JP3952071B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる電子写真方法及び該方法に用いる電子写真装置に関する。
C.F.カールソンの発明による電子写真技術は、即時性、高品質かつ保存性の高い画像が得られることなどから、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターやファクシミリの分野でも広く使われ、大きな広がりをみせている。
この電子写真プロセスは基本的に、感光体の均一な帯電、像露光による静電潜像の形成、該潜像のトナーによる現像、該トナー像の紙への転写(中間に転写体を経由する場合もある)及び定着による画像形成プロセスから成り立っている。
電子写真技術の中核となる感光体については、その光導電材料として、従来からのセレニウム、ヒ素−セレニウム合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といった無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する、有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。
中でも電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光体は、より高感度な感光体が得られること、材料の選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また塗布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことから、現在では感光体の主流となっており、大量に生産されている。
一方最近、より高画質な画像を得るためや、入力画像を記憶したり自由に編集したりするために、画像形成のためのデジタル化が急速に進行している。これまで、デジタル的に画像形成するものとしては、ワープロやパソコンの出力機器であるレーザープリンター、LEDプリンターや一部のカラーレーザーコピア等に限られていたが、従来アナログ的な画像形成が主流であった普通の複写機の分野にもどんどんデジタル化が進行している。
この様なデジタル的画像形成を行う場合、コンピュータ情報を直接使う場合には、その電気信号を光信号に変換し、また原稿からの情報入力の場合には原稿情報を光情報として読み取った後、一度デジタル電気信号に変換し、再度光信号に変換し感光体に入力される。いずれにせよ、感光体に対しては光信号として入力されるわけであるが、この様なデジタル信号の光入力には、主としてレーザー光やLED光が用いられている。現在もっともよく使用される入力光の発信波長は、780nmや660nmの近赤外光やそれに近い単一波長の長波長光である。
デジタル的画像形成に使用される感光体にとって、第一に要求されることは、これらの長波長光に対して感度をもつことであり、これまで多種多様な材料が検討されている。なかでも、フタロシアニン化合物は合成が比較的簡単であり、長波長光に感度を示すものが多いことから、幅広く検討され実用に供されている。
例えば特許文献1にはチタニルフタロシアニンを用いた感光体が、特許文献2にはβ型インジウムフタロシアニンを用いた感光体が、特許文献3にはx型無金属フタロシアニンを用いた感光体が、特許文献4にはバナジルフタロシアニンを用いた感光体がそれぞれ開示されている。
特公平5−55860号公報 特開昭59−155851号公報 特開平2−233769号公報 特開昭61−28557号公報
ところが、この様なフタロシアニン化合物を電荷発生物質として用いた感光体は長波長で高感度であるものの、一回転目の帯電圧が低く、二回転目からようやく帯電圧が安定するという欠点が有った。
この現象は、帯電、露光といった画像形成プロセス後の放置時間と関係しており、放置時間が30分、1時間等と長いほうが一回転目の帯電圧が低い傾向がみられる。このことから、この現象には放置中のフタロシアニン化合物による暗電荷の発生とその電荷発生層中への蓄積、または導電性支持体より電荷が電荷発生層へ注入されて蓄積するという現象が関係しているものと考えられる。
一方、デジタル的に画像形成を行なう場合には、光の有効利用あるいは解像力を上げる目的から、光を照射した部分にトナーを付着させ画像を形成する、いわゆる反転現像方式を採用することが多い。反転現像プロセスにおいては、未露光部(暗部電位)が白地となり、露光部(明部電位)が黒地部(画線部)となる。したがって、反転現像プロセスにおいては、正規現像プロセスのように明部電位が上昇してもかぶり(白地部に黒点が生じる現象)が発生することはないが、暗部電位が低下するとかぶりが発生する。そのため、暗部電位が常に一定に保たれるよう、帯電器としてスコロトロンチャージャーが用いられることが多い。
従来、フタロシアニン化合物を電荷発生物質として用いた感光体を用いる、反転現像方法を用いた電子写真装置は、前述したように一回転目の帯電圧が低くかぶりやすいという欠点があったため、ウォーミングアップとして、必ず一回転以上の前回転をいれていた。このことは、電子写真装置が駆動を始めてから実際の画像形成が行われるまでに多くの時間を必要とすることを意味する。もっとも、従来はコンピュータからプリンターへのデータ転送が遅い、またデジタル複写機においても画像処理に時間がかかる等の要因が有り、前回転に要する時間は特に問題とはならなかった。
ところが近年はマイクロコンピュータの性能向上が著しく、データ転送時間や画像処理時間が充分速くなってきたため、感光体の一回転目から画像形成に使い、一枚目のコピー、プリントを速くしたいという要求がでてきた。
ところが、従来のフタロシアニンを電荷発生物質として用いた感光体を、一回転目から画像形成に用いるプロセスで使用すると、前述したように一回転目の帯電圧が低いために濃度変化を起こしたり、ひどい場合にはかぶったりしてどうしても前回転を入れざるを得ないことがわかった。このことは、一枚目のコピーなりプリントなりが、速くならないことを意味する。
