JPH11162848A - エピタキシャルウェハおよびその製造方法 - Google Patents
エピタキシャルウェハおよびその製造方法Info
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- JPH11162848A JPH11162848A JP32487097A JP32487097A JPH11162848A JP H11162848 A JPH11162848 A JP H11162848A JP 32487097 A JP32487097 A JP 32487097A JP 32487097 A JP32487097 A JP 32487097A JP H11162848 A JPH11162848 A JP H11162848A
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Abstract
結晶性の良いIII −V族化合物半導体層を備えたエピタ
キシャルウェハを提供する。 【解決手段】 立方晶の基板上に、砒化燐化窒化硼素
(BNi Pj Ask 、但し0<i<1、0≦j<1、0
≦k<1、i+j+k=1)よりなる立方晶を主体とし
たバッファ層を形成し、該バッファ層上に、Ala Ga
b Inc Nd M1-d(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c
≦1、a+b+c=1、Mは窒素以外の第V族元素、0
<d≦1)よりなる立方晶を主体としたエピタキシャル
薄膜を形成する。
Description
ガリウム(GaN)等の立方晶を主体として構成される
III 族窒化物半導体層を含む積層構造体からなる窒化物
半導体素子に係わり、特に積層構造体を立方晶を主体と
する積層構成層から構成するための緩衝層及び積層構成
層間の格子不整合性を緩和する接合構成を備えた積層構
造体からなるIII 族窒化物半導体素子に関する。
e Gaf N:0≦e、f≦1)や窒化ガリウム・インジ
ウム混晶(Gag Inh N:0≦g、h≦1)は、青色
等の短波長可視光発光ダイオード(英略称:LED)や
レーザダイオード(英略称:LD)或いはフォトダイオ
ード(英略称:PD)などのIII 族窒化物半導体光デバ
イスを構成する層として利用されている(Mat.Re
s.Soc.Symp.Proc.、Vol.449
(1997)、509〜518頁参照)。また、ショッ
トキー(Schottky)接合電界効果型トランジス
タ(英略称:MESFET)などの電子デバイスを構成
するに利用されている(Proc.OF THE TO
PICAL WORKSHOP ON III −V NI
TRIDES(21〜23.Sept.1995)(P
ERGAMON PRESS)、97〜100頁参
照)。
類は、旧来の砒化ガリウム(GaAs)や砒化アルミニ
ウム・ガリウム混晶(AlGaAs)等のIII 族化合物
半導体からなるレーザダイオード或いは高移動度電界効
果型トランジスタ(英略称:MODFET)と同様であ
る。しかし、旧来のIII 族化合物半導体から構成される
素子(デバイス)と現在迄に実用化に至っているIII 族
窒化物半導体素子とは構成形態、特に素子の母体材料と
なる積層構造体の構成を異にするものである。
・ガリウム混晶から構成される赤色LEDの母体材料で
あるヘテロ(hetero)接合系積層構造体の構成を
省みる。この積層構造体を構成するGaAsの格子定数
は5.653オングストローム(Å)であり、GaAs
と混晶化させてAlGaAs混晶となす砒化アルミニウ
ム(AlAs)のそれは5.661Åである(赤崎 勇
編著、「III −V族化合物半導体」(1994年5月2
0日初版、(株)培風館発行)、148頁の表7.1参
照)。従って、双方の格子定数の差は僅か0.08Åで
ある。格子の不整合度は、基準とする結晶の格子定数を
Aとし、対象とする結晶の格子定数をBとすれば、次の
式(1)から算出できる。 格子不整合度(%)=|(A−B)/A|×100 式(1) 双方の結晶の格子定数が一致すれば、即ち、A=Bであ
れば格子不整合度は0%となる。不整合度が0%とは、
双方の結晶層が格子整合関係にあることを意味してい
る。GaAsの格子定数を基準としたAlAsに対する
格子不整合度(ミスフィット(mis−fit)率)は
矮小の約1.4%となる。即ち、GaAsとAlGaA
s混晶とのヘテロ(異種)接合に於ける最大の格子不整
合度は僅か1.4%に留まる。従って、旧来のIII −V
族化合物半導体デバイスは、実質上、全んど格子整合系
であると見なせる積層構造体を母体材料として構成され
ているものである。この格子不整合性の少ない積層系の
構築が、発光強度に優れる赤色帯LEDやLD並びに低
雑音MODFETの実現を可能としているのである。
する主要な半導体材料である六方晶(hexagona
l)窒化ガリウムのa軸の格子定数は3.180Åであ
る。窒化ガリウムと混晶をなし、発光層として常用され
る窒化ガリウム・インジウムを構成する窒化インジウム
(InN)のa軸の格子定数は3.533Åである(上
記の「III −V族化合物半導体」、148頁の表7.
1)。従って、窒化ガリウムに対する窒化インジウムの
格子不整合度は約11.1%に達している。この様に従
来の窒化ガリウム系デバイスは、旧来のGaAs/Al
GaAs系に比較すれば最大で約10倍の格子不整合度
を内包する可能性を有する積層構造体を母体材料として
構成されているものである。
間の格子の不整合度が大きい場合、連続性のある良好な
結晶性のエピタキシャル(epitaxial)薄膜層
を積層するには困難を極める。従って、実際のIII 族窒
化物半導体素子用途の積層構造体にあっては、例えばサ
ファイア(α−Al2 O3 )基板と積層構成層との格子
不整合性を緩和する緩衝層や本来、果たすべき機能を逸
失しない程度に相互の格子定数の差異を出来るだけ小と
なる様な組成を有する積層構成層から構成するのが従来
の積層手段である。III 族窒化物半導体デバイスの一例
として、青色LED用途の積層構造体を図1に例示する
(J.Vac.Sci.Technol.、A13
(3)(1995)、705〜710頁参照)。結晶基
板(101)には、面方位が(0001)のサファイア
が使用されている。サファイア基板上には、窒化アルミ
ニウム・ガリウム混晶(Ale Gaf N:0≦e、f≦
1)からなる緩衝層(102)が堆積される。緩衝層上
には、n形の窒化ガリウムからなる下部クラッド層(1
03)が成膜される。下部クラッド層上には、n形の窒
化ガリウム・インジウムからなる発光層(104)が積
層される。発光層上には、p形の窒化アルミニウム・ガ
リウム混晶からなる上部クラッド層(105)が接合さ
れている。n形下部クラッド層、n形発光層及びp形ク
ラッド層の3機能層をもってpn接合型のダブルヘテロ
構造の発光部が構成されている。易昇華性の窒化ガリウ
ム・インジウムからなる発光層と上部クラッド層との中
間には、発光層の昇華を抑制する機能を有する蒸発防止
層を設ける技術手段も開示されている(特開平8−29
3643号公報明細書参照)。p形クラッド層上には、
p形の窒化ガリウムからなるコンタクト層(106)が
重層されている。この積層構造体(107)には、素子
動作に必要な動作電源(電流)を供給するp形半導体層
(図1では(106))の表面に接するp側電極(10
8)と、n形半導体(図1では(103))に接するn
側電極(109)とが備えられる。サファイアを基板と
するLEDにあっては、サファイアが絶縁性であるため
に双方のオーミック性電極((108)〜(109))
は基板上の同一面側に敷設されるのが通例である(Jp
n.J.Appl.Phys.、Vol.32(199
3)、L8〜L11頁参照)。
Åとする六方晶系に属する単結晶である。サファイア等
の六方晶系の基板上に積層された各層は一般に基板結晶
の晶系を受け継ぎ六方晶系を主体とする結晶系を有す
る。従って、各構成層の六方晶に於けるa軸の格子定数
をもって、構成層間の不整合度が表せる。発光層にイン
ジウム組成比を0.45(45%)とする窒化ガリウム
・インジウム混晶(Ga0.55In0.45N)を、また、上
部クラッド層にはアルミニウム組成比を0.20(20
%)とする窒化アルミニウム・ガリウム混晶(Al0.20
Ga0.80N)を利用する従来の緑色LED用途の積層構
造体(Jpn.J.Appl.Phys.、Vol.3
4(1995)、L1332〜L1335頁参照)の発
光部を構成する機能層間の格子不整合度は表1に掲示す
る如くとなる。混晶からなる層にあっては、組成比を基
にベガード(Vegard)則(永井 治男他著、「II
I −V族半導体混晶」(昭和63年10月25日初版第
1刷、(株)コロナ社発行)、27頁参照)の成立を仮
定して求めた格子定数が掲げてある。同表に示す如く従
来の六方晶系層からなる発光部は、約5%と大きな不整
合性を内包する格子不整合系の構成となっているのが現
状である。
る素子では、各構成積層層間に格子の不整合性が存在す
るが故に素子特性の向上が阻害されている。格子不整合
の関係にある構成層間では、ミスフィットに起因する転
位や積層欠陥等の結晶欠陥が多量に導入される。この様
な結晶欠陥が多量に導入された半導体層は、高移動度を
要求するマイクロ波MODFETの低雑音特性(noi
se−figure)等のデバイス特性の向上を阻害す
ることは勿論である。また、大容量の電流制御整流素子
の範疇に属するGTO(Gate Turn−Off)
等のサイリスタ(Thyristor)にあっては、転
位の存在は局所的な電界集中や転位を介しての短絡的な
導通に因る耐圧不良の発生等により高信頼性の電子デバ
イスの主要特性の悪化を招き兼ねない。電子デバイスに
係わらず、青色LDにあっても、母体材料内部の格子欠
陥の存在が重要視されるに至っており、従来の如くの格
子不整合系構造体を形成するに際してもより格子欠陥の
少ない構成層をもって積層構造体を獲得する試みがなさ
れている(日本学術振興会短波長光デバイス第162委
員会第7回研究会/光電相互変換第125委員会第16
0回研究会合同研究会(平成9年9月26日)資料、1
8〜24頁参照)。これらの格子不整合に起因し、デバ
イス特性上に大いなる悪影響を及ぼす要因は、格子整合
系では当然の事ながら排除できることは云う迄もない。
もデバイス用途の従来の積層構造体は、基板を含めて六
方晶系である。従来のデバイス用積層構造体が格子不整
合系構造であることに起因する問題点に加え、積層体構
成層が六方晶であることに付随する問題点も存在する。
それは、六方晶の窒化ガリウム系半導体が元来、ピエゾ
(piezo)効果を呈することである。圧電(pie
zo−electric)効果を積極的に利用する圧電
効果素子の様なデバイスもある(深海 登世司監修、
「半導体工学」(1993年3月20日第1版第7刷、
東京電機大学出版局発行)、243〜247頁参照)。
しかし、電子の高速応答性が必要とされるMODFET
や、大容量の電力(パワー)デバイスでは、圧電効果に
よる電荷分離は電子の正常な走行を決定的に阻害するも
のである。従って、高速応答特性に優れる素子の構成に
は、圧電効果による分極を内包しない積層構造体から構
成するのが優位となる。
半導体であっても、結晶系によって異なるものである。
立方晶(cubic)のIII 族窒化物半導体では、圧電
効果が発生し難いと察せられている(平成8年度先導研
究報告書 NEDO−PR−9605、「ハードエレク
トロニクス」(平成9年3月(財)新機能素子研究開発
協会発行)、75頁参照)。これは、高速応答性を発揮
するデバイスを獲得するに優位な潜在的要因である。ま
た、立方晶では、価電子帯側のバンドの縮帯が解放され
ていないため(生駒 俊明、生駒 英明共著、「化合物
半導体の基礎物性入門」(1991年9月10日初版、
(株)培風館発行、17頁参照)、伝導性の制御が六方
晶に比較すれば容易であるとされる(特開平2−275
682号公報明細書参照)。これはまた、pn接合を内
包するLED、LD或いは略称IGBT(絶縁ゲートバ
イポーラトランジシスタ)等のパワー電子デバイス系ダ
イオード用途の積層構造を安定して構築するに貢献でき
る立方晶のIII 族窒化物半導体に潜在的に有する優れた
特質である。
半導体結晶層をもってデバイス用途の積層構造体を構築
する試みがなされている。デバイス用積層構造体を立方
晶のIII 族窒化物半導体結晶層から構成することを意図
した従来技術を概略纏めると、基板結晶に単結晶の珪素
(Si)を利用する技術手段と、単結晶の砒化ガリウム
(GaAs)を用いる技術手段に大別される。六方晶の
結晶上に六方晶の結晶が優勢的に育成される様に、立方
晶の結晶を優勢的に成長させるには立方晶系に属するダ
イヤモンド構造型のSi及び閃亜鉛鉱構造(zinc
blend)型のGaAs結晶が元来、有利であること
に依るものである。
らなる積層構造体の従来の構成を更に具体的に記述する
に、Si単結晶基板上に直接、構成層を堆積して構造体
を構成する場合と、緩衝層を介して構成層を堆積して構
造体を構成する場合に大別される。従来例には、{11
1}−Si基板上に直接、窒化ガリウム層を堆積する例
がある(Mat.Res.Soc.Symp.Pro
c.、Vol.395(1996)、67〜72頁参
照)。緩衝(buffer)層としては、六方晶の炭化
珪素(SiC)(6H−SiCと称される)(「SiC
及び関連ワイドギャップ半導体研究会第5回講演会予稿
集」(応用物理学会主催、1996年10月31日〜1
1月1日)、20頁参照)や立方晶の炭化珪素(3C−
SiCと称される)(Proc.TOPICAL ME
ETING WORKSHOP ONIII −V NIT
RIDES(Sept.21〜23、1995)、PE
RGAMONPRESS、335〜338頁参照)が従
来から使用されている。3C−或いは6H−SiCを緩
衝層或いは基板そのものとして利用する従来技術の問題
点は、重層したIII 族窒化物堆積層に六方晶と立方晶の
結晶相が混在することにある(1997年(平成9年)
秋季第58回応用物理学会学術講演会講演予稿集No.
