JP2002131953A - 電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置

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JP2002131953A
JP2002131953A JP2000322474A JP2000322474A JP2002131953A JP 2002131953 A JP2002131953 A JP 2002131953A JP 2000322474 A JP2000322474 A JP 2000322474A JP 2000322474 A JP2000322474 A JP 2000322474A JP 2002131953 A JP2002131953 A JP 2002131953A
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Hiroshi Sugimura
博 杉村
Sayaka Fujita
さやか 藤田
Mikio Kadoi
幹男 角井
Satoshi Katayama
聡 片山
Arihiko Kawahara
在彦 川原
Koichi Toriyama
幸一 鳥山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高解像度と高感度を両立させた電子写真感光
体、及びそれを用いた電子写真装置を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
真感光体であって、CuKα特性X線(波長:1.54
18Å)に対するX線回折スペクトルにおいて、ブラッ
グ角(2θ±0.2°)で9.4°と9.6°の重なっ
たピーク束が最大ピークであり、かつ、27.2°のピ
ークが第2の最大ピークであることを特徴とする結晶型
オキソチタニルフタロシアニンを含有し、かつ7.6
°、9.2°、16.8°、17.4°、20.4°、
20.9°にピークを有するτ型無金属フタロシアニン
を感光層に含有する電子写真感光体、及びそれを用いた
電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高解像度で高感度
な電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】C.F.Carlsonの発明による電
子写真技術は、即時性、高品質かつ保存性の高い画像が
得られることなどから、近年では複写機の分野にとどま
らず、各種プリンターやファクシミリの分野でも広く使
われ、大きな広がりをみせている。この電子写真プロセ
スは基本的に、「 感光体の均一な帯電」、「 像
露光による静電潜像の形成」、「 該潜像のトナーに
よる現像」、「 該トナー像の紙への転写(中間に転
写体を経由する場合もある)」及び「 定着による画
像形成」という5つのプロセスから構成されている。
【0003】電子写真技術の中核となる感光体について
は、その光導電材料として、従来からのSe、As−S
e合金、CdS、ZnOといった無機系の光導電材料か
ら、最近では、無公害で成膜が容易、製造が容易である
等の無機系では見られない利点を有する有機系の光導電
材料を使用した感光体が開発されている。中でも高い電
荷発生機能を持つ物質で構成される電荷発生層と、高い
電荷輸送機能を持つ物質で構成された電荷輸送層とを積
層した、いわゆる積層型感光体は、それぞれの層で機能
を限定しているため材料の選択範囲が広く安全性の高い
感光体が得られること、より高感度な感光体が得られる
こと、また塗布による製造が可能で生産性が高くコスト
面でも有利なことから、現在では感光体の主流となって
おり、大量に生産されている。
【0004】近年、画像情報のデジタル化等に伴って、
従来の白色光に替わって、半導体レーザーあるいはLE
Dアレイを記録光源として、半導体レーザー光あるいは
LEDアレイ光により感光層を露光して画像情報を記録
することが行われるようになっている。現在、感光層の
露光光源として、780nmの近赤外光や650nmの
赤色光源が、最もよく使用されている。デジタル化され
た画像情報は、文字等の情報をコンピュータ出力として
直接利用する場合には、光信号に変換されたコンピュー
タの出力情報によって感光体上に画像情報が記録される
が、原稿の画像情報は光情報として読み取られてデジタ
ル電気信号に変換された後に、再度、光信号に変換され
て、その光信号によって感光体上に画像情報が記録され
る。
【0005】いずれの場合にも、光記録ヘッド、記録光
学系等から感光層に照射される微小の光スポットによっ
て、画像情報が感光層に記録されるようになっており、
光スポットが照射された部分がトナーによって現像され
る。画像は、トナーによって現像された画素と呼ばれる
微小ドットの集合および配列によって表現される。この
ため、光記録ヘッド、記録光学系等では、高密度で画像
情報が記録されるように、できるだけ微小なスポットを
形成し得るように、高分解能化が進められている。
【0006】感光層に画像情報を記録する光学系に関し
ては、可変スポットレーザー記録方式(0 plus
E、1996年5月)、マルチレーザービーム記録方
