JP5217111B2 - 定着ロール - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、レーザービームプリンター、FAXなどに使用する定着ロールに関するものである。詳しくは、高速印刷やカラー印刷のためにロール間のニップ圧やニップ幅が大きくなり、かつトナー定着部位の温度が高くなっても、ゴム破壊や接着破壊がなく、耐久性に優れる定着ロールに関するものである。
シリコーンゴムは、電気絶縁性、耐熱性、耐候性、難燃性に優れており、複写機やレーザービームプリンターのヒーターロールや加圧ロールなどの定着ロールの被覆材として用いられてきた。近年、コピーの高速化、カラーコピーの普及に伴い、トナーを短時間で溶融定着させる必要があり、ニップ幅を大きく取るため定着ロールにも低硬度化が求められてきた。
ところが、シリコーンゴムを低硬度化すると、トナー離型性及びゴム強度が低下するため表層にフッ素樹脂を用いる方法が採られてきている。しかしながら最近では、更に高速化が進み、ゴム層の硬度がより低下すると共に、定着部位の温度が高くかつニップ圧も高くなってきている。表層のフッ素樹脂と芯金の間にシリコーンゴムが存在する状態、すなわち密閉状態で長時間にわたり、高熱と繰り返しの圧縮を受けると、シリコーンゴムが軟化劣化し、ゴム破壊に到ってしまう。更に、ロール回転により繰り返し圧力がゴム部に加わり、特にゴム厚さが薄い場合、硬い芯金と柔らかいゴム部の界面にストレスが集中してしまう。その結果、芯金界面のゴム部が破壊してしまったり、芯金界面で接着破壊、あるいは剥離に到ることがしばしば発生している。
このような劣化を防止するためには、シリコーンゴムの架橋密度を高くする方法があるが、ゴムが硬くなりニップ幅が十分に取れなくなってしまう。また、芯金温度を上げないよう芯金の熱をトナーに効率よく伝えるために、シリコーンゴムの熱伝導率を高くする方法も種々知られている(特開平10−39666号公報:特許文献1、特開平11−158377号公報:特許文献2)が、シリコーンゴムの熱伝導率を上げるためには多量の無機充填剤を配合する必要があり、これによりゴム硬度が高くなってしまい、同様にニップ幅が十分に取れなくなってしまう。
一方、ゴム層を薄くして熱を効率よく表層に伝える方法もあるが、この場合もニップ幅が十分に取れないばかりか、ゴム弾性が不十分になると画像の鮮明度が低下してしまう。また、特開2005−249851号公報(特許文献3)では、芯金とシリコーンゴム層の間にゴム層よりも硬度の低いプライマー層を設ける方法が開示されているが、この方法ではプライマー層に応力が集中してしまいプライマー破壊に到る可能性が非常に高い。
特開平10−39666号公報 特開平11−158377号公報 特開2005−249851号公報
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、ロール間のニップ圧、ニップ幅が大きくなり、トナー定着部位の温度が高くなっても、ゴム破壊や接着破壊がなく、耐久性に優れた定着ロールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ロール軸(芯金)の外周に接着剤組成物を硬化させてなる接着剤層を有し、この接着剤層の外側に付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化させることによって得られるシリコーンゴム層(以下、これを付加硬化型シリコーンゴム層という場合がある)を有し、更にその外側にフッ素樹脂からなる表層を有する定着ロールにおいて、ロール軸(芯金)と上記シリコーンゴム層との間に介在する特定の引張り強度を有する接着剤層をシリコーンゴム層より高硬度でかつ一定以上の厚さに形成した定着ロールが、芯金とシリコーンゴム層の間に集中するストレスを緩和することができ、カラーや高速タイプの複写機、レーザービームプリンターのような高温度においても高耐久で、長期の使用に耐えることができることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、 ロール軸の外周に接着剤組成物を硬化させてなる接着剤層を有し、この接着剤層の外周に付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化して得られるシリコーンゴム層を有し、更にその外側にフッ素樹脂からなる表層を有する定着ロールにおいて、接着剤層の厚さが0.5μm以上0.15mm以下で、シリコーンゴム層の厚さが0.2mm以上3mm以下であり、かつデュロメータAによる接着剤層の硬度がシリコーンゴム層の硬度より5ポイント以上高硬度で、デュロメータAによるシリコーンゴム層の硬度が1ポイント以上45ポイント以下であり、なおかつ接着剤層のJIS K 6249に基づく引張り強度が2.5MPa以上であることを特徴とする定着ロールを提供する。
この場合、接着剤層が、
(A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合するアルケニル基を含有する重合度100以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)一分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜300質量部、
