JPH1116661A - 加熱制御装置および画像形成装置 - Google Patents

加熱制御装置および画像形成装置

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JPH1116661A
JPH1116661A JP10114848A JP11484898A JPH1116661A JP H1116661 A JPH1116661 A JP H1116661A JP 10114848 A JP10114848 A JP 10114848A JP 11484898 A JP11484898 A JP 11484898A JP H1116661 A JPH1116661 A JP H1116661A
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    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置および加熱装置に関し、通電開
始時の突入電流による他の機器への影響を軽減するこ
と。 【解決手段】 駆動パルス生成回路11の温調回路7か
らの信号に基づく制御により、定着ヒータ3への通電状
態開始から所定期間は、定着ヒータ3への電力を制限す
るようにスイッチ素子4がスイッチングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒータに通電し、
負荷を加熱する加熱制御装置およびそれを使用可能な画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンタ等の電子写真方式を用
いた画像形成装置において、感光ドラム(回転感光体)
上に形成された静電潜像は、現像装置により現像剤(以
下トナー)を付着させることで可視像(以下トナー像)
となる。そして、このトナー像を転写装置により記録用
紙に転写し、記録用紙に転写されたトナー像を定着装置
により記録用紙に定着させることで永久画像を形成して
いる。
【0003】この定着装置の定着方式は、ヒータを熱源
として加熱される定着ローラからの熱エネルギにより記
録用紙上のトナーを溶かし、定着ローラの圧力で記録用
紙の繊維の中に融け込ませる熱定着が一般的である。
【0004】図15は熱定着方式の定着装置において熱
源として用いられる定着ヒータの通電制御を行う従来の
画像形成装置の要部回路の構成を示すブロック図であ
る。
【0005】図15において、1,2は商用交流電源に
接続された入力端子であり、交流電源が入力される。入
力端子1,2間には定着ヒータ3とスイッチ素子4から
なる直列回路が接続されており、商用交流電源から電力
が供給されている。この定着ヒータ3は、図示しない定
着ローラの軸方向に延在するように内蔵されており、抵
抗値が正の温度係数を有する数百W〜1KW程度のハロ
ゲンランプ等が一般に用いられている。また、スイッチ
素子4にはSSR(ソリッド・ステート・リレー)やフ
ォトトライアックとトライアックで構成された絶縁型ス
イッチ回路等が用いられる。
【0006】6は上記した直列回路の両端に接続された
ゼロクロス検知回路であり、この直列回路に入力端子
1,2から供給される商用交流電源のゼロクロスを検出
している。5は定着ローラ表面の極く近傍に配置された
温度検出素子であり、インピーダンスが既知の温度係数
を有するサーミスタ等が用いられる。これにより常に定
着ローラの表面温度を検出し、温度検出信号を温調回路
7へ出力することができる。
【0007】温調回路7は、温度検出信号に基づいてス
イッチ素子4をスイッチング制御して定着ヒータ3のオ
ン/オフタイミングを制御し、これにより、定着ローラ
表面の温度を所定温度範囲内に保つように温度制御する
ため、ヒータオン/オフ信号を駆動パルス生成回路12
に出力する。すなわち、定着ローラの表面温度が上昇し
制御範囲の上限値になるとオフ信号を出力し、オフした
後に定着ローラの表面温度が低下し温度制御範囲の下限
値になるとオン信号を出力する。
【0008】駆動パルス生成回路12は、このヒータオ
ン/オフ信号とゼロクロス検知回路6からの出力を入力
とし、それぞれの値に基づき定着ローラの表面温度があ
る温度内に制御されるようにスイッチ素子4をスイッチ
ング制御するための駆動パルスを出力する。
【0009】ここで、図7の回路の動作を説明する。
【0010】入力端子1,2に商用交流電源が入力され
ると、図示しない電源回路により直流電源が生成され、
上記の各構成要素4,6,7,12に供給される。温度
検出素子5が定着ローラの表面温度を検出して温調回路
7に温度検出信号を出力すると、温調回路7では、検出
された定着ローラの表面温度が予め設定した制御範囲の
下限値温度より下回っている時はオン信号を駆動パルス
生成回路12に出力し、定着ローラの表面温度が徐々に
上昇し予め設定した制御範囲の上限値温度になるとオフ
信号を出力し、前述の通り駆動パルス生成回路12に出
力する。
【0011】一方、ゼロクロス検知回路6は常に商用交
流電源のゼロクロスを検知し、駆動パルス生成回路12
にゼロクロス信号を出力する。
【0012】駆動パルス生成回路12は、温調回路7か
ら入力されるオン信号およびオフ信号に応じ、ゼロクロ
ス検知回路6の出力であるゼロクロス信号と同期してス
イッチ素子4をオンさせたりオフさせるための駆動パル
スを生成してスイッチ素子4に出力し、これによりスイ
ッチ素子4をスイッチング制御する。スイッチ素子4の
スイッチングにより、定着ヒータ3への間欠的な通電タ
イミングが制御される。
【0013】したがって、商用交流電源から定着ヒータ
3に流れる電流は、必ず商用交流電源のゼロクロスと同
期して流れ始めるように制御される。かつ、定着ローラ
の表面温度はある一定範囲内に保たれるように制御され
る。
【0014】図8は定着ヒータ3に流れる電流と駆動パ
ルスとの関係を示す波形図である。
【0015】図8において、(A)は定着ヒータ3に流
れる電流波形Lin2であり、Fは商用周波数の一周期
を示す。(B)は駆動パルスであり、ハイレベル(to
n)期間はスイッチ素子4がオンし、ローレベル(to
ff)期間はスイッチ素子4がオフする。また、(C)
は電流波形Lin2を商用周波数の1/2周期毎に実効
値換算した値Lin2rmsを示す。
【0016】toff期間はスイッチ素子4がオフして
いるので定着ヒータ3には通電されず、電力は供給され
ない。この定着ヒータ3は定着ローラに内蔵されてお
り、定着ローラは熱容量が大きいのに対して定着ヒータ
3は熱容量が小さいため、定着ローラの表面温度低下は
遅いが、定着ヒータ3の温度低下は速い。このため、定
着ヒータ3はtoff期間は発熱しないので温度が低下
し、その抵抗値は極めて低い状態となっている。
【0017】そして、定着ローラの表面温度が低下した
状態で駆動パルスがハイレベルになって定着ヒータ3に
商用交流電源が供給され始めると、極めて低い抵抗値に
商用電源が供給されることになる。したがって、通電開
始時には、図16(A)の様に定常時に対し極めて大き
な突入電流が流れてしまう。そして、ton期間中に定
着ヒータ3の温度が上昇してその抵抗値が上昇するのに
従い、図16(A)の電流は定常状態に収束していく。
【0018】このときの電流波形Lin2を実効値換算
した値Lin2rmsは、図16(C)の様に変化す
る。定常状態の換算した実効値STに対する突入時の換
算した実効値RS3 は、定着ローラの温度制御範囲(定
着ヒータ3への通電を開始する温度と停止する温度)に
大きく関係する。つまり、駆動パルスのハイレベル期間
とローレベル期間の長さに関係し、ローレベル期間が短
ければ突入時ピークのRS3 の値も下がり、ローレベル
期間が長くなるに従ってRS3 の値は増加する。そし
て、ローレベル期間がある一定期間以上に長くなると定
着ヒータ3の温度が下がりきるため、RS3 の値は飽和
する。図16の例では、スイッチ素子4がオフからオン
になる時に定着ヒータ3に流れる突入時ピーク電流の値
RS3 は、定常時の実効値換算値STの数倍にも変化す
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のヒータ制御回路を内蔵したプリンタや複写機等の画
像形成装置では、商用電源の供給が開始する突入時にR
3 で表されるピーク電流が流れるので、商用交流電源
を供給する屋内配線等の電源通路のインピーダンスが十
分に低くないと、このインピーダンスにより商用交流電
源に瞬間的に大きな電圧降下が発生する場合がある。こ
のとき、同一の配線を使用して商用交流電源を供給され
る他の機器等に悪影響を及ぼしてしまうことがある。た
とえばその一つとして、瞬間的な電圧降下により照明機
器の照度が一瞬だけ低下するフリッカと呼ばれるチラツ
