JPH11174700A - 画像形成方法および電子写真感光体 - Google Patents

画像形成方法および電子写真感光体

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JPH11174700A
JPH11174700A JP34792597A JP34792597A JPH11174700A JP H11174700 A JPH11174700 A JP H11174700A JP 34792597 A JP34792597 A JP 34792597A JP 34792597 A JP34792597 A JP 34792597A JP H11174700 A JPH11174700 A JP H11174700A
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JP
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layer
saturable
saturable absorbing
dye
exposure wavelength
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JP34792597A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Takimoto
整 滝本
Yasuaki Miyazawa
靖明 宮澤
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光をライン走査する電子写真方式の画
像形成方式において、干渉縞による画像の濃度むらを防
止し、かつ高解像度で階調性の良好な画像を得ることが
できる画像形成方法およびそのために使用する電子写真
感光体を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体を帯電、露光、現像及び
転写して画像を形成する画像形成方法において、導電性
基体上に、電荷発生層と、露光波長において可飽和吸収
性を呈する可飽和吸収色素を含有する層を有する感光層
を設けた電子写真感光体を使用し、露光用の光としてレ
ーザ光を使用することを特徴とする。可飽和吸収色素と
しては、ビス(トリ−n−ヘキシルシロキシ)シリコン
ナフタロシアニン色素またはジオクチルオキシシリコン
ナフタロシアニン色素が好ましく使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法およ
びそれに用いる電子写真感光体に関し、詳しくはレーザ
光をライン走査する方式により、濃度むらのない解像度
の高い画像を得るのに適した画像形成方法およびそれに
用いる電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ光をライン走査する電子写真方式
のレーザ出力装置においては、レーザ光として、半導体
レーザが使用され、小型化及び低コスト化の点から広く
普及しており、それに対応した電子写真感光体も半導体
レーザの発光波長である近赤外光に対して、高感度なも
のが開発されている。
【0003】一方、レーザ出力装置には、文字だけでな
く画像の出力のニーズの高まりとともに、中間調を含む
高画質化の要求が強まっている。その要求に対応するも
のとして、記録密度を低下させずに、高解像度で各画素
において中間調を形成する方式として、パルス幅変調方
式が提案されている。この方式は、画像信号によって、
レーザ光を照射する時間を変調することにより、1画素
毎に露光スポットにより形成されるドットの面積階調を
行うものであって、解像度を低下させることなく中間調
を表現できるので、高解像度かつ高階調性を必要とする
カラー画像形成装置においては特に適している。
【0004】ところが、このパルス幅変調方式において
も、更に画像密度を上げていくと、露光スポット径に対
して画素が相対的に小さくなるために、階調を十分にと
ることができなくなる傾向がある。一方で、階調性を保
持したまま解像度を向上させるためには、露光スポット
径をより小さくする必要がある。そのためには、例え
ば、レーザ光を短波長化することやf−θレンズのNA
(開口率)を大きくすること等が必要となる。しかしな
がら、青色または緑色半導体レーザは研究レベルの報告
はあるものの、一般的には普及していないのが現状であ
る。また、レンズのNAを大きくすることに関しては、
レンズやスキャナの大型化及び焦点深度の低下により、
機械精度の上昇が要求される等の理由から、装置の大型
化やコスト上昇は避け難く実用的ではない。
【0005】一方、レーザ出力装置においては、可干渉
光であるレーザ光を露光光源とするために、干渉縞によ
る画像の濃度むらが発生しやすいという短所がある。そ
の理由として、例えば、積層型の感光層を有する電子写
真感光体の場合、レーザ光が電荷発生層内で完全に吸収
されず、電荷発生層の導電性基体から遠い側の界面で反
射し、またはその透過光が基体で反射し、このため感光
層内でレーザ光の多重反射を生じることがあげられる。
【0006】この問題を解消する方法としては、これま
で電子写真感光体において用いられている導電性基体の
表面を、陽極酸化やホーニング法等により粗面化する方
法、感光層と導電性基体の間に光吸収層あるいは反射防
止層を設ける方法等が提案されており、それにより感光
層内で生じる多重反射を解消することがはかられてい
る。しかしながら、実際問題として、これらいずれの方
法も製造コストが上昇する等の欠点を有しており、未だ
満足な結果は得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記のような問題点を解消することを目的として
なされたものである。すなわち、本発明の目的は、レー
ザ光をライン走査する電子写真方式の画像形成方式にお
いて、干渉縞による画像の濃度むらを防止し、かつ高解
像度で階調性の高い画像を得ることができる画像形成方
法、およびそのために使用する良好な電子写真特性を有
