JPH11166157A - コーティング組成物及びシリカ系セラミックス膜の製造方法 - Google Patents

コーティング組成物及びシリカ系セラミックス膜の製造方法

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JPH11166157A
JPH11166157A JP33410697A JP33410697A JPH11166157A JP H11166157 A JPH11166157 A JP H11166157A JP 33410697 A JP33410697 A JP 33410697A JP 33410697 A JP33410697 A JP 33410697A JP H11166157 A JPH11166157 A JP H11166157A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温でセラミックス化するポリシラザン組成
物の保存安定性を改良すること。 【解決手段】 ポリシラザンと、紫外線照射によりアミ
ン類を放出する化合物とを含むコーティング組成物。該
コーティング組成物の塗膜を基材表面に形成し、その塗
膜に紫外線を照射することを特徴とする、シリカ系セラ
ミックス膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシラザン由来
のSiO2 系セラミックスを低温で形成する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムをはじめとする耐
熱性の低い材料にガスバリヤ性、耐擦傷性、耐熱性、耐
蝕性、平坦化性、イオンバリア性、等を付与すべく、ポ
リシラザンを塗布して実質的にSiO2 から成るセラミ
ックス膜を低温で且つ迅速に形成することができる技術
が開発されている。例えば、本出願人による特開平8−
112879号公報に、プラスチックフィルムの少なく
とも片面上にポリシラザンの膜を形成して該膜をセラミ
ックス化する工程を含むことを特徴とするSiO2 被覆
プラスチックフィルムの製造方法が記載されている。こ
こで用いられているポリシラザンは低温セラミックス化
ポリシラザンと呼ばれ、様々なポリシラザン変性物が開
示されている。中でも、特に好適な低温セラミックス化
ポリシラザンとして特開平6−299118号公報に記
載されている金属カルボン酸塩付加ポリシラザンが挙げ
られ、さらには該金属がパラジウム(Pd)であるポリ
シラザン変性物がより好ましいことが記載されている。
【0003】また、本出願人による特願平7−3416
01号明細書に、特定のポリシラザン又はその変性物を
塗布する前又は塗布した後にこれにアミン化合物及び/
又は酸化合物を接触させることを特徴とするプラスチッ
クフィルムにSiO2 系セラミックスを被覆する方法が
記載されている。さらに、このアミン化合物及び/又は
酸化合物を接触させる方法として、塗布前にポリシラザ
ン又はその変性物にアミン化合物及び/又は酸化合物を
添加する第一の態様と、塗布後にポリシラザン塗膜をア
ミン化合物及び/又は酸化合物の蒸気に暴露する第二の
態様と、そして塗布後にポリシラザン塗膜をアミン化合
物及び/又は酸化合物を含む水溶液に浸漬する第三の態
様とが記載されている。
【0004】特開平5−105486号公報に、ポリシ
ラザンの塗膜に紫外線照射を施すことにより、シリカ被
膜の形成時における加熱温度を低下し、また加熱時間を
短縮できることが記載されている。しかしながら、セラ
ミックス化の温度を低下させるために触媒を使用するこ
と、プラスチックフィルムに適用した場合にガスバリア
性が良好なフィルムが得られることは記載されていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、上記のよ
うな低温で且つ迅速にSiO2 系セラミックス膜を形成
する方法の効率を高め、さらに最終的に得られるセラミ
ックス膜のガスバリア性、光透過率、硬度、密着性、等
の膜特性を向上させるべく、ポリシラザンのシリカへの
転化を促進する触媒を添加したコーティング組成物から
塗膜を形成し、その塗膜に紫外線を照射することを特徴
とするシリカ膜の形成方法を開発している(特願平9−
80587号、平成9年3月31日出願、発明の名称
「SiO2系セラミックス膜の形成方法」)。
【0006】上記特願平9−80587号明細書に記載
の触媒添加組成物によると、上記膜特性に優れたセラミ
ックス膜を常温で得ることができるが、一方で、このよ
うな反応性の高さが組成物の保存安定性を低下させ、保
存時に冷蔵を要する場合があるなどの新たな問題が生じ
てきた。そこで、本発明は、上記諸特性に優れたセラミ
ックス膜を常温で得ることができるコーティング組成物
の保存安定性を改良することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記の
目的は、 (1)ポリシラザンと、紫外線照射によりアミン類を放
出する化合物とを含むコーティング組成物、並びに (2)ポリシラザンと、紫外線照射によりアミン類を放
出する化合物とを含む塗膜を基材表面に形成し、前記塗
膜に紫外線を照射することを特徴とする、シリカ系セラ
ミックス膜の製造方法によって達成される。
【0008】以下、本発明の好ましい実施態様を列挙す
る。 (3)前記ポリシラザンが、下記一般式(I):
【0009】
【化1】
【0010】(上式中、R1 、R2 及びR3 は、それぞ
れ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロ
アルキル基、アリール基、またはこれらの基以外で該式
中のケイ素又は窒素に直結する部分が炭素である基、ア
ルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基を表
わすが、但し、R1 、R2 及びR3 の少なくとも1つは
水素原子である)で表わされる構造単位からなる主骨格
を有する数平均分子量100〜5万のポリシラザンであ
ることを特徴とする、(1)項に記載の組成物。 (4)前記ポリシラザンが、式(I)中のR1 、R2
びR3 がすべて水素原子であるペルヒドロポリシラザン
であることを特徴とする、(3)項に記載の組成物。 (5)紫外線照射により前記化合物が放出するアミン類
が下記一般式(II): R4 5 6 N (II) (上式中、R4 、R5 、R6 は、それぞれ水素原子、ア
ルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキ
シ基を表す。)で示されることを特徴とする、(1)
項、(3)項又は(4)項に記載の組成物。 (6)前記化合物がR−NH−CO−O−基(Rは水素
原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、
アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基又は
アルコキシ基を表す。)を有する化合物であることを特
徴とする、(1)項又は(3)項〜(5)項のいずれか
一項に記載の組成物。 (7)前記化合物がカルバミン酸エステルであることを
特徴とする、(6)項に記載の組成物。 (8)前記化合物がR−CO−O−N=基(Rは水素原
子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基又はア
ルコキシ基を表す。)又は−R’−CO−O−N=結合
(R′は前記Rに対応する二価の基である。)を有し、
水分子の存在下でアミン類を放出する化合物であること
を特徴とする、(1)項又は(3)項〜(5)項のいず
れか一項に記載の組成物。 (9)前記化合物がオキシムであることを特徴とする、
(8)項に記載の組成物。 (10)紫外線を照射した後の塗膜に熱処理及び/又は
後処理を施す工程をさらに含む、(2)項に記載の方
法。 (11)前記後処理が水蒸気処理である、(10)項に
記載の方法。
【0011】本発明によれば、紫外線照射によりアミン
類を放出する化合物(以下、アミン類放出性化合物)を
ポリシラザン系コーティング組成物に添加することによ
り、紫外線を照射するまではポリシラザンがセラミック
ス化することなく良好な保存安定性を示し、紫外線照射
により低温で容易にセラミックス化するコーティング組
成物が得られる。本発明によるコーティング組成物から
塗膜を基材表面に形成し、前記塗膜に紫外線を照射する
ことにより、該塗膜のセラミックス化に要する時間が短
縮しセラミックス膜の形成効率が向上すると共に、膜が
緻密になる、耐擦傷性(表面硬度)が高くなる、ガスバ
リア性が向上する、等、最終的に得られるセラミックス
膜の特性が向上する。以下、本発明について詳しく説明
する。
【0012】ポリシラザン及びその変性物 本発明で用いるポリシラザンは、分子内に少なくともS
i−H結合又はN−H結合を有するポリシラザンであれ
ばよく、ポリシラザン単独は勿論のこと、ポリシラザン
と他のポリマーとの共重合体やポリシラザンと他の化合
物との混合物でも利用できる。用いるポリシラザンに
は、鎖状、環状又は架橋構造を有するもの、あるいは分
子内にこれら複数の構造を同時に有するものがあり、こ
れら単独でもあるいは混合物でも利用できる。
【0013】用いるポリシラザンの代表例としては下記
のようなものがあるが、これらに限定されるものではな
い。得られる膜の硬度や緻密性の点からはペルヒドロポ
リシラザンが好ましく、可撓性の点ではオルガノポリシ
ラザンが好ましい。これらポリシラザンの選択は、当業
者であれば用途に合わせて適宜行うことができる。上記
一般式(I)でR1 、R2 及びR3 に水素原子を有する
ものは、ペルヒドロポリシラザンであり、その製造法
は、例えば特公昭63−16325号公報、D. Seyfert
h らCommunication of Am. Cer. Soc., C-13, January
1983. に報告されている。これらの方法で得られるもの
は、種々の構造を有するポリマーの混合物であるが、基
本的には分子内に鎖状部分と環状部分を含み、
【0014】
【化2】
【0015】の化学式で表わすことができる。ペルヒド
ロポリシラザンの構造の一例を以下に示す。
【0016】
【化3】
【0017】一般式(I)でR1 及びR2 に水素原子、
3 にメチル基を有するポリシラザンの製造方法は、D.