式、超精密および超高速ポリゴンミラー(JapanH
ardcopy '96論文集)等が開発されている。そ
の結果、現在では、光学系によって、1200dpi
(dot/inch:1インチ当たりのドット数)以上
の記録密度で、感光層に画像情報を記録するための光学
系が開発されている。上記のように感光層に高密度に画
像情報を記録する光学系が開発されても、画像情報を再
現性よく静電潜像として感光層に記録することは必ずし
も容易ではない。これは、レーザー光の特徴として、光
強度分布が中央部が強く周辺部に広がりを持つガウシア
ン分布をしていることにある。従来の高感度な電子写真
感光体では周辺部に広がった光に対しても感光し、現像
されるためドットが広がってしまい高画質化が困難であ
った。
【0007】高密度な電子写真感光体としては、特許登
録第1950255号公報および特許登録第21285
93号公報には、いわゆるY型結晶オキソチタニルフタ
ロシアニン、他の例としては特開平10−237347
号公報に新規な結晶型オキソチタニルフタロシアニンが
開示されている。さらに、半導体レーザーの発光波長で
ある780mn付近での高感度化を目的として2種以上
のフタロシアニンを用いる電子写真感光体として、特許
登録第2780295号公報ではオキソチタニルフタロ
シアニンと無金属フタロシアニンの混晶、特許登録第2
754739号公報ではオキソチタニルフタロシアニン
と無金属フタロシアニンの組成物を用いた電子写真感光
体が提案されている。しかし、これらの高感度な感光体
は弱い露光に対しても高感度であるために、上記の理由
で高解像度を実現することができない。また、2種のフ
タロシアニンを混合する感光体としては、特許登録第3
005052号公報では、特定の結晶型オキソチタニル
フタロシアニンと無金属フタロシアニンを混合する感光
体が、また特開平5−134437号公報には2種の特
定の結晶型オキソチタニルフタロシアニンを混合する感
光体が提案されているが若干の解像度改良の効果はある
ものの、いまだ不十分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高解像度を実現するた
めの手段として、低感度な感光体を用い、このような周
辺部の光に対する感度を落とし中央部の強力な光のみに
感光させて忠実なドット形成を行う方法がある。しか
し、低速なプリンタではこの方法で十分であったが、高
速化の進展で、このような感光体では低感度であるため
に高出力な半導体レーザーが必要なことや、残留電位が
高く、特に低温時には顕著となり、反転現像のプロセス
では画像濃度が低下するなどの問題が発生している。こ
のように、高感度と高解像度を両立させることができて
いないのが現状である。
【0009】
【課題を解決するための手段】高感度と高解像度を両立
させる感光体を開発すべく鋭意検討を重ねた結果、電荷
発生物質として特定の結晶型オキソチタニルフタロシア
ニンとτ型無金属フタロシアニンを混合して用いること
により本発明を完成するに至った。本発明の感光体は、
図5に示すように小さな露光エネルギーに対しても高感
度である感光体(比較感光体B)ではなく、弱い露光に
は光減衰が少なく、強い露光に体し高感度で、完全に電
位減衰する、露光エネルギーに対しリニアに応答する高
感度な感光体(感光体A)である。
【0010】本発明のオキソチタニルフタロシアニンに
τ型無金属フタロシアニンを混合することにより所望の
光滅衰曲線が得られる理由については定かではないが、
無金属フタロシニンを用いた単層感光体においては、あ
る露光量に達するまでは電位減衰せず、ある露光量を越
えると急峻な電位減衰が起こる、いわゆるハイガンマ型
光電位滅衰特性を有する感光体が報告されている。本発
明の混合物の中でのτ型無金属フタロシアニンは、この
性質を維持したまま存在していると考えられる。すなわ
ち、弱い露光域では無金属フタロシニンの特性が支配的
で少ない光減衰であり、強い露光域では本発明のオキソ
チタニルフタロシニンの高感度な特性と無金属フフタロ
シアニンのハイガンマな急峻な電位減衰が支配的とな
り、全体として露光量に対しリニアな所望の光減衰曲線
が得られるのではないかと推測される。
【0011】一方、従来報告されている結晶型そのもの
を変えてしまう混晶体などの形態では無金属フタロシア
ニンのこのようなハイガンマ的な性質が失われてしまっ
ているのではないかと考えられる。すなわち本発明の、
第1では電荷発生物質に特定の2種のフタロシアニンを
用い、第2では2種のフタロシアニンの含有比率を特定
し、第3では積層型感光体に適用し、第4〜7では電荷
輸送物質を特定し、第8では導電性支持体と感光層の間
に中間層を設け、第9では露光光源を特定し、第10で
は現像方法を特定し、本発明を完成させるに至った。
【0012】(作用)以上の構成により、高解像度と高
感度を両立させた電子写真感光体およびそれを用いた電
子写真装置が実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体の構成としては、図1に示すよ
うに感光層4が電荷発生層5と電荷輸送層6の2層から
構成される積層型電子写真感光体、図2に示すように感
光層4中に電荷輸送物質3と電荷発生物質2を含有する