1((社)応用物理学会、1997年10月2日発
行)、講演番号3p−Q−19、317頁)。(00
1)砒化ガリウム基板上に成膜した立方晶の窒化ガリウ
ムの例では、10%程度、六方晶が混在することが報告
されている(上記の第58回応用物理学会学術講演会講
演予稿集No.1、講演番号3p−Q−15、316
頁)。例えば、窒化ガリウムにあっては、六方晶の窒化
ガリウムの室温での禁止帯幅は3.39エレクトロンボ
ルト(eV)であり、立方晶のそれは3.29eVであ
る。また、a軸の格子定数も六方晶では、3.18Åで
あるのに対し、立方晶のそれは4.51Åと大きく相違
する。即ち、同一層内に異なる結晶系が混在すること
は、その層が禁止帯幅及び格子定数を異にする半導体材
料からなる混合体であることを意味する。これにより、
この様な結晶系が混在する層を活性層(発光層)とする
発光素子にあって発現される不具合は、例えば発光波長
の不統一性である。また、発光素子に拘わらず、六方晶
/立方晶界面での格子定数の相違に因る不用意な格子歪
みの発生など均質な半導体機能層を形成するに障害とな
るのは自明である。
構造体の一構成層としてリン(燐)化硼素(BP)を利
用する従来例も知られている(特開平2−275682
号、特開平2−88381号及び特開平2−28838
8号公報明細書参照)。Si結晶上に良質のBP単結晶
膜が成膜できることは既に知られている(渋沢 直哉、
寺嶋 一高、第28回結晶成長学会国内会議 講演番号
28aB11(日本結晶成長学会誌、Vol.24、N
o.2(1997)、150頁参照)。BP層を利用す
る利点は、立方晶たるBPの格子定数(4.538Å)
(上記の「III−V族化合物半導体」、148頁の表
7.1参照)が立方晶の場合の窒化ガリウム(格子定数
=4.510Å)に対して式(1)から導出される様に
僅か0.6%であることにある。立方晶窒化ガリウムに
対するこの格子不整合度の矮小さが故に最近では、BP
はレーザ光の発振のモード(mode)を統一せんがた
めの活性(発光)層を囲繞するサイドブロック(sid
e block)層としても利用されるに至っている
(特開平9−232685号公報明細書参照)。しか
し、BP層を利用して立方晶を主体とする窒化ガリウム
系層を重層させて積層構造体を構築する場合でも、BP
と立方晶の窒化ガリウムとは完全な格子整合関係とはな
らず、僅かながらも(約0.6%)格子不整合性が残存
する問題点がある。
等の如く素子機能を司る部位が同一の伝導形の半導体層
からなり、電子等のキャリア(carrier)の高速
走行性能を利用する低雑音(low−noise)或い
は電力(power)デバイスにあっては、電子走行層
は結晶欠陥に少ない高品質の半導体層から構成すること
が要求されている。しかし、従来の六方晶結晶を主体と
してなる構成層を単純に重層した積層系にあっては、結
果として各構成層間での格子不整合性を残置したものと
なっている。従来の積層系にあって、この格子不整合性
を原因として発生するミスフィット(mis−fit)
転位が、構成層内の結晶欠陥密度を大なるものとし且つ
電子の高速走行特性を阻害しているのは否めない。この
様な格子の不整合性に起因して導入される結晶欠陥の密
度は、格子整合性の高い積層系を構築すれば低減できる
であろうことは周知である。本発明の主要な課題は、特
にMODFET等の電子デバイスの高周波特性、高速動
作特性等の向上に寄与できるなどの格子整合性に優れる
新たな積層系を提供することにある。また、本発明の併
せての課題は、低抵抗のp形層となり易い禁止帯幅が比
較的小さい立方晶のIII −V族化合物半導体層を電極形
成用半導体層として備えた積層系を提供することにあ
る。本発明は、上記の課題を解決するために、禁止帯幅
が比較的小さい窒素を含む立方晶の結晶性の良いIII −
V族化合物半導体層を備えたエピタキシャルウェハを提
供することを目的とする。
めれば、立方晶を主体として構成される半導体層を重層
させてなり、尚且格子不整合度が従来に比較して矮小で
あるデバイス用積層構造体を提供するものである。即
ち、本発明は、立方晶の基板上に、砒化燐化窒化硼素
(BNi Pj Ask 、但し0<i<1、0≦j<1、0
≦k<1、i+j+k=1)よりなる立方晶を主体とし
たバッファ層を形成し、該バッファ層上に、Ala Ga
b Inc Nd M1-d (0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c
≦1、a+b+c=1、Mは窒素以外の第V族元素、0
<d≦1)よりなる立方晶を主体としたエピタキシャル
薄膜を形成したエピタキシャルウェハである。また、本
発明は、立方晶の基板上に、砒化燐化窒化硼素(BNi
Pj Ask 、但し0<i<1、0≦j<1、0≦k<
1、i+j+k=1)よりなる立方晶を主体としたバッ
ファ層を形成し、該バッファ層上に、Ala Gab In
c Nd M1-d (0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、
a+b+c=1、Mは窒素以外の第V族元素、0<d≦
1)よりなる立方晶を主体としたエピタキシャル薄膜を
形成するエピタキシャルウェハの製造方法である。ま
た、本発明は、上記のエピタキシャルウェハを用いて製
造された半導体素子である。なお本文中では、エピタキ
シャルウェハを積層構造体、エピタキシャル薄膜を積層
構成層、バッファ層を緩衝層と呼ぶこともある。
る結晶を基板とする。基板上に重層する半導体層の結晶
系を立方晶を優勢とするための措置である。立方晶半導
体の結晶構造の代表的な例には、面心立方格子を有する
ダイヤモンド(diamond)型構造や閃亜鉛鉱(z
inc blend)型構造がある。珪素(Si)はダ
イヤモンド型の半導体結晶である。リン化ガリウム(G
aP)、砒化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム
(InP)や砒化インジウム(InAs)等のIII −V
族化合物半導体は閃亜鉛鉱型の半導体結晶である。立方
晶結晶には、他に酸化マグネシウム(MgO)、酸化マ
ンガン(MnO)、酸化ニッケル(NiO)や酸化コバ
ルト(CoO)等の岩塩構造型の酸化物がある。ペロブ
スカイト型のニオブ酸リチウム(LiNbO3 )やタン
タル酸リチウム(LiTaO3 )などの酸化物結晶も立
方晶である。LiGaO2 やLiAlO2 などの立方
晶結晶も基板として利用できる。ニッケル(Ni)等の
等軸立方格子の金属結晶も基板として利用できる。立方
晶の窒化ガリウム(格子定数=4.51Å)との格子整
合性の観点からすれば、格子不整合度が0.6%のリン
化硼素(BP)や5.9%の砒化硼素(BAs)も立方
晶の基板材料として考慮され得る。しかし、BPやBA
sからなる単結晶材料はバルク(bulk)基板として
実用化されておらず、現時点で本発明の内容を具現する
に至らない。更には、立方晶の窒化ガリウム単結晶から
なるバルク基板は、立方晶の窒化ガリウム成長層に理論
上、完全に格子整合するものとして最も望ましく利用で
きる。しかし、完全に立方晶GaNとの格子整合性を与
えるはずのバルク材料として、インチ(inch)サイ
ズの大口径の窒化ガリウム単結晶は実用とはなっていな
い。酸化物結晶は劈開性がないか明瞭な劈開性を呈しな
いため(「SiC及び関連ワイドギャップ半導体研究会
第5回講演会(1996年10月31日〜11月1日)
予稿集、講演番号IV−3、20〜21頁参照)、レーザ
ーダイードの共振面を作製するのが困難となる場合があ
る。基板表面の研磨技術、清浄化技術や大口径単結晶の
製造技術等の実用上の技術水準の観点から総合的に判断
すれば、ダイヤモンド型構造を有する珪素(Si)や閃
亜鉛鉱型の砒化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム
(GaP)やリン化インジウム(InP)等の半導体結
晶が実用上、本発明に係わる立方晶の基板として実用的
に利用できるものである。素子を駆動するための駆動回
路や信号の入出力を制御するための回路等を描画したS
iやGaAs結晶も基板として利用できる。この様な描
画回路を有する立方晶の半導体結晶基板を利用すれば、
同一基板上に複合化された素子が形成できる。
化珪素(3C−SiC)膜からなる一基板に膜を重層さ
せた重層構造体も基板として利用できる。Si基板上に
重層した立方晶のGaN膜を重層させた重層構造体も利
用できる。要は、重層構造体であっても、積層が行われ
る被堆積表面が立方晶系の結晶面で優勢的に占有されて
いるのであれば基板として利用できる。基板材料の導電
形や導電率(抵抗率)は特に限定しない。例えば、硼素
(元素記号:B)を添加(ドーピング)したp形珪素単
結晶基板や砒素をドーピングしたn形珪素単結晶基板が
利用できる。基板とする結晶表面の面方位についても特
別な限定はない。例えば、[011]方向への傾斜角度
を±10度以内とする{001}面を有する硼素、砒素
或いは燐を添加した導電性の単結晶珪素が基板として利
用できる。亜鉛ドープのp形或るいは珪素ドープのn形
砒化ガリウム単結晶も基板として好適である。MODF
ET等の導電性活性層と基板結晶とを電気的に絶縁する
必要性が求められる電子デバイスにあっては、比抵抗
(抵抗率)を数Ω・cm程度或いはそれ以上とする高抵
抗のアンドープ珪素単結晶基板や約105 Ω・cmを越
える半絶縁性の砒化ガリウム単結晶も基板として利用可
能である。
理由は、基板上に立方晶を主体とする窒化ガリウム系の
成長層を含む積層構造体を構成するためである。本発明
では、この様な立方晶基板上に成膜した立方晶を主体と
する2種類の成長層から素子の母体材料となる積層構造
体を構築する。立方晶を主体とするとは、成長層内で占
有する立方晶結晶相の体積比率が概ね、95%を越える
ことを指す。積層構造体を構成する第1の種類の構成層
は、立方晶を主体とする窒化アルミニウム・ガリウム・
インジウム系混晶(Ala Gab Inc Nd M1-d :0
≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1、
Mは窒素以外の第V族元素、0<d≦1)である。具体
的には、第V族元素として窒素のみを構成元素として含
む立方晶を主体とする窒化ガリウム(格子定数a=4.