する電子写真感光体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】高解像度の画像の要求に
対して、本発明者等は、露光波長において可飽和吸収性
を呈する可飽和吸収色素を含有する層を有する電子写真
感光体を用いれば、感光層内での吸収減衰により、レー
ザ光の照射スポット径を小さくしたことと同様の効果を
得ることが可能であること、さらに、干渉縞による画像
の濃度むらを防止することができることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の画像形成方法は、電子
写真感光体を帯電した後にレーザ光を画像信号に応じた
ポジ像様スキャン露光を与えてバックイメージに静電潜
像を形成し、次いで、この静電潜像が持っている極性と
同一極性のトナーを有する現像剤を静電潜像面に与える
ことによりスキャン露光されたポジ像様露光部にトナー
を付着させる反転現像方式であって、電子写真感光体と
して、露光波長において可飽和吸収性を呈する可飽和吸
収色素を含有する感光層が導電性基体上に形成されてい
る感光体を使用し、露光における光として、レーザ光を
使用することを特徴とする。本発明の上記画像形成方法
に使用する電子写真感光体は、導電性基体上に感光層を
有し、該感光層が露光波長において可飽和吸収性を呈す
る可飽和吸収色素を含有する層を有することを特徴とす
る。本発明の電子写真感光体は、感光層が電荷発生層と
その上に積層された電荷輸送層とからなり、可飽和吸収
色素が該電荷輸送層に含有されている場合を包含する。
本発明において、露光波長において可飽和吸収性を呈す
る可飽和吸収色素を含有する層の露光波長に対する透過
率は、5%以上、60%未満であるのが好ましい。ま
た、可飽和吸収色素を含有する層には、残留電位の上昇
を防ぐために、電子受容体を含有させるのが好ましく、
それにより良好な電子写真特性を示すことが可能であ
る。
【0010】本発明の電子写真感光体およびそれを用い
る画像形成方法の作用について、図1及び図2によって
説明する。図1は本発明の積層型電子写真感光体の一例
の模式的断面図であり、導電性基体1の上に電荷発生層
2が設けられ、その上に可飽和吸収色素を含有する電荷
輸送層3が形成されており、この電子写真感光体は、画
像形成に際してその表面からレーザ光4が入射される。
図2は光強度分布図であって、点線は、可飽和吸収色素
として、後記の式(2)で示されるビス(トリ−n−ヘ
キシルシロキシ)シリコンナフタロシアニン色素を含有
する層を透過したレーザ光の光強度分布曲線であり、実
線は、上記色素を含有しない層を透過したレーザ光の光
強度分布曲線であり、縦軸は相対光強度、横軸は半径
(μm)を示す。
【0011】本発明の電子写真感光体を用いた画像形成
方法により、高解像度の画像を得ることができる。すな
わち、図1に示すように、露光用の光であるレーザ光4
を入射させ、可飽和吸収色素として、例えば、後記の式
(2)で示されるビス(トリ−n−ヘキシルシロキシ)
シリコンナフタロシアニン色素と公知の電荷輸送材料を
結着性樹脂に含有させて形成された可飽和吸収色素を含
有する電荷輸送層3を透過させると、図2に示すよう
に、レーザ光のうち、強度の大きいスポット中心部は可
飽和吸収によって光吸収を示さず、殆どの光を透過させ
るので、ある特定の強度以上の光のみが電荷発生層2に
達する。また、電荷輸送層内での吸収減衰により、照射
スポット中心部分の強いレーザ光強度に対して、周辺部
分の弱いレーザ光が除去され、あたかも照射スポット径
を小さくしたことと同様の効果を得ることが可能にな
る。したがって、電荷発生層2に達するレーザ光の光強
度分布は通常の光強度分布よりも狭くなり、潜像スポッ
トも小さくなることから画像密度を上げることが可能に
なる。
【0012】また、画像形成時に発生する干渉縞に対し
ては、露光波長において可飽和吸収性を呈する可飽和吸
収色素を含有する電荷輸送層3を用いることにより、レ
ーザ光が電荷発生層2の導電性基体1から遠い側の界面
で反射して、さらに可飽和吸収色素を含有する電荷輸送
層3内で多重反射を生じたレーザ光は、吸収減衰のため
入射光より弱められているので、感光層表面の反射光と
の間で干渉が生じなくなり、干渉縞による画像の濃度む
らが生じない。したがって、本発明の電子写真感光体
は、干渉縞の原因である感光層内での多重反射光を吸収
減衰させることにより、干渉縞による画像の濃度むらの
発生が防止されたものとなる。
【0013】また、感光層中に、露光波長を吸収する可
飽和吸収色素を含有することから、この色素が光吸収に
より、電子、正孔対の生成をもたらし、感光層表面を負
帯電した場合、感光層中の電荷輸送材料により正孔は感
光層表面に移動するが、電子が感光層中にトラップさ
れ、残留電位が高くなることがある。そのような場合、
電子受容体を可飽和吸収色素を含有する層に混入させる
ことにより、感光層中のトラップ電子を消失させ、残留
電位が高くならずに良好な電子写真特性を得ることがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で使用する「可飽和吸収色
素」とは、露光波長において可飽和吸収性を呈するもの
であって、露光波長における分子吸光係数が104
上、励起状態の寿命が1ns〜100nsであるものを
指す。本発明において、露光における入射光として現在
広く普及している波長780nm近傍の半導体レーザを
用いた場合、上記の可飽和吸収色素としては、下記式
(1)で表されるナフタロシアニン系色素が使用可能で
あり、特に、下記式(2)で示されるビス(トリ−n−
ヘキシルシロキシ)シリコンナフタロシアニン色素また
は下記式(3)で示されるジオクチルオキシシリコンナ
フタロシアニン色素が望ましい。
【0015】
【化3】 (式中、R1 〜R24は、水素原子または置換もしくは非
置換のアルキル基を示し、それぞれ互いに同一であって
も異なっていてもよく、R25は、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、シロキシ基ま
