JPH11130368A - エスカレータの異常検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 管理員によってエスカレータの再起動が可能
な異常停止故障が発生した場合に、管理員が不在でも故
障対応が迅速かつ確実に行なえるエスカレータの異常検
出装置を提供する。 【解決手段】 安全装置が動作してエスカレータ１ａが
停止したとき、演算処理装置２ｃは、安全装置動作検出
部２ａの情報から再起動可能な安全装置が動作した確認
後の出動故障発報と、再起動不可能な安全装置が動作し
た出動故障発報とを区別して監視センタ１ｅへ通報する
ようにし、監視センタ１ｅはこれら発報に基づいて管理
員あるいは保守員へ指示するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エスカレータの異
常検出装置に係わり、特に、エスカレータの故障状態を
電話回線を介して監視センタに通報するエスカレータの
異常検出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のエスカレータの異常検出装置は、
特開平８−３２４９４６号公報に記載のように、エスカ
レータが異常停止故障したとき、安全スイッチ、故障の
分類および一定時間内での再起動の有無により、故障情
報区分を細区分化して保守会社の情報センタへ発報する
ものと発報しないもの、また条件付きで発報するものに
区別している。例えば、管理員によってエスカレータの
再起動が可能な場合は、管理室の故障表示記録装置や電
話機、管理員のポケットベルや第二管理室の電話機のみ
への通報とし、保守会社の情報センタへ発報しないよう
にしている。また、管理員によってエスカレータの再起
動が可能でも一定時間が経過してもエスカレータが再起
動しない場合は、管理室の故障表示記録装置や電話機、
管理員のポケットベルや第二管理室の電話機へ通報する
とともに、異常停止故障発生から一定時間経過後に情報
センタへ発報するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エスカレータの異常検出装置は、管理員によってエスカ
レータの再起動が可能な場合でも、エスカレータが異常
停止故障をしたときに管理員が不在であったり、ポケッ
トベルで受信できない場所にいた場合、管理員にエスカ
レータが異常停止故障したことを知らせることができな
いため、エスカレータをすぐに再起動することができな
い。また、異常停止故障発生から一定時間経過後に保守
会社の情報センタへ発報する場合でも、保守会社の情報
センタへ発報するのは異常停止故障発生から一定時間経
過後であるため、再起動するまでに時間がかかってしま
っていた。

【０００４】本発明の目的とするところは、管理員によ
ってエスカレータの再起動が可能な異常停止故障が発生
した場合、管理員が不在のときでも故障対応が迅速かつ
確実に行なえるエスカレータの異常検出装置を提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、エスカレータに設けられた安全装置が動作
したことを検出する安全装置動作検出部と、この安全装
置動作検出部からの情報を処理する演算処理装置と、こ
の演算処理装置の情報を監視センタへ通報する通報装置
を備えたエスカレータの異常検出装置において、上記演
算処理装置は、上記安全装置が動作してエスカレータが
停止したとき、上記安全装置動作検出部の情報から再起
動可能な安全装置が動作した確認後の出動故障と、再起
動不可能な安全装置が動作した出動故障とを区別して上
記監視センタへ通報するようにしたことを特徴とする。

【０００６】上述したように本発明のエスカレータの異
常検出装置は、エスカレータが異常停止故障したとき、
エスカレータの再起動が管理員によって可能な確認後の
出動故障でも不可能な出動故障に区別するが、通報形態
を変えずに監視センタへ通報するようにしたため、監視
センタでは、例えば、確認後の出動故障であっても管理
員が不在の場合には保守員に出動の指示をすることがで
きるので、迅速かつ確実に異常停止故障の対応を行なう
ことができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。図１は本発明の一実施の形態による
エスカレータの異常検出装置の全体構成図である。エス
カレータ１ａは、機械室に設置されたエスカレータの制
御盤１ｂに接続されたエスカレータ異常検出制御装置１
ｃによって監視されており、このエスカレータの異常検
出制御装置１ｃは電話回線１ｄを介して監視センタ１ｅ
に接続されている。