(C)接着助剤:10〜1,000質量部、
(D)耐熱向上剤:0.1〜1,000質量部、
(E)付加反応触媒:触媒量、
(F)溶剤:必要量
更に好ましくは
(G)R3SiO1/2単位(式中、Rは非置換又は置換の一価炭化水素基)とSiO2単位を主成分とし、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5である樹脂質共重合体:10〜1,000質量部
を含有する接着剤組成物を硬化させた層からなることが好ましい。
また、(C)接着助剤が、一分子中に、アルコキシシリル基、シラノール基、カルビノール基、エポキシ基、ケイ素原子と結合する水素原子、脂肪族不飽和基、アミノ基、エステル基から選ばれるいずれか2種以上の官能基を有する有機ケイ素化合物であり、(D)耐熱向上剤が、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、結晶性シリカ、珪藻土、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリウム、カーボンから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
なお、本発明の定着ロールは、ロール軸(芯金)内部に熱源を有するタイプのものが好適であり、また、トナー定着動作作動時のロール軸(芯金)温度が220℃以上、ロール表面の温度が180℃以上で、かつロール軸温度とロール表面との温度差が20℃以上である定着ロールに有効である。
本発明の定着ロールによれば、ロール軸(芯金)とシリコーンゴム層の間に集中するストレスを緩和することができ、ニップ圧、ニップ幅が大きく、トナー定着温度が高くなっても、ゴム破壊、接着破壊もなく、カラーや高速タイプの複写機、レーザービームプリンターのような高温度においても高耐久で、長期の使用に耐えることができる効果を有する。
本発明の定着ロールは、ロール軸(芯金)の外周に接着剤組成物を硬化させてなる接着剤層を有し、この接着剤層の外側に付加硬化型シリコーンゴム層を有し、更にその外側にフッ素樹脂からなる表層を有する定着ロールにおいて、接着剤層の厚さが0.5μm以上0.15mm以下で、かつ硬化層のJIS K 6249に基づくデュロメータAによる接着剤層の硬度がその周囲のシリコーンゴム層の硬度より5ポイント以上高硬度であり、なおかつ接着剤層のJIS K 6249に基づく引張り強度が2.5MPa以上である。
このような定着ロールは、高温・高速回転で使用されても長時間ゴム破壊が発生せず、非常に高い耐久性を有するものである。特に、接着剤層のJIS K 6249に基づくデュロメータAによる硬度は、その外周のシリコーンゴム層の硬度より5ポイント以上高硬度、好ましくは10ポイント以上、より好ましくは15ポイント以上高硬度であるとよい。シリコーンゴム層より高硬度であっても、その硬度差が5ポイント未満であったり、シリコーンゴム層より硬度が低いと、使用時の繰り返し応力が接着剤層部分に集中してしまい、接着剤層が破壊してしまう。この硬度差の上限には特に制限はないが、通常80ポイント以下、好ましくは60ポイント以下程度であればよい。また、接着剤層の厚さは、0.5μm以上0.15mm以下、好ましくは1.0μm以上100μm未満(例えば1.0μm〜99μm)、より好ましくは1.0μm以上95μm以下、更に好ましくは2.0μm以上50μm以下である。厚さが0.5μm未満では応力緩和効果がなく、0.15mm以上では、接着剤層の圧縮永久歪が定着ロール全体に悪影響を与えてしまう。更に、接着剤層はJIS K 6249に基づく引張り強度が2.5MPa以上、好ましくは3.0MPa以上であることが必要であり、この引張り強度が2.5MPa未満であると、やはり使用時の繰り返し応力が集中して、接着剤層が破壊してしまう。引張り強度の上限は特に制限されないが、通常、20MPa以下、好ましくは15MPa以下程度であればよい。
この場合、接着剤層の外周に設けられる付加硬化型シリコーンゴム層は、JIS K 6249に基づくデュロメータAによる硬度が45ポイント以下(通常、0〜45ポイント)、好ましくは30ポイント以下(0〜30ポイント)、より好ましくは1ポイント以上25ポイント以下である。硬度が45ポイントを超えると、硬度が高過ぎてトナー定着に必要な十分なニップ幅が取れなくなってしまい、1ポイント未満では高熱により短時間でゴムが破壊してしまう場合がある。また、このシリコーンゴム層の厚さは、3mm以下(通常、0.1〜3mm)であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2mmであり、更に好ましくは、0.3〜1.5mmである。3mmを超えると、十分なニップ幅が取れなくなってしまうだけでなく、内部にヒーターを有するヒーターロールの場合、表面に熱が伝わる速度が遅くなってしまう場合があり、また、0.2mm未満では、十分なニップ幅を得ることができなくなってしまう場合がある。