Seyferth らPolym. Prepr., Am. Chem. Soc., Div. Po
lym.Chem., 25, 10(1984)に報告されている。この方
法により得られるポリシラザンは、繰り返し単位が−
(SiH2 NCH3 )−の鎖状ポリマーと環状ポリマー
であり、いずれも架橋構造をもたない。一般式(I)で
1 及びR3 に水素原子、R2 に有機基を有するポリオ
ルガノ(ヒドロ)シラザンの製造法は、D. Seyferth ら
Polym. Prepr., Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem.,
25, 10(1984)、特開昭61−89230号公報、同6
2−156135号公報に報告されている。これらの方
法により得られるポリシラザンには、−(R2 SiHN
H)−を繰り返し単位として、主として重合度が3〜5
の環状構造を有するものや(R3 SiHNH)X 〔(R
2 SiH)1.5 N〕1-X (0.4<x<1)の化学式で
示される分子内に鎖状構造と環状構造を同時に有するも
のがある。
【0018】一般式(I)でR1 に水素原子、R2 及び
3 に有機基を有するポリシラザン、またR1 及びR2
に有機基、R3 に水素原子を有するものは、−(R1
2 SiNR3 )−を繰り返し単位として、主に重合度が
3〜5の環状構造を有している。用いるポリシラザン
は、上記一般式(I)で表わされる単位からなる主骨格
を有するが、一般式(I)で表わされる単位は、上記に
も明らかなように環状化することがあり、その場合には
その環状部分が末端基となり、このような環状化がされ
ない場合には、主骨格の末端はR1 、R2 、R3 と同様
の基又は水素であることができる。
【0019】ポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの中に
は、D. Seyferth らCommunication ofAm. Cer. Soc., C
-132, July 1984. が報告されている様な分子内に架橋
構造を有するものもある。一例を下記に示す。
【0020】
【化4】
【0021】また、特開昭49−69717号公報に報
告されている様なR1 SiX3 (X:ハロゲン)のアン
モニア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラ
ザン(R1 Si(NH)X )、あるいはR1 SiX3
びR2 2SiX2 の共アンモニア分解によって得られる下
記の構造を有するポリシラザンも出発材料として用いる
ことができる。
【0022】
【化5】
【0023】また、ポリシラザン変性物として、例えば
下記の構造(式中、側鎖の金属原子であるMは架橋をな
していてもよい)のように金属原子を含むポリメタロシ
ラザンも出発材料として用いることができる。
【0024】
【化6】
【0025】その他、特開昭62−195024号公報
に報告されているような繰り返し単位が〔(SiH2
n (NH)m 〕及び〔(SiH2 r O〕(これら式
中、n、m、rはそれぞれ1、2又は3である)で表さ
れるポリシロキサザン、特開平2−84437号公報に
報告されているようなポリシラザンにボロン化合物を反
応させて製造する耐熱性に優れたポリボロシラザン、特
開昭63−81122号、同63−191832号、特
開平2−77427号公報に報告されているようなポリ
シラザンとメタルアルコキシドとを反応させて製造する
ポリメタロシラザン、特開平1−138108号、同1
−138107号、同1−203429号、同1−20
3430号、同4−63833号、同3−320167
号公報に報告されているような分子量を増加させたり
(上記公報の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後
2者)、無機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特
開平2−175726号、同5−86200号、同5−
331293号、同3−31326号公報に報告されて
いるようなポリシラザンに有機成分を導入した厚膜化に
有利な共重合ポリシラザンなども同様に使用できる。
【0026】アミン類放出性化合物 本発明によるコーティング組成物は、紫外線照射により
アミン類を放出するアミン類放出性化合物を含む。本発
明により添加されるアミン類放出性化合物は、それ自体
はポリシラザンのセラミックス化を促進する触媒作用を
示さない化合物である。しかし、本発明により添加され
るアミン類放出性化合物は、紫外線を照射されることに
よりアミン類を放出し、この放出されたアミン類がポリ
シラザンのセラミックス化を促進する。このようなアミ
ン類放出性化合物を含むことにより、本発明によるコー
ティング組成物は、紫外線を照射するまではポリシラザ
ンがセラミックス化することないので、常温での保存安
定性が良好となる。
【0027】紫外線照射によりアミン類放出性化合物か
ら放出されるアミン類は、下記一般式(II)で示されるも
のであることが好ましい。 R4 5 6 N (II) 上式中、R4 、R5 、R6 は、それぞれ水素原子、アル
キル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキ
シ基を表す。
【0028】放出されるアミン類の具体例として、メチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチル
アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピル
アミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチ
ルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチ
ルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘ
キシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミ
ン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、トリヘプチル
アミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオク
チルアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミン、トリ
フェニルアミン、アニリン、ベンジルアミン、エチレン
ジアミン、プロパンジアミン、等が挙げられる。なお、
これらアミン類に含まれる炭化水素鎖は、直鎖であって
も分枝鎖であってもよい。塩基性度(水溶液中でのpK
b値)及び沸点が高いアミン類ほど、セラミックス化を
促進する傾向がある。特に好ましいアミン類は、アニリ
ン、ベンジルアミン、エチレンジアミン及びプロパンジ
アミンである。
【0029】このようなアミン類を紫外線照射により放
出する化合物、すなわちアミン類放出性化合物として
は、R−NH−CO−O−基を有する化合物、例えばカ
ルバミン酸エステル、並びにR−CO−O−N=基又は
−R’−CO−O−N=結合を有し、水分子の存在下で
アミン類を放出する化合物、例えばオキシムが挙げられ
る。ここでRは、上記R4 等について定義した基と同じ
であり、またR′は、Rに対応する二価の基であること
ができる。これらの化合物が紫外線照射によりアミン類
を放出する反応を以下に例示する。
【0030】カルバミン酸エステル系化合物
【化7】
【0031】オキシム系化合物
【化8】
【0032】本発明において特に好ましい化合物と、紫
外線照射によりアミン類が生成する反応を以下に列挙す
る。
【0033】2−(2,4−ジメトキシフェニル)プロ
ピルN−シクロヘキシルカルバメート
【化9】
【0034】1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチ
ルN−シクロヘキシルカルバメート
【化10】
【0035】(2−ニトロフェニル)メチルN−シクロ
