JPH10194719A - 低誘電率シリカ質膜の形成方法及び同シリカ質膜 - Google Patents

低誘電率シリカ質膜の形成方法及び同シリカ質膜

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JPH10194719A
JPH10194719A JP8358611A JP35861196A JPH10194719A JP H10194719 A JPH10194719 A JP H10194719A JP 8358611 A JP8358611 A JP 8358611A JP 35861196 A JP35861196 A JP 35861196A JP H10194719 A JPH10194719 A JP H10194719A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば、半導体絶縁膜等に適用する場合に
も、半導体回路等に悪影響を与えずに形成できる低誘電
率シリカ質膜を形成する方法及び低誘電率シリカ質膜を
提供すること。 【解決手段】 ポリシラザン(変性物)塗膜に、無機
酸又は有機酸単独、あるいは無機酸又は有機酸と水又は
水蒸機を接触させる、アミン単独、あるいはアミンと
水又は水蒸気を接触させる、又はアミン単独、あるい
はアミンと水又は水蒸気を接触させ、続いて無機酸又は
有機酸単独、あるいは無機酸又は有機酸と水又は水蒸気
を接触させるという処理を行った後、引き続き加熱焼成
する低誘電率シリカ質膜の形成方法並びにポリシラザン
由来の密度が1〜1.8g/cm3である低誘電率シリ
カ質膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低誘電率のシリカ
質膜の形成方法、及び同シリカ質膜に関し、詳しくは、
例えば半導体絶縁膜に適用する場合にも半導体素子に悪
影響を与えない低誘電率シリカ質膜の形成方法及び低誘
電率シリカ質膜に関する。
【0002】
【従来の技術】シリカ質膜は、その優れた耐熱性、耐摩
耗性、耐蝕性等の面から、例えば半導体装置における半
導体基板と金属配線層との間、金属配線層間、あるいは
半導体基板上の各種素子上に設けられる絶縁膜として、
また液晶表示装置におけるガラス基板とITO膜との
間、透明電極と配向膜との間等に設けられる絶縁膜とし
て、あるいは画素電極ないしカラーフィルター上に設け
られる保護膜として、用いられている。このような分野
で用いられるシリカ質膜は、一般にCVD法、スパッタ
リング法等の気相成長法あるいはシリカ質膜形成用塗布
液を用いる塗布法によって基板上に形成されている。た
だ、気相成長法によると、手間がかかると共に大きな設
備を必要とし、しかも凹凸面上に被膜を形成する場合に
凹凸面の平坦化ができない等の問題があるため、近年は
塗布法が広く採用されている。
【0003】一方、近年、シリカ、窒化珪素、酸窒化珪
素の前駆体ポリマーであるポリシラザンが、耐熱性、耐
摩耗性、耐蝕性等に優れたシリカ質コーティング膜を形
成し得るため、注目されており、シクロシラザン重合物
あるいはポリシラザンを含有するシリカ質膜形成用塗布
液が提案されている(特開昭62−88327号公報、
特開平1−203476号公報)。しかし、このような
塗布液を用いてSi−N結合の大部分がSi−O結合に
変化したシリカ質膜を得る場合には、900℃程度にま
で加熱しなければならないとか、厚膜化するとボイド、
ピンホール、クラック等が膜に生じやすいといった問題
点がある。
【0004】そこで、充分に膜厚の大きい絶縁膜を得る
ために、ペルヒドロポリシラザン塗膜の焼成後の膜中に
窒素を残留させる絶縁膜の製造方法(特開平6−164
10号公報)とか、ポリシラザン塗膜を酸化性雰囲気中
で加熱するシリカコーティングの堆積方法(特開平7−
2511号公報)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】たゞ、従来の方法で得
られた高純度シリカ膜は、その物性は二酸化珪素(Si
2)の理論組成に近く、比誘電率は4.2〜4.7で
ある。しかし、半導体回路の設計は常に高集積化、高速
度化を目指して行われている。集積度を高めるためには
配線間隔を狭くする必要があるが、配線間隔を狭くする
と配線間にRC遅延が生じ、動作速度が低くなる。RC
遅延を低減するためには、配線間の比誘電率を下げる必
要がある。
【0006】従って、本発明の目的は、比誘電率が4以
下の低誘電率シリカ質膜を形成する方法及び同シリカ質
膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、ポリシラザン薄膜に無機酸又は有機酸単
独、あるいは無機酸又は有機酸と水(水蒸気)、あるい
はアミン単独、あるいはアミンと水(水蒸気)を接触さ
せ、引き続き加熱焼成(キュアー)することによって、
比誘電率2.0〜4.0の低誘電率膜が得られることを
見い出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明によれば、第一に、主と
して下記一般式(I)
【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
リール基、若しくはこれらの基以外でフルオロアルキル
基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシ
リル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。但
し、R1、R2及びR3の少なくとも1つは水素原子であ
る。)で表される構造単位からなる骨格を有する数平均
分子量が約100〜50,000のポリシラザン又はそ
の変性物の塗膜に、無機酸又は有機酸単独、あるいは無
機酸又は有機酸と水又は水蒸気を接触させ、引き続き加
熱焼成することを特徴とする低誘電率シリカ質膜の形成
方法が提供される。第二に、主として下記一般式(I)
【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
リール基、若しくはこれらの基以外でフルオロアルキル
基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシ
リル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。但
し、R1、R2及びR3の少なくとも1つは水素原子であ
る。)で表される構造単位からなる骨格を有する数平均
分子量が約100〜50,000のポリシラザン又はそ
の変性物の塗膜に、アミン単独、あるいはアミンと水又
は水蒸気を接触させ、引き続き加熱焼成することを特徴
とする低誘電率シリカ膜の形成方法が提供される。第三
に、主として下記一般式(I)
【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
リール基、若しくはこれらの基以外でフルオロアルキル
基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシ
リル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。但
し、R1、R2及びR3の少なくとも1つは水素原子であ
る。)で表される構造単位からなる骨格を有する数平均
分子量が約100〜50,000のポリシラザン又はそ
の変性物の塗膜に、アミン単独、あるいはアミンと水又
は水蒸気を接触させ、続いて無機酸又は有機酸単独、あ
るいは無機酸又は有機酸と水又は水蒸気を接触させ、引
き続き加熱焼成することを特徴とする低誘電率シリカ質
セラミックスの形成方法が提供される。第四に、ポリシ
ラザン由来の密度が1〜1.8g/cm3であることを
特徴とする低誘電率シリカ質膜が提供される。
【0009】ポリシラザンは前記一般式(I)で表され
る構造単位を基本骨格とするポリマーである。従来の方