ここで、芯金とシリコーンゴム間で応力緩和層として働き、かつ接着剤層自体が高耐久を有する接着剤層を形成できる材料(接着剤組成物)としては、
(A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合するアルケニル基を含有する重合度100以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)一分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜300質量部、
(C)接着助剤:10〜1,000質量部、
(D)耐熱向上剤:0.1〜1,000質量部、
(E)付加反応触媒:触媒量、
(F)溶剤:必要量
を必須成分とする液状付加硬化型シリコーン組成物であることが好ましい。
(A)成分である一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンは、本発明の定着ロールに用いる接着剤組成物のベースポリマーであり、下記平均組成式(1)で示されるものが好ましく用いられる。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。)
1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。この場合、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6である)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、前記有機基R1全体の0.001〜20モル%、特に0.005〜10モル%とすることが好ましい。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。このオルガノポリシロキサンの構造は基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。分子量については、特に限定はないが、硬化してゴム状弾性体になるためには、重合度が100〜50,000、特に150〜20,000であることが好ましい。100未満では脆いゴム硬化物になり、50,000を超えると、重合自体が困難になるおそれがある。
(B)成分である一分子中にケイ素原子と結合する水素原子(Si−H基)を2個以上、好ましくは3個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分の架橋剤である。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(2)で示されるものが好ましい。
2 bcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基である。またbは0.7〜2.1、cは0.001〜1.1で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
2の例としては、R1と同様のものが挙げられるが、脂肪族不飽和結合を有さないものが好ましく、アルキル基、フェニル基が好ましい。
なお、b、cの好ましい範囲は、bは0.9〜2.0、cは0.005〜1.0、b+cは1.0〜2.7であり、より好ましい範囲は、bは1.0〜2.0、cは0.01〜1.0、b+cは1.5〜2.5である。
上記の(B)成分は一分子中に少なくとも2個(通常、2〜200個)、好ましくは2〜100個、より好ましくは3〜50個のケイ素原子結合水素原子(即ち、Si−H基)を有することが必要である。また、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンに含まれるケイ素原子の数は、通常、2〜300個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜150個程度である。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(メチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(メチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO3/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体や、これらの例示化合物中におけるメチル基の一部又は全部がエチル基やプロピル基の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたものなどが挙げられる。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜300質量部であり、特に0.3〜100質量部とすることが好ましい。またこの場合、(A)成分中のアルケニル基1モルに対し、(B)成分中のSi−H基が0.5〜5モル、特に0.8〜3モルであることが好ましい。
