JP4348771B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム含有複合酸化物を活物質とする正極、リチウムイオンの挿入・脱離が可能な黒鉛などの炭素材料からなる負極、セパレータおよび非水電解液を用いたリチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非水電解液を用い、黒鉛などの炭素材料を負極材料とし、リチウム含有複合酸化物を正極活物質とするリチウム二次電池は、水溶液系の二次電池に比べて電圧、エネルギー密度が高く、かつ低温特性が優れている。また、負極にリチウム金属を用いないことからサイクル安定性、安全性にも優れている。さらに、非水電解液を吸収保持するポリマーを活物質層に混合し、前記ポリマーからなるセパレータを用いたリチウムポリマー二次電池も薄型・軽量タイプの電池として開発されつつある。
【0003】
リチウム二次電池の特性改良のため、従来から種々の添加剤が提案されてきた。なかでもクラウンエーテル類(コロナンド,Coronand)は12クラウン4エーテルがリチウムイオンと1:1の錯体を強く形成することが知られてから、リチウムデンドライト抑制のための添加剤などとして古くから提案されている(例えば特公昭58−12992号公報、特開昭61−8849号公報、米国特許第4132837号、米国特許第4520083号など)。またLiAsF6/THF系での安定化剤として18クラウン6エーテルが提案されている(Proc.34th Int.Power Sources Symp.,84,IEEE, Piscataway,NJ)。
【0004】
さらに、インターカレーション反応を利用するLi/TiS2電池系においても12クラウン4エーテルによる添加効果が報告されている(J.Electrochem.Soc.,134(1987),p2107)のを初めとして、例えば、特開平6−13110号公報には黒鉛を用いた負極へのインターカレーション反応を用いる電池系においても共溶媒、添加剤として提案されており、リチウムカチオンに最適なクラウンエーテルとして12クラウン4エーテルが上げられ、その含有量は電解質塩と等モルより大、好ましくは2倍モルと記載されている。また、PC系電解液における黒鉛へのインターカレーション反応を進行させる添加剤として12クラウン4エーテルが提案されている(J.Electrochem.Soc.,140(1993),922,J.Electrochem.Soc.,140(1993),L101、J.Electrochem.Soc.,141(1994),603)。さらにリチウムポリマー電池系においても同様に充放電効率の向上等に主眼を置いた提案がなされている(特開昭61−284071号公報、特開平3−220237号公報、米国特許第4609600号、米国特許第5523179号など)。
【0005】
また近年ビニレンカーボネート並びにその誘導体についても多数の報告がされている。これらの化合物は負極表面で還元分解されて被膜を形成する。この被膜によって充放電効率の向上(例えば特開平8−45545号公報)、サイクル特性の向上(例えば特開平5−74486号公報)が図られている。特開平5−74486号公報、特開平4−169075号公報ではこの被膜によって負極による電解液の分解が抑制され、60℃での長期保存特性の向上も報告されている。しかしこれらの化合物の負極表面被膜は高温状態で非常に不安定で、特に80℃以上の環境下では被膜が分解し、露出した負極表面によって電解液が再び分解され、80℃以上の環境下での保存特性は必ずしも満足できるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
軽量、高エネルギー密度を特徴とするリチウムイオン二次電池、さらに薄型化を特徴としたリチウムポリマー二次電池の用途の広がりに伴ってこれらの二次電池の使用環境もより厳しいものとなっている。携帯機器に搭載された場合には、炎天下での車内放置なども想定され、それらの環境下でもより高い電池性能を発揮できることが求められている。
【0007】
本発明の目的は、リチウム含有複合酸化物を正極活物質とし、リチウムイオンの挿入・脱離が可能な炭素材料を負極に用いたリチウム二次電池において、高温保存による容量低下の抑制、例えば80℃に10日間保存した場合にでも保存前容量の80%以上の容量を維持することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リチウム含有複合酸化物を正極活物質とし、リチウムの挿入・脱離が可能な炭素材料を負極としたリチウム二次電池において、負極表面に被膜を形成し、この被膜の高温での安定化を図ることによって高温保存による電池容量低下を抑制できることを見い出したことに基づく。さらに詳しくは、炭素負極表面にビニレンカーボネートの還元生成被膜を形成し、理由は明確ではないがこの被膜の高温での安定性を12クラウン4エーテル、15クラウン5エーテル、18クラウン6エーテルのうちから選ばれる一種を電解液に含ませることによって向上させたものである。高温保存による電池容量低下は、主に電解液溶媒の負極界面における副反応(還元反応)による自己放電と考えられる。負極表面に、高温でも安定な被膜を形成することにより、電解液溶媒の高温での副反応を抑制するものである。
【0009】