キ現象がある。このような電圧降下の影響を防ぐために
は、電源通路のインピーダンスを十分に低くするか、複
雑で高価な回路構成を用いた構成によって電圧降下を発
生させないようにする必要があった。
【0020】また、近年ヒータを2本設けた構成の定着
装置も考えられているが、2本ヒータ構成の定着装置で
も上記と同様の問題点がある。
【0021】そこで、本発明の目的は、簡単で安価な構
成によりヒータオン時の突入電流の実効値を制限できる
加熱制御装置および画像形成装置を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、通電開始時の電圧降下を低減
する加熱制御装置および画像形成装置を提供することに
ある。
【0022】さらに、本発明の他の目的は、フリッカ現
象を軽減する加熱制御装置および画像形成装置を提供す
ることにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、負荷を加熱するヒータと、前記
ヒータにより加熱される負荷の温度を検出するセンサ
と、前記センサの出力が目標温度範囲内になるように前
記ヒータの駆動を制御するための制御信号を発生する温
調回路と、前記ヒータを固定の位相角で位相制御するた
めの駆動パルスを発生する第1の発生回路と、前記ヒー
タをフル駆動するための駆動パルスを発生する第2の発
生回路と、前記温調回路から出力される制御信号に基づ
いて前記ヒータを駆動するとき、駆動開始から所定期間
は前記第1の発生回路からの駆動パルスに基づいて上記
ヒータを駆動するように、前記第1の発生手段からの駆
動パルスを選択する選択回路とを具えたことを特徴とす
る。
【0024】請求項2の発明は、請求項1に記載の加熱
制御装置において、前記選択手段は、前記所定期間経過
後前記第2の発生回路からの駆動パルスを選択すること
を特徴とする。
【0025】請求項3の発明は、請求項1に記載の加熱
制御装置において、前記ヒータに印加する交流のゼロク
ロスを検知する検知回路を有し、前記第1の発生回路
は、前記検知回路により検知される交流のゼロクロスに
同期した駆動パルスを発生することを特徴とする。
【0026】請求項4の発明は、負荷を加熱するヒー
タ、前記ヒータにより加熱される負荷の温度を検出する
センサと、前記センサの出力が目標温度範囲内になるよ
うに前記ヒータの駆動開始と停止を指示する温調回路
と、前記温調回路により前記ヒータの駆動開始が指示さ
れると、前記ヒータへの通電開始から所定期間は固定の
位相角で前記ヒータを位相制御する駆動手段とを具えた
ことを特徴とする。
【0027】請求項5の発明は、請求項4に記載の加熱
制御装置において、前記ヒータに印加される交流をオン
オフするスイッチ素子を有し、前記駆動手段は前記所定
期間経過後は位相制御から非位相制御に切り換えること
を特徴とする。
【0028】請求項6の発明は、請求項4に記載の加熱
制御装置において、前記ヒータに印加される交流のゼロ
クロスを検出する第2の検出手段を有し、前記駆動手段
は前記第2の検出手段により検出されるゼロクロスのタ
イミングに同期して位相制御のための駆動パルスを発生
することを特徴とする。
【0029】請求項7の発明は、請求項4に記載の加熱
制御装置において、さらに、記録紙にトナー像を形成す
る像形成手段と、前記ヒータにより加熱され、トナー像
を記録紙に定着する定着手段を有し、前記駆動手段は像
形成動作中に前記位相制御を行う場合の位相角を非像形
成動作中に前記位相制御を行う場合の位相角よりも大き
くすることを特徴とする。
【0030】請求項8の発明は、請求項4に記載の加熱
制御装置において、前記駆動手段は、前記検出手段によ
り検出される温度が目標温度範囲の上限よりも低い所定
温度まで上昇すると非位相制御に切り換えることを特徴
とする。
【0031】請求項9の発明は、請求項4に記載の加熱
制御装置において、前記ヒータの非通電時間を検出する
検出手段を有し、前記検出手段により検出される非通電
時間が第1の所定時間を超えた場合、その後前記温調回
路により前記ヒータの駆動開始が指示されると、前記駆
動手段は、前記ヒータへの通電時間から第2の所定期間
は固定の位相角で前記ヒータを位相制御することを特徴
とする。
【0032】請求項10の発明は、請求項9に記載の加
熱制御装置において、前記検出手段により検出される非
通電時間が第1の所定時間を超えていない場合、その後
前記温調回路により前記ヒータの駆動開始が指示される
と、前記駆動手段は非位相制御で前記ヒータを駆動する
ことを特徴とする。
【0033】請求項11の発明は、請求項4に記載の加
熱制御装置において、前記ヒータは第1、第2のヒータ
を有し、前記駆動手段は第1のヒータを位相制御により
駆動することを特徴とする。
【0034】請求項12の発明は、通電されることで発
熱するヒータと、前記ヒータによって加熱されて回転感
光体上のトナー像を記録媒体に定着させる定着ローラ
と、交流電源が入来する端子間に前記ヒータと直列に接
続されたスイッチ手段と前記定着ローラの温度を検出す
る温度検出手段と、当該検出温度が低下して所定温度範
囲のほぼ下限値になると前記スイッチ手段をオンさせて
前記ヒータを通電状態として発熱を開始させ、当該検出
温度が上昇して前記所定温度範囲のほぼ上限値になると
前記スイッチ手段をオフさせて前記ヒータを非通電状態
として前記発熱を停止させる通電タイミング制御手段と
を備え、前記記録媒体に画像形成を行う画像形成装置で
あって、前記通電タイミング制御手段の制御により、前
記通電状態開始から第1の所定期間は、前記ヒータへの
電力を制限することを特徴とする。
【0035】請求項13の発明は、請求項12に記載の
画像形成装置において、前記通電タイミング制御手段が
前記ヒータの非通電時間を検出し、非通電時間が第2の
所定期間を越えた場合に、その後、次にヒータが導通す
る時に通電状態開始から第1の所定期間は、前記ヒータ
への電力を制限することを特徴とする。
【0036】請求項14の発明は、請求項13に記載の
画像形成装置において、前記ヒータの本数が1本であ
り、前記非通電時間が前記第2の所定期間を越えた場合
に、その後次にヒータが導通する時、前記通電状態開始
から第1の所定期間は、前記ヒータへの電力を制限する
ことを特徴とする。
【0037】請求項15の発明は、請求項13に記載の
画像形成装置において、前記ヒータの本数が2本以上の
複数本であり、前記通電タイミング制御手段の制御によ
り、前記複数本のヒータの内の1本のヒータのみにおい
て非通電時間を検出し、前記非通電時間が前記第2の所
定期間を越えた場合に、その後次に前記複数本のヒータ
の内1本のヒータが導通する時に前記通電状態開始から
第1の所定期間は、前記複数本のヒータの内1本のヒー
タへの電力を制限することを特徴とする。
【0038】請求項16の発明は、請求項13〜15の
いずれかに記載の画像形成装置において、前記通電タイ
ミング制御手段は前記交流電源のゼロクロスを検知する
手段をさらに備え、前記第1の所定期間に前記交流電源
から前記ヒータに流れる電流の導通角が前記通電状態の
他の期間より小さくなるように、前記ゼロクロスを検知
する手段の検知出力に同期して前記スイッチ制御手段に
よる前記スイッチング制御を行うことを特徴とする。
【0039】請求項17の発明は、請求項13〜16の
いずれかに記載の画像形成装置において、前記通電タイ
ミング制御手段は、検出した前記ヒータ非通電時間に基
づき、前記第1の所定期間における前記導通角を変化さ
せることを特徴とする。
【0040】請求項18の発明は、請求項13〜17の
いずれかに記載の画像形成装置において、前記通電タイ
ミング制御手段は、検出した前記ヒータ非通電時間に基
づき、前記第1の所定期間を変化させることを特徴とす
る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を詳細に説明する。
【0042】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態に係わる画像形成装置の要部回路を示すブ
ロック図である。
【0043】図1において、1,2は商用交流電源に接
続された入力端子であり、交流電源が入力される。入力
端子1,2間には定着ヒータ3とスイッチ素子4からな
る直列回路が接続されており、商用交流電源から電力が
供給されている。この定着ヒータ3は、図示しない定着
ローラの軸方向に延在するように内蔵されており、抵抗
値が正の温度係数を有する数百W〜1KW程度のハロゲ
ンランプ等が一般に用いられている。また、スイッチ素
子4にはSSR(ソリッド・ステート・リレー)やフォ
トトライアックとトライアックで構成された絶縁型スイ
ッチ回路等が用いられる。なお、定着ローラは、記録媒