また、特許文献5に示されるようなアゾ系化合物を用いた感光体は、一回転目より比較的良好な帯電性を示し、一回転目より画像形成プロセスを行うことができるが、感度が低いため高速化できず、やはり一枚目のコピーは速くならないという欠点があった。
特許文献6では、電荷発生物質としてチタンフタロシアニンとアゾ化合物を含有しパンクロマチックな感光体を製造する技術が開示されているが、単一波長の光による画像形成において、チタンフタロシアニンを電荷発生物質として使用し、本発明のようにアゾ化合物を併用することにより、1回転目から優れた画像形成を行うことができることは記載されていない。
特開昭57−196244号公報 特開平3ー37667号公報
本発明者らは、長波長光に感度が高く、一回転目より充分に帯電するような感光体を検討することにより、感光体の一回転目から画像形成を行うことができ、一枚目のコピー、プリントの速い電子写真装置の検討を行った。その結果、長波長光に充分高い感度を有するためには、電荷発生物質としてフタロシアニンを含有し、また一回転目から充分帯電するためには、さらにアゾ化合物を用いることが望ましいことを見出し、本電子写真装置の発明に至った。
すなわち本発明の要旨は、少なくとも帯電、単一波長の光による露光、反転現像、転写の各プロセスを感光体に対して行なう電子写真方法において、該感光体は導電性支持体上に感光層を有し、該感光層は電荷発生物質としてフタロシアニン化合物と、さらにアゾ化合物を含有し、該感光体の二回転目以降も一回転目と同じ帯電条件で、一回転目から画像形成を行なうことを特徴とする電子写真装置にある。
本発明によれば感光層が電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を含有することにより、長波長に感度が高く、さらに感光層がアゾ化合物を含有することにより、一回転目より充分帯電する感光体が得られ、この感光体を用いることにより、感光体の一回転目から画像形成を行なう電子写真プロセスを構成出来、一枚目のコピーまたはプリントの速い電子写真装置を構成できる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、その要旨の範囲で種々変形して実施することが出来る。
本発明において感光層は導電性支持体上に設けられる。導電性支持体としては、たとえばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料やアルミニウムを蒸着したポリエステルフィルム、紙などが主として使用される。
この様な導電性支持体と感光層との間には通常使用されるような公知のバリアー層が設けられていてもよい。バリアー層としては、例えばアルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有機層が使用される。また、これらのバリアー層には、アルミニウム、銅、錫、亜鉛、チタンなどの金属あるいは金属酸化物などの導電性または半導電性微粒子を含んでいてもよい。
本発明の感光層は基本的に電荷発生層と電荷輸送層から構成される積層型が好ましいが、単一の感光層からなるいわゆる単層分散型でもよい。以下、主に積層型について説明する。電荷発生物質としては、フタロシアニン化合物を用いる。具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム等の金属、又はその酸化物、塩化物の配位したフタロシアニン類が使用される。特に、感度の高いX型、τ型無金属フタロシアニン、A型、B型、D型等のチタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン等が好適である。
本発明ではフタロシアニン化合物と同じ層中にアゾ化合物を用いるのが好ましい。アゾ化合物としてはモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ等のアゾ化合物を用いることができる。これらのアゾ化合物は露光に用いられるレーザー光やLED光に吸収をもってもよいが、フタロシアニンに吸収される光量が少なくなって感度の低下をまねくため、吸収を持たないほうが好ましい。
特に好ましいアゾ化合物としては、下記式〔I〕で示される化合物が挙げられる。
Figure 0003952071
(A及びBは、それぞれ、フェノール性水酸基を有するカップラー残基を示す。)
A及びBのカップラー残基の好ましい例としては、式〔II〕又は〔III 〕
Figure 0003952071
Figure 0003952071
が挙げられる。
式〔II〕中で、Qは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素の2価の基、または置換基を有していてもよい複素環の2価の基を示し、例えば、O−フェニレン基、O−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、1,2−アントラキノニレン基、9,10−フェナントリレン基、3,4−ピラゾールジイル基、2,3−ピリジンジイル基、3,4−ピリジンジイル基、4,5−ピリミジンジイル基、6,7−インダゾールジイル基、5,6−ベンズイミダゾールジイル基、5,6−キノリンジイル基等が挙げられる。
式〔III 〕中で、RおよびRは、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、アリール基または複素環基を示し、RとRは互いに結合して環を形成していてもよい。Zはベンゼン環と縮合して、芳香族炭化水素環又は複素環となるのに要する2価の基を示し、例えば、ベンゼン環と縮合してナフタリン環、アントラセン環、カルバゾール環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾフラン環となる基が挙げられる。
電荷発生層はこれらのフタロシアニン化合物およびアゾ化合物の微粒子(好ましくは平均粒径1μm以下より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.3μm以下)を、例えばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形の分散層で使用してもよい。