ビニレンカーボネートが負極での還元被膜源として好適なのは、特開平8−45545号公報にあるように比較的高い還元電位をもち他の溶媒よりも選択的に分解されるためと考えられる。同様の理由から特に好ましい主溶媒の組合せは、還元電位が比較的低いエチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイトなどの環状カーボネイトとジメチルカーボネイト、ジエチルカーボネイト、エチルメチルカーボネイトなどの鎖状カーボネイトの併用である。
【0010】
12クラウン4エーテル、15クラウン5エーテル、18クラウン6エーテルのいずれかが電解液中に微量に含まれることによって被膜の高温安定性が向上する理由は明確ではないが、FTIRの測定では負極表面にこれら化合物が偏在しており、これによってLiイオンと被膜の反応(還元反応)が抑制されたためと推測される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本願の請求項1に記載の発明は、リチウム含有複合酸化物を活物質とする正極とリチウムの挿入・脱離が可能な黒鉛などの炭素材料からなる負極と非水電解液を備えたリチウム二次電池において、電解液はその主溶媒が環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒からなり、さらにビニレンカーボネートを前記混合溶媒に対して重量比で0.1〜%、12クラウン4エーテル、15クラウン5エーテル、18クラウン6エーテルのうちから選ばれる一種を前記混合溶媒に対して重量比で0.05〜%それぞれ含むことにより、負極表面に高温でも安定な被膜を形成し、負極界面での電解液溶媒の副反応を抑制して、リチウム二次電池の高温保存特性を改良するものである。
【0012】
本願の請求項2に記載の発明は、リチウム含有複合酸化物からなる活物質と非水電解液を吸収保持するポリマーとを含む活物質混合物層とこの活物質混合物層を支持する集電体からなる正極、リチウムの挿入・脱離が可能な黒鉛などの炭素材料と非水電解液を吸収保持するポリマーとを含む混合物層とこの混合物層を支持する集電体からなる負極、非水電解液を吸収保持するポリマーからなる多孔性のセパレータ、および前記正極、負極およびセパレータに吸収保持された非水電解液を具備したリチウム二次電池において、電解液はその主溶媒が環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒からなり、さらにビニレンカーボネートを前記混合溶媒に対して重量比で0.1〜%、12クラウン4エーテル、15クラウン5エーテル、18クラウン6エーテルのうちから選ばれる一種を前記混合溶媒に対して重量比で0.05〜%それぞれ含むことで、負極表面に高温でも安定な被膜を形成し、電解液溶媒の副反応を抑制して、リチウムポリマー二次電池の高温保存特性を改良するものである。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0014】
(実施の形態)
図1は円筒形リチウム二次電池の断面図を示し、1は電池ケース、2はポリエチレン製絶縁板、3はポリプロピレン製のガスケット、4は安全装置を組み込んだ封口板、5はアルミニウム製の正極リード、6は活物質にリチウムコバルト複合酸化物などを用いた正極板、7はポリエチレン製のセパレータ、8は負極材料に球状黒鉛などを用いた負極板、9は銅製の負極リードである。正極板6は活物質とカーボンブラックなどの導電剤とフッ素樹脂などの結着剤とをCMCの水溶液に混合・分散したペーストを正極集電体であるアルミニウム箔に塗着し、乾燥・圧延したものを所定寸法に切断することにより得られたものである。負極板8は球状黒鉛粉末を結着剤のスチレンブタジエンラバー(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)の水溶液に混合分散したペーストを負極集電体である銅箔に塗着し、乾燥・圧延したものを所定寸法に切断することにより得られたものである。正極板6、セパレータ7および負極板8には本発明の非水電解液が含まれている。
【0015】
また、図2は平型リチウムポリマー二次電池の断面図を示し、11はアルミ箔を含む樹脂ラミネート製の電池ケース、12はリード部の溶着シール、15はアルミニウムシート製の正極リード、16は活物質としてリチウムコバルト複合酸化物などを用いた正極板、17はフッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体からなり、非水電解液を吸収保持してゲル状態になったセパレータ、18はリチウムイオンを挿入・脱離可能な球状黒鉛などを用いた負極板、19は銅シート製の負極リードである。正極板16は、活物質であるリチウムコバルト複合酸化物と導電剤のカーボンブラックと非水電解液を吸収保持し、かつ結着剤としても作用するポリマーとしてフッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリマーの溶媒としてN−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、造孔材としてフタル酸ジブチルを添加して混合分散したペーストを正極集電体であるアルミニウム製ラス材に塗着し、乾燥後所定寸法に切断することにより得られたものである。負極板18は球状黒鉛と、非水電解液を吸収保持し、かつ結着剤としても作用するポリマーとしてフッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体とを混合したものに、溶媒のN−メチルピロリドン、アセトン、フタル酸ジブチルを添加して混合分散したペーストを負極集電体である銅製ラス材に塗着し、乾燥後所定寸法に切断することにより得られたものである。
