JPH10153871A - 電子写真方法 - Google Patents
電子写真方法Info
- Publication number
- JPH10153871A JPH10153871A JP31357596A JP31357596A JPH10153871A JP H10153871 A JPH10153871 A JP H10153871A JP 31357596 A JP31357596 A JP 31357596A JP 31357596 A JP31357596 A JP 31357596A JP H10153871 A JPH10153871 A JP H10153871A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- rotation
- photoreceptor
- image
- photosensitive layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 感光たい一回転目から画像形成を行なうこと
ができる電子写真方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも、帯電、露光、反転現像、転
写の各プロセスを、感光体に対して行なう電子写真方法
において、該感光体は導電性支持体上に感光層を有し、
該感光層は電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を
含有し、さらに該感光層と導電性支持体上との間に下記
一般式[I]で示されるアゾ化合物を含有する下引き層
を設け、該感光体の一回転目から画像形成を行なうこと
を特徴とする電子写真方法。 【化1】 (ただし、式中、CP1 ,CP2 はそれぞれ、芳香族環
を有するカップラー成分を表す。CP1 ,CP2 は同一
でも異なっていてもよい。R1 ,R2 は、それぞれ、水
素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、またはハロ
ゲン原子を示す。)
ができる電子写真方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも、帯電、露光、反転現像、転
写の各プロセスを、感光体に対して行なう電子写真方法
において、該感光体は導電性支持体上に感光層を有し、
該感光層は電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を
含有し、さらに該感光層と導電性支持体上との間に下記
一般式[I]で示されるアゾ化合物を含有する下引き層
を設け、該感光体の一回転目から画像形成を行なうこと
を特徴とする電子写真方法。 【化1】 (ただし、式中、CP1 ,CP2 はそれぞれ、芳香族環
を有するカップラー成分を表す。CP1 ,CP2 は同一
でも異なっていてもよい。R1 ,R2 は、それぞれ、水
素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、またはハロ
ゲン原子を示す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等に用いられる電子写真方法に関する。
ー等に用いられる電子写真方法に関する。
【0002】
【従来の技術】C.F.カールソンの発明による電子写
真技術は、即時性、高品質かつ保存性の高い画像が得ら
れることなどから、近年では複写機の分野にとどまら
ず、各種プリンターやファクシミリの分野でも広く使わ
れ、大きな広がりをみせている。この電子写真プロセス
は基本的に、感光体の均一な帯電、像露光による静電潜
像の形成、該潜像のトナーによる現像、該トナー像の紙
への転写(中間に転写体を経由する場合もある)及び定
着による画像形成プロセスから成り立っている。
真技術は、即時性、高品質かつ保存性の高い画像が得ら
れることなどから、近年では複写機の分野にとどまら
ず、各種プリンターやファクシミリの分野でも広く使わ
れ、大きな広がりをみせている。この電子写真プロセス
は基本的に、感光体の均一な帯電、像露光による静電潜
像の形成、該潜像のトナーによる現像、該トナー像の紙
への転写(中間に転写体を経由する場合もある)及び定
着による画像形成プロセスから成り立っている。
【0003】電子写真技術の中核となる感光体について
は、その光導電材料として、従来からのセレニウム、ヒ
素−セレニウム合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といっ
た無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容
易、製造が容易である等の利点を有する、有機系の光導
電材料を使用した感光体が開発されている。中でも電荷
発生層及び電荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光
体は、より高感度な感光体が得られること、材料の選択
範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また塗
布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことから、
現在では感光体の主流となっており、大量に生産されて
いる。
は、その光導電材料として、従来からのセレニウム、ヒ
素−セレニウム合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といっ
た無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容
易、製造が容易である等の利点を有する、有機系の光導
電材料を使用した感光体が開発されている。中でも電荷
発生層及び電荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光
体は、より高感度な感光体が得られること、材料の選択
範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また塗
布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことから、
現在では感光体の主流となっており、大量に生産されて
いる。
【0004】一方最近、より高画質な画像を得るため
や、入力画像を記憶したり自由に編集したりするため
に、画像形成のためのデジタル化が急速に進行してい
る。これまで、デジタル的に画像形成するものとして
は、ワープロやパソコンの出力機器であるレーザープリ
ンター、LEDプリンターや一部のカラーレーザーコピ
ア等に限られていたが、従来アナログ的な画像形成が主
流であった普通の複写機の分野にもどんどんデジタル化
が進行している。
や、入力画像を記憶したり自由に編集したりするため
に、画像形成のためのデジタル化が急速に進行してい
る。これまで、デジタル的に画像形成するものとして
は、ワープロやパソコンの出力機器であるレーザープリ
ンター、LEDプリンターや一部のカラーレーザーコピ
ア等に限られていたが、従来アナログ的な画像形成が主
流であった普通の複写機の分野にもどんどんデジタル化
が進行している。
【0005】この様なデジタル的画像形成を行なう場
合、コンピュータ情報を直接扱う場合には、その電気信
