JPH1112471A - フッ素樹脂系表面層を有する定着ロール用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物 - Google Patents

フッ素樹脂系表面層を有する定着ロール用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物

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JPH1112471A
JPH1112471A JP9185863A JP18586397A JPH1112471A JP H1112471 A JPH1112471 A JP H1112471A JP 9185863 A JP9185863 A JP 9185863A JP 18586397 A JP18586397 A JP 18586397A JP H1112471 A JPH1112471 A JP H1112471A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素樹脂系表面層と芯金間とを強力に接着
し、長期の使用においても剥離を起こし難い耐久性のあ
る、フッ素樹脂系表面層を有する定着ロール用液状付加
硬化型シリコーンゴム組成物及びその硬化物層を有する
定着ロールを提供する。 【解決手段】 前記組成物はa)アルケニル基含有オル
ガノポリシロキサン、b)珪素原子に結合した水素原子
を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジ
エンポリシロキサン、c)白金系触媒、d)充填剤、
e)トリアルコキキシシリル基、グリシジル基等の接着
性官能基を有する接着付与成分を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芯金上にフッ素樹
脂系表面層を有する定着ロールの芯金とフッ素樹脂表面
層間の接着用の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物及
びその硬化物層を有する定着ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、レーザービームプリンタ
ー、FAXなどでは定着ロールとしては、円柱状の金属
芯金上にシリコーンゴム表面層を有するものが使用され
ている。表面層にシリコーンゴムを使用するのは、シリ
コーンゴムのトナーに対する離型性、耐熱性、圧縮永久
歪などが他のゴム材料に比較して優れているからであ
る。
【0003】一方、近年この種の機器の高速化に伴い、
トナーの離型性を向上させる目的でシリコーンオイル
(いわゆるフューザーオイル)をロール表面に供給する
オイル供給が行われ、また高速時の定着に要する時間を
増加させて定着幅(ニップ幅)を確保する目的でゴム材
料の低硬度化が行われている。
【0004】しかしながら、シリコーンゴムは元々シリ
コーンオイルと同質のものであり、更に低硬度化するこ
とにより、供給されるシリコーンオイルで表面層が膨潤
するという問題が生じている。
【0005】これらを解決する方法として、低硬度のシ
リコーンゴム又はシリコーンゴム発泡体製の表面層をフ
ッ素ゴムラッテクスのコーティング或いはフッ素樹脂チ
ューブで作られた可とう性の被膜で覆うことが行われて
いる。
【0006】この方法により表面層の膨潤という問題は
解決されるが、機器の高速化に伴い、フッ素ゴム及び/
又はフッ素ゴムラテックスの被膜又はフッ素樹脂チュー
ブとシリコーンゴム層間、又はシリコーンゴム層と芯金
間、或いはその両方の接着界面が、高温及び変形によっ
て生じる応力に長期間耐えられないのが実情である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来技
術における以上のような問題を解決し、フッ素ゴム及び
/又はフッ素ゴムラテックスの被膜又はフッ素樹脂チュ
ーブからなるフッ素樹脂系表面層と芯金間とを強力に接
着し、長期の使用においても剥離を起こし難い耐久性の
ある、フッ素樹脂系表面層を有する定着ロール用液状付
加硬化型シリコーンゴム組成物及びその硬化物層を有す
る定着ロールを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、 a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、 b)珪素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくと
も2個有するオルガノハイドロジエンポリシロキサン、 c)白金系触媒、 d)充填剤、及び e)接着付与成分 を含有する、フッ素樹脂系表面層を有する定着ロール用
液状付加硬化型シリコーンゴム組成物及びその硬化物層