【0016】
セパレータ17は前記同様フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体と溶媒、フタル酸ジブチルと構造材である酸化珪素微粒子をペースト化し、これを支持シートに塗着・乾燥後剥離して得られたものである。正極板16、セパレータ17と負極板18を熱ローラーで加熱、加圧一体化した後、キシレン中に浸してフタル酸ジブチルを溶出させることにより、多孔質なポリマー電極群が得られた。この電極群を電池ケース11内に入れた後、電解液を注液し、ポリマー部分をゲル状としゲルポリマー電解質を形成した。最後に開口部の樹脂ラミネートを熱溶着し、平型リチウムポリマー二次電池とした。なお、以上の説明では円筒形電池と平型電池を示したが、本発明は電池形状には関係なく効果を発揮するものであり、他の形状である角形電池・コイン形電池などに用いることも可能である。
【0017】
【実施例】
次に、本発明の具体例を説明する。
【0018】
(実施例1)
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)を、負極のリチウムイオンを挿入・脱離可能な材料として球状黒鉛粉末を用い、設計放電容量600mAhの電極群からなる図1に示した円筒形リチウム二次電池を作製した。電解液にはエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比1:3で混合した混合溶媒3gに、電解質である6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.5モル・dm-3、さらにビニレンカーボネート0.003g(重量比で溶媒の0.1%)、18クラウン6エーテル0.0015g(重量比で溶媒の0.05%)加えたものを用いた。これを実施例1の電池とする。
(実施例2)
ビニレンカーボネート0.09g(重量比で溶媒の3%)、18クラウン6エーテル0.0015g(重量比で溶媒の0.05%)加えたこと以外は実施例1と同様に構成した電池を実施例2とした。
【0019】
(実施例3)
ビニレンカーボネート0.15g(重量比で溶媒の5%)、18クラウン6エーテル0.0015g(重量比で溶媒の0.05%)加えたこと以外は実施例1と同様に構成した電池を実施例3とした。
【0020】
(実施例4)
ビニレンカーボネート0.003g(重量比で溶媒の0.1%)、18クラウン6エーテル0.06g(重量比で溶媒の2%)加えたこと以外は実施例1と同様に構成した電池を実施例4とした。
【0021】
(実施例5)
ビニレンカーボネート0.003g(重量比で溶媒の0.1%)、18クラウン6エーテル0.09g(重量比で溶媒の3%)加えたこと以外は実施例1と同様に構成した電池を実施例5とした。
【0022】
(実施例6)
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物を、負極に球状黒鉛、ポリマー製セパレータをそれぞれ用い、設計放電容量600mAhの電極群からなる図2に示した平形リチウムポリマー二次電池を作製した。電解液にはエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比1:3で混合した混合溶媒3gに、電解質である6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.5モル・dm-3、さらにビニレンカーボネート0.036g(重量比で溶媒の1.2%)、18クラウン6エーテル0.0108g(重量比で溶媒の0.36%)加えたものを用いた。これを実施例6の電池とした。
【0023】
(比較例1)
ビニレンカーボネート0.0015g(重量比で溶媒の0.05%)、18クラウン6エーテル0.0015g(重量比で溶媒の0.05%)加えたこと以外は実施例1と同様に構成した電池を比較例1とした。
【0024】
(比較例2)
ビニレンカーボネート0.18g(重量比で溶媒の6%)、18クラウン6エーテル0.0015g(重量比で溶媒の0.05%)加えたこと以外は実施例1と同様に構成した電池を比較例2とした。
【0025】
(比較例3)
ビニレンカーボネート0.003g(重量比で溶媒の0.1%)、18クラウン6エーテル0.0009g(重量比で溶媒の0.03%)加えたこと以外は実施例1と同様に構成した電池を比較例3とした。
【0026】
(比較例4)
ビニレンカーボネート0.003g(重量比で溶媒の0.1%)、18クラウン6エーテル0.12g(重量比で溶媒の4%)加えたこと以外は実施例1と同様に構成した電池を比較例4とした。
【0027】
(比較例5)
正極活物質としてリチウム複合酸化物を、負極材料として球状黒鉛を用い、設計放電容量600mAhの電極群からなる図2に示した平形リチウムポリマー二次電池を作製した。電解液にはエチレンカーボネイト(EC)とエチルメチルカーボネイト(EMC)を体積比1:3で混合した混合溶媒3gに、電解質である6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.5モル・dm-3溶解したものを用いて比較例5とした。