510Å)であり、立方晶を主体とする窒化アルミニウ
ム(a=4.38Å(前記の「III −V族化合物半導
体」、330頁の表13.1参照))であり、また立方
晶を主体とする窒化インジウム(a=4.98Å(上記
の表13.1参照))である。また、これらの2元結晶
(2元素結晶)からなる立方晶を主体とする窒化アルミ
ニウム・ガリウム混晶(Ala Gab N :0≦a、b
≦1、a+b=1)であり、立方晶を主体とする窒化ガ
リウム・インジウム混晶(Gab Inc N:0≦b、c
≦1、b+c=1)であり、また立方晶を主体とする窒
化アルミニウム・インジウム混晶(Ala Inc N:0
≦a、c≦1、a+c=1)である。インジウムを含む
混晶にあっては、被熱に因るインジウムの凝縮等により
インジウム組成比が均一な組成的に均質な混晶層とは成
り難い場合があるが、此処では、インジウム組成比の均
質度に拘わらず便宜上、混晶層と称する。窒素以外の複
数の第V族元素を含む例えば、立方晶の砒化リン化窒化
ガリウム(GaNPAs)等の混晶も本発明の窒化アル
ミニウム・ガリウム・インジウム系混晶に含むものとす
る。
系混晶を積層構成層の一種とする理由は、これらのIII
族窒化物半導体がワイドバンドギャップ(wide b
andgap)と称される一般に禁止帯幅が比較的大で
ある材料であるからである。禁止帯幅(バンドギャッ
プ)が大であることは、真性状態(上記の「半導体工
学」(東京電機大学出版局発行)、33頁参照)に移行
する温度が高くなることを意味している。従って、高温
環境下で動作が可能な耐環境デバイスを構成するに有利
であることによる。また、近紫外から短波長可視光を放
射するに都合の良い禁止帯幅を有している。このため、
これらのIII 族窒化物半導体層は近紫外、青色帯から赤
色帯に及ぶ発光を放射する発光素子の発光層等の機能層
として好ましく利用できるからである。
積層構造を構成するための第2の種類の構成層は、窒素
と窒素以外の第V族元素である砒素やリン(燐)を構成
元素として含む半導体材料からなるものである。例え
ば、立方晶を主体とする砒化窒化ガリウム(GaNd A
s1-d :0<d≦1)やリン化窒化ガリウム(GaNd
P1-d :0<d≦1)等がある。複数の窒素以外の第V
族元素を含む立方晶を主体とする例えば、砒化リン化窒
化ガリウム混晶(GaNPAs)も本発明の範疇に属す
る結晶材料である。これらの混晶は一般的には、窒素以
外の第1及び第2の第V族元素を記号(M1 )及び(M
2 )で表示すれば、Ala Gab IncNd (M1 )m
(M2 )n (但し、0≦a、b、c≦1、a+b+c=
1、0<d、m、n<1、d+m+n=1)となる。
る砒素やリン(燐)を構成元素として含むIII −V族化
合物半導体層を積層構成層として利用してする第一の理
由は、上記のIII 族窒化物半導体材料と格子の不整合性
が小さいことによる。例えば、格子定数を4.51Åと
する立方晶の窒化ガリウムに対して、格子整合を果たす
構成層を砒化窒化硼素混晶(BNAs)或いはリン化窒
化硼素混晶(BPN)から選択できる。第二の理由は、
上記のIII 族窒化物半導体と同じく積層構成層がIII −
V族化合物半導体が立方晶であることに基づくものであ
る。立方晶結晶では、価電子帯(conduction
band)の正孔バンドの縮帯が六方晶結晶の場合と
は対照的に解放されていない(上記の「化合物半導体の
基礎物性」((株)培風館発行)、17頁参照)。それ
故に、p形の伝導を呈する半導体層が比較的容易に得ら
れる利点があるからである。即ち、本発明の積層構造体
は、互いに格子不整合性が小さく尚且、p形層の形成が
容易な立方晶を主体とするIII −V族化合物半導体層及
びIII 族窒化物半導体層を積層構成層として構築される
ものである。
体とする積層構成層を堆積するに際し、立方晶の積層構
成層を優勢的に成長させるために立方晶基板上に更に立
方晶を主体とする結晶からなる緩衝層を敷設する。緩衝
層は上記の立方晶を主体とするIII 族窒化物半導体材料
またはIII −V族化合物半導体材料から構成できる。本
発明では、特に、上記の立方晶を主体とするIII −V族
化合物半導体から構成する。本発明における緩衝層は、
特に立方晶を主体とした砒化燐化窒化硼素(BNi Pj
Ask 、但し0<i<1、0≦j<1、0≦k<1、i
+j+k=1)からなすのが好適である。III 族窒化物
半導体材料が六方晶と立方晶の双方の結晶系を取り得る
のに対し、III −V族化合物半導体材料は元来、立方晶
の晶系を取るからである。結晶系が画一的であるに加
え、窒素以外の第V族元素を構成元素として含有するII
I −V族化合物半導体、特に砒素(As)を含有するII
I −V族化合物半導体は緩衝層を構成する材料として好
適である。結晶格子に配列した砒素原子が立方晶を主体
とする積層構成層の成長に優位に働くとされるからであ
る(Mat.Res.Soc.Symp.Proc.、
Vol.449(1997)、257〜262頁参
照)。窒素以外の第V族元素を構成元素として配合する
のは単に、それと接合する積層構成層との格子不整合性
を低減できる効果のみではなく、重層する構成層を立方
晶を主体として構成するに効果を奏するからである。
特に、厳密な規定はない。緩衝層を立方晶を主体とする
窒素以外の第V族元素を含むIII −V族化合物半導体層
の立方晶を主体とする構成層の成長を誘発するための成
長層として利用するならば、数Å程度の単原子層でも効
果は発揮できる。数μm程度の比較的厚い膜も緩衝層と
して利用され得る。本発明のIII 族窒化物半導体層及び
III −V族化合物半導体と格子整合する大型単結晶基板
が実用に至っていない現状を鑑みると、基板としては積
層構成層とは自ずと格子不整合性を内在する結晶を基板
とせざるを得ない状況にある。従って、緩衝層を構成す
る半導体材料との格子不整合性を有する基板上に極端に
厚い緩衝層の成長を試みた場合、基板との格子不整合性
に起因して緩衝層の表面に亀裂(クラック)が発生する
場合がある。これより、緩衝層の厚さの上限は大凡、約
10μm未満程度となる。
く、素子の果たす機能に鑑み、また素子を駆動する電流
の通流方向に鑑み決定すれば良い。ドナー性不純物或い
はアクセプター性不純物を故意に添加(ドーピング)し
たn形伝導性或いはp形伝導性を有する層が緩衝層とし
て利用できる。n形導電性の例えば、リン化窒化硼素混
晶(BNP)は、成膜時に珪素や錫(元素記号:Sn)
などの第IV族不純物やセレン(元素記号:Se)、硫黄
(元素記号:S)等の第VI族不純物をドーピングすれば
得られる。また、p形のIII −V族化合物半導体からな
る立方晶を主体とする第II族不純物の亜鉛(元素記号:
Zn)やマグネシウム(元素記号:Mg)或いは第IV族
の炭素(元素記号:C)をドーピングして得られる。成
膜時に拘わらず、成膜後に上記の不純物をイオン注入法
を利用して注入したる後、活性化アニール(annea
l)を施してもn形或いはp形緩衝層は形成される。こ
れらの不純物は、導電性の指標となるキャリア濃度が約
1×1017 cm-3から概ね1019cm-3 を越える程
度の範囲内となる様にドーピングするのが良い。基板の
裏面側に電極を敷設することを意図して導電性材料を基
板とする素子にあっては、緩衝層も導電性を有する材料
から構成するのが妥当である。素子に依っては、不純物
を敢えてドーピングしていないアンドープ(undop
e)若しくは電気的に補償(compensatio
n)する様に不純物ドーピングを施した高抵抗の層を緩
衝層として利用する。鉄(元素記号:Fe)、クロム
(元素記号:Cr)やバナジウム(元素記号:V)等の
遷移金属をドーピングしても高抵抗の緩衝層が得られ
る。成膜後に緩衝層内に水素イオン(H+ )(プロト
ン)などを注入することによっても高抵抗の緩衝層とな
すことができる。基板と積層構成層とのアイソレーショ
ン(isolation)を要求する素子には、高抵抗
或いは絶縁性の緩衝層を利用するのが望ましい。電界効
果型トランジスタ(英略称:FET)などのマイクロ波
デバイスにあっては、緩衝層は約104 Ω・cmを越え
る高抵抗率であるのが望ましい。
晶質(amorphous)からなる層の何れもが利用
できる。これらの結晶形態が混在した多結晶層も利用で
きる。サファイアを基板とする窒化物半導体からなる従
来の積層構造体を構成する際には、窒化アルミニウム・
ガリウム(Alx Ga1-x N:0≦x≦1)からなる緩
衝層が常用されている(特開平2−229476号及び
特開平4−297023号公報明細書参照)。従来の緩
衝層は単結晶粒或いは多結晶粒を散在して含む形態の
(非晶質)層があるのが最適であるとされている(「日
本結晶成長学会誌」、Vol.15、 No.3&4
(1988)、74〜82頁参照)。本発明では、従来
とは異なる内部結晶形態を保有する緩衝層を利用する。
本発明が緩衝層として最も適するとするのは、基板の表
面近傍の領域が基板表面の原子配列をあたかも受け継い
でなる単結晶で構成されている層である。即ち、基板と
の界面近傍の領域に恰もプシュードモーフィズム(ps
eeudomorphism)により(橋口 隆吉他編
集、「材料科学講座6−薄膜・表面現象」(昭和47年
12月15日4版、(株)朝倉書店発行)、11〜14
頁参照)、単原子層領域が配置された緩衝層を最適とす
る。基板/緩衝層界面近傍の単結晶を主体とする領域の
上方は、非晶質層を主体として構成されているのが好適
である。
する領域とし、その領域の上層部を非晶質或いは多結晶
を主体とする緩衝層は、一義的に成長温度の適正化によ
って成膜され得る。面方位を{001}±0.5゜とす
る珪素単結晶表面上に砒化リン化窒化硼素混晶(BNP
As)からなる緩衝層を設ける場合、珪素基板表面の近
傍領域をBPAs混晶からなる単結晶層とし、上層部を
非晶質領域或いは多結晶領域を主体とする緩衝層は成膜
温度を約300℃〜約700℃、望ましくは約350℃
〜約600℃の範囲に設定して効率良く得られるもので
ある。特に、有機金属熱分解法(MOCVD法)でこの
様な最適な構成の緩衝層を得るに好ましく利用できる温
度範囲は、第III 族元素に対する第V族元素の原料の供
給比、即ち、V/III 比或いは成膜環境の圧力にも依存
するが概して、約400℃から約550℃の範囲であ
る。基板界面に単結晶が配置されているか否かは透過型
電子顕微鏡(英略称:TEM)を利用した電子線回折パ
ターンの観察から知れる。TEM観察時の入射ビーム
(電子線)の加速電圧(電子ビームの進入深さ)にも依
存するが、as−grown状態の緩衝層の表面側から