を有する定着ロールが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明のシリコーンゴム組
成物に使用される各成分について説明する。 a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン 本発明に使用されるa)成分のアルケニル基含有オルガ
ノポリシロキサンは、通常の液状付加硬化型シリコーン
ゴム組成物に主原料(ベースポリマー)として使用され
ている公知のオルガノポリシロキサンである。
【0010】このようなオルガノポリシロキサンは、一
般に平均組成式RaSiO(4-a)/2(但し、Rは、通常炭
素数1〜10、特には炭素数1〜6の置換又は非置換の
1価炭化水素基を表し、これは分子中のシロキサン構造
を形成するケイ素原子に結合するものである。またaは
1.9〜2.4、特には1.95〜2.05の数であ
る。)で示され、珪素原子に結合したアルケニル基を2
個以上有し、且つ25℃における粘度が100〜10
0,000cP、好ましくは500〜50,000cP
のものである。
【0011】前記組成式において、Rはメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチ
ル、ヘキシル、シクロヘキシル等のアルキル基;ビニ
ル、アリル、プロぺニル、イソプロペニル、ブテニル等
のアルケニル基;フェニル、トリル、キシリル等のアリ
ール基;ベンジル、フェニルエチル等のアラルキル基;
及びクロロメチル、ブロモエチル、3,3,3−トリフ
ルオロプロピル、シアノエチル等のハロゲン置換−又は
シアノ基置換炭化水素基から選ばれ、各置換又は非置換
の1価炭化水素基は、異なっていても同一であってもよ
い。ここでアルケニル基としては、ビニル基が好まし
く、また、その他の炭化水素基としては、メチル基、フ
ェニル基及びトリフルオロプロピル基が好ましい。な
お、1分子中に2個以上含有されるアルケニル基は分子
鎖両端のケイ素原子或いは分子鎖途中のケイ素原子のい
ずれに結合したものであっても、或いは両者に結合した
ものであってもよいが、シリコーンゴム硬化物の物性等
の点から、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合
したアルケニル基を含有するものであることが好まし
い。
【0012】このオルガノポリシロキサンは直鎖状であ
っても、或いはRSiO3/2単位及び/又はSiO4/2
位を含む分岐状であってもよいが、通常は主鎖がジオル
ガノシロキサン単位(R2SiO2/2単位)の繰り返しか
らなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R3
SiO1/2単位)で封鎖された、直鎖状のジオルガノポ
リシロキサンであることが好ましい。
【0013】a)成分のオルガノポリシロキサンは公知
の方法に従って製造することができ、例えば、オルガノ
シクロポリシロキサンとヘキサオルガノジシロキサンと
をアルカリ又は酸触媒の存在下に平衡化反応を行うこと
によって得られる。a)成分の具体例としては、
【0014】
【化1】 等が挙げられる。ここでRは、上記の非置換又は置換の
1価炭化水素基と同じであり、またn,mはそれぞれ上
記の粘度を与える正の整数である。
【0015】b)オルガノハイドロジエンポリシロキサ
本発明に使用されるb)成分のオルガノハイドロジエン
ポリシロキサンはa)成分と反応し、架橋剤として作用
する化合物である。このオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンは、例えば平均組成式R’cdSiO
(4-c-d)/2(但し、 R’は脂肪族不飽和基を除く、非置
換又は置換の1価炭化水素基であり、cは0.8〜2、
dは0.01〜1、c+dは0.81〜3)で表され、
25℃における粘度が0.1〜500cP、特には0.
5〜100cP程度のものが挙げられる。その分子構造
に特に制限はなく、従来の液状付加硬化型シリコーンゴ
ム組成物に通常使用されるものと同様、例えば線状、環
状、分岐状及び三次元網状(レジン状)構造等各種のも
のが使用可能であるが、珪素原子に結合した水素原子
(即ち、SiH基)を1分子中に少なくとも2個、好ま
しくは3個以上含む必要がある。また、この化合物の水
素原子以外の珪素原子に結合する1価の有機基(例えば
上記平均組成式におけるR’基)としては、a)成分の
オルガノポリシロキサンにおける置換又は非置換の1価
炭化水素基と同様のものが挙げられるが、特にアルケニ
ル基等の脂肪族不飽和基を除く、置換又は非置換の1価
炭化水素基、特にはメチル基、フェニル基、トリフルオ
ロプロピル基が好ましい。
【0016】このb)成分の添加量は、a)成分に含ま
れるアルケニル基1個に対して、b)成分に含まれる珪
素原子に結合した水素原子(SiH基)の数が通常0.
