JP3666915B2 - セラミックスの低温形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリシラザンを必須成分とし、耐熱性、耐摩耗性、耐食性等に優れたセラミックス、特にセラミックコーティング膜を低温で形成できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高度の耐熱、耐摩耗、耐食性を得るためには、有機系塗料では不十分であり、セラミックス系コーティングが用いられる。
従来、セラミックス系コーティングの形成方法としては、PVD(スパッタ法等)、CVD、ゾルーゲル法、ポリチタノカルボシラン系塗料、ポリ(ジシル)シラザン系塗料、ポリシラザン系塗料、ポリメタロシラザン系塗料などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如きセラミックス系コーティング法が知られているが、いずれも問題がある。すなわち、PVD、CVD法では装置が高価である。ゾルーゲル法では、必要焼成温度が500℃以上と高い。ポリチタノカルボシラン系塗料では低温焼成(400℃以下)における表面強度が不十分である。ポリ(ジシル)シラザン系重合体を用いたものは、施工に難があり、クラックが発生する。ポリシラザン、ポリメタロシラザンコーティングでは、200〜500℃で焼成できるが、300℃未満の焼成では膜質が必ずしも良好でない。
【0004】
そこで、本発明は、上記の如き従来技術における問題を解決し、低温熱処理により、耐熱性、耐摩耗性、耐食性に優れ、クラックのない緻密な塗膜を与えるセラミックコーティング膜、広くはこれらの特性を有するセラミックスの形成方法を提供すること、特に、低温熱処理という特長により、従来不可能であった、電子部品、プラスチック等へのコーティングを可能とすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するため鋭意検討した結果、本発明の第1の側面においてポリシラザンまたはこれを含む組成物を150℃以下で熱処理した後、水蒸気雰囲気にさらす、または触媒を含有した蒸留水中に浸す、またはこれらの両方を行うことにより、従来より低い熱処理温度で良好なセラミックス、特に被覆が形成されることを見出した。
【0006】
こうして、本発明によれば、主として一般式(I):
【0007】
【化3】
Figure 0003666915
【0008】
(但し、R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの基以外でケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基を表わす。ただし、R1 ,R2 ,R3 の少なくとも1つは水素原子である。)
で表わされる単位からなる骨格を有する数平均分子量が100〜5万のポリシラザンまたはこれらのポリシラザンを変成したものを熱処理した後、1〜3気圧の加圧した飽和水蒸気雰囲気中で処理、または1〜10重量%の触媒を含有した蒸留水中に浸す、またはこれらの両方を行うことを特徴とする、セラミックスの形成方法が提供される。
【0009】
本発明で用いるポリシラザンは、分子内に少なくともSi−H結合、あるいはN−H結合を有するポリシラザンであればよく、ポリシラザン単独は勿論のことポリシラザンと他のポリマーとの共重合体やポリシラザンと他の化合物との混合物でも利用できる。
用いるポリシラザンには、鎖状、環状、あるいは架橋構造を有するもの、あるいと分子内にこれら複数の構造を同時に有するものがあり、これら単独でもあるいは混合物でも利用できる。
【0010】
用いるポリシラザンの代表例としては下記のようなものがあるが、これらに限定されるものではない。
一般式(I)でR1 ,R2 及びR3 に水素原子を有するものは、ペルヒドロポリシラザンであり、その製造法は例えば特開昭60−145903号公報、D.SeyferthらCommunication of Am.Cer.Soc.,C−13,January 1983.に報告されている。これらの方法で得られるものは、種々の構造を有するポリマーの混合物であるが、基本的には分子内に鎖状部分と環状部分を含み、
【0011】
【化4】
Figure 0003666915
【0012】
の化学的で表わすことができる。ペルヒドロポリシラザンの構造の一例を示すと下記の如くである。
【0013】
【化5】
Figure 0003666915
【0014】
一般式(I)でR1 及びR2 に水素原子、R3 にメチル基を有するポリシラザンの製造方法は、D.SeyferthらPolym.Prepr.Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem,.25,10(1984)に報告されている。この方法により得られるポリシラザンは、繰り返し単位が−(SiH2 NCH3 )−の鎖状ポリマーと環状ポリマーであり、いずれも架橋構造をもたない。