号を光信号に変換し、また原稿からの情報入力の場合に
は原稿情報を光情報として読みとった後、一度デジタル
電気信号に変換し、再度光信号に変換し感光体に入力さ
れる。いずれにせよ、感光体に対しては光信号として入
力されるわけであるが、この様なデジタル信号の光入力
には、主としてレーザー光やLED光が用いられてい
る。現在もっともよく使用される入力光の発信波長は、
780nmや660nmの近赤外光やそれに近い長波長
光である。デジタル的画像形成に使用される感光体にと
って、まず第一に要求されることは、これらの長波長光
に対して感度を持つことであり、これまで多種多様な材
料が検討されている。なかでも、フタロシアニン化合物
は合成が比較的簡単であり、長波長光に感度を示すもの
が多いことから、幅広く検討され実用に供されている。
例えば特公平5−55860号公報には、チタニルフタ
ロシアニンを用いた感光体が、特開昭59−15585
1号公報にはβ型インジウムフタロシアニンを用いた感
光体が、特開平2−233769号公報にはx型無金属
フタロシアニンを用いた感光体が、特開昭61−285
57号公報にはバナジルフタロシアニンを用いた感光体
がそれぞれ開示されている。
合、コンピュータ情報を直接扱う場合には、その電気信
号を光信号に変換し、また原稿からの情報入力の場合に
は原稿情報を光情報として読みとった後、一度デジタル
電気信号に変換し、再度光信号に変換し感光体に入力さ
れる。いずれにせよ、感光体に対しては光信号として入
力されるわけであるが、この様なデジタル信号の光入力
には、主としてレーザー光やLED光が用いられてい
る。現在もっともよく使用される入力光の発信波長は、
780nmや660nmの近赤外光やそれに近い長波長
光である。デジタル的画像形成に使用される感光体にと
って、まず第一に要求されることは、これらの長波長光
に対して感度を持つことであり、これまで多種多様な材
料が検討されている。なかでも、フタロシアニン化合物
は合成が比較的簡単であり、長波長光に感度を示すもの
が多いことから、幅広く検討され実用に供されている。
例えば特公平5−55860号公報には、チタニルフタ
ロシアニンを用いた感光体が、特開昭59−15585
1号公報にはβ型インジウムフタロシアニンを用いた感
光体が、特開平2−233769号公報にはx型無金属
フタロシアニンを用いた感光体が、特開昭61−285
57号公報にはバナジルフタロシアニンを用いた感光体
がそれぞれ開示されている。
【0006】ところが、このようなフタロシアニン化合
物を電荷発生物質として用いた感光体は長波長で高感度
であるものの、一回転目の帯電圧が低く二回転目からよ
うやく帯電圧が安定するという欠点があった。この現象
は、帯電、露光といった画像形成プロセス後の放置時間
と関係しており、放置時間が30分、1時間等と長いほ
うが一回転目の帯電圧が低い傾向がみられる。このこと
から、この現象には放置中のフタロシアニン化合物によ
る暗電荷の発生とその電荷発生層中への蓄積、または導
電性支持体より電荷が電荷発生層へ注入されて蓄積する
という現象が関係しているものと考えられる。
物を電荷発生物質として用いた感光体は長波長で高感度
であるものの、一回転目の帯電圧が低く二回転目からよ
うやく帯電圧が安定するという欠点があった。この現象
は、帯電、露光といった画像形成プロセス後の放置時間
と関係しており、放置時間が30分、1時間等と長いほ
うが一回転目の帯電圧が低い傾向がみられる。このこと
から、この現象には放置中のフタロシアニン化合物によ
る暗電荷の発生とその電荷発生層中への蓄積、または導
電性支持体より電荷が電荷発生層へ注入されて蓄積する
という現象が関係しているものと考えられる。
【0007】一方、デジタル的に画像形成を行なう場合
には、光の有効利用あるいは解像力を上げる目的から、
光を照射した部分にトナーを付着させ画像を形成する、
いわゆる反転現像方式を採用することが多い。反転現像
プロセスにおいては、未露光部分(暗部電位)が白地と
なり、露光部(明部電位)が黒地部(画線部)となる。
したがって、反転現像プロセスにおいては、正規現像プ
ロセスのように明部電位が上昇してもかぶり(白地部に
黒点が生じる現象)が発生することはないが、暗部電位
が低下するとかぶりが発生する。そのため、暗部電位が
常に一定に保たれるよう、帯電器としてスコロトロンチ
ャージャーが用いられることが多い。
には、光の有効利用あるいは解像力を上げる目的から、
光を照射した部分にトナーを付着させ画像を形成する、
いわゆる反転現像方式を採用することが多い。反転現像
プロセスにおいては、未露光部分(暗部電位)が白地と
なり、露光部(明部電位)が黒地部(画線部)となる。
したがって、反転現像プロセスにおいては、正規現像プ
ロセスのように明部電位が上昇してもかぶり(白地部に
黒点が生じる現象)が発生することはないが、暗部電位
が低下するとかぶりが発生する。そのため、暗部電位が
常に一定に保たれるよう、帯電器としてスコロトロンチ
ャージャーが用いられることが多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、フタロシアニン
化合物を電荷発生物質として用いた感光体を用いる、反
転現像方式を用いた電子写真装置は、前述したように一
回転目の帯電圧が低くかぶりやすいという欠点があった
ため、ウォーミングアップとして、必ず一回転以上の前
回転をいれていた。このことは、電子写真装置が駆動を
始めてから実際の画像形成が行われるまでに多くの時間
を必要とすることを意味する。もっとも、従来はコンピ
ュータからプリンターへのデータ転送が遅い、またデジ
タル複写機においても画像処理に時間がかかる等の要因
があり、前回転に要する時間は特に問題とはならなかっ
た。
化合物を電荷発生物質として用いた感光体を用いる、反
転現像方式を用いた電子写真装置は、前述したように一
回転目の帯電圧が低くかぶりやすいという欠点があった
ため、ウォーミングアップとして、必ず一回転以上の前
回転をいれていた。このことは、電子写真装置が駆動を
始めてから実際の画像形成が行われるまでに多くの時間
を必要とすることを意味する。もっとも、従来はコンピ
ュータからプリンターへのデータ転送が遅い、またデジ
タル複写機においても画像処理に時間がかかる等の要因
があり、前回転に要する時間は特に問題とはならなかっ
た。
【0009】ところが近年はマイクロコンピュータの性
能向上が著しく、データ転送時間や画像処理時間が充分
速くなってきたため、感光体の一回転目から画像形成に
使い、一枚目のコピー、プリントを速くしたいという要
求がでてきた。ところが、従来のフタロシアニンを電荷
発生物質として用いた感光体を、一回転目から画像形成
に用いるプロセスで使用すると、前述したように一回転
目の帯電圧が低いために濃度変化を起こしたり、ひどい
場合にはかぶったりしてどうしても前回転を入れざるを
得ないことが知られている。このことは、一枚目のコピ
ーなりプリントなりが、速くならないことを意味する。
また、特開昭57−196244号公報に示されるよう
なアゾ系化合物を用いた感光体は、一回転目より比較的
良好な帯電性を示し、一回転目より画像形成プロセスを
行なうことができるが、感度が低いため高速化できず、
やはり一枚目のコピーは速くならないという欠点があっ
た。
能向上が著しく、データ転送時間や画像処理時間が充分
速くなってきたため、感光体の一回転目から画像形成に