フタロシアニン化合物とアゾ化合物の比率(重量比)はフタロシアニン1に対し好ましくは0.1〜2で使用され、更に好ましくは0.1〜1の比率で使用される。
また、これらの化合物に対するバインダー樹脂の比率(重量比)は、これらの化合物1に対して0.2〜5の範囲で使用される。その膜厚は通常0.1〜2μm、好ましくは0.1〜0.8μmが好適である。また、電荷発生層には必要に応じて、塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
電荷輸送層は主に電荷輸送材料とバインダー樹脂からなり、電荷輸送材料としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタンなどの電子吸引性物質、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール、などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。これらの電荷輸送材料がバインダー樹脂に結着した形で電荷輸送層が形成される。
電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等があげられ、またこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用される。また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。なお電荷輸送層には、成膜性、可とう性、塗布性などを向上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などの添加剤を含有させても良い。
これらの感光層は、導電性基体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布等により形成される。
以上のようにして得られた感光体は長波長の単一波長、例えば600nm〜850nm、好ましくは660nm〜800nmの光に感度が高く、かつ一回転目より充分帯電するため、この感光体を用いることにより、感光体の一回転目から画像形成を行なう電子写真プロセスを構成出来、一枚目のコピーまたはプリントの速い電子写真装置を構成できる。
本電子写真方法は少なくとも帯電、露光、反転現像、転写の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよい。帯電方法としては、例えばコロナ放電を利用したコロトロンあるいはスコロトロン帯電、導電性ローラーあるいはブラシによる接触帯電などいずれを用いてもよい。コロナ放電を利用した帯電方法では暗部電位を一定に保つためにスコロトロン帯電が用いられることが多い。現像方法としては磁性あるいは非磁性の一成分現像剤、二成分現像剤などを接触あるいは非接触させて現像する一般的な方法が用いられるが、いずれも明部電位を現像する反転現像で用いられる。転写方法としては、コロナ放電によるもの、転写ローラーを用いた方法等いずれでもよい。通常、現像剤を紙などに定着させる定着プロセスが用いられ、定着手段としては一般的に用いられる熱定着、圧力定着を用いることができる。これらのプロセスのほかに、クリーニング、除電等のプロセスを有してもよい。
本電子写真装置においては、画像形成は感光体の一回転目から行なわれるが、本電子写真装置において用いられる感光体は、感光体の二回転目以降から画像形成の行なわれるプロセスにおいても有用である。すなわち、従来の電荷発生物質としてフタロシアニンを含有する感光体では、一回転目の帯電圧が低すぎるため、反転現像で用いると、画像形成を行なっていないにもかかわらず現像が行なわれてしまい、それが二回転目以降に行なわれる画像形成に悪影響を及ぼす場合があった。本電子写真装置に用いられる感光体では、一回転目より充分帯電するので、このような現象は回避することができる。
以下実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
切削加工した外径65mm、長さ348mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを、脱脂剤NG−#30 (キザイ(株)製)の30g/l水溶液中で60℃、5分間脱脂洗浄を行った。続いて水洗を行った後、7%硝酸に25℃で1分間浸漬した。
更に水洗後、180g/lの硫酸電解液中(溶存アルミニウム濃度7g/l)で1.2A/dmの電流密度で陽極酸化を行い、平均膜厚6μmの陽極酸化被膜を形成した。次いで、水洗後酢酸ニッケルを主成分とする高温封孔剤トップシールDX−500 (奥野製薬工業(株)製)の10g/l水溶液に95℃で30分間浸漬し封孔処理を行った。続いて水洗を行った後、ポリエステル製スポンジを用いて被膜全面を3回、往復させてこすり洗浄を行った。次いで、水洗し乾燥した。
一方、粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピーク、並びに、7.4°、9.7°及び24.2°に回折ピークを示す結晶系のオキシチタニウムフタロシアニン10重量部、下記構造を有するアゾ化合物(アゾ−1)5重量部を4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2 200重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った。
Figure 0003952071
また、ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製、商品名エスレックBH−3)の4%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)の4%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部を混合してバインダー溶液を作製した。