単層型感光体、図3に示すように導電性支持体1と感光
層4の間に中間層7として下引き層を設けた積層型電子
写真感光体、図4に示すように導電性支持体1と感光層
4の間に中間層7として下引き層を設けた単層型電子写
真感光体の構成である。
【0014】導電性支持体としては、例えば、アルミニ
ウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄、金、銀、
銅、亜鉛、ニッケル、チタン等の金属材料や、アルミニ
ウム、金、銀、銅、ニッケル、酸化インジウム、酸化錫
等を蒸着したプラスチック、基体、ポリエステルフィル
ム、紙、または導電性粒子を含有したプラスチックや
紙、導電性ポリマーを含有するプラスチック等が使用で
きる。それらの形状としては、ドラム状、シート状、シ
ームレスベルト状のもの等が使用できる。
【0015】本発明の電荷発生物質としては特定の2種
のフタロシアニン化合物を用いる。具体的には、下記構
造式(5)で示される構造を有し、Cu−Kα線に対す
るX線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)
で9.4°と9.6°の重なったピーク束が最大回折ピ
ークを示し、且つ27.2°のピークが第2の最大ピー
クを示す結晶型であるオキソチタニルフタロシアニン
と、7.6°、9.2°、16.8°、17.4°、2
0.4°、20.9°にピークを有するτ型無金属フタ
ロシアニンが用いられる。
【0016】
【化5】 (式中、X、X、X、Xは水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、あるいはアルコキシ基を表し、t、
u、v、wは0から4の整数を表す。)その混合比率と
しては、好ましくはτ型無金属フタロシアニンの含有量
がオキソチタニルフタロシアニンの10〜70重量%で
あり、より好ましくは40〜70重量%である。
【0017】積層型電子写真感光体の場合、電荷発生層
の製造方法としては、これらのフタロシアニン化合物の
微粒子に有機容媒を加え、ボールミル、サンドグライン
ダー、ペイントシェーカー、超音波分散機等によって粉
砕、分散して得られる塗液を用い、シートの場合にはベ
ーカーアプリケーター、バーコーター、キャスティン
グ、スピンコート等、ドラムの場合にはスプレー法、垂
直リング法、浸漬塗工法により作製される。結着性を増
すためにバインダー樹脂として、例えば、ポリエステル
樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、フェノ
キシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹
脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、セルロースエーテ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等の各種バイ
ンダー樹脂を加えてもよい。その膜厚は、通常0.05
μm〜5μmが好ましく、特に0.1〜1μmが好敵で
ある。また、電荷発生層には必要に応じて、塗布性を改
善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各
種添加剤を含んでいてもよい。
【0018】電荷輸送層は主に電荷輸送物質とバインダ
ー樹脂から構成され、電荷輸送物質としては、2,4,
7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタ
ン、ジフェノキノン等の電子吸引性物質、カルバゾー
ル、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾ
ール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール
等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合
物、芳香族アミン誘導体、スチリル化合物、エナミン化
合物、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは
側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる
が、特に、特定のスチリル系化合物、ビスアミン系化合
物およびブタジエン系化合物は高移動度であるので高感
度、高解像度化には好敵である。これらの電荷輸送物質
は単独でも、複数を混合して用いてもよい。
【0019】本発明で使用するスチリル化合物としては
具体的には次の化合物等が挙げられる。
【化6】
【0020】また、ビスアミン化合物としては、次の化
合物等が挙げられる。
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】また、ブタジエン化合物としては、次の化
合物等が挙げられる。
【化9】
【0023】これらの電荷輸送物質がバインダー樹脂に
結着した形で電荷輸送層が形成される。電荷輸送層に使
用されるバインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボ
ネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポ
リエステル、ポリエステルカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、またこれらの
部分的架橋硬化物も使用できる。バインダー樹脂と電荷
輸送物質の割合は、通常バインダー樹脂100重量部に
対して30〜200重量部、好ましくは40〜150重
量部の範囲で使用される。また、膜厚は一般に5〜50
μm、好ましくは10〜45μmがよい。なお電荷輸送
層には、本発明の添加剤に加えて、成膜性、可とう性、
塗布性などを向上させるために周知の可塑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などの添加剤を含有さ
せても良い。これらの電荷輸送層は、電荷発生層上に同
様な装置で塗布される。
【0024】単層型電子写真感光体の場合、感光層とし
て上記のような配合比の電荷輸送層中に、本発明の電荷
発生物質として特定のオキソチタニルフタロシアニンと
τ型無金属フタロシアニンが分散される。その場合の粒
径は十分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以
下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の
量は過少では感度不足、過多では帯電性低下、感度低下
を誘発する等の弊害があり、0.5〜50重量%、好ま
しくは1〜20重量%で使用される。感光層の膜厚は5
〜40μm、好ましくは15〜30μmで使用される。
また、この場合にも成膜性、可とう性、機械的強度等を
改善するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するため
の添加剤、分散安定向上のための分散補助剤、塗布性を
改善するためのレベリング剤、界面活性剤、例えばシリ
コーンオイル、フッ素系オイル、その他の添加剤が加え
られても良い。
【0025】導電性支持体と感光層との間には中間層が
設けられていてもよい。中間層としては、例えば、アル
ミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アル
ミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロー
ス類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミ
ド、ポリアミド等の有機層が使用される。また、これら
の中間層には、アルミニウム、銅、錫、亜鉛、チタンな
どの金属あるいは金属酸化物などの導電性または半導体
性微粒子を含んでいてもよい。中間層の膜厚は0.1〜
50μm、好ましくは0.5〜20μmで使用される。
更に、必要に応じて感光層表面を保護するために保護層
を設けてもよい。表面保護層には、熱可塑性樹脂や、光
または熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0026】(実施例)以下に実施例などを用いて本発
明を具体的に説明するが、本発明は、その趣旨を超えな
い限り、以下の実施例などにより何ら限定されるもので
はない。 (製造例1)o−フタロジニトリル40gと4塩化チタ
ン18g、α−クロロナフタレン500mlを窒素雰囲
気下200〜250℃で3時間加熱撹拌し反応させ、1
00〜130℃まで放冷後、熱時濾過し、100℃に加
熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄してジク
ロロチタニウムフタロシアニン粗生成物を得る。この粗
生成物を室温にてα−クロロナフタレン200ml、つ
いでメタノール200mlで洗浄後、さらにメタノール
500ml中で1時間熱懸洗を行う。濾過後、得られた
粗生成物を水500ml中で、pHが6〜7になるま
で、熱懸洗を繰り返した後、乾燥してオキソチタニルフ
タロシアニン結晶を得た。
【0027】得られた結晶をメチルエチルケトンに混合
し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベル社
製)により直径2mmのガラスビーズと共にミリング処
理し、メタノールで洗浄した後、乾燥して本発明の結晶
を得た。この結晶は図6に示すようなX線回折スペクト
ルを示す。なお、X線回折スペクトルの測定条件は、 X線源 CuKα=1.5418Å 電圧 30〜40kV 電流 50mA スタート角度 5.0° ストップ角度 30.0° ステップ角度 0.01〜0.02° 測定時間 2.0〜0.5°/min. 測定方法 θ/2θ スキャン方法 の測定条件で行った。
【0028】(実施例1)酸化チタン(石原産業社製:
TTO55A)71.6重量部と共重合ナイロン(東レ
社製:CM8000)107.4重量部をメチルアルコ
ール287重量部と1,2−ジクロロエタン533重量
部の混合剤に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散
処理し中間層用塗液を調整した。この塗液を塗布槽に満
たし、導電性支持体として直径30mm、全長326.