【0015】
一般式(I)でR1 及びR3 に水素原子、R2 に有機基を有するポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの製造法は、D.SeyferthらPolym.Prepr.Am.Chem.Soc.Div.Polym.Chem,.25,10(1984)、特開昭61−89230号公報に報告されている。これらの方法により得られるポリシラザンには、−(R2 SiHNH)−を繰り返し単位として、主として重合度が3〜5の環状構造を有するものや(R3 SiHNH)x 〔(R2 SiH)1.5 N〕1-x (0.4<X<1)の化学式で示せる分子内に鎖状構造と環状構造を同時に有するものがある。
【0016】
一般式(I)でR1 に水素原子、R2 及びR3 に有機基を有するポリシラザン、またR1 及びR2 に有機基、R3 に水素原子を有するものは
−(R12 SiNR3 )−を繰り返し単位として、主に重合度が3〜5の環状構造を有している。
次に用いるポリシラザンの内、一般式(I)以外のものの代表例をあげる。
ポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの中には、D.SeyferthらCommunication of Am.Cer.Soc.,C−132,July 1984.が報告されている様な分子内に架橋構造を有するものもある。一例を示すと下記の如くである。
【0017】
【化6】
Figure 0003666915
【0018】
また、特開昭49−69717に報告されている様なR1 SiX3 (X:ハロゲン)のアンモニア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラザン(R1 Si(NH)x 、あるいはR1 SiX3 及びR2 2 SiX2 の共アンモニア分解によって得られる下記の構造を有するポリシラザンも出発材料として用いることができる。
【0019】
【化7】
Figure 0003666915
【0020】
用いるポリシラザンは、上記の如く一般式(I)で表わされる単位からなる主骨格を有するが、一般式(I)で表わされる単位は、上記にも明らかな如く環状化することがあり、その場合にはその環状部分が末端基となり、このような環状化がされない場合には、主骨格の末端はR1 ,R2 ,R3 と同様の基又は水素であることができる。
【0021】
用いるポリシラザンとして好ましいものは、上記の如く一般式(I)で表わされる単位を主骨格を有するポリシラザンを金属アルコキシド、ケイ素アルコキシド、アルコール、金属カルボン酸塩、アセチルアセトナト錯体で変成したものである。これらについては特開平1−221466号、特願平4−39595号、特願平4−272020号、特願平5−30750号、特願平5−93275号、特願平5−214268号に詳しい。特に好ましいものは、(RCOO)n M〔式中、Rは脂肪族基または脂環基で炭素数1〜22のものを表わし、MはNi,Ti,Pt,Rh,Co,Fe,Ru,Os,Pd,Tr,Alからなる群より選択される少なくとも1種の金属を表わし、nはMのイオン価である。〕で表わされる金属カルボン酸塩を上記のようなポリシラザンに添加したものであり、MがPdであるものが特に好ましい。(特願平5−93275号)この反応生成物の化学構造は明確ではないが、Si−OCORという結合が生成していると考えられる。金属の状態は不明であるが超微粒子状態ではないかと推測している。
【0022】
このようなポリシラザンあるいはポリシラザンを変成したものは必要に応じて成形する。従って、薄膜、繊維、バルク、粉末などのいずれでもよい。ポリシラザンあるいはポリシラザン変成物はそのままでも成形できるが、通常は適当な溶剤、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル、その他塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、アミン類、ピリジンなどを用いて成形後、乾燥させる。
【0023】
また、このポリシラザンまたはポリシラザン組成物には必要に応じて各種の添加剤、充填材を含めることができる。
本発明の方法で形成されるセラミックスは三次元成形物でもよいが、特に低温でセラミックス化できる利点を生かしたセラミックコーティング膜の形成に適している。
【0024】
