JPH10212114A - SiO2系セラミックス膜の形成方法 - Google Patents

SiO2系セラミックス膜の形成方法

Info

Publication number
JPH10212114A
JPH10212114A JP9320114A JP32011497A JPH10212114A JP H10212114 A JPH10212114 A JP H10212114A JP 9320114 A JP9320114 A JP 9320114A JP 32011497 A JP32011497 A JP 32011497A JP H10212114 A JPH10212114 A JP H10212114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polysilazane
film
coating
acid
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9320114A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Yamada
一博 山田
Toru Funayama
徹 舟山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP9320114A priority Critical patent/JPH10212114A/ja
Publication of JPH10212114A publication Critical patent/JPH10212114A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/5025Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials with ceramic materials
    • C04B41/5035Silica

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリシラザン由来のセラミックス膜の特性を
改良すること。 【解決手段】 ポリシラザンを含む組成物の塗膜を基材
表面に形成し、セラミックス化してSiO2 系セラミッ
クス膜を形成する方法において、前記塗膜に赤外線を照
射する工程を含むことを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシラザン由来
のSiO2 系セラミックスを形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムをはじめとする耐
熱性の低い材料にガスバリヤ性、耐擦傷性、耐熱性、耐
蝕性、平坦化性、イオンバリア性、等を付与すべく、ポ
リシラザンを塗布して実質的にSiO2 から成るセラミ
ックス膜を低温で且つ迅速に形成することができる技術
が開発されている。例えば、本出願人による特開平8−
112879号公報に、プラスチックフィルムの少なく
とも片面上にポリシラザンの膜を形成して該膜をセラミ
ックス化する工程を含むことを特徴とするSiO2 被覆
プラスチックフィルムの製造方法が記載されている。こ
こで用いられているポリシラザンは低温セラミックス化
ポリシラザンと呼ばれ、様々なポリシラザン変性物が開
示されている。中でも、特に好適な低温セラミックス化
ポリシラザンとして特開平6−299118号公報に記
載されている金属カルボン酸塩付加ポリシラザンが挙げ
られ、さらには該金属がパラジウム(Pd)であるポリ
シラザン変性物がより好ましいことが記載されている。
【0003】また、本出願人による特願平7−3416
01号明細書に、特定のポリシラザン又はその変性物を
塗布する前又は塗布した後にこれにアミン化合物及び/
又は酸化合物を接触させることを特徴とするプラスチッ
クフィルムにSiO2 系セラミックスを被覆する方法が
記載されている。さらに、このアミン化合物及び/又は
酸化合物を接触させる方法として、塗布前にポリシラザ
ン又はその変性物にアミン化合物及び/又は酸化合物を
添加する第一の態様と、塗布後にポリシラザン塗膜をア
ミン化合物及び/又は酸化合物の蒸気に暴露する第二の
態様と、そして塗布後にポリシラザン塗膜をアミン化合
物及び/又は酸化合物を含む水溶液に浸漬する第三の態
様とが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、最終
的に得られるセラミックス膜の膜特性をさらに向上させ
るべく、ポリシラザン塗膜のセラミックス化工程に着目
し、これを改良することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記の
目的は、 (1)ポリシラザンを含む組成物の塗膜を基材表面に形
成し、セラミックス化してSiO2 系セラミックス膜を
形成する方法において、前記塗膜に赤外線を照射する工
程を含むことを特徴とする方法 によって達成される。以下、本発明の好ましい実施態様
を列挙する。 (2)赤外線を照射する前の塗膜に触媒処理を施す工程
をさらに含む、(1)項に記載の方法。 (3)赤外線を照射した後の塗膜に水蒸気処理を施す工
程をさらに含む、(1)又は(2)項に記載の方法。 (4)前記触媒処理がアミン及び/又は酸に塗膜を接触
させる処理である、(2)又は(3)項に記載の方法。 (5)前記触媒処理がパラジウム化合物に塗膜を接触さ
せる処理である、(2)又は(3)項に記載の方法。 (6)前記接触が、アミン及び/若しくは酸又はパラジ
ウム化合物を含む蒸気に塗膜を接触させる方法である、
(4)又は(5)項に記載の方法。 (7)前記接触が、アミン及び/若しくは酸又はパラジ
ウム化合物を含む水溶液に塗膜を浸漬させる方法であ
る、(4)又は(5)項に記載の方法。 (8)前記ポリシラザンがポリシラザン変性物である、
(1)〜(7)項のいずれか一項に記載の方法。 (9)前記ポリシラザンが、下記一般式(I):
【0006】
【化1】
【0007】(上式中、R1 、R2 及びR3 は、それぞ
れ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロ
アルキル基、アリール基、またはこれらの基以外でケイ
素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、ア
ルキルアミノ基、アルコキシ基を表わすが、但し、
1 、R2 及びR3 の少なくとも1つは水素原子であ
る)で表わされる構造単位からなる主骨格を有する数平
均分子量100〜5万のポリシラザン又はその変性物で
あることを特徴とする、(1)〜(7)項のいずれか一
項に記載の方法。 (10)前記変性物が、前記一般式(I)で表されるポ
リシラザンと、ニッケル、チタン、白金、ロジウム、コ
バルト、鉄、ルテニウム、オスミウム、パラジウム、イ
リジウム、アルミニウムの群から選択される少なくとも
1種の金属を含む金属カルボン酸塩を反応させて得られ
る、金属カルボン酸塩/ポリシラザン重量比が0.00
0001〜2の範囲内かつ数平均分子量が約200〜5
0万の金属カルボン酸塩付加ポリシラザンである、
(8)又は(9)項に記載の方法。 (11)前記金属がパラジウムである、(10)項に記
載の方法。 (12)前記変性物がアミン化合物付加物である、
(8)又は(9)項に記載の方法。 (13)前記変性物が酸化合物付加物である、(8)又
は(9)項に記載の方法。 (14)(1)〜(13)項に記載の方法で形成され
た、窒素を原子百分率で0.05〜5%含有するSiO
2 膜を有するプラスチックフィルム。 (15)(1)〜(13)項に記載の方法で形成され
た、窒素を原子百分率で0.05〜5%含有するSiO
2 膜を含むガスバリア膜。 (16)(1)〜(13)項に記載の方法で形成され
た、窒素を原子百分率で0.05〜5%含有するSiO
2 膜を含むタッチパネル用アンダーコート。 (17)(14)項に記載のプラスチックフィルムを含
む液晶素子。 (18)(14)項に記載のプラスチックフィルムをC
RT保護フィルムとして使用したCRT。 (19)(14)項に記載のプラスチックフィルムから
なる偏光板。
【0008】本発明によれば、ポリシラザンを含む塗膜
に赤外線を照射することによりポリシラザン中のSi−
H、Si−N、Si−O等の結合及び該塗膜に含まれて
いる場合にはアミンや金属カルボン酸塩等の触媒成分が
活性化されるため、該塗膜のセラミックス化が促進さ
れ、赤外線を照射しない場合よりも最終的に得られるセ
ラミックス膜の特性が向上する。以下、本発明について
詳しく説明する。
【0009】ポリシラザン及びその変性物 本発明で用いるポリシラザンは、分子内に少なくともS
i−H結合又はN−H結合を有するポリシラザンであれ
ばよく、ポリシラザン単独は勿論のこと、ポリシラザン
と他のポリマーとの共重合体やポリシラザンと他の化合
物との混合物でも利用できる。用いるポリシラザンに
は、鎖状、環状又は架橋構造を有するもの、あるいは分
子内にこれら複数の構造を同時に有するものがあり、こ
れら単独でもあるいは混合物でも利用できる。
【0010】用いるポリシラザンの代表例としては下記
のようなものがあるが、これらに限定されるものではな
い。得られる膜の硬度や緻密性の点からはペルヒドロポ
リシラザンが好ましく、可撓性の点ではオルガノポリシ
ラザンが好ましい。これらポリシラザンの選択は、当業
者であれば用途に合わせて適宜行うことができる。上記
一般式(I)でR1 、R2 及びR3 に水素原子を有する
ものは、ペルヒドロポリシラザンであり、その製造法
は、例えば特公昭63−16325号公報、D. Seyfert
h らCommunication of Am. Cer. Soc., C-13, January
1983. に報告されている。これらの方法で得られるもの
は、種々の構造を有するポリマーの混合物であるが、基
本的には分子内に鎖状部分と環状部分を含み、
【0011】
【化2】
【0012】の化学式で表わすことができる。ペルヒド
ロポリシラザンの構造の一例を以下に示す。
【0013】
【化3】
【0014】一般式(I)でR1 及びR2 に水素原子、
3 にメチル基を有するポリシラザンの製造方法は、D.
