JP4433172B2 - 熱定着ローラ - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリ等の静電記録装置における加熱定着装置の熱定着ローラに関する。
加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物は成形性に優れ、成形後は耐熱性、電気絶縁性に優れる硬化物を与えることから種々の分野で使用されている。特に複写機、プリンター、ファクシミリなどの熱定着ローラには従来から使用されており、近年その需要が益々拡大している。これら電子写真プロセスを利用した機器においては、感光体表面から複写紙に転写されたトナー像を複写紙に固定する必要がある。このトナー像を固定する方法として、互いに圧接回転している加熱されたヒーターローラと加圧ローラとの間に複写機を通過させ、複写紙上のトナー像を熱融着し、固定する方法が広く採用されている。この熱融着方法においては、一般にローラ材料の熱伝導率を高くすることで、応答の速い複写機、プリンターなどとすることができるが、一方で熱伝導性の高いものは放熱も早く、小型化、低価格化の流れの中で、逆に熱伝導性の低い、即ち蓄熱性のよい材料が必要とされていた。
かかる材料として気体の低熱伝導性を利用したシリコーンゴム発泡体があり、熱分解型発泡剤を添加する方法や硬化時に副生する水素ガスを利用して成形する方法、更には熱伝導性の低い中空フィラーを利用する方法などがある。ところが、熱分解型発泡剤を添加する方法は、その分解ガスの毒性や臭いが問題点とされており、また硬化触媒に白金触媒を使用するものでは発泡剤による硬化阻害が問題とされていた。また、硬化時に副生する水素ガスを利用する方法においては、水素ガスの爆発性、未硬化物の保存時の取り扱いに注意を要するなどの問題があった。更に射出成形のように金型内で発泡させる成形においては、微小かつ均一なセルを有するシリコーンゴム発泡体を得ることが難しいという問題があった。
また、中空フィラーを使用して低熱伝導ローラを得る方法が特許文献1:特開2000−143986号公報で明示されているが、この低熱伝導ゴムのみではローラとしての耐久性が不十分で、フッ素樹脂を被覆する方法が一般的であった。しかしながら、フッ素樹脂を被覆する工程が、接着剤やプライマーを必須とするため、煩雑な工程で問題があるばかりでなく、ローラとして使用中にフッ素樹脂とシリコーンゴムとの性質が異なるため界面で剥離してしまう問題が生じていた。また、特許文献2:特開2003−147207号公報には、水を含有させて低比重のシリコーンゴム硬化物を得る方法が記載されているが、単層ではローラ耐久性が不十分で、またフッ素樹脂を被覆すると同様の問題が生じてしまう。
特開2000−143986号公報 特開2003−147207号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ローラ全体としては低熱伝導で、しかも耐久性が十分な熱定着ローラを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ローラ軸の外周に低熱伝導のシリコーンゴムを形成させた後、更にその外周にこれより熱伝導率が高いシリコーンゴムを被覆させることで、ローラ全体としては低熱伝導で、しかも耐久性が十分な熱定着ローラが得られることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、ローラ軸の外周面に弾性ゴム層、更にその外周にトナー離型層を有する熱定着ローラにおいて、弾性ゴム層が、
(a)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部
(b)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50質量部
(c)平均粒子径が200μm以下、比重が0.5以下である中空フィラー
0.1〜100質量部
(d)付加反応触媒 触媒量
を必須成分とする付加硬化型シリコーンゴム組成物、又は
(a)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部
(b)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50質量部
(e)水 10〜150質量部
(d)付加反応触媒 触媒量
を必須成分とする付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物によって形成され、該硬化物の熱伝導率が0.16W/m・℃以下であり、トナー離型層が
(a)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン
(b)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(f)R 3 SiO 1/2 単位(Rは非置換又は置換の一価炭化水素基)とSiO 2 単位とをモル比としてR 3 SiO 1/2 /SiO 2 が0.5〜1.5の単位で含有し、アルケニル基含有量が0.0001〜0.02mol/gであるシリコーンレジン
(d)付加反応触媒
を含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物、又は
(i)両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン
(ii)両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され側鎖にビニル基を持つジメチルポリシロキサン