こうして、本発明によれば、上記の如きコーティング用組成物を用いたコーティング方法が提供され、このコーティング方法は、上記のコーティング用組成物を基盤に1回又は2回以上繰り返し塗布した後、室温乾燥又は熱処理し、水蒸気雰囲気にさらす、または触媒を含有した蒸留水に浸す、またはこれらの両方を行うことにより、セラミックス被覆膜を形成させることを特徴とする。
【0025】
コーティング組成物を塗布する基盤は、特に限定されず、金属、セラミックス、プラスチック等のいずれでもよい。
コーティングの塗布手段としては、通常の塗布方法、つまり浸漬、ロール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、フロー塗り等が用いられる。又、塗布前に基盤をヤスリがけ、脱脂、各種ブラスト等で表面処理しておくと、コーティング組成物の付着性能は向上する。
【0026】
このような方法で成形またはコーティングし、室温乾燥または熱処理により充分乾燥させる
上記熱処理条件は用いるポリシラザンまたはコーティング用組成物によって異なる。昇温速度は特に限定しないが、0.5〜10℃/分の緩やかな昇温速度が好ましい。好ましい熱処理温度は室温〜250℃であるが、プラスチック等への塗布には100〜150℃が好ましい。熱処理雰囲気は酸素中、空気中あるいは不活性ガス等のいずれであってもよいが、空気中がより好ましい。
【0027】
上記の温度での熱処理においてはSi−O,Si−N,Si−H,N−Hが存在するものが形成される。これはまだセラミックスへの転化が不完全である。これを次に述べる2つの方法によってセラミックスに転化させることが可能である。
▲1▼加圧飽和水蒸気雰囲気中での熱処理。
【0028】
圧力は特に限定されるものではないが、1〜3気圧が現実的に適当である。室温は室温以上で効果的であるが室温〜250℃が好ましい。相対湿度は特に限定されないが10%RH〜100%RHが好ましい。熱処理時間は特に限定されるものではないが10分〜30日が現実的に適当である。
加圧飽和水蒸気雰囲気中での熱処理により、ポリシラザンまたはポリシラザンの変性生成物の酸化あるいは水蒸気との加水分解が進行し、上記のような低い熱処理温度でSi−O結合を主体とする強靱なセラミックス、特にセラミック被覆の形成が可能となる。
【0029】
▲2▼触媒を含有した蒸留水中に浸す。
触媒としては、酸、塩基が好ましく、その種類については特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、n−エキシルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、グアニジン、ピグアニン、イミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オクタン等のアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ピリジン、アンモニア水等のアルカリ類;リン酸等の無機酸類;氷酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、無水プロピオン酸のような低級モノカルボン酸、又はその無水物、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸のような低級ジカルボン酸又はその無水物、トリクロロ酢酸等の有機酸類;過塩素酸、塩酸、硝酸、硫酸、スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素及びその電気供与体との錯体、等;SnCl4 ,ZnCl2 ,FeCl3 ,AlCl3 ,SbCl3 ,TiCl4 などのルイス酸及びその錯体等を使用することができる。触媒の含有割合としては0.01〜50wt%、好ましくは1〜10wt%である。保持温度としては室温から沸点までの温度にわたって有効である。保持時間としては特に限定されるものではないが10分〜30日が現実的に適当である。
【0030】
触媒を含有した蒸留水中に浸すことにより、ポリシラザンまたはポリシラザンの変性生成物の酸化あるいは水との加水分解が、触媒の存在により更に加速され、上記のような低い熱処理温度でSi−O結合を主体とする強靱なセラミックス、特にセラミック被覆の形成が可能となる。
なお、上記の2つの方法を用いることもセラミックス化には当然有効である。(触媒は酸、塩基など限定されないが、特に塩酸が好ましい)
本発明の第2の側面によれば、ポリシラザンをPd2+イオンと水に接触させることによって、一般的に、低温でセラミックス、特にシリカに酸化させることが可能であることが見い出された。
【0031】
こうして、本発明によれば、主として、一般式(I):
【0032】
【化8】
Figure 0003666915
【0033】