Seyferth らPolym. Prepr., Am. Chem. Soc., Div. Po
lym.Chem., 25, 10(1984)に報告されている。この方
法により得られるポリシラザンは、繰り返し単位が−
(SiH2 NCH3 )−の鎖状ポリマーと環状ポリマー
であり、いずれも架橋構造をもたない。一般式(I)で
1 及びR3 に水素原子、R2 に有機基を有するポリオ
ルガノ(ヒドロ)シラザンの製造法は、D. Seyferth ら
Polym. Prepr., Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem.,
25, 10(1984)、特開昭61−89230号公報、同6
2−156135号公報に報告されている。これらの方
法により得られるポリシラザンには、−(R2 SiHN
H)−を繰り返し単位として、主として重合度が3〜5
の環状構造を有するものや (R3 SiHNH)X 〔(R2 SiH)1.5 N〕
1-X (0.4<x<1)の化学式で示される分子内に鎖
状構造と環状構造を同時に有するものがある。
【0015】一般式(I)でR1 に水素原子、R2 及び
3 に有機基を有するポリシラザン、またR1 及びR2
に有機基、R3 に水素原子を有するものは、−(R1
2 SiNR3 )−を繰り返し単位として、主に重合度が
3〜5の環状構造を有している。用いるポリシラザン
は、上記一般式(I)で表わされる単位からなる主骨格
を有するが、一般式(I)で表わされる単位は、上記に
も明らかなように環状化することがあり、その場合には
その環状部分が末端基となり、このような環状化がされ
ない場合には、主骨格の末端はR1 、R2 、R3 と同様
の基又は水素であることができる。
【0016】ポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの中に
は、D. Seyferth らCommunication ofAm. Cer. Soc., C
-132, July 1984. が報告されている様な分子内に架橋
構造を有するものもある。一例を下記に示す。
【0017】
【化4】
【0018】また、特開昭49−69717号公報に報
告されている様なR1 SiX3 (X:ハロゲン)のアン
モニア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラ
ザン(R1 Si(NH)X )、あるいはR1 SiX3
びR2 2SiX2 の共アンモニア分解によって得られる下
記の構造を有するポリシラザンも出発材料として用いる
ことができる。
【0019】
【化5】
【0020】また、ポリシラザン変性物として、例えば
下記の構造(式中、側鎖の金属原子であるMは架橋をな
していてもよい)のように金属原子を含むポリメタロシ
ラザンも出発材料として用いることができる。
【0021】
【化6】
【0022】その他、特開昭62−195024号公報
に報告されているような繰り返し単位が〔(SiH2
n (NH)m 〕及び〔(SiH2 r O〕(これら式
中、n、m、rはそれぞれ1、2又は3である)で表さ
れるポリシロキサザン、特開平2−84437号公報に
報告されているようなポリシラザンにボロン化合物を反
応させて製造する耐熱性に優れたポリボロシラザン、特
開昭63−81122号、同63−191832号、特
開平2−77427号公報に報告されているようなポリ
シラザンとメタルアルコキシドとを反応させて製造する
ポリメタロシラザン、特開平1−138108号、同1
−138107号、同1−203429号、同1−20
3430号、同4−63833号、同3−320167
号公報に報告されているような分子量を増加させたり
(上記公報の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後
2者)、無機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特
開平2−175726号、同5−86200号、同5−
331293号、同3−31326号公報に報告されて
いるようなポリシラザンに有機成分を導入した厚膜化に
有利な共重合ポリシラザンなども同様に使用できる。
【0023】本発明では、さらに以下のような低温セラ
ミックス化ポリシラザンを使用することができる。例え
ば、本願出願人による特開平5−238827号公報に
記載されているケイ素アルコキシド付加ポリシラザンが
挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式
(I)で表されるポリシラザンと、下記一般式(II): Si(OR4 4 (II) (式中、R4 は、同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素原子数1〜20個を有するアルキル基またはア
リール基を表し、少なくとも1個のR4 は上記アルキル
基またはアリール基である)で表されるケイ素アルコキ
シドを加熱反応させて得られる、アルコキシド由来ケイ
素/ポリシラザン由来ケイ素原子比が0.001〜3の
範囲内かつ数平均分子量が約200〜50万のケイ素ア
ルコキシド付加ポリシラザンである。上記R4 は、炭素
原子数1〜10個を有するアルキル基がより好ましく、
また炭素原子数1〜4個を有するアルキル基が最も好ま
しい。また、アルコキシド由来ケイ素/ポリシラザン由
来ケイ素原子比は0.05〜2.5の範囲内にあること
が好ましい。ケイ素アルコキシド付加ポリシラザンの調
製については、上記特開平5−238827号公報を参
照されたい。
【0024】低温セラミックス化ポリシラザンの別の例
として、本出願人による特開平6−122852号公報
に記載されているグリシドール付加ポリシラザンが挙げ
られる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で
表されるポリシラザンとグリシドールを反応させて得ら
れる、グリシドール/ポリシラザン重量比が0.001
〜2の範囲内かつ数平均分子量が約200〜50万のグ
リシドール付加ポリシラザンである。グリシドール/ポ
リシラザン重量比は0.01〜1であることが好まし
く、さらには0.05〜0.5であることがより好まし
い。グリシドール付加ポリシラザンの調製については、
上記特開平6−122852号公報を参照されたい。
【0025】低温セラミックス化ポリシラザンの別の例
として、本願出願人による特開平6−240208号公
報に記載されているアルコール付加ポリシラザンが挙げ
られる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で
表されるポリシラザンとアルコールを反応させて得られ
る、アルコール/ポリシラザン重量比が0.001〜2
の範囲内かつ数平均分子量が約100〜50万のアルコ
ール付加ポリシラザンである。上記アルコールは、沸点
110℃以上のアルコール、例えばブタノール、ヘキサ
ノール、オクタノール、ノナノール、メトキシエタノー
ル、エトキシエタノール、フルフリルアルコールである
ことが好ましい。また、アルコール/ポリシラザン重量
比は0.01〜1であることが好ましく、さらには0.
05〜0.5であることがより好ましい。アルコール付
加ポリシラザンの調製については、上記特開平6−24
0208号公報を参照されたい。
【0026】低温セラミックス化ポリシラザンのまた別
の特に好適な例として、本願出願人による特開平6−2
99118号公報に記載されている金属カルボン酸塩付
加ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザン
は、前記一般式(I)で表されるポリシラザンと、ニッ
ケル、チタン、白金、ロジウム、コバルト、鉄、ルテニ
ウム、オスミウム、パラジウム、イリジウム、アルミニ
ウムの群から選択される少なくとも1種の金属を含む金
属カルボン酸塩を反応させて得られる、金属カルボン酸
塩/ポリシラザン重量比が0.000001〜2の範囲
内かつ数平均分子量が約200〜50万の金属カルボン
酸塩付加ポリシラザンである。上記金属カルボン酸塩
は、式(RCOO)n M〔式中、Rは炭素原子数1〜2
2個の脂肪族基又は脂環式基であり、Mは上記金属群か
ら選択される少なくとも1種の金属を表し、そしてnは
金属Mの原子価である〕で表される化合物である。この
Mがパラジウム(Pd)であることが特に好ましい。上
記金属カルボン酸塩は無水物であっても水和物であって
もよい。また、金属カルボン酸塩/ポリシラザン重量比
は好ましくは0.001〜1、より好ましくは0.01
〜0.5である。金属カルボン酸塩付加ポリシラザンの
調製については、上記特開平6−299118号公報を
参照されたい。
【0027】低温セラミックス化ポリシラザンのさらに
別の例として、本願出願人による特開平6−30632
9号公報に記載されているアセチルアセトナト錯体付加
ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、
前記一般式(I)で表されるポリシラザンと、金属とし
てニッケル、白金、パラジウム又はアルミニウムを含む
アセチルアセトナト錯体を反応させて得られる、アセチ
ルアセトナト錯体/ポリシラザン重量比が0.0000
01〜2の範囲内かつ数平均分子量が約200〜50万
のアセチルアセトナト錯体付加ポリシラザンである。上
記の金属を含むアセチルアセトナト錯体は、アセチルア
セトン(2,4−ペンタジオン)から酸解離により生じ
た陰イオンacac- が金属原子に配位した錯体であ
り、一般に式(CH3 COCHCOCH3 n M〔式
中、Mはn価の金属を表す〕で表される。アセチルアセ
トナト錯体/ポリシラザン重量比は、好ましくは0.0
01〜1、より好ましくは0.01〜0.5である。ア
セチルアセトナト錯体付加ポリシラザンの調製について
は、上記特開平6−306329号公報を参照された
い。
【0028】その他の低温セラミックス化ポリシラザン
の例として、本願出願人による特開平7−196986
号公報に記載されている金属微粒子添加ポリシラザンが
挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式
(I)で表されるポリシラザンを主成分とするコーティ
ング溶液に、Au、Ag、Pd、Niをはじめとする金
属の微粒子を添加して得られる変性ポリシラザンであ
る。好ましい金属はAgである。金属微粒子の粒径は
0.5μmより小さいことが好ましく、0.1μm以下
がより好ましく、さらには0.05μmより小さいこと
が好ましい。特に、粒径0.005〜0.01μmの独
立分散超微粒子を高沸点アルコールに分散させたものが
好ましい。金属微粒子の添加量は、ポリシラザン100
重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.
05〜5重量部である。金属微粒子添加ポリシラザンの
調製については、上記特開平7−196986号公報を
参照されたい。
【0029】その他の低温セラミックス化ポリシラザン
の例として、本願出願人による特願平7−200584
号明細書に記載されているアミン類及び/又は酸類添加
ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、
前記一般式(I)で表されるポリシラザン又はその変性
物に、一般式R4 5 6 Nで表されるアミン類や、ピ
リジン類、DBU、DBN、等、及び/又は有機酸や無
機酸などの酸類を添加したものである。これらのアミン
類及び酸類の詳細な具体例については、後述のセラミッ
クス化法の一態様において用いられるアミン化合物及び
酸類の説明において記載したものと同等である。
【0030】本発明による方法は、これら低温セラミッ
クス化ポリシラザンを使用した場合にその効果、即ち膜
質の向上が特に顕著となる。とりわけ、金属カルボン酸
塩付加ポリシラザン並びにアミン類及び/又は酸類添加
ポリシラザンを使用することが好ましい。
【0031】コーティング用組成物の調製 本発明による方法は、上記のようなポリシラザン又はそ
の変性物を含むコーティング用組成物を調製するが、こ
の調製には一般にポリシラザンのための溶剤が用いられ
る。溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、
芳香族炭化水素の炭化水素溶剤、ハロゲン化メタン、ハ
ロゲン化エタン、ハロゲン化ベンゼン等のハロゲン化炭
化水素、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル
類を使用することができる。好ましい溶剤は、塩化メチ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、塩化
エチレン、塩化エチリデン、トリクロロエタン、テトラ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ブ
チルエーテル、1,2−ジオキシエタン、ジオキサン、
ジメチルジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒド
ロピラン等のエーテル類、ペンタンヘキサン、イソヘキ
サン、メチルペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オク
タン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペ
ンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、エチルシ
クロヘキサン、シクロヘキセン、p−メンタン、リモネ
ン、デカリン、テトラリン、フェニルシクロヘキサン、
シクロヘキサン、ノナン、デカン、n−ヘキサン、ペン
タン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、等の炭化水素等である。これらの溶剤を使用す
る場合、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節
するために、2種類以上の溶剤を混合してもよい。
【0032】溶剤の使用量(割合)は採用するコーティ
ング方法により作業性がよくなるように選択され、また
用いるポリシラザンの平均分子量、分子量分布、その構
造によって異なるので、適宜、自由に混合することがで
きる。好ましくは固形分濃度で1〜50重量%の範囲で
混合することができる。
【0033】また、本発明のコーティング用組成物にお
