JP2001089126A - 厚膜二酸化ケイ素の被覆方法 - Google Patents

厚膜二酸化ケイ素の被覆方法

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JP2001089126A JP26640699A JP26640699A JP2001089126A JP 2001089126 A JP2001089126 A JP 2001089126A JP 26640699 A JP26640699 A JP 26640699A JP 26640699 A JP26640699 A JP 26640699A JP 2001089126 A JP2001089126 A JP 2001089126A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基体面へのポリシラザンによるSiO膜の塗
膜に関し、より厚膜にしてもクラックが入らず、より硬
質で強靱なSiO膜を被覆する手段を提供すること。 【解決手段】基体にポリシラザン溶液を塗布し、化学的
処理して二酸化ケイ素膜を被覆する方法において、次の
(A)〜(D)の各工程が順次行なわれることを特徴と
する厚膜二酸化ケイ素の被覆方法。(A)基体にポリシ
ラザン溶液を塗布し、蒸発乾燥する工程、(B)空気中
で加熱処理する工程、(C)加熱水蒸気で処理する工
程、(D)水蒸気を含むガス状のアミン系化合物で処理
する工程。該ポリシラザン溶液が、金属系触媒を含有し
ないペルヒドロポリシラザンの溶液にとって、より有効
である。例えば二酸化ケイ素の膜厚が1.2μmでもク
ラックが入るようなことはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、、特に厚膜(例え
ば膜厚0.2μm以上)でも耐クラック性に優れ、且つ
強靱な二酸化ケイ素膜を基体面に被覆する方法に関す
る。これにより得られた該被覆基体は、広範囲に用途展
開(太陽電池用基板、液晶用基板、各種光導波路用基板
等)が計れる。
【0002】
【従来の技術】フイルム等の基体面に酸化ケイ素膜を被
覆して耐摩耗性、耐食(薬品)性、各種気体に対するバ
リヤ−性、耐熱性、光学性等を付与することについては
良く知られたことである。その被覆方法については、例
えばPVD法、CVD法、ゾル−ゲル法又はポリシラザ
ン法がある。これらの方法は、基体の種類、目的等によ
っていずれかの方法が採られるが、中でも高純度の二酸
化ケイ素膜(Si0)が、簡単なコ−テング技術によ
って被覆できる点から見るとポリシラザン法が有効であ
る。
【0003】ポリシラザン法は、一般に−(SiR2N
H)−(R2はH2又はHの1つ又は2つがメチル、エ
チル等のアルキル基等の有機基)で示されるように、S
iNを基本ユニットとしてなる無機又は有機のシラザン
ポリマ(以下PSと呼ぶ)の有機溶媒溶液を、基体に塗
布して後、化学的手段によりSi0膜を被覆する方法
である。この化学的手段の具体的方法については、例え
ば特開平7−223867号公報、特開平9−3133
3号公報、特開平9−157544号公報等で公開され
ている。
【0004】まず特開平7−223867号公報では、
PSを室温乾燥又は熱処理した後、水蒸気雰囲気にさら
す又は/及び触媒含有蒸留水に浸漬することにより、1
50℃以下という低温でプラスチックフイルムにSiO
系セラミックスを被覆する方法が開示されている。特
開平9−31333号公報では、アミン類又は/及び酸
類の添加されてなるPSを水蒸気と接触させる方法、及
びPSをアミン類又は/及び酸類を含む水溶液中に浸漬
するか、又は該水溶液から発する蒸気と接触させる方法
とが開示されている。特開平9−157544号公報で
は、アミン類又は/アミン類と有機酸類の添加された
PS溶液を塗布後、水蒸気雰囲気中で硬化焼成するか、
PS溶液を塗布後、アミン類の蒸気と水蒸気に接触さ
せるか、PS溶液を塗布後、無機酸水溶液の蒸気に接
触させて硬化焼成するか、PS溶液を塗布後、アミン
類水溶液に浸漬して硬化焼成するか、PS溶液を塗布
後、無機酸水溶液に浸漬して硬化焼成するかの5つの方
法が開示されている。又これら各号公報では、反応の促
進(より低温度で迅速変化の触媒)のために、PS原液
にNi、Pt、Pd等のいずれかを含むアセチルアセト