法では、ポリシラザン薄膜を水蒸気を含む大気中又は水
蒸気を含む不活性ガス雰囲気中で焼成し、シリカ質膜
(SiO2)に転化していた。この時、ポリシラザンの
Si−H、N−Hの結合が酸化されてSi−O結合に転
換される。Si−H、N−Hの結合の酸化は、焼成時の
水蒸気量にも依存するが、通常ほゞ同時に酸化されるた
め、焼成後のIRスペクトルを測定すると、Si−Hと
N−Hの吸収はほゞ同時に消失する。Si−N結合又は
N−H結合が残存したまゝ絶縁膜として使用すると、通
常引き続いて行われるビアホール(Al配線からの電気
信号を取り出すための穴)形成時等でNH3ガスの放出
を招く。NH3の放出は金属を腐食させるため、好まし
くない。
【0010】一方、本発明の方法では、酸又はアミンの
触媒作用により、分子鎖内のSi−H基あるいはSi−
R基を残存させながら、Si−N結合の酸化、すなわち
NをOに置換する反応が選択的に促進される。Si−H
基あるいはSi−R基の残存により、従来の膜と比較し
て低密度のシリカ質膜が形成される。更に、酸触媒を用
いた場合には、ポリシラザンの酸化時に放出されるNH
3と酸が塩を形成し、一旦膜中に残存する。これを焼成
すると、この塩が昇華するため、更に膜密度を低下させ
ることが可能である。この効果により、酸触媒を用いた
方がアミン触媒よりも誘電率を下げることができる。一
般に密度を低下させれば誘電率も低下するが、低密度に
すると高誘電率物質である水の吸着が同時に進行するた
め、大気中に放置すると誘電率が増加する傾向がある。
本発明の薄膜は撥水性のSi−H基あるいはSi−R基
の残存により、低密度でありながら、水の吸着が起こら
ないため、水蒸気を含む大気中に放置しても誘電率はほ
とんど上昇しない。
【0011】なお、前記したように、シリカ系の層間絶
縁膜を形成する方法としてCVD法がある。一般に、C
VD法は緻密で均質な膜の形成が可能であるが、高真空
装置であるため、設備コストが高い点、膜形成速度が遅
い点が特に量産する場合は問題となる。更に、CVD法
の場合は基板すなわち蒸着する面に対して垂直方向に膜
が形成されるため、配線段差のある半導体の層間絶縁平
担化膜には不向きである。ところが、本発明のような塗
布液法(SOG法)では、ポリマー溶液を基板へスピン
コートし、焼成するだけの簡便な方法で絶縁膜を形成す
るため、プロセスコストが安く、旦つ塗布時に段差を平
担化することができる点で有利である。
【0012】更に、CVD法で低誘電率膜を形成する方
法も検討されている。原料ガスとしてフッ素成分を含む
化合物を用いる方法で、誘電率3.5程度の膜の形成が
可能との報告もある〔本間外 J.Electroch
em.Soc 140(1993)2046;本間外
J.Non−Crystalline Solids1
87(1995)49など〕。たゞ、これらの方法は本
質的に前記の問題を持つとともに、フッ素成分を含有す
るシリカ膜は加水分解によってフッ化水素を生成するた
め、安定性が低いという問題点が指摘されている。一
方、本発明の方法では、不安定なフッ素成分を含まず、
基本的にSi、O、H(又はR)からなる無機膜(有機
含有シリカ質膜)であるため、安定な低誘電率膜が得ら
れる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明で用いるポリシラザンは、分子内に少
なくともSi−H結合、あるいはN−H結合を有するポ
リシラザンであればよく、ポリシラザン単独は勿論のこ
と、ポリシラザンと他のポリマーとの共重合体やポリシ
ラザンと他の化合物との混合物でも利用できる。用いる
ポリシラザンには、鎖状、環状、あるいは架橋構造を有
するもの、あるいは分子内にこれら複数の構造を同時に
有するものがあり、これら単独でもあるいは混合物でも
利用できる。
【0014】用いるポリシラザンの代表例としては下記
のようなものがあるが、これらに限定されるものではな
い。一般式(I)でR1、R2及びR3に水素原子を有す
るものは、ペルヒドロポリシラザンであり、その製造方
法は例えば特開昭60−145903号公報、D.Se
yferthらCommunication of A
m.Cer.Soc.,C−13,January 1
983.に報告されている。これらの方法で得られるも
のは、種々の構造を有するポリマーの混合物であるが、
基本的には分子内に鎖状部分と環状部分を含み、
【化2】 の化学式で表すことができる。
【0015】ペルヒドロポリシラザンの構造の一例を示
すと下記の如くである。
【化3】
【0016】一般式(I)でR1及びR2に水素原子、R
3にメチル基を有するポリシラザンの製造方法は、D.
SeyferthらPolym.Prepr.Am.C
hem.Soc.,Div.Polym.Chem,.
25,10(1984)に報告されている。この方法に
より得られるポリシラザンは、繰り返し単位が−(Si
2NCH3)−の鎖状ポリマーと環状ポリマーであり、
いずれも架橋構造をもたない。
【0017】一般式(I)でR1及びR2に水素原子、R
3に有機基を有するポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの
製造法は、D.SeyferthらPolym.Pre
pr.Am.Chem.Soc.,Div.Poly
m.Chem,.25,10(1984)、特開昭61
−89230号公報に報告されている。これら方法によ
り得られるポリシラザンには、−(R2SiHNH)−
を繰り返し単位として、主として重合度が3〜5の環状
構造を有するものや(R3SiHNH)x〔(R2SiH)
1.5N〕1-X(0.4<X<1)の化学式で示される分子
内に鎖状構造と環状構造を同時に有するものがある。
【0018】一般式(I)でR1に水素原子、R2、R3
に有機基を有するポリシラザン、またR1及びR2に有機
基、R3に水素原子を有するものは−(R12SiN
3)−を繰り返し単位として、主に重合度が3〜5の
環状構造を有している。
【0019】次に、用いるポリシラザンの内、一般式
(I)以外のものの代表例を挙げる。ポリオルガノ(ヒ
ドロ)シラザンの中には、D.SeyferthらCo
mmunication of Am.Cer.So
c.C−132,July 1984.が報告されてい
る様な分子内に架橋構造を有するものもある。一例を示
すと下記の如くである。
【化4】
【0020】また、特開昭49−69717号公報に報
告されている様なR1SiX3(X:ハロゲン)のアンモ
ニア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラザ
ンR1Si(NH)x、あるいはR1SiX3及びR2 2Si
2の共アンモニア分解によって得られる下記の構造を
有するポリシラザンも出発材料として用いることができ
る。
【化5】
【0021】用いるポリシラザンは、上記の如く一般式
(I)で表される単位からなる主骨格を有するが、一般
式(I)表される単位は、上記にも明らかな如く環状化
することがあり、その場合にはその環状部分が末端基と
なり、このような環状化がされない場合には、主骨格の
末端はR1、R2、R3と同様の基又は水素原子であるこ
とができる。
【0022】また、ポリシラザン変性物として、例えば
下記の構造(式中、側鎖の金属原子であるMは架橋をな
していてもよい)のように金属原子を含むポリメタロシ
ラザンも出発材料として用いることができる。
【化6】
【0023】その他、特開昭62−195024号公報
に報告されているような繰り返し単位が〔(SiH2n
(NH)m〕及び〔(SiH2rO〕(これら式中、
n、m、rはそれぞれ1、2又は3である)で表される
ポリシロキサザン、特開平2−84437号公報に報告
されているようなポリシラザンにボロン化合物を反応さ
せて製造する耐熱性に優れたポリボロシラザン、特開昭
63−81122号、同63−191832号、特開平
2−77427号各公報に報告されているようなポリシ