(但し、R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの基以外でケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基を表わす。ただし、R1 ,R2 ,R3 の少なくとも1つは水素原子である。)
で表わされる単位からなる主骨格を有する数平均分子量が100〜5万のポリシラザンをPd2+イオンおよび水と接触させることを特徴とするセラミックスの形成方法が提供される。
【0034】
ポリシラザンは前に説明したものを用いることができる。その賦形あるいは成膜方法も前と同様であることができる。
ポリシラザンの成形体または薄膜をPd2+イオンを含む水溶液に浸漬したところ100℃以下の低温で堅いシリカが得られた。また、Pd2+イオンを含有するポリシラザンを低温で水蒸気と接触させてもシリカが得られた。これら及びその他の確認から、Si−HまたはN−Hを有するポリシラザンはPd2+イオンと水を必須成分とする系内で低温下でシリカを主成分とするセラミックスに転化することが判明した。具体的には、決定するわけではないが、Pd2+の還元反応時に活性化されたH2 OのO(酸素)がポリシラザンと反応して下記の如き機構で反応が進行すると考えられる。
【0035】
【化9】
Figure 0003666915
【0036】
Pd2+イオンの供給方法は特に限定されないが、例えば、酢酸パラジウム、アセチルアセトネートパラジウム、塩化パラジウム、水酸化パラジウム、ヨウ化パラジウム、硝酸パラジウム、酸化パラジウムなどのパラジウム化合物(パラジウム塩)を水に溶解したり、金属パラジウムを塩酸、硝酸などの酸水溶液に添加(溶解)したり、水溶液中で金属パラジウムに電圧を印加してPd2+イオンを溶出させるなどの方法を採用できる。また、パラジウム化合物を含むポリシラザンを水と接触させたり、金属パラジウムを含むポリシラザンを酸(一般に水溶液)と接触させるなどの方法でもよい。
【0037】
Pd2+イオンの供給量は、シリカ(SiO2 )組成に近いセラミックスを得るためにはポリシラザンのSi−H基およびSi−N基の総和の等モル以上が好ましい。但し、▲1▼反応系内にCuCl2 などのPd0 (0価パラジウム)の酸化触媒を添加した場合、あるいは▲2▼電気化学的にPd0 を酸化するなどの操作を同時に行なった場合にはPd2+イオン量は上記より少なくても同等の効果が得られる。しかし、本発明ではPd2+イオンは少量でもそれなりの効果が得られるので上記の好ましい供給量に限定されるわけではない。従って、上記▲1▼,▲2▼の操作をしない場合で、ポリシラザンのSi−H基及びSi−N基の総和のモル数に対し一般的に1/100モル以上、好ましくは1/10モル以上、そしてより好ましくは1モル以上、実用的には1/10モル以上のPd2+を供給する。
【0038】
Pdの添加量が上記1/10モルの場合、便宜的にはポリシラザンのSi(ケイ素)のモル量の0.2倍すればPdの添加重量になる。
水の供給方法はポリシラザンを水中に浸漬する、水を霧化してポリシラザンに吹き付ける、ポリシラザンを水蒸気に暴露するなどによることができる。このとき、水にPd2+イオンを溶解しておくことができる。
【0039】
水の供給量はシリカ(SiO2 )組成に近いセラミックスを得るためにはポリシラザンのSi−H基およびSi−N基の総和と等モル量以上が好ましい。通常は大過剰の水を用いる。
このポリシラザンのセラミックス化の反応条件としてPd2+イオンを含む水溶液のpH、反応温度、反応圧力、反応雰囲気など特に限定されない。ただし、反応温度としては必要に応じて加温するが、100℃以下の低温で十分に反応が進行する。例えば80℃以下、さらには40℃以下でも可能である。
【0040】
このポリシラザンをPd2+イオンと水と接触させる方法によれば、低温下でシリカを主成分とするセラミックスが一般的に生成され、特にシリカコーティング膜の低温形成方法として適している。
【0041】
【実施例】
実施例1(水蒸気雰囲気の例)
東燃製ペルヒドロポリシラザンType−1(PHPS−1;数平均分子量600〜800)の20%キシレン溶液をコーティング液とし、孔径0.2μmのPTFE製フィルターで濾過後、直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハーを2cm×2cmに切り取ったものにスピンコーターを用いて塗布(2000rpm ,20秒)し、大気雰囲気下100℃で1時間予備硬化させた。この段階での塗膜のセラミックス化の進行度をIRで評価したところSiH残存率89.5%であった。評価法は下記によった。
【0042】
SiH残存率=(加熱後のSiH吸光度/加熱前のSiN吸光度)×100(%)
SiO/SiN比=加熱後のSiO吸光度/加熱後のSiN吸光度
両者の数値はセラミックス化進行の指標となるものであり、SiH残存率が小さいほど、またSiO/SiN比が大きいほどセラミックス化が進んでいる事を示す。