錯体とか、Ni、Ti、Co、Pd等の脂肪酸塩等の金
属系の触媒を添加することが好ましい旨も記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記各号公報記載の方
法は、より低温で、且つ迅速に硬化焼成してSiO
を形成する方法として有効である。ところが本発明者ら
が行った検討の中で、次のような問題のあることも判っ
た。それは形成しようとするSiOの膜厚についての
事であるが、いずれの方法を採ってみても、より厚くし
ようとすればする程、クラックが入り易い傾向があるこ
と。又この傾向は、前記各号報で好ましく開示されてい
る金属系触媒の添加系で、より強くなるということであ
る。より厚くしてもクラックが入らず、しかもこれが金
属系触媒を添加しないPS溶液からでも可能になれば、
形成されるその厚膜SiOの純度は、より一層高く且
つより硬質で強靱なものとして得られるようになる。こ
れは従来にない、又は使用できなかった用途分野、例え
ば、太陽電池用(プラスチック)基板、液晶用(プラス
チック)基板、フレキシブル(プラスチック)光導波路
用基板(光コネクタ−、光集積回路、センサ−等)等へ
の使用が計れるようになり、より一層有効なものとして
利用できるようになる。
【0006】本発明は、前記のより厚い膜厚でもクラッ
クの入らない、より純度、硬度の高い強靱なSiO
が基体面に容易に形成されることを課題として、これを
解決するために見出されたものである。それは次のよう
な手段によって容易に達成することができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、請求項1
に記載するものであり、それは基体にポリシラザン溶液
を塗布し、化学的処理して二酸化ケイ素膜を被覆する方
法において、次の(A)〜(D)の各工程が順次行なわ
れることを特徴とした厚膜二酸化ケイ素の被覆方法であ
る。 (A)基体にポリシラザン溶液を塗布し、蒸発乾燥する
工程、(B)空気中で加熱処理する工程、(C)加熱水
蒸気で処理する工程、(D)水蒸気を含むガス状のアミ
ン系化合物で処理する工程。
【0008】そして前記ポリシラザン溶液が、特に金属
系触媒を含まないペルヒドロポリシラザン溶液である場
合により効果的であり(請求項2)、又前記二酸化ケイ
素の厚膜を0.2μm以上の、より厚い膜厚の形成にと
って、より効果的な被覆方法(請求項3)でもある。本
発明を以下の実施形態でより詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】まずポリシラザンは、基本的には
前記略称PSで示す構造を有し、その分子量は前記各号
公報にも記載されているように、数平均分子量で100
以上50000程度の無機又は有機のポリマである。こ
こでまず有機よりも無機、つまり前記一般式で示す−
(SiR2NH)−のR2がH2であるペルヒドロポリ
シラザン(以下H−PSと呼ぶ)にとって好ましく、更
には前記金属系触媒無添加反応系でより好ましく達成さ
れる。これは有機、つまりR2がメチル、エチル基等の
有機基であるペルオルガノポリシラザンでは、前記従来
法でも比較的厚い膜厚(例えば0.5μm)でもクラッ
クが入り難い。これに対して、該H−PSでは、前記従
来法では0.15μm程度からでもクラックが入り始め
る。これが本法を採用すれば、例えばこれが10倍の膜
厚になってもクラックが入らない、より高品質のSiO
膜が強固な密着でもって被覆されるからである。尚、
ここで言うPSは、前記の通り基本的には直鎖状に連結
されているポリマであるが、これが部分的に環状をもっ
て連結された前駆的ポリマ状態であってもよい。
【0010】前記PSは、まずその溶液、つまり該PS
の溶媒であるベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族
炭化水素とか、ジクロルメタン等のハロゲン化炭化水
素、テトラヒドロフラン等のエ−テル化合物に、該PS
を5〜25重量%程度溶解した溶液となす。そして該P
S溶液を使って前記(A)〜(D)に記載する工程を順
次忠実に実行する。その工程を順次説明する。
【0011】まず第一工程(A)は、まず基体に塗布
し、該溶媒を蒸発乾燥する。ここで該基体は、厚さ0.