ラザンとメタルアルコキシドとを反応させて製造するポ
リメタロシラザン、特開平1−138108号、同1−
138107号、同1−203429号、同1−203
430号、同4−63833号、同3−320167号
各公報に報告されているような分子量を増加させたり
(上記公報の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後
2者)、無機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特
開平2−175726号、同5−86200号、同5−
331293号、同3−31326号各公報に報告され
ているようなポリシラザンに有機成分を導入した厚膜化
に有利な共重合シラザン、特開平5−238827号公
報、特開平6−122852号、特開平6−29918
号、特開平6−306329号、特開平6−24020
8号、特開平7−196986号各公報に報告されてい
るようなポリシラザンにセラミックス化を促進するため
の触媒的化合物を付加又は添加したプラスチックスやア
ルミニウムなどの金属への施工が可能で、より低温でセ
ラミックス化する低温セラミックス化ポリシラザンなど
も同様に使用できる。
【0024】本発明では、更に、以下のような低温セラ
ミックス化ポリシラザンを使用することできる。例え
ば、本願出願人による特開平5−238827号公報に
記載されているケイ素アルコキシド付加ポリシラザンが
挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式
(I)で表されるポリシラザンと、下記一般式(IV): Si(OR44 (IV) (式中、R4は、同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素原子数1〜20個を有するアルキル基又はアリ
ール基を表し、少なくとも1個のR4は上記アルキル基
又はアリール基である)で表されるケイ素アルコキシド
を加熱反応させて得られる、アルコキシド由来ケイ素/
ポリシラザン由来ケイ素原子比が0.001〜3の範囲
内且つ数平均分子量が約200〜50万のケイ素アルコ
キシド付加ポリシラザンである。
【0025】低温セラミックス化ポリシラザンの別の例
として、本出願人による特開平6−122852号公報
に記載されているグリシドール付加ポリシラザンが挙げ
られる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で
表されるポリシラザンとグリシドールを反応させて得ら
れる、グリシドール/ポリシラザン重量比が0.001
〜2の範囲内且つ数平均分子量が約200〜50万のグ
リシドール付加ポリシラザンである。
【0026】低温セラミックス化ポリシラザンの更に別
の例として、本願出願人による特開平6−306329
号公報に記載されているアセチルアセトナト錯体付加ポ
リシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前
記一般式(I)で表されるポリシラザンと、金属として
ニッケル、白金、パラジウム又はアルミニウムを含むア
セチルアセトナト錯体を反応させて得られる、アセチル
アセトナト錯体/ポリシラザン重量比が0.00000
1〜2の範囲内且つ数平均分子量が約200〜50万の
アセチルアセトナト錯体付加ポリシラザンである。前記
の金属を含むアセチルアセトナト錯体は、アセチルアセ
トン(2,4−ペンタジオン)から酸解離により生じた
陰イオンacac-が金属原子に配位した錯体であり、
一般に式(CH3COCHCOCH3nM〔式中、Mは
n価の金属を表す〕で表される。
【0027】低温セラミックス化ポリシラザンのまた別
の例として、本願出願人による特開平6−299118
号公報に記載されている金属カルボン酸塩付加ポリシラ
ザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般
式(I)で表されるポリシラザンと、ニッケル、チタ
ン、白金、ロジウム、コバルト、鉄、ルテニウム、オス
ミウム、パラジウム、イリジウム、アルミニウムの群か
ら選択される少なくとも1種の金属を含む金属カルボン
酸塩を反応させて得られる、金属カルボン酸塩//ポリ
シラザン重量比が0.000001〜2の範囲内且つ数
平均分子量が約200〜50万の金属カルボン酸塩付加
ポリシラザンである。上記金属カルボン酸塩は、式(R
COO)nM〔式中、Rは炭素原子数1〜22個の脂肪
族基又は脂環式基であり、Mは上記金属群から選択され
る少なくとも1種の金属を表し、そしてnは金属Mの原
子価である〕で表される化合物である。上記金属カルボ
ン酸塩は無水物であっても水和物であってもよい。ま
た、金属カルボン酸塩/ポリシラザン重量比は好ましく
は0.001〜1、より好ましくは0.01〜0.5で
ある。金属カルボン酸塩付加ポリシラザンの調製につい
ては、上記特開平6−299118号公報を参照された
い。
【0028】その他、有機、無機ポリシラザンに、アル
コール、有機酸、エステル、アルデヒド、メルカプタン
を反応させたものも使用可能である(特開平5−345
826号、特開平6−240208号各公報)。また、
HMDS等のシリル化剤で安定化したポリシラザンも使
用可能である(特開平4−630号公報)。また、ポリ
シラザンにアミン酸又は酸類を添加して、成形後の重合
速度やシリカ転化速度を促進させたものも使用可能であ
る(特願平7−200584号、同7−281777
号、同7−344767号、同7−341601号)。
【0029】本発明においては、原料として以上のよう
なポリシラザン及びその変性物が使用されるが、特に有
機基を含まないペルヒドロポリシラザンを使用した場合
は、本質的にSi、O、Hの元素のみからなる無機の低
誘電率膜が得られる。無機膜はプラズマに対する耐久性
に優れるため、半導体製造工程でレジスト膜を除去する
いわゆるエッチバック工程を省くことができる。このた
め、製造プロセスを大幅に簡略化できるという利点があ
る。
【0030】本発明のシリカ質膜の形成方法において
は、前記ポリシラザン(変性物)の塗膜に、無機酸若し
くは有機酸単独又は無機酸若しくは有機酸と水(水蒸
気)又は/続いてアミン単独又はアミンと水(水蒸気)
を接触させ、引き続き、加熱焼成(キュアー)する。詳
しく言と、本発明においては、 前記ポリシラザン(変性物)の塗膜を、無機酸又は有
機酸単独、あるいは無機酸又は有機酸の蒸気と水蒸気と
に接触させ、引き続き加熱焼成するか、 前記ポリシラザン(変性物)の塗膜を、アミン単独、
あるいはアミンの蒸気と水蒸気とに接触させ、引き続き
加熱焼成するか、 前記ポリシラザン(変性物)の塗膜を、アミン単独、
あるいはアミンの蒸気と水蒸気とに接触させ、続いて無
機酸又は有機酸単独、あるいは無機酸又は有機酸の蒸気
と水蒸気とに接触させ、加熱焼成するか、 前記ポリシラザン(変性物)の塗膜を、無機酸又は有
機酸の水溶液に浸漬させ、引き続き加熱焼成するか、 前記ポリシラザン(変性物)の塗膜を、アミンの水溶
液に浸漬させ、引き続き加熱焼成するか、あるいは 前記ポリシラザン(変性物)の塗膜を、アミンの水溶
液に浸漬させ、続いて無機酸又は有機酸の水溶液に浸漬
させ、引き続き加熱焼成する、という処理が行なわれ
る。
【0031】前記ポリシラザン(変性物)の塗膜は、該
ポリシラザン(変性物)を基材に塗布することによって
得られる。塗膜形成に際しては、まず前記ポリシラザン
(変性物)を有機溶媒に溶解し塗布液を調製する。この
場合の有機溶媒としては、特に限定されるものではない
が、好ましい具体例としては、次のものが挙げられる。
【0032】ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリ
エチルベンゼン等の芳香族化合物;n−ペンタン、i−
ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、i−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−
