用される。
図2は、第1実施形態に係る断熱箱体の断面図であり、図1(b)のX−X線断面図である。また、図3は、第1実施形態に係る断熱箱体の断面図であり、図2のY−Y線断面図である。なお、図2及び図3では、断熱室14に後記する発泡性断熱材20を充填していない状態が示されている。
貯湯タンクユニットTUが備える断熱箱体15では、貯湯タンク1と外箱との間の断熱室14には、真空断熱材17が介装されている。真空断熱材17は、図2に示すように、貯湯タンク1の上部側から下部側に及ぶ寸法を有し、図3に示すように、貯湯タンク1の側面の全周を覆うように複数配設されている。真空断熱材17は、グラスウール等の芯材が、水分や各種ガスの吸着剤等と共にガスバリア性のラミネートフィルムで真空包装されたシート状部材であり、外装板2,3、及び仕切板5の内壁に貼付されている。
貯湯タンクユニットTUにおいて、貯湯タンク1に貯留される湯水が加熱されると、比重が小さい高温の湯が貯湯タンク1の上部側に分布し、比重が大きい低温の湯や水が貯湯タンク1の下部側に分布することになる。このとき、貯湯タンク1の内側と外側との温度差は、貯湯タンク1の上部側で大きくなる一方で下部側で小さくなり、貯湯タンク1の内側と外側との間における外皮単位面積あたりの伝熱量の分布は、鉛直方向に勾配を有するものとなる。そのため、断熱室14の鉛直方向における上部側は、下部側と比較して熱漏洩(熱損失)が大きい領域となっている。また、断熱室14の上部側は、下部側と比較して高温になるため、充填される発泡性断熱材20が熱により経時劣化し易い領域ともなっている。特に、不図示の配管等が設置される貯湯タンク1の天面部(内箱の上面)と天板補助板8(外箱の上面)との間の空間は、真空断熱材17を配設し難い領域であるため、熱漏洩を低減するのは容易ではない。
また、断熱箱体15には、貯湯タンク1の側方に空間厚さが狭い領域(狭隘部g)が生じることがある。狭隘部gは、例えば、図2に示すように、配設された真空断熱材17の内面と略円柱形状である貯湯タンク1の側面部外面との間に介在し、断熱室14の高さ方向の中間位置より上半部側から中間位置より下半部側に及ぶ範囲に生じ得る。このような狭隘部gでは、図3に示すように、断熱室14の空間厚さLは、断熱箱体15の左右方向の両端及び前後方向の後端にいくほど狭くなることになる。こうした狭隘部gも、後記する発泡性断熱材20を適切に充填することが難しく、熱損失を低減し難い領域となっている。なお、空間厚さLは、貯湯タンク1と外箱との間の空間(断熱室14)における、貯湯タンク1の外面上の任意の点と、その点を通る垂線(例えば、接平面に対する垂線)が当該面に対向している外箱側の面(図2では、真空断熱材17の内面)と交差する点との間の寸法を指している。狭隘部gは、具体的には、空間厚さLが8mm以下であり、断熱室14の上半部又は下半部の容積より小さい領域を占める。
図4は、第1実施形態に係る断熱箱体の発泡性断熱材が充填された状態を示す図である。なお、図4では、図1(b)のX−X線断面図が示されている。また、発泡性断熱材20の充填の状態は、濃淡で模式的に示されている。
断熱箱体15には、図4に示すように、断熱室14(図3参照)に発泡性断熱材20が充填される。発泡性断熱材20を充填することによって、貯湯タンク1の外周面、上面及び下面の全面に亘って、熱漏洩が低減されるようにしている。また、発泡性断熱材20の発泡圧力と発泡後の硬化とによって、真空断熱材17を外箱の内面に圧着させ、真空断熱材17が剥離したり外箱と真空断熱材17との間に隙間が生じたりすることを防止している。このようにすることで、熱漏洩がより低減され、各部材間が堅固に固定されて耐振動性が向上する作用も得られるようになっている。
第1実施形態に係る断熱箱体15においては、断熱箱体15の鉛直方向における断熱室14の上半部では、充填された発泡性断熱材20の平均気泡径が、断熱室14の下半部における平均気泡径よりも小さくなるように発泡性断熱材20を充填させている。すなわち、断熱室14の高さ方向の中点より上側、特に、貯湯タンク1の天面部より上側の空間において、発泡性断熱材20の気泡径を小さくし、発泡性断熱材20の密度が高くなるようにしている。そのため、断熱箱体15の上半部、特に貯湯タンク1の天面部付近の断熱性能が高くなっており、より高温の湯が貯留される貯湯タンク1の上部側における熱漏洩が有効に低減されるようになっている。また、気泡径を小さくし、気泡の膜厚を厚くすることで、発泡性断熱材20の強度を向上させて、断熱性能の経時劣化が抑制されるようにしている。
