JPH1116602A - 電池用非水電解液 - Google Patents
電池用非水電解液Info
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- JPH1116602A JPH1116602A JP9166762A JP16676297A JPH1116602A JP H1116602 A JPH1116602 A JP H1116602A JP 9166762 A JP9166762 A JP 9166762A JP 16676297 A JP16676297 A JP 16676297A JP H1116602 A JPH1116602 A JP H1116602A
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Abstract
ロゲン酸の発生を防止して、電池の劣化を防ぐ。 【構成】水との反応によりハロゲン酸を生じ得る支持電
解質を含む電池用非水電解液又はこれを用いた非水電解
液電池において、水やハロゲン酸と反応してこれらを無
害化する、Si−N結合を有する有機ケイ素化合物を添
加する。
Description
に関し、更に詳しくは、例えば一定のハロゲン化合物等
を支持電解質とした非水電解液を用いるリチウム二次電
池等において、不可避的に介在し得る少量の水分に起因
してハロゲン酸が発生することへの対策を講じた電池用
非水電解液に関する。
用い、そのことから電解液として支持電解質を含む有機
溶媒を利用する非水電解液電池が、例えば電子部品用小
型電源としての一次電池や、電気自動車のバッテリー用
等に向けられる二次電池あるいはリチウムイオン電池等
としてその有用性を注目されている。
支持電解質には、例えばハロゲン化合物である LiPF6
等が良く用いられているが、非水である筈の電解液中に
若干の水分が不可避的に混入していたり、あるいは他の
電池材料からの吸着により生じた水分が存在していたり
すると、次の「化1」に示すような反応が起こり、フッ
化水素HFのごときハロゲン酸を発生させる。
に電池性能を劣化させると言う問題がある。更に、前記
「化1」の反応は高温域で促進されることが知られてい
る。このため、例えば、−30°C〜60°Cの温度域での
安定的動作が要求される電気自動車のバッテリー用二次
電池においては特に問題が顕著となり、 LiPF6 を支持
電解質とする非水電解液電池は適用が困難であるとされ
ている。
のような提案がされている。例えば特開平4−2843
72号公報に記載された非水電解液二次電池の発明にお
いては、 LiPF6 を支持電解質とする非水電解液に対
し、Al2 O3 ,MgO ,BaO から選ばれる酸化物を添加す
ることにより、これらの酸化物が電解液に生じたフッ化
水素を吸着し、反応系外へ除去する、としている。
された非水電解液電池の発明においては、 LiPF6 を支
持電解質とする非水電解液に対し、酸無水物(例えば、
無水酢酸)を添加することにより、これらの酸無水物が
電解液中の水を予め捕捉して、前記「化1」の反応を抑
制する、としている。
−284372号公報に記載の発明については、本件発
明者の追試によれば、電池として現実的に許容し得る添
加量の酸化物によっては、フッ化水素の除去は極めてゆ
っくりと進行するため、フッ化水素の発生速度に追いつ
かない。従って、フッ化水素による電池の劣化等を有効
に防止するに至らない、と言う問題がある。
に記載の発明については、酸無水物による脱水効果は高
いが、その結果、酸無水物に起因する酸が発生すること
になり、いわば、ハロゲン酸を他の酸に置換するだけの
ことである。そしてハロゲン酸に対して例えば酢酸等は
相対的に弱酸であるとは言え、やはり電解液や電池缶材
料の劣化をもたらすことに変わりはなく、本質的な解決
になっていない。
酸を生じ得る支持電解質を含む電池用の非水電解液、又
はこれを用いた非水電解液電池において、ハロゲン酸に
よる弊害を有効に防止し、しかも上記従来技術のような
二次的な問題も生じさせないことを、その解決すべき技
術的課題とする。
水分を除去する脱水剤を検討していた際に、脱水のみな
らず脱ハロゲン酸の機能をも有し、上記課題の解決に有
効である、オルガノシラザン化合物を中心とする一定の
有機ケイ素化合物群を発見するに至った。
めの本願第1発明(請求項1に記載の発明)の構成は、
水と反応してハロゲン酸を生じ得る支持電解質を含む非
水電解液に、前記水及びハロゲン酸と反応してこれらを
除去する、Si−N結合を有する有機ケイ素化合物を添
加した電池用非水電解液である。
には記載していない)の構成は、少なくとも正/負極の
いずれかの活物質としてリチウム又はその化合物を含
み、かつ、第1発明に係る電池用非水電解液を用いる非
水電解液電池である。
に若干の水分が混入していたり、あるいはこの水分が支
持電解質と反応してハロゲン酸が遊離していたりして
も、これらの水分やハロゲン酸が前記の有機ケイ素化合
物と反応することにより、除去される。なお、かかる作
用・効果は、第2発明においても同様である。
酸との反応は非常に速やかに起こるため、特開平4−2
84372号に記載の発明のような反応速度の不足によ
る不具合がなく、又、本発明においては特開平7−12
2297号公報に記載の発明のように二次的に他の有害
物質を生ずると言う不具合もない。
電解液においては、水と反応してハロゲン酸を生じ得る