ノナン、i−ノナン、n−デカン、i−デカン等の飽和
炭化水素化合物;エチルシクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、p−メン
タン、デカヒドロナフタレン、ジペンテン;ジプロピル
エーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類;MIBK
等のケトン類など。
【0033】調製された塗布液は、次に基材上に塗布さ
れる。基材への塗布は、1回でもよいし、2回以上繰り
返し行ってもよい。塗布液を塗布する基材は、特に限定
されず、金属、セラミックス、プラスチック等のいずれ
でもよい。塗布手段としては、通常の塗布方法、つまり
スピンコート法、ディップ法、スプレー法、転写法など
が用いられる。また、塗布前に基材をヤスリがけ、脱
脂、各種プラスト等で表面処理しておくと、ポリシラザ
ン(変性物)の付着性能が向上する。
【0034】基板上に形成された前記ポリシラザン(変
性物)塗膜は、前記〜のいずれかの処理を受ける
が、こゝで用いられる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、
過酸化水素等の無機酸や、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、マレイン酸、ステアリン酸等の有機酸が挙げら
れる。〔0035〕また、ここで用いられるアミンに
は、例えば下記一般式(II)で表されるアミンに加え
て、ピリジンやDBU、DBNなども含まれる。アミン
の代表例としては、下記一般式(II)で表されるものが
挙げられる。一般式(II) R456N (II) (式中、R4〜R6はそれぞれは水素原子、アルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキ
ルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表
す。) その具体例としては、次のものが挙げられる。メチルア
ミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミ
ン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルア
ミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルア
ミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシ
ルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、ヘ
プチルアミン、ジヘプチルアミン、オクチルアミン、ジ
オクチルアミン、トリオクチルアミン、フェニルアミ
ン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン等。(な
お、炭化水素鎖は直鎖でも分枝鎖でもよい。)
【0035】また、ピリジンとしては、例えば、ピリジ
ン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペ
リジン、ルチジン、ピリミジン、ピリダジン等が挙げら
れ、更に、DBU(1,8−ジアザビシクロ〔5,4,
0〕7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシク
ロ〔4,3,0〕5−ノネン)なども使用できる。
【0036】シリカ質膜を形成するための前記〜の
方法において、前記ポリシラザン(変性物)と無機酸、
有機酸、アミン等と水(水蒸気)との接触方法には、前
記〜のポリシラザン(変性物)を、酸の蒸気又はア
ミンの蒸気と水蒸気との混合ガスと接触させる(すなわ
ち、混合ガス中にさらす)という方法と、前記〜の
ポリシラザン(変性物)を、酸又はアミンの水溶液に溶
解する、という方法に大別される。
【0037】前記〜の方法においては、酸蒸気、ア
ミン蒸気、水蒸気の濃度は、酸蒸気/水蒸気、アミン蒸
気/水蒸気比=0.01〜100、好ましくは0.1〜
10であり、酸蒸気、アミン蒸気、水蒸気の圧力は0.
0001〜5kg/cm2G、好ましくは0.001〜
0.5kg/cm2Gである。希釈する場合の希釈ガス
としては、空気、不活性ガスを用いることができる。ポ
リシラザン(変性物)と酸蒸気、アミン蒸気、水蒸気と
の接触温度は0℃〜100℃、好ましくは10℃〜30
℃であり、ポリシラザン(変性物)と酸蒸気、アミン蒸
気、水蒸気との接触時間は0.1秒〜30分、好ましく
は5秒〜10分である。
【0038】前記〜の方法においては、酸水溶液又
はアミン水溶液中の酸、アミンの濃度は0.01〜80
重量%、好ましくは0.1〜10重量%であり、酸水溶
液又はアミン水溶液の温度は0℃〜100℃、好ましく
は10℃〜50℃であり、ポリシラザン(変性物)と酸
水溶液又はアミン水溶液との接触時間は0.1秒〜30
分、好ましくは5秒〜10分である。
【0039】前記ポリシラザン(変性物)は、上記の
酸、アミン、水(水蒸気)等との接触後、引き続き加熱
焼成することによって、ポリシラザン(変性物)は完全
にシリカに転化される。この焼成工程は、乾燥空気、乾
燥窒素、乾燥Heなど水蒸気を含まない雰囲気中でも、
また大気、加湿大気等の水蒸気を含む雰囲気中でも行な
われ、焼成温度は200℃以上、好ましくは350〜8
00℃で、且つ焼成時間5分以上、好ましくは30分以
上で実施される。
【0040】なお、本発明のシリカ質膜の形成方法にお
ける焼成工程は、上記のように乾燥雰囲気中でも水蒸気
を含む雰囲気でも行なわれるが、特に乾燥雰囲気でも比
較的低温で行なえる点が重要である。それは、半導体絶
縁膜等を形成する場合には、乾燥雰囲気中での焼成が要
求されるためである。と言うのは、このシリカ質膜形成
の技術を半導体絶縁膜等に用いる場合、焼成温度はAl
配線の耐熱温度の約450℃が上限となるが、ポリシラ
ザン薄膜を450℃で完全にシリカに転化するために
は、雰囲気に水蒸気を導入する必要がある。しかし、高
温の水蒸気は半導体素子に悪影響を与える可能性がある
ため、乾燥大気中450℃以下でシリカ転化できるプロ
セスが望まれていた。本発明の方法は、酸及びアミンに
よる触媒作用による酸化促進効果のため、焼成(cur
e)を乾燥雰囲気でも450℃以下で行うことができる
(水蒸気を含む雰囲気でも可能)。酸及びアミンは焼成
時に完全に膜外に飛散し、また低温で導入される水蒸気
が半導体素子に悪影響を与える可能性は小さい。
【0041】近年のULSI等の半導体回路は集積度を
高めるため、階段状に積層させるケースが主流である。
内部応力が大きいと、積層時にクラックが発生しやす
い。しかし、本方法で得られる膜は、ポリシラザンを水
蒸気を含む高温大気中でシリカへ転化する従来方法と比
較して、膜密度が小さく、内部応力が小さいという利点
があり、このような用途に特に有用である。
【0042】なお、塗布系の無機低誘電率ポリマーとし
てダウ・コーニング社のFoxが知られている。これは
3SiH構造のpolysilsesquioxan
eで、これを基板に塗布した後、不活性ガス又は水素雰
囲気で加熱することによって、比誘電率3.0〜3.5
が得られる(特開昭47−31838号、特開昭59−
189126号、特開昭60−42426号、特開昭6
0−86017号各公報など)。しかし、Foxはクラ
ック限界膜厚、すなわち膜割れを起こさないで製膜可能
な最大膜厚が低く、0.5〜0.8μmが限界である。
半導体の層間絶縁膜として使用する場合、配線設計にも
よるが、1μm以上の絶縁膜が必要な場合が多い。一
方、本発明の方法で形成した場合のクラック限界膜厚
は、2.0μm以上と高い。これは、低密度であるた