ヘキシルカルバメート
【化11】
【0036】1−(2−ニトロフェニル)エチルN−シ
クロヘキシルカルバメート
【化12】
【0037】O−ピバロイルアセトフェノンオキシム
【化13】
【0038】O−フェニルアセチルアセトフェノンオキ
シム
【化14】
【0039】O−ベンゾイルアセトフェノンオキシム
【化15】
【0040】O,O−スクシニルジアセトフェノンオキ
シム
【化16】
【0041】O,O−グルタリルジアセトフェノンオキ
シム
【化17】
【0042】ポリシラザンのセラミックス化を促進する
ために紫外線照射時に放出されなければならないアミン
類の量は、ポリシラザン重量に対して1ppm以上であ
ればよく、好ましくは100ppm〜5%である。上記
のアミン類の放出量を確保するために必要なアミン類放
出性化合物のコーティング組成物への添加量は、その種
類や紫外線照射量にもよるが、ポリシラザン重量に対し
て一般に3ppm%以上、好ましくは300ppm〜1
5重量%である。これらアミン類放出性化合物の添加法
に特に制限はなく、単にポリシラザン又はポリシラザン
溶液に混合する、或いは後述の溶剤で適当に希釈してか
らポリシラザン又はポリシラザン溶液に混合することが
できる。
【0043】コーティング組成物の調製 本発明によるコーティング組成物は、採用する塗布方法
に適した作業性を得るため、ポリシラザンのための溶剤
で希釈したものとすることが好ましい。溶剤としては、
脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素の炭
化水素溶剤、ハロゲン化メタン、ハロゲン化エタン、ハ
ロゲン化ベンゼン等のハロゲン化炭化水素、脂肪族エー
テル、脂環式エーテル等のエーテル類を使用することが
できる。好ましい溶剤は、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ブロモホルム、塩化エチレン、塩化エ
チリデン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、イソプロピルエ
ーテル、エチルブチルエーテル、ブチルエーテル、1,
2−ジオキシエタン、ジオキサン、ジメチルジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエー
テル類、ペンタンヘキサン、イソヘキサン、メチルペン
タン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタ
ン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン、エチルシクロヘキサン、シ
クロヘキセン、p−メンタン、リモネン、デカリン、テ
トラリン、フェニルシクロヘキサン、シクロヘキサン、
ノナン、デカン、n−ヘキサン、ペンタン、ジメチルジ
エトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、等の炭化
水素等である。これらの溶剤を使用する場合、ポリシラ
ザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために、2種
類以上の溶剤を混合してもよい。
【0044】溶剤の使用量(割合)は採用する塗布方法
により作業性がよくなるように選択され、また用いるポ
リシラザンの平均分子量、分子量分布、その構造によっ
て異なるので、適宜、自由に混合することができる。好
ましくは固形分濃度で1〜50重量%の範囲で混合する
ことができる。
【0045】また、本発明のコーティング組成物におい
て、必要に応じて適当な充填剤及び/又は増量剤を加え
ることができる。充填剤の例としてはシリカ、アルミ
ナ、ジルコニア、マイカを始めとする酸化物系無機物あ
るいは炭化珪素、窒化珪素等の非酸化物系無機物の微粉
等が挙げられる。また用途によってはアルミニウム、亜
鉛、銅等の金属粉末の添加も可能である。これら充填剤
は、針状(ウィスカーを含む。)、粒状、鱗片状等種々
の形状のものを単独又は2種以上混合して用いることが
できる。又、これら充填剤の粒子の大きさは1回に適用
可能な膜厚よりも小さいことが望ましい。また充填剤の
添加量はポリシラザン1重量部に対し、0.05重量部
〜10重量部の範囲であり、特に好ましい添加量は0.
2重量部〜3重量部の範囲である。コーティング組成物
には、必要に応じて紫外線吸収剤、各種顔料、レベリン
グ剤、消泡剤、帯電防止剤、pH調整剤、分散剤、表面改
質剤、可塑剤、乾燥促進剤、流れ止め剤を加えてもよ
い。
【0046】紫外線吸収剤(光重合開始剤)として、紫
外線を吸収する物質を添加又は付加することができる。
特に、フェニル基やC=C結合を有する物質の添加又は
付加が考えられる。具体的には、コーティング組成物に
ジフェニルビス(t−ブチルペルオキシ)シラン、ベン
ゾイルアセトン、ベンゾキノン、ベンゾインイソブチル
エーテル、1−クロロ−4−プロポキシチオキサント
ン、アセチルアセトン、シンナミルアルコールの一種又
は二種以上を添加することができる。また、シンナミル
アルコール等の反応によりシンナミル基を付加するこ
と、アクリルオキシプロピルジクロロシラン等の反応に
よりアクリル基を付加すること、或いは、ポリシラザン
の主骨格にアクリレートシロキサンを反応させるなどし
てアクリル基を付与することが可能である。
【0047】被塗布材 本発明の方法によると、金属、セラミックス、ガラス、
等をはじめとする多種多様な基材の表面にSiO2 系セ
ラミックス膜を形成することができる。本発明の方法で
は、低温で且つ迅速にセラミックス化することができる
ので、プラスチックフィルム、電子部品(例、Siウェ
ハ)、等、耐熱性の低い基材に適用すると特に有利であ
る。基材を損なわないといった低温で適用できることか
ら由来する利点以外に、ポリシラザンを含む溶液を使用
することから由来する表面平滑性や、本発明で得られる
最終的な膜が緻密なシリカ質セラミックスであることか
ら由来する基材との密着性、硬度、ガスバリア性、透明
性、耐薬品性、平坦化性、イオンバリア性、等を付与で
きるため、これらの特性を一種又は特に二種以上必要と
する分野に好適に用いられる。
【0048】例えば、低温で、プラスチックフィルムを
基材として、これに表面平滑性とガスバリア性と透明性
が必要なシリカ膜を適用できるため、基板としてプラス
チックフィルムを用いた透明電極基板に好適に用いられ
る。これらを用いる製品としては基板としてポリエーテ
ルスルホン等のプラスチックフィルムを用いる液晶表示
素子用電極フィルムやエレクトロルミネッセンス装置等
が挙げられる。また、低温で適用できることと平坦で緻
密なシリカ膜が得られることから、配線を施した半導体
装置等の電子装置を基板としても好適に用いることがで
きることがわかる。さらに、低温で適用できることか
ら、ITOの施工処理等、既に処理の施してある基材
に、該前処理を損なわずにシリカ膜を適用することがで
きる。
【0049】その上、同様に基材を損なわずに上記特性
を一種又は二種以上必要とすることから、CRT飛散防
止フィルムのハードコート、液晶分野等の光学分野に用
いられる偏光板、ガスや水蒸気のバリアコート、タッチ
パネルのアンダーコート等に、好適に適宜使用すること
ができる。半導体装置に本発明のSiO2 系セラミック
ス膜を適用する場合、各種絶縁膜として用いることがで
きるので、従来より絶縁を目的として設けられている部
分に適用が可能である。例えば、半導体基板と金属配線
層との間や、金属配線層間や、半導体基板上に設けられ
ている各種素子等に設けることができる。液晶分野では
イオンバリヤ性やガスバリア性や硬度を付与する為に従
来より設けられている部分に適用が可能である。例え
ば、アルカリパッシベーション膜としてITO等の透明
導電膜とガラスやフィルムの基板との間や、配向膜とし
てガラスやフィルム基板にITOが施された液晶素子上
に、ガスバリヤ性、硬度を付与し、液晶素子の寿命を高
める為に設けることなどが挙げられる。また、カラー液
晶表示装置の電極表面の段差を無くし表示画像の色むら
を解消するため、この段差を平坦化するために、電極上