(iii)両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン
(iv)白金触媒
を含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物
の硬化物であって、ゴム硬度がデュロメータA硬度計で49〜80であり、弾性ゴム層より高い熱伝導率を有する硬化物によって形成されたことを特徴とする熱定着ローラを提供する。
本発明の熱定着ローラは、2層の熱伝導層を有しながら、全体として低熱伝導性であり、また2層間に剥離も生じ難く、耐久性に優れたものである。
本発明の熱定着ローラは、ローラ軸の外周面に弾性ゴム層、更にその外周にトナー離型層を有する熱定着ローラであって、弾性ゴム層が硬化後の熱伝導率が0.16W/m・℃以下である付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物であり、トナー離型層が弾性ゴム層より高い熱伝導率を有する付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物である熱定着ローラである。
この場合、熱伝導率が0.16W/m・℃以下の付加硬化型シリコーンゴム組成物は、
(a)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部
(b)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50質量部
(c)平均粒子径が200μm以下、比重が0.5以下である中空フィラー
0.1〜100質量部
(d)付加反応触媒 触媒量
を必須成分とするものであることが好ましい。
ここで、(a)成分の一分子中に平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。ここで、上記R1で示される珪素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。この場合、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6である)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、全R1中0.001〜20モル%、特に0.01〜10モル%とすることが好ましい。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。
このオルガノポリシロキサンの構造は基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。分子量については特に限定なく、粘度の低い液状のものから、粘度の高い生ゴム状のものまで使用できるが、硬化してゴム状弾性体になるためには、回転粘度計による25℃での粘度が、100mPa・s以上であり、通常100〜1,000,000mPa・s、特に500〜100,000mPa・sであることが好ましい。
(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状のいずれの分子構造のものであってもよく、下記平均組成式(2)
2 bcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上(通常、3〜100個)、より好ましくは3〜50個の珪素原子結合水素原子(即ち、Si−H基)を有することが必要である。このSi−H基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。また分子中の珪素原子の数は通常2〜300個、好ましくは4〜100個、特には4〜50個程度であればよい。この場合、R2の一価炭化水素基としては、先に説明したR1と同様のものが挙げられるが、脂肪族不飽和結合を有さないものであることが好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(a)成分のオルガノポリシロキサン100部(質量部、以下同じ)に対して0.1〜50部、特に0.3〜30部とすることが好ましい。
(c)成分の中空フィラーは、硬化物内に気体部分を与えることでスポンジゴムのように熱伝導率を低下させるもので、このような材料としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、カーボンバルーン、フェノールバルーン、アクリロニトリルバルーン、塩化ビニリデンバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、シラスバルーンなどいかなるものでもかまわないが、硬化後も十分なゴム弾性を得るという点では、有機樹脂製の中空フィラー、特には塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの各重合物並びにこれらのうちの2種以上の共重合物から選ばれたものが好ましい。
また、中空フィラーに強度を持たせるため等の理由で、これら有機樹脂製中空フィラーの表面に無機フィラー等を付着させたものでもよい。但し、シリコーンゴム組成物内で十分な熱伝導率の低下を行うには、中空フィラーの真比重が0.01〜0.5、好ましくは0.02〜0.40であるものがよく、真比重が0.01より小さいと配合・取り扱いが難しいばかりか、中空フィラーの耐圧強度が不十分で成形時に破壊してしまい、軽量化及び熱伝導率の低下ができなくなってしまう。また、真比重が0.5より大きいと、中空フィラーの殻の厚さが大きく、熱伝導性の低下が十分とはならない。