4〜5.0、好ましくは0.8〜2.0の範囲となる量
である。この添加量が少なすぎると、架橋密度が低くな
りすぎ、その結果、硬化したシリコーンゴムの耐熱性に
悪影響を与えることがある。また多すぎると、脱水素反
応による発泡の問題が生じたり、或いは同様に耐熱性に
悪影響を与える恐れがある。
【0017】b)成分も公知の方法によって製造するこ
とができ、通常は例えば、オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン及び/又はテトラメチルシクロテトラシロキサ
ンと、末端基となり得る、トリメチルシロキシ基、ハイ
ドロジェンジメチルシロキシ基等の単位を含む、例えば
ヘキサメチルジシロキサン又は1,1′−ジヒドロ−
2,2′,3,3′−テトラメチルジシロキサン等の化
合物とを硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタン
スルホン酸等の触媒の存在下に−10〜+40℃程度の
温度で平衡化反応させることにより容易に得ることがで
きる。
【0018】c)白金系触媒 本発明で使用されるc)成分の白金系触媒は、前記した
a)成分とb)成分との付加硬化反応(ヒドロシリル
化)を促進させるための触媒で、公知のものでよい。従
って、c)成分としては白金ブラック;塩化白金酸;塩
化白金酸のアルコール変性物;塩化白金酸とオレフィ
ン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアル
コール類等との錯体等の白金化合物;及びロジウム、パ
ラジウム等の白金族金属を含有する化合物等が例示され
る。なお、この添加量は希望する硬化速度に応じて適宜
増減すればよいが、通常はa)成分に対して白金換算量
で0.1〜1000ppm、好ましくは1〜200pp
mの範囲である。
【0019】d)充填剤 d)成分の充填剤は液状付加硬化型シリコーンゴム組成
物に所定の硬度及び引張り強さなどの物理的強度を付与
する物質である。このような充填剤としては、従来、シ
リコーンゴム組成物に通常使用されるものでよい。具体
的には、例えばヒュームドシリカ、結晶性シリカ、石英
粉、沈降性シリカ、疎水化処理したシリカなどのシリカ
系充填剤が挙げられ、これらは1種単独でも或いは2種
以上組み合わせて使用してもよい。市販品では、親水性
のシリカとして、Aerosil130,200,30
0(日本アエロジル社、Degussa社製)、Cab
osil MS−5、MS−7(Cabot社製)、R
heorosil QS−102,103(徳山曹達社
製)、Nipsil LP(日本シリカ製)等が挙げら
れる。また疎水性シリカとして、Aerosil R−
812,R−812S,R−972、R−974(De
gussa社製)、RheorosilMT−10(徳
山曹達社製)、Nipsil SSシリーズ(日本シリ
カ製)などが挙げられ、更に結晶性シリカとして、クリ
スタライト、Minusil,lmisilなどが挙げ
られる。d)成分の充填剤の配合量は、a)成分100
重量部に対して、好ましくは5〜300重量部、より好
ましくは20〜200重量部である。
【0020】e)接着付与成分 本発明に使用されるe)成分の接着付与成分は従来公知
の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物に通常使用され
るものでよい。この接着付与成分としては、分子中にビ
ニル基、(メタ)アクリロキシプロピル基等の脂肪族不
飽和性官能基、又はグリシドキシプロピル基,3,4−
エポキシシクロヘキシルエチル基等のエポキシ官能性基
を有するトリアルコキシシランの他、1分子中に少なく
とも1個、好ましくは2個以上のケイ素原子結合水素原
子(即ち,SiH基)を有すると同時に、ケイ素原子に
結合する1価の基として、グリシドキシプロピル基、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基等のエポキシ
官能性基;トリメチルシリルエチル基、トリエチルシリ
ルエチル基等のトリアルコキシシリル官能性基;トリ
(イソプロペノキシ)シリルエチル基、トリ(イソプロ
ペノキシ)シリルプロピル基等のトリアルケノキシシリ
ル官能性基;アセトキシプロピル基、アセトキシエチル
基等のエステル官能性基;−(CH2)3−OCONH−(CH2)3−S
i(OCH3)3、−(CH2)2−COO−(CH2)3−Si(OCH3)3、―(C
H2)3―OCO−(CH2)3―COO−(CH2)3―Si(OCH3)3等のエス
テル官能性基、アミド官能性基、トリアルコキシシリル
官能性基等の2種以上の構造を有する複合官能性基;及
びカルボン酸無水物基等の酸無水物官能性基から選ばれ
る少なくとも1種、好ましくは同一又は異種の2個以上
の1価の官能性基を有する、官能性基含有オルガノハイ