たは酸素原子を示し、nは0〜2を意味し、Mは一個の
金属原子またはSi原子を示す。)
【0016】
【化4】
【0017】上記式(1)において中心金属Mは、ナフ
タロシアニン環が配位できれば何如なる金属原子であっ
てもよく、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カル
シウム、銅、バナジウム、亜鉛、鉄、ルテニウム、マン
ガン、コバルト、ニッケル、鉛、イットリウム、インジ
ウム、チタン、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ等があ
げられる。
【0018】その他、可飽和吸収色素としては、近赤外
域において吸収性をもつものが適宜使用できる。例え
ば、フタロシアニン系、アミノナフトキノン系、アント
ラキノン系、モノアゾ系等の化合物を使用することがで
きる。
【0019】また、残留電位が上昇するのを防止するた
めに、可飽和吸収色素を含有する層に混入させる電子受
容体としては、ベンゾキノン誘導体または分子内にシア
ノ基と共役関係にある二重結合を含むシアノ化合物が好
ましい。
【0020】ベンゾキノン誘導体は、分子鎖両末端に電
子受容性に優れたキノン系酸素分子を有すると共に、分
子鎖全体にわたって共役関係にある二重結合を有すると
いう構造上の特徴を備えており、構造内の電子の移動が
容易で、しかも電子の授受が容易であるということが、
上記の優れた結果に結び付けていると思われる。本発明
において用いられるベンゾキノン誘導体は、下記式
(4)で示されることができ、特にp−ベンゾキノン、
クロラニル、クロラニル酸、ブロマニル酸、2,5−ト
ルキノン、2,5−ジクロロ−p−ベンゾキノン、2,
6−ジクロロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−
5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、テトラブロモ−
p−ベンゾキノン等があげられる。
【0021】また、シアノ化合物は、分子鎖両末端に電
子受容性に優れた多数のシアノ基を有すると共に、分子
鎖全体にわたって共役関係にある二重結合を有するとい
う構造上の特徴を備えており、構造内の電子の移動が容
易で、しかも電子の授受が容易であるということが、上
記の優れた結果に結び付いていると思われる。本発明に
おいて用いられるシアノ化合物は、下記式(5)で示さ
れることができ、特にテトラシアノエチレン、7,7,
8,8−テトラシアノキノジメタン、テトラシアノジフ
ェノキシジメタンがあげられる。
【0022】
【化5】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基または
アルキル基を示し、pは0〜2を意味し、mは0〜2を
意味し、Yは下記式
【化6】 で示される基を表し、この基はヒドロキシ基、アルキル
基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アリール
基、ニトロ基、シアノ基等の置換基で置換されていても
よい。)
【0023】以下、本発明の電子写真感光体についてさ
らに詳しく説明する。本発明の画像形成方法に使用する
電子写真感光体は、感光層が電荷発生層と、露光波長に
おいて可飽和吸収性を呈する可飽和吸収色素を含有する
層を有するものであって、露光波長において可飽和吸収
性を呈する可飽和吸収色素を含有する層は電荷輸送層で
あってもよい。また、感光層が電荷発生層と、露光波長
において可飽和吸収性を呈する可飽和吸収色素を含有す
る色素層と、該色素層の上に積層された電荷輸送層とか
らなるものであってもよい。また、上記の場合、導電性
基体上に設ける電荷発生層と電荷輸送層とは、その積層
の順序についていずれが導電性基体側にあってもよい。
更に、感光層の最表面側に、露光波長において可飽和吸
収性を呈する可飽和吸収色素を含有する色素層を設けた
ものが好ましい。
【0024】次に、本発明の電子写真感光体を構成する
各層について説明する。本発明において、導電性基体と
しては、従来から使用されているものであれば、如何な
るものを用いてもよい。また、導電性基体の表面は、必
要に応じて、画質に影響のない範囲で各種の処理を行う
ことができる。例えば、表面の陽極酸化処理、薬品処
理、着色処理を行うことができる。
【0025】電荷発生層は、電荷発生材料を適当な結着
樹脂中に含有させて形成させる。電荷発生材料として
は、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシア
ニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロス
ズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロ
シアニン顔料が使用可能であり、特に、CuKα特性X
線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)の少なくとも
7.4°、16.6°、25.5°および28.3°に
強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン
結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±
0.2°)の少なくとも7.7°、9.3°、16.9
°、17.5°、22.4°および28.8°に強い回
折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα
特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)の少な
くとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、
18.6°、25.1°および28.3°に強い回折ピ
ークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2