得られる電子線回折パターンは、一般に非晶質或いは多
結晶の存在を示すハロー(halo)或いはリング
(環)パターンであることが多い。これをもって緩衝層
全体が非晶質体若しくは多結晶体或いはそれらが混在し
た結晶体と見なすのは早計であって、正確且つ精密には
緩衝層の表面側から基板方向への深さ方向の結晶形態に
関する情報をもって緩衝層の結晶構成を判断すべきもの
である。特に、表面より深部の基板との界面領域に於け
る結晶形態を重視する場合にあっては、断面TEM技法
を利用した結晶形態の観察が有効である。本発明に係わ
る緩衝層の場合、断面TEM技法を利用して観察される
電子線回折パターンは、立方晶基板との接合界面近傍の
領域では単結晶であることを示すスポット(spot:
斑点)パターンであり、表層部はハロー若しくはリング
パターンが優勢となるものである。更に、倍率を数百万
倍とした高分解能下に於ける格子像観察からは格子像の
配列或いは粒界の存在等から結晶形態を明瞭に識別でき
る。TEMを利用した微細構造の直接観察或いは電子線
回折パターンによれば、緩衝層の上層部を構成する結晶
の形態も知り得て便利である。断面TEMによる精密観
察では、何らかの加熱処理を付与した、特に緩衝層の成
膜温度を越える高温の環境下に曝された緩衝層では、a
s−grown状態の場合とは異なり同層上層部を構成
する非晶質体の全んどが被熱により揮散して消失するこ
とがあることも認められる。これより、恰も緩衝層全体
が元来、単結晶を主体として構成されているかの如くの
印象を与える場合がある。
た緩衝層の例を挙げるに、それは、{001}面或いは
{001}面から±10゜以内のミスオリエンテーショ
ン(mis−orientation)を有するSi基
板表面上に設けた層厚を約10Åから約1000Å以内
とする砒化窒化硼素(BNAs)混晶からなる緩衝層で
あって、同基板の表面を被覆するBNAsからなる単結
晶を主体とする領域を備え、その上層部を多結晶と非晶
質から構成されているものである。また、別の例を挙げ
れば、{001}面或いは[011]方向等に多少のオ
フアングル(off−angle)を有する{001}
−砒化ガリウム単結晶基板面上の砒化リン化窒化硼素
(BNPAs)混晶からなる層厚が約50Åから約50
00Åの緩衝層であって、基板表面近傍の領域にBNP
Asからなる単結晶領域が主体的に配置されてなる緩衝
層である。緩衝層は単一のIII −V族化合物半導体層か
ら構成する必要は必ずしもない。組成を異にする或いは
構成元素を異にする複数のIII −V族化合物半導体層を
重層させて一緩衝層と成しても差し支えはない。複数の
III −V族化合物半導体層の重層からなり、尚且上層と
の良好な格子整合性を具備する緩衝層の構成例には、歪
超格子からなる緩衝層が挙げられる。例えば、緩衝層上
に上層として格子定数を4.51Åとする立方晶の窒化
ガリウム層を重層させるに適する超格子構造の緩衝層
は、4.51ÅよりδÅ(δ≠0)だけ格子定数を大と
する第1のIII −V族化合物半導体層と、逆に4.51
ÅよりδÅ小さい格子定数の第2のIII −V族化合物半
導体層とを交互に同数重層させても構成できる。具体的
には、例えばδを0.015Åに設定した場合には、第
1のIII −V族化合物半導体層を窒素組成比を約1%と
するリン化窒化硼素(BN0. 01P0.99)とし、第2の層
を窒素組成比を約5%とするリン化窒化硼素(BN0. 05
P0.95)として、それらを交互に同数重層させて緩衝層
を構成することができる。重層緩衝層を構成する第1及
び第2のIII −V族化合物半導体層の層厚は概ね、10
00Å未満で望ましくは約500Å以下とする。また、
この様な薄膜を重層させてなる超格子構造の重層緩衝層
は発光素子にあっては、発光層から基板側に向けて放射
される発光を発光の取り出し方向に反射させる多重(干
渉)反射膜として利用できる。光或いは電子デバイス用
途の積層構造体に拘わらず、超格子構造からなる重層緩
衝層は、基板材料と緩衝層構成材料との間の格子不整合
性に基づくミスフィット転位等の結晶欠陥の上層への伝
搬を抑止するに効果がある。更には、この様な超格子構
造の緩衝層はFET等の電子デバイスにあって、正常な
ピンチオフ(pinch−off)動作を阻害するバッ
クゲーティング(back gating)効果を低減
するにも効果を奏するものである。
接、III 族窒化物半導体層を重層せずに、III 族化合物
半導体層を接合させる構成とすると、立方晶を主体とす
る構成層からなる積層構造体を構築するに特に優位であ
る。III 族窒化物半導体層は結晶形態の観点からすれば
準安定状態であり六方晶と立方晶の双方の晶系を取り得
る。六方晶と立方晶の双方を取り得るIII 族窒化物半導
体層を積層構造体の基底部の層として利用した場合に、
それに重層する積層構成層の結晶系を立方晶に統一出来
ない恐れが生ずるからである。更に、III 族化合物半導
体からなる緩衝層上には、成膜条件の適正な選択によ
り、緩衝層による基板との格子不整合性の緩和作用並び
に結晶系の同一性に起因して結晶性に優れたIII 族化合
物半導体層が成長できる。特に、緩衝層上に接合させた
緩衝層と同一の物質からなるIII 族化合物半導体層は、
結晶欠陥密度の小さい結晶性に優れたものとなる。ホモ
(homo)接合となるため、接合界面でのミスフィッ
トに起因する転位等の結晶欠陥の発生が抑制できるから
である。しかしながら、立方晶を主体とする積層構成層
を得るに優位な立方晶のIII −V族化合物半導体からな
る緩衝層を下地層として敷設しても、積層させる層の成
膜条件の適正化が果たされていないと必ずしも立方晶を
主体とする層を成膜することができない場合がある。時
として、六方晶を主体とする層が成膜されることがあ
る。即ち、立方晶からなる本発明の緩衝層が、六方晶を
主体とする層を成膜するための緩衝層としての役目を担
う不都合が生ずる場合がある。この様な事態を回避する
には成膜条件、特に立方晶を優勢とするために適正な温
度範囲への精密な制御が要求される。例えば、常圧のM
OCVD法により砒化リン化窒化硼素混晶(BNPA
s)緩衝層上への同法による立方晶の窒化ガリウム層の
積層を意図する場合、アンモニア或いはヒドラジン系を
窒素源として利用するよりもV/III 比に依る影響の方
が大きいものの、概ね、700℃〜800℃が適する。
更には、約720℃から約780℃の範囲が望ましく、
約750℃が最も好ましい温度である。積層構成層をな
す結晶層の晶系は、電子線回折パターン(図形)やX線
回折パターンなどから知ることができる。また、フォト
ルミネッセンス(英略称:PL)のバンド端の発光波長
等の光学的な評価結果からも判別できる。
III 族化合物半導体層は、ミスフィット転位や転位に起
因して発生するとされるマイクロパイプ(micro−
pipe)(J.Crystal Growth、17
8(1/2)(1997)、201〜206頁参照)或
いは積層欠陥等の密度が低減された高品質の下地結晶層
となる。この様な下地結晶層上には、下地層の高品質性
を受け継いで結晶欠陥の少ない積層構成層が成長でき
る。例えば、発光素子にあっては、欠陥密度が小さく結
晶性に優れる下地結晶層上では、品質の優れたクラッド
層や活性(発光)層などの発光部を構成する機能層が成
長できる。一例を挙げれば、リン化窒化硼素(BNP)
混晶からなる緩衝層に接合する、略同一の混晶組成比を
有するBNPを下地層として重層し、その上に例えばII
I 族窒化物半導体からなる下部クラッド層、活性層及び
上部クラッド層を順次、積層させた積層構成がある。上
記の接合構成は、発光素子にあって良質の発光部をもた
らすに効果を奏し、しいては発光特性の向上をもたらす
ものである。立方基板上に設ける積層構造体の構成層は
立方晶を主体とし、且つ相互に良好な格子整合性を有す
る層であるのが望まれるが、LEDやLD等の発光素子
或いはPD等の受光素子にあっては、少なくとも発光層
或いは受光層などの活性層の下部に配置された部位を特
に相互に格子整合性に優れる構成層から構築する必要が
ある。FETにあっては、チャネル層より下部を格子整
合性に優れる積層系とするのが好ましい。活性層を成膜
させる際の下地層となる活性層の下部を少なくとも格子
整合性に優れる積層系としておけば、活性層への格子ミ
スフィットに起因する転位の徒な伝搬により、活性層の
結晶性が損なわれる事態を回避できる。このため、本発
明の発光特性或いは受光特性の向上に発揮される効果は
顕現される。
族元素を含むIII −V族化合物半導体を立方晶を主体と
した砒化燐化窒化硼素(BNi Pj Ask 、但し0<i
<1、0≦j<1、0≦k<1、i+j+k=1)とす
ることを特徴とする。何れも立方晶の窒化ガリウムや窒
化アルミニウム(AlN)等やそれらの混晶と格子定数
を一致させられるからである。図2は、BNi Pj (0
<i 、j <1、i +j=1)混晶の格子定数の混晶比依
存性を示す線図である。格子定数はベガード則に従うと
して単純な線形補間から求めたものである。立方晶BN
の格子定数は3.615Åである(上記の「III −
V族化合物半導体」、148頁の表7.1参照)。BP
の格子定数は4.538Åである。よって、BNP混晶
が取り得る格子定数の範囲は3.615Å〜4.538
Åとなる。一方、立方晶の窒化アルミニウム、窒化ガリ
ウム及び窒化インジウムの格子定数は各々、4.38
Å、4.51Å及び4.98Åである。これより、立方
晶の窒化アルミニウム・ガリウム混晶が取り得る格子定
数の範囲は単純には4.38Å〜4.51Åとなる(図
2に右斜線で示す)。この格子定数の範囲は上記のBP
N混晶が取り得る範囲に内含される。これは、BNP混
晶は、その混晶比如何によっては立方晶の立方晶の窒化
アルミニウム・ガリウム混晶と格子整合できることを意
味している。例えば、Vegard則が単純に成立する
とすれば、BNP混晶にあって、窒素組成比を3%とす
れば立方晶窒化ガリウムに格子整合するBN0.03P0.97
を得ることができる。同じく、リン組成比を17%とす
れば立方晶の窒化アルミニウムと格子整合できるBN
0.17P0.83 が得られる。即ち、BNP混晶に於いて、
窒素の組成比を約3%から約17%の範囲で変化させれ
ば、如何なる混晶比の窒化アルミニウム・ガリウム混晶
とも格子整合できるIII −V族化合物半導体層を獲得で
きる。
すれば、或る限られたインジウム組成比の範囲内で窒化
ガリウム・インジウム混晶との格子整合性を保有する層
が形成できる。上記の格子定数から、立方晶の窒化ガリ
ウム・インジウム混晶が取り得る格子定数の範囲は4.