いて、必要に応じて適当な充填剤及び/又は増量剤を加
えることができる。充填剤の例としてはシリカ、アルミ
ナ、ジルコニア、マイカを始めとする酸化物系無機物あ
るいは炭化珪素、窒化珪素等の非酸化物系無機物の微粉
等が挙げられる。また用途によってはアルミニウム、亜
鉛、銅等の金属粉末の添加も可能である。さらに充填剤
の例を詳しく述べれば、シリカゾル、ジルコニアゾル、
アルミナゾル、チタニアゾル等のゾル:ケイ砂、石英、
ノバキュライト、ケイ藻土等のシリカ系:合成無定形シ
リカ:カオリナイト、雲母、滑石、ウオラストナイト、
アスベスト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等
のケイ酸塩:ガラス粉末、ガラス球、中空ガラス球、ガ
ラスフレーク、泡ガラス球等のガラス体:窒化ホウ素、
炭化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒
化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ化チタン、窒化チタン、炭
化チタン等の非酸化物系無機物:炭酸カルシウム:酸化
亜鉛、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、酸化ベリリ
ウム等の金属酸化物:硫酸バリウム、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン、弗化炭素その他無機物:アル
ミニウム、ブロンズ、鉛、ステンレススチール、亜鉛等
の金属粉末:カーボンブラック、コークス、黒鉛、熱分
解炭素、中空カーボン球等のカーボン体等があげられ
る。好ましい充填剤は、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物系無機物の
超微粒子及びシリカゾルである。
【0034】これら充填剤は、針状(ウィスカーを含
む。)、粒状、鱗片状等種々の形状のものを単独又は2
種以上混合して用いることができる。又、これら充填剤
の粒子の大きさは1回に適用可能な膜厚よりも小さいこ
とが望ましい。また充填剤の添加量は低温セラミックス
化ポリシラザン1重量部に対し、0.05重量部〜10
重量部の範囲であり、特に好ましい添加量は0.2重量
部〜3重量部の範囲てある。
【0035】コーティング用組成物には、必要に応じて
各種顔料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤、pH調整剤、分散剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥
促進剤、流れ止め剤を加えてもよい。紫外線吸収剤とし
ては酸化亜鉛、酸化チタン、等が好ましい。
【0036】被塗布材 本発明の方法によると、金属、セラミックス、ガラス、
等をはじめとする多種多様な基材の表面にSiO2 系セ
ラミックス膜を形成することができる。本発明の方法
は、低温で且つ迅速にセラミックス化することができる
ので、プラスチックフィルム、電子部品、等、耐熱性の
低い基材に適用すると特に有利である。基材を損なわな
いといった低温で適用できることから由来する利点以外
に、ポリシラザンを含む溶液を使用することから由来す
る表面平滑性や、本発明で得られる最終的な膜が緻密な
シリカ質セラミックスであることから由来する基材との
密着性、硬度、ガスバリア性、透明性、耐薬品性、平坦
化性、イオンバリア性、等を付与できるため、これらの
特性を一種又は特に二種以上必要とする分野に好適に用
いられる。
【0037】例えば、低温で、プラスチックフィルムを
基材として、これに表面平滑性とガスバリア性と透明性
が必要なシリカ膜を適用できるため、基板としてプラス
チックフィルムを用いた透明電極基板に好適に用いられ
る。これらを用いる製品としては基板としてポリエーテ
ルスルホン等のプラスチックフィルムを用いる液晶表示
素子用電極フィルムやエレクトロルミネッセンス装置等
が挙げられる。また、低温で適用できることと平坦で緻
密なシリカ膜が得られることから、配線を施した半導体
装置等の電子装置を基板としても好適に用いることがで
きることがわかる。さらに、低温で適用できることか
ら、ITOの施工処理等、既に処理の施してある基材
に、該前処理を損なわずにシリカ膜を適用することがで
きる。その上、同様に基材を損なわずに、上記の特性を
一種又は二種以上必要とすることから、CRT保護フィ
ルムのハードコート、液晶分野等の光学分野に用いられ
る偏光板、ガスや水蒸気のバリアコート、タッチパネル
のアンダーコート等に、好適に適宜使用することができ
る。半導体装置に本発明のSiO2系セラミックス膜を
適用する場合、各種絶縁膜として用いることができるの
で、従来より絶縁を目的として設けられている部分に適
用が可能である。例えば、半導体基板と金属配線層との
間や、金属配線層間や、半導体基板上に設けられている
各種素子等に設けることができる。液晶分野ではイオン
バリヤ性やガスバリア性や硬度を付与する為に従来より
設けられている部分に適用が可能である。例えば、アル
カリパッシベーション膜としてITO等の透明導電膜と
ガラスやフィルムの基板との間や、配向膜としてガラス
やフィルム基板にITOが施された液晶素子上に、ガス
バリヤ性、硬度を付与し、液晶素子の寿命を高める為に
設けることなどが挙げられる。また、カラー液晶表示装
置の電極表面の段差を無くし表示画像の色むらを解消す
るため、この段差を平坦化するために、電極上やカラー
フィルター上等に、本発明のSiO2系セラミックス膜
を適用することもできる。従来別の方法で製造されてい
たSiO2部分に本発明の方法を適用することは可能で
ある。上記の特性を一種又は特に二種以上必要な分野で
あれば適用することは容易である。
【0038】プラスチック材料としては、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリイミド(PI;例え
ば、商品名カプトンで市販されているピロメリット酸無
水物とジアミノジフェニルエーテルとの重縮合生成
物)、ポリカーボネート(PC)、二軸延伸ポリプロピ
レン(OPP)、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン
ナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PE
S)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエ
ーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート(PA
R)、ポリスチレン、ポリアミド(ナイロン(商
標))、ポリアミドイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル系樹脂(例、ロンザ社製、ISARYL(登録商
標))、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂(日
本合成ゴム株式会社製、ARTON(登録商標))、ゼ
オネックス(日本ゼオン株式会社製、登録商標)、セル
ロースアセテート、等の人造樹脂フィルムなどのフィル
ム状物もしくはシート状物又はこれらの複合フィルム状
物もしくは複合シート状物、二軸延伸パラ系アラミドフ
ィルム、ノルボルネン系ポリオレフィンフィルム、支持
体付き極薄フィルム、等が挙げられる。プラスチックフ
ィルムの面積や厚さには特に制限はなく、長尺フィルム
をはじめとする用途に応じた任意の面積及び厚さのフィ
ルムを使用することができる。さらにまた、これらのフ
ィルム又はシートを2種以上積層した複層フィルムであ
ってもよい。
【0039】フィルムには、密着性向上のためにコロナ
放電処理、シランカップリング剤の塗布、等の前処理を
施すこともでき、用途に合わせて周知の処理を施すこと
ができる。塗布方法 本発明によると、上記のようなコーティング用組成物を
上記のような各種基材に塗布することによってポリシラ
ザンの膜を形成する。塗布方法は、通常実施されている
塗布方法、例えば、浸漬塗布、ロール塗布、バー塗布、
ウェブ塗布(グラビア、キス、キスメイヤバー、ダイ、
フレキソ、等)、刷毛塗り、スプレー塗布、回転塗布、
流し塗り等が用いられる。プラスチックフィルムに好ま
しい適用方法はグラビア(リバース)塗布法である。
【0040】赤外線照射 本発明によると、このような方法でコーティングした
後、ポリシラザンを含む塗膜に赤外線を照射して該塗膜
のセラミックス化を行う。本発明の方法では、常用され
ているいずれの赤外線発生装置でも使用することが可能
である。本明細書における「赤外線」とは、一般に解釈
されている波長、具体的には波長約0.8〜1000μ
mを有する輻射線を意味する。この赤外線は波長約0.
8〜2.0μmの近赤外線と、波長約2.0〜4.0μ
mの中赤外線と、波長約4.0〜1000μmの遠赤外
線との三つの領域に分けられる。一般に、これらの赤外
線を塗膜側から照射した場合、膜厚にもよるが、近赤外
線は、コーティングされた基材(例、プラスチック基
材)まで透過しこれを加熱する。また、中赤外線の場合
は、基材と塗膜の界面から塗膜内部まで透過しこれを加
熱する。さらに、遠赤外線の場合は、塗膜内部から塗膜
表面まで透過しこれを加熱する。本発明の方法では、基
材を損ないにくい点で、近赤外線よりも中赤外線、さら
には中赤外線よりも遠赤外線を使用することが好まし
い。すなわち、本発明の方法では一般に0.8〜100
0μm、好ましくは2.0〜1000μm、より好まし
くは4.0〜1000μmの赤外線が用いられる。
【0041】赤外線の照射は、照射される塗膜を担持し
ている基材がその耐熱温度以下に、基材の種類による
が、プラスチックフィルムの場合は好ましくは150℃
以下、より好ましくは100℃以下に保持されるよう
に、照射強度を調節して実施する。一般に、赤外線照射
処理時の基材温度が150℃以上になると、プラスチッ
クフィルム等の場合には基材が変形したり、その強度が
劣化するなど、基材が損なわれる。しかしながら、ポリ
イミド等の耐熱性の高いフィルムや、シリコンウェハ
ー、ガラス、金属、等の基板の場合にはより高温での処
理が可能であり、そのような場合でも、本発明によるポ
リシラザン塗膜のセラミックス化方法は、赤外線照射工
程のみでセラミックス化を完了させることができ、また
その膜特性を向上させる上で実際に有効である。従っ
て、この赤外線照射時の基材温度に一般的な上限はな
く、基材の種類によって当業者が適宜設定することがで
きる。また、赤外線照射雰囲気に特に制限はなく、空気
中で実施すればよい。
【0042】このような赤外線の発生方法としては、例
えば、赤外線ラジエタや赤外線セラミクスヒータを使用
する方法が挙げられるが、特に限定されるわけではな
い。また、赤外線ラジエタを使用する場合には、赤外線
の使用波長に応じて、波長1.3μmに強度ピークを有
する近赤外線ラジエタ、波長2.5μmに強度ピークを
有する中赤外線ラジエタ、波長4.5μmに強度ピーク
を有する遠赤外線ラジエタを使用することができる。ま
た、照射効率を高めるために、即ち、ポリシラザンのセ
ラミックス化に効果のある波長でのみ照射できるので、
スペクトルが単一である赤外レーザーを使用することが
好ましい。赤外レーザーの具体例として、HF、DF、
HCl、DCl、HBr、DBrなどの気体化学レーザ
ー(照射波長2.5〜6μm)、CO 2 気体レーザー、
2 O気体レーザー(照射波長約10μm)、CO2
体レーザー励起遠赤外レーザー(NH3 、CF4 、等)
(照射波長12〜16μm)、Pb(Cd)S、PbS
(Se)、Pb(Sn)Te、Pb(Sn)Se、等の
化合物半導体レーザー(照射波長2.5〜20μm)、
が挙げられる。また、発生させた赤外線をポリシラザン
塗膜に照射する際には、効率の向上のため均一な照射を
達成するためにも、発生源からの赤外線を反射板で反射
させてから塗膜に当てることが望ましい。
【0043】赤外線照射はバッチ処理にも連続処理にも
適合可能であり、被塗布基材の形状によって適宜選定す
ることができる。例えば、バッチ処理の場合には、ポリ
シラザン塗膜を表面に有する基材(例、シリコンウェハ
ー)を上記のような赤外線発生源を具備した赤外線焼成
炉で処理することができる。赤外線焼成炉自体は一般に
知られており、例えば、アルバック製を使用することが
できる。また、ポリシラザン塗膜を表面に有する基材が
長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら
上記のような赤外線発生源を具備した乾燥ゾーンで連続
的に赤外線を照射することによりセラミックス化するこ
とができる。この赤外線セラミックス化は、単独で実施
してもよいし、また従来の熱風乾燥と併用してもよい。
しかしながら、蒸発させた溶媒の除去を促進するために
も、赤外線照射と熱風乾燥を組み合わせる方が好まし
い。このように赤外線照射と熱風乾燥を組み合わせた市
販の連続式乾燥装置の例として、井上金属工業(株)製
のIRフロートドライヤ(商品名)が挙げられる。赤外
線照射に要する時間は、塗布される基材やコーティング
組成物の組成、濃度にもよるが、一般に0.1〜10
分、好ましくは1〜3分である。
【0044】追加のセラミックス化処理 本発明によると、ポリシラザン含有塗膜にセラミックス
化処理の一部又は全部として赤外線照射を施すことによ
って、目的のSiO2 系セラミックス膜が得られる。赤
外線照射後に別のセラミックス化処理を施すことができ
るが、以下、追加のセラミックス化処理について説明す
る。上記の赤外線照射処理においては、場合によっては
Si−O、Si−N、Si−H、N−Hが存在する膜が
形成される。この時点でポリシラザン塗膜の一部がセラ
ミックス化している場合もあるが、この塗膜はまだセラ
ミックスへの転化が不完全である。この塗膜を、次に述
べる2つの方法及びのいずれか一方又は両方によっ
て、セラミックスに転化させることが可能である。
【0045】 水蒸気雰囲気中での熱処理。 圧力は特に限定されるものではないが、1〜3気圧が現
実的に適当である。相対湿度は特に限定されるものでは
ないが、10〜100%RHが好ましい。温度は室温以
上で効果的であるが室温〜150℃が好ましい。熱処理
時間は特に限定されるものではないが10分〜30日が
現実的に適当である。
【0046】水蒸気雰囲気中での熱処理により、ポリシ
ラザンの酸化または水蒸気との加水分解が進行するの
で、上記のような低い加熱温度で、実質的にSiO2
らなる緻密な膜の形成が可能となる。但し、このSiO