ドロジェンシロキサンオリゴマーが挙げられる。この場
合、上記シロキサンオリゴマー中のシロキサン構造を構
成するケイ素原子数は2〜10個程度のものが使用さ
れ、シロキサンの分子構造は直鎖状でも環状でもよい
が、特にテトラシクロシロキサン(シロキサン環状4量
体)が好適に使用される。
【0021】また接着性付与成分としては、上記の官能
性基含有トリアルコキシシランと官能性基含有オルガノ
ハイドロジェンシロキサンオリゴマーとを組み合わせて
組成物に配合することが接着性向上の点から好ましい。
このようなオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合
物としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
【0022】
【化2】 上記例示のような接着性官能基、例えばトリアルコキシ
シリル基、グリシジル基、酸無水物基等の基を有する化
合物は、フッ素樹脂系表面層、即ちフッ素ゴム及び/又
はフッ素ゴムラテックスの被膜又はフッ素樹脂チューブ
を有する定着ロールのフッ素樹脂系表面層と芯金間の接
着に有用である。
【0023】e)成分の配合量はa)成分100重量部
に対して0.5〜50重量部が好ましく、より好ましく
は1〜15重量部である。なお、上記例示した化合物を
e)成分として含む液状シリコーンゴム組成物を用い、
金型等の成形治具で定着ロールに成形加工すると、この
成形治具に前記成分が接着することがある。この場合は
成形治具の表面に、チタン合金、テフロン樹脂等、接着
性に乏しい素材をコーティングすることが好ましい。
【0024】添加剤 本発明の組成物には、必要に応じて従来のシリコーンゴ
ム組成物に使用される各種添加剤を添加することができ
る。
【0025】例えば、硬化時間の調整を行う(例えば常
温での可使時間を延長させるなど)ための制御剤とし
て、ビニルシクロテトラシロキサンのようなビニル基含
有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレー
ト、アルキルマレエート、アセチレンアルコール類(例
えばアセチレンアルコール、1−エチニル−1−シクロ
ヘキサノールなど)並びにそのシラン及びシロキサン変
性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレン
ジアミン、ベンゾトリアゾール及びそれらの混合物など
を添加してもよい。
【0026】更に珪藻土、炭酸カルシム等の非補強性の
充填剤;コバルトブルーのような無機顔料、有機染料な
どの着色剤;酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、
ベンガラ酸化チタン、カーボンブラック等の耐熱性・難
燃性向上剤などの添加も可能である。
【0027】液状付加硬化型シリコーンゴム組成物の使
用法及び定着ロール 本発明の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物は、前述
のように芯金上にフッ素樹脂系表面層を有する定着ロー
ルの芯金とフッ素樹脂表面層間の接着に使用される。こ
の組成物を用いて定着ロールを製造するには、表面層の
材料にフッ素樹脂チューブを用いる場合は、芯金及びフ
ッ素樹脂チューブを成形型にセットした後、本発明の液
状シリコーンゴム組成物を注入すると同時に加熱硬化さ
せて、フッ素樹脂チューブと芯金間をシリコーンゴム硬
化物で接着すればよい。また、表面層の材料にフッ素ゴ
ム及び/又はフッ素ゴムラテックスを用いる場合は、芯
金とテフロンメッキしたロール金型中に本発明の液状シ
リコーンゴム組成物を注入し、加熱硬化させてシリコー
ンゴム組成物の硬化物を形成し、その上にフッ素ゴム及
び/又はフッ素ゴムラッテクスを塗布、乾燥してフッ素
樹脂の塗膜を形成し、加熱硬化させてシリコーンゴム硬
化物で接着すればよい。
【0028】ここで、定着ロールに使用される芯金は、
鉄、アルミニウム、ステンレスなどのいずれの材質のも
のでもよい。また、プライマー処理をした芯金を使用し
てもよい。
【0029】また定着ロールの表面層の材料としては、
フッ素ゴムラテックス〔例えばポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)ラテックス〕及びフッ素樹脂チューブ
〔例えばポリテトラフルオロエチレンチューブ、パーフ
ルオロアルキルエーテル樹脂(PFA)チューブ〕が使
用できる。これらは市販品として入手し得る。
【0030】なお、芯金及び/又はフッ素ゴム塗膜もし
くはフッ素樹脂チューブとシリコーンゴム組成物との接
触面はコロナ放電、ナトリウムナフタレン法、スパッタ
エッチング法、液体アンモニア法などの表面処理法によ
り、シリコーンゴム硬化物の接着に有利にすることが好
ましい。更に接着耐久性を向上させるために、前記接触