やカラーフィルター上等に、本発明のSiO2 系セラミ
ックス膜を適用することもできる。従来別の方法で製造
されていたSiO2 部分に本発明の方法を適用すること
は可能である。上記特性を一種又は特に二種以上必要な
分野であれば適用することは容易である。
【0050】プラスチック材料としては、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリイミド(PI;例え
ば、商品名カプトンで市販されているピロメリット酸無
水物とジアミノジフェニルエーテルとの重縮合生成
物)、ポリカーボネート(PC)、二軸延伸ポリプロピ
レン(OPP)、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン
ナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PE
S)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエ
ーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート(PA
R)、ポリスチレン、ポリアミド(ナイロン(商
標))、ポリアミドイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル系樹脂(例、ロンザ社製、ISARYL(登録商
標))、アクリル系樹脂(例、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA))、ポリノルボルネン系樹脂(日本合成
ゴム株式会社製、ARTON(登録商標))、ゼオネッ
クス(日本ゼオン株式会社製、登録商標)、セルロース
アセテート、トリアセチルセルロース(TAC)等の人
造樹脂フィルムなどのフィルム状物もしくはシート状物
又はこれらの複合フィルム状物もしくは複合シート状
物、二軸延伸パラ系アラミドフィルム、ノルボルネン系
ポリオレフィンフィルム、支持体付き極薄フィルム、等
が挙げられる。プラスチックフィルムの面積や厚さには
特に制限はなく、長尺フィルムをはじめとする用途に応
じた任意の面積及び厚さのフィルムを使用することがで
きる。さらにまた、これらのフィルム又はシートを2種
以上積層した複層フィルムであってもよい。また、フィ
ルムには、密着性向上のためにコロナ放電処理、シラン
カップリング剤の塗布、等の前処理を施すこともでき、
用途に合わせて周知の処理を施すことができる。
【0051】塗布方法 本発明によると、上記のようなコーティング用組成物を
上記のような各種基材に塗布することによってポリシラ
ザンの膜を形成する。塗布方法は、通常実施されている
塗布方法、例えば、浸漬塗布、ロール塗布、バー塗布、
ウェブ塗布(グラビア、キス、キスメイヤバー、ダイ、
フレキソ、等)、刷毛塗り、スプレー塗布、回転塗布、
流し塗り等が用いられる。プラスチックフィルムに好ま
しい適用方法はグラビア(リバース)塗布法である。塗
布後、所望であればポリシラザン塗膜を乾燥する工程を
別途設けてもよい。しかしながら、一般にポリシラザン
溶剤は揮発性が高く、特別に乾燥工程を設けなくても次
の工程へ進めることができ、また他の工程において同時
に乾燥させることもできる。
【0052】紫外線照射 本発明によると、上記方法で塗布した後、ポリシラザン
とアミン類放出性化合物とを含む塗膜に紫外線を照射す
る。この紫外線照射により、アミン類放出性化合物から
アミン類が放出されると共に基材が加熱され、セラミッ
クス化(シリカ転化)に寄与するO2 とH2 Oや、紫外
線吸収剤(光重合開始剤)、ポリシラザン自身が励起、
活性化されるため、ポリシラザンが励起し、ポリシラザ
ンのセラミックス化がアミン類により促進され、また得
られるセラミックス膜が一層緻密になる。紫外線照射
は、塗膜形成後であればいずれの時点で実施しても有効
である。すなわち、ポリシラザンを含む塗膜形成直後の
塗膜乾燥前、塗膜乾燥中及び塗膜乾燥後のいずれにおい
て実施しても有効である。また、任意であるが、紫外線
照射と同時にオゾンや過酸化水素ガスをポリシラザン含
有塗膜に接触させるとさらに有効である。
【0053】本発明の方法では、常用されているいずれ
の紫外線発生装置でも使用することが可能である。本明
細書における「紫外線」とは、一般に解釈されている波
長、具体的には400nm以下の波長を有するUV光や
X線、電子線を含む輻射線を意味する。本発明の方法の
好ましい態様では150〜400nm、より好ましくは
200〜350nmの紫外線が用いられる。
【0054】紫外線の照射は、照射される塗膜を担持し
ている基材がダメージを受けない範囲で照射強度及び/
又は照射時間を設定すべきである。基材としてプラスチ
ックフィルムを用いた場合を例にとると、2kW(80
W/cm×25cm)のランプを用い、基材表面の強度
が20〜300mW/cm2 、好ましくは50〜200
mW/cm2 になるように基材−ランプ間距離(例、1
5cm)を設定し、0.05〜3分間の照射を行うこと
ができる。
【0055】一般に、紫外線照射処理時の基材温度が1
50℃以上になると、プラスチックフィルム等の場合に
は基材が変形したり、その強度が劣化するなど、基材が
損なわれる。しかしながら、ポリイミド等の耐熱性の高
いフィルムや、シリコンウェハー、ガラス、金属、等の
基板の場合にはより高温での処理が可能であり、そのよ
うな場合でも、本発明によるポリシラザン塗膜のセラミ
ックス化方法は、紫外線照射工程のみでセラミックス化
を完了させることができ、またその膜特性を向上させる
上で実際に有効である。従って、この紫外線照射時の基
材温度に一般的な上限はなく、基材の種類によって当業
者が適宜設定することができる。また、紫外線照射雰囲
気に特に制限はなく、空気中で実施すればよい。
【0056】このような紫外線の発生方法としては、例
えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水
銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークラン
プ、エキシマランプ(1172nm、222nm、30
8nmの単一波長、例えば、ウシオ電機(株)製)、U
V光レーザー、等が挙げられるが、特に限定されるわけ
ではない。また、発生させた紫外線をポリシラザン塗膜
に照射する際には、効率の向上のため均一な照射を達成
するためにも、発生源からの紫外線を反射板で反射させ
てから塗膜に当てることが望ましい。
【0057】紫外線照射はバッチ処理にも連続処理にも
適合可能であり、被塗布基材の形状によって適宜選定す
ることができる。例えば、バッチ処理の場合には、ポリ
シラザン塗膜を表面に有する基材(例、シリコンウェハ
ー)を上記のような紫外線発生源を具備した紫外線照射
器で処理することができる。紫外線照射器自体は一般に
知られており、例えば、アイグラフィクス(株)製を使
用することができる。また、ポリシラザン塗膜を表面に
有する基材が長尺フィルム状である場合には、これを搬
送させながら上記のような紫外線発生源を具備した乾燥
ゾーンで連続的に紫外線を照射することによりセラミッ
クス化することができる。紫外線照射に要する時間は、
塗布される基材やコーティング組成物の組成、濃度にも
よるが、一般に0.02〜10分、好ましくは0.05
〜3分である。
【0058】赤外線照射(任意) 本発明によると、上記紫外線照射とは別に、必要に応じ
てポリシラザンを含む塗膜に赤外線を照射することによ
り該塗膜のセラミックス化を一層促進することができ
る。また、上記紫外線照射の場合と同様、赤外線照射
は、ポリシラザン含有塗膜形成後であればいずれの時点
で実施しても有効である。さらに、上記紫外線照射と併
用する場合、赤外線照射は、紫外線照射の前後いずれに
おいても、又は紫外線照射と同時に、実施することがで
きる。
【0059】赤外線照射に際しては、常用されているい
ずれの赤外線発生装置でも使用することが可能である。
本明細書における「赤外線」とは、一般に解釈されてい
る波長、具体的には波長約0.8〜1000μmを有す
る輻射線を意味する。この赤外線は波長約0.8〜2.