使い、一枚目のコピー、プリントを速くしたいという要
求がでてきた。ところが、従来のフタロシアニンを電荷
発生物質として用いた感光体を、一回転目から画像形成
に用いるプロセスで使用すると、前述したように一回転
目の帯電圧が低いために濃度変化を起こしたり、ひどい
場合にはかぶったりしてどうしても前回転を入れざるを
得ないことが知られている。このことは、一枚目のコピ
ーなりプリントなりが、速くならないことを意味する。
また、特開昭57−196244号公報に示されるよう
なアゾ系化合物を用いた感光体は、一回転目より比較的
良好な帯電性を示し、一回転目より画像形成プロセスを
行なうことができるが、感度が低いため高速化できず、
やはり一枚目のコピーは速くならないという欠点があっ
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長波長光
に感度が高く、一回転目より充分に帯電するような感光
体を検討することにより、感光体の一回転目から画像形
成を行なうことができ、一枚目のコピー、プリントの速
い電子写真方法の検討を行なった。その結果、長波長光
に充分高い感度を有するためには、電荷発生物質として
フタロシアニンを含有し、また一回転目から充分帯電す
るためには、感光層と導電性支持体との間にアゾ化合
物、特に一般式[I]で示されるアゾ化合物を含有した
下引き層を設けることが望ましいことを見出し、本電子
写真方法の発明に至った。
に感度が高く、一回転目より充分に帯電するような感光
体を検討することにより、感光体の一回転目から画像形
成を行なうことができ、一枚目のコピー、プリントの速
い電子写真方法の検討を行なった。その結果、長波長光
に充分高い感度を有するためには、電荷発生物質として
フタロシアニンを含有し、また一回転目から充分帯電す
るためには、感光層と導電性支持体との間にアゾ化合
物、特に一般式[I]で示されるアゾ化合物を含有した
下引き層を設けることが望ましいことを見出し、本電子
写真方法の発明に至った。
【0011】すなわち本発明の要旨は、少なくとも帯
電、露光、反転現像、転写の各プロセスを感光体に対し
て行なう電子写真方法において、該感光体は導電性支持
体上に感光層を有し、該感光層は電荷発生物質としてフ
タロシアニン化合物を含有し、さらに該感光層と導電性
支持体との間に一般式[I]で示されるアゾ化合物を含
有する下引き層を設け、該感光体の一回転目から画像形
成を行なうことを特徴とする電子写真方法にある。また
本発明の要旨は、前記電子写真方法において、前記感光
層が電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷発生層がフ
タロシアニン化合物を含有し、さらに該電荷発生層と導
電性支持体との間に一般式[I]で示されるアゾ化合物
を含有する下引き層を設けたことを特徴とする電子写真
方法にある。
電、露光、反転現像、転写の各プロセスを感光体に対し
て行なう電子写真方法において、該感光体は導電性支持
体上に感光層を有し、該感光層は電荷発生物質としてフ
タロシアニン化合物を含有し、さらに該感光層と導電性
支持体との間に一般式[I]で示されるアゾ化合物を含
有する下引き層を設け、該感光体の一回転目から画像形
成を行なうことを特徴とする電子写真方法にある。また
本発明の要旨は、前記電子写真方法において、前記感光
層が電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷発生層がフ
タロシアニン化合物を含有し、さらに該電荷発生層と導
電性支持体との間に一般式[I]で示されるアゾ化合物
を含有する下引き層を設けたことを特徴とする電子写真
方法にある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において感光層は導電性支持体上に設けられる。
導電性支持体としては、たとえばアルミニウム、アルミ
ニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料
やアルミニウムを蒸着したポリエステルフィルム、紙、
ガラスなどが主として使用される。また下引き層は感光
層と導電性支持体の間に設けられる。この様な導電性支
持体と下引き層との間には、さらに通常使用されるよう
な公知のバリアー層が設けられていてもよい。バリアー
層としては、例えばアルミニウム陽極酸化被膜、酸化ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニ
ルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリ
ウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有機層が使用さ
れる。また、これらのバリアー層には、アルミニウム、
銅、錫、亜鉛、チタンなどの金属あるいはこれら金属の
酸化物などの導電性または半導電性微粒子を含んでいて
もよい。本発明では下引き層中にアゾ化合物(ビスアゾ
顔料)を用いる。アゾ化合物としては下記一般式[I]
で示されるアゾ化合物を用いる。
本発明において感光層は導電性支持体上に設けられる。
導電性支持体としては、たとえばアルミニウム、アルミ
ニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料
やアルミニウムを蒸着したポリエステルフィルム、紙、
ガラスなどが主として使用される。また下引き層は感光
層と導電性支持体の間に設けられる。この様な導電性支
持体と下引き層との間には、さらに通常使用されるよう
な公知のバリアー層が設けられていてもよい。バリアー
層としては、例えばアルミニウム陽極酸化被膜、酸化ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニ
ルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリ
ウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有機層が使用さ
れる。また、これらのバリアー層には、アルミニウム、
銅、錫、亜鉛、チタンなどの金属あるいはこれら金属の
酸化物などの導電性または半導電性微粒子を含んでいて
もよい。本発明では下引き層中にアゾ化合物(ビスアゾ
顔料)を用いる。アゾ化合物としては下記一般式[I]
で示されるアゾ化合物を用いる。
【0013】
【化2】
【0014】(ただし、式中、CP1 ,CP2 は、それ
ぞれ、芳香族環を有するカップラー成分を表す。C
P1 ,CP2 は同一でも異なっていてもよい。R1 ,R
2 は、それぞれ、水素原子、置換もしくは非置換のアル
キル基、またはハロゲン原子を示す。) このアゾ化合物は、下記式[II]で表されるジアゾニウ
ム塩と、それ自体公知の芳香族環を有するアゾカップリ
ング成分CP1 ,CP2 とを、公知の方法によりカップ
リングさせることによって得られるものである。
ぞれ、芳香族環を有するカップラー成分を表す。C
P1 ,CP2 は同一でも異なっていてもよい。R1 ,R
2 は、それぞれ、水素原子、置換もしくは非置換のアル
キル基、またはハロゲン原子を示す。) このアゾ化合物は、下記式[II]で表されるジアゾニウ
ム塩と、それ自体公知の芳香族環を有するアゾカップリ
ング成分CP1 ,CP2 とを、公知の方法によりカップ