め、内部応力が小さいためと考えられる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明の技術的範囲がこれらにより限定される
ものではない。
【0044】なお、以下の実施例、比較例における比誘
電率、膜密度、内部応力及びクラック限界膜厚は、次の
ようにして測定した。
【0045】(イ)比誘電率 ダウ・コーニング社製パイレックスガラス板(厚さ1m
m、大きさ50mm×50mm)を中性洗剤、希NaO
H水溶液、希H2SO4水溶液の順番でよく洗浄し、乾燥
させた。このガラス板の全面に、真空蒸着法でAl膜を
形成した(0.2μm)。このガラス板にポリシラザン
溶液をスピンコート法で製膜した後、電極信号取り出し
用にガラス板の四隅を綿棒でこすり、ポリシラザン膜を
除去した(約3mm×3mm)。続いて、実施例の方法
に従って、シリカ質膜に転化した。得られたシリカ質膜
にSUS製のマスクを被せて、真空蒸着法でAl膜を形
成した(2mm×2mmの正方形、厚さ0.2μmのパ
ターンを18個)。キャパシタンス測定は、YHP社製
4192ALFインピーダンスアナライザーを用いて測
定した(100kHz)。また、膜厚は触針式膜厚測定
器Sloan社製Dektak IIAを用いた。誘電率
は下式により計算した。 比誘電率=(キャパシタンス〔pF〕)×(膜厚〔μ
m〕)/35.4 なお、比誘電率の値は18点の平均値とした。
【0046】(ロ)膜密度 直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウエハーの重
量を、電子天秤で測定した。これにポリシラザン溶液を
スピンコート法で製膜した後、実施例の方法に従ってシ
リカ質膜に転化し、再び膜付きのシリコンウエハーの重
量を電子天秤で測定した。膜重量はこれらの差とした。
膜厚は比誘電率評価と同様に、触針式膜厚測定器Slo
an社製Dektak IIAを用いて測定した。膜密度
は下式により計算した。 膜密度〔g/cm3〕=(膜重量〔g〕)/(膜厚〔μ
m〕)/0.008
【0047】(ハ)内部応力 直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウエハーのそ
りを、Tencor社製レーザー内部応力測定器FLX
−2320に入力した。このシリコンウエハーに、ポリ
シラザン溶液をスピンコート法で製膜した後、実施例の
方法に従ってシリカ質膜に転化し、室温(23℃)に戻
した後、Tencor社製レーザー内部応力測定器FL
X−2320で内部応力を測定した。なお、膜厚は比誘
電率評価と同様に、触針式膜厚測定器Sloan社製D
ektak IIAを用いて測定した。
【0048】(ニ)クラック限界膜厚 直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウエハーに、
ポリシラザン溶液をスピンコート法で製膜した後、実施
例の方法に従ってシリカ質膜に転化した。ポリシラザン
溶液のポリシラザン濃度又はスピンコーターの回転数を
調節することによって、膜厚を約0.5μmから約5μ
mの範囲で変化させたサンプルを作製した。焼成後の薄
膜を顕微鏡観察(×120)し、クラックの有無を調べ
た。クラック発生の無い最大膜厚をクラック限界膜厚と
した。
【0049】参考例1[ペルヒドロポリシラザンの合
成] 内容積1lの四つ口フラスコにガス吹き込み管、メカニ
カルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着した。反
応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口フ
ラスコに脱気した乾燥ピリジンを490ml入れ、これ
を氷冷した。次に、ジクロロシラン51.9gを加える
と、白色固体状のアダクト(SiH2Cl2・2C5
5N)が生成した。反応混合物を氷冷し、撹拌しながら
水酸化ナトリウム管及び活性炭管を通して精製したアン
モニア51.0gを吹き込んだ後、100℃で加熱し
た。
【0050】反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾
燥ピリジンを用いて洗浄した後、更に乾燥窒素雰囲気下
で濾過して濾液850mlを得た。濾液5mlから溶媒
を減圧除去すると、樹脂状固体ペルヒドロポリシラザン
0.102gが得られた。
【0051】得られたポリマーの数平均分子量は、凝固
点降下法で(溶媒:乾燥ベンゼン)により測定したとこ
ろ、1120であった。IR(赤外吸収)スペクトル
(溶媒:乾燥o−キシレン;ペルヒドロポリシラザンの
濃度:10.2g/l)は、波数(cm-1)3390、
及び1180のN−Hに基づく吸収:2170のSi−
Hに基づく吸収:1040〜800のSi−N−Siに
基づく吸収を示した。IRスペクトルを図1に示す。
【0052】参考例2[ポリメチル(ヒドロ)シラザン
の合成] 内容積500mlの四つ口フラスコにガス吹き込み管、
メカニカルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着し
た。反応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四
つ口フラスコにメチルジクロロシラン(CH3SiHC
2、24.3g,0.221mol)と乾燥ジクロロ
メタン300mlを入れた。反応混合物を氷冷し、撹拌
しながら乾燥アンモニア20.5g(1.20mol)
を窒素ガスと共に吹き込んでアンモニア分解を行った。
【0053】反応終了後、反応混合物を遠心分離した
後、濾過した。濾液から溶媒を減圧除去し、ポリメチル
(ヒドロ)シラザンを無色の液体として8.79g得
た。生成物の数平均分子量を凝固点降下法で(溶媒:乾
燥ベンゼン)により測定したところ、310であった。
【0054】内容積100mlの四つ口フラスコにガス
導入管、温度計、コンデンサー及び滴下ロートを装着
し、反応系内をアルゴンガスで置換した。四つ口フラス
コにテトラヒドロフラン12ml及び水酸化カリウム
0.189g(4.71mol)を入れ、磁気撹拌を開
始した。滴下ロートに上述のポリメチル(ヒドロ)シラ
ザン5.00g及び乾燥テトラヒドロフラン50mlを
入れ、これを水酸化カリウムに滴下した。室温で1時間
反応させた後、滴下ロートにヨウ化メタン1.60g
(11.3mmol)、及び乾燥テトラヒドロフラン1
mlを入れ、これを反応溶液に滴下した。室温で3時間
反応させた後、反応混合物の溶媒を減圧除去し、乾燥n
−ヘキサン40mlを加えて遠心分離し、濾過した。濾
液の溶媒を減圧除去すると、ポリメチル(ヒドロ)シラ
ザンが白色粉末として4.85g得られた。
【0055】生成したポリマーの数平均分子量は106
0であった。IR(赤外吸収)スペクトル〔溶媒:乾燥
o−キシレン;ポリメチル(ヒドロ)シラザンの濃度:
43.2g/l〕は、波数(cm-1)3380、及び1
170のN−Hに基づく吸収:2140のSi−Hに基
づく吸収:1250のSi−CH3に基づく吸収を示し
た。IRスペクトルを図2に示す。
【0056】比較例 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをキシレン
に溶解し(20wt%)、濾過精度0.2μmのアドバ
ンテック社製PTFEシリンジフィルターで濾過した。
これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハ
ー上にスピンコーターを用いて塗布し(3000rp
m、20秒)、室温で乾燥させた(10分)。この時の
IRスペクトルは図1のペルヒドロポリシラザンのIR
スペクトルと同等であった。続いて、このペルヒドロポ
リシラザンを塗布したシリコン板を、250℃のホッと
プレート上で3分間加熱した。次に、これを3kPaの
水蒸気を含有する空気雰囲気中、400℃で1時間焼成
した。
【0057】焼成後のIRスペクトルを図3に示す。波
数(cm-1)1100及び450のSi−Oに基づく吸