【０００８】図２は図１に示したエスカレータの制御盤
１ｂおよびエスカレータの異常検出装置１ｃの構成を示
すブロック図である。エスカレータの制御盤１ｂには、
エスカレータ１ａの各種安全装置が動作したことを検出
する安全装置動作検出部２ａと、エスカレータ１ａの運
転状態を検出する運転状態検出部２ｂが設けられてい
る。また、エスカレータの異常検出制御装置１ｃは、安
全装置動作検出部２ａで検出した情報を必要に応じて記
憶する記憶部２ｄと、エスカレータ１ａが起動してから
停止するまでの時間をカウントするタイマ部２ｅと、安
全装置動作検出部２ａおよび運転状態検出部２ｂで検出
した情報と記憶部２ｄとタイマ２ｅからの情報を処理す
る演算処理装置２ｃと、演算処理装置２ｃで処理された
情報を電話回線等の通信回線１ｄを介して監視センタ１
ｅに通報する通報装置２ｆとで構成されている。

【０００９】次に、上述したエスカレータの異常検出装
置の動作を、図３に示したフローチャートで説明する。
今、何れかの安全装置が作動すると、ステップＳ３ａで
この安全装置が動作したことを確認し、次に、ステップ
Ｓ３ｂでエスカレータ１ａが停止したかを確認して、停
止しているならステップＳ３ｃで動作した安全装置をエ
スカレータの異常検出制御装置１ｃ内に設けた記憶部２
ｄに記憶する。その後、ステップＳ３ｄで、エスカレー
タの異常検出制御装置１ｃ内に設けた演算処理装置２ｃ
は、記憶部２ｄの情報をもとに、作動した安全装置が再
起動可能な安全装置か否かの判定を行ない、作動した安
全装置が再起動不可能なものであると判定したならば、
次のステップＳ３ｅで、エスカレータの異常検出制御装
置１ｃ内に設けた通報装置２ｆにより通信回線１ｄを介
して監視センタ１ｅへ出動故障発報をする。この発報を
受信した監視センタ１ｅのセンタ員は、ステップＳ３ｆ
で保守員へ出動指示を行ない、この出動指示を受けた保
守員は、直ちに再起動不可能な安全装置が作動したエス
カレータの停止故障復旧作業を行なう。

【００１０】一方、ステップＳ３ｄで再起動可能な安全
装置が作動していたと判定したならば、ステップＳ３ｉ
で、通報装置２ｆは通信回線１ｄを介して監視センタ１
ｅへ確認後の出動故障発報を行なう。これを受信した監
視センタ１ｅのセンタ員は、ステップＳ３ｊで管理員と
連絡をとるが、管理員が不在等で連絡がとれないことを
確認した場合、ステップＳ３ｆで保守員への出動指示を
行なう。また、ステップＳ３ｊで管理員と連絡がとれば
場合は、ステップＳ３ｋで管理員へ停止故障復旧作業の
指示を行なう。

【００１１】このようにエスカレータ１ａが異常停止故
障したとき、エスカレータ１ａの再起動が管理員によっ
て可能な場合と、不可能な場合との通報形態を変えず
に、エスカレータ１ａの安全装置が動作してエスカレー
タ１ａが停止したときには全て監視センタ１ｅへ通報す
るようにしたので、管理員によってエスカレータ１ａの
再起動が可能でも管理員が不在のときは、監視センタ員
が保守員へ出動の指示をすることができるので、確実に
異常停止故障の対応を行なうことができる。

【００１２】次に、指示を受けた管理員あるいは保守員
による停止故障復旧作業後の動作について図４のフロー
チャートを用いて説明する。管理員あるいは保守員は、
ステップＳ４ａで停止故障復旧作業を行なってその作業
が完了したら、ステップＳ４ｂでエスカレータを再起動
させ、ステップＳ４ｃでエスカレータが再起動するか否
かを確認する。その結果、エスカレータが再起動しない
場合は、ステップＳ４ａに戻り停止故障復旧作業を再度
行なう。

【００１３】一方、ステップＳ４ｃで再起動したことを
確認した場合、ステップＳ４ｄでエスカレータの異常検
出制御装置１ｃのタイマ２ｅのカウントを開始させる。
このタイマ２ｅは、エスカレータが起動したことをエス
カレータの制御盤１ｂ内の運転状態検出部２ｂが検出し
たときにカウントを開始し、エスカレータが停止したこ
とを運転状態検出部２ｂが検出したときに停止するよう
にしている。タイマ２ｅがカウントを開始するとステッ
プＳ４ｅでは、このタイマ２ｅが所定時間経過したかを
演算処理装置２ｃで判定し、所定時間が経過しないで運
転状態検出部２ｂがエスカレータの停止を検出したとき
はステップＳ４ａに戻って、故障復旧作業を行なう。