リングさせることによって得られるものである。
【0015】
【化3】
【0016】なお、式[II]において、R1 ,R2 は水
素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、またはハロ
ゲン原子を示し、同一でも異なっていてもよい。また、
Xはアニオンを示す。式[II]で表されるジアゾニウム
塩の具体例を以下に示す。
素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、またはハロ
ゲン原子を示し、同一でも異なっていてもよい。また、
Xはアニオンを示す。式[II]で表されるジアゾニウム
塩の具体例を以下に示す。
【0017】
【化4】
【0018】前記一般式[I]のアゾカップリング成分
CP1 ,CP2 としてはそれ自体公知の任意の芳香族環
を有するアゾカップリング成分が使用されるが、残留電
位等の電気特性の点で下記一般式[III ]〜[V]のも
のが好ましい。
CP1 ,CP2 としてはそれ自体公知の任意の芳香族環
を有するアゾカップリング成分が使用されるが、残留電
位等の電気特性の点で下記一般式[III ]〜[V]のも
のが好ましい。
【0019】
【化5】
【0020】式[III ]中で、Qは置換基を有していて
もよい芳香族炭化水素の2価の基、または置換基を有し
ていてもよい複素環の2価の基を示し、例えば、O−フ
ェニレン基、O−ナフチレン基、1,8−ナフチレン
基、1,2−アントラキノニレン基、9,10−フェナ
ントリレン基、3,4−ピラゾールジイル基、2,3−
ピリジンジイル基、4,5−ピリミジンジイル基、6,
7−インダゾールジイル基、5,6−ベンズイミダゾー
ルジイル基、5,6−キノリンジイル基等が挙げられ
る。式[III ]で表されるカップラー成分の具体例を第
1表に示す。
もよい芳香族炭化水素の2価の基、または置換基を有し
ていてもよい複素環の2価の基を示し、例えば、O−フ
ェニレン基、O−ナフチレン基、1,8−ナフチレン
基、1,2−アントラキノニレン基、9,10−フェナ
ントリレン基、3,4−ピラゾールジイル基、2,3−
ピリジンジイル基、4,5−ピリミジンジイル基、6,
7−インダゾールジイル基、5,6−ベンズイミダゾー
ルジイル基、5,6−キノリンジイル基等が挙げられ
る。式[III ]で表されるカップラー成分の具体例を第
1表に示す。
【0021】式[IV]中で、R3 は置換基を有していて
もよいアルキル基もしくは脂肪族不飽和炭化水素基また
はアリール基を示す。式[IV]で表されるカップラー成
分の具体例を第2表に示す。式[V]中で、R4 および
R5 は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよ
い低級アルキル基、アリール基または複素環基を示し、
R4 とR5 は互いに結合して環を形成していてもよい。
Zはベンゼン環と縮合して、芳香族炭化水素環または複
素環となるのに要する2価の基を示し、例えば、ベンゼ
ン環と縮合してナフタレン環、カルバゾール環、ベンゾ
カルバゾール環、ジベンゾフラン環となる基が挙げられ
る。式[V]で表されるカップラー成分の具体例を第3
表に示す。
もよいアルキル基もしくは脂肪族不飽和炭化水素基また
はアリール基を示す。式[IV]で表されるカップラー成
分の具体例を第2表に示す。式[V]中で、R4 および
R5 は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよ
い低級アルキル基、アリール基または複素環基を示し、
R4 とR5 は互いに結合して環を形成していてもよい。
Zはベンゼン環と縮合して、芳香族炭化水素環または複
素環となるのに要する2価の基を示し、例えば、ベンゼ
ン環と縮合してナフタレン環、カルバゾール環、ベンゾ
カルバゾール環、ジベンゾフラン環となる基が挙げられ
る。式[V]で表されるカップラー成分の具体例を第3
表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】
【表10】
【0032】
【表11】
【0033】
【表12】
【0034】
【表13】
【0035】
【表14】
【0036】
【表15】
【0037】下引き層は前述のアゾ化合物とバインダー
ポリマー及び必要に応じて他の有機光導電性化合物、色
素などを溶剤に溶解あるいは分散して得られる塗布液を
塗布乾燥して得られる。バインダーとしてはスチレン、
酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、ビニル
アルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の
重合体および共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカ
ーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタ
ン、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹
脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種あ
るいは2種以上を混合して用いられる。
ポリマー及び必要に応じて他の有機光導電性化合物、色
素などを溶剤に溶解あるいは分散して得られる塗布液を
塗布乾燥して得られる。バインダーとしてはスチレン、
酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、ビニル
アルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の
重合体および共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカ
ーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタ
ン、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹
脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種あ
るいは2種以上を混合して用いられる。
【0038】バインダーポリマーに対するアゾ化合物の
使用比率は、アゾ化合物の種類によりある程度異なるた
め特に制限はないが、一般にはバインダーポリマー10
0重量部に対して30から500重量部の範囲より選択
される。そして、工業上の観点、例えば保存性や塗布性
の点から50から200重量部の範囲がより好ましい。
下引き層の膜厚は、薄すぎると帯電不良抑制に対する効
果が充分でなく、また逆に厚すぎると残留電位の上昇、
あるいは導電性支持体と感光層との間の接着強度の低下
の原因となる。本発明の下引き層の好ましい膜厚は0.
1〜5μmである。
使用比率は、アゾ化合物の種類によりある程度異なるた
め特に制限はないが、一般にはバインダーポリマー10
0重量部に対して30から500重量部の範囲より選択
される。そして、工業上の観点、例えば保存性や塗布性
の点から50から200重量部の範囲がより好ましい。
下引き層の膜厚は、薄すぎると帯電不良抑制に対する効
果が充分でなく、また逆に厚すぎると残留電位の上昇、