面にプライマー処理を施してもよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1 分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された2
5℃での粘度が10,000cPのジメチルポリシロキ
サン100重量部、比表面積が300cm2/gの煙霧
質シリカ40重量部、ヘキサメチルジシラザン8重量
部、及び水1重量部をニーダーに仕込み、常温で1時間
撹拌混合した後、150℃で2時間加熱、混合した。そ
の後、混合物を常温迄冷却し、前記と同じジメチルポリ
シロキサンを更に20重量部、下記式
【0032】
【化3】 で表される25℃での粘度が約10cPのメチルハイド
ロジエンポリシロキサンを3重量部、分子鎖途中の珪素
原子に結合したビニル基〔−Si(CH3)(CH=CH2)O−単位〕
を5モル%と、ジメチルシロキサン単位〔−Si(CH3)2O
−〕を95モル%含有する25℃での粘度が1,000
cPの直鎖状ビニルメチルポリシロキサンを4重量部、
制御剤としてアセチレンアルコールを0.1重量部、及
び塩化白金酸・ビニルシロキサン錯体を白金換算量で5
0ppm添加し、均一になるまでよく混合し、更に下式
(1)及び(2)の接着付与成分を各々1重量部混合し
て、液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を製造した。
これを液状組成物1とした。
【0033】
【化4】
【0034】
【化5】 また、上記2種の接着付与成分を使用しない他は、同様
にして液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を製造し
た。これを比較液状組成物1とした。
【0035】実施例2 25℃での粘度が10,000cPの分子鎖両末端トリ
メチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニ
ルシロキサン共重合体100重量部、結晶性シリカ(平
均粒径5μm)35重量部、実施例1と同じメチルハイ
ドロジエンポリシロキサン3.1重量部、白金触媒(塩
化白金酸のビニルシロキサン錯体溶液、Pt濃度1%)
0.2重量部、及び制御剤として1−エチニル−1−シ
クロヘキサノール0. 1重量部を混合し、更に実施例
1で用いた式(1)及び(2)の接着付与成分を各々1
重量部混合して、液状付加硬化型シリコーンゴム組成物
を製造した。これを液状組成物2とした。また、上記2
種の接着付与成分を使用しない他は、同様にして液状付
加硬化型シリコーンゴム組成物を製造した。これを比較
液状組成物2とした。
【0036】実施例3 25℃での粘度が10,000cPの分子鎖両末端ビニ
ルジメチルシリル基封鎖のジメチルポリシロキサン10
0重量部、結晶性シリカ(平均粒径5μ)35重量部、
実施例1と同じメチルハイドロジエンポリシロキサン
3.1重量部、実施例2と同じ白金触媒0.2重量部、
制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール
0.1重量部を混合し、更に下式(3)及び(4)の接
着付与成分を各々2重量部混合して、液状付加硬化型シ
リコーンゴム組成物を製造した。これを液状組成物3と
した。
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】 また、上記2種の接着付与成分を使用しない他は、同様
にして液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を製造し
た。これを比較液状組成物3とした。次に以上の液状組
成物を用いてPTFE表面層及びPFA表面層を有する
定着ロールを作製した実施例を示す。
【0039】実施例4 実施例1で調製した液状組成物1を直径10mm×長さ
300mmのアルミニウムシャフト上と内面をコロナ処
理した50μm厚のフッ素PFAチューブ間に充填し、
150℃で30分加熱してプレキュアーし、更に200
℃で4時間加熱してポストキュアーし、定着ロールを作
製した。これをPPC複写機の定着ロールとして組み込
み、10万枚複写したところ、良好な複写物が得られ、
芯金とPFAチューブ間はシリコーンゴム硬化物で強固
に接着していた。
【0040】実施例5 実施例1で調製した液状組成物1を、表面に付加反応型
液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B
(信越化学工業製)を塗布した直径10mm×長さ30
0mmのアルミニウムシャフト上と内面をコロナ処理及
びプライマー処理した50μm厚のPFAチューブ間に
充填し、150℃で30分加熱してプレキュアーし、更
に200℃で4時間加熱してポストキュアーし、定着ロ