【００１４】しかし、ステップＳ４ｅで所定時間が経過
したと判定した場合は、復旧したと判定してステップＳ
４ｆに進み、上述のステップＳ３ｃで記憶部２ｄに記憶
させた安全装置の情報を演算処理装置２ｃが読み出す。
次にステップＳ４ｇでは、演算処理装置２ｃで読み出し
た情報が再起動可能な安全装置であるか否かを判定し、
再起動不可能な安全装置である場合、通報装置２ｆはス
テップＳ４ｈで出動故障復旧発報を電話回線１ｄを介し
て監視センタ１ｅへ通報し、同時に、ステップＳ４ｉで
記憶部２ｄに記憶された安全装置の情報をクリアする。
また、ステップＳ４ｇで再起動可能な安全装置であると
判定した場合は、ステップＳ４ｊで、確認後の出動故障
復旧発報を通報装置２ｆから電話回線１ｄを介して監視
センタ１ｅへ通報し、同時に、ステップＳ４ｉで記憶部
２ｄに記憶された安全装置の情報をクリアする。従っ
て、監視センタ１ｅのセンタ員は、受信した出動故障復
旧発報あるいは確認後の出動故障復旧発報によって復旧
作業が完了したことを知ることができる。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によるエスカ
レータの異常検出装置は、エスカレータが異常停止故障
したとき、エスカレータの再起動が管理員によって可能
な場合も不可能な場合も通報形態を変えずに全て監視セ
ンタへ通報するようにしたため、監視センタで管理員が
不在であることを確認したときでも、保守員へ出動の指
示をすることができるので、迅速かつ確実に異常停止故
障の対応を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態によるエスカレータの異
常検出装置の要部を示すブロック図である。

【図２】図１に示したエスカレータの異常検出装置の全
体構成を示す概略構成図である。

【図３】図１に示したエスカレータの異常検出装置にお
けるエスカレータの異常停止検出から故障復旧作業まで
の動作を示すフローチャートである。

【図４】図１に示したエスカレータの異常検出装置にお
ける停止故障復旧作業後の動作を示すフローチャートで
ある。

【符号の説明】

１ａ エスカレータ １ｄ 通信回線 １ｅ 監視センタ ２ａ 安全装置動作検出部 ２ｂ 運転状態検出部 ２ｃ 演算処理装置 ２ｅ タイマ ２ｆ 通報装置

フロントページの続き (72)発明者 京家 朝紀 東京都千代田区神田錦町１丁目６番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 竹井 智也 東京都千代田区神田錦町１丁目６番地 株 式会社日立ビルシステム内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エスカレータに設けられた安全装置が動
   作したことを検出する安全装置動作検出部と、この安全
   装置動作検出部からの情報を処理する演算処理装置と、
   この演算処理装置の情報を監視センタへ通報する通報装
   置を備えたエスカレータの異常検出装置において、上記
   演算処理装置は、上記安全装置が動作してエスカレータ
   が停止したとき、上記安全装置動作検出部の情報から再
   起動可能な安全装置が動作した確認後の出動故障と、再
   起動不可能な安全装置が動作した出動故障とを区別して
   上記監視センタへ通報するようにしたことを特徴とする
   エスカレータの異常検出装置。
2. 【請求項２】 エスカレータに設けられた安全装置が動
   作したことを検出する安全装置動作検出部と、上記エス
   カレータの運転状態を検出する運転状態検出部と、上記
   安全装置動作検出部と上記運転状態検出部の情報を処理
   する演算処理装置と、この演算処理装置の情報を監視セ
   ンタへ通報する通報装置を備えたエスカレータの異常検
   出装置において、所定時間をカウントするタイマを設
   け、上記演算処理装置は、上記安全装置が動作してエス
   カレータが停止したとき、上記安全装置動作検出部の情
   報から再起動可能な安全装置が動作した確認後の出動故
   障と、再起動不可能な安全装置が動作した出動故障とを
   区別して上記監視センタへ通報するようにし、また上記
   演算処理装置は、上記安全装置の動作が解除してエスカ
   レータが起動してから上記タイマが所定時間を経過した
   とき、上記確認後の出動故障および上記後者の出動故障
   の復旧発報を行なうようにしたことを特徴とするエスカ
   レータの異常検出装置。