51Å〜4.98Åの範囲内である(図2の左斜線部で
ある)。一方、BNP混晶の取り得る最大の格子定数は
4.538Åである。格子定数を4.538Åとする立
方晶の窒化ガリウム・インジウム混晶のインジウム組成
比は、Vegard則を利用して求めると約6%(0.
06)である。即ち、III −V族化合物半導体層をBN
P混晶から構成すれば、立方晶の窒化アルミニウム・ガ
リウム混晶及びインジウム組成を約6%未満とする窒化
ガリウム・インジウム混晶と格子整合を果たす積層構成
層が得られる利点がある。更に、BNP混晶は立方晶で
あるため、重層する積層構成層の結晶系を立方晶に画一
的に統一するに有利となる。
とを構成元素とするIII −V族化合物半導体層を砒化窒
化硼素(BNi Ask :0<i、k<1、i+k=1)
とすると、格子整合するIII 族窒化物半導体の組成範囲
をBNi Pk 混晶の場合より更に広範囲に拡大させられ
る。BPの格子定数が4.538Åであるのに対し、立
方晶閃亜鉛鉱型の砒化硼素(BAs)の格子定数は4.
777Åであり、窒化硼素(BN)の格子定数との差が
大きい。これは、BNi Ask 混晶とした場合に格子定
数の可変幅の拡幅し、格子整合できるIII 族窒化物半導
体種を増加させられることを意味している。例えば、B
NAs混晶は窒化アルミニウム・ガリウム混晶のみなら
ず、砒素の組成比を増加させればインジウム組成比を
0.43(43%)とするGa0.53In0.47N混晶との
格子整合をも果たすことができる。即ち、BNAs混晶
は発光層として従来より重用される窒化ガリウム・イン
ジウム混晶にあって、高インジウム組成比側に格子整合
性を拡長できる優位性をもっている。また、BNAs混
晶は立方晶であり、その上に重層させるIII −V族化合
物半導体或いはIII 族窒化物半導体からなる積層構成層
の結晶系を立方晶を主体とするに優位に作用する。本発
明では、デバイスの機能層を構成する窒化アルミニウム
・ガリウム混晶或いは窒化ガリウム・インジウム混晶等
の主要なIII 族窒化物半導体層と格子整合を果たすIII
−V族化合物半導体として好適なBNP混晶或いはBN
As混晶を一括してBNi Pj Ask (但し0<i<
1、0≦j<1、0≦k<1、i+j+k=1)混晶と
して表記する。
1、i+j=1)混晶が室温で取り得る禁止荻幅は2.
0eVを越え8.0eV未満の範囲である(上記の「II
I −V族化合物半導体」、150頁の表7.2参照)。
一方、砒化窒化硼素BNi Ask (0<i、k<1、i
+k=1)混晶の取り得る室温での禁止帯幅の範囲は、
約1.5eVを越え、8.0eV未満である。従って、
砒化窒化硼素混晶の取り得る禁止帯幅の下限は、リン化
窒化硼素のそれよりも約0.5eV程低い。この禁止帯
幅の取り得る範囲の差異も積層構造体構成層にリン化窒
化硼素混晶を利用するか砒化窒化硼素混晶を利用するか
選択する際の一指標となる。例えば、接触抵抗が小さく
オーミック特性に優れる入・出力電極の形成を意図する
場合には、より小さい禁止帯幅を取り得る砒化窒化硼素
混晶が好ましく利用できる。成膜の容易さも選択の一指
標である。例えば、分子線エピタキシャル(MBE)法
による成膜では、第V族元素原料の蒸気圧の制御性の制
御性の観点からして一般的には、リンよりも砒素を含む
結晶の成長は容易とされる。従って、MBE法では、リ
ン化窒化硼素混晶よりも砒化窒化硼素混晶が成膜対象と
して好んで選択される傾向にある。詳細には知られてい
ないが、正孔の有効質量の大小は、p形のIII −V族化
合物半導体層を何れの混晶層から構成するのが好都合で
あるかの判断基準となる。ちなみに、砒素硼素(BA
s)の”重い”正孔の有効質量は0.31で、”軽い”
正孔のそれは0.26であるとされる(上記の「III −
V族化合物半導体」、150頁の表7.2参照)。上記
の混晶の発光層やクラッド層或いは反射層等への利用を
考慮する場合は、屈折率などの光物性に関する諸特性値
を基に判断し得る。リン化硼素(BP)の屈折率は3〜
3.5であるとされる(上記の「III −V族化合物半導
体」、150頁の表7.2参照)。
例としては次記のものがある。 (イ)<011>方向に4゜程度のオフアングルを有す
る{001}−Si基板上に、500℃程度の比較的低
温で成膜した層厚が約200Åの窒素組成比を0.03
とするリン化窒化硼素(BN0.03P0.97)混晶からなる
緩衝層と、緩衝層上に重層した格子定数を約4.51Å
とする立方晶のGaN層からなる積層構造体であって、
III −V族化合物半導体からなる緩衝層と緩衝層に重層
させるIII族窒化物半導体層との格子定数を略一致させ
た積層系を含む積層構造体 (ロ){001}−若しくは{111}−GaAs基板
上に、約450℃〜約500℃の比較的低温で成長させ
た層厚を約150Åとし、窒素組成比を0.13とする
砒化窒化硼素(BN0.13As0.87)混晶緩衝層と、緩衝
層上に重層させた数μmの厚さのBN0.13As0.87混晶
層と、同混晶層上に重層した立方晶を主体とするGaN
層とを内包した積層構造体 (ハ)酸化マグシウム(MgO)、SiやGaAs等の
閃亜鉛鉱型の立方晶基板上に成長させた層厚が約500
Å未満の窒素組成比を17%とするBN0.17P0. 83緩衝
層と、緩衝層上に成長させた立方晶を主体とする高抵抗
の窒化アルミニウム(AlN)層とからなる積層系を内
包する電界効果型トランジタ等の母体材料とする積層構
造体 (ニ)3C−SiC及びSiやGaAs等の閃亜鉛鉱型
の立方晶基板上に成長させた層厚が約1500Å未満の
窒素組成比を24%とするBN0.24As0.76緩衝層と、
緩衝層上に成長させた立方晶を主体とする砒素組成比を
約4%とする砒化窒化ガリウム(GaN0.96As0.04)
層と、同層上に重層したインジウム組成比が10%の立
方晶を主体とする窒化ガリウム・インジウム混晶(Ga
0.90In0.10N)とからなる積層系を内包する発光素子
用途の母体材料とする積層構造体など。 また、積層構造体を構成する構成層は、III 族有機化合
物を原料とするMOCVD法、MBE法或いは気体原料
を利用するガスソース(gas−source)MBE
(GSMBE)、三塩化リン(PCl3 )等のIII 族元
素の塩化物を利用するハライド若しくはハイドライド
(hydride)VPE等を利用して成膜できる。
物半導体及びIII 族窒化物半導体からなる積層構造体の
一構成層上には、少なくとも一つのオーミック性電極を
設けてIII 族窒化物半導体素子を構成する。特に、LE
DやLD等の発光素子にあって、導電性の基板を利用す
れば、基板結晶の裏面側( 積層構成層が堆積される被堆
積表面とは反対の一主面)に電極が敷設できる。n形伝
導性を示すn形基板の裏面にはn側電極が形成できる。
p形基板の裏面にはp側電極が敷設できる。電気的な絶
縁体であるサファイアを基板とする従来のLEDやLD
では、双方の電極を同一主面側に設置する必要性から一
電極(多くはn側電極)の形成に必要な面積を発光層か
ら削除する必要があった(図1の積層構造体の断面模式
図に於いて、n側電極を敷設するための”切り欠き”部
がそれに相当する。)。pn接合型の発光デバイスにあ
って、n側及びp側電極の何れか一方のオーミック性電
極を基板裏面側に敷設すれば、発光面積の削減を回避で
き、同一のチップサイズに於いて発光面積を大とする発
光素子が作製できる利点がある。
FETでは、ショットキー(Schottky)型ゲー
ト(gate)電極と共にソース(source)及び
ドレイン(drain)オーミック性電極を同一面側に
設けるのが通例である(Mat.Res.Soc.Sy
mp.Proc.、Vol.449(1997)、98
1〜991頁参照)。この様なオーミック電極の配置を
擁するデバイスにあっても、本発明に係わる積層構成は
優位性を発揮する。例えば、アルミニウム組成比を0.