3mmのアルミニウム製のドラム状支持体を該塗布槽に
浸漬し引き上げ、自然乾燥して膜厚1μmの中間層を形
成した。
【0029】そして製造例1で合成した、図6のX線回
折スペクトルを有するオキソチタニルフタロシアニン1
0重量部と7.6°、9.2°、16.8°、17.4
°、20.4°、20.9°にピークを有するτ型無金
属フタロシアニン(東洋インキ社製:Liophoto
nTPA−891)5重量部、ブチラール樹脂(積水化
学社製:BL−1)10重量部をメチルエチルケトン9
80重量部に混合しペイントシェーカーにて分散処理し
て得られた電荷発生層用塗液を上記中間層上に塗布、自
然乾燥して膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
【0030】続いて前記例示化合物〔化8〕の構造式で
示されるスチリル化合物10重量部、下記構造式(7)
で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂
(三菱ガス化学社製:PCZ400)16重量部を混合
し、テトラヒドロフランを溶剤として固形分21重量%
の電荷輸送層用塗液を作り、上記電荷発生層上に塗布
し、110℃にて1時間乾燥し、膜厚21μmの電荷輸
送層を形成した。
【化10】
【0031】次に作製した電子写真感光体の光減衰特性
の測定を行った。ドラム感度試験機(Gentec社
製)を用いて、電子写真感光体の表面をスコロトロチャ
ージャーで、−600±20Vに帯電させて、露光光源
である半導体レーザー光(波長780nm)の光強度を
NDフィルターで調整して感光体の表面に照射し、各光
強度における表面電位を測定した。結果は、図5の(感
光体A)に示すとおり弱い露光に対しては光減衰が小さ
く、強い露光に対しては完全に光減衰していることがわ
かった。
【0032】次に、解像度の検討を行った。作製した電
子写真感光体を市販の複写機(AR−N200)を12
00dpi相当のドットが出力できるように改造した実
験機に搭載し、パソコンにて黒ベタに白1ドットを書か
せるデータ(レーザーを全面走査し1ドットのみオフと
するデータ)を作製し、このデータをプリンタ−インタ
ーフェースを介して送信し、プリントアウトされた出力
画像を観察した。その結果、黒ベタ乗にドットの白点が
はっきりと確認できた。本発明の感光体は十分な高解像
度画像を出力できることがわかった。
【0033】(実施例2)実施例1において、τ型無金
属フタロシアニンを1重量部とした以外は実施例1と同
様にしてサンプルを作製し画像を評価した。 (実施例3)実施例1において、τ型無金属フタロシア
ニンを7重量部とした以外は実施例1と同様にしてサン
プルを作製し画像を評価した。 (実施例4)実施例1において、電荷輸送物質を前記例
示化合物〔化11〕とした以外は実施例1と同様にして
サンプルを作製し画像を評価した。
【0034】(実施例5)実施例1において、電荷輸送
物質を前記例示化合物〔化15〕とした以外は実施例1
と同様にしてサンプルを作製し画像を評価した。 (実施例6)実施例1において、電荷輸送物質を前記例
示化合物〔化22〕とした以外は実施例1と同様にして
サンプルを作製し画像を評価した。 (実施例7)実施例1において、電荷輸送物質を前記例
示化合物〔化36〕とした以外は実施例1と同様にして
サンプルを作製し画像を評価した。
【0035】(実施例8)製造例1で合成したオキソチ
タニルフタロシアニン10重量部とτ型無金属フタロシ
アニン5重量部をテトラヒドロフラン185重量部に混
合しペイントシェーカーにて分散処理した後、前記例示
化合物〔化14〕の構造式で示されるビスアミン化合物
100重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社
製:PCZ400)160重量部を混合し、テトラヒド
フランを溶剤として固形分21重量%の塗液を作製し
た。この塗液を塗布槽に満たし、導電性支持体として直
径30mm、全長326.3mmのアルミニウム製のド
ラム状支持体を該塗布槽に浸漬し引き上げ、110℃で
1時間乾燥して膜厚20μmの単層感光体を形成した。
【0036】次に市販の複写機(AR−N200)を1
200dpi相当のドットが出力できるように改造した
実験機をさらに正帯電プロセスに改造した後、作製した
電子写真感光体を搭載し、パソコンにて黒ベタに白1ド
ットを書かせるデータ(レーザーを全面走査し1ドット
のみオフとするデータ)を作製し、このデータをプリン
ターインターフェースを介して送信し、プリントアウト
された出力画像を観察した。その結果、黒ベタ上に1ド
ットの白点がはっきりと確認できた。本発明の感光体は
十分な高解像度画像を出力できることがわかった。
【0037】(比較例1)実施例1において、τ型無金
属フタロシアニンを用いなかった以外は実施例1と同様
にしてサンプルを作製し光減衰特性と画像を評価した。
光減衰特性は、図5の(比較感光体B)に示すとおり弱
い露光でも光減衰が大きい。画像を検討したところ、ド
ットを出力させるデータを送ったのにもかかわらず、出
力された画像は黒ベタとなっており、ドットがきちんと
形成されていないことが判明した。
【0038】(比較例2)実施例1において、電荷発生
物質としてτ型無金属フタロシアニン15重量部とした
以外は実施例1と同様にしてサンプルを作製し光減衰特
性と画像を評価した。光減衰特性は図5の(比較感光体
C)に示すとおり、強い露光に対しても光減衰が不十分
で、残留電位として残っていることがわかった。画像を
検討すると、出力された画像はドットは判別可能だが、
黒ベタ部分の濃度が低くなっていた。
【0039】評価結果を表1にまとめた。
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上の実施例、比較例から明らかなよう
に、本発明の、第1によれば高解像度と高感度を両立さ
せた電子写真感光体ができ、第2によればより解像度な
プロセスに対応でき、第3によればより高感度な電子写
真感光体ができ、第4〜7によればより高感度、高解像
度な電子写真感光体ができ、第8によれば画像欠陥の少
ない、より高解像度な電子写真感光体ができ、第9によ
ればより良好な潜像形成ができ、第10によればデジタ
ルデータの出力に適した複写機、プリンター、ファクシ
ミリ等の電子写真装置、を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光層が電荷発生層と電荷輸送の2層からなる