その一方で、断熱室14の下半部のうち、貯湯タンク1の底面部より下側の空間において、発泡性断熱材20の気泡径は大きく、発泡性断熱材20の密度は低くなっている。すなわち、貯湯タンク1の上半部ほどには断熱性能が要求されない下半部において、発泡性断熱材20の気泡径が大きくなるように発泡性断熱材20を充填させている。このようにすることで、発泡性断熱材20の充填量の削減と充填率の維持を両立させると共に、発泡性断熱材20の充填の工数や注入口の個数を低減している。
また、第1実施形態に係る断熱箱体15において、狭隘部gでは、充填された発泡性断熱材20の平均気泡径が、断熱室14の下半部且つ狭隘部g以外の領域における平均気泡径よりも小さくなるように発泡性断熱材20を充填させている。すなわち、断熱室14の上半部における発泡性断熱材20の平均気泡径が、断熱室14の下半部における平均気泡径よりも小さくなるようにしつつ、断熱室14の上半部側から下半部側に及んでいる狭隘部gにも、平均気泡径が小さい発泡性断熱材20を充填させている。そのため、通常であれば、発泡性断熱材20が充填され難く、充填された発泡性断熱材20が薄肉ともなって熱漏洩を生じ易い狭隘部gにおいても、熱漏洩が有効に低減し、断熱性能の経時劣化が抑制されるようしている。また、発泡性断熱材20の気泡径を小さくしているため、ボイドが形成され難くなっており、発泡性断熱材20の充填率が向上している。
充填される発泡性断熱材20の平均気泡径は、具体的には、断熱室14の上半部及び狭隘部gにおいて、70μm以上120μm未満とすることが好ましい。また、このとき、断熱室14の下半部の狭隘部g以外の領域における発泡性断熱材20の平均気泡径は、120μm以上であることが好ましい。さらに、平均気泡径は、断熱室14の上半部及び狭隘部gにおいて、70μm以上100μm未満であることがより好ましく、断熱室14の下半部において、100μm以上であることがより好ましい。
発泡性断熱材20の平均気泡径が70μm以上であると、微小気泡を形成する膜の厚さが過度に薄くはならず、独立気泡が維持され易くなり、断熱性能が経時劣化し難くすることができる。また、独立気泡の割合の低下によって、気泡の強度が低下し難くなる作用を得ることが可能である。一方で、平均気泡径が120μm未満、好ましくは100μm未満であれば、粗大な気泡によって断熱性能が低下するおそれをより低下させることができる。また、発泡性断熱材20の表面の平滑性や意匠性が損なわれ難くもなる。これに対して、断熱室14の下半部の狭隘部g以外の領域では、発泡性断熱材20の充填量を低減しながらも、発泡性断熱材20の充填率が確保されるように、大径の気泡の分布を許容している。
発泡性断熱材20の平均気泡径は、発泡性断熱材の25mmあたりの気泡数(セル数)を計数して、長さに換算することによって求められる。計数に用いる試験片は、最小50mm×50mm×3mmの寸法とし、断熱箱体の所定の領域から5個採取する。但し、試験片は、発泡性断熱材の発泡の方向が、任意の方向に配向している場合には、気泡の長軸及び短軸の両方が計測できるように採取し、スキンが無く、計数ガラスを載置可能な面積と平滑な表面を有するものを計数に用いる。
気泡数の計数は、気泡を識別できる倍率を有する目盛付き拡大装置を使用し、目盛は、1mm単位で、少なくとも25mmまで計測できるものとし、目盛精度は±0.1mm以内とする。具体的には、25mm計測用の布目計数ガラスが好適に用いられる。なお、計数される気泡数が40個以下となる場合には、拡大装置の倍率は10倍とすることが好ましい。試験片は、平らな水平面に、ひずみの無い状態で配置し、目盛に沿って気泡数を計数する。気泡径に異方性がある場合には、最低2回の計数を行うようにし、計数する方向は、気泡の最大径及び最小径が測定できる方向として行うことを条件とする。
発泡性断熱材20としては、液状の原料液を化学反応させることによって発泡、硬化させた合成樹脂発泡体からなる断熱材を用いることが好ましい。具体的には、例えば、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム等が好適である。
硬質ウレタンフォームは、プレミックスポリオール組成物とポリイソシアネートとを反応させることによって得ることができる。プレミックスポリオール組成物は、活性水素基を有する活性水素含有化合物と、整泡剤と、触媒と、水と、シクロペンタンとを含んでなる。活性水素含有化合物は、第1の活性水素含有化合物(A)と、第2の活性水素含有化合物(B)とを含むことが好ましい。
第1の活性水素含有化合物(A)としては、活性水素基数が4個以上8個以下のポリオール(多価アルコール)、及び、アルキレンオキシドが付加されたポリアミンの少なくとも一方を用いることが好ましく、これらを併用することがより好ましい。