°)の少なくとも9.6°、24.1°および27.2
°に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結
晶を使用することができる。その他、電荷発生材料とし
ては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビス
ベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリド
ン顔料等を用いることができる。また、これらの電荷発
生材料は、単独または2種以上を混合して用いることが
できる。さらに、結着樹脂としては、公知のものが適宜
使用できる。
【0026】電荷発生層を形成させるに際して、電荷発
生材料と結着樹脂の配合比は、40:1〜1:4、好ま
しくは20:1〜1:2の範囲である。電荷発生層材料
の比率が高すぎる場合には塗布溶液の安定性が低下し、
低すぎる場合には感度が低下するので、上記の範囲に設
定することが好ましい。電荷発生材料の分散に使用され
る溶剤としては、結着樹脂を溶解するものを適当に選択
することができる。また、分散手段としてはサンドミ
ル、コロイドミル、アトライター、ボールミル、ダイノ
ーミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コボール
ミル、ロールミル等の手段が利用できる。塗布方法とし
ては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティ
ング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング
法、ビードコーティング法、カーテンコーティング法等
の方法を用いることができる。電荷発生層の膜厚は、
0.01〜5μmの範囲、好ましくは0.03〜2μm
の範囲に設定される。
【0027】本発明の電子写真感光体において、露光波
長において可飽和吸収性を呈する可飽和吸収色素を含有
させた層は、電荷発生層と電荷輸送層との間に形成して
もよいが、電荷輸送層の上に最上層として形成させるこ
とが好ましい。また、可飽和吸収色素を電荷輸送層に含
有させてもよい。可飽和吸収色素としては、上記式
(1)で示されるナフタロシアニン系色素が好ましく使
用される。
【0028】可飽和吸収色素を含有する電荷輸送層は、
電荷輸送材料、可飽和吸収色素、結着樹脂より構成され
るもので、電荷輸送材料は公知のものが適宜使用でき
る。結着樹脂に用いるものとしては、例えば、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエステ
ル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリスルホ
ン、ポリメタクリル酸エステル、スチレン−メタクリル
酸エステル共重合体、ポリオレフィン等があげられる。
【0029】電荷輸送材料と結着樹脂の配合比(重量)
は、5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3であ
る。電荷輸送材料の比率が高すぎる場合には、電荷輸送
層の機械的強度が低下し、低すぎる場合には、感度が低
下するので、上記の範囲に設定するのが好ましい。ま
た、電荷輸送材料が成膜性を有する場合には、上記結着
樹脂を省くこともできる。本発明において、電荷輸送層
への可飽和吸収色素の配合比は、電荷輸送層が露光波長
に対する透過率を5%以上、60%未満になるように調
製するのが好ましい。透過率が5%に満たない場合には
感度が低下し、60%以上の場合は、解像性の低下と共
に、干渉縞による濃度むらが発生する場合がある。具体
的には、可飽和吸収色素と結着樹脂の配合比は、可飽和
吸収色素のモル吸光係数、可飽和吸収色素を含有する層
の膜厚または用いる入射光の光量によるが、1:10〜
1:107 、好ましくは1:103 〜1:106 の範囲
である。可飽和吸収色素の比率が高すぎる場合には感度
が低下し、低すぎる場合には解像性の低下とともに干渉
縞による濃度むらが発生するので、上記の範囲に設定す
ることが好ましい。
【0030】可飽和吸収色素を含有する電荷輸送層は、
上記電荷輸送材料、可飽和吸収色素、結着樹脂を適当な
溶剤に溶解し、塗布することによって形成されるが、塗
布溶液の溶解方法としては、まず、可飽和吸収色素を適
当な溶剤に溶解し所望の濃度とした溶液に、電荷輸送材
料と結着樹脂を溶解することが好ましい。また、これら
の塗布方法としては、電荷発生層について述べたものと
同様の方法を用いることができる。可飽和吸収色素を含
有する電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmの範囲、好ま
しくは10〜40μmの範囲になるように形成する。
【0031】また、電荷輸送層に上記可飽和吸収色素を
含有させない場合には、上記可飽和吸収色素を含有する
色素層を設けるが、色素層は上記可飽和吸収色素のみよ
り構成されてもよく、また、樹脂中に分散させて構成さ
れてもよい。その場合、従来の感光体の構成に、新たに
可飽和吸収色素層を設けてもよく、例えば、可飽和吸収
色素と結着樹脂、必要によっては電荷輸送材料を適当な
溶剤に溶解し、塗布することによって形成することがで
きる。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワ
イヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、
浸漬コーティング法、ビードコーティング法、カーテン
コーティング法等が採用される。また、色素層の形成に
は、可飽和吸収色素を蒸着する方法も採用することがで
きる。色素層の膜厚は、結着樹脂を用いた場合には5〜
50μm、可飽和吸収色素のみよりなる場合には5〜5
00nmの範囲に設定するのが好ましい。本発明におい
て、感光体中に含有させる可飽和吸収色素の量は、感光
層を1とすると、10-3〜10-7重量部の範囲にあるの
が好ましい。
【0032】また、残留電位の上昇を防止するために、