2 膜はポリシラザンに由来するため窒素を原子百分率で
0.05〜5%含有する。この窒素含有量が5%よりも
多いと膜のセラミックス化が不十分となり所期の効果
(例えばガスバリヤ性や耐磨耗性)が得られない。一
方、窒素含有量を0.05%よりも少なくすることは困
難である。好ましい窒素含有量は原子百分率で0.1〜
3%である。
【0047】 触媒を含有した蒸留水中に浸す。 触媒としては、酸、塩基が好ましく、その種類について
は特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、ジ
エチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、n−エキシルアミン、n
−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブ
チルアミン、グアニジン、ピグアニン、イミダゾール、
1,8−ジアザビシクロ−〔5,4,0〕−7−ウンデ
セン、1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オク
タン等のアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、ピリジン、アンモニア水等のアル
カリ類;リン酸等の無機酸類;永酢酸、無水酢酸、プロ
ピオン酸、無水プロピオン酸のような低級モノカルボン
酸、又はその無水物、シュウ酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸のような低級ジカルボン酸又はその無水
物、トリクロロ酢酸等の有機酸類;過塩素酸、塩酸、硝
酸、硫酸、スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、三フ
ッ化ホウ素及びその電気供与体との錯体、等;SnCl
4 、ZnCl2 、FeCl3 、AlCl3 、SbC
3 、TiCl4 などのルイス酸及びその錯体等を使用
することができる。好ましい触媒は塩酸である。触媒の
含有割合としては0.01〜50重量%、好ましくは
0.1〜10重量%である。保持温度としては室温から
沸点までの温度にわたって有効である。保持時間として
は特に限定されるものではないが10分〜30日が現実
的に適当である。
【0048】触媒を含有した蒸留水中に浸すことによ
り、ポリシラザンの酸化あるいは水との加水分解が、触
媒の存在により更に加速され、上記のような低い加熱温
度で、実質的にSiO2 からなる緻密な膜の形成が可能
となる。但し、先に記載したように、このSiO2 膜は
ポリシラザンに由来するため窒素を同様に原子百分率で
0.05〜5%含有する。
【0049】また、別のセラミックス化法として、ポリ
シラザン含有塗膜を形成して該塗膜に赤外線を照射した
後、その塗膜にアルコキシシラン及び水を含む反応性の
混合溶液を接触させる方法が挙げられる。用いるアルコ
キシシランは、ゾル−ゲル法によるSiO2 系セラミッ
ク被膜の形成に一般に用いられるアルコキシシランの中
から任意に選ぶことができる。
【0050】好適なアルコキシシランは、Si(OR)
4 〔式中、Rは、各々独立に、アルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアミノ基
またはアルキルシリル基を表す〕で示されるアルコキシ
シランである。好ましいRは、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基及びイソプロペニル基である。中で
も特に好ましいアルコキシシランは、テトラメトキシシ
ラン及びテトラエトキシシランである。
【0051】本発明の方法では、R’n Si(OR)
4-n 〔式中、Rは、各々独立に、アルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアミノ
基またはアルキルシリル基を表し、R’は、各々独立
に、上記Rの他、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メ
タクリル基またはメルカプト基を表し、そしてnは1〜
2の整数である〕で表される有機アルコキシシラン、又
はR’n (RO)3-n Si−R”−Si(OR)
3-m R’m 〔式中、Rは、各々独立に、アルキル基、ア
ルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキル
アミノ基またはアルキルシリル基を表し、R’は、各々
独立に、上記Rの他、ビニル基、エポキシ基、アミノ
基、メタクリル基またはメルカプト基を表し、R”は、
2価の有機結合基または−O−を表し、nは0〜3、m
は0〜3の整数を表すが、但し、n+mは4以下であ
る〕で表されるアルコキシジシランを使用してもよい。
このような有機基R’及びR”は、得られる最終のセラ
ミック被膜が所望の膜質(例えば、耐熱性、耐磨耗性、
可撓性)を示すように、当業者であれば適宜選択するこ
とができる。
【0052】反応性の混合溶液に用いられる水(H
2 O)には、通常のイオン交換水、工業用水、濾過水、
等が使用できる。しかしながら、得られる最終セラミッ
ク被膜の膜質等を考慮した場合、純水を使用することが
好ましい。また、水の代わりに過酸化水素水を使用する
ことは可能である。混合溶液中のアルコキシシランと水
の存在比率は、体積基準でアルコキシシラン/水=0.
01〜100、より好ましくは0.1〜10の範囲が好
ましい。この比率が0.01よりも小さいと、水による
反応が主体となり、得られるセラミックスの膜質が悪く
なる。一方、100よりも大きいと、アルコキシシラン
の加水分解速度が遅くなる。また、この比率を変更する
ことによって混合溶液の反応性を制御することができ
る。
【0053】この混合溶液は、必要に応じて、R”OH
で示されるアルコールを含有することができる。ここで
R”は、アルコキシシランについて先に記載したRと同
じ基、すなわちアルキル基、アルケニル基、シクロアル
キル基、アリール基、アルキルアミノ基またはアルキル
シリル基を表す。特定の混合溶液におけるアルコールの
R”とアルコキシシランのRは、同種であることが好ま
しいが、異なっていてもよい。アルコールが含有される
ことによって、アルコキシシランの加水分解が促進さ
れ、溶液の反応性が高まる。混合溶液中のアルコキシシ
ランと前記アルコールの存在比率は、体積基準でアルコ
キシシラン/アルコール=100〜0.01、より好ま
しくは10〜0.1の範囲が好ましい。この比率が10
0よりも大きいと、アルコキシシランの分解が少なく、
溶液の反応性が低くなる。一方、0.01よりも小さい
と、アルコールとシラザンの反応が主体となり、膜質が
劣化する。また、先に記載した水の場合と同様に、この
比率を変更することによっても混合溶液の反応性を制御
することができる。
【0054】アルコキシシランと水を含む反応性の混合
溶液は、該アルコキシドの加水分解及びポリシラザンと
の反応を促進させるために触媒を含有することができ
る。触媒としては酸、塩基が好ましく、その種類につい
ては特に限定はされないが、例として塩酸、硫酸、フッ
酸、硝酸及びこれらの塩類、アンモニア、水酸化アンモ
ニウム、塩化アンモニウム、トリエチルアミン、ジエチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミンなどのアミン類、並びに水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、等が挙げられる。これ
らの酸、塩基触媒の添加量は、アルコキシシラン1モル
当たり0.0001〜10モル%、より好ましくは0.
001〜1.0モル%が好ましい。同様に、この触媒添
加量によっても混合溶液の反応性を制御することができ
る。
【0055】このように調製したアルコキシシラン及び
水を含有する反応性の混合溶液を、上記の赤外線照射後
のポリシラザン塗膜に適当な方法で接触させる。接触さ
せる方法として、例えば、浸漬法、噴霧法、等が挙げら
れる。この接触によってポリシラザンとアルコキシシラ
ンとの間で反応が起こり、これらがSiOx 組成のセラ
ミックに転化する。この接触時の温度(例えば、浸漬液
の温度)は、室温で十分であるが、所望により室温〜混
合溶液の沸点以下の範囲に加熱してもよい。接触時間
は、限定するわけではないが、一般に1時間以内で済
み、好ましくは1〜10分の範囲である。
【0056】混合溶液との接触工程終了後、得られた被
膜の乾燥と膜質の向上を兼ねて、基板の耐熱温度以下の
温度で後加熱工程を実施することができる。ポリシラザ
ンとアルコキシシランとの間のセラミック被膜の形成反
応は、以下の三つの素反応が基本になっているものと考
える。すなわち、混合溶液中においてアルコキシシラン
が下式: ≡Si−OR + H2 O −−> ≡Si−OH
+ ROH のように加水分解され、このとき生成したシラノール基
が、下式: ≡Si−OH + ≡Si−H −−>≡Si−O
−Si≡ + H2 ≡Si−OH + ≡Si−NH−Si≡ −−>
≡Si−O−Si≡ + ≡Si−NH2 のようにポリシラザンのSi−H及び/又はN−H結合
と反応することによって膜がSiOx 化する。この方法
によると、実質的にSi−O結合を主体とする緻密なS
iO2 系セラミック被膜を、常温で且つ短時間に得るこ
とができる。
【0057】さらに別のセラミックス化法として、前記
のようなポリシラザン又はその変性物を塗布する前又は
塗布した後に、前記ポリシラザン又はその変性物にアミ
ン化合物及び/又は酸化合物を接触させる工程を含むこ
とができる。ここで用いられるアミン化合物には、例え
ば下記一般式(III) で表されるアミン化合物の他、ピリ
ジン類やDBU、DBNなども含まれ、また酸化合物に
は有機酸や無機酸が含まれる。
【0058】アミン化合物の代表例として、下記一般式
(III) で表されるものが挙げられる。 R4 5 6 N (III) 式中、R4 〜R6 は、それぞれ水素原子、アルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキ
ルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表
す。アミン化合物の具体例として、メチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロ
ピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブ
チルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペ
ンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシルアミン、
ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、ヘプチルアミ
ン、ジヘプチルアミン、トリヘプチルアミン、オクチル
アミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、フェ
ニルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、
等が挙げられる。なお、これらアミン化合物に含まれる
炭化水素鎖は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。
特に好ましいアミン化合物は、トリエチルアミン、トリ
ペンチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミ
ン、トリヘプチルアミン及びトリオクチルアミンであ
る。
【0059】ピリジン類の具体例として、ピリジン、α
−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジ
ン、ルチジン、ピリミジン、ピリダジン、等が挙げられ
る。さらに、DBU(1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザ
ビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネン)、等も使用する
ことができる。一方、酸化合物の具体例としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、マレイン酸、ステア
リン酸、等の有機酸、塩酸、硝酸、硫酸、過酸化水素、
等の無機酸、等が挙げられる。特に好ましい酸化合物
は、プロピオン酸、塩酸及び過酸化水素である。
【0060】ポリシラザン又はその変性物にアミン化合
物及び/又は酸化合物を接触させる第一の態様による
と、前記のようなポリシラザン又はその変性物を塗布す
る前に、上記のようなアミン化合物及び/又は酸化合物
を添加することによってポリシラザンとアミン化合物及
び/又は酸化合物とを接触させることができる。アミン
化合物のポリシラザンに対する添加量は、ポリシラザン
重量に対して1ppm以上であればよく、好ましくは1
00ppm〜10%である。尚、塩基性度(水溶液中で
のpKb値)及び沸点が高いアミン化合物ほど、セラミ
ックス化を促進する傾向がある。また、酸化合物のポリ
シラザンに対する添加量は、ポリシラザン重量に対して
0.1ppm以上であればよく、好ましくは10ppm
〜10%である。この態様において特に好ましいアミン
化合物はトリペンチルアミンであり、また酸化合物はプ
ロピオン酸である。
【0061】この第一の態様による場合、上記ポリシラ
ザン又はその変性物の塗膜を形成後、上記のように赤外
線を照射する。照射後、その塗膜を水蒸気雰囲気に暴露
することによりポリシラザン又はその変性物のセラミッ
クス化をさらに進行させる。この暴露には、一般に加湿
炉やスチームが用いられる。具体的には、塗布中に溶剤
乾燥ゾーンにスチームを導入し、その中(温度50〜1
00℃、相対湿度50〜100%RH)を通過させる方
法や、別に設けた加湿炉(温度50〜100℃、相対湿
度50〜100%RH)の中を滞留時間10〜60分で
通過させる方法や、塗布後の溶剤乾燥時に通過したスチ
ームを導入した溶剤乾燥ゾーン(温度50〜100℃、
相対湿度50〜100%RH)を滞留時間10〜60分
で再度通過させる方法が考えられる。低温の場合には、
単に水蒸気を含む容器内で処理しても、また大気中で処
理することもできる。水蒸気に暴露する温度範囲は室温
(約20℃)から被塗布基材の耐熱温度までの範囲とす
ることができる。また、暴露における湿度範囲は約0.