20とする立方晶を主体とし、格子定数を約4.84Å
とする窒化アルミニウム・ガリウム混晶(Al0.20Ga
0.80N)層上に窒素組成比を0.06とする立方晶のリ
ン化窒化硼素混晶(BN0.06P0.94)層を重層した積層
系を設ける。Al0.20Ga0.80N層は電子供給層とし
て、BN0.06P0.94層はソース/ドレインオーミック電
極形成用の積層構造体の最表層として配置する。即ち、
格子整合の関係を保持しながら、禁止帯幅が約3.65
eVと見積もれる禁止帯幅を大とするIII 族窒化物半導
体層上に、立方晶BNの禁止帯幅を8.0eVとすれば
(上記の「III −V族化合物半導体」、150頁の表
7.2参照)約2.04eVと算出される禁止帯幅を小
とするIII −V族化合物半導体層を積層する構成とす
る。Al0.20Ga0.80N電子供給層には、BN0.06P
0.94 層のリセス(recess)構造を介してゲート
電極を敷設する。BN0.06P0.94 層上には、ソース/
ドレインオーミック電極を敷設する。ゲート電極を禁止
帯幅を比較的大とするAl0.20Ga0.80N層上に敷設す
るため、ショットキー耐圧に優れるゲート電極が形成で
きる。一方、格子整合を保持しながら禁止帯幅を小とす
るBN0. 06P0.94 層上には、接触抵抗が低減された良
好なオーミック特性を有する電極が形成できる。また、
Al0.20Ga0.80N層とBN0.06P0.94層とは格子整合
の関係にあるため、両層の接合によるミスフィット転位
等の結晶欠陥の発生確率は低減される。従って、本発明
に則って積層系を構成すれば、結晶欠陥密度の少ない電
極形成用としてのBN0.06P0.94 層が成膜できる。こ
の状況は結晶欠陥密度が少ないが故に転位等の欠陥を介
してのリーク(leak)電流を減少できるなどのオー
ミック特性を更に向上させる相乗効果を発現する。
例を次に挙げる。 (a)導電性のSi若しくはGaAs単結晶基板表面の
BNPAs混晶からなる緩衝層上に設けたIII −V族化
合物半導体層とIII 族窒化物半導体層とからなるpn接
合を含むヘテロ接合型積層構造体からなる光デバイスで
あって、立方晶基板の裏面側に一つのオーミック電極
を、積層構造体の一層に接してオーミック電極を備えて
なる素子 (b)Si若しくはGaAs単結晶基板表面のBNPA
s混晶からなる緩衝層上に設けたIII −V族化合物半導
体層とIII 族窒化物半導体層とからなるpn接合を含む
ヘテロ接合型積層構造体からなる能動型光デバイスと、
同一基板表面上にBNPAs混晶からなる緩衝層上に設
けたIII −V族化合物半導体層とIII 族窒化物半導体層
とのヘテロ接合型積層構造体からなる受動型光デバイス
と、同一基板上に配置されたこれら能動型及び受動型素
子を駆動するための駆動素子、動作及び信号の入出力を
制御する制御素子等の機能を果たす機能回路素子などを
一体として付帯して備えてなる複合素子 (c)比抵抗を107 Ω・cm以上とするアンドープ半
絶縁性GaAs単結晶基板上に設けた高抵抗の立方晶の
砒化硼素(BAs)緩衝層と緩衝層に格子整合する立方
晶を主体とするインジウム組成比が0.57のn形窒化
ガリウム・インジウム混晶層(Ga0.43In0.57N)を
電子走行層(チャネル層)として備えた積層構造体から
なるFET系デバイスであって、特に、積層構造体の表
面に比較的禁止帯幅を小とする砒化リン化窒化硼素(B
Ni Pj Ask :0<i<1、0≦j、k≦1、i+j
+k=1)混晶からなるコンタクト層上にソース/ドレ
インオ−ミック電極を形成してなるFET (d)伝導性の{001}−GaAs単結晶基板上の窒
素組成比を3%とするリン化窒化硼素(BN0.03
P0.97)緩衝層と、同緩衝層上の立方晶のBN0.03 P0.
97 混晶(格子定数=4.51Å)からなる下地層と、
同下地層上に成長した立方晶の窒化ガリウム(格子定数
=4.51Å)と、同窒化ガリウム層に接合させた立方
晶の窒化ガリウム薄層を障壁層とし、BN0.03 P0.97薄
層を井戸層とする量子井戸構造を含む積層構造体からな
り、上記のGaAs基板の裏面側に一オーミック電極
を、積層構造体の表層側に一オーミック電極を設けてな
るIII 族窒化物半導体素子。
成層としての硼素と窒素と窒素以外の第V族元素からな
るIII −V族化合物半導体層は、立方晶基板と積層構成
層との間の格子不整合性を緩和する作用を有する。III
−V族化合物半導体層はまた、それに重層する層の結晶
系を立方晶を主体とする層となす作用を有する。III −
V族化合物半導体層に更にIII −V族化合物半導体層を
積層させた構造とすることにより、上層の結晶系を立方
晶を優勢として構成することができる。III 族窒化物半
導体に比較すれば小さな禁止帯幅を有するIII −V族化
合物半導体層は、電極を形成するための電極形成層とし
て低接触抵抗のオーミック電極をもたらす作用を有す
る。
半絶縁性(ρ≧107 Ω・cm)の{100}2゜オフ
(off)砒化ガリウム(GaAs)単結晶の表面をプ
ラズマ化させたアンモニアガスで窒化処理した。窒化処
理は周波数を13.56メガヘルツ(MHz)の高周波
印加した50トール未満の真空下で実施した。この窒化
処理を施したGaAs単結晶を基板(110)として、
立方晶の窒化ガリウム系層の成長を促進させるとする砒
素( As)の成長層への拡散による侵入を助長するため
に立方晶の窒化ガリウム系結晶の成長にあっては比較的
高温の800℃で先ず、第1のアンドープの立方晶を主
体とするn形窒化ガリウム・インジウム混晶( Ga0.90
In0.10N)層(111)を積層した。GaInN層は
アンモニア(NH3)を窒素(N)源、トリメチルガリ
ウム((CH3 )3 Ga)をガリウム(Ga)源及びト
リメチルインジウム((CH3 )3 In)をインジウム
源として、通常の常圧MOCVD法で成長させた。キャ
リアガスとして成長反応器内に流通させる水素の流量は
毎分8リットルとし、アンモニアの流量は毎分0.5リ
ットルとした。V/III 比(トリメチルガリウムとトリ
メチルインジウムの総供給量に対するアンモニアの供給
濃度比)は約2800に設定した。成膜は水素気流中で
正確に60分間に亘り実施した。これより、層厚を20
00Åとするインジウム組成比が10%のGa0.90In
0.10N層を得た。引き続き同一の原料を使用して、第1
のGa0.90In0.10N層の表面上に温度750℃でアン
ドープの立方晶を主体とする第2のn形Ga0.90In
0.10N層(112)を積層させた。層厚は2000Åと
した。これより、合計の層厚を4000ÅとするFET
用のn形活性(チャネル)層(113)を形成した。第
1及び第2のGaInN混晶層共に、キャリア濃度は約
1×1017cm-3であった。活性層を薄層に分割して多
段階成長により重層して構成するのは、層厚の増大に伴
い六方晶の結晶の混在比率が増大する傾向にあるため、
成長層内での六方晶の結晶の形成確率を低減するためで
ある。X線回折法による分析結果を基にすれば、GaI
nN層((111)及び(112))内での六方晶Ga
Nの混在比率は約3%未満であると求められた。チャネ
ル層としての室温のHall(ホール)移動度は約60
0cm2 /V・sであった。ちなみに、上記のGaAs
基板上に上記の緩衝層を介さず、直接、成膜したGaI
nN層の室温Hall移動度は約150cm2 /V・s
と低値に留まった。
上には、立方晶の Ga0.90In0. 10N(格子定数=
4.56Å)と格子定数が一致する砒素組成比を約13
%とするn形砒化リン化硼素混層(BP0.87As0.13)
層をオーミック電極形成用層(125)として成長し
た。750℃での同層(125)の成膜時には、体積濃
度にして約5ppmのジシラン(Si2 H6 )を含む水
素ガスをMOCVD反応系に添加した。ジシラン−水素
混合ガスの系内への添加量は、毎分10ccに一般の電
子式質量流量計(MFC)で精密に制御した。珪素(S
i)ドープn形BP0.87As0.13層のキャリア濃度は約
1×1018cm-3で、層厚は約1500Åとした。Si
ドープBP0.87As0.13層については、少なくともX線
精密測定法では六方晶に帰属される回折ピークは観測さ
れなかった。
(Au)・ゲルマニウム(Ge)合金からなるソース及
びドレインオーミック電極((114)及び(11
5))を形成した。ソース/ドレイン電極の中間の領域
は、BP0.87As0.13層を排除して下層のGa0.90In
0.10N活性層(113)の表層部を露呈したリセス部と
なした。リセス部の略中央には、白金(Pt)からなる
ゲート長を約0.8μmのゲート電極(126)を設け
た。以上により、立方晶基板上にIII −V族化合物半導
体としてのBP0.87As0.13層とIII 族窒化物半導体層
としてのGa0.90In0.10N層とを含んでなる積層構造
体からなり、BP0.87As0.13層上に2つのオーミック
電極を備えたIII 族窒化物半導体素子(FET)を構成
した。図3に低雑音型のMESFETの断面構造を模式
的に示す。
を示す。また、比較のために、オーミック電極形成層を
従来の六方晶の窒化ガリウム(禁止帯幅=3.39e
V)から構成した場合のMESFETの直流特性を図5
に示す。双方の静特性を比較すれば、電極形成層を本発
明に係わる禁止帯幅を約1.93eVとする立方晶のB
P0.87As0.13とすることにより、ソース/ドレイン間
の(ドレイン)抵抗が減少し、同一のドレイン電圧に於
けるドレイン電流が増大し、窒化ガリウム系MESFE
Tの主要特性である相互コンダクタンス(gm)を向上さ
せるに効果を奏するのは明瞭である。
1}−珪素(Si)単結晶からなる立方晶の基板(11
0)上に、トリメチル硼素((CH3 )3 B)を硼素
(B)源、ホスフィン(PH3 )をリン(P)源とし
て、通常の常圧MOCVD法により窒素組成比を0.0
3とするリン化窒化硼素(BN0.03P0.97)低温緩衝層
(116)を成膜した。ホスフィンは体積濃度にして約
10%のホスフィン(PH3 )を含むホスフィン−水素
混合ガスより供給した。キャリアガスとして成長反応器
内に流通させる水素の流量は毎分8リットルとし、ホス
フィン(10%)−水素(90%)混合ガスの流量は毎
分1リットルとした。アンモニアガスの供給量流は毎分
0.3リットルとした。成膜は水素気流中で550℃で
正確に3分間に亘り実施した。これより、導電性の立方
晶基板(110)の表面をBN0.03P0.97の単結晶
(粒)の集合体で被覆し、基板との接合界面近傍の領域
を単結晶領域とする全体の層厚を約100Åとする緩衝
層を得た。
構成する立方晶のBN0.03P0.97(格子定数=4.51
Å)と格子定数が一致するn形窒化ガリウム(GaN)
層を下部クラッド層(117)として成長した。ガリウ
ム(Ga)源にはトリメチルガリウム((CH3 )3 G
a)を利用した。同層(117)の成膜時には、体積濃