体上に転写されたトナー像を記録媒体に定着させるもの
である。
【0044】6は上記した直列回路の両端に接続された
ゼロクロス検知回路であり、この直列回路に入力端子
1,2から供給される商用交流電源のゼロクロスを検出
している。5は定着ローラ表面の極く近傍に配置された
温度検出素子であり、インピーダンスが既知の温度係数
を有するサーミスタ等が用いられる。これにより常に定
着ローラの表面温度を検出し、温度検出信号を温調回路
7へ出力することができる。
【0045】温調回路7は、温度検出信号に基づいてス
イッチ素子4をスイッチング制御して定着ヒータ3のオ
ン/オフタイミングを制御することで、定着ローラ表面
の温度を所定温度範囲内に保つように温度制御するため
のヒータオン/オフ信号を出力する。すなわち、定着ロ
ーラの表面温度が上昇し制御範囲の上限値になるとロー
レベルになり、定着ローラの表面温度が低下し温度制御
範囲の下限値になるとハイレベルとなる信号を、駆動パ
ルス生成回路11を構成するフル点灯用駆動パルス生成
回路9とセレクタ10に出力する。この駆動パルス生成
回路11はさらに、位相制御用駆動パルス生成回路8を
構成要素としている。
【0046】フル点灯用駆動パルス生成回路9は、温調
回路7の出力を所定時間遅延させ、セレクタ10にフル
点灯用駆動パルスを出力している。また、位相制御用駆
動パルス生成回路8は、ゼロクロス検知回路6の出力を
入力とし、セレクタ10に位相制御用駆動パルスを出力
している。
【0047】セレクタ10は、温調回路7とフル点灯用
駆動パルス生成回路9の各出力信号に基づき、ヒータオ
ン/オフ信号、位相角制御用駆動パルス、そしてフル点
灯用駆動パルスのいずれかを選択し、スイッチ素子4の
駆動パルスとして出力する。この駆動パルスによってス
イッチ素子4がスイッチング制御され、このスイッチン
グタイミングに応じて間欠的に定着ヒータ3に電流が流
れることで、定着ローラの表面温度が所定温度制御範囲
内に保たれる。
【0048】ここで、図1の回路の動作を図2のタイミ
ングチャートとともに説明する。
【0049】図2において、(A)は入力端子1,2間
の商用交流電源電圧einであり、Fは商用周波数の一周
期を示す。(B)は温度検出素子5による検出温度Ts
を示し、ここでTaは温調回路7で設定する定着ローラ
の表面温度の制御範囲の下限値、Tbはこの制御範囲の
上限値である。(C)は、図1中のa点のゼロクロス検
知回路6の出力であるゼロクロス信号の波形を示す。
(D)は、図1中のb点の位相制御用駆動パルス生成回
路8の出力である位相制御用駆動パルスの波形を示す。
(E)は、図1中のc点の温調回路7の出力であるヒー
タオン/オフ信号の波形を示す。(F)は、図1中のd
点のフル点灯用駆動パルス生成回路9の出力であるフル
点灯用駆動パルスの波形を示す。(G)は、図1中のe
点のセレクタ10の出力波形を示す。
【0050】入力端子1,2に商用交流電源が入力され
ると、図示しない電源回路により直流電源が生成され、
上記の各構成要素4,6,7,8,9,10に供給され
る。温度検出素子5が定着ローラの表面温度を検出して
温調回路7に温度検出信号Tsを出力すると、温調回路
7では、検出された定着ローラの表面温度が予め設定し
た制御範囲の下限値を下回るとハイレベル、予め設定し
た制御範囲の上限値を上回るとローレベルとなるヒータ
オン/オフ信号(図2(E))を出力する。
【0051】ゼロクロス検知回路6は常に入力端子1,
2に接続された商用交流電源の電源電圧ein(図2
(A))のゼロクロスを検知し、位相制御用駆動パルス
生成回路8にゼロクロス信号(図2(C))を出力す
る。位相制御用駆動パルス生成回路8は、このゼロクロ
ス信号に基づき、位相制御用駆動パルス(図2(D))
を出力する。
【0052】フル点灯用駆動パルス生成回路9は、温調
回路7からのヒータオン/オフ信号に基づき、この信号
のt1 (t4 )における立ち上がりから一定期間(図2
中P1)遅れてt2 (t5 )においてハイレベルとなる
フル点灯用駆動パルス(図2(F))を出力する。この
フル点灯用駆動パルスと上記ヒータオン/オフ信号の立
ち下がりは、t3 においてそれぞれゼロクロスと同期す
る。
【0053】セレクタ10には、温調回路7、位相制御
用駆動パルス生成回路8、およびフル点灯用駆動パルス
生成回路9より、それぞれヒータオン/オフ信号、位相
制御用駆動パルス、およびフル点灯用駆動パルスが入力
される。
【0054】セレクタ10は、ヒータオン/オフ信号の
ローレベル期間では駆動パルス(図2(G))をローレ
ベルとしてスイッチ素子4をオフさせることで、定着ヒ
ータ3を非通電状態にする。また、ヒータオン/オフ信
号のハイレベル期間では定着ヒータ3を通電状態にする
ようにスイッチ素子4に駆動パルスを出力する。
【0055】すなわち、駆動パルス生成回路11はヒー
タオン/オフ信号がハイレベルとなって通電状態を開始
してから一定期間P1(t1 〜t2 )は位相制御用駆動
パルスを出力し、ハイレベル期間の残りの期間(t2
3 )はフル点灯用駆動パルスを出力する。この位相制
御用駆動パルスは、ゼロクロス信号に同期して商用周波
数の周期Fよりも短い期間ハイレベルとなる信号であ
り、一定期間P1は位相制御用駆動パルスのハイレベル
期間だけスイッチ素子4がオンする。また、通電状態の
残りの期間は、商用周波数の周期Fの間連続して、すな
わちt2 〜t3 の間連続してスイッチ素子4がオンす
る。
【0056】このようにしてスイッチ素子4がスイッチ
ング制御されることで定着ヒータ3に電力が供給され、
定着ローラの表面温度が低下して下限値Taになると定
着ヒータ3を通電状態とし、上昇して上限値Tbになる
と定着ヒータ3を非通電状態とすることで、定着ローラ
を所定温度範囲に温度制御する。ここで通電状態とは一
定期間P1も含み、定着ヒータ3を発熱させている状態
を言う。
【0057】図3は定着ヒータ3に流れる電流とセレク
タ10からの駆動パルスとの関係を示す波形図である。
【0058】図3において、(A)は定着ヒータ3に流
れる電流波形Lin1であり、Fは商用周波数の一周期
を示す。(B)はセレクタ10から出力される駆動パル
スであり、ハイレベル(ton)期間はスイッチ素子4
がオンし、ローレベル(toff)期間はスイッチ素子
4がオフする。また、(C)は電流波形Lin1を商用
周波数の1/2周期毎に実効値換算した値Lin1rm
sを示す。
【0059】toff期間はスイッチ素子4が常にオフ
しているので定着ヒータ3には通電されず、電力は供給
されない。この定着ヒータ3は定着ローラに内蔵されて
おり、定着ローラは熱容量が大きいのに対して定着ヒー
タ3は熱容量が小さいため、定着ローラの表面温度低下
は遅いが、定着ヒータ3の温度低下は速い。このため、
定着ヒータ3はtoff期間は発熱しないので温度が低
下し、その抵抗値は極めて低い状態となっている。
【0060】そして、定着ローラの表面温度が低下した
状態でt1 以降駆動パルス(図3(B))がハイレベル
となって定着ヒータ3に商用交流電源電流Lin1が供
給され始め通電状態を開始する。このとき、駆動パルス
はある固定の導通角の位相制御により定着ヒータ3に流
れる電流を制限する位相制御用駆動パルスとなっている
ため、極めて低い抵抗値の定着ヒータ3に電流Lin1
が供給されても、定着ヒータ3に流れる突入電流を商用
周波数の1/2周期毎に実効値換算した値RS1 を図8
の従来例の突入時ピーク電流の値RS3 と比較して数分
の1(位相制御の導通角に依存する)にすることが可能
になる。
【0061】そして、一定期間P1の間位相制御用駆動
パルスにより固定の位相角で位相制御が行われ、その間
にも定着ヒータ3の温度は上昇し抵抗値が徐々に大きく
なっていくため、一定期間P1経過したt2 からフル点
灯用駆動パルスにより定着ヒータ3に電力を供給してP
2の期間フル点灯(連続点灯)となっても、t2 時点で
の再突入電流を商用周波数の1/2周期毎に実効値換算
した値RS2 は図8の突入時ピーク電流の値RS3 より
小さく、また定常時の実効値換算値STに対する変化幅
(RS2 −ST)は(RS3 −ST)よりさらに小さく
なっている(図3(C))。
【0062】このように、検出した定着ローラの表面温
度に基づき生成されるヒータオン/オフ信号によってハ
ロゲンヒータである定着ヒータ3が非通電状態から通電
状態に変化する度に、ある一定期間は定着ヒータ3に供
給する電力を固定の位相角での位相制御により制限する
ことで、通電状態開始時の突入電流の商用周波数1/2
周期毎の実効値を低減することができる。
【0063】したがって、上記構成の加熱装置を内蔵し
たプリンタや複写機等の画像形成装置、または上記構成
の加熱装置に商用交流電源を供給するための屋内配線等