05〜2mm程度の不透明ないし透明のプラスチック成
形体(シ−ト状から管状)、ガラス成形体、必要あれば
金属製とか木製の成形体等でもよく、その材質とか、形
状、大きさには拘らず対象になる。但し特に(B)の空
気中での加熱処理工程の際に、基体自身が熱変形するよ
うな材質であってはならないので、この点を注意して適
宜選択することになる。塗布の手段にも制限はなく、各
々の該基体に合う最適な方法(スピン、ロ−ル、スプレ
−、浸漬、印刷等による方法)が採られる。塗布は基本
的には、所定厚さになるように1回の塗布で終了するよ
うにするのが良いが、なお所定厚さにならない場合には
本工程を繰り返してもよい。又塗布後の蒸発乾燥は、含
まれる該溶媒の蒸発除去であり、従って使用する溶媒の
種類、使用量等によって単に空気中に放置する場合もあ
れば、加熱する場合もある。しかし特に加熱する場合に
は、PS自身、若干の変化は許容されるにしても、この
段階でSiOに変化するような温度であってはならな
い。これはこの段階でSiOに変化すると、クラック
の発生に繋がり易いからである。これはせいぜい120
°Cを上限として熱風で乾燥することで防ぐ事ができ
る。尚、塗布するに先だってより接着性を上げるため
に、塗布する基体面を予め電気的、物理化学的、化学的
手法等によって前処理をしておいてもよい。
【0012】前記(A)工程が終了すると、次に(B)
の空気中での加熱処理工程に移る。まずここでの加熱処
理は、前記塗布・乾燥してコ−テングされたPSを、S
iO膜に変えるための操作であるが、しかしこの段階
で該PSの全てがSiO膜に変化してはならない。こ
れは更に行う(C)から(D)の工程を経ても、本発明
が課題とする、より厚膜でクラックの入らない強靱なS
iO膜と言うレベルで被覆されないからである。この
理由は定かでないが、(B)の段階で全てがSiO
になった場合のSiO膜は、十分な高分子量をもって
多次元化されたものにはなっていなく、従って脆い状態
のSiO膜が形成されてしまうためではないかと考え
られる。従ってここでの加熱温度は、完全にSiO
に変化しない温度と言うことになるが、具体的には約1
40〜200°C程度が例示できる。これを変化率で例
示すると約80〜90%程度と言える。又加熱雰囲気
は、空気中つまり酸素存在下ということにもなるが、こ
れはPSのSi−N結合がSi−Oに変化するのにより
有効に作用するからである。尚、加熱時間は3〜15分
間程度でよい。
【0013】次に前記(B)工程が終了すると、次の
(C)の加熱水蒸気で処理する工程に移る。ここでの処
理は、前記(B)工程で得られた未変化PS部分を約6
0〜100°C程度に加熱された水から発せられる蒸気
(RHで60〜95%程度)に曝して、更にSiO
への変化を促進しつつ、より高分子量でもって多次元化
されたSiO膜へと変化させるためのものである。従
って前記(B)工程で未変化のPS部分の大部分はSi
膜へ繋がって変化するが、なおも若干は(例えば1
〜3%程度)残存している。つまり逆に若干残してこの
工程を終わることが必要である。これもこの段階で全て
のPSを完全にSiO膜に変化させてしまうと、最終
的に形成されるより一層厚膜のSiO膜を、クラック
なしに得ることが困難になるからである。尚、ここでの
処理時間は3〜20分間程度でよい。
【0014】次に前記(C)工程が終了すると、最後の
(D)の水蒸気を含むガス状のアミン系化合物での処理
工程に移る。ここでの処理は、前記(C)工程のよう
に、単なる水蒸気に曝すのではなくて、水にアミン系化
合物が溶解して含まれ、且つその水溶液が気化状態にあ
って、それに前記(C)工程処理済み体を接触し処理す
るものである。従って、単にアミン系化合物が溶解した
水溶液と接触させるだけでは、本発明にいう効果は得ら
れない。この気体雰囲気下での処理によって、前記
(C)工程で、なおも残るPSをより強靱なSiO
へと、より迅速に変化させることができる。この工程を