【0043】
なおここでSiN,SiO,SiHの特性吸収はそれぞれ約840,1160,2160cm-1のものを用いた。また吸光度は、
吸光度=1og(Io/I)
にて計算した。Iは吸収ピークの透過率、Ioはピークのベースとなる透過率である。
【0044】
これを飽和水蒸気雰囲気、2.66気圧中で130℃×1h加熱した。この塗膜のセラミックス化の進行度をIRで評価したところ、SiH残存率0%で、Si−Nに起因する吸収は認められなかった。また、940cm-1にSi−OH、3400cm-1にO−Hに起因する吸収が認められた。
図1〜3はセラミック化の進行度の評価に用いたIRチャートであり、図1は硬化前ポリマーのIRチャート、図2は予備硬化後のIRチャート、図3は飽和水蒸気加熱後のIRチャートである。
【0045】
実施例2(蒸留水+触媒(塩酸)の例)
東燃製ペルヒドロポリシラザンType−1(PHPS−1;数平均分子量900)の20%キシレン溶液10gにプロピオン酸パラジウム(II)(エヌ・イー・ケムキャット(株)製)の0.5%キシレン溶液4gを添加し、更にキシレンを6g加え、大気中、20℃で3時間撹伴しながら反応を行った。更に濃縮して濃度20wt%の溶液を調製した。本溶液の数平均分子量はGPCにより測定したところ961であった。
【0046】
この溶液をコーティング液とし、孔径0.2μmのPTFE製フィルターで濾過後、直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハーにスピンコーターを用いて塗布(2000rpm 、20秒)し、大気雰囲気下150℃で1時間予備硬化させた。この段階での塗膜のセラミックス化の進行度をIRで評価したところ、(評価法は実施例1と同様)SiH残存率11.5%であった。
【0047】
また、蒸留水に塩酸を1wt%加えた溶液を調製し、この溶液に上記コーティング膜を室温で24時間浸した後、100℃で2時間乾燥させた。この塗膜の膜厚は7863Åであった。この塗膜のセラミックス化の進行度をIRで評価したところSiH残存率0%で、Si−Nに起因する吸収は認められなかった。また、940cm-1にSi−OH、3400cm-1にO−Hに起因する吸収が認められた。
【0048】
更にこの塗膜を49%フッ酸(ダイキン工業株式会社製)18ml、61%硝酸(小宗化学株式会社製)1763mlの混合溶液で処理したところ、エッチングレートは1485Å/min.であった。
一方蒸留水のみで同様のプロセスを用いて測定したエッチングレートは1703Å/min.であった。
【0049】
実施例3(蒸留水+触媒(DBU)の例)
東燃製ペルヒドロポリシラザンType−1(PHPS−1;数平均分子量900)の20%キシレン溶液10gにプロピオン酸パラジウム(II)(エヌ・イー・ケムキャット(株)製)の0.5%キシレン溶液4gを添加し、更にキシレンを6g加え、大気中、20℃で3時間撹伴しながら反応を行った。更に濃縮して濃度20wt%の溶液を調製した。本溶液の数平均分子量はGPCにより測定したところ961であった。
【0050】
この溶液をコーティング液とし、孔径0.2μmのPTFE製フィルターで濾過後、直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハーにスピンコーターを用いて塗布(2000rpm 、20秒)し、大気雰囲気下150℃で1時間予備硬化させた。この段階での塗膜のセラミックス化の進行度をIRで評価したところ、(評価法はグリシドール系と同様)SiH残存率11.5%であった。
【0051】
また、蒸留水に1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0ウンデセン−7(東京化成株式会社製)を1wt%加えた溶液を調製し、この溶液に上記コーティング膜を室温で24時間浸した後、100℃で2時間乾燥させた。この塗膜の膜厚は7659Åであった。この塗膜のセラミックス化の進行度をIRで評価したところ、SiH残存率0%で、Si−Nに起因する吸収は認められなかった。また、940cm-1にSi−OH、3400cm-1にO−Hに起因する吸収が認められた。
【0052】
更にこの塗膜を49%フッ酸(ダイキン工業株式会社製)18ml、61%硝酸(小宗化学株式会社製)1763mlの混合溶液で処理したところ、エッチングレートは1437Å/min.であった。
実施例4(蒸留水+触媒(DBU)の例)
東燃製ペルヒドロポリシラザンType−1(PHPS−1;数平均分子量900)の20%キシレン溶液10gにプロピオン酸パラジウム(II)(エヌ・イー・ケムキャット(株)製)の0.5%キシレン溶液4gを添加し、更にキシレンを6g加え、大気中、20℃で3時間撹伴しながら反応を行った。更に濃縮し濃度20wt%の溶液を調整した。この溶液の数平均分子量はGPCにより測定したところ961であった。