の電源通路のインピーダンスによる電源電圧の瞬間的な
電圧降下を低減することが可能であり、上記各装置の近
傍で同一の電源通路を共通に使用する他の機器への影響
を低減することができる。たとえば、照明機器の照度低
下を軽減しフリッカ(照明機器のチラツキ)を軽減する
ことができる効果がある。
【0064】また、固定の位相角で位相制御を行うこと
により、位相角を徐々に大きくしていく方法に比べ、回
路構成を簡単にでき、かつ、発生するノイズを小さくで
きる。
【0065】(第2の実施の形態)図4は本発明の第2
の実施の形態に係わる画像形成装置の要部回路を示すブ
ロック図である。図4において、上述した図1の回路と
同一部分には同一の符号が付してある。
【0066】図4の構成は、温度検出素子5によって検
出した定着ローラの表面温度に応じて位相制御の期間を
変化させるようにした点で、図1のものと相異する。具
体的には、温調回路7aおよび、駆動パルス生成回路1
1の構成要素であるフル点灯用駆動パルス生成回路9a
が機能的に相異する。
【0067】以下、図4中の各部の信号を示すタイミン
グチャートである図5を参照し、この相異点について説
明する。
【0068】図5において、温度検出素子5aによる検
出温度Tsを示す(B),温調回路7aからのc1 点に
おける別の出力を示す(F),e点におけるセレクタ出
力を示す(G)のみが図2のタイミングチャートと相異
し、他は同一である。
【0069】図5(B)に示すように温調回路7aは、
定着ローラの温度制御範囲の上限値Taと下限値Tbだ
けでなく、上限値Taと下限値Tbの間の所定温度Tc
を検出している。
【0070】温度検出素子5により定着ローラの表面温
度を検出し、温調回路7aに温度検出信号Tsを出力す
る。温調回路7aは、定着ローラの表面温度がTaに低
下したことをt6 (t9 )において検出すると、セレク
タ10へ出力するヒータオン/オフ信号(c)をハイレ
ベルとする(図5(E))。
【0071】セレクタ10は、温調回路7aからのヒー
タオン/オフ信号がハイレベルになると、位相制御用駆
動パルス生成回路8の出力である位相制御用駆動パルス
(図5(D))をスイッチ素子4へ駆動パルスとして出
力する。これにより、位相制御により定着ヒータ3に電
力が供給される。
【0072】そして、定着ヒータ3によって加熱された
定着ローラの表面温度が上昇して所定温度Tcに上昇し
たことをt7 (t10)において温調回路7aが検出する
と、c1 点における別の出力(図5(F))をハイレベ
ルとしてフル点灯用駆動パルス生成回路9aへ出力す
る。フル点灯用駆動パルス生成回路9aは、温調回路7
aの出力と同期したフル点灯用駆動パルスをセレクタ1
0へ出力している。セレクタ10はこのパルスがハイレ
ベルになったことを検知して、このフル点灯用駆動パル
スを駆動パルスとしてスイッチ素子4に出力する。これ
により、定着ヒータ3はフル点灯の状態になる。
【0073】そして、さらに定着ローラの表面温度がT
bに上昇したことをt8 において温調回路7aが検出す
ると、c1 点におけるフル点灯用駆動パルス生成回路9
aへの出力と、c点におけるセレクタ10へのヒータオ
ン/オフ信号をローレベルとする。これによりセレクタ
10の出力もローレベルとなり、スイッチ素子4がオフ
して定着ヒータ3への電流供給が停止される。c1 点に
おける出力と上記ヒータオン/オフ信号の立ち下がり
は、t8 においてそれぞれゼロクロスと同期する。
【0074】このように、定着ヒータ3への電流供給が
停止されて定着ローラの表面温度がTaに低下すると、
位相制御用駆動パルスによるある固定の導通角の位相制
御によって電流供給が開始される。また、定着ローラの
表面温度がTcに上昇するとフル点灯(トリガ位相角0
度)により定着ヒータ3へ連続的に電流が供給される。
したがって、定着ローラの表面温度がTaからTcに上
昇するまでの期間(図5中のP3,P4)は、上記の固
定位相角での位相制御によって通電が行われる。この期
間はハロゲンヒータ、定着ローラ、環境温度に依存する
ため一定ではなく、たとえばP3とP4の長さは異なっ
ている。
【0075】そして、フル点灯が開始されるときの定着
ローラの表面温度は一定値Tcとなるため、このときの
定着ヒータ3の抵抗値は一定である。したがって、フル
点灯開始時の再突入電流をほぼ一定とすることができる
ので、スイッチ素子4の定格電流を不必要に大きくする
必要が無い。また、Tcの温度設定を調整することで位
相制御からフル点灯に切り替わるときの電力量もほぼ一
定に出来るため、フリッカ等の防止に最適な温度に予め
Tcを設定すれば、照明機器の照度低下を軽減し照明機
器のチラツキを大幅に軽減することができる。なお、同
一の電源通路を共通に使用する上記しない他の機器への
影響を低減することができることは言うまでもない。
【0076】(第3の実施の形態)図6は本発明の第3
の実施の形態に係わる画像形成装置の要部回路を示すブ
ロック図である。図6において、上述した図1の回路と
同一部分には同一の符号が付してある。
【0077】図6の構成は、画像形成装置である複写機
やプリンタによる画像形成実行中(コピー時またはプリ
ント時)と実行中でないスタンバイ中に位相制御の期間
を変化させるようにした点で、図1のものと相異する。
具体的には、フル点灯用駆動パルス生成回路9bに、外
部よりコピーもしくはプリントアウト信号が入力される
点で相異する。
【0078】図6の動作において図1と異なるのは、外
部の制御回路等よりコピーもしくはプリントアウト信号
がフル点灯用駆動パルス生成回路9bに入力された場合
のみであるので、ここではその他の場合についての説明
を省略する。
【0079】画像形成中は定着器を記録紙が通過して定
着ローラの熱が記録紙に奪われるため、画像形成中でな
いスタンバイ中と比較して放熱量が多くなる。このため
温度低下が速いので、スタンバイ中と比較してスイッチ
素子をスイッチングさせる駆動パルスのハイレベル期間
が長くなり、ローレベル期間は短くなる、そして、スイ
ッチ素子4がオフからオンになったときの定着ヒータ3
の抵抗値も、スタンバイ中より高めになる。
【0080】ところで、画像形成中はより効率的に定着
ローラに熱を供給する必要があり、フリッカを低減でき
る範囲で位相制御の期間をなるべく短くすることが望ま
しい。そこで、外部の制御回路よりフル点灯用駆動パル
ス生成回路9bにコピー信号もしくはプリントアウト信
号が入力されているかいないかを判断する。つまり、画
像形成中か否かを、フル点灯用駆動パルス生成回路9b
が判断し、放熱量が大きい画像形成中は、放熱量が小さ
いスタンバイ中よりも位相制御期間(図2,図3の期間
P1)を短めに切り替える。
【0081】このように本実施の形態によれば、コピー
またはプリントアウト等の画像形成実行中は定着ヒータ
への通電をスタンバイ中とは異なる制御とすることで、
定着ローラに効率的に熱を供給し、かつフリッカ等の他
の機器への影響を上記実施の形態と同様に低減すること
ができる。
【0082】(第4の実施の形態)図7は本発明の第4
の実施の形態に係わる画像形成装置の要部回路を示すブ
ロック図である。
【0083】第4の実施形態では、定着装置のヒータを
2本にした構成となっている。
【0084】図7において、符号1,2は商用交流電源
に接続された入力端子であり、交流電源が入力される。
入力端子1,2間にはヒータ3a,3bと交流スイッチ
手段4a,4bからなる直列回路が接続されており、商
用交流電源から電力が供給されている。このヒータ3
a,3bは、図示しない定着ローラの軸方向に延在する
ように内蔵されており、抵抗値が正の温度係数を有する
数百W〜1KWのハロゲンランプ等が一般に用いられて
いる。
【0085】図1のように定着ローラの軸方向に2本の
ヒータ3a,3bが内蔵されているのは、あらゆるサイ
ズのコピー用紙を使用してもローラ全体を均一温度に制
御するためであり、ヒータ3a,3bはそれぞれ配光が
異なるように設計されている。
【0086】また、交流スイッチ手段4a,4bは任意
のタイミングで商用交流電源を導通させることが可能な
交流スイッチである。
【0087】なお、定着ローラ3a,3bは、記録媒体
に転写されたトナー像を記録媒体に定着させるものであ
る。
【0088】5は定着ローラ表面の極近傍に配置された
温度検出素子であり、インピーダンスが既知の温度係数
を有するサーミスタ等が用いられる。これにより常に定
着ローラの表面温度を検出し、温度検出信号を温調回路
7へ出力することができる。
【0089】温調回路7は、温度検出信号に基づいて交
流スイッチ手段4をスイッチング制御してヒータ3a,
3bのオン/オフタイミングを制御することで、定着ロ
ーラの表面温度を所定の温度範囲内に保つように温度制