終え、目的とするクラックのない、より高純度、高硬質
の強靱な厚膜SiOが基体に被覆され、各々の用途に
合う製品として得ることができる。ここで気化水の中の
アミン系化合物は、微量に残るPSでもより低温度で、
迅速に、且つ完全にSiO膜へと変化させる作用をす
るが、例えばこれを有機酸又は無機酸に変えてもSiO
膜への変化は同様に促進する。しかし理由はよく判ら
ないが、基体との密着力の点で弱く、これがクラックの
発生のし易さに繋がって行くと言う点で望ましくなく、
使用できない。但しこれの微量を、該アミン系化合物に
混合することは場合によっては許されることである。
【0015】前記アミン系化合物は、水溶性でアルカリ
性を示す一般に知られる有機アミンを言う。具体的に
は、例えばC1〜5のアルキル基が1〜3個置換された
第1〜第3級の直鎖状脂肪族アミン、フエニル基が1〜
3個置換された第1〜第3級の芳香族アミン、ピリジン
又はこれにメチル、エチル基等のアルキル基が核置換さ
れた環状脂肪族アミン等を挙げることができる。これら
は塩基性度、沸点等がかなりの範囲で異なっているので
使い易さとか、前記効果の点で多少の差があるのは避け
られない。より使い易く、より効果的なものを選ぶこと
が望まれるが、それは沸点は常温以上、好ましくは50
〜120°C程度で、塩基性度は高いよりも低い脂肪族
アミンの中により好ましいものがある。これは例えばジ
エチルアミン、トリエチルアミン、モノブチルアミン、
モノプロピルアミン、ジプロピルアミン等である。
【0016】前記アミン系化合物の添加量は、無変化の
PSの場合に、該PSの重量に対して好ましく添加され
る100ppm〜100%を基準にして、前記(C)工
程の終了時点で残存するPSに比例して、少なくともそ
れに足りる量ということである。従って、必要以上に過
剰でもよいが、それが水蒸気に溶解しない状態になるよ
うな過剰量であっては好ましくない。尚、塩基性度の高
い該化合物を使用する場合には、低い該化合物よりも少
ない添加量でよい。
【0017】アミン系化合物を含む水溶液の気化手段
は、例えば予め水に所定量の該アミン化合物を添加した
水溶液を気化するに十分な温度に加熱してガス状(蒸気
状)雰囲気をつくる方法。又前記方法において、より低
い温度で気化を促進するために、該水溶液中に常温又は
加熱した空気、Nガス等を吹き込みバブリングして同
様雰囲気をつくる方法。更には水(加熱又は常温)と該
アミン化合物(加熱又は常温)の各々に空気、Nガス
等(加熱又は常温)を吹き込み気化させて、これを1つ
に合流して同様雰囲気をつくる方法等がある。前記手段
による接触時間は、ほぼ10秒〜5分程度といったとこ
ろである。しかし、これよりも長くなったからといっ
て、前記効果に悪影響があると言うものではない。
【0018】尚本発明は、前記(A)〜(D)の工程を
順次行って終了するが、(D)の終了後に更に完結を期
すために、又は熟成(アニ−リング)等の意味から常温
の空気中に放置するか、前記(C)で行ったような温度
条件で加熱処理してもよい。
【0019】本発明はPS溶液、好ましくは前記金属系
触媒無添加反応系でのH−PS溶液から、より厚膜(例
えば0.2μm以上)でクラックが入らず、しかもより
高純度で高硬質、強靱なSiO膜を形成させる特有の
方法である。従って前記従来のいずれ方法によっても、
又本法の(A)〜(D)の処理順序を変えても、この効
果は発現しない。各工程で行う処理条件と処理順序と
が、不可避的に結合されて相乗的効果でもって達成され
たものと言える。このことは以下の比較例と共に詳述す
る実施例によって一層明白にされる。
【0020】
【実施例】
【0021】(実施例1)PS溶液として、H−PS
(平均分子量700)の20重量%のキシレン溶液を
(以下HPS原液と呼ぶ)を用いて、次の各工程条件で
順次処理した。 (A)工程 厚さ75μm、300×300mmのポリエチレンナフ
タレ−トフイルム(PENフイルム)を基体として、こ