(C)成分の接着助剤は、付加硬化型シリコーンゴム組成物に使用される公知なものであればいかなるものでも用いることができ、特に一分子中に、トリアルコキシシリル基、オルガノジアルコキシシリル基、ジオルガノアルコキシシリル基等のアルコキシシリル基、シラノール基、カルビノール基、エポキシ基、ケイ素原子と結合する水素原子(Si−H基)、ケイ素原子に結合したアルケニル基、アルキニル基等の脂肪族不飽和基、アミノ基、エステル基(即ち、−CO−O−構造)から選ばれるいずれか2種以上の官能基、好ましくはアルコキシシリル基及び/又はSi−H基と、他の1種以上の官能基を有するシランあるいは、通常、ケイ素原子数が2〜30個、好ましくは2〜20個程度の、環状又は直鎖状の(ポリ)シロキサンなどの有機ケイ素化合物であることが好ましい。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシランなどの各種(アルコキシ)シラン類や、以下に示すSi−H基と、エポキシ基、アルコキシシリル基等の他の1種以上の官能基とを有する各種シロキサン化合物などが挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 0005217111
Figure 0005217111
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して10〜1,000質量部であり、好ましくは20〜500質量部、より好ましくは30〜300質量部である。
(D)成分の耐熱向上剤は、硬化ゴムの耐熱性向上を目的に配合されるもので、高温状態で使用される定着ロールの接着剤層の必須成分である。このような耐熱向上剤としては、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、ヒンダードアミンのような有機系のものと、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、珪藻土、粉砕石英、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化亜鉛、カーボンブラックなどの無機系のものがあるが、本接着剤層としては無機系のものが好ましい。これら耐熱向上剤は、1種のみでも耐熱効果が得られるが、好ましくは2種以上の併用がよい。特にヒュームドシリカ、珪藻土などのケイ素を主成分とする耐熱向上剤と、酸化鉄や酸化セリウムなどの非ケイ素系金属酸化物との併用がより好ましい。なお、このような無機充填剤は、各種アルコキシシラン及びその加水分解物、ジフェニルシランジオール、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子シロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどのシラザン類、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの表面処理剤で予め表面処理したものを用いてもよいし、接着剤調製時に上記の表面処理剤と同時に添加してもよい。
(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜1,000質量部、好ましくは、1〜500質量部、より好ましくは5〜300質量部である。0.1質量部未満では十分な耐熱効果が得られず、1,000質量部を超えると、接着性に悪影響を与えてしまう。
(E)成分の付加反応触媒は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のヒドロシリル基(Si−H基)とのヒドロシリル化付加反応を促進するための触媒であり、この付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。
(E)成分の配合量は触媒量とすることができるが、通常、白金族金属として(A)成分に対して0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度配合することが好ましい。但し、このような付加反応触媒には、被接着体との接着力を向上させる目的もあり、そのような場合には、更に(A)成分に対し、白金金属として、1質量部まで増量してもかまわない。
(F)成分の溶剤は、接着剤組成物をロール軸(芯金)上に適切な厚さに塗布するための粘度調整剤として必要なものである。このような溶剤としては、各接着剤成分を溶かし、加熱により容易に揮発させることができるものであればいかなるものでもかまわない。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、石油エーテル、工業用ガソリンなどの石油系混合溶剤、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、エチレングリコールモノ酢酸エステルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、トリクロロエタンなどのハロゲン系溶剤などが挙げられる。
(F)成分の配合量は、接着剤組成物の粘度を10〜5,000mPa・s、好ましくは20〜2,000mPa・s、より好ましくは50〜1,000mPa・sとするのに必要な量である。なお、この粘度は、回転粘度計による25℃での粘度である。