【0053】
この溶液をコーティング液とし、孔径0.2μmのPTFE製フィルターで濾過後、直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハーにスピンコーターを用いて塗布(2000rpm 、20秒)し、室温で乾燥させた。
また、蒸留水に1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0ウンデセン7)(東京化成株式会社製)を1wt%加えた溶液を調整し、この溶液を90℃にしたものに上記コーティング膜を30分浸漬し、IRで評価したところ、ほぼSiO2 化したことがわかった。
【0054】
参考例1〔ペルヒドロポリシラザンの合成〕
内容積1Lの四つ口フラスコにガス吹き込み管、メカニカルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着した。反応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口フラスコに脱気した乾燥ピリジンを490ml入れ、これを氷冷した。次にジクロロシラン51.9gを加えると白色固体状のアダクト(SiH2 Cl2 ・2C5 5 N)が生成した。反応混合物を氷冷し、撹拌しながら水酸化ナトリウム管及び活性炭管を通して生成したアンモニア51.0gを吹き込んだ後、100℃で加熱した。
【0055】
反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥ピリジンを用いて洗浄した後、更に乾燥窒素雰囲気下で濾過して濾液850mlを得た。濾液5mlから溶媒を減圧除去すると樹脂状固体ペルヒドロポリシラザン0.102gが得られた。
得られたポリマーの数平均分子量は、凝固点降下法で(溶媒:乾燥ベンゼン)により測定したところ、1120であった。IR(赤外吸収)スペクトル(溶媒:乾燥o−キシレン;ペルヒドロポリシラザンの濃度:10.2g/l)は、波数(cm-1)3350、および1175のN−Hに基づく吸収:2170のSi−Hに基づく吸収:1020〜820のSi−N−Siに基づく吸収を示した。IRスペクトルを図4に示す。
【0056】
参考例2〔ポリメチル(ヒドロ)シラザンの合成〕
内容積500mlの四つ口フラスコにガス吹き込み管、メカニカルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着した。反応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口フラスコにメチルジクロロシラン(CH3 SiHCl2 ,24.3g,0.221mol )と乾燥ジクロロメタン300mlを入れた。反応混合物を氷冷し、撹拌しながら乾燥アンモニア20.5g(1.20mol )を窒素ガスと共に吹き込んでアンモニア分解を行った。
【0057】
反応終了後、反応混合物を遠心分離した後、濾過した。濾液から溶媒を減圧除去し、ポリメチル(ヒドロ)シラザンを無色の液体として8.79g得た。生成物の数平均分子量を凝固点降下法で(溶媒:乾燥ベンゼン)により測定したところ、310であった。
内容積100mlの四つ口フラスコにガス導入管、温度計、コンデンサーおよび滴下ロートを装着し、反応系内をアルゴンガスで置換した。四つ口フラスコにテトラヒドロフラン12mlおよび水酸化カリウム0.189g(4.71mol )を入れ、磁気撹拌を開始した。滴下ロートに上述のポリメチル(ヒドロ)シラザン5.00gおよび乾燥テトラヒドロフラン50mlを入れ、これを水酸化カリウムに滴下した。室温で1時間反応させた後、滴下ロートにヨウ化メタン1.60g(11.3mmol)、および乾燥テトラヒドロフラン1mlを入れ、これを反応溶液に滴下した。室温で3時間反応させた後、反応混合物の溶媒を減圧除去し、乾燥n−ヘキサン40mlを加えて遠心分離し、濾過した。濾液の溶媒を減圧除去すると、ポリメチル(ヒドロ)シラザンが白色粉末として4.85g得られた。生成物の数平均分子量は1060であった。IR(赤外吸収)スペクトル(溶媒:乾燥o−キシレン;ポリメチル(ヒドロ)シラザンの濃度:43.2g/l)は、波数(cm-1)3380、および1160のN−Hに基づく吸収:2120のSi−Hに基づく吸収:1255のSi−CH3 に基づく吸収を示した。IRスペクトルを図5に示す。
【0058】
比較例1