電子受容体を可飽和吸収色素を含有する層に混入させて
もよい。また、可飽和吸収色素を含有する層に電子受容
体を含有させる場合、電子受容体としては、シアノエチ
レン化合物、ジシアノビニル化合物、ケトン化合物、ベ
ンゾキノン化合物、アントラキノン化合物、フルオレノ
ン化合物等があげられ、前記のベンゾキノン誘導体また
はシアノ化合物が好ましく使用できる。電子受容体と可
飽和吸収色素の配合比は、モル比で1:10〜100:
1、好ましくは1:2〜10:1の範囲である。電子受
容体の比率が高すぎる場合には、暗減衰が大幅に増大
し、帯電性が低下し、低すぎる場合には、残留電位が高
くなり、背景部がかぶりやすくなるので、上記の範囲が
好ましい。
【0033】本発明の電子写真感光体は、必要に応じ
て、感光層と導電性基体の間に下引き層を設けてもよ
い。下引き層は、導電性基体からの不必要な電荷の注入
を阻止するために有効なものであり、感光体の帯電性を
向上させる作用を有している。さらに、感光層と導電性
基体との接着性をも向上させる作用を有している。さら
に、本発明の電子写真感光体は、耐刷性を向上させるた
めに、感光層の上に保護層を設けてもよい。
【0034】次に、本発明の画像形成方法について説明
する。本発明の画像形成方法は、上記の電子写真感光体
を使用して、帯電、露光、現像及び転写する各工程を有
するものであって、帯電工程においては、公知の帯電手
段が使用される。また、露光工程においては、レーザ光
をライン走査する電子写真方式が採用される。露光用の
レーザ光としては、780nmの波長のものが好適に使
用され、具体的には、半導体レーザ等が使用できる。ま
た、現像および転写工程は、公知の方法により実施する
ことができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、「部」は「重量部」を意味する。また、
本発明はこの実施例に限定されるものではない。 実施例1 まず、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM
−1、積水化学工業社製)8部をn−ブチルアルコール
152部に加え、撹拌して溶解し、5重量%のポリビニ
ルブチラール溶液を作製した。次に、トリブトキシジル
コニウム・アセチルアセトネートの50%トルエン溶液
(商品名:ZC540、松本交商社製)100部、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名:A110
0、日本ユニカー社製)10部およびn−ブチルアルコ
ール130部を混合した溶液を、前述のポリビニルブチ
ラール溶液中に加え、スターラーで撹拌して、下引き層
形成用の塗布液を作製した。得られた塗布液を84mm
φ×340mmの鏡面アルミニウムパイプ上に浸漬塗布
し、150℃において10分間加熱乾燥して、膜厚1.
0μmの下引き層を形成した。
【0036】一方、ポリビニルブチラール(商品名:エ
スレックBM−S、積水化学工業社製)1部を予め酢酸
n−ブチル49部に溶解した溶液に、CuKα特性X線
に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.4°、
16.6°、25.5°および28.3°に強い回折ピ
ークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶1部を
加え、6時間サンドミルで分散し、酢酸n−ブチルで希
釈して、固形分濃度3.0重量%の電荷発生層形成用塗
布液を調製した。得られた塗布液を上記した下引き層の
上にリング塗布機によって塗布し、100℃において1
0分間加熱乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を
形成した。
【0037】次に、得られた電荷発生層の上に、可飽和
吸収色素を含有する電荷輸送層を形成させた。すなわ
ち、ビス(トリ−n−ヘキシルシロキシ)シリコンナフ
タロシアニン色素(以下、「SiNc−A」と称す
る。)をモノクロロベンゼンに超音波を用いて十分に溶
解させ、得られたSiNc−A188ppm溶液46部
に、N,N′−ビス−(p−トリル)−N,N′−ビス
−(p−エチルフェニル)−3,3′−ジメチルベンジ
ジン6部を電荷輸送材料とし、ポリカーボネートZ樹脂
4部と共に溶解させ、得られた塗布溶液をリング塗布機
によって、上記電荷発生層上に塗布し、115℃で60
分加熱乾燥して、膜厚23μmの可飽和吸収色素を含有
する電荷輸送層を形成させ、電子写真感光体を作製し
た。
【0038】実施例2 実施例1において、SiNc−A188ppm溶液に代
えて、SiNc−Aの濃度を87ppmとした以外は、
実施例1と同様にして、可飽和吸収色素を含有する電荷
輸送層を形成させることにより電子写真感光体を作製し
た。
【0039】実施例3 実施例1において、SiNc−A188ppm溶液に代
えて、SiNc−Aの濃度を348ppmとした以外
は、実施例1と同様にして、可飽和吸収色素を含有する
電荷輸送層を形成させることにより電子写真感光体を作
製した。 実施例4 実施例1において、SiNc−A188ppm溶液に代
えて、ジオクチルオキシシリコンナフタロシアニン色素
(以下、「SiNc−B」と称する。)をモノクロロベ
ンゼンに撹拌溶解させて、348ppm溶液とした以外
は、実施例1と同様にして、可飽和吸収色素を含有する
電荷輸送層を形成させることにより電子写真感光体を作
製した。
【0040】実施例5 実施例1と同様にして下引き層と電荷発生層を形成させ
た後、電荷発生層の上に可飽和吸収色素を含有する可飽
和吸収色素層を形成させた。すなわち、SiNc−Aを
モノクロロベンゼンに超音波を用いて十分に溶解させ、
得られたSiNc−Aを4320ppm含有する溶液4
6部に、N,N′−ビス−(p−トリル)−N,N′−
ビス−(p−エチルフェニル)−3,3′−ジメチルベ
ンジジン6部を電荷輸送材料とし、ポリカーボネートZ
樹脂4部と共に溶解させ、得られた塗布溶液をリング塗
布機によって、上記電荷発生層上に塗布し、115℃で