1%RH〜100%RHとすることができる。本発明に
よる方法は、この第一の態様に適用すると膜質向上の点
で特に有用である。
【0062】ポリシラザン又はその変性物にアミン化合
物及び/又は酸化合物を接触させる第二の態様による
と、前記のようなポリシラザン又はその変性物の塗膜を
基材表面に形成してからその塗膜を上記のように赤外線
を照射した後、上記のようなアミン化合物及び/又は酸
化合物を含む水溶液から発生させた蒸気に暴露すること
によってポリシラザンとアミン化合物及び/又は酸化合
物とを接触させることができる。アミン化合物は水に可
溶であるものが好ましく、その水溶液中濃度は100p
pm以上の範囲で任意に選択することができる。また、
酸化合物の水溶液中濃度は、0.1ppm以上であれば
よく、好ましくは10ppm〜10%である。この態様
において特に好ましいアミン化合物はトリエチルアミン
である。蒸気を発生させるための温度は室温で十分であ
るが、0℃〜水溶液沸点の範囲で任意に選択することが
できる。
【0063】尚、この第二の態様の別法として、アミン
化合物及び/又は酸化合物を含む水溶液ではなく、アミ
ン化合物及び/又は酸化合物及び/又は水をそれぞれ独
立に気化させて、それ又はそれらの蒸気をポリシラザン
被膜表面に接触させてもよい。この第二の態様を実施す
る際には、別の蒸気発生装置で発生させたアミン化合物
の蒸気をキャリヤガス(例、窒素ガス)で運搬して乾燥
ゾーンへ導入することができる。もちろん、酸化合物を
同様にして乾燥ゾーンへ導入することは可能であるが、
一般には付帯設備に耐酸腐食処理を施す必要がでてく
る。アミン化合物蒸気の発生方法としては、上記したよ
うなアミン化合物の水溶液中に窒素ガスなどの不活性な
キャリヤガスを吹き込んでバブリングさせる方法が有利
である。蒸気発生装置は常温で維持してもよいし、また
所望により40℃程度に加熱することもできる。
【0064】このように発生させた蒸気は、キャリヤガ
スによって溶剤乾燥ゾーンへ運搬し、好ましくは複数本
の噴霧ノズルを介してポリシラザン塗膜へ吹き付けるこ
とができる。噴霧のための圧力は、噴霧ノズルの出口径
などにもよるが、一般には蒸気発生装置内の圧力が約
9.8×104 〜約2.0×105 Pa(約1〜約2k
gf/cm2 )になるように該装置内へのキャリヤガス
の吹き込み圧力を調節すればよい。このように別の蒸気
発生装置でアミン化合物蒸気を発生させてこれを乾燥ゾ
ーンで噴霧する方式を採用することにより、アミン化合
物蒸気及び水蒸気を安定に供給することができる。さら
に、窒素ガスなどの不活性ガスを使用してもポリシラザ
ン塗膜の硬化に悪影響はなく、また、このような不活性
ガス雰囲気下ではアミン化合物による爆発の危険性が減
少するので安全対策面からも有利である。
【0065】第三の態様によると、前記のようなポリシ
ラザン又はその変性物の塗膜を基材表面に形成してから
その塗膜を上記のように赤外線を照射した後に、上記の
ようなアミン化合物及び/又は酸化合物を含む水溶液に
浸漬することによってポリシラザンとアミン化合物及び
/又は酸化合物とを接触させることができる。アミン化
合物は水に可溶であるものが好ましく、その水溶液中濃
度は100ppm〜溶解度限界までの範囲で任意に選択
することができる。また、酸化合物の水溶液中濃度は、
0.1ppm以上であればよく、好ましくは10ppm
〜10%である。この態様において特に好ましいアミン
化合物はブチルアミンであり、また酸化合物は過酸化水
素水である。
【0066】尚、上記第二及び第三の態様では、必要に
応じて、処理後のポリシラザン塗布サンプル(例、フィ
ルム、シリコンウェハ)に水蒸気雰囲気への暴露、
水中への浸漬、酸化合物水溶液中への浸漬、アルカ
リ化合物水溶液中への浸漬又は大気中での放置、のい
ずれかの処理又はこれらの組合せを施すことが好まし
い。の水蒸気雰囲気への暴露は、上記第一態様におい
て記載した方法を採用すればよい。又はの酸化合物
又アルカリ化合物水溶液への浸漬は、上記第三態様にお
いて記載した方法を採用すればよい。但し、酸化合物に
は上記酸化合物の他、リン酸、等の無機酸類;氷酢酸、
酢酸、プロピオン酸、カプロン酸のような低級モノカル
ボン酸又はその無水物、シュウ酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸のような低級ジカルボン酸又はその無水
物、トリクロロ酢酸、等の有機酸類;過塩素酸、塩酸、
硝酸、硫酸、スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、三
フッ化ホウ素及びその電子供与体との錯体、等;SnC
4 、ZnCl2 、FeCl3 、AlCl3 、SbCl
3 、TiCl4 等のルイス酸及びその錯体、等が含まれ
る。また、アルカリ化合物には上記アミン化合物の他、
水酸化ナトリウム、塩化アンモニウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、ピリジン、アンモニア、等が含ま
れる。
【0067】の大気中での放置処理では、プラスチッ
クフィルムへのセラミックス化の場合、第二又は第三態
様の処理後のフィルムをセパレータシートと共に巻き取
ってロール体にすることが好ましい。このセパレータシ
ートは、巻き取られたフィルム同士が接触しないように
するためのシート状物であって、ポリシラザン塗布フィ
ルムの全面又は一部(例えば、塗布フィルムの両端に各
1本ずつ)に適用される不織布、サイドテープ、エンボ
スフィルム、等を含む。サイドテープとしては、厚さ1
2〜100μm、幅10〜30mm程度のものが好まし
く、また様々な材質の市販品を使用することができる。
市販品の具体例として、片面又は両面にマット加工が施
されたPETフィルム〔東レ製ルミラーX−42〜4
5、パナック製ルミマット〕、発泡PETフィルム〔東
洋紡績製クリスパー〕、Alを張り合わせた又は蒸着さ
せたPETフィルム〔パナック製アルペットフィル
ム〕、等が挙げられる。また、エンボスフィルムとはフ
ィルム両面にエンボス加工されたフィルムであって、フ
ィルム厚75〜150μm、エンボス(突起部)の高さ
1〜10mmのものを使用することが好ましい。さら
に、塗布幅よりも広いフィルム幅を有するエンボスフィ
ルムを使用することが好ましい。このようなエンボスフ
ィルムの市販品として、フィルム両面にエンボス加工さ
れたポリイミドフィルム〔大日化成工業製706410
H12又は706420H12〕が挙げられる。
【0068】このセパレータシートを用いたポリシラザ
ン塗布フィルムの巻き取り方法については、本出願人に
よる特願平7−59259号明細書を参照されたい。放
置処理条件は、室温近傍(約10℃)〜60℃、好まし
くは約25℃、相対湿度10〜90%RH、好ましくは
50〜70%RHにおいて3〜24時間とすることが好
ましい。いずれの方法においても、ポリシラザン塗膜に
紫外線を照射することによって塗膜のセラミックス化を
加速することができる。
【0069】上記の水蒸気雰囲気への暴露処理、アミン
化合物及び/又は酸化合物含有水溶液から発生した蒸気
との接触処理、或いはアミン化合物及び/又は酸化合物
含有水溶液中での浸漬処理によって、ポリシラザン又は
その変性物に含まれるSi−N、Si−H、N−H結合
等は消失し、Si−O結合を主体とする強靱なセラミッ
クス膜が基材表面に形成される。尚、このSiO2 膜は
ポリシラザンに由来するため窒素を原子百分率で0.0
05〜5%含有する。この窒素含有量が5%よりも多い
場合には膜のセラミックス化が不十分となり所期の効果
(例えばガスバリヤ性や耐磨耗性)が得られない。一
方、窒素含有量を0.005%よりも少なくすることは
困難である。また、アミン化合物を使用した場合、Si
2 膜中にアミン化合物が含まれる場合がある。これ
は、アミン化合物の種類やセラミックス化の条件によっ
て制御することができ、アミンをまったく含まないSi
2 膜を製造することは容易に可能である。
【0070】1回の適用で得られるSiO2 膜の厚さ
は、好ましくは50Å〜5μm、より好ましくは100
Å〜2μmの範囲である。膜厚が5μmよりも厚いと熱
処理時に割れが入ることが多く、更に可撓性が悪くな
り、折り曲げなどによる割れや剥離も生じ易くなる。反
対に、膜厚が50Åよりも薄いと所期の効果、例えば所
望のガスバリヤ性や耐磨耗性が得られない。この膜厚
は、コーティング用組成物の濃度を変更すること及び/
又はコーティング条件によって制御することができる。
すなわち、膜厚を増加したい場合にはコーティング用組
成物の固形分濃度を高くする(溶剤濃度を低くする)こ
とができ、またロールのメッシュを細かくすること、さ
らにコーティング用組成物を複数回適用することによっ
て膜厚をさらに増加させることもできる。
【0071】その他の機能性を付与するために、従来よ
り行われている機能性フィラーの添加や、各種層を積層
させることが可能である。例えば、紫外線吸収機能を付
与するために紫外線吸収機能をもつZnO、TiO2
等の金属酸化物微粒子を添加したり、導電性を付与する
ために導電性微粒子を添加したり、屈曲性を付与するた
めに可撓性のある中間層を積層させる、等が可能であ