中空フィラーは、予め所定の粒径に膨張させてあるものが好ましく、その平均粒子径は、200μm以下、好ましくは150μm以下であることがよく、200μmを超えると成形時の圧力により中空フィラーが破壊されてしまい熱伝導性が高くなってしまったり、ローラ成形後の表面の粗さが大きくなってしまうなどの問題が生じる。なお、中空フィラーの平均粒子径は、通常10μm以上、特に20μm以上である。また、ここでの平均粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定装置による累積重量平均値(D50)又はメジアン径による測定値である。
中空フィラーの配合量は、(a)成分のオルガノポリシロキサン組成物100部に対して0.1〜100部、好ましくは体積比で10〜80%となるよう配合するとよい。10%未満では熱伝導率の低下が不十分で、また80%を超えると、成形、配合が難しいだけでなく、成形物もゴム弾性のない脆いものとなってしまう。
(d)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などが挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は、触媒量とすることができ、通常白金族金属として(a)成分に対して0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度である。
あるいは、これとは別に熱伝導率が0.16W/m・℃以下、特に0.15W/m・℃以下の付加硬化型シリコーンゴム組成物として、
(a)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部
(b)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50質量部
(e)水 10〜150質量部
(d)付加反応触媒 触媒量
を必須成分とするものを使用してもよい。
ここで、(a)、(b)、(d)成分については、上記と同様のものを用いることができる。
(e)成分の水は、揮発して硬化物内に気泡を形成するものであるが、その配合量は、(a)成分のオルガノポリシロキサン組成物100部に対して10〜150部、好ましくは20〜130部である。10部未満では熱伝導性の低下が不十分で、150部を超えると安定した硬化物を得ることが困難になってしまう。
なお、これら(a)、(b)、(d)、(e)成分に加えて、水を高分散、更に分散後の水を安定させる目的で界面活性剤を加えてもよい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、両性イオン系及びノニオン系のいずれでもかまわない。アニオン系界面活性剤としては、例えば高級脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリエチレングリコール硫酸エステル塩類を挙げることができる。またノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン類、脂肪酸モノグリセライド類を挙げることができる。更に、カチオン系界面活性剤としては、例えば脂肪族アミン塩類、第4級アンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩類を挙げることができる。またこれらに加え、ポリエーテル変性シリコーンが、微細セルを形成できる点で好ましい。更に詳細には、下記式
Figure 0004433172

[式中、R4はH又はCH3であり、xは10〜200の整数であり、yは1〜20の整数であり、x/yは3〜50である。dは0〜100、好ましくは0又は3〜50の整数、eは0〜350、好ましくは0又は3〜200の整数、d+eは3〜350、好ましくは5〜200の整数である。また、この界面活性剤のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析におけるポリスチレン換算の重量平均分子量は1,000〜50,000g/モルであり、界面活性剤中のシロキサン質量%は40〜85質量%であり、ポリエーテル部分中のエチレンオキサイドの質量%は20〜100質量%である。]
で表されるポリエーテル変性シリコーンが好適である。
これらの界面活性剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を用いてもよい。これら界面活性剤の配合量は、(a)成分のオルガノポリシロキサン100部に対して好ましくは1〜20部、より好ましくは2〜15部で、1部未満では水の分散が不十分で、微細なセルが得られず、20部を超えるとゴム物性に悪影響を与えてしまうおそれがある。
一方、トナー離型層に使用される付加硬化型シリコーンゴム組成物としては、弾性層のゴムより熱伝導率が高いものであれば、いかなるものでもよいが、特に
(a)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部
(b)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50質量部
(f)シリコーンレジン 5〜100質量部
(d)付加反応触媒 触媒量
を必須成分とするものが好ましい。
ここで、(a)、(b)、(d)成分については、上記と同様のものを用いることができる。