参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをキシレンに溶解し(20wt%)、これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し(1000rpm 、20秒)、室温で乾燥させた(30分)。この時のIRスペクトルは図4のペルヒドロポリシラザンのIRスペクトルと同等であった。続いて、このペルヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板を90℃に加熱した純水に浸漬し3h保持した。
【0059】
この結果ペルヒドロポリシラザンの皮膜は脱落した。
実施例5
参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをキシレンに溶解し(20wt%)、これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し(1000rpm 、20秒)、室温で乾燥させた(30分)。この時のIRスペクトルは図4のペルヒドロポリシラザンのIRスペクトルと同等であった。続いて、塩化パラジウム(小宗化学薬品社製)0.050gを1750gの純水にスターラーで撹拌しながら溶解させてホットプレートを用いて90℃に加熱した。ペルヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板をこの塩化パラジウム水溶液に浸漬し3h保持した。
【0060】
この時、シリコン板上のポリマーは硬化し、同時に表面に黒色の金属パラジウムが析出した。浸漬後のIRスペクトルを測定した結果を図6に示す。波数(cm-1)3700〜3300のO−Hに基づく吸収:1160,450のSi−Oに基づく吸収が確認された。
実施例6
参考例2で合成したポリメチル(ヒドロ)シラザンをキシレンに溶解し(20wt%)、これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し(1000rpm 、20秒)、室温で乾燥させた(30分)。この時のIRスペクトルは図2のポリメチル(ヒドロ)シラザンのIRスペクトルと同等であった。続いて、塩化パラジウム(小宗化学薬品社製)0.050gを1750gの純水にスターラーで撹拌しながら溶解させてホットプレートを用いて90℃に加熱した。ペルヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板をこの塩化パラジウム水溶液に浸漬し3h保持した。
【0061】
この時、シリコン板上のポリマーは硬化し、同時に表面に黒色の金属パラジウムが析出した。浸漬後のIRスペクトルを測定した結果を図7に示す。波数(cm-1)3700〜3300のO−Hに基づく吸収:1160,450のSi−Oに基づく吸収:1255のSi−CH3 に基づく吸収が確認された。
実施例7
参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをキシレンに溶解し(20wt%)、これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し(1000rpm 、20秒)、室温で乾燥させた(30分)。この時のIRスペクトルは図4のペルヒドロポリシラザンのIRスペクトルと同等であった。続いて、酢酸パラジウム(小宗化学薬品社製)0.063gを1750gの純水にスターラーで撹拌しながら溶解させてホットプレートを用いて90℃に加熱した。ペルヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板をこの酢酸パラジウム水溶液に浸漬し3h保持した。
【0062】
この時、シリコン板上のポリマーは硬化し、同時に表面に黒色の金属パラジウムが析出した。浸漬後のIRスペクトルを測定した結果を図8に示す。波数(cm-1)3700〜3300のO−Hに基づく吸収:1160,450のSi−Oに基づく吸収が確認された。
実施例8
参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをキシレンに溶解し(20wt%)、これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し(1000rpm 、20秒)、室温で乾燥させた(30分)。この時のIRスペクトルは図4のペルヒドロポリシラザンのIRスペクトルと同等であった。続いて、金属パラジウム(小宗化学薬品社製)0.035gと1N塩酸10mlを1750gの純水にスターラーで撹拌しながら添加してホットプレートを用いて90℃に加熱した。ペルヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板を上記の水溶液に浸漬し3h保持した。
【0063】
この時、シリコン板上のポリマーは硬化し、同時に表面に黒色の金属パラジウムが析出した。浸漬後のIRスペクトルを測定した。波数(cm-1)3700〜3300のO−Hに基づく吸収:1160,450のSi−Oに基づく吸収が確認された。