の上に、該HPS原液を更にキシレンを添加して18重
量%に希釈した溶液を調製した。そしてこれの10gを
採取して、スピンコ−テング法によってスピンコ−テン
グ(1800rpm/10秒)した後、100°Cの熱
風で該キシレンを蒸発乾燥してまずH−PS膜を設けた
(A処理フイルム)。 (B)工程 次に前記A処理フイルムを、160℃に制御された空気
を含む加熱室に10分間放置した(B処理フイルム)。 (C)工程 次に前記B処理フイルムを、95℃−RH75%に制御
された水蒸気中に7分間放置した(C処理フイルム)。 (D)工程 最後に、予め1対1(重量比)で溶解して調製したトリ
エチルアミン水溶液を上部開口の容器中に入れて、これ
を50°Cに加熱し上部に蒸発雰囲気をつくり、そして
この雰囲気下に前記C処理フイルムを、5分間曝して全
工程を終了した(D処理フイルム)。
【0022】前記得られた乾燥D処理フイルムについ
て、まず被覆面を拡大顕微鏡で観察した。クラック等の
表面傷は全く見られなかった。そして膜厚は1.2μm
であり、そして湾曲状態で180°に10回折曲げてテ
ストした。剥離等の現象は全く見られなかった。更にI
Rスペクトル分析によりH−PSからSiOへの変化
を確認した(Si−Nの吸収は実質的に見られず、全ん
どSi−0に基づく吸収であった)。
【0023】(実施例2)PS溶液として、H−PS
(平均分子量700)の20重量%ジブチルエ−テル溶
液を(以下HPS−D原液と呼ぶ)を用いて、次の各工
程条件で順次処理した。 (A)工程 ここでは、基体として厚さ0.3mm、300×300
mmの非晶性環状ポリオレフィンシ−ト(JSR株式会
社・商品名ア−トン)の片面を、予めシランカップリン
グ剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシランのジブチ
ルエ−テル溶液を使用)にて化学的前処理を行ってプラ
イマ層を設けたものを使用した(PC基板)。そして該
PC基板の上に、該HPS−D原液を、更にジブチルエ
−テルを添加して10重量%に希釈した溶液の10gを
採取して、スピンコ−テング法によってスピンコ−テン
グ(1800rpm/10秒)した後、120°Cの熱
風で該ジブチルエ−テルを蒸発乾燥して、相当するH−
PS膜を設けた(A処理板)。 (B)工程 次に前記A処理板を、160℃に制御された空気を含む
加熱室に、15分間放置した(B処理板)。 (C)工程 次に前記B処理板を、95℃−RH75%に制御された
水蒸気中に7分間放置した(C処理板)。 (D)工程 最後に、水とジプロピルアミンとを各々別個に加熱(水
60°C、ジプロピルアミン85°C)しておいた中に、
常温のN2ガスを吹き込み、両者から発生する各蒸気を
合流して混合気体となし、これを前記C処理板に10分
間曝して全工程を終了した(D処理板)。尚D処理板に
は、若干の水滴が付着していたので、120°Cの熱風
をあてて乾燥除去して製品とした。
【0024】前記得られた乾燥D処理フイルムについ
て、まず被覆面を拡大顕微鏡で観察した。クラック等の
表面傷は全く見られなかった。そして膜厚は0.9μm
であり、極めて強固に密着してもいた。更にIRスペク
トル分析によりH−PSからSiOへの変化を確認し
た(実施例1と同様に、全んどがSi−0に基づく吸収
であった)。
【0025】(比較例1)(実施例1との対比例) まず実施例1のHPS原液を用いて、これに更にキシレ
ンを添加して、10重量%に希釈した溶液を調製した。
これを65g採取して、厚さ75μm、600×900
mmのPENフイルムに、スピンコ−テング法によって
コ−テング(1800rpm/15秒)した後、100
°Cの熱風で該キシレンを蒸発乾燥してH−PS膜を設
けた。これを300×300mmに6枚にカットした。
【0026】そして前記6枚の中の3枚を用いて、各々
に付き実施例1の各工程での処理条件とは同一である
が、処理順序を次の3つに変えてSiO膜を形成し