る。こうして形成されたSiO2 膜は、赤外線照射によ
って塗膜のセラミックス化が進行するため、赤外線照射
を行わない場合よりも、特に低温セラミックス化におい
て、最終的に得られるセラミックス膜の特性が向上す
る。
【0072】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、これらの実施例が本発明を限定するものではないこ
とを理解されたい。
【0073】参考例〔ペルヒドロポリシラザンの合成〕 内容積1Lの四つ口フラスコにガス吹き込み管、メカニ
カルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着した。反
応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口フ
ラスコに脱気した乾燥ピリジン490mlを入れ、これ
を氷冷した。次いで、ジクロロシラン51.9gを加え
ると、白色固体状のアダクト(SiCl 2 ・2C6 5
N)が生成した。反応混合物を氷冷し、攪拌しながら水
酸化ナトリウム管及び活性炭管を通して精製したアンモ
ニア51.0gを吹き込んだ後、100℃で加熱した。
反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥ピリジンを
用いて洗浄した後、さらに乾燥窒素雰囲気下で濾過して
濾液850mlを得た。濾液5mlから溶媒を減圧除去
すると、樹脂状固体ペルヒドロポリシラザン0.102
gが得られた。
【0074】得られたポリマーの数平均分子量は、凝固
点降下法(溶媒:乾燥ベンゼン)で測定したところ11
20であった。赤外吸収(IR)スペクトル(溶媒:乾
燥o−キシレン;ペルヒドロポリシラザン濃度10.2
g/l)は、波数(cm-1)3390及び1180のN
−Hに基づく吸収、2170のSi−Hに基づく吸収、
1040〜800のSi−N−Siに基づく吸収を示し
た。
【0075】実施例1 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液に攪拌しながらプロピオン酸を5重量%
になるように室温で徐々に添加した。この溶液を、厚さ
75μm、幅60cm、総延長300mのポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム基材を3m/分で搬
送しながらグラビア(リバース)コート法(ロール#8
0)で片面に塗布した。塗布後、赤外線発生装置(遠赤
外波長4.5μmに強度ピークを有する、井上金属工業
(株)製IRフロートドライヤ)を具備した溶剤乾燥ゾ
ーン(基材温度80℃、内部搬送距離10m)を上記搬
送速度(3m/分)で通過させることにより、ポリシラ
ザン塗膜をセラミックス化した。乾燥ゾーンを通過した
ポリシラザン塗布フィルムを一旦巻き取り、その後巻き
出しながら水蒸気雰囲気(95℃、60%RH)の加湿
炉内を通過させることによって、ポリシラザン塗膜を3
0分間水蒸気雰囲気に暴露した。
【0076】実施例2 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液に攪拌しながらトリエチルアミンを25
重量%になるように室温で徐々に添加した。この溶液
を、厚さ80μm、幅60cm、総延長300mのトリ
アセテート(TAC)フィルム基材を3m/分で搬送し
ながらグラビア(リバース)コート法(ロール#80)
で片面に塗布した。塗布後、赤外線発生装置(遠赤外波
長4.5μmにピーク強度を有する、井上金属工業
(株)製IRフロートドライヤ)を具備した溶剤乾燥ゾ
ーン(基材温度80℃、内部搬送距離10m)を上記搬
送速度で通過させることにより、ポリシラザン塗膜をセ
ラミックス化した。乾燥ゾーンを通過したポリシラザン
塗布フィルムを一旦巻き取り、その後巻き出しながら水
蒸気雰囲気(95℃、60%RH)の加湿炉内を搬送速
度1m/分で通過させることによって、ポリシラザン塗
膜を10分間水蒸気雰囲気に暴露した。
【0077】実施例3 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液に攪拌しながらトリペンチルアミンを2
5重量%になるように室温で徐々に添加した。この溶液
を、厚さ75μm、幅60cm、総延長300mのポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム基材を3m
/分で搬送しながらグラビア(リバース)コート法(ロ
ール#80)で片面に塗布した。塗布後、赤外線発生装
置(遠赤外波長4.5μmにピーク強度を有する、井上
金属工業(株)製IRフロートドライヤ)を具備した溶
剤乾燥ゾーン(基材温度80℃、内部搬送距離10m)
を上記搬送速度で通過させることにより、ポリシラザン
塗膜をセラミックス化した。乾燥ゾーンを通過したポリ
シラザン塗布フィルムを一旦巻き取り、その後巻き出し
ながら水蒸気雰囲気(95℃、60%RH)の加湿炉内
を搬送速度1m/分で通過させることによって、ポリシ
ラザン塗膜を10分間水蒸気雰囲気に暴露した。
【0078】比較例1 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液に攪拌しながらトリペンチルアミンを2
5重量%になるように室温で徐々に添加した。この溶液
を、厚さ75μm、幅60cm、総延長300mのポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム基材を2m
/分で搬送しながらグラビア(リバース)コート法(ロ
ール#80)で片面に塗布した。塗布後、スチームを導
入した溶剤乾燥ゾーン(温度80℃、相対湿度70%R
H、内部搬送距離10m)を上記搬送速度で通過させる
ことにより、ポリシラザン塗膜を熱風乾燥した。乾燥ゾ
ーンを通過したポリシラザン塗布フィルムを一旦巻き取
り、その後巻き出しながら水蒸気雰囲気(95℃、60
%RH)の加湿炉内を搬送速度1m/分で通過させるこ
とによって、ポリシラザン塗膜を10分間水蒸気雰囲気
に暴露した。
【0079】実施例4 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液に攪拌しながらトリペンチルアミンを3
0重量%になるように室温で徐々に添加した。この溶液
を、厚さ75μm、幅60cm、総延長300mのポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム基材を1m
/分で搬送しながらグラビア(リバース)コート法(ロ
ール#80)で片面に塗布した。塗布後、赤外線発生装
置(遠赤外波長4.5μmにピーク強度を有する、井上
金属工業(株)製IRフロートドライヤ)を具備した溶
剤乾燥ゾーン(基材温度120℃、内部搬送距離10
m)を上記搬送速度で通過させることにより、ポリシラ
ザン塗膜をセラミックス化した。
【0080】実施例5 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液に攪拌しながらトリペンチルアミンを3
0重量%になるように室温で徐々に添加した。この溶液
を、厚さ75μm、幅60cm、総延長300mのポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム基材(プラ
イマー処理済)を2m/分で搬送しながらグラビア(リ
バース)コート法(ロール#80)で片面に塗布した。
塗布後、CO2 気体レーザー(波長10.6μm)を具
備した溶剤乾燥ゾーン(基材温度120℃、内部搬送距
離10m)を上記搬送速度で照射させながら通過させる
ことにより、ポリシラザン塗膜をセラミックス化した。
【0081】実施例6 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液に攪拌しながらn−オクチルアミンを2
5重量%になるように室温で徐々に添加した。この溶液
を、厚さ100μm、幅60cm、総延長300mのポ
リカーボネート(PC)フィルム基材(プライマー処理
済)を3m/分で搬送しながらグラビア(リバース)コ
ート法(ロール#80)で片面に塗布した。塗布後、赤
外線発生装置(遠赤外波長4.5μmにピーク強度を有
する、井上金属工業(株)製IRフロートドライヤ)を
具備した溶剤乾燥ゾーン(基材温度80℃、内部搬送距
離10m)を上記搬送速度で通過させることにより、ポ
リシラザン塗膜を乾燥した。乾燥ゾーンを通過したポリ
シラザン塗布フィルムを一旦巻き取り、その後巻き出し
ながら水蒸気雰囲気(95℃、60%RH)の加湿炉内
を搬送速度1m/分で通過させることによって、ポリシ
ラザン塗膜を10分間水蒸気雰囲気に暴露した。
【0082】実施例7 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液に攪拌しながらプロピオン酸を1重量
%、トリペンチルアミンを10重量%になるようにそれ
ぞれ室温で徐々に添加した。この溶液を、厚さ75μ
m、幅60cm、総延長300mのポリエーテルサルフ
ォン(PES)フィルム基材を3m/分で搬送しながら
グラビア(リバース)コート法(ロール#80)で片面
に塗布した。塗布後、赤外線発生装置(遠赤外波長4.