ポリオールとしては、例えば、ジグリセリン、メチルグルコシド、グルコース、マンノース、フルクトース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、ラクトース等が挙げられる。ポリオールとしては、これらの中でも、スクロースが特に好ましい。スクロースは、架橋反応の反応点が多く、発泡性断熱材20の強度や寸法安定性を向上させるのに好適である。
ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン等の脂肪族ポリアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環族ポリアミン、キシリレンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン等の芳香脂肪族ポリアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン等が挙げられる。ポリアミンとしては、これらの中でも、シクロペンタンとの相溶性が良好なトルエンジアミンが好ましい。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。アルキレンオキシドは、一種を単独で反応させてよく、二種以上を組み合わせて反応させてもよい。
第2の活性水素含有化合物(B)としては、重量平均分子量が200以下の活性水素含有鎖状脂肪族化合物を用いることが好ましい。具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヒドラジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、グリセリン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、トリイソプロパノールアミン等を用いることができる。
触媒としては、泡化触媒、樹脂化触媒、ヌレート化触媒等の一種以上を用いることができる。
泡化触媒としては、例えば、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルアミノエチルエーテル、ジメチルアミノエトキシエタノール、ジメチルアミノヘキサノール、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。
樹脂化触媒としては、例えば、N,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N,N´,N´´−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N´,N´´−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N´,N´´−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
ヌレート化触媒としては、例えば、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピぺラジン、トリス(3‐ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N´,N´´−トリス(3‐ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、N,N´,N´´−トリス(3‐ジエチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。発泡性断熱材20の発泡径を小さくする観点からは、触媒量は、プレミックスポリオール組成物に含まれる活性水素含有化合物100質量部に対し、1.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。また、ヌレート化触媒の配合比を、樹脂化触媒及び泡化触媒に対して、20質量部以上25質量部以下の範囲とすることが好ましい。
なお、水の配合比は、プレミックスポリオール組成物に含まれる活性水素含有化合物100質量部に対し、2.0質量部以上2.5質量部以下、シクロペンタンの配合比は、プレミックスポリオール組成物に含まれる活性水素含有化合物100質量部に対し、14.0質量部以上18.0質量部以下であることが好ましい。
ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とその誘導体、又は、トリレンジイソシアネート(TDI)とその誘導体を用いることができる。これらは、単独で使用してもよく、併用してもよい。MDIの誘導体としては、例えば、末端イソシアネート基をもつジフェニルメタンジイソシアネート誘導体等、TDIの誘導体としては、例えば、TDIの末端イソシアネートプレポリマー誘導体等が挙げられる。