0μmの近赤外線と、波長約2.0〜4.0μmの中赤
外線と、波長約4.0〜1000μmの遠赤外線との三
つの領域に分けられる。一般に、これらの赤外線を塗膜
側から照射した場合、膜厚にもよるが、近赤外線は、コ
ーティングされた基材(例、プラスチック基材)まで透
過しこれを加熱する。また、中赤外線の場合は、基材と
塗膜の界面から塗膜内部まで透過しこれを加熱する。さ
らに、遠赤外線の場合は、塗膜内部から塗膜表面まで透
過しこれを加熱する。本発明の方法では、基材を損ない
にくい点で、近赤外線よりも中赤外線、さらには中赤外
線よりも遠赤外線を使用することが好ましい。すなわ
ち、本発明の方法では一般に0.8〜1000μm、好
ましくは2.0〜1000μm、より好ましくは4.0
〜1000μmの赤外線が用いられる。
【0060】赤外線の照射は、照射される塗膜を担持し
ている基材がその耐熱温度以下に、基材の種類による
が、プラスチックフィルムの場合は好ましくは150℃
以下、より好ましくは100℃以下に保持されるよう
に、照射強度を調節して実施する。また、赤外線照射雰
囲気に特に制限はなく、空気中で実施すればよい。この
ような赤外線の発生方法としては、例えば、赤外線ラジ
エタや赤外線セラミクスヒータを使用する方法が挙げら
れるが、特に限定されるわけではない。また、赤外線ラ
ジエタを使用する場合には、赤外線の使用波長に応じ
て、波長1.3μmに強度ピークを有する近赤外線ラジ
エタ、波長2.5μmに強度ピークを有する中赤外線ラ
ジエタ、波長4.5μmに強度ピークを有する遠赤外線
ラジエタを使用することができる。
【0061】また、照射効率を高めるために、即ち、ポ
リシラザンのセラミックス化に効果のある波長でのみ照
射できるので、スペクトルが単一である赤外レーザーを
使用することが好ましい。赤外レーザーの具体例とし
て、HF、DF、HCl、DCl、HBr、DBrなど
の気体化学レーザー(照射波長2.5〜6μm)、CO
2 気体レーザー、N2 O気体レーザー(照射波長約10
μm)、CO2 気体レーザー励起遠赤外レーザー(NH
3 、CF4 、等)(照射波長12〜16μm)、Pb
(Cd)S、PbS(Se)、Pb(Sn)Te、Pb
(Sn)Se、等の化合物半導体レーザー(照射波長
2.5〜20μm)、が挙げられる。また、発生させた
赤外線をポリシラザン塗膜に照射する際には、効率の向
上のため均一な照射を達成するためにも、発生源からの
赤外線を反射板で反射させてから塗膜に当てることが望
ましい。
【0062】上記紫外線照射の場合と同様、赤外線照射
はバッチ処理にも連続処理にも適合可能であり、被塗布
基材の形状によって適宜選定することができる。例え
ば、バッチ処理の場合には、ポリシラザン塗膜を表面に
有する基材(例、シリコンウェハー)を上記のような赤
外線発生源を具備した赤外線焼成炉で処理することがで
きる。赤外線焼成炉自体は一般に知られており、例え
ば、アルバック製を使用することができる。また、ポリ
シラザン塗膜を表面に有する基材が長尺フィルム状であ
る場合には、これを搬送させながら上記のような赤外線
発生源を具備した乾燥ゾーンで連続的に赤外線を照射す
ることによりセラミックス化を促進することができる。
この赤外線照射は、単独で実施してもよいし、また従来
の熱風乾燥と併用してもよい。しかしながら、蒸発させ
た溶媒の除去を促進するためにも、赤外線照射と熱風乾
燥を組み合わせる方が好ましい。このように赤外線照射
と熱風乾燥を組み合わせた市販の連続式乾燥装置の例と
して、井上金属工業(株)製のIRフロートドライヤ
(商品名)が挙げられる。赤外線照射を行う場合、塗布
される基材やコーティング組成物の組成、濃度にもよる
が、所要時間は一般に0.1〜10分、好ましくは1〜
3分である。
【0063】追加のセラミックス化処理(熱処理及び/
又は後処理) 本発明によると、ポリシラザンとアミン類放出性化合物
とを含有する塗膜に紫外線照射を施すことによって、目
的のSiO2 系セラミックス膜が得られる。しかしなが
ら、紫外線照射にさらに別のセラミックス化処理を追加
することにより、セラミックス化を一層促進することが
できる。以下、この追加のセラミックス化処理について
説明する。
【0064】上記の紫外線照射においては、場合によっ
てはSi−O、Si−N、Si−H、N−Hが存在する
膜が形成される。この時点でポリシラザン塗膜の一部が
セラミックス化している場合もあるが、この塗膜はまだ
セラミックスへの転化が不完全な場合もある。この塗膜
を、次に述べる熱処理及び/又は後処理によって、セラ
ミックスに転化させることが可能である。
【0065】熱処理を採用する場合、その熱処理温度は
ポリシラザンが完全にセラミックス化する温度、通常4
00℃以上が好ましいが、例えば液晶を含む装置の外部
にコーティングを施す場合には、用いる液晶の耐熱温度
よりも低い温度、一般には240℃以下、好ましくは2
00℃以下を採用することが好ましい。しかしながら、
本発明によるポリシラザンは、紫外線照射によりアミン
類が放出されているため、液晶及び/又は基材(特に、
プラスチックや強化ガラス)を損なわない低温、好まし
くは150℃以下で加熱処理を施すことができる。一般
に、プラスチック基材の場合、加熱処理を150℃以上
で行うと、変形や強度劣化などプラスチック基材が損な
われる。
【0066】熱処理の昇温速度は特に限定しないが、5
〜20℃/分の緩やかな昇温速度が好ましい。熱処理雰
囲気は酸素中、空気中あるいは不活性ガス等のいずれで
あってもよいが、空気中がより好ましい。空気中での熱
処理によりポリシラザンの酸化、あるいは空気中に共存
する水蒸気による加水分解が進行し、上記のような低い
熱処理温度でSi−O結合あるいはSi−N結合を主体
とする緻密なセラミック被膜の形成が可能となる。この
被膜は、ポリシラザンに由来するために窒素を原子百分
率で0.005〜5%含有する。
【0067】上記の低温での熱処理においてはSi−
O、Si−N、Si−H、N−H結合が存在する膜が形
成される場合がある。この膜はまだセラミックスへの転
化が不完全である。この膜を、次に述べる2つの方法
及びのいずれか一方又は両方(後処理)によって、セ
ラミックスに転化させることが可能である。なお、上記
の低温での熱処理を省略して後処理を直接施した場合で
も、ポリシラザンのセラミックス化を促進することはで
きる。
【0068】 水蒸気雰囲気中での処理。 圧力は特に限定されるものではないが、1〜3気圧が現
実的に適当である。相対湿度は特に限定されるものでは
ないが、10〜100%RHが好ましい。温度は室温以
上で効果的であるが室温〜150℃が好ましい。水蒸気
処理時間は特に限定されるものではないが10分〜30
日が現実的に適当である。
【0069】水蒸気雰囲気中での処理により、ポリシラ
ザンの酸化または水蒸気との加水分解が進行するので、
上記のような低い加熱温度で、実質的にSiO2 からな
る緻密な膜の形成が可能となる。但し、このSiO2
はポリシラザンに由来するため窒素を原子百分率で0.
05〜5%含有する。この窒素含有量が5%よりも多い
と膜のセラミックス化が不十分となり所期の効果(例え
ばガスバリヤ性や耐磨耗性)が得られない。一方、窒素
含有量を0.05%よりも少なくすることは困難であ
る。好ましい窒素含有量は原子百分率で0.1〜3%で
ある。
【0070】 触媒を含有した蒸留水中に浸す。 触媒としては、酸、塩基が好ましく、その種類について
は特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、ジ
エチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、n−エキシルアミン、n
−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブ
チルアミン、グアニジン、ピグアニン、イミダゾール、
1,8−ジアザビシクロ−〔5,4,0〕−7−ウンデ
セン、1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オク
タン等のアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、ピリジン、アンモニア水等のアル
カリ類;リン酸等の無機酸類;永酢酸、無水酢酸、プロ
ピオン酸、無水プロピオン酸のような低級モノカルボン
酸、又はその無水物、シュウ酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸のような低級ジカルボン酸又はその無水
物、トリクロロ酢酸等の有機酸類;過塩素酸、塩酸、硝
酸、硫酸、スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、三フ
ッ化ホウ素及びその電気供与体との錯体、等;SnCl
4 、ZnCl2 、FeCl3 、AlCl3 、SbC
3 、TiCl4 などのルイス酸及びその錯体等を使用
することができる。好ましい触媒は塩酸である。触媒の
含有割合としては0.01〜50重量%、好ましくは
0.1〜10重量%である。保持温度としては室温から
沸点までの温度にわたって有効である。保持時間として
は特に限定されるものではないが10分〜30日が現実
的に適当である。
【0071】触媒を含有した蒸留水中に浸すことによ
り、ポリシラザンの酸化あるいは水との加水分解が、触
媒の存在により更に加速され、上記のような低い加熱温
度で、実質的にSiO2 からなる緻密な膜の形成が可能
となる。但し、先に記載したように、このSiO2 膜は
ポリシラザンに由来するため窒素を同様に原子百分率で
0.05〜5%含有する。
【0072】また、別の後処理法として、ポリシラザン
とアミン類放出性化合物とを含有する塗膜を形成し該塗
膜に紫外線照射を施した後、その塗膜にアルコキシシラ
ン及び水を含む反応性の混合溶液を接触させる方法も挙
げられる。用いるアルコキシシランは、ゾル−ゲル法に
よるSiO2 系セラミック被膜の形成に一般に用いられ
るアルコキシシランの中から任意に選ぶことができる。
【0073】好適なアルコキシシランは、Si(OR)
4 〔式中、Rは、各々独立に、アルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアミノ基
またはアルキルシリル基を表す〕で示されるアルコキシ
シランである。好ましいRは、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基及びイソプロペニル基である。中で
も特に好ましいアルコキシシランは、テトラメトキシシ
ラン及びテトラエトキシシランである。
【0074】本発明の方法では、R’n Si(OR)
4-n 〔式中、Rは、各々独立に、アルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアミノ
基またはアルキルシリル基を表し、R’は、各々独立
に、上記Rの他、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メ
タクリル基またはメルカプト基を表し、そしてnは1〜
2の整数である〕で表される有機アルコキシシラン、又
はR’n (RO)3-n Si−R”−Si(OR)
3-m R’m 〔式中、Rは、各々独立に、アルキル基、ア
ルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキル
アミノ基またはアルキルシリル基を表し、R’は、各々
独立に、上記Rの他、ビニル基、エポキシ基、アミノ
基、メタクリル基またはメルカプト基を表し、R”は、
2価の有機結合基または−O−を表し、nは0〜3、m
は0〜3の整数を表すが、但し、n+mは4以下であ
る〕で表されるアルコキシジシランを使用してもよい。
このような有機基R’及びR”は、得られる最終のセラ
ミック被膜が所望の膜質(例えば、耐熱性、耐磨耗性、
可撓性)を示すように、当業者であれば適宜選択するこ
とができる。
【0075】反応性の混合溶液に用いられる水(H
2 O)には、通常のイオン交換水、工業用水、濾過水、
等が使用できる。しかしながら、得られる最終セラミッ
ク被膜の膜質等を考慮した場合、純水を使用することが
好ましい。また、水の代わりに過酸化水素水を使用する
ことは可能である。混合溶液中のアルコキシシランと水
の存在比率は、体積基準でアルコキシシラン/水=0.