60分加熱乾燥して、膜厚1μmの可飽和吸収色素層を
形成させた。次に、得られた可飽和吸収色素を含有する
色素層の上に電荷輸送層を形成させた。すなわち、N,
N′−ビス−(p−トリル)−N,N′−ビス−(p−
エチルフェニル)−3,3′−ジメチルベンジジン6部
を電荷輸送材料とし、ポリカーボネートZ樹脂4部と共
にモノクロロベンゼン46部に溶解させた。得られた塗
布溶液をリング塗布機によって上記可飽和吸収色素層の
上に塗布し、115℃で10分加熱乾燥して膜厚22μ
mの電荷輸送層を形成させることにより、電子写真感光
体を作製した。
【0041】実施例6 実施例1と同様にして下引き層と電荷発生層を形成させ
た後、電荷発生層の上に電荷輸送層を形成させた。すな
わち、N,N′−ビス−(p−トリル)−N,N′−ビ
ス−(p−エチルフェニル)−3,3′−ジメチルベン
ジジン6部を電荷輸送材料とし、ポリカーボネートZ樹
脂4部と共にモノクロロベンゼン46部に溶解させた。
得られた塗布溶液をリング塗布機によって上記電荷発生
層上に塗布し、115℃で60分加熱乾燥して膜厚22
μmの電荷輸送層を形成させた。次に、得られた電荷輸
送層の上に可飽和吸収色素を含有する可飽和吸収色素層
を形成させた。すなわち、SiNc−Aをモノクロロベ
ンゼンに超音波を用いて十分に溶解させ、得られたSi
Nc−A4320ppmを含む溶液46部に、N,N′
−ビス−(p−トリル)−N,N′−ビス−(p−エチ
ルフェニル)−3,3′−ジメチルベンジジン6部を電
荷輸送材料とし、ポリカーボネートZ樹脂4部と共に溶
解させた。得られた塗布溶液をリング塗布機によって上
記電荷輸送層の上に塗布し、115℃で10分加熱乾燥
して、膜厚1μmの可飽和吸収色素層を形成させること
により、電子写真感光体を作製した。
【0042】実施例7 実施例1と同様にして下引き層と電荷発生層を形成させ
た後、電荷発生層の上に可飽和吸収色素層を形成させ
た。すなわち、電荷発生層の上に、SiNc−Aを20
nmの厚さに蒸着した。次に、得られた可飽和吸収色素
層の上に電荷輸送層を形成させた。すなわち、N,N′
−ビス−(p−トリル)−N,N′−ビス−(p−エチ
ルフェニル)−3,3′−ジメチルベンジジン6部を電
荷輸送材料とし、ポリカーボネートZ樹脂4部と共にモ
ノクロロベンゼン46部に溶解させた。得られた塗布溶
液をリング塗布機によって上記可飽和吸収色素層上に塗
布し、115℃で60分加熱乾燥して膜厚23μmの電
荷輸送層を形成させた。
【0043】実施例8 実施例1と同様にして下引き層と電荷発生層を形成させ
た後、電荷発生層の上に可飽和吸収色素層と電子受容体
を含有する電荷輸送層を形成させた。すなわち、SiN
c−Aをモノクロロベンゼンに撹拌溶解し、得られたS
iNc−A188ppmを含む溶液46部に、電子受容
体として、2,5−ジクロロ−p−ベンゾキノンを12
2ppm溶液となるように加え、さらに、N,N′−ビ
ス−(p−トリル)−N,N′−ビス−(p−エチルフ
ェニル)−3,3′−ジメチルベンジジン6部を電荷輸
送材料とし、ポリカーボネートZ樹脂4部と共に溶解さ
せ、得られた塗布溶液をリング塗布機によって、上記電
荷発生層上に塗布し、115℃で10分加熱乾燥して、
膜厚23μmの電荷輸送層を形成させ、電子写真感光体
を作製した。
【0044】実施例9 実施例8において、電子受容体として、2,5−ジクロ
ロ−p−ベンゾキノンに代えてテトラシアノエチレンを
用いた以外は、実施例8と同様にして可飽和吸収色素と
電子受容体を含有する電荷輸送層を形成させ、電子写真
感光体を作製した。
【0045】実施例10 実施例1において、電荷発生材料として、CuKα特性
X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.4
°、16.6°、25.5°および28.3°に強い回
折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶に
代えて、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ
±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、1
6.3°、18.6°、25.1°および28.3°に
強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシア
ニン結晶を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0046】実施例11 実施例8において、電荷発生材料として、CuKα特性
X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.4
°、16.6°、25.5°および28.3°に強い回
折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶に
代えて、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ
±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、1
6.3°、18.6°、25.1°および28.3°に
強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシア
ニン結晶を用いた以外は、実施例8と同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0047】比較例1 実施例1において、SiNc−A188ppm溶液に代
えて、SiNc−Aを含まないモノクロロベンゼンを用
いた以外は、実施例1と同様にして、電荷輸送層を形成
させることにより、電子写真感光体を作製した。
【0048】評価 (a)初期電位(感度) 次に、上記各実施例および比較例で得られた電子写真感
光体を、20℃、50%RHの環境下で、グリッド印加
電圧−650Vのスコロトロン帯電器で帯電し(A)、
780nmの半導体レーザを用いて、0.5秒後に9.