発泡性断熱材20の気泡径は、主として、このような原料液を組成する化合物の選択、組合せ、配合比の調整、原料液の撹拌及び発泡条件に基づいて調節すればよい。例えば、原料液は、相溶性が良好な化合物で組成されることが好ましく、シクロペンタンとの相溶性が良好な化合物を組成中に含むことが好ましい。また、狭隘部gへの充填については、発泡性断熱材20の原料液の低粘度化に寄与する活性水素含有化合物(B)のような低分子量化合物を含むことが好ましく、さらには、耐熱性能を補うヌレート化触媒を含むことが好ましい。
次に、第1実施形態に係る断熱箱体の製造方法について説明する。
図5は、第1実施形態に係る断熱箱体に発泡性断熱材を充填する方法を示す図である。なお、図5(a)、(b)及び(c)において、図の縦方向が鉛直方向、横方向が水平方向に対応している。
発泡性断熱材20の充填にあたっては、図5(a)に示すように、発泡性断熱材20が充填される断熱箱体15を、底板10がある下部側の高さが、天板補助板8がある上部側の高さよりも高くなるように、水平面に対して傾斜(傾斜角θ)させて治具等に載置する。
なお、断熱箱体15には、仕切板5に、発泡性断熱材20の原料液の注入口22が設けられている。注入口22は、断熱箱体15の下半部側(底板10側)にオフセットされており、注入口22の位置が、断熱箱体15の下半部に位置するように配設されている。これによって、断熱箱体15を下部側の高さが上部側の高さよりも高くなるように水平面に対して傾斜させて反倒立状態とした場合に、断熱箱体15の下半部寄りに設けられている注入口22が、断熱箱体15の鉛直方向の上方寄りに位置するように配置されることになる。なお、注入口22を複数設ける場合は、それらの重心(中点)位置を下半部に位置するように配置すればよい。
また、断熱箱体15には、発泡性断熱材20の発泡ガスを排気する不図示のガス抜き孔が設けられている。ガス抜き孔は、注入口22と同様に、断熱箱体15の下半部側にオフセットされており、ガス抜き孔が一箇所である場合のその位置又はガス抜き孔が複数である場合のその重心(中点)位置が、断熱箱体15の下半部に位置するように配設される。このように注入口22とガス抜き孔とを断熱箱体15の下半部寄りに設けることによって、反倒立状態で充填される発泡性断熱材20の発泡が、断熱箱体15の天面部(天板補助板8)近傍で開始されるようにする。また、発泡性断熱材20の発泡方向を、断熱箱体15の上半部から下半部に向かう方向として、タンクユニットTUが設置されたときの鉛直方向に沿うようにする。
続いて、載置された断熱箱体15の注入口22に、発泡性断熱材20の注入ノズルを挿入して、断熱箱体15の下半部側から発泡性断熱材20の原料液を注入する。注入された発泡性断熱材20の原料液は、図5(b)に矢印で示すように、断熱室14の内部を流下して、鉛直方向の下側に位置している断熱箱体15の天面部(天板補助板8)近傍に液溜を形成する。
そして、発泡性断熱材20の原料液は、主として、このような液溜から発泡を開始し、図5(c)に矢印で示すように、ガス抜き孔の方向に向かって断熱室14の内部に発泡を拡げ充填されていく。このようにすることによって、発泡性断熱材20の充填量の削減と充填率の維持を両立させながらも、断熱箱体15の上半部における発泡性断熱材20の平均気泡径が、下半部における平均気泡径よりも小さくなるように充填することができる。また、断熱室14の上半部のうち、特に、貯湯タンク1の天面部と天板補助板8との間の空間における発泡性断熱材20の平均気泡径を小さくすることが可能となる。なお、発泡性断熱材20の平均気泡径は、前記の発泡性断熱材20の組成条件、充填条件の調節によって、70μm以上120μm未満とすればよい。
また、断熱箱体15においては、貯湯タンク1の側方に、断熱室14の空間厚さが狭い狭隘部gが存在している(図2参照)。本実施形態に係る断熱箱体15では、断熱箱体15の上半部に充填される発泡性断熱材20の平均気泡径が、70μm以上120μm未満となるように充填することによって、断熱箱体15の上半部から下半部にかけて生じている狭隘部gにも、発泡性断熱材20を適切に充填させることができる。すなわち、このように平均気泡径が小さくなるように発泡性断熱剤20を充填させることで、発泡が開始される液溜付近から断熱箱体15の下半部側に及んでいる狭隘部gに、発泡性断熱材20を侵入し易くさせている。そして、これによって、本実施形態に係る断熱箱体15のように一室の断熱室14において、鉛直方向の上端(天板補助板8)と下端(底板10)との間に鉛直方向に沿って狭隘部gが生じている場合においても、発泡が開始される液溜とは反対側の空間(下端側)の充填率を確保しながら、狭隘部gにおける発泡性断熱材20の充填率と密度とを向上させることができるようになる。