収が主に見られ、ポリシラザンの吸収、すなわち波数
(cm-1)3350及び1200のN−Hに基づく吸
収:2160及び880のSi−Hに基づく吸収はほと
んど消失した。得られた膜の評価を行ったところ、比誘
電率は4.6、密度は2.1g/cm3、内部応力は
2.0×109dyne/cm2、クラック限界膜厚は
1.8μmであった。また、得られた膜を温度23℃、
相対湿度50%の大気中に1週間放置した後、再び比誘
電率を測定したところ、4.8であった。
【0058】実施例1 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをキシレン
に溶解し(20wt%)、濾過精度0.2μmのアドバ
ンテック社製PTFEシリンジフィルターで濾過した。
これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウエハ
ー上にスピンコーターを用いて塗布し(3000rp
m、20秒)、室温で乾燥させた(10分)。この時の
IRスペクトルは、図1のペルヒドロポリシラザンのI
Rスペクトルと同等であった。続いて、容量3Lのテフ
ロン製ビーカーに、濃度30wt%の塩酸水溶液を30
0ml注入した。そして、ペルヒドロポリシラザンを塗
布したシリコン板をビーカー内部に吊し、ビーカー上部
にテフロン板を乗せて蓋をし、1分間放置した。このシ
リコン板をビーカーから取り出し、250℃のホットプ
レート上で3分間加熱した。この時、塩化アンモニウム
と考えられる白煙が観測された。次に、これを乾燥空気
雰囲気中、400℃で1時間焼成した。
【0059】焼成後のIRスペクトルを図4に示す。波
数(cm-1)1100と450のSi−Oに基づく吸収
と、2250と880のSi−Hに基づく吸収が見ら
れ、波数(cm-1)3350及び1200のN−Hに基
づく吸収はほとんど消失した。得られた膜の評価を行っ
たところ、比誘電率は2.8、密度は1.3g/c
3、内部応力は2.0×108dyne/cm2、クラ
ック限界膜厚は2.5μmであった。また、得られた膜
を温度23℃、相対湿度50%の大気中に1週間放置し
た後、再び比誘電率を測定したところ、2.9であっ
た。
【0060】実施例2 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザン1.0g
を、キシレン4.0gに溶解し、トリ−n−ペンチルア
ミン0.05gを添加した。これを濾過精度0.2μm
のアドバンテック社製PTFEシリンジフィルターで濾
過した。これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコ
ンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し(300
0rpm、20秒)、室温で乾燥させた(10分)。こ
の時のIRスペクトルは、図1のペルヒドロポリシラザ
ンのIRスペクトルと同等であった。続いて、容量3L
のテフロン製ビーカーに、濃度30wt%の塩酸水溶液
を300ml注入した。そして、ペルヒドロポリシラザ
ンを塗布したシリコン板をビーカー内部に吊し、ビーカ
ー上部にテフロン板を乗せて蓋をし、1分間放置した。
このシリコン板をビーカーから取り出し、250℃のホ
ットプレート上で3分間加熱した。この時、塩化アンモ
ニウムと考えられる白煙が観測された。次に、これを乾
燥空気雰囲気中、400℃で1時間焼成した。
【0061】焼成後のIRスペクトルを図5に示す。波
数(cm-1)1100と450のSi−Oに基づく吸収
と、2250と880のSi−Hに基づく吸収が見ら
れ、波数(cm-1)3350及び1200のN−Hに基
づく吸収はほとんど消失した。得られた膜の評価を行っ
たところ、比誘電率は2.5、密度は1.1g/c
3、内部応力は3.7×108dyne/cm2、クラ
ック限界膜厚は2.5μmであった。また、得られた膜
を温度23℃、相対湿度50%の大気中に1週間放置し
た後、再び比誘電率を測定したところ、2.5であっ
た。
【0062】実施例3 参考例2で合成したポリメチル(ヒドロ)シラザン1.
0gを、キシレン4.0gに溶解し、トリ−n−ペンチ
ルアミン0.05gを添加した。これを濾過精度0.2
μmのアドバンテック社製PTFEシリンジフィルター
で濾過した。これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシ
リコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し(3
000rpm、20秒)、室温で乾燥させた(10
分)。この時のIRスペクトルは、図2のポリメチル
(ヒドロ)シラザンのIRスペクトルと同等であった。
続いて、容量3Lのテフロン製ビーカーに、濃度30w
t%の塩酸水溶液を300ml注入した。そして、ペル
ヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板をビーカー内
部に吊し、ビーカー上部にテフロン板を乗せて蓋をし、
1分間放置した。このシリコン板をビーカーから取り出
し、250℃のホットプレート上で3分間加熱した。こ
の時、塩化アンモニウムと考えられる白煙が観測され
た。次に、これを乾燥空気雰囲気中、400℃で1時間
焼成した。
【0063】焼成後のIRスペクトルを図6に示す。波
数(cm-1)1100と450のSi−Oに基づく吸
収、2250と880のSi−Hに基づく吸収、125
0のSi−CH3に基づく吸収が見られ、波数(c
-1)3350及び1200のN−Hに基づく吸収はほ
とんど消失した。得られた膜の評価を行ったところ、比
誘電率は2.7、密度は1.1g/cm3、内部応力は
1.6×108dyne/cm2、クラック限界膜厚は
3.0μmであった。また、得られた膜を温度23℃、
相対湿度50%の大気中に1週間放置した後、再び比誘
電率を測定したところ、3.3であった。
【0064】実施例4 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザン1.0g
を、キシレン4.0gに溶解し、トリ−n−ペンチルア
ミン0.05gを添加した。これを濾過精度0.2μm
のアドバンテック社製PTFEシリンジフィルターで濾
過した。これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコ
ンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し(300
0rpm、20秒)、室温で乾燥させた(10分)。こ
の時のIRスペクトルは、図1のペルヒドロポリシラザ
ンのIRスペクトルと同等であった。続いて、容量3L
のテフロン製ビーカーに、濃度30wt%の塩酸水溶液
を300ml注入した。そして、ペルヒドロポリシラザ
ンを塗布したシリコン板をビーカー内部に吊し、ビーカ
ー上部にテフロン板を乗せて蓋をし、1分間放置した。
このシリコン板をビーカーから取り出し、250℃のホ
ットプレート上で3分間加熱した。この時、塩化アンモ
ニウムと考えられる白煙が観測された。次に、これを乾
燥空気雰囲気中、400℃で1時間焼成した。
【0065】焼成後のIRスペクトルを図7に示す。波
数(cm-1)1100と450のSi−Oに基づく吸収
と、2250と880のSi−Hに基づく吸収が見ら
れ、波数(cm-1)3350及び1200のN−Hに基
づく吸収はほとんど消失した。得られた膜の評価を行っ
たところ、比誘電率は2.6、密度は1.0g/c
3、内部応力は1.8×108dyne/cm2、クラ
ック限界膜厚は3.0μmであった。また、得られた膜
を温度23℃、相対湿度50%の大気中に1週間放置し
た後、再び比誘電率を測定したところ、2.6であっ
た。
【0066】実施例5 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザン1.0g