あるいは導電性支持体と感光層との間の接着強度の低下
の原因となる。本発明の下引き層の好ましい膜厚は0.
1〜5μmである。
【0039】本発明の感光層は基本的に電荷発生層と電
荷輸送層から構成される積層型が好ましいが、単一の感
光層からなるいわゆる単層分散型でもよい、以下、主に
積層型について説明する。電荷発生物質としては、フタ
ロシアニン化合物を用いる。具体的には、無金属フタロ
シアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜
鉛、バナジウム等の金属、またはその酸化物、水酸化
物、ハロゲン化物の配位したフタロシアニン類が使用さ
れる。特に、感度の高いx型、τ型無金属フタロシアニ
ン、A型、B型、D型等のチタニルフタロシアニン、バ
ナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニ
ン等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロ
シアニンの結晶型のうち、A型、B型についてはW.H
illerらによってそれぞれI相、II相として示され
ており(Z.Kristallogr.,159(19
82)173)、A型は安定型として知られているもの
である。D型は、CuKα線を用いた粉末X線回折にお
いて、回折角2θ±0.2°が27.3°に明瞭なピー
クを示すことを特徴とする結晶型である。
荷輸送層から構成される積層型が好ましいが、単一の感
光層からなるいわゆる単層分散型でもよい、以下、主に
積層型について説明する。電荷発生物質としては、フタ
ロシアニン化合物を用いる。具体的には、無金属フタロ
シアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜
鉛、バナジウム等の金属、またはその酸化物、水酸化
物、ハロゲン化物の配位したフタロシアニン類が使用さ
れる。特に、感度の高いx型、τ型無金属フタロシアニ
ン、A型、B型、D型等のチタニルフタロシアニン、バ
ナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニ
ン等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロ
シアニンの結晶型のうち、A型、B型についてはW.H
illerらによってそれぞれI相、II相として示され
ており(Z.Kristallogr.,159(19
82)173)、A型は安定型として知られているもの
である。D型は、CuKα線を用いた粉末X線回折にお
いて、回折角2θ±0.2°が27.3°に明瞭なピー
クを示すことを特徴とする結晶型である。
【0040】電荷発生層はフタロシアニン化合物の微粒
子(好ましくは平均粒径1μm以下、より好ましくは
0.5μm以下、更に好ましくは0.3μm以下)を例
えばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリア
クリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセ
トアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニル
ブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの
各種バインダー樹脂で結着した形の分散層で使用しても
よい。これらの化合物に対するバインダー樹脂の比率
(重量比)は、これらの化合物1に対して0.2〜5の
範囲で使用される。その膜厚は通常0.1〜2μm、好
ましくは0.1〜0.8μmが好適である。また、電荷
発生層には必要に応じて、塗布性を改善するためのレベ
リング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んで
いてもよい。
子(好ましくは平均粒径1μm以下、より好ましくは
0.5μm以下、更に好ましくは0.3μm以下)を例
えばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリア
クリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセ
トアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニル
ブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの
各種バインダー樹脂で結着した形の分散層で使用しても
よい。これらの化合物に対するバインダー樹脂の比率
(重量比)は、これらの化合物1に対して0.2〜5の
範囲で使用される。その膜厚は通常0.1〜2μm、好
ましくは0.1〜0.8μmが好適である。また、電荷
発生層には必要に応じて、塗布性を改善するためのレベ
リング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んで
いてもよい。
【0041】電荷輸送層は主に電荷輸送材料とバインダ
ー樹脂からなり、電荷輸送材料としては、2,4,7−
トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタンな
どの電子吸引性物質、カルバゾール、インドール、イミ
ダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾー
ル、ピラゾリン、チアジアゾール、などの複素環化合
物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン
誘導体、スチルベン誘導体、あるいはこれらの化合物か
らなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子
供与性物質が挙げられる。これらの電荷輸送材料は単独
でも、複数を混合して用いてもよい。これらの電荷輸送
材料がバインダー樹脂に結着した形で電荷輸送層が形成
される。
ー樹脂からなり、電荷輸送材料としては、2,4,7−
トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタンな
どの電子吸引性物質、カルバゾール、インドール、イミ
ダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾー
ル、ピラゾリン、チアジアゾール、などの複素環化合
物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン
誘導体、スチルベン誘導体、あるいはこれらの化合物か
らなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子
供与性物質が挙げられる。これらの電荷輸送材料は単独
でも、複数を混合して用いてもよい。これらの電荷輸送
材料がバインダー樹脂に結着した形で電荷輸送層が形成
される。
【0042】電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂と
しては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重
合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステル
カーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキ
シ、エポキシ、シリコーン樹脂等が挙げられ、またこれ
らの部分的架橋硬化物も使用できる。これらの樹脂は単
独でも、複数を混合して用いてもよい。バインダー樹脂
と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100
重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜
150重量部の範囲で使用される。また膜厚は一般に5
〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。なお電
荷輸送層には、成膜性、可とう性、塗布性などを向上さ
せるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
レベリング剤などの添加物を含有させてもよい。これら
の下引き層及び感光層は、導電性基体上に浸漬塗布、ス
プレー塗布、ノズル塗布等により形成される。
しては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重
合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステル
カーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキ
シ、エポキシ、シリコーン樹脂等が挙げられ、またこれ
らの部分的架橋硬化物も使用できる。これらの樹脂は単
独でも、複数を混合して用いてもよい。バインダー樹脂
と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100
重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜
150重量部の範囲で使用される。また膜厚は一般に5
〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。なお電
荷輸送層には、成膜性、可とう性、塗布性などを向上さ
せるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
レベリング剤などの添加物を含有させてもよい。これら
の下引き層及び感光層は、導電性基体上に浸漬塗布、ス
プレー塗布、ノズル塗布等により形成される。
【0043】以上のようにして得られた感光体は、長波
長、例えば近赤外光に感度が高く、かつ一回転目より充
分帯電するため、この感光体を用いることにより、感光
体の一回転目から画像形成を行なう電子写真プロセスを
構成出来、一枚目のコピーまたはプリントの速い電子写
真装置を構成出来る。本電子写真方法は少なくとも帯
電、露光、反転現像、転写の各プロセスを含むが、どの
プロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよ
い。帯電方法としては、例えばコロナ放電を利用したコ
ロトロンあるいはスコロトロン帯電、導電性ローラーあ
るいはブラシによる接触帯電などいずれを用いてもよ
い。コロナ放電を利用した帯電方法では暗部電位を一定
に保つためにスコロトロン帯電が用いられることが多
い。現像方法としては極性あるいは非極性の一成分現像
剤、二成分現像剤などを接触あるいは非接触させて現像
する一般的な方法が用いられるが、いずれも明部電位を
現像する反転現像で用いられる。転写方法としては、コ
ロナ放電によるもの、転写ローラーを用いた方法等いず
れでもよい。通常、現像剤を紙などに定着させる定着プ
ロセスが用いられ、定着手段としては一般的に用いられ
る熱定着、圧力定着を用いることができる。これらのプ
ロセスのほかに、クリーニング、除電等のプロセスを有
してもよい。
長、例えば近赤外光に感度が高く、かつ一回転目より充
分帯電するため、この感光体を用いることにより、感光
体の一回転目から画像形成を行なう電子写真プロセスを
構成出来、一枚目のコピーまたはプリントの速い電子写
真装置を構成出来る。本電子写真方法は少なくとも帯
電、露光、反転現像、転写の各プロセスを含むが、どの
プロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよ
い。帯電方法としては、例えばコロナ放電を利用したコ
ロトロンあるいはスコロトロン帯電、導電性ローラーあ
るいはブラシによる接触帯電などいずれを用いてもよ
い。コロナ放電を利用した帯電方法では暗部電位を一定
に保つためにスコロトロン帯電が用いられることが多
い。現像方法としては極性あるいは非極性の一成分現像
剤、二成分現像剤などを接触あるいは非接触させて現像
する一般的な方法が用いられるが、いずれも明部電位を
現像する反転現像で用いられる。転写方法としては、コ
ロナ放電によるもの、転写ローラーを用いた方法等いず
れでもよい。通常、現像剤を紙などに定着させる定着プ
ロセスが用いられ、定着手段としては一般的に用いられ
る熱定着、圧力定着を用いることができる。これらのプ
ロセスのほかに、クリーニング、除電等のプロセスを有
してもよい。
【0044】本電子写真方法においては、画像形成は感
光体の一回転目から行われるが、本電子写真方法におい
て用いられる感光体は、感光体の二回転目以降から画像
形成の行なわれるプロセスにおいても有用である。すな
わち、従来の電荷発生物質としてフタロシアニンを含有
する感光体では、一回転目の帯電圧が低すぎるため、反
転現像で用いると、画像形成を行なっていないにもかか
わらず現像が行なわれてしまい、それが二回転目以降に
行なわれる画像形成に悪影響を及ぼす場合があった。本
電子写真方法に用いられる感光体では、一回転目より充
分帯電するので、このような現象は回避することができ
る。
光体の一回転目から行われるが、本電子写真方法におい
て用いられる感光体は、感光体の二回転目以降から画像
形成の行なわれるプロセスにおいても有用である。すな
わち、従来の電荷発生物質としてフタロシアニンを含有
する感光体では、一回転目の帯電圧が低すぎるため、反
転現像で用いると、画像形成を行なっていないにもかか
わらず現像が行なわれてしまい、それが二回転目以降に
行なわれる画像形成に悪影響を及ぼす場合があった。本
電子写真方法に用いられる感光体では、一回転目より充
分帯電するので、このような現象は回避することができ
る。
【0045】
【実施例】以下実施例により、本発明を具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 下記構造を有するアゾ化合物10重量部を1,2−ジメ
トキシエタン 150重量部に加え、サンドグラインド
ミルにて粉砕分散処理を行なった。
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 下記構造を有するアゾ化合物10重量部を1,2−ジメ
トキシエタン 150重量部に加え、サンドグラインド
ミルにて粉砕分散処理を行なった。
【0046】
【化6】
【0047】また、ポリビニルブチラール(積水化学工
業(株)製、商品名エスレックBH−3)の4%1,2
−ジメトキシエタン溶液100重量部およびフェノキシ
樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)の4