なお、断熱箱体15に発泡性断熱材20を充填する方法は、このような方法に制限されるものではなく、発泡性断熱材20の原料液の注入口22を複数設けて、原料液の注入を複数箇所から行うようにしてもよい。特に、仕切板5がある前面側の狭隘部gの気泡径を小さくするために、注入口22を断熱箱体の前面側と背面側とに配設すると共に、傾斜角θを大きくしてもよい。また、複数の注入口毎に、発泡性断熱材20の原料液を組成する化合物の選択、組合せ、配合比の調整、原料液の撹拌及び発泡条件等を調整して充填を行うようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る断熱箱体について説明する。
図6は、第2実施形態に係る冷蔵庫を示す図である。(a)は冷蔵庫の斜視図であり、(b)は冷蔵庫が備える断熱箱体の縦断面図であり、(c)は冷蔵庫が備える断熱箱体の横断面図である。なお、(b)は(a)のZ−Z線断面図、(c)は(a)のW−W線断面図であり、冷蔵庫が備える扉を省略して示している。また、図6(b)及び(c)では、断熱箱体65の断熱室14に発泡性断熱材20を充填していない状態が示されている。
図6に示すように、冷蔵庫RFは、略直方体形状の外装体を有している。外装体は、前面側の開口を覆う複数の扉(55A,55B1,55B2,55C)と、側面側を覆う左右一対の側面板52と、背面側を覆う背面板53と、天板58と、底板60とから構成されている。そして、外装体の内側には、貯蔵室をなす内箱62が収容されている。
内箱62は、断熱性の仕切部材63及び64によって、複数の貯蔵室(冷蔵室51A、冷凍室51B及び野菜室51C)に区画され、前面部の開口には、冷蔵室51Aを覆う冷蔵室扉55Aと、冷凍室51Bを覆う製氷室扉55B1及び冷凍室扉55B2と、野菜室51Cを覆う野菜室扉55Cとからなる複数の扉が開閉自在に備えられている。その一方で、内箱62の側面部、背面部、天面部及び底面部は、それぞれ、左右一対の側面板52、背面板53、天板58、底板60によって覆われている。このように第2実施形態に係る断熱箱体65は、内箱62を覆っている、左右一対の側面板52と、背面板53と、天板58と、底板60とを外箱として構成されている。
図6(b)及び(c)に示すように、冷蔵庫RFにおいて、内箱62と外箱との間には断熱室14が区画され、底面部の背面側には機械室66が区画されている。機械室66は、外箱の底面部の背面側を切り欠いた空間に設けられ、側面板52と階段状に屈曲した底板60とによって外箱の外側に位置するように画設されている。この機械室66には、圧縮機、凝縮器等が設置され、これら圧縮機及び凝縮器が、貯蔵室の背面側に備えられる不図示の冷却器と接続されて冷凍サイクルを構成する。凝縮器は、冷凍サイクルの稼働に伴って冷媒の凝縮熱を周囲に放熱するため、機械室66は高温化する傾向がある。そのため、機械室66に近接した断熱室14の下部側は、上部側と比較して熱漏洩が大きい領域となっている。また、断熱室14の下部側は、機械室66からの発熱に晒されるため充填される発泡性断熱材20が経時劣化し易い領域ともなっている。
また、冷蔵庫RFが備える断熱箱体65において、内箱62と外箱との間の断熱室14には、真空断熱材17が介装されている。真空断熱材17は、図6(b)に示すように、背面板53、天板58及び底板60の内面、並びに、内箱62の天面部の上側及び底面部の下側に複数配設され、図6(c)に示すように、左右一対の側面板52の内面にも貼付されている。この真空断熱材17は、内箱62の前面の近傍まで及ぶ寸法とされている一方で、内箱62の左右側面部の前側は、貯蔵室(51A)の開口が拡幅するようにテーパ状に拡がる形状とされている。そのため、内箱62の左右側面部の前側には、真空断熱材17との間に空間厚さが8mm以下の領域(狭隘部g)が生じている。こうした狭隘部gも、発泡性断熱材20を適切に充填することが難しく、熱漏洩を低減し難い領域となっている。なお、このような狭隘部gは、断熱室14の高さ方向の中間位置より上半部側から中間位置より下半部側に及ぶ範囲に生じている。
図7は、第2実施形態に係る断熱箱体の発泡性断熱材が充填された状態を示す図である。なお、図7(a)では、図6(a)のZ−Z線断面図、図7(b)では、図6(a)のW−W線断面図が示されている。また、発泡性断熱材20の充填の状態は、濃淡で模式的に示されている。