を、キシレン4.0gに溶解し、トリ−n−ペンチルア
ミン0.05gを添加した。これを濾過精度0.2μm
のアドバンテック社製PTFEシリンジフィルターで濾
過した。これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコ
ンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し(300
0rpm、20秒)、室温で乾燥させた(10分)。こ
の時のIRスペクトルは、図1のペルヒドロポリシラザ
ンのIRスペクトルと同等であった。続いて、容量3L
のテフロン製ビーカーに、濃度30wt%の硝酸水溶液
を300ml注入した。そして、ペルヒドロポリシラザ
ンを塗布したシリコン板をビーカー内部に吊し、ビーカ
ー上部にテフロン板を乗せて蓋をし、1分間放置した。
このシリコン板をビーカーから取り出し、250℃のホ
ットプレート上で3分間加熱した。この時、硝酸アンモ
ニウムと考えられる白煙が観測された。次に、これを乾
燥空気雰囲気中、400℃で1時間焼成した。
【0067】焼成後のIRスペクトルを図8に示す。波
数(cm-1)1100と450のSi−Oに基づく吸収
と、2250と880のSi−Hに基づく吸収が見ら
れ、波数(cm-1)3350及び1200のN−Hに基
づく吸収はほとんど消失した。得られた膜の評価を行っ
たところ、比誘電率は2.8、密度は1.2g/c
3、内部応力は3.1×108dyne/cm2、クラ
ック限界膜厚は2.5μmであった。また、得られた膜
を温度23℃、相対湿度50%の大気中に1週間放置し
た後、再び比誘電率を測定したところ、2.9であっ
た。
【0068】実施例6 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザン1.0g
を、キシレン4.0gに溶解し、トリ−n−ペンチルア
ミン0.05gを添加した。これを濾過精度0.2μm
のアドバンテック社製PTFEシリンジフィルターで濾
過した。これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコ
ンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し(300
0rpm、20秒)、室温で乾燥させた(10分)。こ
の時のIRスペクトルは、図1のペルヒドロポリシラザ
ンのIRスペクトルと同等であった。続いて、容量3L
のテフロン製ビーカーに、濃度30wt%の酢酸水溶液
を300ml注入した。そして、ペルヒドロポリシラザ
ンを塗布したシリコン板をビーカー内部に吊し、ビーカ
ー上部にテフロン板を乗せて蓋をし、3分間放置した。
このシリコン板をビーカーから取り出し、250℃のホ
ットプレート上で3分間加熱した。この時、酢酸アンモ
ニウムと考えられる白煙が観測された。次に、これを乾
燥空気雰囲気中、400℃で1時間焼成した。
【0069】焼成後のIRスペクトルを図9に示す。波
数(cm-1)1100と450のSi−Oに基づく吸収
と、2250と880のSi−Hに基づく吸収が見ら
れ、波数(cm-1)3350及び1200のN−Hに基
づく吸収はほとんど消失した。得られた膜の評価を行っ
たところ、比誘電率は3.1、密度は1.4g/c
3、内部応力は4.5×108dyne/cm2、クラ
ック限界膜厚は2.0μmであった。また、得られた膜
を温度23℃、相対湿度50%の大気中に1週間放置し
た後、再び比誘電率を測定したところ、3.5であっ
た。
【0070】実施例7 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザン1.0g
を、キシレン4.0gに溶解し、これを濾過精度0.2
μmのアドバンテック社製PTFEシリンジフィルター
で濾過した。これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシ
リコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し(3
000rpm、20秒)、室温で乾燥させた(10
分)。この時のIRスペクトルは、図1のペルヒドロポ
リシラザンのIRスペクトルと同等であった。続いて、
容量3Lのテフロン製ビーカーに、濃度1.0wt%の
トリエチルアミン水溶液を300ml注入した。そし
て、ペルヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板をビ
ーカー内部に吊し、ビーカー上部にテフロン板を乗せて
蓋をし、3分間放置した。次に、容量3Lのテフロン製
ビーカーに、濃度30wt%の塩酸水溶液を300ml
注入した。そして、ペルヒドロポリシラザンを塗布した
シリコン板をビーカー内部に吊し、ビーカー上部にテフ
ロン板を載せて蓋をし、1分間放置した。このシリコン
板をビーカーから取り出し、250℃のホットプレート
上で3分間加熱した。この時、塩化アンモニウムと考え
られる白煙が観測された。次に、これを乾燥空気雰囲気
中、400℃で1時間焼成した。
【0071】焼成後のIRスペクトルを図10に示す。
波数(cm-1)1100と450のSi−Oに基づく吸
収と、2250と880のSi−Hに基づく吸収が見ら
れ、波数(cm-1)3350及び1200のN−Hに基
づく吸収はほとんど消失した。得られた膜の評価を行っ
たところ、比誘電率は2.2、密度は1.0g/c
3、内部応力は4.2×108dyne/cm2、クラ
ック限界膜厚は2.5μmであった。また、得られた膜
を温度23℃、相対湿度50%の大気中に1週間放置し
た後、再び比誘電率を測定したところ、2.2であっ
た。
【0072】実施例8 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザン1.0g
を、キシレン4.0gに溶解した。これを濾過精度0.
2μmのアドバンテック社製PTFEシリンジフィルタ
ーで濾過した。これを直径4インチ、厚さ0.5mmの
シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し
(3000rpm、20秒)、室温で乾燥させた(10
分)。この時のIRスペクトルは、図1のペルヒドロポ
リシラザンのIRスペクトルと同等であった。続いて、
容量3Lのテフロン製ビーカーに、濃度1.0wt%の
n−ブチルアミン水溶液を300ml注入した。そし
て、ペルヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板をビ
ーカー内部に吊し、ビーカー上部にテフロン板を乗せて
蓋をし、3分間放置した。次に、容量3Lのテフロン製
ビーカーに、濃度30wt%の塩酸水溶液を300ml
注入した。そして、ペルヒドロポリシラザンを塗布した
シリコン板をビーカー内部に吊し、ビーカー上部にテフ
ロン板を載せて蓋をし、1分間放置置した。このシリコ
ン板をビーカーから取り出し、250℃のホットプレー
ト上で3分間加熱した。この時、塩化アンモニウムと考
えられる白煙が観測された。次に、これを乾燥空気雰囲
気中、400℃で1時間焼成した。
【0073】焼成後のIRスペクトルを図11に示す。
波数(cm-1)1100と450のSi−Oに基づく吸
収と、2250と880のSi−Hに基づく吸収が見ら
れ、波数(cm-1)3350及び1200のN−Hに基
づく吸収はほとんど消失した。得られた膜の評価を行っ
たところ、比誘電率は2.3、密度は1.1g/c
3、内部応力は3.9×108dyne/cm2、クラ
ック限界膜厚は2.5μmであった。また、得られた膜
を温度23℃、相対湿度50%の大気中に1週間放置し
た後、再び比誘電率を測定したところ、2.3であっ
た。
【0074】実施例9 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザン1.0g
を、キシレン4.0gに溶解した。これを濾過精度0.