%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部を混合し
てバインダー溶液を作製した。先に作製した顔料分散液
160重量部に、バインダー溶液200重量部、1,2
−ジメトキシエタン90重量部を加え、最終的に固形分
濃度4.0%の分散液を作製した。この分散液を、75
μmの膜厚のポリエステルフィルムに蒸着されたアルミ
蒸着膜の上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるようにワ
イヤーバーで塗布した後、乾燥して下引き層を形成し
た。
業(株)製、商品名エスレックBH−3)の4%1,2
−ジメトキシエタン溶液100重量部およびフェノキシ
樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)の4
%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部を混合し
てバインダー溶液を作製した。先に作製した顔料分散液
160重量部に、バインダー溶液200重量部、1,2
−ジメトキシエタン90重量部を加え、最終的に固形分
濃度4.0%の分散液を作製した。この分散液を、75
μmの膜厚のポリエステルフィルムに蒸着されたアルミ
蒸着膜の上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるようにワ
イヤーバーで塗布した後、乾燥して下引き層を形成し
た。
【0048】次に、図1に示す粉末X線回折スペクトル
を有するオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を
1,2−ジメトキシエタン 150重量部に加え、サン
ドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない顔料分散液
を作成し、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有する
オキシチタニウムフタロシアニンについても全く同様に
して顔料分散液を作製した。このようにして作製した図
1に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニ
ウムフタロシアニンの顔料分散液160重量部のうちの
112重量部と、図2に示す粉末X線回折スペクトルを
有するオキシチタニウムフタロシアニンの顔料分散液1
60重量部のうちの48重量部を混合し、こうして得ら
れた160重量部の顔料分散液をポリビニルブチラール
(電気化学工業(株)製、商品名#6000−C)の5
%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部に加え、
最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作製した。この
分散液を、下引き層上に乾燥後の膜厚が0.5μmとな
るようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥して電荷発生
層を形成した。次に、下記構造を有するヒドラゾン化合
物70重量部
を有するオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を
1,2−ジメトキシエタン 150重量部に加え、サン
ドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない顔料分散液
を作成し、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有する
オキシチタニウムフタロシアニンについても全く同様に
して顔料分散液を作製した。このようにして作製した図
1に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニ
ウムフタロシアニンの顔料分散液160重量部のうちの
112重量部と、図2に示す粉末X線回折スペクトルを
有するオキシチタニウムフタロシアニンの顔料分散液1
60重量部のうちの48重量部を混合し、こうして得ら
れた160重量部の顔料分散液をポリビニルブチラール
(電気化学工業(株)製、商品名#6000−C)の5
%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部に加え、
最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作製した。この
分散液を、下引き層上に乾燥後の膜厚が0.5μmとな
るようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥して電荷発生
層を形成した。次に、下記構造を有するヒドラゾン化合
物70重量部
【0049】
【化7】
【0050】および、特開平3−221962号公報の
実施例中に記載された製造法により製造された、ふたつ
の繰り返し構造単位を有する下記ポリカーボネート樹脂
(モノマーモル比1:1)100重量部をテトラヒドロ
フラン1000重量部に溶解させた液を、電荷発生層上
に乾燥後の膜厚が25μmとなるようアプリケーターで
塗布し、電荷輸送層を設けた。
実施例中に記載された製造法により製造された、ふたつ
の繰り返し構造単位を有する下記ポリカーボネート樹脂
(モノマーモル比1:1)100重量部をテトラヒドロ
フラン1000重量部に溶解させた液を、電荷発生層上
に乾燥後の膜厚が25μmとなるようアプリケーターで
塗布し、電荷輸送層を設けた。
【0051】
【化8】
【0052】このようにして得られた感光体フィルム
を、外径65mm、長さ348mmのアルミニウムシリ
ンダーに巻き付けることで、感光体ドラムとした。この
ようにして得られたドラムを感光体Aとする。
を、外径65mm、長さ348mmのアルミニウムシリ
ンダーに巻き付けることで、感光体ドラムとした。この
ようにして得られたドラムを感光体Aとする。
【0053】比較例1 下引き層を設けないこと以外は、実施例1と同様にして
感光体Bを得た。これら感光体A,Bを、反転現像用に
改造した、感光体の一回転目からコピープロセスの行な
われる、プロセス速度が190mm/secの複写機に
装着し感光体表面電位測定装置をとりつけて、帯電、露
光、除電のみのプロセスを5000コピープロセス(A
4横送りで5万枚コピー相当)繰り返した。ウォーミン
グアップ動作(画像形成に先立つ感光体前回転等)を行
なわせないため複写機の電源を投入したまま1時間放置
後、コピーボタンを押して黒地部とハーフトーン部を持
った原稿に対してコピープロセスを行なわせ、この時の
感光体の未露光部(黒地部)およびハーフトーン部の表
面電位を測定した。この結果を表4に示す。
感光体Bを得た。これら感光体A,Bを、反転現像用に
改造した、感光体の一回転目からコピープロセスの行な
われる、プロセス速度が190mm/secの複写機に
装着し感光体表面電位測定装置をとりつけて、帯電、露
光、除電のみのプロセスを5000コピープロセス(A
4横送りで5万枚コピー相当)繰り返した。ウォーミン
グアップ動作(画像形成に先立つ感光体前回転等)を行
なわせないため複写機の電源を投入したまま1時間放置
後、コピーボタンを押して黒地部とハーフトーン部を持
った原稿に対してコピープロセスを行なわせ、この時の