断熱箱体65には、図7に示すように、断熱室14(図6参照)に発泡性断熱材20が充填される。第2実施形態に係る断熱箱体65においては、特に、断熱箱体65の鉛直方向における断熱室14の下半部では、充填された発泡性断熱材20の平均気泡径が、断熱室14の上半部における平均気泡径よりも小さくなるように発泡性断熱材20を充填させている。すなわち、断熱室14の高さ方向の中点より下側、特に、内箱62と機械室66との間の空間において、発泡性断熱材20の気泡径を小さくし、発泡性断熱材20の密度が高くなるようにしている。そのため、断熱箱体65の下半部の断熱性能が高くなっており、発熱する機械室66の近傍における熱漏洩が有効に低減されるようになっている。また、気泡径を小さくし、気泡の膜厚を厚くすることで、発泡性断熱材20の強度を向上させて、断熱性能の経時劣化が抑制されるようにしている。
その一方で、断熱室14の上半部のうち、内箱62の天面部より上側の空間において、発泡性断熱材20の気泡径は大きく、発泡性断熱材20の密度は低くなっている。すなわち、内箱62の下半部ほどには断熱性能が要求されない上半部において、発泡性断熱材20の気泡径が大きくなるように発泡性断熱材20を充填させている。このようにすることで、発泡性断熱材20の充填量の削減と充填率の維持を両立させると共に、発泡性断熱材20の充填の工数や注入口の個数を低減している。
また、第2実施形態に係る断熱箱体65において、狭隘部gでは、充填された発泡性断熱材20の平均気泡径が、断熱室14の上半部における平均気泡径よりも小さくなるように発泡性断熱材20を充填させている。すなわち、断熱室14の下半部における発泡性断熱材20の平均気泡径が、断熱室14の上半部における平均気泡径よりも小さくなるように、断熱室14の上半部側から下半部側に及んでいる狭隘部gにも、平均気泡径が小さい発泡性断熱材20を充填させている。なお、第2実施形態に係る断熱箱体65に充填される発泡性断熱材20の種類や平均気泡径等は、前記の実施形態と同様のものが好適である。
次に、第2実施形態に係る断熱箱体の製造方法について説明する。
図8は、第2実施形態に係る断熱箱体に発泡性断熱材を充填する方法を示す図である。なお、図8(a)、(b)及び(c)において、水平面は俯瞰されており、図の縦方向が鉛直方向に対応している。
発泡性断熱材20の充填にあたっては、図8(a)に示すように、発泡性断熱材20が充填される断熱箱体65を、天板58がある上部の高さが、底板60がある下部の高さよりも高くなるように、水平面に対して傾斜(傾斜角θ)させて治具等に載置する。また、背面板53を鉛直方向の上側にして載置する。
なお、断熱箱体65には、発泡性断熱材20の原料液の注入口72aが背面板53の左右側端近傍にそれぞれ貫設されている。注入口72aは、断熱箱体65の上半部側(天板58側)にオフセットされており、複数の注入口72a,72aの重心(中点)位置が、断熱箱体65の上半部に位置するように配設されている。これによって、断熱箱体65を上部側の高さが下部側の高さよりも高くなるように水平面に対して傾斜させた場合に、断熱箱体65の上半部寄りに設けられている注入口72aが、断熱箱体65の鉛直方向の上方寄りに位置するように配置されることになる。
また、断熱箱体65には、発泡性断熱材の発泡ガスを排気する不図示のガス抜き孔が設けられている。ガス抜き孔は、注入口72aと同様に、断熱箱体65の上半部側にオフセットされており、ガス抜き孔が一箇所である場合のその位置又はガス抜き孔が複数である場合のその重心(中点)位置が、断熱箱体65の上半部に位置するように配設される。このように注入口74aとガス抜き孔とを断熱箱体65の上半部寄りに設けることによって、傾斜状態で充填される発泡性断熱材20の発泡が、断熱箱体65の底面部(底板60)近傍で開始されるようにする。また、発泡性断熱材20の発泡方向を、断熱箱体65の下半部から上半部に向かう方向となるようにして、発泡性断熱材20の充填量の削減と充填率の維持を両立させるようにしている。
続いて、載置された断熱箱体65の複数の注入口72a,72aに、発泡性断熱材20の注入ノズルをそれぞれ挿入して、断熱箱体65の上半部側から発泡性断熱材20の原料液を注入する。注入された発泡性断熱材20の原料液は、図8(b)に矢印で示すように、断熱室14の内部を流下して、鉛直方向の下側に位置している断熱箱体65の底面部(底板60)近傍に液溜を形成する。
そして、発泡性断熱材20の原料液は、主として、このような液溜から発泡を開始し、図8(c)に矢印で示すように、ガス抜き孔の方向に向かって断熱室14の内部に発泡を拡げ充填されていく。このようにすることによって、発泡性断熱材20の充填量の削減と充填率の維持を両立させながらも、断熱箱体65の下半部における発泡性断熱材20の平均気泡径が、上半部における平均気泡径よりも小さくなるように充填することができる。また、断熱室14の下半部のうち、特に、内箱62と機械室66との間の空間に、比較的発泡初期に発泡性断熱材20を充填させることができるため、この空間における発泡性断熱材20の平均気泡径を小さくすることが可能となる。なお、発泡性断熱材20の平均気泡径は、前記の発泡性断熱材20の組成条件、充填条件の調節によって、70μm以上120μm未満とすればよい。