実施例9
参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをキシレンに溶解し(20wt%)、これを直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し(1000rpm 、20秒)、室温で乾燥させた(30分)。この時のIRスペクトルは図4のペルヒドロポリシラザンのIRスペクトルと同等であった。続いて、塩化パラジウム(小宗化学薬品社製)0.050gを1750gの純水にスターラーで撹拌しながら溶解させた。ペルヒドロポリシラザンを塗布したシリコン板を90℃に加熱したホットプレートに乗せ、上記の塩化パラジウム水溶液を噴霧器を用いてシリコン板上に噴霧した。この操作を3h連続して行ったところ、シリコン板上のポリマーは硬化し、同時に表面に黒色の金属パラジウムが析出した。
【0064】
浸漬後のIRスペクトルを測定した。波数(cm-1)3700〜3300のO−Hに基づく吸収:1160,450のSi−Oに基づく吸収が確認された。
実施例10
参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンを直径0.10mmの円形のノズルから押し出しながら巻き取り機で巻き取ることにより直径0.015mmの繊維状のペルヒドロポリシラザンを得た。塩化パラジウム(小宗化学薬品社製)0.050gを1750gの純水にスターラーで撹拌しながら溶解させてホットプレートを用いて90℃に加熱した。繊維状のペルヒドロポリシラザンをこの塩化パラジウム水溶液に浸漬し3h保持した。
【0065】
この時、ポリシラザンは硬化し、同時に表面に黒色の金属パラジウムが析出した。浸漬後のIRスペクトルを測定したところ、波数(cm-1)3700〜3300のO−Hに基づく吸収:1160,450のSi−Oに基づく吸収が確認された。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、150℃以下、さらには100℃以下の低温で緻密なセラミックス、特にセラミックコーティング膜を形成する方法が提供される。従って、熱処理設備は安価なものにすることができる。さらに、熱処理温度のゆえに従来適用できなかった基材(プラスチック、電子部品など)へのセラミックコーティングも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のポリシラザンコーティング膜の硬化前のIRチャートである。
【図2】実施例1のポリシラザンコーティング膜の予備硬化後のIRチャートである。
【図3】実施例1のポリシラザンコーティング膜の水蒸気加熱後のIRチャートである。
【図4】参考例1のペルヒドロポリシラザンのIRチャートである。
【図5】参考例2のペルヒドロポリシラザンのIRチャートである。
【図6】実施例4のポリシラザンの処理後のIRチャートである。
【図7】実施例5のポリシラザンの処理後のIRチャートである。
【図8】実施例6のポリシラザンの処理後のIRチャートである。

Claims (3)

  1. 主として、一般式(I):
    Figure 0003666915
    (但し、R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの基以外でケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基を表わす。ただし、R1 ,R2 ,R3 の少なくとも1つは水素原子である。)
    で表わされる単位からなる主骨格を有する数平均分子量が100〜5万のポリシラザンまたはこれらのポリシラザンを変成したものを室温乾燥または熱処理した後、1〜3気圧の加圧飽和水蒸気雰囲気中で処理、または1〜10重量%の触媒を含有した蒸留水中に浸す、またはこれらの両方を行うことを特徴とする、セラミックスの形成方法。
  2. 前記熱処理を150℃以下の温度で行なう請求項1記載の方法。
  3. 主として、一般式(I):
    Figure 0003666915
    (但し、R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの基以外でケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基を表わす。ただし、R1 ,R2 ,R3 の少なくとも1つは水素原子である。)
    で表わされる単位からなる主骨格を有する数平均分子量が100〜5万のポリシラザンをPd2+イオンと水に接触させることを特徴とするセラミックスの形成方法。
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