5μmにピーク強度を有する、井上金属工業(株)製I
Rフロートドライヤ)を具備した溶剤乾燥ゾーン(基材
温度80℃、内部搬送距離10m)を上記搬送速度で通
過させることにより、ポリシラザン塗膜を乾燥した。乾
燥ゾーンを通過したポリシラザン塗布フィルムを一旦巻
き取り、その後巻き出しながら水蒸気雰囲気(95℃、
60%RH)の加湿炉内を搬送速度1m/分で通過させ
ることによって、ポリシラザン塗膜を10分間水蒸気雰
囲気に暴露した。
【0083】実施例8 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度20重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液に攪拌しながらトリペンチルアミンを2
5重量%になるように室温で徐々に添加した。この溶液
を、直径約10.2cm(4インチ)、厚さ0.5mm
のシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し
た(2000rpm、20秒)。塗布後、赤外線焼成炉
(アルバック製、遠赤外炉)において3分間乾燥処理
(基材温度80℃)した。乾燥後、95℃、60%RH
の恒温恒湿器中で10分間加湿処理した。
【0084】実施例9 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度6重量%のポリシラザン溶液を調製し
た。この溶液に攪拌しながらトリペンチルアミンを25
重量%になるように室温で徐々に添加した。この溶液
を、10cm角、厚さ1mmのガラス板に浸漬塗布法を
用いて塗布した。塗布後、赤外線焼成炉(アルバック
製、遠赤外炉)において3分間乾燥処理(基材温度80
℃)した。乾燥後、95℃、60%RHの恒温恒湿器中
で10分間加湿処理した。
【0085】実施例10 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液に攪拌しながらトリペンチルアミンを2
5重量%になるように室温で徐々に添加した。この溶液
を、10cm角、厚さ1mmのポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)板にフローコート法を用いて塗布した。
塗布後、赤外線焼成炉(アルバック製、遠赤外炉)にお
いて3分間乾燥処理(基材温度80℃)した。乾燥後、
95℃、60%RHの恒温恒湿器中で10分間加湿処理
した。
【0086】実施例11 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度6重量%のポリシラザン溶液を調製し
た。この溶液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長3
00mのポリエーテルサルフォン(PES)フィルム基
材を5m/分で搬送しながらグラビア(リバース)コー
ト法(ロール#80)で片面に塗布した。塗布後、内部
で10%塩酸水溶液を室温のまま塩化水素蒸気を発生さ
せた、赤外線発生装置(遠赤外波長4.5μmにピーク
強度を有する、井上金属工業(株)製IRフロートドラ
イヤ)を具備した溶剤乾燥ゾーン(基材温度30℃、4
0%RH、内部搬送距離5m)を上記搬送速度で通過さ
せることにより、ポリシラザン塗膜を乾燥すると共に塩
化水素蒸気に暴露した。乾燥ゾーンを通過したポリシラ
ザン塗布フィルムを一旦巻き取り、その後巻き出しなが
ら水蒸気雰囲気(95℃、60%RH)の加湿炉内を搬
送速度1m/分で通過させることにより、ポリシラザン
塗膜を5分間水蒸気雰囲気に暴露した。
【0087】実施例12 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長
300mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム基材を5m/分で搬送しながらグラビア(リバー
ス)コート法(ロール#80)で片面に塗布した。塗布
後、水中を通した含水窒素流と液化ボンベからのメチル
アミンとを混合させて発生させたメチルアミン蒸気を導
入した、赤外線発生装置(遠赤外波長4.5μmにピー
ク強度を有する、井上金属工業(株)製IRフロートド
ライヤ)を具備した溶剤乾燥ゾーン(基材温度30℃、
40%RH、内部搬送距離5m)を上記搬送速度で通過
させることにより、ポリシラザン塗膜を乾燥すると共に
メチルアミン蒸気に暴露した。乾燥ゾーンを通過したポ
リシラザン塗布フィルムを一旦巻き取り、その後巻き出
しながら水蒸気雰囲気(95℃、60%RH)の加湿炉
内を搬送速度1m/分で通過させることにより、ポリシ
ラザン塗膜を5分間水蒸気雰囲気に暴露した。
【0088】比較例2 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長
300mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム基材を5m/分で搬送しながらグラビア(リバー
ス)コート法(ロール#80)で片面に塗布した。塗布
後、水中を通した含水窒素流と液化ボンベからのメチル
アミンとを混合させて発生させたメチルアミン蒸気を導
入した溶剤乾燥ゾーン(温度30℃、相対湿度40%R
H、内部搬送距離5m)を上記搬送速度で通過させるこ
とにより、ポリシラザン塗膜を熱風乾燥すると共にメチ
ルアミン蒸気に暴露した。乾燥ゾーンを通過したポリシ
ラザン塗布フィルムを一旦巻き取り、その後巻き出しな
がら水蒸気雰囲気(95℃、60%RH)の加湿炉内を
搬送速度1m/分で通過させることにより、ポリシラザ
ン塗膜を5分間水蒸気雰囲気に暴露した。
【0089】実施例13 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長
300mのPETフィルム基材を1m/分で搬送しなが
らグラビア(リバース)コート法(ロール#80)で片
面に塗布した。塗布後、内部でトリエチルアミンを室温
のまま窒素でバブリングさせてトリエチルアミン蒸気を
発生させ、また蒸留水を窒素でバブリングさせて水蒸気
を発生させたゾーン(30℃、40%RH、内部搬送距
離5m)を搬送させ、次に、赤外線発生装置(遠赤外波
長4.5μmにピーク強度を有する、井上金属工業
(株)製IRフロートドライヤ)を具備した溶剤乾燥ゾ
ーン(基材温度120℃、内部搬送距離5m)を上記搬
送速度で通過させることにより、ポリシラザン塗膜を乾
燥すると共にトリエチルアミン蒸気に暴露した。
【0090】実施例14 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長
300mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム基材を2m/分で搬送しながらグラビア(リバー
ス)コート法(ロール#80)で片面に塗布した。塗布
後、内部でトリエチルアミンを室温のまま窒素でバブリ
ングさせてトリエチルアミン蒸気を発生させ、また蒸留
水を窒素でバブリングさせて水蒸気を発生させた溶剤乾
燥ゾーン(30℃、40%RH、内部搬送距離5m)を
搬送させ、次に、Pb化合物半導体レーザー(波長9μ
m)を具備した溶剤乾燥ゾーン(基材温度120℃、内
部搬送距離5m)を上記搬送速度で照射させながら通過
させることにより、ポリシラザン塗膜をセラミックス化
した。
【0091】実施例15 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長
300mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム基材を2m/分で搬送しながらグラビア(リバー
ス)コート法(ロール#80)で片面に塗布した。塗布
後、内部でトリエチルアミンを室温のまま窒素でバブリ
ングさせてトリエチルアミン蒸気を発生させ、また蒸留
水を窒素でバブリングさせて水蒸気を発生させた溶剤乾
燥ゾーン(30℃、40%RH、内部搬送距離5m)を
搬送させ、次に、CO2 気体レーザー(波長10.6μ
m)およびHF気体化学レーザー(波長3.0μm)を
具備した溶剤乾燥ゾーン(基材温度120℃、内部搬送
距離5m)を上記搬送速度で照射させながら通過させる
ことにより、ポリシラザン塗膜をセラミックス化した。
【0092】実施例16 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをジブチルエ
ーテルに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を
調製した。この溶液を、厚さ100μm、幅60cm、
総延長300mのPCフィルム基材を5m/分で搬送し
ながらグラビア(リバース)コート法(ロール#80)
で片面に塗布した。塗布後、内部でブチルアミンを室温
のまま窒素でバブリングさせてブチルアミン蒸気を発生
させ、また蒸留水を窒素でバブリングさせて水蒸気を発
生させた。赤外線発生装置(遠赤外波長4.5μmにピ
ーク強度を有する、井上金属工業(株)製IRフロート
ドライヤ)を具備した溶剤乾燥ゾーン(基材温度30
℃、相対湿度40%RH、内部搬送距離5m)を上記搬
送速度で通過させることにより、ポリシラザン塗膜を乾
燥すると共にブチルアミン蒸気に暴露した。乾燥ゾーン
を通過したポリシラザン塗布フィルムを、サイドテープ
をフィルム両端部に適用してこれを一緒に挟み込みなが
らロールに巻き取った。その後、そのロール体を25
℃、50%RHの大気中に24時間放置した。
【0093】実施例17 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザン1重量部当たり0.01
重量部のプロピオン酸パラジウムを添加し、大気中、2
0℃で3時間攪拌しながら反応を行った。その後、孔径
0.1μmのPTFE製フィルターで濾過した。この溶
液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長300mのポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム基材を5
m/分で搬送しながらグラビア(リバース)コート法
(ロール#80)で片面に塗布した。塗布後、赤外線発
生装置(遠赤外波長4.5μmにピーク強度を有する、
井上金属工業(株)製IRフロートドライヤ)を具備し
た溶剤乾燥ゾーン(基材温度120℃、内部搬送距離1
0m)を上記搬送速度で通過させることにより、ポリシ
ラザン塗膜を乾燥した。乾燥ゾーンを通過したポリシラ
ザン塗布フィルムを、サイドテープをフィルム両端部に
適用してこれを一緒に挟み込みながらロールに巻き取っ
た。次いで、そのロール体を赤外炉で120℃、1時間
の処理を行った後、水蒸気雰囲気(95℃、80%R
H)の加湿炉内で3時間の処理を行った。
【0094】比較例3 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザン1重量部当たり0.01
重量部のプロピオン酸パラジウムを添加し、大気中、2
0℃で3時間攪拌しながら反応を行った。その後、孔径
0.1μmのPTFE製フィルターで濾過した。この溶
液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長300mのポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム基材を5
m/分で搬送しながらグラビア(リバース)コート法
(ロール#80)で片面に塗布した。塗布後、スチーム
を導入した溶剤乾燥ゾーン(温度120℃、内部搬送距
離10m)を上記搬送速度で通過させることにより、ポ
リシラザン塗膜を熱風乾燥した。乾燥ゾーンを通過した
ポリシラザン塗布フィルムを、サイドテープをフィルム
両端部に適用してこれを一緒に挟み込みながらロールに
巻き取った。次いで、そのロール体を熱風乾燥オーブン
で120℃、1時間の処理を行った後、水蒸気雰囲気
(95℃、80%RH)の加湿炉内で3時間の処理を行
った。
【0095】実施例18 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザン1重量部当たり0.01
重量部のプロピオン酸パラジウムを添加し、大気中、2
0℃で3時間攪拌しながら反応を行った。その後、孔径
0.1μmのPTFE製フィルターで濾過した。この溶
液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長300mのポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム基材を1
m/分で搬送しながらグラビア(リバース)コート法
(ロール#80)で片面に塗布した。塗布後、赤外線発
生装置(遠赤外波長4.5μmにピーク強度を有する、
井上金属工業(株)製IRフロートドライヤ)を具備し
た溶剤乾燥ゾーン(基材温度120℃、内部搬送距離2
0m)を上記搬送速度で通過させることにより、ポリシ
ラザン塗膜をセラミックス化した。
【0096】実施例19 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザン1重量部当たり0.01
重量部のプロピオン酸パラジウムを添加し、大気中、2
0℃で3時間攪拌しながら反応を行った。その後、孔径
0.1μmのPTFE製フィルターで濾過した。この溶
液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長300mのポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム基材を
1.3m/分で搬送しながらグラビア(リバース)コー
ト法(ロール#80)で片面に塗布した。塗布後、CO
2 気体レーザー(波長10.6μm)を具備した溶剤乾
燥ゾーン(基材温度120℃、内部搬送距離20m)を
上記搬送速度で照射させながら通過させることにより、
ポリシラザン塗膜をセラミックス化した。
【0097】実施例20 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度20重量%のポリシラザン溶液を調製
した。この溶液にポリシラザン1重量部当たり0.01
重量部のプロピオン酸パラジウムを添加し、大気中、2
0℃で3時間攪拌しながら反応を行った。その後、孔径
0.1μmのPTFE製フィルターで濾過した。この溶
液を、直径約10.2cm(4インチ)、厚さ0.5m
mのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布
した(2000rpm、20秒)。塗布後、赤外線焼成
炉(アルバック製、遠赤外炉)において1時間乾燥処理
(基材温度250℃)した。
【0098】実施例21 参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレ
ンに溶解して濃度6重量%のポリシラザン溶液を調製し
た。この溶液にポリシラザン1重量部当たり0.01重
量部のプロピオン酸パラジウムを添加し、大気中、20
℃で3時間攪拌しながら反応を行った。その後、孔径
0.1μmのPTFE製フィルターで濾過した。この溶