上記接着剤組成物には、更に(G)成分として、R3SiO1/2単位とSiO2単位を主成分とし、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比が
3SiO1/2/SiO2=0.5〜1.5
である三次元網状構造の樹脂質共重合体を配合することが、プライマーの硬度を調整でき、かつ、プライマーの強度を向上させることができるという点から好ましい。
この場合、上記Rは、非置換又は置換の一価炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜10、特に1〜8のもので、前述したR1と同様のものを例示することができる。なお、R3SiO1/2単位とSiO2単位の合計は、共重合体中50〜100モル%、特に75〜100モル%であることが好ましく、必要によっては、R2SiO2/2単位及び/又はRSiO3/2単位を含んでも差し支えない。上記R中には、ビニル基、アリル基等のアルケニル基を含有するものであってもよく、このアルケニル基量は(G)成分の三次元網状構造の樹脂質共重合体全体に対して、通常、0.01mol/g以下(即ち、0〜0.01mol/g)、好ましくは0.0075mol/g以下(0〜0.0075mol/g)、より好ましくは0.0001〜0.005mol/g程度とすることができる。
上記共重合体の配合量は、上記(A)成分100質量部に対し10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部、より好ましくは30〜300質量部である。
上記接着剤組成物の塗布方法は、スプレー、はけ塗り、ディッピングなどから、リングコート、ナイフコート、ロール転写など、公知のいかなるコーティング方法でも良く、接着剤組成物の粘度は、それらコーティング方法に合わせて適宜選択される。また、この接着剤組成物の硬化方法は、通常、室温で10分〜24時間程度で溶剤を揮発させた後、100〜200℃のオーブン内に10分〜24時間、好ましくは15分〜2時間程度放置することにより得られる。なお、接着剤組成物の粘度によっては、均一な層を得るためロールを回転させながら室温乾燥や加熱処理を施したり、工程時間短縮のため、室温放置を100℃以下の加温状態として実施してもよい。
このようにして形成される接着剤層の厚さは、0.5μm以上0.15mm以下、好ましくは1μm以上100μm未満(例えば1.0〜99μm)、より好ましくは1.0μm以上95μm以下、更に好ましくは2.0μm以上50μm以下である。0.5μm未満では薄すぎて界面で応力を緩和する効果が得られず、0.15mmを超えると、接着剤自体の圧縮永久歪がロール全体の性能に影響してしまう。
上記接着剤層の外周に設けられる弾性層である付加硬化型シリコーンゴム層は、定着ロールの形成に公知な、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子結合水素原子(Si−H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族金属触媒(付加反応触媒)とを必須成分とする付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化させることによって形成される。この場合、該付加硬化型シリコーンゴム組成物は液状であってもミラブル状であってもよく、また市販品を使用することもできる、なお、この付加硬化型シリコーンゴム層を形成させるシリコーンゴム組成物には、前記接着剤組成物における(C)成分のような接着助剤は含有されないことが一般的である。
このようなシリコーンゴム組成物の硬化方法は、定着装置に使用されるロールが成形可能な方法であればいかなる方法でもかまわない。例えば、注入成形、圧縮成形、射出成形、コーティングなど種々の方法がある。硬化条件としては、60〜350℃の温度で10秒〜4時間の範囲が好適に採用される。また、硬化物の圧縮永久歪を低下させる、低分子シロキサン成分を低減させる、あるいは有機過酸化物の分解物を除去する等の目的で、成形後、更に120〜250℃のオーブン内で30分〜70時間程度のポストキュア(2次キュア)を行ってもよい。
なお、この付加硬化型シリコーンゴム層の硬度及び厚さは、上述した通りである。
本発明の定着ロールは、ステンレススチール、鉄、ニッケル、アルミニウムなどの芯金(ロール軸)上に接着剤層を形成し、更にその外周にシリコーンゴムからなる弾性層を形成するものであるが、この場合、芯金の材質、寸法等はロールの種類に応じて適宜選定し得る。シリコーンゴム層の外周に形成するフッ素系樹脂層は、フッ素系樹脂コーティング材やフッ素系樹脂チューブなどにより形成される。ここで、フッ素系樹脂コーティング材としては、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のラテックスや、ダイエルラテックス(ダイキン工業(株)製、フッ素系ラテックス)等が挙げられ、またフッ素系樹脂チューブとしては、市販品を使用でき、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレン−ポリプロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂などが挙げられるが、これらのうちで特にPFAが好ましい。