度にして約5ppmのジシラン(Si2 H6 )を含む水
素ガスをMOCVD反応系に添加した。ジジシラン−水
素混合ガスの系内への添加量は、毎分10ccに一般の
電子式質量流量計(MFC)で精密に制御した。珪素
(Si)ドープn形窒化ガリウム層(117)のキャリ
ア濃度は約1×1018cm-3となった。体積比にして
4:1の水素−アルゴン(Ar)気流中で90分間に亘
り成膜して層厚は約0.8μmとした。尚、上記の立方
晶のBN0.03P0.97緩衝層上に上記と同一の条件で成膜
したSiドープ窒化ガリウム層については、少なくとも
X線精密測定法では六方晶に帰属される回折ピークは観
測されなかった。
リン(燐)とから構成される立方晶のBN0.03P0.97緩
衝層(116)と、これに格子整合する立方晶の窒化ガ
リウム層(117)からなる積層系上に、インジウム組
成比が10%の立方晶を主体とする窒化ガリウム・イン
ジウム混晶(Ga0.90In0.10N)を発光層(118)
として積層した。立方層Ga0.90In0.10Nの格子定数
は4.56Åであり、従って下地層の立方晶窒化ガリウ
ムとの格子不整合度は窒化ガリウムの格子定数を基準日
して約1%である。インジウム源はトリメチルインジウ
ム((CH3 )3 In)とした。層厚は約60Åとし
た。
740℃で、アルミニウム組成比を0.15とする立方
晶を主体とするアンドープn窒化アルミニウム・ガリウ
ム混晶(Al0.15Ga0.85N)層を第1の上部クラッド
層(119)として積層した。アルミニウム源にはトリ
メチルアルミニウム((CH3 )3 Al)を利用した。
層厚は約200Åとした。第1の上部クラッド層(11
9)の上には、同じく740℃でマグネシウム(Mg)
をドーピングした立方晶を主体とするp形窒化ガリウム
からなる第2のクラッド層(120)を積層させた。マ
グネシウム源はビスシクロペンタジエニルMg(bis
−(C5 H5 )2 Mg)とした。層厚は約1000Åと
した。層(120)内のMgの原子濃度は約8×1019
cm-3で、キャリア濃度は約2×1017cm-3であっ
た。
金(Au)からなる円形の台座電極とAuと酸化ニッケ
ルを保護膜とする重層膜構成からなるp形のオーミック
電極(108)を形成した。一方、n形のオーミック電
極(109)は立方晶n形Si基板(110)の裏面側
に”べた”電極として設けた。以上により、立方晶を主
体とするIII −V族化合物半導体としてのBNP混晶を
緩衝層として含み、立方晶を主体とするIII 族窒化物半
導体としてGaN、AlGaN混晶或いはGaInN混
晶をクラッド層或いは発光層として含み、また発光層の
下部に緩衝層と下部クラッド層との格子整合関係を内包
する積層構造体からなり、且つ立方晶基板に一オーミッ
ク電極を配置した発光素子を得た。図6に発光素子の断
面模式図を示す。
1]方向にスクライブラインを入れ、一般的なスクライ
ブ法により一辺を約300μmとする正方形のチップ
(chip)となした。ダイヤモンド構造のSi基板は
元来、[011]方向に劈開性を有する上に、積層構造
体構成層がこれまた[011]方向に劈開性を有する閃
亜鉛鉱型の立方晶であるため、容易に且つチッピング
(欠け)も少なくチップ化が果たせた。積層構造体の上
下に入出力用の各オーミック電極を配置した発光素子チ
ップに順方向に動作電流を通流した。順方向への電流の
通流により青色発光を呈した。発光の中心波長は約43
00Åであり、発光スペクトルの半値幅は約70Åであ
った。近紫外帯領域に副次的な発光スペクトルは特に計
測されず、単色性に優れる発光であった。順方向電流を
20ミリアンペア(mA)とした際のチップ状態での発
光輝度は積分球を利用した測定では、単位面積当たり約
750cd/cm2 となった。本実施例の発光素子は、
サファイアを基板とする従来の青色発光素子とは異な
り、n側電極を敷設するために発光面の一部を切り欠く
必要がないため、発光面積を広く維持できる。これを反
映して発光出力は約540ミリカンデラ(mcd)と優
れたLEDとなった。順方向電圧は20mA通電時に約
4.2ボルト(V)となった。
素(Si)ドープn形砒化ガリウム単結晶基板(11
0)上に三塩化硼素(BCl3 )を硼素(B)源、アン
モニアを窒素源としてまた三塩化砒素(AsCl3 )を
砒素(As)源として、通常の常圧ハライド(hali
de)CVD法により砒化窒化硼素(BN0.15A
s0.85)低温緩衝層(116)を成膜した。キャリアガ
スとして成長反応器内に流通させる水素の流量は毎分8
リットルとし、アルシン(10%)−水素(90%)混
合ガスの流量は毎分0.5リットルとした。V/III 比
(硼素に対する砒素と窒素の合計の供給濃度比)は約2
00に設定した。成膜は水素気流中で430℃で正確に
3分間に亘り実施した。これより、立方晶基板(11
0)の表面をBNAsの単結晶(粒)の集合体で被覆
し、基板との接合界面近傍の領域を単結晶領域とする層
厚を150Åとする緩衝層を得た。
23%とするn形砒化窒化硼素混層(BN0.15A
s0.85)層を緩衝層に接合するIII −V族化合物半導体
層(121)として750℃で成長した。同層(12
1)の成膜時には、体積濃度にして約5ppmのジシラ
ン(Si2 H6 )を含む水素ガスをMOCVD反応系に
添加した。ジシラン−水素混合ガスの系内への添加量
は、毎分10ccに一般の電子式質量流量計(MFC)
で精密に制御した。体積比にして4:1の水素−アルゴ
ン(Ar)気流中で30分間に渡り成膜を継続して、キ
ャリア濃度を約1×1018cm-3とし、層厚を約1000
Åとするn形BN0.15As0.85を成膜した。尚、上記の
立方晶のBN0.15As0.85緩衝層上に上記と同一の条件
で成膜したSiドープBN015 As0.85層については、
少なくともX線精密測定法では六方晶に帰属される回折
ピークは観測されなかった。
(121)上には、格子定数を4.60Åとする立方晶
を主体とするSiドープのn形砒化窒化ガリウム(Ga
N0.92As0.08)層を下部クラッド層(117)として
積層した。成膜は750℃で実施し、層厚は約5000
Åとした。キャリア濃度は約1×1018cm-3とした。
17)上には、インジウム(In)の平均的な組成比を
0.20とする立方晶を主体とするn形窒化ガリウム・
インジウム(Ga0.80In0.20N)発光層(118)を
積層した。発光層の成長はアルゴン気流中で実施した。
発光層の層厚は5nmとした。ガリウム源にはトリメチ
ルガリウムを、インジウム源にはトリメチルインジウム
を各々、利用した。トリメチルガリウムは0℃の恒温に
保持し、それを発泡する(バブリング)する水素の流量
はMFCで毎分1ccに精密に制御した。トリメチルイ
ンジウムは50℃の恒温に保持した。昇華したトリメチ
ルインジウムの蒸気を随伴する水素ガスの流量はMFC
により毎分16ccに設定した。発光層成長時のV/II
I は約3×104 となる様に窒素源であるアンモニアガ
スの流量を設定した。発光層の成長速度は約15Å/分
とした。
(Mg)をドーピングしたアルミニウム組成比を15%
とする窒化アルミニウム・ガリウム混晶層(Al0.15G
a0.85N)を第1の上部クラッド層(119)を積層し
た。成長速度は発光層の場合の約1.5倍に相当する約
30Å/分とした。10分間に亘り成長を継続して約3
00Åの厚さの混晶層を得た。マグネシウムのドーピン
グ源にはビスシクロペンタマグネシウム(bis−(C
5 H5 )2 Mg)を利用した。マグネシウムドーピング
源の反応系への供給量は毎分8×10-6モル( mol)
に設定した。混晶層(119)内のMg原子の濃度は、
一般的なSIMS分析により約6×1019atoms/
cm3 と定量された。引き続き、750℃で水素−アル
ゴン(4:1)混合気流中でMgドープの窒化ガリウム
層(120)を第1の上部クラッド層(119)上に2
0分間に亘り積層した。ガリウム源はトリメチルガリウ
ムとし、Mg源は上記と同様の有機Mg化合物を利用し
た。成長速度は第1の上部クラッド層と同じくに約30
Å/分とした。第2のクラッド層(120)の層厚は約
600Åとした。上記の積層構造体の各構成層の成長終
了後、アルゴンと水素の等体積混合気流にアンモニアガ
スを添加した状態で立方晶基板(110)の温度を75
0℃から600℃に毎分約10℃の速度で降温した。6
50℃から室温へは反応炉内の雰囲気をアルゴン−水素
雰囲気として冷却した。約30℃に至る迄約45分を要
した。
通常の断面TEM技法により積層構成層の結晶構造を加
速電圧200キロボルト(KV)で観察した。立方晶基
板と低温緩衝層との接合界面近傍の領域は電子線回折パ
ターンから単結晶の集合体から構成されているのが明ら
かにされた。低温緩衝層上に積層された各構成層も電子
線回折パターンから立方晶を主体として構成されている
ことが示された。また、発光層の下部の緩衝層、緩衝層
に接合するIII −V族化合物半導体層及び下部クラッド
層は相互に格子整合の関係となる様に構成したため、接
合界面での格子ミスフィットに因る転位の発生、増殖は
殆ど認められなかった。窒化ガリウム・インジウム混晶
からなる発光内部構成も詳細に観察した。発光層層部の
コントラストの存在並びに形状から、発光層内部には略
球状若しくは島状の微結晶体の存在が確認された。略球
状の微結晶体の直径は概ね、約2〜3nm程度であっ
た。島状の微結晶体の大きさも横幅にして概ね、3nm
程度であった。島状の微結晶体は、下部クラッド層と発
光層との界面により多く存在する様に観察された。断面
TEM像の撮像範囲の微結晶体の数から求めた微結晶体
の密度は約1×1017cm-3であった。微結晶体の内部
と外部ではインジウム組成を異にし、もっぱら微結晶体
の内部では外部よりインジウム濃度を大とする傾向があ
るのが認められた。インジウム組成比が約0.3程度の
微結晶体も認められた。更に観察倍率を2×106 倍と
し、微結晶体の周囲の歪層の有無を仔細に検討した。高
倍率で撮像した格子像から、微結晶体の外周囲には微結
晶体の内部とは格子面間隔を異にする歪層の存在が確認
された。歪層は、一様の厚さをもって存在するのではな
かったが、平均すれば10Å程度であった。直径にして
3nmの比較的大きな微結晶体に付随する歪層の厚さ
(幅)は12〜13Åであった。
積層構造体の最表層をなすMgドープGaN層(12
0)上には、窒化ガリウム層に接触する側を金・ベリリ
ウム(Au・Be)合金とし、その上層部を金(Au)
単体とするp形パッド電極(108)を通常の真空蒸着
法を利用して形成した。パッド電極を構成する真空蒸着
膜の厚さは合計で約2μmとした。p形パッド電極は同
層(120)の略中央に配座し、周囲のMgドープ窒化
ガリウム層(120)の表面上には厚さを約100Åと
する金薄膜電極(122)をp形パッド電極に電気的に
導通させて設けた。更に、金薄膜電極(122)の表面
に限り、厚さを約100Åとする透光性であり且つ絶縁