御するためのヒータオン/オフ信号aを出力する。
【0090】すなわち、温調回路7は定着ローラの表面
温度が制御範囲の上限値に上昇するとオフ信号を出力
し、オフした後に定着ローラの表面温度が温度制御範囲
の下限値に低下するとオン信号を出力する。
【0091】コントロール手段12は予め複数のヒータ
通電制御プログラムを記憶しており、温調回路7から入
力されるヒータオン/オフ信号と外部からのコピー・ス
タンバイモード信号により、現在の複写機、プリンタの
状況がスタンバイ中なのか、コピー・プリントアウト中
なのか、コピー・プリントアウト中の用紙サイズは何か
等判別し、それぞれの状態で最適なヒータ通電制御がで
きるようにヒータ3a、ヒータ3bそれぞれを通電制御
するためのオン/オフ信号b1,b2をセレクタ10
a、駆動パルス生成回路11bのそれぞれに出力してい
る。
【0092】6は上記した直列回路の両端に接続された
ゼロクロス検知回路であり、この直列回路に入力端子
1,2から供給される商用交流電源のゼロクロスを検出
している。
【0093】位相制御用駆動パルス生成回路8aはゼロ
クロス検知回路6の出力信号cを基に位相制御を行うた
めの駆動パルスd1を生成しセレクタ10aに位相制御
用駆動パルスを出力している。
【0094】OFF時間検知回路13aは温調回路7の
出力であるヒータオン/オフ信号aのオフ時間を検出し
オフ期間が所定の時間以上継続すると位相制御信号生成
回路9aにハイレベルの信号e1を出力する。位相制御
用信号生成回路9aでは、OFF時間検知回路13aの
出力がハイの時にコントロール手段12の出力がハイレ
ベルになると、ある所定期間(位相制御を行う期間)ハ
イレベルとなる位相制御信号f1をセレクタ10aに出
力している。
【0095】セレクタ10aには位相制御用駆動パルス
生成回路8aとコントロール手段12、そして位相制御
用信号生成回路9aそれぞれからの出力が入力され各信
号のレベルに基づいてスイッチ手段4aをスイッチング
するための駆動パルス1(g1)を出力している。
【0096】駆動パルス生成回路13bは、コントロー
ル手段12からの信号とゼロクロス検知回路6の出力を
入力し、それぞれの値に基づきスイッチ手段4bをスイ
ッチング制御するための駆動パルス2(g2)を出力す
る。
【0097】図7の回路の動作を図7中の各部の波形を
示した図8と図7中の各部の信号を示すタイミングチャ
ートである図9とを参照して説明する。
【0098】入力端子1,2に商用交流電源が入来する
と(図8(A))、図示しない電源回路により直流電源
が生成され、上記の構成要素である5,6,7,8a,
9a,10a,11a,11b,12,13aに供給さ
れる。
【0099】温度検出素子5が定着ローラの表面温度を
検出し温調回路7に温度検出信号(一例を図8(B)に
示す)を出力すると、温調回路7では、検出された定着
ローラの表面温度が予め設定した制御範囲の下限値温度
Taより一度下回るときはオン信号をコントロール手段
12とOFF時間検知回路13aに出力し、定着ローラ
の温度が予め設定した制御範囲内の上限温度Tbになる
とオフ信号を、前述の通りコントロール手段12に出力
する(図8(E)、図9(A))。
【0100】OFF時間検知回路13aは温調回路7か
ら入力されるヒータオン/オフ信号(図8(E)、図9
(A))がオン(ハイレベル)の時はローレベルの信号
を位相制御信号生成回路9aに出力し(図9(F))、
ヒータオン/オフ信号(図8(E)、図9(A))がオ
ンからオフ(ローレベル)になりある所定の時間(Pe
2)が経過するとハイレベルを位相制御信号生成回路9
aに出力する(図9(F))。そしてその後ヒータオン
/オフ信号(図8(E)、図9(A))がオフからオン
になるとある所定時間(Pe1)の経過後ローレベルを
位相制御信号生成回路9aに出力する(図9(F))。
【0101】コントロール手段12は温調回路7から入
力されるヒータオン/オフ信号(図8(E)、図9
(A))と外部からのコピー・スタンバイモード信号に
より、現在の複写機、プリンタの状態に最適なヒータ通
電制御を選択し、ヒータ3a、ヒータ3bそれぞれを通
電制御するためのオン/オフ信号をセレクタ10(図9
(B))、駆動パルス生成回路11b(図9(C))の
それぞれに出力している。なお、図9中(B),(C)
のタイミングチャートは一例であり、図中のton1,
ton2は固定値である。
【0102】図9(B),(C)の例では、温調回路7
の出力であるヒータオン/オフ信号(図9(A))がロ
ーレベルからハイレベルに変化すると、必ずヒータ3a
が先にある固定時間ton1の間導通し(この間ヒータ
3bは非導通である)、ヒータ3aがオフするとヒータ
3bがある固定時間ton2の間導通し(この間ヒータ
3aは非導通である)、ヒータ3bがオフするとヒータ
3aがある固定時間ton1の間導通する(この間ヒー
タ3bは非導通である)。すなわち、ヒータ3a、ヒー
タ3bが交互にオンを繰り返す、そしてヒータオン/オ
フ信号(図9(A))がハイレベルからローレベルに変
化すると、ヒータ3a、ヒータ3bは共に非導通とな
り、次にヒータオン/オフ信号(図9(A))がハイレ
ベルとなるまで非導通状態を維持している。
【0103】位相制御信号生成回路9aはOFF時間検
知回路からの信号(図9(F))がハイレベルの時に、
オン/オフ信号(図9(B))がローレベルからハイレ
ベルに変化すると、これと同期してハイレベルとなり所
定の期間(tp1:この期間が位相制御を行う期間とな
る)ハイレベルを維持し所定の期間(tp1)の経過の
後ローレベルとなる位相制御信号を生成しセレクタ10
aに出力している(図9(G))。
【0104】一方、ゼロクロス検知回路6は常に商用交
流電源のゼロクロスを検知しゼロクロス信号(図8
(C)、図9(D))を位相制御用駆動パルス生成回路
8a、駆動パルス生成回路11aに出力する。
【0105】位相制御用駆動パルス生成回路8aはゼロ
クロス信号(図8(C)、図9(D))が入力される
と、商用半サイクル毎にヒータへの電力供給を制限する
ためにスイッチ手段4aをオン/オフさせるための駆動
パルスである固定の位相角での位相制御用駆動パルス
(図8(D)、図9(E))をセレクタ10aに出力し
ている。
【0106】セレクタ10aには位相制御用駆動パルス
生成回路8aからの位相制御用駆動パルス(図9
(E))、コントロール手段12からのオン/オフ駆動
パルス(図9(B))、そして、位相制御信号生成回路
9aからの位相制御信号(図9(G))のそれぞれが入
力され、オン/オフ駆動パルス(図9(B))がローレ
ベルの時は出力である駆動パルス1をオフ(ローレベ
ル)とし、オン/オフ駆動パルス(図9(B))がハイ
レベルで位相制御信号(図9(G))もハイレベルの期
間は、位相制御用駆動パルス(図9(E))を駆動パル
ス1としてスイッチ手段4aに出力し、オン/オフ駆動
パルス(図9(E))を駆動パルス1としてスイッチ手
段4aに出力し、オン/オフ駆動パルス(図9(B))
がハイレベルで位相制御信号(図9(G))がローレベ
ルの期間は、オン/オフ駆動パルス(図9(B))を駆
動パルス1としてスイッチ手段4aに出力し(図9
(H))、これによりスイッチ素子4aをスイッチング
制御する。
【0107】駆動パルス生成回路11bは、コントロー
ル手段12から入力されるオン信号およびオフ信号(図
9(C))に応じ、ゼロクロス検知回路6の出力である
ゼロクロス信号(図9(D))と同期してスイッチ素子
4bをオンさせたりオフさせるための駆動パルスを生成
してスイッチ素子4bに出力し(図9(I))、これに
よりスイッチ素子4bをスイッチング制御する。
【0108】よって、スイッチ素子4a,4bのスイッ
チングにより、ヒータ3a,3bへの間欠的な通電タイ
ミングが制御される。
【0109】ヒータ3aは導通開始時に、それまでの非
導通時間がある所定の時間(図9のPe2)より長けれ
ば、必ずある固定の導通角で制限された電流が所定の期
間(図9のtp)流れ、それまでの非導通時間が所定の
時間(図9のPe2)より短ければ必ず商用交流電源の
ゼロクロスと同期して流れ始めるように制御される。か
つ、定着ローラの表面温度はある一定範囲内に保たれる
ように制御される。
【0110】図10はヒータ3a,3bに流れる電流と
駆動パルスg1,g2との関係を示す波形図である。図
10において、(A)はヒータ3aに流れる電流波形I
L1であり、Fは商用周波数の一周期を示す。
【0111】(B)は駆動パルス1(g1)であり、ハ
イレベル(ton1)期間の内、tp1の期間は固定の
位相角での位相制御が行われることにより電力が制限さ
れている期間であり、tp2の期間は電力制限の行われ
ていない期間で電流は正弦波で流れている。ローレベル