0mJ/m2 の光を照射して放電を行い(B)、さら
に、3秒後に50mJ/m2 の赤色LED光を照射して
除電を行う(C)というプロセスによって、各部の電位
を測定した。この場合、(A)の電位VH は高い程、感
光体の受容電位が高いために、コントラストを高くする
ことが可能であり、(B)の電位VL は低い程、高感度
であり、(C)VRPの電位は低い程、残留電位が少な
く、画像メモリーやカブリが少ない電子写真感光体であ
ると評価することができる。
【0049】(b)階調性 上記各実施例および比較例で得られた電子写真感光体
を、20℃、50%RHの環境下で、Aカラー635
(富士ゼロックス社製)に装着し、パルス幅変調方式を
用いて、階調記録を行い、複写した画像から最小解像ス
ポット径を測定し、階調濃度の再現性を目視にて評価し
た。 (c)干渉縞の有無 上記各実施例および比較例で得られた電子写真感光体
を、20℃、50%RHの環境下で、Aカラー635
(富士ゼロックス社製)に装着し、全面にラインスキャ
ンを行い、ハーフトーン(全面が薄いトナー像)となる
画像について、干渉縞の有無を評価した。
【0050】
【表1】 実施例12 まず、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM
−1、積水化学工業社製)8部をn−ブチルアルコール
152部に加え、撹拌して溶解し、5重量%のポリビニ
ルブチラール溶液を作製した。次に、トリブトキシジル
コニウム・アセチルアセトネートの50%トルエン溶液
(商品名:ZC540、松本交商社製)100部、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名:A110
0、日本ユニカー社製)10部およびn−ブチルアルコ
ール130部を混合した溶液を、前述のポリビニルブチ
ラール溶液中に加え、スターラーで撹拌して、下引き層
形成用の塗布液を作製した。得られた塗布液を84mm
φ×340mmの鏡面アルミニウムパイプ上に浸漬塗布
し、150℃において10分間加熱乾燥して、膜厚1.
15μmの下引き層を形成した。
【0051】一方、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂(商品名:VMCH、ユニオンカーバイド社製)3部
を予め酢酸n−ブチル100部に溶解した溶液に、Cu
Kα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)
の7.4°、16.6°、25.5°および28.3°
に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニ
ン結晶1部を加え、24時間サンドミルで分散し、酢酸
n−ブチルで希釈して、固形分濃度4.0重量%の電荷
発生層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を上記
した下引き層の上にリング塗布機によって塗布し、10
0℃において10分間加熱乾燥して、膜厚0.15μm
の電荷発生層を形成した。
【0052】次に、得られた電荷発生層の上に、可飽和
吸収色素と電子受容体を含有する電荷輸送層を形成させ
た。すなわち、SiNc−Aをモノクロロベンゼンに超
音波を用いて十分に溶解させ、得られたSiNc−A1
90ppm溶液46部に、電子受容体として、2,5−
ジクロル−p−ベンゾキノンをSiNc−Aに対して
5.0当量になるように加え、さらに、N,N′−ビス
−(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミ
ン6部を電荷輸送材料とし、ポリカーボネートZ樹脂4
部と共に溶解させ、得られた塗布溶液をリング塗布機に
よって、上記電荷発生層上に塗布し、115℃で60分
加熱乾燥して、膜厚24μmの可飽和吸収色素と電子受
容体を含有する電荷輸送層を形成させ、電子写真感光体
を作製した。得られた電子写真感光体について、上記実
施例1におけると同様にして評価を行った。その結果を
表2に示す。
【0053】実施例13 実施例12において、SiNc−A190ppm溶液を
SiNc−A100ppm溶液に変更した以外は、実施
例12と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評
価を行った。その結果を表2に示す。 実施例14 実施例12において、SiNc−A190ppm溶液を
SiNc−A340ppm溶液に変更した以外は、実施
例12と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評
価を行った。その結果を表2に示す。
【0054】実施例15 実施例12において、電荷発生材料として、CuKα特
性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)の少なく
とも7.7°、9.3°、16.9°、17.5°、2
2.4°および28.8°に強い回折ピークを有する無
金属フタロシアニン結晶を用いた以外は、実施例12と
同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価を行っ
た。その結果を表2に示す。 実施例16 実施例12において、電荷発生材料として、CuKα特
性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)の少なく
とも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、1
8.6°、25.1°および28.3°に強い回折ピー
クを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用
いた以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体を
作製し、同様に評価を行った。その結果を表2に示す。 実施例17 実施例12において、電荷発生材料として、CuKα特
性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)の少なく
とも9.6°、24.1°および27.2°に強い回折
ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いた以
外は、実施例12と同様にして電子写真感光体を作製
し、同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
【0055】比較例2 実施例12において、SiNc−Aおよび2,5−ジク
ロル−p−ベンゾキノンを添加しなかった以外は、実施