ールを作製した。これをPPC複写機の定着ロールとし
て組み込み、15万枚複写を行ったところ、良好な複写
物が得られ、芯金とPFAチューブ間はプライマーを介
してシリコーンゴム硬化物で強固に接着していた。
【0041】実施例6 実施例2で調製した液状組成物2を直径10mm×長さ
300mmのアルミニウムシャフト上と内面をコロナ処
理した50μm厚のPFAチューブ間に充填し、150
℃で30分加熱してプレキュアーし、更に200℃で4
時間加熱してポストキュアーし、定着ロールを作製し
た。これをPPC複写機の定着ロールとして組み込み、
5万枚複写を行ったところ、良好な複写物が得られ、芯
金とPFAチューブ間はシリコーンゴム硬化物で強固に
接着していた。
【0042】実施例7 実施例3で調製した液状組成物3を直径10mm×長さ
300mmのアルミニウムシャフト上と内面をコロナ処
理した50μm厚のPFAチューブ間に充填し、150
℃で30分加熱してプレキュアーし、更に200℃で4
時間加熱してポストキュアーし、定着ロールを作製し
た。これをPPC複写機の定着ロールとして組み込み、
7万枚複写を行ったところ、良好な複写物が得られ、芯
金とPFAチューブ間はシリコーンゴム硬化物で強固に
接着していた。
【0043】比較例1 実施例1で調製した比較液状組成物1を、付加反応型液
状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信
越化学工業製)を塗布した直径10mm×長さ300m
mのアルミニウムシャフト上と内面をコロナ処理及びプ
ライマー処理した50μm厚のPFAチューブ間に充填
し、150℃で30分加熱してプレキュアーし、更に2
00℃で4時間加熱してポストキュアーし、定着ロール
を作製した。これをPPC複写機の定着ロールとして組
み込み、10万枚複写を行ったところ、芯金もPFAチ
ューブもシリコンゴム硬化物から剥離していた。
【0044】比較例2 実施例2で調製した比較液状組成物2を、付加反応型液
状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信
越化学工業製)を塗布した直径10mm×長さ300m
mのアルミニウムシャフト上と内面をコロナ処理及びプ
ライマー処理した50μm厚のPFAチューブ間に充填
し、150℃で30分加熱してプレキュアーし、更に2
00℃で4時間加熱してポストキュアーし、定着ロール
を作製した。これをPPC複写機の定着ロールとして組
み込み、5万枚複写を行ったところ、芯金もPFAチュ
ーブもシリコーンゴム硬化物から剥離していた。
【0045】比較例3 実施例3で調製した比較液状組成物3を、表面にチタン
系プライマーを塗布した直径10mm×長さ300mm
のアルミニウムシャフト上と内面をコロナ処理及びプラ
イマー処理した50μm厚のPFAチューブ間に充填
し、150℃で30分加熱してプレキュアーし、更に2
00℃で4時間加熱してポストキュアーし、定着ロール
を作製した。これをPPC複写機の定着ロールとして組
み込み、7万枚複写を行ったところ、芯金もPFAチュ
ーブもシリコーンゴム硬化物から剥離していた。
【0046】
【発明の効果】本発明の液状付加硬化型シリコーンゴム
組成物は、芯金上にフッ素樹脂系表面層を有する定着ロ
ールの表面層と芯金間の接着用、特に前記定着ロールの
下巻き材として、表面層と芯金間とを強力に接着できる
ので、長期の使用においても剥離を起こし難い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【化1】 等が挙げられる。ここでRは、上記の非置換又は置換の
1価炭化水素基と同じであり、またn,mはそれぞれ上
記の粘度を与える正の整数である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)アルケニル基含有オルガノポリシロキ
    サン、 b)珪素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくと
    も2個有するオルガノハイドロジエンポリシロキサン、 c)白金系触媒、 d)充填剤、及び e)接着付与成分 を含有する、フッ素樹脂系表面層を有する定着ロール用
    液状付加硬化型シリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂系表面層を有する定着ロール
    の下巻き材として使用する請求項1に記載の液状付加硬
    化型シリコーンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂表面層と請求項1又は2に記
    載の組成物を硬化させてなるシリコーンゴム層とを有す
    る定着ロール。
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