(f)成分のシリコーンレジンとしては、R3SiO1/2単位及びSiO2単位を必須成分単位とする三次元網状構造のオルガノポリシロキサン樹脂が好適に用いられる。ここで、Rは、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、Rで示される一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
(f)成分のシリコーンレジンは、上記R3SiO1/2単位及びSiO2単位とのみからなるものであってもよく、また必要に応じ、R2SiO単位やRSiO3/2単位(Rは上記の通り)をこれらの合計量として、全共重合体質量に対し、50%以下、好ましくは40%以下の範囲で含んでよいが、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5、特に0.5〜1.3であることが好ましい。このモル比が0.5より小さくても、1.5より大きくても十分なゴム硬度・強度が得られず、ローラとしての耐久性が不十分になってしまうおそれがある。
更に、(f)成分のシリコーンレジンは、アルケニル基の含有量が0.0001〜0.02mol/gであることが好ましく、更に好ましくは0.0002〜0.01mol/gの範囲である。アルケニル基の含有量が0.0001mol/gより少ないと十分なゴム物性が得られなくなってしまい、0.02mol/gより多いと硬度が高くなりすぎて、ゴム弾性層との追随性が悪く、ローラが界面剥離してしまうおそれがある。
なお、上記シリコーンレジンは、通常適当なクロロシランやアルコキシシランを当該技術において周知の方法で加水分解することによって製造することができる。
これらシリコーンレジンの配合量は、(a)成分のオルガノポリシロキサン組成物100部に対して5〜100部、特に10〜100部が好ましい。5部未満では十分なゴム物性が得られず、100部を超えるとローラの耐久性が著しく低下してしまう。
上記各付加硬化型シリコーンゴム組成物において、その他の成分として、必要に応じて、補強性シリカ微粒子、珪藻土、石英粉、酸化チタン、炭酸カルシウムのような充填剤、カ−ボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉等の導電剤、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤、チクソ性付与剤等を配合することは任意とされる。
本発明の熱定着ローラの製造は、まずローラ芯金(ローラ軸)の周囲に弾性ゴム層を形成することでなされる。この付加硬化型シリコーンゴム組成物による弾性ゴム層の成形、硬化法は適宜選定し得、例えば注入成形、移送成形、射出成形、コーティング等の方法によって成形でき、加熱により硬化される。この場合、芯金の材質、寸法等はローラの種類に応じて適宜選定し得る。この際、ゴムを硬化させる温度条件は、通常80〜230℃、好ましくは100℃以上200℃未満、より好ましくは120〜180℃であり、硬化時間は、30秒〜12時間、好ましくは1分〜6時間、より好ましくは3分〜1時間である。硬化温度が80℃未満では、硬化に非常に長時間を要し、230℃を超えると、硬化と同時にゴムの劣化も進行してしまう。ゴムが硬化した後、更に圧縮永久歪を低下させるなどの理由で、120〜250℃、好ましくは150〜220℃で、10分〜48時間、好ましくは30分〜12時間程度のポストキュアを行ってもよい。なお、芯金上にゴム弾性層を形成する際に、プライマーや接着剤を使用することは任意とする。
このゴム弾性層の熱伝導率は、蓄熱により電力消費を抑えるという点で0.16W/m・℃以下、好ましくは0.14W/m・℃以下である。0.16W/m・℃を超えると蓄熱性が不十分になってしまう。なお、ゴム弾性層の熱伝導率は、0.02W/m・℃以上、特に0.04W/m・℃以上であることが好ましい。ゴム弾性層の厚さは、同じく蓄熱性という点から、1mm以上が必要で、好ましくは1.5mm以上50mm以下である。50mmを超えるとローラが大きくなりすぎて、プリンター自体の設計にも大きく影響してしまう。また、ゴム硬度はいかなるものでもかまわないが、ニップ幅を十分にとり、かつスポンジゴムとしての弾性を確保するという点から、アスカー(Asker)Cで、10〜70度、好ましくは15〜60度である。
次に、このシリコーンゴム弾性層の外周にトナー離型層が形成されるが、硬化法は適宜選定し得、例えば注入成形、移送成形、射出成形、コーティング等の方法によって成形でき、加熱により硬化される。この際、ゴムを硬化させる温度条件は、通常80〜230℃、好ましくは100℃以上200℃未満、より好ましくは120〜180℃であり、硬化時間は、30秒〜12時間、好ましくは1分〜6時間、より好ましくは3分〜1時間である。硬化温度が80℃未満では、硬化に非常に長時間を要し、230℃を超えると、硬化と同時にゴムの劣化も進行してしまう。ゴムが硬化した後、更に圧縮永久歪を低下させるなどの理由で、120〜250℃、好ましくは150℃〜220℃で、10分〜48時間、好ましくは30分〜12時間程度のポストキュアを行ってもよい。なお、ゴム弾性層の外周にトナー離型層を形成する際に、プライマーや接着剤を使用することは任意である。