積層型感光体を示す概略断面図。
【図2】感光層に電荷発生物質と電荷輸送物質を有する
単層型感光体を示す概略断面図。
【図3】中間層及び電荷発生層と電荷輸送層の3層から
なる積層型感光体を示す概略断面図。
【図4】中間層及び感光層からなる単層型感光体を示す
概略断面図。
【図5】実施例及び比較例で得られた感光体の光減衰特
性を示す図。
【図6】本発明の製造例1で得られたオキソチタニルフ
タロシアニンのX線回折スペクトル図。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生物質 3 電荷輸送物質 4,4′ 感光層 5 電荷発生層 6 電荷輸送層 7 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/14 101 G03G 5/14 101 (72)発明者 角井 幹男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 片山 聡 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 川原 在彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 鳥山 幸一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA20 AA34 AA35 AA41 BA12 BA13 BA16 BA38 BA39 FA13 FB07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体であって、CuKα特性X線(波長:1.54
    18Å)に対するX線回折スペクトルにおいて、ブラッ
    グ角(2θ±0.2°)で9.4°と9.6°の重なっ
    たピーク束が最大ピークであり、かつ、27.2°のピ
    ークが第2の最大ピークであることを特徴とする結晶型
    オキソチタニルフタロシアニンを含有し、かつ7.6
    °、9.2°、16.8°、17.4°、20.4°、
    20.9°にピークを有するτ型無金属フタロシアニン
    を感光層に含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 τ型無金属フタロシアニンの含有量がオ
    キソチタニルフタロシアニンの10乃至70重量%であ
    ることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を有
    する積層型電子感光体において、電荷発生層が請求項1
    又は2記載の結晶型オキソチタニルフタロシアニンとτ
    型無金属フタロシアニンを含有することを特徴とする電
    子写真感光体。
  4. 【請求項4】 下記一般式(1)で表されるスチリル化
    合物を電荷輸送物質として含有することを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化1】 (但し、一般式中、Arは置換もしくは無置換のアリ
    ーレン基を表す。Ar、Arは置換もしくは無置換
    のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置
    換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の
    環状アルキル基を表し、2置換以上の場合は互いに環を
    形成してもよい。またAr、ArはArと互いに
    環を形成してもよい。A、Bは水素原子、置換もしくは
    無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル
    基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無
    置換の環状アルキル基を表し、AとBは互いに結合して
    環を形成してもよい。)
  5. 【請求項5】 下記一般式(2)で表されるビスアミン
    化合物を電荷輸送物質として含有することを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化2】 (式中、R11、R12、R13は水素原子、ハロゲン
    原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、m、p、
    qは1から5の整数である。)
  6. 【請求項6】 下記一般式(3)で表されるビスアミン
    化合物を電荷輸送物質として含有することを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化3】 (式中、Ar、Arは、アリール基、アラルキル
    基、または複素環置換アルキル基を表し、R14、R
    15は、炭素数1から3のアルコキシ基、炭素数1から
    3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、あるいは水素
    原子を表し、rは1から4の、sは1から3の整数であ
    る。)
  7. 【請求項7】 下記一般式(4)で表されるブタジエン
    化合物を電荷輸送物質として含有することを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化4】 (式中、R16はジアルキルアミノ基を表し、R17
    水素原子またはジアルキルアミノ基を表す。)
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の電子
    写真感光体であって、導電性支持体と感光層の間に中間
    層を設けたことを特徴とする電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の電子
    写真感光体に対して、半導体レーザーで画像露光するこ
    とを特徴とする電子写真装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至8のいずれかに記載の電
    子写真感光体を帯電させ画像露光した後、反転現像して
    画像を得ることを特徴とする電子写真装置。
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