01〜100、より好ましくは0.1〜10の範囲が好
ましい。この比率が0.01よりも小さいと、水による
反応が主体となり、得られるセラミックスの膜質が悪く
なる。一方、100よりも大きいと、アルコキシシラン
の加水分解速度が遅くなる。また、この比率を変更する
ことによって混合溶液の反応性を制御することができ
る。
【0076】この混合溶液は、必要に応じて、R”OH
で示されるアルコールを含有することができる。ここで
R”は、アルコキシシランについて先に記載したRと同
じ基、すなわちアルキル基、アルケニル基、シクロアル
キル基、アリール基、アルキルアミノ基またはアルキル
シリル基を表す。特定の混合溶液におけるアルコールの
R”とアルコキシシランのRは、同種であることが好ま
しいが、異なっていてもよい。アルコールが含有される
ことによって、アルコキシシランの加水分解が促進さ
れ、溶液の反応性が高まる。混合溶液中のアルコキシシ
ランと前記アルコールの存在比率は、体積基準でアルコ
キシシラン/アルコール=100〜0.01、より好ま
しくは10〜0.1の範囲が好ましい。この比率が10
0よりも大きいと、アルコキシシランの分解が少なく、
溶液の反応性が低くなる。一方、0.01よりも小さい
と、アルコールとシラザンの反応が主体となり、膜質が
劣化する。また、先に記載した水の場合と同様に、この
比率を変更することによっても混合溶液の反応性を制御
することができる。
【0077】アルコキシシランと水を含む反応性の混合
溶液は、該アルコキシドの加水分解及びポリシラザンと
の反応を促進させるために触媒を含有することができ
る。触媒としては酸、塩基が好ましく、その種類につい
ては特に限定はされないが、例として塩酸、硫酸、フッ
酸、硝酸及びこれらの塩類、アンモニア、水酸化アンモ
ニウム、塩化アンモニウム、トリエチルアミン、ジエチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミンなどのアミン類、並びに水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、等が挙げられる。これ
らの酸、塩基触媒の添加量は、アルコキシシラン1モル
当たり0.0001〜10モル%、より好ましくは0.
001〜1.0モル%が好ましい。同様に、この触媒添
加量によっても混合溶液の反応性を制御することができ
る。
【0078】このように調製したアルコキシシラン及び
水を含有する反応性の混合溶液を、上記の紫外線照射後
のポリシラザン塗膜に適当な方法で接触させる。接触さ
せる方法として、例えば、浸漬法、噴霧法、等が挙げら
れる。この接触によってポリシラザンとアルコキシシラ
ンとの間で反応が起こり、これらがSiOx 組成のセラ
ミックに転化する。この接触時の温度(例えば、浸漬液
の温度)は、室温で十分であるが、所望により室温〜混
合溶液の沸点以下の範囲に加熱してもよい。接触時間
は、限定するわけではないが、一般に1時間以内で済
み、好ましくは1〜10分の範囲である。
【0079】混合溶液との接触工程終了後、得られた被
膜の乾燥と膜質の向上を兼ねて、基板の耐熱温度以下の
温度で後加熱工程を実施することができる。ポリシラザ
ンとアルコキシシランとの間のセラミック被膜の形成反
応は、以下の三つの素反応が基本になっているものと考
える。すなわち、混合溶液中においてアルコキシシラン
が下式: ≡Si−OR + H2 O −−> ≡Si−OH + ROH のように加水分解され、このとき生成したシラノール基
が、下式: ≡Si−OH + ≡Si−H −−> ≡Si−O−Si≡ + H2 ≡Si−OH + ≡Si−NH−Si≡ −−> ≡Si−O−Si≡ + ≡Si−NH2 のようにポリシラザンのSi−H及び/又はN−H結合
と反応することによって膜がSiOx 化する。この方法
によると、実質的にSi−O結合を主体とする緻密なS
iO2 系セラミック被膜を、常温で且つ短時間に得るこ
とができる。
【0080】上記の紫外線照射工程を、さらに必要に応
じて追加のセラミックス化処理を施すことによって、ポ
リシラザン又はその変性物に含まれるSi−N、Si−
H、N−H結合等は消失し、Si−O結合を主体とする
強靱なセラミックス膜が基材表面に形成される。尚、こ
のSiO2 膜はポリシラザンに由来するため窒素を原子
百分率で0.005〜5%含有する。この窒素含有量が
5%よりも多い場合には膜のセラミックス化が不十分と
なり所期の効果(例えばガスバリヤ性や耐磨耗性)が得
られない。一方、窒素含有量を0.005%よりも少な
くすることは困難である。また、紫外線照射時にアミン
類が生成するため、SiO2 膜中にアミン類が含まれる
場合がある。これは、アミン類の種類やセラミックス化
の条件によって制御することができ、アミン類をまった
く含まないSiO2 膜を製造することは容易に可能であ
る。
【0081】1回の適用で得られるSiO2 膜の厚さ
は、好ましくは50Å〜5μm、より好ましくは100
Å〜2μmの範囲である。膜厚が5μmよりも厚いと熱
処理時に割れが入ることが多く、更に可撓性が悪くな
り、折り曲げなどによる割れや剥離も生じ易くなる。反
対に、膜厚が50Åよりも薄いと所期の効果、例えば所
望のガスバリヤ性や耐磨耗性が得られない。この膜厚
は、コーティング用組成物の濃度を変更すること及び/
又はコーティング条件によって制御することができる。
すなわち、膜厚を増加したい場合にはコーティング用組
成物の固形分濃度を高くする(溶剤濃度を低くする)こ
とができ、またロールのメッシュを細かくすること、さ
らにコーティング用組成物を複数回適用することによっ
て膜厚をさらに増加させることもできる。
【0082】その他の機能性を付与するために、従来よ
り行われている機能性フィラーの添加や、各種層を積層
させることが可能である。例えば、導電性を付与するた
めに導電性微粒子を添加したり、屈曲性を付与するため
に可撓性のある中間層を積層させる、等が可能である。
【0083】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、これらの実施例が本発明を限定するものではないこ
とを理解されたい。
【0084】参考例〔ペルヒドロポリシラザンの合成〕 内容積1Lの四つ口フラスコにガス吹き込み管、メカニ
カルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着した。反
応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口フ
ラスコに脱気した乾燥ピリジン490mlを入れ、これ
を氷冷した。次いで、ジクロロシラン51.9gを加え
ると、白色固体状のアダクト(SiCl 2 ・2C6 5
N)が生成した。反応混合物を氷冷し、攪拌しながら水
酸化ナトリウム管及び活性炭管を通して精製したアンモ
ニア51.0gを吹き込んだ後、100℃で加熱した。
反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥ピリジンを
用いて洗浄した後、さらに乾燥窒素雰囲気下で濾過して
濾液850mlを得た。濾液5mlから溶媒を減圧除去
すると、樹脂状固体ペルヒドロポリシラザン0.102
gが得られた。
【0085】得られたポリマーの数平均分子量は、凝固
点降下法(溶媒:乾燥ベンゼン)で測定したところ11
20であった。赤外吸収(IR)スペクトル(溶媒:乾
燥o−キシレン;ペルヒドロポリシラザン濃度10.2
g/l)は、波数(cm-1)3390及び1180のN
−Hに基づく吸収、2170のSi−Hに基づく吸収、
1040〜800のSi−N−Siに基づく吸収を示し
た。
【0086】実施例1 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度20重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%のO
−ピバロイルアセチルアセトフェノンオキシム(O−
1)を添加し、大気中、20℃で30分間攪拌した。そ
の後、孔径0.1μmのPTFE製フィルターで濾過し
た。この溶液を、直径約10.2cm(4インチ)、厚
さ0.5mmのシリコンウェハー上にスピンコーターを
用いて塗布した(500rpm×2秒→2000rpm
×20秒)。塗布後、25℃、80%RHの環境下、メ
タルハライドランプ(照射条件:出力2kW、距離15
cm)により紫外線を5分間照射した。この紫外線照射
によりO−1からt−ブチルアミンが生成した。