このトナー離型層の熱伝導率は、ゴム弾性層より高い値であればよいが、好ましくは0.17W/m・℃以上、より好ましくは0.18W/m・℃以上である。なお、この熱伝導率は、0.4W/m・℃以下、特に0.35W/m・℃以下であることが好ましい。トナー離型層の厚さは、同じく蓄熱性を損なわないという点から、1mm以下であることが必要で、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.01mm以上0.5mm以下である。1mmを超えるとローラ蓄熱性が低下してしまい、0.01mm未満では離型層としての耐久性が不十分になってしまうばかりか、離型層を形成するのが難しくなってしまう場合がある。また、ゴム硬度はデュロメータAで、49〜80度、好ましくは49〜70度である。35度未満ではトナー離型性が不十分で、80度を超えるとゴム弾性層との追随性が悪く、ローラ耐久性が低下してしまう場合がある。また、引張り強度はJIS K 6249による測定において、通常2MPa以上、好ましくは2〜20MPa、より好ましくは3〜16MPa、更に好ましくは4〜12MPa程度であることが、トナー離型性、ゴム弾性層との追随性、ローラ耐久性等の点から望ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は質量部を示す。
まず、ゴム弾性層としてシリコーンゴム組成物(1)、(2)、(3)及びトナー離型層としてシリコーンゴム組成物(A)、(B)を作製した。
シリコーンゴム組成物(1)
側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重合度700、ビニル価0.000094mol/100g)50部、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリロキサン(重合度500)50部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製、R−972)5部、比重0.02、平均粒子径90μmの熱可塑性樹脂製中空フィラー(松本油脂社製、マイクロスフィアーF−80ED)4部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤としてメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度20、Si−H基含有量0.0065mol/g)を3.5部、エチレングリコール6部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けた。これに更に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物を、120℃で10分間プレスキュアし、更に230℃で4時間オーブンキュアした後、ゴム硬度(AskerC)、引張り強度、熱伝導率(京都電子社製、熱伝導計QTM−3で測定)を測定した。結果を表1に示す。
シリコーンゴム組成物(2)
側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重合度700、ビニル価0.0094mol/100g)50部、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度500)50部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製、R−972)5部、比重0.13、表面を炭酸カルシウムでコートした平均粒子径100μmの熱可塑性樹脂製中空フィラー(松本油脂社製、マイクロスフィアーMFL80CA)12部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤としてメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度20、Si−H基含有量0.0065mol/g)を3.5部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けた。これに更に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物を、120℃で10分間プレスキュアし、更に230℃で4時間オーブンキュアした後、ゴム硬度(AskerC)、引張り強度、熱伝導率(京都電子社製、熱伝導計QTM−3で測定)を測定した。結果を表1に示す。
シリコーンゴム組成物(3)
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度220、ビニル価0.000125mol/g)100部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製、R−972)3部、下記式(I)で示されるポリエーテル変性シリコーン8部をプラネタリーミキサーに入れ、10分撹拌を続けた後、架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度18、Si−H基含有量0.0038mol/g)を4.3部(水素結合珪素原子/アルケニル基=1.3)添加し、10分撹拌を行った。これに水80部を4回に分けて添加し、トータル1時間撹拌を続けた。最後に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けた。これに更に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物をゴムシート型に流し込み、95℃のオーブンに1時間放置して、ゴムを硬化させた後、型からはずし、200℃で4時間ポストキュアして得た硬化物について、ゴム硬度(AskerC)、引張り強度、熱伝導率(京都電子社製、熱伝導計QTM−3で測定)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004433172
シリコーンゴム組成物(A)