また、断熱箱体65においては、内箱62の左右側面部の前側に、断熱室14の空間厚さが狭い狭隘部gが存在している(図6参照)。本実施形態に係る断熱箱体65では、断熱箱体65の下半部に充填される発泡性断熱材20の平均気泡径が、70μm以上120μm未満となるように充填することによって、断熱箱体65の下半部から上半部にかけて生じている狭隘部gに、発泡性断熱材20を適切に充填させることを可能としている。すなわち、平均気泡径が小さくなるように発泡性断熱剤20を充填させることで、発泡が開始される液溜付近から断熱箱体65の上半部側に及んでいる狭隘部gに、発泡性断熱材20を侵入し易くさせている。そして、これによって、本実施形態に係る断熱箱体65のように、鉛直方向の上端(天板58)と下端(底板60)との間に鉛直方向に沿って狭隘部gが生じている場合においても、狭隘部gにおける発泡性断熱材20の充填率と密度とを向上させることができるようになる。
なお、断熱箱体65に発泡性断熱材20を充填する方法は、これに制限されるものではなく、発泡性断熱材20の原料液の注入口を背面板53の中央に設けて、原料液の注入を背面板53の左右側端及び中央の双方から行うようにしてもよい。これによって、冷蔵庫RFの背面側に狭隘部gが生じている場合に、冷蔵庫RFの前面側と背面側の両方における発泡性断熱材20の発泡径や密度を改善することができる。
≪実施例≫
以下、実施例に基づいて本実施形態に係る断熱箱体について具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
断熱室に発泡性断熱材として硬質ウレタンフォームを充填した断熱箱体を備える貯湯タンクユニットを製造し、発泡性断熱材の平均気泡径が、熱漏洩量と、断熱性能の経時安定性に与える影響を評価した。
実施例1〜5及び比較例としては、下記の表1に示す組成のプレミックスポリオール組成物を調製して用いた。プレミックスポリオール組成物は、活性水素含有化合物と、整泡剤と、触媒と、水と、シクロペンタンとを含むものとし、活性水素含有化合物としては、アルキレンオキシドを付加したスクロース、アルキレンオキシドを付加したトルエンジアミン、アルキレンオキシドを付加したペンタエリスリトール、重量平均分子量が200以下のジオールをそれぞれ使用した。なお、表1において、「○」は当該化合物を含んでいることを示し、「−」は当該化合物を含んでいないことを示している。
触媒としては、泡化触媒、樹脂化触媒、ヌレート触媒のそれぞれを表1に示す配合比で使用した。なお、表1に示す配合比は、活性水素含有化合物に対する質量の分率を表している。使用した整泡剤は、変性ポリシロキサンである。
実施例1〜5については、断熱室が空洞状態の断熱箱体を下半部側に備えられる注入口が断熱箱体の鉛直方向の上方寄りに位置するように半倒立状態に傾斜させて治具に載置し、前記のプレミックスポリオール組成物と、ジフェニルメタンジイソシアネートとを注入口から注入して、断熱箱体の上半部側から下半部側に向けて発泡させて発泡性断熱材を充填した。また、比較例については、断熱室が空洞状態の断熱箱体を水平にして発泡性断熱材を充填した。なお、比較例に係る断熱箱体は、発泡性断熱材の注入口を仕切板の上半部側に設けたものである。これら原料液の注入及び発泡においては、高圧発泡機(プロマート社製,型式:PU−30)を使用し、液温18〜30℃、吐出圧力80〜150kg/cm、吐出量15〜30kg/min、温度を約40℃として発泡を行った。
次に、充填されて硬化した発泡性断熱材から試験片を採取し、硬質ウレタンフォームの気泡径を計測した。試験片は、貯湯タンクの天面部より上側の領域(上部)、貯湯タンクの側方の空間厚さが8mm以下の領域(狭隘部)、及び、貯湯タンクの底面部より下側の領域の空間厚さが8mmを超える領域(下部)から、それぞれ必要な試験片数を採取し、前記の方法にしたがって平均気泡径を計測した。その結果を表1に併記する。
次に、貯湯タンクの天面部より上側の領域、及び、貯湯タンクの側方の空間厚さが8mm以下の領域からそれぞれ採取した試験片について熱伝導率を測定した。試験片の熱伝導率は、試験片の採取直後、試験片を100℃で30日間促進劣化させた後、及び、試験片を100℃で100日間促進劣化させた後のそれぞれについて測定した。なお、熱伝導率の測定には、英弘精機社製熱伝導率測定装置HC−074を用いた。その結果を表1に併記する。