(toff1)期間はスイッチ素子4aがオフしている
ため、ヒータ3aに電流は流れていない。また、(C)
は電流波形IL1を商用周波数の1/2周期毎の実効値
に換算した値IL1rmsである。
【0112】(D)はヒータ3bに流れる電流波形IL
2であり、Fは商用周波数の一周期を示す。(E)は駆
動パルス2(g2)であり、ハイレベル(ton2)期
間はスイッチ素子4bがオンし、ローレベル(toff
2)期間はスイッチ素子4bがオフする。また、(F)
は電流波形IL2を商用周波数の1/2周期毎の実効値
に換算した値IL2rmsである。
【0113】図9(A)のtaoff期間はスイッチ手
段4a,4bが共にオフしているのでヒータ3a,3b
には通電されず、電力は供給されない。このヒータ3
a,3bは定着ローラに内蔵されており、定着ローラは
熱容量が大きいのに対してヒータ3a,3bは熱容量が
小さいため、定着ローラの表面温度低下は遅いが、ヒー
タ3a,3bの温度低下は速い。このため、ヒータ3
a,3bはtaoff期間は発熱しないので温度が低下
し、その抵抗値は極めて低い状態となっている。
【0114】そして、定着ローラの表面温度が低下した
状態で温調回路7の出力がハイレベルとなり、駆動パル
ス1(g1)がハイレベルになってヒータ3aに商用交
流電源が供給され始めると、極めて低い抵抗値に商用電
源が供給されることになるが、駆動パルス1(g1)は
ある固定の導通角の位相制御によりヒータ3aに流れる
電流を制限する位相制御用駆動パルスとなっているた
め、極めて低い抵抗値のヒータ3aに電流IL1が供給
されても、ヒータ3aに流れる突入電流を商用周波数の
1/2周期毎に実効値に換算した実効値RS10を従来
例の突入時ピーク電流の実効値RS3と比較して数分の
1(位相制御の導通角に依存する)にすることが可能と
なる。
【0115】そして、一定期間tp1の間、位相制御用
駆動パルスにより位相制御が行われ、その間にもヒータ
3aの温度は上昇し抵抗値が徐々に大きくなっていくた
め、一定時間tp1経過した後からフル点灯によりヒー
タ3aに電力を供給してtp2の期間フル点灯(連続点
灯)となっても、再突入電流を商用周波数の1/2周期
毎に実効値換算した実効値RS2は従来例の突入時ピー
ク電流の実効値RS3より小さく、またフル点灯になっ
た瞬間の実効値の変化幅(RS2−RS1b)も従来例
の突入時ピーク電流の実効値の変化幅RS4より小さく
なっている。
【0116】そして、taon中は、ヒータ3a,3b
が交互にオン/オフするために、ヒータ3aがオフして
ヒータ3bがオンしても、ヒータ3bはヒータ3aの発
熱により温められているため、ヒータ3bがオンした時
でも定常時ST3と比較しても、そんなに大きな突入電
流は流れない。またヒータ3bがオフし、ヒータ3aが
オンしてもヒータ3aはすでにある程度温められている
ために突入電流は小さい。
【0117】よって、taoffからtaonになった
瞬間に最初のヒータ3aのオン時のみ、ある所定の期
間、位相制御により電力が制限された電流が流れ、その
後taon中にヒータ3aがオン/オフされても位相制
御は働かず、またヒータ3bにはいかなるオン時も位相
制御は働かない。
【0118】このように、定着ローラの表面温度に基づ
き生成されるヒータオン/オフ信号によってヒータ3a
がある所定の期間以上のオフ期間の経過後、非導通状態
から通電状態に変化する時に、ある一定期間はヒータ3
aに供給する電力を位相制御により制限することで、通
電開始時の突入電流商用周波数の1/2周期毎の実効値
の変化幅を低減することができる。
【0119】したがって、上記構成の加熱装置を内蔵し
たプリンタや複写機等の画像形成装置、または上記構成
の加熱装置に商用交流電源を供給するための屋内配線等
の電源通路のインピーダンスによる電源電圧の瞬間的な
電圧降下を低減することが可能であり、上記各装置の近
傍で同一の電源回路を共通に使用する他の機器への影響
を低減することができる。たとえば、照明機器の照度低
下を軽減しフリッカと呼ばれる照明機器のチラツキを抑
制することができる。
【0120】なお、本発明において、OFF時間検知回
路13aは温調回路7の出力であるヒータオン/オフ信
号のオフ信号を検知しているが、セレクタ10aの出力
である駆動パルス1のオフ時間を検知しても同様の効果
が得られる。
【0121】さらに本発明においては、温調回路7の出
力であるヒータオン/オフ信号がオフ(ローレベル)か
らオン(ハイレベル)に変化したとき必ずスイッチ手段
4aが先にオンしヒータ3aが導通する制御が行われる
ことを前提に説明したが、仮にヒータオン/オフ信号が
オフ(ローレベル)からオン(ハイレベル)に変化した
ときにスイッチ手段4a、スイッチ手段4bのどちらが
先にオンするか解らないような制御、または制御手段4
a,4bが同時にオンするような制御が行われていたと
しても、図7における駆動パルス生成回路13bを、位
相制御用駆動パルス生成回路8a、位相制御信号生成回
路9a、セレクタ10a、OFF時間検知回路13aで
構成された駆動パルス生成回路11aと同様の回路構成
に変更することで、ヒータ3a、ヒータ3bの両方にお
いてヒータオン時のある所定時間、供給される電力を制
限することが可能であり上記と同様の効果が得られる。
【0122】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
の形態を図11に基づいて説明する。図11は本発明の
第5の実施の形態に係わるヒータ制御回路の構成を示す
ブロック図である。図11において、上述した図7の回
路と同一部分には同一の符号が付してある。
【0123】図11において図7と異なるのは、図7で
は位相制御が行われる期間はtp1の固定値だが、図1
1においては、ヒータオン/オフ信号aのオフ時間に応
じて位相制御を行う期間を決定している位相制御信号生
成回路209aの出力のパルス幅を変化させる点で相違
する。
【0124】図11の動作を図12のタイミングチャー
トを用いて説明する。
【0125】図11のOFF時間検知回路213aにお
いて、温調回路7の出力であるヒータオン/オフ信号a
がオフになった瞬間からヒータオン/オフ信号aのオフ
時間の算出を開始している。そして、OFF時間検知回
路213aが図12の(F)のように、ヒータオン/オ
フ信号のオフ時間に比例した電圧レベルを位相制御信号
生成回路209aに出力し、位相制御信号生成回路20
9aが温調回路7の出力であるヒータオン/オフ信号a
がオフからオンに変わった瞬間の、OFF時間検知回路
213aの出力レベルに応じて出力パルスを図12
(G)のtp2,tp3のように変化させることで、ヒ
ータオン/オフ信号のオフ時間が短い時は位相制御の期
間を短くし、オフ時間が長いときは位相制御の時間を長
くすることが可能となり、フリッカを抑制しつつも効率
的なヒータへの電力供給が可能となる。
【0126】なお、本発明においては、OFF時間検知
回路213aは温調回路7の出力であるヒータオン/オ
フ信号のオフ時間を検知しているが、セレクタ10aの
出力である駆動パルス1のオフ時間を検知しても同様の
効果が得られる。
【0127】さらに本発明においては、温調回路7の出
力であるヒータオン/オフ信号がオフ(ローレベル)か
らオン(ハイレベル)に変化したとき必ずスイッチ手段
4aが先にオンしヒータ3aが導通する制御が行われる
ことを前提に説明したが、仮にヒータオン/オフ信号が
オフ(ローレベル)からオン(ハイレベル)に変化した
ときにスイッチ手段4a、スイッチ手段4bのどちらが
先にオンするか解らないような制御、または制御手段4
a,4bが同時にオンするような制御が行われていたと
しても、図11における駆動パルス生成回路11bを、
位相制御用駆動パルス生成回路8a、位相制御信号生成
回路209a、セレクタ10a、OFF時間検知回路2
13aで構成された駆動パルス生成回路211aと同様
の回路構成に変更することで、ヒータ3a、ヒータ3b
の両方においてヒータオン時のある所定時間、供給され
る電力を制限することが可能であり上記と同様の効果が
得られる。
【0128】(第6の実施の形態)本発明の第6の実施
の形態を図13に基づいて説明する。図13は本発明の
第6の実施の形態に係わるヒータ制御回路の構成を示す
ブロック図である。図13において、上述した図7,図
11の回路と同一部分には同一の符号が付してある。
【0129】図13において図7と異なるのは、図7で
は位相制御が行われる期間はtp1の固定値で、位相制
御期間中の導通角は固定値としたが、図13において
は、ヒータオン/オフ信号aのオフ時間に応じて、位相
制御信号生成回路209aの出力のパルス幅と、位相制
御用駆動パルス生成回路308aの出力のパルス幅とを
変化させる点で相違する。