2μmのアドバンテック社製PTFEシリンジフィルタ
ーで濾過した。これを直径4インチ、厚さ0.5mmの
シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し
(3000rpm、20秒)、室温で乾燥させた(10
分)。この時のIRスペクトルは、図1のペルヒドロポ
リシラザンのIRスペクトルと同等であった。続いて、
容量3Lのテフロン製ビーカーに、濃度1.0wt%の
トリエチルアミン水溶液を300ml注入した。そし
て、ペルヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板をビ
ーカー内部に吊し、ビーカー上部にテフロン板を乗せて
蓋をし、3分間放置した。このシリコン板をビーカーか
ら取り出し、250℃のホットプレート上で3分間加熱
した。次に、これを乾燥空気雰囲気中、400℃で1時
間焼成した。
【0075】焼成後のIRスペクトルを図12に示す。
波数(cm-1)1100と450のSi−Oに基づく吸
収と、2250と880のSi−Hに基づく吸収が見ら
れ、波数(cm-1)3350及び1200のN−Hに基
づく吸収はほとんど消失した。得られた膜の評価を行っ
たところ、比誘電率は3.9、密度は1.8g/c
3、内部応力は4.2×108dyne/cm2、クラ
ック限界膜厚は2.0μmであった。また、得られた膜
を温度23℃、相対湿度50%の大気中に1週間放置し
た後、再び比誘電率を測定したところ、3.9であっ
た。
【0076】実施例10 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザン1.0g
を、キシレン4.0gに溶解した。これを濾過精度0.
2μmのアドバンテック社製PTFEシリンジフィルタ
ーで濾過した。これを直径4インチ、厚さ0.5mmの
シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し
(3000rpm、20秒)、室温で乾燥させた(10
分)。この時のIRスペクトルは、図1のペルヒドロポ
リシラザンのIRスペクトルと同等であった。続いて、
容量3Lのテフロン製ビーカーに、純水300ml注入
し、ペルヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板をビ
ーカー内部に吊し、ビーカー上部にテフロン板を乗せて
蓋をした。次に、このビーカー中に乾燥窒素で5mol
%に希釈したモノメチルアミンを0.1L/minの流
量で注入し、3分間放置した。このシリコン板をビーカ
ーから取り出し、250℃のホットプレート上で3分間
加熱した。次に、これを乾燥空気雰囲気中、400℃で
1時間焼成した。
【0077】焼成後のIRスペクトルを図13に示す。
波数(cm-1)1100と450のSi−Oに基づく吸
収と、2250と880のSi−Hに基づく吸収が見ら
れ、波数(cm-1)3350及び1200のN−Hに基
づく吸収はほとんど消失した。得られた膜の評価を行っ
たところ、比誘電率は3.7、密度は1.8g/c
3、内部応力は4.2×108dyne/cm2、クラ
ック限界膜厚は2.0μmであった。また、得られた膜
を温度23℃、相対湿度50%の大気中に1週間放置し
た後、再び比誘電率を測定したところ、3.7であっ
た。
【0078】
【発明の効果】請求項1〜3の低誘導率シリカ質膜の形
成方法は、主として前記一般式(I)で表される構造単
位からなる骨格を有する数平均分子量が約100〜5
0,000のポリシラザン又はその変性物の塗膜に、
(1)無機酸又は有機酸と水又は水蒸気を接触させる、
(2)アミンと水又は水蒸気を接触させる、又は(3)
アミンと水又は水蒸気を接触させ、続いて無機酸又は有
機酸と水又は水蒸気を接触させる、という処理を行った
後、引き続き加熱焼成するという構成としたことから、
本方法によると、Si−H基又はSi−R基を残存させ
ながらSi−N結合の酸化が選択的に促進されるので、
膜応力が小さく且つ膜厚限界が高い、低密度の低誘電率
シリカ質膜を形成することができる。
【0079】請求項4の低誘導率シリカ質膜は、ポリシ
ラザン由来の密度が1〜1.8g/cm3であることか
ら、比誘電率が2.0〜4.0と低く、しかも膜応力が
小さく且つ膜厚限界の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られたペルヒドロポリシラザンの
IRスペクトル図である。
【図2】参考例2で得られたポリメチル(ヒドロ)シラ
ザンのIRスペクトル図である。
【図3】比較例で得られたポリシラザン処理品のIRス
ペクトル図である。
【図4】実施例1で得られたポリシラザン処理品のIR
スペクトル図である。
【図5】実施例2で得られたポリシラザン処理品のIR
スペクトル図である。
【図6】実施例3で得られたポリシラザン処理品のIR
スペクトル図である。
【図7】実施例4で得られたポリシラザン処理品のIR
スペクトル図である。
【図8】実施例5で得られたポリシラザン処理品のIR
スペクトル図である。
【図9】実施例6で得られたポリシラザン処理品のIR
スペクトル図である。
【図10】実施例7で得られたポリシラザン処理品のI
Rスペクトル図である。
【図11】実施例8で得られたポリシラザン処理品のI
Rスペクトル図である。
【図12】実施例9で得られたポリシラザン処理品のI
Rスペクトル図である。
【図13】実施例10で得られたポリシラザン処理品の
IRスペクトル図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
    子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
    リール基、若しくはこれらの基以外でフルオロアルキル
    基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシ
    リル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。但
    し、R1、R2及びR3の少なくとも1つは水素原子であ
    る。)で表される構造単位からなる骨格を有する数平均
    分子量が約100〜50,000のポリシラザン又はそ
    の変性物の塗膜に、無機酸又は有機酸単独、あるいは無
    機酸又は有機酸と水又は水蒸気を接触させ、引き続き加
    熱焼成することを特徴とする低誘電率シリカ質膜の形成
    方法。
  2. 【請求項2】 主として下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
    子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
    リール基、若しくはこれらの基以外でフルオロアルキル
    基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシ
    リル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。但
    し、R1、R2及びR3の少なくとも1つは水素原子であ
    る。)で表される構造単位からなる骨格を有する数平均
    分子量が約100〜50,000のポリシラザン又はそ
    の変性物の塗膜に、アミン単独、あるいはアミンと水又
    は水蒸気を接触させ、引き続き加熱焼成することを特徴
    とする低誘電率シリカ質膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 主として下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
    子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
    リール基、若しくはこれらの基以外でフルオロアルキル
    基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシ
    リル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。但
    し、R1、R2及びR3の少なくとも1つは水素原子であ
    る。)で表される構造単位からなる骨格を有する数平均
    分子量が約100〜50,000のポリシラザン又はそ
    の変性物の塗膜に、アミン単独、あるいはアミンと水又
    は水蒸気を接触させ、続いて無機酸又は有機酸単独、あ
    るいは無機酸又は有機酸と水又は水蒸気を接触させ、引
    き続き加熱焼成することを特徴とする低誘電率シリカ質
    膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 ポリシラザン由来の密度が1〜1.8g
    /cm3であることを特徴とする低誘電率シリカ質膜。
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