【0087】実施例2 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度20重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%のO
−ピバロイルアセチルアセトフェノンオキシム(O−
1)を添加し、大気中、20℃で30分間攪拌した。そ
の後、孔径0.1μmのPTFE製フィルターで濾過し
た。この溶液を、直径約10.2cm(4インチ)、厚
さ0.5mmのシリコンウェハー上にスピンコーターを
用いて塗布した(500rpm×2秒→2000rpm
×20秒)。塗布後、25℃、80%RHの環境下、メ
タルハライドランプ(照射条件:出力2kW、距離15
cm)により紫外線を1分間照射した。この紫外線照射
によりO−1からt−ブチルアミンが生成した。紫外線
照射後、焼成炉において400℃、30分の後処理を行
った。
【0088】実施例3 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%のO
−ピバロイルアセチルアセトフェノンオキシム(O−
1)を添加し、大気中、20℃で30分間攪拌した。そ
の後、孔径0.1μmのPTFE製フィルターで濾過し
た。この溶液を、10cm角、厚さ1mmのガラス板に
浸漬塗布法を用いて塗布した。塗布後、25℃、80%
RHの環境下、メタルハライドランプ(照射条件:出力
2kW、距離15cm)により紫外線を1分間照射し
た。この紫外線照射によりO−1からt−ブチルアミン
が生成した。紫外線照射後、クリーンオーブンにおいて
300℃、30分の後処理を行った。
【0089】実施例4 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%のO
−ピバロイルアセチルアセトフェノンオキシム(O−
1)を添加し、大気中、20℃で30分間攪拌した。そ
の後、孔径0.1μmのPTFE製フィルターで濾過し
た。この溶液を、厚さ75μm、幅600mm、総延長
300mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム基材を2m/分で搬送しながらグラビア(リバー
ス)コート法(ロール#80)で片面に塗布した。塗布
後、25℃、80%RHの環境下、メタルハライドラン
プ(照射条件:出力2kW、距離25cm)により紫外
線を1分間照射した。この紫外線照射によりO−1から
t−ブチルアミンが生成した。紫外線照射後のフィルム
基材に、95℃、80%RHの恒温恒湿内(30m)を
2m/分で搬送する後処理(15分間)を施した。
【0090】実施例5 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%のO
−フェニルアセチルアセトフェノンオキシム(O−2)
を添加し、大気中、20℃で30分間攪拌した。その
後、孔径0.1μmのPTFE製フィルターで濾過し
た。この溶液を、厚さ75μm、幅600mm、総延長
300mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム基材を2m/分で搬送しながらグラビア(リバー
ス)コート法(ロール#80)で片面に塗布した。塗布
後、25℃、80%RHの環境下、メタルハライドラン
プ(照射条件:出力2kW、距離25cm)により紫外
線を1分間照射した。この紫外線照射によりO−2から
ベンジルアミンが生成した。紫外線照射後のフィルム基
材に、95℃、80%RHの恒温恒湿内(30m)を2
m/分で搬送する後処理(15分間)を施した。
【0091】実施例6 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%のO
−ベンゾイルアセトフェノンオキシム(O−3)を添加
し、大気中、20℃で30分間攪拌した。その後、孔径
0.1μmのPTFE製フィルターで濾過した。この溶
液を、厚さ100μm、幅600mm、総延長300m
のポリエーテルサルフォン(PES)フィルム基材を2
m/分で搬送しながらグラビア(リバース)コート法
(ロール#80)で片面に塗布した。塗布後、25℃、
80%RHの環境下、メタルハライドランプ(照射条
件:出力2kW、距離25cm)により紫外線を1分間
照射した。この紫外線照射によりO−3からアニリンが
生成した。紫外線照射後のフィルム基材に、95℃、8
0%RHの恒温恒湿内(30m)を2m/分で搬送する
後処理(15分間)を施した。
【0092】実施例7 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%の
O,O−スクシニルジアセトフェノンオキシム(O−
4)を添加し、大気中、20℃で30分間攪拌した。そ
の後、孔径0.1μmのPTFE製フィルターで濾過し
た。この溶液を、厚さ80μm、幅600mm、総延長
300mのトリアセテート(TAC)フィルム基材を2
m/分で搬送しながらグラビア(リバース)コート法
(ロール#80)で片面に塗布した。塗布後、25℃、
80%RHの環境下、メタルハライドランプ(照射条
件:出力2kW、距離25cm)により紫外線を1分間
照射した。この紫外線照射によりO−4からエチレンジ
アミンが生成した。紫外線照射後のフィルム基材に、9
5℃、80%RHの恒温恒湿内(30m)を2m/分で
搬送する後処理(15分間)を施した。
【0093】実施例8 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをジブチルエ
ーテルに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を
調製した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%
のO,O−グルタリルジアセトフェノンオキシム(O−
5)を添加し、大気中、20℃で30分間攪拌した。そ
の後、孔径0.1μmのPTFE製フィルターで濾過し
た。この溶液を、厚さ75μm、幅600mm、総延長
300mのポリアリレート(PAr)フィルム基材を2
m/分で搬送しながらグラビア(リバース)コート法
(ロール#80)で片面に塗布した。塗布後、25℃、
80%RHの環境下、メタルハライドランプ(照射条
件:出力2kW、距離25cm)により紫外線を1分間
照射した。この紫外線照射によりO−5から1,3−プ
ロパンジアミンが生成した。紫外線照射後のフィルム基
材に、95℃、80%RHの恒温恒湿内(30m)を2
m/分で搬送する後処理(15分間)を施した。
【0094】実施例9 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%の1
−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピルN−シクロ
ヘキシルカルバメート(CE−1)を添加し、大気中、
20℃で30分間攪拌した。その後、孔径0.1μmの
PTFE製フィルターで濾過した。この溶液を、厚さ7
5μm、幅600mm、総延長300mのポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム基材を2m/分で搬
送しながらグラビア(リバース)コート法(ロール#8
0)で片面に塗布した。塗布後、大気中、高圧水銀ラン
プ(照射条件:出力2kW、距離25cm)により紫外
線を1分間照射した。この紫外線照射によりCE−1か
らシクロヘキシルアミンが生成した。紫外線照射後のフ
ィルム基材に、95℃、80%RHの恒温恒湿内(30
m)を2m/分で搬送する後処理(15分間)を施し
た。
【0095】実施例10 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%の1
−(2,4−ジメトキシフェニル)メチルエチルN−シ
クロヘキシルカルバメート(CE−2)を添加し、大気
中、20℃で30分間攪拌した。その後、孔径0.1μ
mのPTFE製フィルターで濾過した。この溶液を、厚
さ100μm、幅600mm、総延長300mのポリエ
ーテルサルフォン(PES)フィルム基材を2m/分で
搬送しながらグラビア(リバース)コート法(ロール#
80)で片面に塗布した。塗布後、大気中、メタルハラ
イドランプ(照射条件:出力2kW、距離25cm)に
より紫外線を1分間照射した。この紫外線照射によりC
E−2からシクロヘキシルアミンが生成した。紫外線照
射後のフィルム基材に、95℃、80%RHの恒温恒湿
内(30m)を2m/分で搬送する後処理(15分間)
を施した。