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリロキサン(重合度400)50部、室温で固体の(CH33SiO1/2単位及び(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位からなるシリコーンレジン[((CH33SiO1/2単位+(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位)/SiO2単位=0.8、ビニル基含有量=0.0005mol/g]30部を150℃で3時間混合後、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このベースに両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリロキサン(重合度250)20部、更に架橋剤としてメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度20、Si−H基含有量0.0065mol/g)を5.1部、エチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けた。これに更に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物を、120℃で10分間プレスキュアし、更に230℃で4時間オーブンキュアした後、ゴム硬度(デュロメータA)、引張り強度、熱伝導率(京都電子社製、熱伝導計QTM−3で測定)を測定した。結果を表1に示す。
シリコーンゴム組成物(B)
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度400)50部、比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル300)30部、ヘキサメチルジシラザン6部、水1.5部を室温で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却後、更に両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され側鎖にビニル基を持つジメチルポリシロキサン(重合度250、ビニル基含有量0.0006mol/g)20部を加えて、30分撹拌を続け、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース100部に、架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基含有量0.0050mol/g)を5.5部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールを0.10部添加し、15分撹拌を続けた。これに更に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物を、120℃で10分間プレスキュアし、更に230℃で4時間オーブンキュアした後、ゴム硬度(デュロメータA)、引張り強度、熱伝導率(京都電子社製、熱伝導計QTM−3で測定)を測定した。結果を表1に示す。
[実施例1]
直径50mm×長さ30mmのアルミニウムシャフトの表面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。このシャフトを金型内に取り付け、シリコーンゴム組成物(1)を充填し、130℃で30分加熱硬化し、金型から取り外した後、更に230℃で4時間ポストキュアし、厚さが5mmのシリコーンゴム弾性層を得た。この外周に、シリコーンゴム組成物(A)をリングコート法によりコーティングし、150℃のオーブンで30分加熱硬化させた後、更に200℃で4時間ポストキュアを行い、約0.3mmの表層(トナー離型層)を形成した。
このローラをPPC複写機の定着ローラとして組み込み、5,000枚通紙したが、画像に全く問題はなかった。
[実施例2]
直径50mm×長さ30mmのアルミニウムシャフトの表面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。このシャフトを金型内に取り付け、シリコーンゴム組成物(2)を充填し、130℃で30分加熱硬化し、金型から取り外して、厚さが2mmのシリコーンゴム弾性層を得た。この外周に、シリコーンゴム組成物(B)をリングコート法によりコーティングし、150℃のオーブンで30分加熱硬化させた後、更に200℃で4時間ポストキュアを行い、約0.2mmの表層(トナー離型層)を形成した。
このローラをPPC複写機の定着ローラとして組み込み、5,000枚通紙したが、画像に全く問題はなかった。
[実施例3]
直径50mm×長さ30mmのアルミニウムシャフトの表面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。このシャフトを金型内に取り付け、シリコーンゴム組成物(3)を充填し、95℃で1時間加熱硬化し、金型から取り外した後、更に200℃で4時間ポストキュアし、厚さが3mmのシリコーンゴム弾性層を得た。この外周に、シリコーンゴム組成物(A)をリングコート法によりコーティングし、150℃のオーブンで30分加熱硬化させた後、更に200℃で4時間ポストキュアを行い、約0.3mmの表層(トナー離型層)を形成した。
このローラをPPC複写機の定着ローラとして組み込み、5,000枚通紙したが、画像に全く問題はなかった。
[比較例1]