液を、10cm角、厚さ1mmのガラス板に浸漬塗布法
を用いて塗布した。塗布後、赤外線焼成炉(アルバック
製、遠赤外炉)において1時間乾燥処理(基材温度25
0℃)した。
【0099】膜特性の評価 上記実施例1〜21及び比較例1〜3で得られたセラミ
ック被膜は、IR分光法におけるSi−H振動(N−H
振動)ピークの消失と、Si−O振動ピークの出現によ
り、すべて実質的にシリカへ転化したことを確認した。
また、これらセラミック被膜の膜厚は、分光法により可
視領域のスペクトル中の干渉を生じたピークを用いて計
算したところ、すべて0.4μmであることがわかっ
た。
【0100】これらのセラミック被膜の特性を以下の項
目について評価した。参考までに、用いたプラスチック
フィルム基材自体の特性についても(5)密着性を除い
て測定した。 (1)酸素透過率(単位:cc/m2 /24時間/at
m) モコン製測定器を用いて25℃、65%RHで測定し
た。 (2)水蒸気透過率(単位:g/m2 /24時間) モコン製測定器を用いて40℃、90%RHで測定し
た。 (3)光透過率 ヘイズメーターを用いて可視光平均透過率を測定した。 (4)耐擦傷性 スチールウール#000番、荷重500g、(面積2c
m角)100往復の条件で試験し、目視で傷の数を観察
し、A〜Eの等級付けをした。評価A:傷なし、評価
B:傷2本以下、評価C:傷3〜5本、評価D:傷6〜
10本、評価E:傷11本以上。 (5)密着性 碁盤目テープ剥離試験で評価した。
【0101】また、実施例6及び実施例13で得られた
セラミック膜の緻密性を、酸による腐食速度(エッチン
グレート)測定によって評価した。測定方法は、60%
硝酸100mlと50%フッ酸1mlを混合した腐食液
にセラミックス膜を2分間浸漬し、浸漬前後の膜厚をエ
リプソメーターで測定することとした。さらに、実施例
6〜8並びに実施例13及び14については鉛筆硬度を
測定した。上記各種測定結果を以下の表1〜表4にまと
めて記載する。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】
【発明の効果】本発明によれば、ポリシラザンを含む塗
膜に赤外線を照射することにより塗膜のセラミックス化
が促進され、赤外線を照射しない場合よりも、特に低温
セラミックス化において最終的に得られるセラミックス
膜の特性が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 33/00 B32B 33/00 C08J 7/04 C08J 7/04 P

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリシラザンを含む組成物の塗膜を基材
    表面に形成し、セラミックス化してSiO2 系セラミッ
    クス膜を形成する方法において、前記塗膜に赤外線を照
    射する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 ポリシラザンを含む組成物の塗膜をプラ
    スチックフィルム表面に形成し、前記塗膜に赤外線を照
    射することにより得られる、窒素を原子百分率で0.0
    5〜5%含有するSiO2 膜を有するプラスチックフィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 ポリシラザンを含む組成物の塗膜を基材
    表面に形成し、前記塗膜に赤外線を照射することにより
    得られる、窒素を原子百分率で0.05〜5%含有する
    SiO2 膜を含むガスバリア膜。
JP9320114A 1996-11-26 1997-11-20 SiO2系セラミックス膜の形成方法 Pending JPH10212114A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9320114A JPH10212114A (ja) 1996-11-26 1997-11-20 SiO2系セラミックス膜の形成方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31509496 1996-11-26
JP8-315094 1996-11-26
JP9320114A JPH10212114A (ja) 1996-11-26 1997-11-20 SiO2系セラミックス膜の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10212114A true JPH10212114A (ja) 1998-08-11

Family

ID=26568180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9320114A Pending JPH10212114A (ja) 1996-11-26 1997-11-20 SiO2系セラミックス膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10212114A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11116815A (ja) * 1997-10-17 1999-04-27 Tonen Corp ポリシラザン含有組成物及びシリカ質膜の形成方法
WO2006082848A1 (ja) * 2005-02-02 2006-08-10 Az Electronic Materials (Japan) K.K. ポリシラザン処理溶剤およびこの溶剤を用いるポリシラザンの処理方法
US7344603B2 (en) 2001-12-27 2008-03-18 Az Electronic Materials Usa Corp. Solvent for treating polysilazane and method of treating polysilazane with the solvent
JP2008088031A (ja) * 2006-10-04 2008-04-17 Toshio Teranaka シリカ膜の製造方法
JP2008519870A (ja) * 2004-11-12 2008-06-12 クラリアント・インターナシヨナル・リミテッド 金属ストリップのコーティングにポリシラザンを使用する方法。
JP2008520773A (ja) * 2004-11-23 2008-06-19 クラリアント・インターナシヨナル・リミテッド ポリシラザンに基づく被覆剤及びフィルム、特にポリマーフィルムを被覆するためのこれの使用
JP2009184865A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Contamination Control Service:Kk シリカ膜の形成方法
JP2010514563A (ja) * 2006-12-29 2010-05-06 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 金属アルコキシド含有フィルムの硬化方法
WO2010107018A1 (ja) * 2009-03-17 2010-09-23 リンテック株式会社 成形体、その製造方法、電子デバイス用部材及び電子デバイス
JP2010534124A (ja) * 2007-07-24 2010-11-04 クラリアント インターナショナル リミテッド 水素透過性の低い物品及びその使用
WO2012002150A1 (ja) * 2010-07-01 2012-01-05 コニカミノルタホールディングス株式会社 ガスバリア膜、及びガスバリア膜の形成方法
JP2016172244A (ja) * 2015-03-18 2016-09-29 リンテック株式会社 塗工液供給装置、塗工液供給方法、積層体の製造方法、ガスバリアフィルムの製造方法、積層体、およびガスバリアフィルム

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11116815A (ja) * 1997-10-17 1999-04-27 Tonen Corp ポリシラザン含有組成物及びシリカ質膜の形成方法
US7344603B2 (en) 2001-12-27 2008-03-18 Az Electronic Materials Usa Corp. Solvent for treating polysilazane and method of treating polysilazane with the solvent
KR101186811B1 (ko) 2004-11-12 2012-10-02 에이제트 일렉트로닉 머티어리얼스 (룩셈부르크) 에스.에이.알.엘. 금속 스트립을 피복하기 위한 폴리실라잔의 용도
JP2008519870A (ja) * 2004-11-12 2008-06-12 クラリアント・インターナシヨナル・リミテッド 金属ストリップのコーティングにポリシラザンを使用する方法。
TWI427126B (zh) * 2004-11-12 2014-02-21 Az Electronic Materials Luxembourg Sarl 聚矽胺烷在塗覆金屬帶上的用途
JP2008520773A (ja) * 2004-11-23 2008-06-19 クラリアント・インターナシヨナル・リミテッド ポリシラザンに基づく被覆剤及びフィルム、特にポリマーフィルムを被覆するためのこれの使用
KR101186812B1 (ko) 2004-11-23 2012-10-02 에이제트 일렉트로닉 머티어리얼스 (룩셈부르크) 에스.에이.알.엘. 폴리실라잔계 피복물, 및 필름, 특히 중합체 필름피복용으로서의 이의 용도
WO2006082848A1 (ja) * 2005-02-02 2006-08-10 Az Electronic Materials (Japan) K.K. ポリシラザン処理溶剤およびこの溶剤を用いるポリシラザンの処理方法
JP2008088031A (ja) * 2006-10-04 2008-04-17 Toshio Teranaka シリカ膜の製造方法
JP2010514563A (ja) * 2006-12-29 2010-05-06 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 金属アルコキシド含有フィルムの硬化方法
JP2010534124A (ja) * 2007-07-24 2010-11-04 クラリアント インターナショナル リミテッド 水素透過性の低い物品及びその使用
JP2014194278A (ja) * 2007-07-24 2014-10-09 Az Electronic Materials (Luxembourg) Sarl 水素透過性の低い物品及びその使用
JP2009184865A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Contamination Control Service:Kk シリカ膜の形成方法
JP4921612B2 (ja) * 2009-03-17 2012-04-25 リンテック株式会社 成形体、その製造方法、電子デバイス用部材及び電子デバイス
WO2010107018A1 (ja) * 2009-03-17 2010-09-23 リンテック株式会社 成形体、その製造方法、電子デバイス用部材及び電子デバイス
US8906492B2 (en) 2009-03-17 2014-12-09 LÌNTEC Corporation Formed article, method for producing the formed article, member for electronic device, and electronic device
WO2012002150A1 (ja) * 2010-07-01 2012-01-05 コニカミノルタホールディングス株式会社 ガスバリア膜、及びガスバリア膜の形成方法
JP2016172244A (ja) * 2015-03-18 2016-09-29 リンテック株式会社 塗工液供給装置、塗工液供給方法、積層体の製造方法、ガスバリアフィルムの製造方法、積層体、およびガスバリアフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10279362A (ja) SiO2系セラミックス膜の形成方法
JP3449798B2 (ja) SiO2被覆プラスチックフィルムの製造方法
KR100307839B1 (ko) 세라믹스질물질형성용조성물및세라믹스질물질의제조방법
US6083860A (en) Method and composition for forming ceramics and article coated with the ceramics
JP5646478B2 (ja) 積層体およびその製造方法
JP3484094B2 (ja) シリカ被覆プラスティックフィルム及びその製造方法
JPH10212114A (ja) SiO2系セラミックス膜の形成方法
JPH0922903A (ja) エレクトロニクス用基板へのコーティング方法及びコーティング組成物
JP2008520773A (ja) ポリシラザンに基づく被覆剤及びフィルム、特にポリマーフィルムを被覆するためのこれの使用
JP3902699B2 (ja) コーティング組成物及びシリカ系セラミックス膜の製造方法
JP3904691B2 (ja) ポリシラザン含有組成物及びシリカ質膜の形成方法
CN110724452B (zh) 一种基于聚硅氮烷的亲水涂层及其制备方法与应用
JPH0579114B2 (ja)
JPH09183663A (ja) プラスチックフィルムにSiO2系セラミックスを被覆する方法
JPH10194719A (ja) 低誘電率シリカ質膜の形成方法及び同シリカ質膜
KR19990006686A (ko) 열적으로 안정한 유전성 피막
JP3993330B2 (ja) SiO2系セラミックス膜の形成方法
JP3537197B2 (ja) 液晶表示装置用電極基板及びその製造方法
JP2012106433A (ja) ガスバリアフィルム及びその製造方法
JP4363820B2 (ja) ポリシラザン塗膜のシリカ質への転化促進方法
JPH09175868A (ja) ハードコート膜を被覆したポリカーボネート製品及びその製法
JP2016159561A (ja) ガスバリア用フィルム
JP2016147967A (ja) ガスバリア用フィルム
JP3916272B2 (ja) 分子間架橋されたポリシラザン及びその製造方法
JP3916278B2 (ja) フェニルシリル基架橋ポリシラザン及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041102

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070712

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070718

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071211