【0096】実施例11 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して10重量%の1
−(2−ニトロフェニル)メチルN−シクロヘキシルカ
ルバメート(CE−3)を添加し、大気中、20℃で3
0分間攪拌した。その後、孔径0.1μmのPTFE製
フィルターで濾過した。この溶液を、厚さ80μm、幅
600mm、総延長300mのトリアセテート(TA
C)フィルム基材を2m/分で搬送しながらグラビア
(リバース)コート法(ロール#80)で片面に塗布し
た。塗布後、大気中、メタルハライドランプ(照射条
件:出力2kW、距離25cm)により紫外線を1分間
照射した。この紫外線照射によりCE−3からシクロヘ
キシルアミンが生成した。紫外線照射後のフィルム基材
に、95℃、80%RHの恒温恒湿内(30m)を2m
/分で搬送する後処理(15分間)を施した。
【0097】実施例12 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをDBEに溶
解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製した。
この溶液にポリシラザンに対して10重量%の1−(2
−ニトロフェニル)エチルN−シクロヘキシルカルバメ
ート(CE−4)を添加し、大気中、20℃で30分間
攪拌した。その後、孔径0.1μmのPTFE製フィル
ターで濾過した。この溶液を、厚さ100μm、幅60
0mm、総延長300mのポリカーボネート(PC)フ
ィルム基材を2m/分で搬送しながらグラビア(リバー
ス)コート法(ロール#80)で片面に塗布した。塗布
後、大気中、メタルハライドランプ(照射条件:出力2
kW、距離25cm)により紫外線を1分間照射した。
この紫外線照射によりCE−4からシクロヘキシルアミ
ンが生成した。紫外線照射後のフィルム基材に、95
℃、80%RHの恒温恒湿内(30m)を2m/分で搬
送する後処理(15分間)を施した。
【0098】比較例1 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度20重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して3重量%のt−
ブチルアミンを添加し、大気中、20℃で30分間攪拌
した。その後、孔径0.1μmのPTFE製フィルター
で濾過した。この溶液を、直径約10.2cm(4イン
チ)、厚さ0.5mmのシリコンウェハー上にスピンコ
ーターを用いて塗布した(500rpm×2秒→200
0rpm×20秒)。塗布後、焼成炉において400
℃、30分の後処理を行った。
【0099】比較例2 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度20重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して3重量%のt−
ブチルアミンを添加し、大気中、20℃で30分間攪拌
した。その後、孔径0.1μmのPTFE製フィルター
で濾過した。この溶液を、10cm角、厚さ1mmのガ
ラス板に浸漬塗布法を用いて塗布した。塗布後、クリー
ンオーブンにおいて300℃、30分の後処理を行っ
た。
【0100】比較例3 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザンに対して3重量%のt−
ブチルアミンを添加し、大気中、20℃で30分間攪拌
した。その後、孔径0.1μmのPTFE製フィルター
で濾過した。この溶液を、厚さ75μm、幅600m
m、総延長300mのポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム基材を2m/分で搬送しながらグラビア
(リバース)コート法(ロール#80)で片面に塗布し
た。塗布後、フィルム基材に、95℃、80%RHの恒
温恒湿内(30m)を2m/分で搬送する後処理(15
分間)を施した。
【0101】膜特性の評価 上記実施例1〜12及び比較例1〜3で得られたセラミ
ック被膜は、IR分光法におけるSi−H振動(N−H
振動)ピークの消失と、Si−O振動ピークの出現によ
り、すべて実質的にシリカへ転化したことを確認した。
また、これらセラミック被膜の膜厚は、シリコンウェハ
ーのような硬質基板の場合にはエリプソメーター及び段
差計により測定し、またフィルム基材の場合には分光法
により可視領域のスペクトル中の干渉を生じたピークを
用いて計算したところ、すべて0.4μmであることが
わかった。
【0102】これらのセラミック被膜の特性を以下の項
目について評価した。参考までに、用いたプラスチック
フィルム基材自体の特性についても(5)密着性を除い
て測定した。 (1)酸素透過率(単位:cc/m2 /24時間/at
m) モコン製測定器を用いて25℃、65%RHで測定し
た。 (2)水蒸気透過率(単位:g/m2 /24時間) モコン製測定器を用いて40℃、90%RHで測定し
た。 (3)光透過率 ヘイズメーターを用いて可視光平均透過率を測定した。 (4)耐擦傷性 スチールウール#000番、荷重500g、(面積2c
m角)100往復の条件で試験し、目視で傷の数を観察
し、A〜Eの等級付けをした。評価A:傷なし、評価
B:傷2本以下、評価C:傷3〜5本、評価D:傷6〜
10本、評価E:傷11本以上。 (5)密着性 碁盤目テープ剥離試験で評価した。
【0103】また、実施例1及び2並びに比較例1で得
られたセラミック膜の緻密性を、酸による腐食速度(エ
ッチングレート)測定によって評価した。測定方法は、
60%硝酸100mLと50%フッ酸1mLを混合した
腐食液にセラミック膜を2分間浸漬し、浸漬前後の膜厚
をエリプソメーターで測定することとした。また、実施
例1〜3並びに比較例1及び2については鉛筆硬度を測
定した。上記各種測定結果を以下の表1にまとめて記載
する。
【0104】
【表1】
【0105】表1より、紫外線照射によりアミン類を放
出する化合物を添加したポリシラザン組成物より得られ
るセラミック膜(実施例1〜12)は、アミン類を直接
添加したポリシラザン組成物より得られるセラミック膜
(比較例1〜3)と同等の膜特性(ガスバリヤ性、光透
過率、緻密性、硬度、密着性、耐擦傷性)を示すことが
わかる。
【0106】実施例13:コーティング組成物の保存安
定性 上記実施例1〜12及び比較例1〜3においてそれぞれ
調製されたコーティング組成物(実施例1〜12では紫
外線照射によりアミン類を放出する化合物を添加したポ
リシラザン組成物、比較例1〜3ではアミン類(t−ブ
チルアミン)を添加したポリシラザン組成物)の保存安
定性を調べた。保存条件は、窒素封入下で4週間の常温
保存とした。各組成物について、上記保存期間前後で数
平均分子量(Mn)を測定し、その変化率〔ΔMn=
(保存後のMn−保存前のMn)÷保存前のMn〕を求
めて下記表2に%で表示した。
【0107】
【表2】
【0108】表2より、本発明によるポリシラザンコー
ティング組成物は、紫外線を照射しないとアミン類が放
出されないため、アミン類を添加したコーティング組成
物よりも保存安定性に優れている(塗布前に高分子量化
しにくい)ことがわかる。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、紫外線照射によりアミ
ン類を放出する化合物をポリシラザン系コーティング組
成物に添加することにより、紫外線を照射するまではポ
リシラザンがセラミックス化することなく良好な保存安
定性を示し、紫外線照射により低温で容易にセラミック
ス化するコーティング組成物が得られる。本発明による
コーティング組成物から塗膜を基材表面に形成し、前記
塗膜に紫外線を照射することにより、該塗膜のセラミッ
クス化に要する時間が短縮しセラミックス膜の形成効率
が向上すると共に、膜が緻密になる、耐擦傷性(表面硬
度)が高くなる、ガスバリア性が向上する、等、最終的
に得られるセラミックス膜の特性が向上する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリシラザンと、紫外線照射によりアミ
    ン類を放出する化合物とを含むコーティング組成物。
  2. 【請求項2】 ポリシラザンと、紫外線照射によりアミ
    ン類を放出する化合物とを含む塗膜を基材表面に形成
    し、前記塗膜に紫外線を照射することを特徴とする、シ
    リカ系セラミックス膜の製造方法。
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