た。 、(D)⇒(C)⇒(B) 、(C)⇒(B)⇒(D) 、(B)⇒(D)⇒(C)
【0027】前記結果は次の通りであった。まずIRス
ペクトル分析にて、H−PSからSiOへの変化を確
認したところ実施例1と実質的に差はなくSiOに変
化していた。しかしながら拡大顕微鏡で各表面を観察す
ると、各工程で若干の差はあるものの微細ではあるが、
ほぼ全面に一様にクラックが見られた。又形成されたS
iO膜の厚さは、各工程で0.6〜0.7μmの中に
あった。SiO膜の厚さが実施例1の約半分と薄くて
も、本発明の各工程条件で、且つ(B)⇒(C)⇒
(D)の順序で処理しない限り、本発明の目的は達成さ
れないことが顕著に現れていることが判る。
【0028】(比較例2)(実施例1との対比例) 比較例2で得た残る2枚中1枚を用いて、実施例1にお
け工程中(B)⇒(D)の2工程を順次行った。但しH
−PSからSiOへの変化をより完全に行うことを意
図として、(B)工程における加熱時間は60分間、
(D)工程における放置時間は30分間とした。
【0029】まずIRスペクトル分析にて、H−PSか
らSiOへの変化を確認したところ実施例1と実質的
に差はなくSiOに変化していた。しかしながら拡大
顕微鏡で表面を観察すると、比較例2よりも大きなクラ
ックが見られた。尚形成されたSiO膜の厚さは、
0.7μmであった。
【0030】(比較例3)まず実施例1と同じH−PS
原液を同様にキシレンで希釈した15重量%の溶液10
0gに、トリエチルアミン0.5gを添加して、該アミ
ンを含むH−PSコ−テング液を調製した。そして、こ
れの10gを採取して、実施例1と同じPENフイルム
に同様にスピンコ−テングした後、100°Cの熱風に
て該キシレンを乾燥除去した。そしてこれを95℃−R
H85%に制御された水蒸気中に60分間放置し、最後
に160℃に制御された空気を含む加熱室に60分間放
置した。
【0031】前記得られた被覆フイルムに付き、まずI
Rスペクトル分析にて、H−PSからSiOへの変化
を確認したところ、実施例1と実質的に差はなくSiO
に変化していた。しかしながら拡大顕微鏡で表面を観
察すると、比較例2よりも小さく少ないがクラックの発
生が観察された。又実施例1と同様に180°に湾曲屈
折すると、クラックの発生部分で部分的にSiO膜の
剥離がみられた。尚形成されたSiO膜の厚さは、
0.8μmであった。
【0032】
【発明の効果】本発明は前記の通り構成されているの
で、次のような効果を奏する。
【0033】基体面へのポリシラザンによるSiO
の塗膜に関し、より厚膜にしてもクラックが入らず、よ
り硬質で強靱なSiO膜が被覆できるようになった。
【0034】例えば1μm以上といった厚い高質のSi
膜が、種々の基体に被覆できるようになったこと
で、例えば太陽電池用基板、各種光導波路用基板、液晶
用基板等への利用がより容易になり、より一層の用途拡
大が計れるようになった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体にポリシラザン溶液を塗布し、化学的
    処理して二酸化ケイ素膜を被覆する方法において、次の
    (A)〜(D)の各工程が順次行なわれることを特徴と
    する厚膜二酸化ケイ素の被覆方法。 (A)基体にポリシラザン溶液を塗布し、蒸発乾燥する
    工程、(B)空気中で加熱処理する工程、(C)加熱水
    蒸気で処理する工程、(D)水蒸気を含むガス状のアミ
    ン系化合物で処理する工程。
  2. 【請求項2】前記ポリシラザン溶液が、金属系触媒を含
    有しないペルヒドロポリシラザンの溶液である請求項1
    に記載の厚膜二酸化ケイ素の被覆方法。
  3. 【請求項3】前記厚膜二酸化ケイ素の膜厚が0.2μm
    以上である請求項1又は2に記載の厚膜二酸化ケイ素の
    被覆方法。
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