感光体の未露光部(黒地部)およびハーフトーン部の表
面電位を測定した。この結果を表4に示す。
【0054】
【表16】
【0055】実施例の感光体Aにおいては、一回転目と
二回転目の電位の差は、未露光部(黒地部)では149
V、ハーフトーン部では57Vと小さいのに対し、比較
例の感光体Bにおいては、それぞれ190V、101V
となっている。この感光体Bの電位差は、画像上、反転
現像ゆえの一回転目部分での白地画像のカブリ、あるい
は一回転目部分と二回転目部分でのハーフトーン画像の
濃度差を引き起こし、使用に適さないものとなる。した
がって実用上、比較例の感光体Bは一回転目から使用す
るプロセスに用いることは出来ない。これに対し、本発
明の感光体Aにおいてはこのような問題がなく、感光体
の一回転目から画像形成に用いる電子写真プロセスにお
いて良好な画像を得ることが出来る。
二回転目の電位の差は、未露光部(黒地部)では149
V、ハーフトーン部では57Vと小さいのに対し、比較
例の感光体Bにおいては、それぞれ190V、101V
となっている。この感光体Bの電位差は、画像上、反転
現像ゆえの一回転目部分での白地画像のカブリ、あるい
は一回転目部分と二回転目部分でのハーフトーン画像の
濃度差を引き起こし、使用に適さないものとなる。した
がって実用上、比較例の感光体Bは一回転目から使用す
るプロセスに用いることは出来ない。これに対し、本発
明の感光体Aにおいてはこのような問題がなく、感光体
の一回転目から画像形成に用いる電子写真プロセスにお
いて良好な画像を得ることが出来る。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば感光層が
電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を含有するこ
とにより、長波長に感度が高く、さらに感光層と導電性
支持体との間に一般式[I]で示されるアゾ化合物を含
有する下引き層を設けることより、一回転目より充分帯
電する感光体が得られ、この感光体を用いることによ
り、感光体の一回転目から画像形成を行なう電子写真プ
ロセスを構成でき、一枚目のコピーまたはプリントの速
い電子写真装置を構成できる。
電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を含有するこ
とにより、長波長に感度が高く、さらに感光層と導電性
支持体との間に一般式[I]で示されるアゾ化合物を含
有する下引き層を設けることより、一回転目より充分帯
電する感光体が得られ、この感光体を用いることによ
り、感光体の一回転目から画像形成を行なう電子写真プ
ロセスを構成でき、一枚目のコピーまたはプリントの速
い電子写真装置を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いられるオキシチタニウムフタロシ
アニンのX線回折図
アニンのX線回折図
【図2】実施例で用いられるオキシチタニウムフタロシ
アニンのX線回折図
アニンのX線回折図
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも、帯電、露光、反転現像、転
写の各プロセスを、感光体に対して行なう電子写真方法
において、該感光体は導電性支持体上に感光層を有し、
該感光層は電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を
含有し、さらに該感光層と導電性支持体との間に下記一
般式[I]で示されるアゾ化合物を含有する下引き層を
設け、該感光体の一回転目から画像形成を行なうことを
特徴とする電子写真方法。 【化1】 (ただし、式中、CP1 ,CP2 はそれぞれ、芳香族環
を有するカップラー成分を表す。CP1 ,CP2 は同一
でも異なっていてもよい。R1 ,R2 は、それぞれ、水
素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、またはハロ
ゲン原子を示す。) - 【請求項2】 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層を
有し、該電荷発生層がフタロシアニン化合物を含有し、
さらに該電荷発生層と導電性支持体との間に一般式
[I]で示されるアゾ化合物を含有する下引き層を設け
たことを特徴とする請求項1記載の電子写真方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31357596A JPH10153871A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 電子写真方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31357596A JPH10153871A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 電子写真方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10153871A true JPH10153871A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18042969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31357596A Pending JPH10153871A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 電子写真方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10153871A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005116777A1 (ja) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Canon Kabushiki Kaisha | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
-
1996
- 1996-11-25 JP JP31357596A patent/JPH10153871A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005116777A1 (ja) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Canon Kabushiki Kaisha | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
US7097950B2 (en) | 2004-05-27 | 2006-08-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus |
US7452644B2 (en) | 2004-05-27 | 2008-11-18 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus |
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