支持電解質を用いているにも関わらず、非水電解液に水
が混入しても、電池構成材料の劣化や電池性能の劣化が
阻止される。
の形態について説明する。
応してハロゲン酸を生じ得る支持電解質を含む電池用非
水電解液及びこれを用いた非水電解液電池は、全て本発
明の対象となり得る。現在のところ、非水電解液電池
は、少なくとも正/負極のいずれかの電極活物質として
リチウム又はその化合物を用いる、いわゆる「リチウム
電池」が殆どを占めている。
池の2,3の例として、負極にリチウムを用いると共に
正極には二酸化マンガン,フッ化亜鉛,酸化銅あるいは
塩化チオニル等を用いるリチウム乾電池(一次電池)、
負極にリチウム又はその合金を含むと共に正極には活性
炭,二硫化チタンあるいは二硫化モリブデン等を用いる
リチウム蓄電池(二次電池)、負極にリチウムイオンを
吸蔵・放出できる炭素材料を用いると共に正極にリチウ
ム遷移金属化合物を用いるリチウムイオン電池、等を挙
げることができる。
も、前記本発明の課題が生じ得る限りにおいて、本発明
の対象たる電池用非水電解液、非水電解液電池である。
用非水電解液において、電解液の導電率を高めて電池の
充電と放電を効率的に行うと言う目的で添加された物質
を言う。良く知られた支持電解質に LiPF6 や LiBF4 が
あるが、本発明ではこれらに限定されず、他にも、例え
ば LiAsF6のように、水と僅かに反応してフッ化水素の
ようなハロゲン酸を生じ得る支持電解質一般が含まれ
る。
媒〕支持電解質との特段のミスマッチングがない限りに
おいて、有機溶媒の種類には限定がない。その2,3の
例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカ
ーボネート(PC)、ジエチルカーボネート( DEC)、ジ
メチルカーボネート、ジメトキシエタン、γブチロラク
トン等や、これらの二種以上の混合溶媒を使用できる。
合物〕本発明のSi−N結合を有する有機ケイ素化合物
は、水やハロゲン酸との反応性に富み、そのSi−N結
合が開裂することにより水やハロゲン酸を分解する能力
を持つ。そして、反応後の分解生成物は電池性能に対し
て無害である。又、有機化合物であるから、非水電解液
に対する親和性を有している。なお、上記の、「Si−
N結合を有する有機ケイ素化合物」とは、分子中に単数
又は複数のSi−N結合を有するものを含むのは当然と
して、その他に、分子中に例えばSi−N−Si結合と
言う形でのSi−N結合を有する有機ケイ素化合物をも
包含する概念である。
代表的なものが、オルガノシラザン化合物や、オルガノ
ジシラザン化合物である。これらに限らず、要するに有
機化合物であり、かつSi−N結合を有するものである
限り、その分子構造の如何を問わずに利用可能である。
これらの化合物は単一種類のものを用いても、二種類以
上のものを併用しても良い。
の例を挙げると、分子中に1つのSi−N結合を有する
(N,N−ジエチルアミノ)トリメチルシラン、N.O
−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド等や、分子中
に複数のSi−N結合を有するN,N’−ビス(トリメ
チルシリル)−1,4−ブタンジアミン等がある。例示
として、(N,N−ジエチルアミノ)トリメチルシラン
と水との反応式を「化2」に、(N,N−ジエチルアミ
ノ)トリメチルシランとハロゲン酸HXとの反応式を
「化3」に示す。
合物やオルガノトリシラザン化合物等と呼ばれるオルガ
ノシラザン化合物の例として、1,1,1,3,3,3
−ヘキサメチルジシラザンや、1,1,3,3,5,5
−ヘキサメチルシクロトリシラザンが挙げられる。例示
として、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラ
ザンと水との反応式を「化4」に、1,1,1,3,
3,3−ヘキサメチルジシラザンとハロゲン酸HXとの
反応式を「化5」に示す。
非水電解液に対する添加量については、非水電解液中の
水分量が通常約1ミリモル/リットル以上であると言う
理由から、これに対応して1ミリモル/リットル以上を
添加することが好ましい。本発明の作用・効果の面から
は、添加量の上限の限定はない。しかし、非水電解液の
導電率を下げると言う理由からは、0.5モル/リット
ルを超える添加は好ましくない。
添加する方法には限定がなく、例えば電池組付け前に非
水電解液に添加しても、電池組付け後の封缶前に電池容
器内に直接添加しても良い。非水電解液に添加した有機
ケイ素化合物の分散状態には別段の限定がない。
は、本発明の構成の主要部ではないから、本発明の構成
の主要部と矛盾しない限りにおいて、何ら限定なく公知
のあるいは任意の構成を採用することができる。
池である場合には、正極の活物質としてLiCoO2 ,LiNiO
2 ,LiMn2 O4 等の少なくとも一種と、導電助剤及びバ
インダとを混合溶剤にてペースト状にした合剤を、正極
集電体であるアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後、
ロールプレス機にて圧縮成形すると言う手法を用いるこ
ともできる。
は、本発明の構成の主要部ではないから、本発明の構成
の主要部と矛盾しない限りにおいて、何ら限定なく公知
のあるいは任意の構成を採用することができる。
池である場合には、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放