【0130】図13において、OFF時間検知回路21
3a、位相制御信号生成回路209aは図11,図12
と同様に動作し、さらにOFF時間検知回路213aの
出力であるヒータオン/オフ信号aのオフ時間に比例し
た電圧レベルを位相制御用駆動パルス生成回路308a
にも入力し、位相制御用駆動パルス生成回路308aに
おいても、前述のOFF時間検知回路213aの出力レ
ベルに応じて(ヒータオン/オフ信号のオフ時間に応じ
て)、オフ時間が長ければ長いほど位相制御期間の導通
角を狭くして、オフ時間が短ければ短い程位相制御期間
の導通角を広くする。
【0131】つまり、オフ時間が長いとヒータ3a,3
bの抵抗値は大きく下がってしまうため、次のオン時に
導通角を狭くして、ヒータ4aを流れる電流の商用周波
数の1/2周期毎の実効値の変化幅を小さくする、さら
に位相制御期間を長くして、位相制御からフル点灯に変
わる瞬間の再突入電流の商用周波数の1/2周期毎の実
効値の変化幅を小さくすることでフリッカを抑制する。
【0132】また、オフ時間が短いときは、ヒータ3
a,3bの抵抗値はそんなには下がらないため、次のオ
ン時に導通角を広くしてもヒータ4aを流れる電流の商
用周波数の1/2周期毎の実効値の変化は大きくなるこ
とは無い、さらに位相制御期間を短くしても位相制御か
らフル点灯に変わる瞬間の再突入電流の商用周波数の1
/2周期毎の実効値の変化幅も大きくならず短時間で効
率的に定着ローラに熱エネルギーを供給できる。つま
り、フリッカを抑制しつつ、かつ効率的に定着ローラに
熱エネルギーを供給できる。
【0133】なお、本発明においては、OFF時間検知
回路213aは温調回路7の出力であるヒータオン/オ
フ信号のオフ時間を検知しているが、セレクタ10aの
出力である駆動パルス1のオフ時間を検知しても同様の
効果が得られる。また、本発明においては位相制御期間
中の導通角と位相制御期間を同時に変化させたが、導通
角のみを変化させてもフリッカの抑制は可能である。
【0134】さらに本発明においては、温調回路7の出
力であるヒータオン/オフ信号がオフ(ローレベル)か
らオン(ハイレベル)に変化したとき必ずスイッチ手段
4aが先にオンしヒータ3aが導通する制御が行われる
ことを前提に説明したが、仮にヒータオン/オフ信号が
オフ(ローレベル)からオン(ハイレベル)に変化した
ときにスイッチ手段4a、スイッチ手段4bのどちらが
先にオンするか解らないような制御、または制御手段4
a,4bが同時にオンするような制御が行われていたと
しても、図13における駆動パルス生成回路11bを、
位相制御用駆動パルス生成回路308a、位相制御信号
生成回路209a、セレクタ10a、OFF時間検知回
路213aで構成された駆動パルス生成回路311aと
同様の回路構成に変更することで、ヒータ3a、ヒータ
3bの両方においてヒータオン時のある所定時間、供給
される電力を制限することが可能であり上記と同様の効
果が得られる。
【0135】(第7の実施の形態)本発明の第7の実施
の形態を図14に基づいて説明する。図14は本発明の
第7の実施の形態に係わるヒータ制御回路の構成を示す
ブロック図である。図14において、上述した図7,図
11,図13の回路と同一部分には同一の符号が付して
ある。
【0136】図14において図7と異なるのは、図7で
はヒータが2本構成であり、温調回路7の出力である、
ヒータオン/オフ信号がオン(ハイレベル)の期間中
に、2本のヒータ3a,3bが導通、非導通を繰り返す
制御を行う場合について説明したが、図14は1本のヒ
ータ3aが導通、非導通を繰り返す場合である。
【0137】図14において、ヒータ3aを導通、非導
通にするためのスイッチ手段4aの駆動パルスを生成し
ている、駆動パルス生成回路411aの構成は図7と同
じである。
【0138】温調回路7の出力であるヒータオン/オフ
信号がオン(ハイレベル)の期間にスイッチ手段4aを
短い周期でオン/オフを繰り返すような制御の場合、短
いオフ時間の間ではヒータの温度低下(抵抗値の低下)
も大きくなく、短いオフ時間の後のオン時に流れる再突
入電流もわずかであるため、温調回路7の出力である、
ヒータオン/オフ信号がオフの状態が所定の期間継続し
た場合のみ、その後のヒータオン時にのみ位相制御によ
りヒータ3aに供給する電力を制限することで、フリッ
カを抑制することが可能である。
【0139】また、図14の駆動パルス生成回路411
aを図11の駆動パルス生成回路211aのように構成
すれば、第5の実施の形態のように、検知したヒータオ
ン/オフ信号のオフ時間に応じて位相制御を行う期間を
調整することも可能である。さらに図14の駆動パルス
生成回路411aを図13の駆動パルス生成回路311
aのように構成すれば、第6の実施の形態のように、検
知したヒータオン/オフ信号のオフ時間に応じて、位相
制御期間中の導通角を調整することが可能であり、また
導通角だけでなく同時に位相制御を行う期間を調整する
ことも可能であり、つまり、フリッカを抑制しつつ、か
つ効率的に定着ローラに熱エネルギーを供給できる。
【0140】なお、本発明においては、OFF時間検知
回路13aは温調回路7の出力であるヒータオン/オフ
信号のオフ時間を検知しているが、セレクタ10aの出
力である駆動パルス1のオフ時間を検知しても同様の効
果が得られる。
【0141】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明にかか
る画像形成装置によれば、ヒータを通電状態または非通
電状態として定着ローラの温度を制御する際に、通電状
態開始から所定期間はヒータへの電流を制限するので、
通電状態開始時に流れる突入電流で電源通路のインピー
ダンスによって生じる電圧降下を低減することができ、
また、フリッカ現象をも軽減することができる。さらに
は、電源通路を共通に使用する他の機器への影響を簡単
で安価な構成によって軽減できる効果が得られる。
【0142】また、本発明にかかる加熱装置によれば、
ヒータを通電状態または非通電状態として被加熱材の温
度を制御する際に、通電状態開始から所定期間はヒータ
への電流を制限するので、通電状態開始時に流れる突入
電流で電源通路のインピーダンスによって生じる電圧降
下を低減することができ、電源通路を共通に使用する他
の機器への影響を簡単で安価な構成によって軽減できる
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる画像形成装
置の要部回路を示すブロック図である。
【図2】図1に示す回路の各部の信号を示すタイミング
チャートである。
【図3】図1に示す回路の各部の波形を示す波形図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わる画像形成装
置の要部回路を示すブロック図である。
【図5】図4に示す回路の各部の信号を示すタイミング
チャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係わる画像形成装
置の要部回路を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係わる画像形成装
置の要部回路を示すブロック図である。
【図8】図7に示す回路の各部の波形を示す波形図であ
る。
【図9】図7に示す回路の各部の信号を示すタイミング
チャートである。
【図10】図7に示す回路の各部の波形を示す波形図で
ある。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係わる画像形成
装置の要部回路の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示す回路の各部の信号を示すタイミ
ングチャートである。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係わる画像形成
装置の要部回路の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第7の実施の形態に係わる画像形成
装置の要部回路の構成を示すブロック図である。
【図15】従来の画像形成装置の要部回路の構成を示す
ブロック図である。
【図16】図15に示す回路の各部の波形を示す波形図
である。
【符号の説明】 1,2 入力端子 3 定着ヒータ 4 スイッチ素子 5 温度検出素子 6 ゼロクロス検知回路 7,7a 温調回路 8 位相制御用駆動パルス生成回路 9,9a フル点灯用駆動パルス生成回路 10 セレクタ 11,11a 駆動パルス生成回路

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷を加熱するヒータと、 前記ヒータにより加熱される負荷の温度を検出するセン