先に作製した顔料分散液215重量部に、バインダー溶液375重量部、1,2−ジメトキシエタン160重量部を加え、最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作製した。この分散液に、先に形成した陽極酸化被膜を設けたアルミニウムシリンダーを浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が0.5μmとなるように電荷発生層を形成した。
次に、このアルミニウムシリンダーを、次に示すヒドラゾン化合物70重量部
Figure 0003952071
及びポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製、ノバレックス7030A)100重量部を1,4−ジオキサン1000重量部に溶解させた液に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が25μmとなるように電荷輸送層を設けた。
このようにして得られたドラムを感光体Aとする。
実施例2
アゾ化合物として、下記構造を有する化合物(アゾ−2)を用いた他は、実施例1と同様にして感光体Bを作製した。
Figure 0003952071
比較例1
実施例1で用いたのと同じオキシチタニウムフタロシアニン15重量部を4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2 200重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った。
一方、ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製、商品名エスレックBH−3)の4%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)の4%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部を混合してバインダー溶液を作製した。
先に作製した顔料分散液215重量部に、バインダー溶液375重量部、1,2−ジメトキシエタン160重量部を加えて、最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作製した。ここで得られた分散液に、陽極酸化処理したアルミニウムシリンダーを浸漬塗布して0.5μmの電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして感光体Cを作成した。
比較例2
実施例1で用いたのと同じオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2 200重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った。
一方、ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製、商品名エスレックBH−3)の4%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)の4%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部を混合してバインダー溶液を作製した。
先に作製した顔料分散液210重量部に、バインダー溶液500重量部、1,2−ジメトキシエタン40重量部を加えて、最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作製した。ここで得られた分散液に、陽極酸化処理したアルミニウムシリンダーを浸漬塗布して0.5μmの電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして感光体Dを得た。
これら感光体A、B、C、Dを、反転現像用に改造した、感光体の一回転目からコピープロセスの行なわれる、プロセス速度が190mm/secの複写機に装着し、感光体表面電位測定装置をとりつけて、帯電、露光、除電のみのプロセスを50000コピープロセス(A4横送りで5万枚コピー相当)繰り返した。
ウォーミングアップ動作(画像形成に先立つ感光体前回転等)を行なわせないため複写機の電源を投入したまま1時間放置後、コピーボタンを押してコピープロセスを行わせ、この時の感光体の未露光部の表面電位を測定した。この結果を表1に示す。
Figure 0003952071
次に、これらの感光体を先の反転現像に改造した複写機で1000枚実写した後、電源を入れたまま1時間放置し、1時間後に黒地部とハーフトーン部をもった原稿をコピーした(反転現像なので原稿の黒地部はコピーでは白地となる)。
その結果、感光体Aでは白地部、ハーフトーン部とも良好な画像が得られ、感光体Bではハーフトーン部の途中に濃度変化がみられたが、白地部は良好であった。一方、感光体C、Dでは、白地部の前半にかぶりがみられ、またハーフトーン部には明瞭な濃度変化がみられた。

Claims (4)

  1. 少なくとも、帯電、単一波長の光による露光、反転現像、転写の各プロセスを、感光体に対して行なう電子写真方法において、該感光体の二回転目以降も一回転目と同じ帯電条件で、一回転目から画像形成を行なうことを特徴とする電子写真装置であって、該感光体が導電性支持体上に、電荷発生物質としてのフタロシアニン化合物と、さらにアゾ化合物を含有する感光層を有することを特徴とする電子写真装置。
  2. 600nm〜850nmの単一波長の光によって画像形成する電子写真方法において用いられることを特徴とする、請求項1記載の電子写真装置。
  3. 660nm〜800nmの単一波長の光によって画像形成する電子写真方法において用いられることを特徴とする、請求項1記載の電子写真装置。
  4. 感光層が電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷発生層がフタロシアニン化合物をおよびアゾ化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の電子写真装置。
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