出できる易黒鉛化炭素,難黒鉛化炭素,黒鉛化材料等の
任意の炭素材料を使用できる。そしてこれらの負極活物
質の少なくとも一種とバインダとを混合溶剤にてペース
ト状にした合剤を、負極集電体である銅箔の両面に塗布
し、乾燥後、ロールプレス機にて圧縮成形すると言う手
法を用いることもできる。
電池である場合における正極、負極のそれぞれの構成
は、そのいずれか一方を、金属リチウムに置き換えるこ
ともできる。
的構成は、本発明の構成の主要部ではないから、本発明
の構成の主要部と矛盾しない限りにおいて、何ら限定な
く公知のあるいは任意の構成を採用することができる。
等にすることができる。円筒型電池にする場合には、正
極と負極とをセパレータを介して対向させ、円筒状に巻
回し、これを電池缶に入れ電解液を注入すると言う一般
的な方法を採用することもできる。
て説明する。
L のLiPF6 /EC+DEC(1:1))50mLに対して、500ppmのイ
オン交換蒸留水と、その1.4倍モルの1,1,3,
3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン(チッソ
製。以下、「HMTS」と言う)を加えて、サンプルび
んに密封した。その試料を室温下に7日間放置した後、
試料電解液中の酸量を 0.1mol/L のNaOH水溶液(和光純
薬工業製)で中和滴定法により定量した。
のイオン交換蒸留水を加えたがHMTSは添加しなかっ
た例についても、同様にして定量を行った。
は加えられた水の2倍モルのフッ酸が検出されたが、H
MTSは添加した例ではフッ酸が検出されなかった。
代えて、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラ
ザン(チッソ製。以下、「HMDS」と言う)をHMT
Sと等モル量添加した点以外は全て実施例1と同じ条件
で行った。
は加えられた水の2倍モルのフッ酸が検出されたが、H
MDSを添加した例ではフッ酸が検出されなかった。
業製)18.5重量部、アセチレンブラック(東海カーボン
製) 1.5重量部、ポリフッ化ビニリデン粉末(クレハ化
学製) 8重量部、N-メチルピロリドン(和光純薬工業
製)72重量部を十分混合することにより、スラリーを得
た。
さ20μm のアルミ箔(正極集電体)上に塗布し、乾燥プ
レスして、両面に LiMn2 O4 を塗布した厚さ 160μm の
正極材料を得た。
部に対して、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN-メ
チルピロリドン 100重量部に溶解した溶液 100重量部を
十分混合することにより、スラリーを得た。このスラリ
ーを、アプリケータを用いて厚さ10μm の銅箔(負極集
電体)上に塗布し、乾燥プレスして、両面に炭素材料を
塗布した厚さ 100μm の負極材料を得た。
に打ち抜いたものを正極に、上記負極材料を直径17mmの
円盤状に打ち抜いたものを負極に、更にポリエチレンセ
パレータ(東燃化学製)を直径19.5mmの円盤状に打ち抜
いたものをセパレータに用いて、正極と負極をセパレー
タを介して対向させたコイン型電池を作成した。
1mol/L のLiPF6 /EC+DEC(1:1)にイオン交換蒸留水500
ppmとその 1.4倍モルのHMTS(チッソ製)を加えて6
0°Cで96時間加熱したものを、注入した。そして封缶
して本例の試作電池とした。
は上記と同一である比較用の試作電池も構成した。
mA/cm2 の定電流で電池電圧が 4.2Vになるまで充電し
更に4.2Vの定電圧で充電を続け(充電時間の合計は
6時間)、続いて 0.5mA/cm2 の定電流で電池電圧が 3.
0Vになるまでの放電を行う、と言う充・放電過程を1
サイクルとして、これを繰り返すことによりサイクル劣
化試験を行った。
Sの添加によって電池のサイクル特性が著しく改善され
たことが分かる。
代えて、HMDS(チッソ製)をHMTSと等モル量添
加した点以外は全て実施例3と同じ条件で電池を試作
し、サイクル劣化試験を行った。
Sの添加によって電池のサイクル特性が著しく改善され
たことが分かる。
代えて、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミ
ド(チッソ製。以下、「BSA」と言う)をHMTSと
等モル量添加した点以外は全て実施例3と同じ条件で電
池を試作し、サイクル劣化試験を行った。
の添加によって電池のサイクル特性が著しく改善された
ことが分かる。
代えて、(N,N−ジエチルアミノ)トリメチルシラン
(チッソ製。以下、「DEATMS」と言う)をHMT
Sと等モル量添加した点以外は全て実施例3と同じ条件
で電池を試作し、サイクル劣化試験を行った。
TMSの添加によって電池のサイクル特性が著しく改善
されたことが分かる。
示す図である。
示す図である。
示す図である。
示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 水と反応してハロゲン酸を生じ得る支持
電解質を含む非水電解液に、前記水及びハロゲン酸と反
応してこれらを除去する、Si−N結合を有する有機ケ
イ素化合物を添加したことを特徴とする電池用非水電解
液。
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