直径50mm×長さ30mmのアルミニウムシャフトの表面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。このシャフトを金型内に取り付け、シリコーンゴム組成物(1)を充填し、130℃で30分加熱硬化し、金型から取り外した後、更に230℃で4時間ポストキュアし、厚さが5mmのシリコーンゴム弾性層を得た。
この表層を形成しない状態のローラをPPC複写機の定着ローラとして組み込み、通紙したところ、1枚目から画像が不鮮明で、100枚目にローラに亀裂が見られたため停止した。
[比較例2]
直径50mm×長さ30mmのアルミニウムシャフトの表面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。50μmのフッ素PFAチューブとアルミニウムシャフトとの間にシリコーンゴム組成物(1)を充填し、150℃で30分加熱硬化し、230℃で4時間ポストキュアし、表面をフッ素樹脂で被覆された厚さ5mmのシリコーンゴム弾性層をもつローラを得た。
このローラをPPC複写機の定着ローラとして組み込み、通紙したところ、1,000枚目付近より画像に小さな縞模様が現れた。ローラを観察したところ、表面に極小さなしわが見られた。更に2,000枚まで通紙を続けたところ、表層とゴム弾性層の間に剥離が見られたため、停止した。
Figure 0004433172

Claims (6)

  1. ローラ軸の外周面に弾性ゴム層、更にその外周にトナー離型層を有する熱定着ローラにおいて、弾性ゴム層が、
    (a)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部
    (b)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50質量部
    (c)平均粒子径が200μm以下、比重が0.5以下である中空フィラー
    0.1〜100質量部
    (d)付加反応触媒 触媒量
    を必須成分とする付加硬化型シリコーンゴム組成物、又は
    (a)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部
    (b)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50質量部
    (e)水 10〜150質量部
    (d)付加反応触媒 触媒量
    を必須成分とする付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物によって形成され、該硬化物の熱伝導率が0.16W/m・℃以下であり、トナー離型層が
    (a)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン
    (b)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (f)R 3 SiO 1/2 単位(Rは非置換又は置換の一価炭化水素基)とSiO 2 単位とをモル比としてR 3 SiO 1/2 /SiO 2 が0.5〜1.5の単位で含有し、アルケニル基含有量が0.0001〜0.02mol/gであるシリコーンレジン
    (d)付加反応触媒
    を含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物、又は
    (i)両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン
    (ii)両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され側鎖にビニル基を持つジメチルポリシロキサン
    (iii)両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン
    (iv)白金触媒
    を含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物
    の硬化物であって、ゴム硬度がデュロメータA硬度計で49〜80であり、弾性ゴム層より高い熱伝導率を有する硬化物によって形成されたことを特徴とする熱定着ローラ。
  2. (c)成分の中空フィラーが、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの各重合物並びにこれらのうちの2種以上の共重合物から選ばれるものである請求項1記載の熱定着ローラ。
  3. 弾性ゴム層の厚さが1mm以上で、トナー離型層の厚さが1mm未満である請求項1又は2記載の熱定着ローラ。
  4. 弾性ゴム層の熱伝導率が0.02〜0.16W/m・℃であり、トナー離型層の熱伝導率が0.17〜0.4W/m・℃である請求項1,2又は3記載の熱定着ローラ。
  5. トナー離型層が、
    (a)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部
    (b)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50質量部
    (f)シリコーンレジン 5〜100質量部
    (d)付加反応触媒 触媒量
    を必須成分とする付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化させて得られたものである請求項1乃至4のいずれか1項記載の熱定着ローラ。
  6. トナー離型層の引張り強度が2MPa以上である請求項1乃至5のいずれか1項記載の熱定着ローラ。
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