例12と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評
価を行った。その結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の画像形成方法に
おいては、電子写真感光体として、導電性基体上に、電
荷発生層と、露光波長において可飽和吸収性を呈する可
飽和吸収色素を含有する層を有する感光層を設けたもの
を使用するから、露光用の光としてレーザ光を使用して
も、干渉縞による画像の濃度むらの発生が防止され、さ
らに従来の電子写真感光体を用いた場合に比べ、高解像
度で階調性の良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の模式的断面図であ
る。
【図2】可飽和吸収色素を含有する層を透過したレーザ
光の光強度分布図を示す。
【符号の説明】
1…導電性基体、2…電荷発生層、3…可飽和吸収色素
を含有する電荷輸送層、4…レーザ光。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子写真感光体を帯電、露光、現像及び転
    写して画像を形成する画像形成方法において、導電性基
    体上に、電荷発生層と露光波長において可飽和吸収性を
    呈する可飽和吸収色素を含有する層を有する感光層を設
    けた電子写真感光体を使用し、露光用の光としてレーザ
    光を使用することを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】露光波長において可飽和吸収性を呈する可
    飽和吸収色素を含有する層の露光波長に対する透過率が
    5%以上、60%未満であることを特徴とする請求項1
    記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】前記感光層が、電荷発生層とその上に積層
    された電荷輸送層とからなり、該電荷輸送層が露光波長
    において可飽和吸収性を呈する可飽和吸収色素を含有す
    る請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】前記感光層が、電荷発生層と、露光波長に
    おいて可飽和吸収性を呈する可飽和吸収色素を含有する
    色素層と、該色素層の上に積層された電荷輸送層とから
    なる請求項1に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】前記感光層の最表面側に、露光波長におい
    て可飽和吸収性を呈する可飽和吸収色素を含有する色素
    層が設けられた請求項1に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】露光波長において可飽和吸収性を呈する可
    飽和吸収色素が、下記式(1)で表されるナフタロシア
    ニン系色素である請求項1ないし請求項5のいずれかに
    記載の画像形成方法。 【化1】 (式中、R1 〜R24は、水素原子または置換もしくは非
    置換のアルキル基を示し、それぞれ互いに同一であって
    も異なっていてもよく、R25は、水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、シロキシ基ま
    たは酸素原子を示し、nは0〜2を意味し、Mは一個の
    金属原子を示す。)
  7. 【請求項7】前記感光層がベンゾキノン誘導体を含有す
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】前記感光層が分子内にシアノ基と共役関係
    にある二重結合を含むシアノ化合物を含有することを特
    徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  9. 【請求項9】導電性基体上に感光層を有する電子写真感
    光体において、前記感光層が、電荷発生層と露光波長に
    おいて可飽和吸収性を呈する可飽和吸収色素を含有する
    層を有することを特徴とする電子写真感光体。
  10. 【請求項10】露光波長において可飽和吸収性を呈する
    可飽和吸収色素を含有する層の露光波長に対する透過率
    が5%以上、60%未満であることを特徴とする請求項
    9記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】前記感光層が、電荷発生層とその上に積
    層された電荷輸送層とからなり、該電荷輸送層が露光波
    長において可飽和吸収性を呈する可飽和吸収色素を含有
    することを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光
    体。
  12. 【請求項12】前記感光層が、電荷発生層と、露光波長
    において可飽和吸収性を呈する可飽和吸収色素を含有す
    る色素層と、該色素層の上に積層された電荷輸送層とか
    らなることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光
    体。
  13. 【請求項13】前記感光層の最表面側に、露光波長にお
    いて可飽和吸収性を呈する可飽和吸収色素を含有する色
    素層が設けられたことを特徴とする請求項9に記載の電
    子写真感光体。
  14. 【請求項14】露光波長において可飽和吸収性を呈する
    可飽和吸収色素が、下記式(1)で表されるナフタロシ
    アニン系色素である請求項9ないし請求項13のいずれ
    かに記載の電子写真感光体。 【化2】 (式中、R1 〜R24は、水素原子または置換もしくは非
    置換のアルキル基を示し、それぞれ互いに同一であって
    も異なっていてもよく、R25は、水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、シロキシ基ま
    たは酸素原子を示し、nは0〜2を意味し、Mは一個の
    金属原子を示す。)
  15. 【請求項15】前記感光層がベンゾキノン誘導体を含有
    することを特徴とする請求項9ないし請求項13のいず
    れかに記載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】前記感光層が分子内にシアノ基と共役関
    係にある二重結合を含むシアノ化合物を含有することを
    特徴とする請求項9ないし請求項13のいずれかに記載
    の電子写真感光体。
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