性の高いニッケル(Ni)酸化物薄膜(123)を金薄
膜透光性電極(122)及びMgドープ窒化ガリウム層
(120)の露出面の保護膜として形成した。一方のn
側オーミック電極(109)は、GaAsからなる基板
(110)の裏面側にAu・Ge合金を被着させて形成
した。図7にLEDの平面模式図を掲示する。図8に
は、図7の平面図の破線A−A’に沿った断面構造の模
式図を示す。
流通させてLEDの発光特性を調査した。発光波長は約
490nmとなった。発光スペクトルの半値幅は約60
Åであった。紫外帯、近紫外帯及び黄色、赤色帯に副次
的なスペクトルは出現せず、単色性に優れた発光を呈す
LEDが得られた。順方向電圧はを20mAとした際の
順方向電圧は約4Vであった。LEDを樹脂でモールド
して集光ランプ形状に加工し、一般的な積分球を利用し
て通常に測定した発光出力(発光輝度(cd/cm2 )
×発光面積)は800ミリカンデラ(mcd)と高いも
のとなった。これより、本発明に依れば、緩衝層から発
光層を互いに格子整合の関係にある層を配置した積層構
成が効果を奏し、発光層へのミスフィット転位の伝搬が
極力、抑制されるため結晶欠陥密度が低く、高い発光強
度を帰結する発光層がもたらされることが示された。ま
た、本発明の電極配置法に依れば、従来の如く電極を形
成するために発光面を削除する必要が無く発光面積の広
さが維持でき、本来の発光強度の大きさと相俟って、高
出力の発光素子を得るに優位であるのが提示された。
01}−砒化ガリウム単結晶基板(110)上に、常圧
のMOCVD反応炉内で実施例3に記載の立方晶を主体
とする砒化窒化硼素(BN0.15As0.85)低温緩衝層
(116)、緩衝層に接合するn形の立方晶を主体とす
る砒化窒化硼素混晶(BN0.15As0.85)層(12
1)、格子定数を4.60Åとする立方晶を主体とする
Siドープのn形砒化窒化ガリウム(GaN0.92As
0.08)下部クラッド層(117)、及び立方晶を主体と
するn形窒化ガリウム・インジウム(Ga0.80In0.20
N)発光層(118)を順次、積層させた。
成比が15%の立方晶を主体とするアンドープの高抵抗
窒化アルミニウム・ガリウム混晶層(Al0.15Ga0.85
N)を電流阻止層(124)を積層した。層厚は約10
00Åとした。電流阻止層を構成するAl0.15Ga0.85
N混晶の抵抗率は約103 Ω・cm以上であると見積も
れた。Al0.15Ga0.85N電流阻止層の成膜後、一旦、
アルゴンと水素の等体積混合気流にアンモニアガスを添
加した状態で積層構造体の温度を750℃から600℃
に毎分約10℃の速度で降温した。650℃から室温へ
は反応炉内の雰囲気をアルゴン−水素雰囲気として冷却
した。約30℃に至る迄約45分を要した。
Ga0.85N電流阻止層に公知のフォトリソグラフィー技
術を利用して加工を施した。同層(124)の一部を水
素/アルゴン/メタン混合ガスによりプラズマエッチン
グを施して幅150μmの帯状の開口部を基板(11
0)の<011>方向に沿って設けた。然る後、加工を
施した積層構造体を再び、MOCVD反応炉内に載置
し、水素とアルゴンの等体積混合気流中で750℃に昇
温した。同温度で電流阻止層上にMgをドーピングした
アルミニウム組成比が15%の立方晶を主体とするp形
窒化アルミニウム・ガリウム混晶層(Al0.15Ga0.85
N)を第1の上部クラッド層(119)として積層し
た。上部クラッド層の層厚は約200Åとした。Mgの
ドーピング源にはビスシクロペンタマグネシウム(bi
s−(C5 H5 )2 Mg)を利用した。Mg源の反応系
への供給量は毎分4×10-6モル( mol)に設定し
た。混晶層(119)内のMg原子の濃度は、一般的な
SIMS分析により約2×1019atoms/cm3 と
定量された。キャリア濃度は約4×1016cm-3とし
た。引き続き、第2の上部クラッド層(120)とする
立方晶を主体として構成したMgドープ窒化ガリウム層
を第1の上部クラッド層(119)上に750℃で水素
−アルゴン(4:1)混合気流中で20分間に亘り積層
した。ガリウム源はトリメチルガリウムとし、Mg源は
上記と同様の有機Mg化合物を利用した。第2のクラッ
ド層(120)の層厚は約600Åとし、キャリア濃度
は約2×1017cm-3とした。
立方晶の亜鉛ドープのp形砒化硼素(BAs)層を電極
コンタクト層(125)として積層させた。コンタクト
層のキャリア濃度は約8×1018cm-3とし、層厚は約
1000Åとした。以上により、III −V族化合物半導
体層からなる緩衝層とコンタクト層と、III 族窒化物半
導体層とを備えた積層構成からなる積層構造体を構築し
た。
結晶構造を加速電圧200KV下で観察した。電子線回
折パターンから積層構造体の各構成層は立方晶を主体と
して構成されているのが示された。特に、GaAs基板
と緩衝層の接合界面の領域は単結晶の集合体から構成さ
れていた。また、発光層の下部の緩衝層、緩衝層に接合
するIII −V族化合物半導体層及び下部クラッド層は発
光層と格子整合の関係にある半導体層から構成したた
め、発光層への各構成層間の格子ミスフィットに因る転
位の伝搬が抑制されていた。発光層内部の転位密度は、
サファイアを基板として六方晶の構成層からなる積層構
造体に備えられている発光層の場合に比べて約4〜5桁
低減されているのが認められた。断面TEM像に撮像さ
れた線状の黒色コントラストを転位に起因するものとし
て算出した転位密度は約104 cm-2 から105 cm
-2 となった。実施例3に記述した発光層と同じく、層
内には略球状若しくは島状の微結晶体の存在が確認され
た。
段差のために発生した、最表層をなすMgドープBAs
層(125)表面上の帯状の凹部に対応する位置に線状
(ストライプ)状のp形電極(108)を設けた。p形
電極は幅を180μmとし、合計の膜厚を約1.5μm
とする金/金・亜鉛合金薄膜から構成した。一方、n形
電極(109)は基板の裏面側に”べた”電極として設
けた。n形電極は膜厚を約2μmとする金・ゲルマニウ
ム合金層から構成した。これより、レーザダイオードを
なした。図9にLDの断面模式図を示す。
からなるIII 族窒化物半導体素子にあって、硼素と窒素
と窒素以外の第V族元素からなるIII −V族化合物半導
体層を積層構造体の一構成層、特に緩衝層、緩衝層と接
合をなす接合層或いは電極形成用コンタクト層とするこ
とにより、発光デバイスにあっては特に高発光強度で且
つ単色性に優れる短波長可視光発光素子が提供でき、電
子デバイスにあっては例えば入出力抵抗の低下が達成さ
れるため高い相互コンダクタンスの電界効果型トランジ
スタを提供できる。
窒化物半導体層の積層構造体から構成される従来の発光
素子の断面構造を示す模式図である。
<1、i+j=1)の格子定数の混晶比依存性を示す線
図である。右斜線部はAlGaN混晶が取り得る格子定
数の範囲を示す。左斜線部はGaInN混晶が取り得る
格子定数の範囲を示す。
ンジスタの断面構造を示す模式図であって、特にデバイ
スがIII −V族化合物半導体層からなる緩衝層と電極形
成層とを備えた積層構造体からなることを示す断面構造
図である。
特性を示す模式図である。
形成層を六方晶のp形窒化ガリウム層とした従来の低雑
音型MESFETの直流特性を示す模式図である。
す模式図であって、特に素子用積層構造体がIII −V族
化合物半導体からなる緩衝層を含んでなることを示す断
面模式図である。
す模式図であって、特に素子用積層構造体がIII −V族
化合物半導体からなる緩衝層とそれに接合するIII −V
族化合物半導体接合層を含む構成からなることを示す平
面模式図である。
構造の模式図である。
す模式図であって、特に発振しきい値電圧の低減を期し
て電極形成層を禁止帯を比較的小とするIII −V族化合
物半導体層から構成した例を示すための断面模式図であ
る。
温緩衝層 (103) 六方晶窒化ガリウムからなるn形下部クラ
ッド層 (104) 六方晶窒化ガリウム・インジウムからなる
発光層 (105) 六方晶窒化アルミニウム・ガリウム混晶か
らなるp形上部クラッド層 (106) 六方晶窒化ガリウムからなる電極形成用コ
ンタクト層 (107) 積層構造体 (108) p形電極 (109) n形電極 (110) 立方晶、特に閃亜鉛鉱若しくはダイヤモン
ド構造型の結晶基板 (111) 活性層を構成する立方晶を主体とする半導
体層からなる第1の層 (112) 活性層を構成する立方晶を主体とする半導
体層からなる第2の層 (113) 立方晶を主体とする半導体層から構成した
活性層(チャネル層) (114) ソース(source)電極 (115) ドレイン(drain)電極 (116) 硼素と窒素と窒素以外の第V族元素から構
成される立方晶を主体とするIII −V化合物半導体から
なる低温緩衝層 (117) 立方晶を主体とする半導体材料から構成さ
れる下部クラッド層 (118) 立方晶を主体とする半導体材料から構成さ
れる活性(発光)層 (119) 立方晶を主体とする半導体材料から構成さ
れる第1の上部クラッド層 (120) 立方晶を主体とする半導体材料から構成さ
れる第2の上部クラッド層 (121) III −V族化合物半導体緩衝層に接合する
III −V族化合物半導体からなる接合層 (122) 金(Au)薄膜電極 (123) 酸化ニッケルからなる保護膜 (124) 電流阻止層 (125) オーミック電極形成用コンタクト層 (126) ショットキー型ゲート電極
Claims (3)
- 【請求項1】 立方晶の基板上に、砒化燐化窒化硼素
(BNi Pj Ask 、但し0<i<1、0≦j<1、0
≦k<1、i+j+k=1)よりなる立方晶を主体とし
たバッファ層を形成し、該バッファ層上に、Ala Ga
b Inc Nd M1-d (0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c
≦1、a+b+c=1、Mは窒素以外の第V族元素、0
<d≦1)よりなる立方晶を主体としたエピタキシャル
薄膜を形成したエピタキシャルウェハ。 - 【請求項2】 立方晶の基板上に、砒化燐化窒化硼素
(BNi Pj Ask 、但し0<i<1、0≦j<1、0
≦k<1、i+j+k=1)よりなる立方晶を主体とし
たバッファ層を形成し、該バッファ層上に、Ala Ga
b Inc Nd M1-d (0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c
≦1、a+b+c=1、Mは窒素以外の第V族元素、0
<d≦1)よりなる立方晶を主体としたエピタキシャル
薄膜を形成するエピタキシャルウェハの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載のエピタキシャルウェハを
用いて製造された半導体素子。
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