【0028】
実施例1〜6と比較例1〜5の電池を、それぞれ20℃で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0V、5時間率の定電流条件で充放電サイクルを行い、各電池の充放電容量を確認した後、充電状態の各電池を80℃で10日間保存した。保存後の各電池を再び20℃の同一条件で放電し、高温保存による容量劣化を求めた。保存前の放電容量を100とした場合の高温保存後の比容量を表1にまとめて示した。また実施例1〜6と比較例1〜5の電池の0℃での5時間率の定電流放電容量を20℃での放電容量を100とした場合の比容量を表1に示した。
【0029】
【表1】
Figure 0004348771
【0030】
表1より明らかなように本発明の実施例では高温保存後の容量維持率は保存前の80%以上と向上しており、EC、EMCなどの有機溶媒の負極表面での副反応(還元反応)を抑制できることがわかる。
【0031】
しかし、ビニレンカーボネート、18クラウン6エーテルの添加量が少ない比較例1、3では容量劣化が大きくなる結果が得られた。逆にビニレンカーボネート、18クラウン6エーテルの添加量が多い比較例2、4の電池は、本発明の実施例と同等以上の容量維持率を示すが、逆に被膜が厚くなりすぎたためか、低温での放電性能が顕著に低下した。
【0032】
さらに、実施例6と比較例5の対比から明らかなように、正極、負極、セパレータ中に電解液を吸収保持するポリマーを添加した平型リチウムポリマー二次電池においても同様の効果が得られた。
【0033】
クラウンエーテルとして18クラウン6エーテル以外にも種々のクラウンエーテルを用いて同種実験を行ったところ、12クラウン4エーテル、15クラウン5エーテルでは、18クラウン6エーテルとほぼ同等の結果が得られた。分子量が異なるにもかかわらず同じ傾向を発現したのは、負極表面の還元生成被膜の熱安定性が、これらの化合物によってどれだけの表面積が覆われたかによって決まるためではないかと推測される。
【0034】
12クラウン4エーテルは分子量が小さく18クラウン6エーテルと同量の重量比で添加するとモル数としては大きくなるが、分子サイズが小さいため結局は18クラウン6エーテルとくらべて負極表面の被膜上に偏在して覆う表面積は大差ないためと考えられる。
【0035】
発明者らの検討によれば、ビニレンカーボネートと3種類のクラウンエーテルの混合溶媒に対する添加含有量は、電解液量の多い円筒形電池では前者が0.1〜2%、後者は0.05〜1%が好ましく、平型電池でも前者が0.1〜2%、後者が0.05〜1%の範囲が好適であった。
【0036】
【発明の効果】
このように本発明は、リチウム含有複合酸化物を正極活物質とし、リチウムの挿入・脱離反応が可能な黒鉛材料を負極に用いた非水電解液系リチウム二次電池において、負極表面にビニレンカーボネートの還元生成被膜を形成し、この被膜の高温での安定化を特定した適量のクラウンエーテルで図ることによってこれらの電池の高温保存特性を改良することができ、信頼性が高く高エネルギー密度のリチウム二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型リチウム二次電池を示す断面図
【図2】本発明の平型リチウムポリマー二次電池を示す断面図
【符号の説明】
1 電池ケース
2 絶縁板
3 ガスケット
4 封口板
5 正極リード
6 正極板
7 セパレータ
8 負極板
9 負極リード
11 電池ケース
12 リード部の溶着シール
15 正極リード
16 正極板
17 ポリマーセパレータ
18 負極板
19 負極リード

Claims (2)

  1. リチウム含有複合酸化物を活物質とする正極と、リチウムイオンの挿入・脱離が可能な炭素材料からなる負極と、セパレータと、これらに含浸させた非水電解液からなるリチウム二次電池において、電解液はその溶媒が環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒からなり、さらにこの混合溶媒はビニレンカーボネートを重量比で0.1〜%、12クラウン4エーテル、15クラウン5エーテル、18クラウン6エーテルのうちから選ばれた一種を重量比で0.05〜%それぞれ含んでいることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. リチウム含有複合酸化物からなる活物質と非水電解液を吸収保持するポリマーとを含む活物質混合物層とこれを支持する集電体からなる正極、リチウムイオンの挿入・脱離が可能な炭素材料と非水電解液を吸収保持するポリマーとを含む混合物層とこれを支持する集電体からなる負極、非水電解液を吸収保持するポリマーからなる多孔性のセパレータ、前記正極、負極およびセパレータに吸収保持された非水電解液からなるリチウム二次電池において、電解液はその溶媒が環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒からなり、さらにこの混合溶媒はビニレンカーボネートを重量比で0.1〜%、12クラウン4エーテル、15クラウン5エーテル、18クラウン6エーテルのうちから選ばれた一種を重量比で0.05〜%それぞれ含んでいることを特徴とするリチウム二次電池。
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