    サと、 前記センサの出力が目標温度範囲内になるように前記ヒ
    ータの駆動を制御するための制御信号を発生する温調回
    路と、 前記ヒータを固定の位相角で位相制御するための駆動パ
    ルスを発生する第1の発生回路と、 前記ヒータをフル駆動するための駆動パルスを発生する
    第2の発生回路と、 前記温調回路から出力される制御信号に基づいて前記ヒ
    ータを駆動するとき、駆動開始から所定期間は前記第1
    の発生回路からの駆動パルスに基づいて上記ヒータを駆
    動するように、前記第1の発生手段からの駆動パルスを
    選択する選択回路とを具えたことを特徴とする加熱制御
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の加熱制御装置におい
    て、前記選択手段は、前記所定期間経過後前記第2の発
    生回路からの駆動パルスを選択することを特徴とする加
    熱制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の加熱制御装置におい
    て、前記ヒータに印加する交流のゼロクロスを検知する
    検知回路を有し、前記第1の発生回路は、前記検知回路
    により検知される交流のゼロクロスに同期した駆動パル
    スを発生することを特徴とする加熱制御装置。
  4. 【請求項4】 負荷を加熱するヒータ、 前記ヒータにより加熱される負荷の温度を検出するセン
    サと、 前記センサの出力が目標温度範囲内になるように前記ヒ
    ータの駆動開始と停止を指示する温調回路と、 前記温調回路により前記ヒータの駆動開始が指示される
    と、前記ヒータへの通電開始から所定期間は固定の位相
    角で前記ヒータを位相制御する駆動手段とを具えたこと
    を特徴とする加熱制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の加熱制御装置におい
    て、 前記ヒータに印加される交流をオンオフするスイッチ素
    子を有し、前記駆動手段は前記所定期間経過後は位相制
    御から非位相制御に切り換えることを特徴とする加熱制
    御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の加熱制御装置におい
    て、前記ヒータに印加される交流のゼロクロスを検出す
    る第2の検出手段を有し、前記駆動手段は前記第2の検
    出手段により検出されるゼロクロスのタイミングに同期
    して位相制御のための駆動パルスを発生することを特徴
    とする加熱制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の加熱制御装置におい
    て、さらに、記録紙にトナー像を形成する像形成手段
    と、前記ヒータにより加熱され、トナー像を記録紙に定
    着する定着手段を有し、前記駆動手段は像形成動作中に
    前記位相制御を行う場合の位相角を非像形成動作中に前
    記位相制御を行う場合の位相角よりも大きくすることを
    特徴とする加熱制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載の加熱制御装置におい
    て、前記駆動手段は、前記検出手段により検出される温
    度が目標温度範囲の上限よりも低い所定温度まで上昇す
    ると非位相制御に切り換えることを特徴とする加熱制御
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載の加熱制御装置におい
    て、前記ヒータの非通電時間を検出する検出手段を有
    し、前記検出手段により検出される非通電時間が第1の
    所定時間を超えた場合、その後前記温調回路により前記
    ヒータの駆動開始が指示されると、前記駆動手段は、前
    記ヒータへの通電時間から第2の所定期間は固定の位相
    角で前記ヒータを位相制御することを特徴とする加熱制
    御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の加熱制御装置におい
    て、前記検出手段により検出される非通電時間が第1の
    所定時間を超えていない場合、その後前記温調回路によ
    り前記ヒータの駆動開始が指示されると、前記駆動手段
    は非位相制御で前記ヒータを駆動することを特徴とする
    加熱制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項4に記載の加熱制御装置におい
    て、前記ヒータは第1、第2のヒータを有し、前記駆動
    手段は第1のヒータを位相制御により駆動することを特
    徴とする加熱制御装置。
  12. 【請求項12】 通電されることで発熱するヒータと、
    前記ヒータによって加熱されて回転感光体上のトナー像
    を記録媒体に定着させる定着ローラと、交流電源が入来
    する端子間に前記ヒータと直列に接続されたスイッチ手
    段と前記定着ローラの温度を検出する温度検出手段と、
    当該検出温度が低下して所定温度範囲のほぼ下限値にな
    ると前記スイッチ手段をオンさせて前記ヒータを通電状
    態として発熱を開始させ、当該検出温度が上昇して前記
    所定温度範囲のほぼ上限値になると前記スイッチ手段を
    オフさせて前記ヒータを非通電状態として前記発熱を停
    止させる通電タイミング制御手段とを備え、前記記録媒
    体に画像形成を行う画像形成装置であって、前記通電タ
    イミング制御手段の制御により、前記通電状態開始から
    第1の所定期間は、前記ヒータへの電力を制限すること
    を特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の画像形成装置にお
    いて、前記通電タイミング制御手段が前記ヒータの非通
    電時間を検出し、非通電時間が第2の所定期間を越えた
    場合に、その後、次にヒータが導通する時に通電状態開
    始から第1の所定期間は、前記ヒータへの電力を制限す
    ることを特徴とする画像形成装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の画像形成装置にお
    いて、前記ヒータの本数が1本であり、前記非通電時間
    が前記第2の所定期間を越えた場合に、その後次にヒー
    タが導通する時、前記通電状態開始から第1の所定期間
    は、前記ヒータへの電力を制限することを特徴とする画
    像形成装置。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の画像形成装置にお
    いて、前記ヒータの本数が2本以上の複数本であり、前
    記通電タイミング制御手段の制御により、前記複数本の
    ヒータの内の1本のヒータのみにおいて非通電時間を検
    出し、前記非通電時間が前記第2の所定期間を越えた場
    合に、その後次に前記複数本のヒータの内1本のヒータ
    が導通する時に前記通電状態開始から第1の所定期間
    は、前記複数本のヒータの内1本のヒータへの電力を制
    限することを特徴とする画像形成装置。
  16. 【請求項16】 請求項13〜15のいずれかに記載の
    画像形成装置において、前記通電タイミング制御手段は
    前記交流電源のゼロクロスを検知する手段をさらに備
    え、前記第1の所定期間に前記交流電源から前記ヒータ
    に流れる電流の導通角が前記通電状態の他の期間より小
    さくなるように、前記ゼロクロスを検知する手段の検知
    出力に同期して前記スイッチ制御手段による前記スイッ
    チング制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  17. 【請求項17】 請求項13〜16のいずれかに記載の
    画像形成装置において、前記通電タイミング制御手段
    は、検出した前記ヒータ非通電時間に基づき、前記第1
    の所定期間における前記導通角を変化させることを特徴
    とする画像形成装置。
  18. 【請求項18】 請求項13〜17のいずれかに記載の
    画像形成装置において、前記通電タイミング制御手段
    は、検出した前記ヒータ非通電時間に基づき、前記第1
    の所定期間を変化させることを特徴とする画像形成装
    置。
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