また、実施例1〜5及び比較例のそれぞれについて、発泡性断熱材を充填した断熱箱体を備える貯湯タンクユニットの熱漏洩量を測定した。各貯湯タンクユニットは、低温に調温した恒温室内に設置し、貯湯タンクに接続される配管に熱交換器を接続して稼働させて、貯湯タンク内の湯水を加熱させた。そして、貯湯タンクの内部の温度と恒温室の温度とが所定の温度差となるように管理して熱漏洩量を求めた。なお、熱漏洩量は、比較例を100%としたときの相対値を分率で算出した。その結果を表1に併記する。
Figure 2015166653
表1に示すように、実施例1〜5では、貯湯タンクの天面部より上側の領域(上部)、貯湯タンクの側方の空間厚さが8mm以下の領域(狭隘部)における発泡性断熱材の平均気泡径が70μm以上120μm未満となり、断熱室の上半部における平均気泡径が下半部における平均気泡径よりも小さくなっており、比較例に対して、低い熱伝導率を示すことが確認された。また、実施例1〜5では、30日後及び100日後にも、比較例に対して低い熱伝導率が維持されており、断熱性能の経時劣化が低減されていると共に、熱漏洩量が低減されていることも確認された。さらに、熱伝導率を低くする観点からは、実施例3〜5のように、発泡性断熱材の平均気泡径が、70μm以上100μm未満であることが好ましいことが認められる。プレミックスポリオール組成物としては、ペンタエリスリトールよりも反応点が少ないジオールを用いたものが好ましく、ヌレート触媒を併用するのが好適であるといえる。
1 貯湯タンク(内箱)
2 外装板(外箱)
3 外装板(外箱)
8 天板補助板(外箱)
10 底板(外箱)
11 内脚
12 外脚
15 断熱箱体
17 真空断熱材
20 発泡性断熱材
g 狭隘部

Claims (10)

  1. 内箱と、
    前記内箱を収容する外箱と、
    前記内箱と前記外箱との間の空間に充填された発泡性断熱材と
    を備える断熱箱体であって、
    前記断熱箱体の鉛直方向における前記内箱と前記外箱との間の空間の一半部は、充填された前記発泡性断熱材の平均気泡径が、前記内箱と前記外箱との間の空間の他半部における平均気泡径よりも小さい
    ことを特徴とする断熱箱体。
  2. 前記一半部における前記発泡性断熱材の平均気泡径が、70μm以上120μm未満である
    ことを特徴とする請求項1に記載の断熱箱体。
  3. 前記他半部における前記発泡性断熱材の平均気泡径が、120μm以上である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の断熱箱体。
  4. 前記一半部における前記発泡性断熱材の平均気泡径が、70μm以上100μm未満であり、
    前記他半部における前記発泡性断熱材の平均気泡径が、100μm以上である
    ことを特徴とする請求項2に記載の断熱箱体。
  5. 前記内箱と前記外箱との間の空間は、前記内箱と前記外箱との間の空間の厚さが8mm以下となる狭隘部を有し、
    前記狭隘部における前記発泡性断熱材の平均気泡径が、70μm以上120μm未満である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の断熱箱体。
  6. 発泡性断熱材の原料液の注入口が、前記一半部側から前記他半部側にオフセットされている
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の断熱箱体。
  7. 発泡性断熱材の発泡ガスのガス抜き穴が、前記一半部側から前記他半部側にオフセットされている
    ことを特徴とする請求項6に記載の断熱箱体。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の断熱箱体において、
    前記内箱が、貯湯タンクであり、
    前記一半部が、前記貯湯タンクと前記外箱との間の空間の上半部である
    ことを特徴とする貯湯タンクユニット。
  9. 貯湯タンクと、
    前記貯湯タンクを収容する外箱と、
    前記貯湯タンクと前記外箱との間の空間に充填された発泡性断熱材と
    を備える貯湯タンクユニットであって、
    前記貯湯タンクの上面と前記外箱の上面との間の空間に充填された前記発泡性断熱材の平均気泡径が、70μm以上120μm未満である
    ことを特徴とする貯湯タンクユニット。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の断熱箱体において、
    前記内箱が、貯蔵室であり、
    前記一半部に、機械室が区画されている
    ことを特徴とする冷蔵庫。
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