また、本発明の定着ロールは、通常使用されるいかなる複写機、レーザープリンター、FAXマシンなどの定着部位においても使用可能であるが、特に芯金内部にヒーターを有し、高温にさらされる条件で好適に使用できる。このような定着部位の温度としては、トナー定着動作作動時のロール軸(芯金)の温度が220〜300℃、好ましくは230〜280℃、ロール表面の温度は180〜280℃、好ましくは200〜250℃である。更に、ロール軸とロール表面の温度差が20℃以上、より好ましくは30℃以上になる時に、本発明の定着ロールは好適に用いられる。
以下、調製例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、粘度は、回転粘度計による25℃での測定値である。
[調製例1:接着剤組成物(1)]
主鎖がジメチルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位とからなり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重合度700、ビニル価0.025mol/100g)100質量部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製R−972)20質量部、酸化鉄20質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン50質量部、(CH33SiO1/2単位及びCH2=CH(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体[{(CH33SiO1/2単位+CH2=CH(CH32SiO1/2単位}/SiO2単位(モル比)=0.8、ビニル基含有量=0.0005mol/g]80質量部、下記式(I)のオルガノハイドロジェンポリシロキサン80質量部及び両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基量0.0030mol/g)30質量部をミキサーにて混合後、更にエチニルシクロヘキサノール0.1質量部、塩化白金酸0.1質量部、酢酸エチル200質量部及びヘプタン600質量部を加えて、30分混合を続け、室温(25℃)での粘度が20mPa・sである接着剤組成物(1)を得た。
Figure 0005217111
上記組成物(1)をトレイに流し込んで、室温で24時間放置し、溶剤を大部分揮発させた後、150℃のオーブンに30分放置して、溶剤を完全に揮発させると同時に組成物を硬化させ、更に200℃のオーブンに4時間放置して反応を完結させることにより、厚さ約1mmのゴムシートを得た。このゴムシートについて、JIS K 6249に基づいて硬度(タイプA)、引張り強度、切断時伸びを測定した結果、それぞれ、61、4.8MPa、240%であった。
[調製例2:接着剤組成物(2)]
ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000である生ゴム状オルガノポリシロキサン100質量部、BET比表面積200m2/gのシリカ(商品名アエロジル200、日本アエロジル(株)製)8質量部、平均粒子径3μmの珪藻土(オプライトW−3005K、北秋珪藻土(株)製)30質量部、酸化セリウム10質量部、ビニルトリメトキシシラン30質量部、(CH33SiO1/2単位及びCH2=CH(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位及び(CH32SiO単位からなる樹脂質共重合体[{(CH33SiO1/2単位+CH2=CH(CH32SiO1/2単位}/SiO2単位(モル比)=1.0、(CH32SiO単位含有率20質量% 、ビニル基含有量=0.0002mol/g]40質量部、下記式(II)のオルガノハイドロジェンポリシロキサン50質量部及び両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基量0.0030mol/g)を50質量部、トルエン100質量部をミキサーにて混合後、更にエチニルシクロヘキサノール0.5質量部、塩化白金酸1%イソプロピルアルコール溶液0.5質量部、酢酸エチル100質量部及びヘプタン300質量部を加えて、1時間混合を続け、室温での粘度が100mPa・sである接着剤組成物(2)を得た。
Figure 0005217111
上記組成物(2)をトレイに流し込んで、室温で24時間放置し、溶剤を大部分揮発させた後、150℃のオーブンに30分放置して、溶剤を完全に揮発させると同時に組成物を硬化させ、更に200℃のオーブンに4時間放置して反応を完結させることにより、厚さ約1mmのゴムシートを得た。このゴムシートについて、JIS K 6249に基づいて硬度(タイプA)、引張り強度、切断時伸びを測定した結果、それぞれ、45、3.6MPa、280%であった。
[調製例3:接着剤組成物(3)]
主鎖がジメチルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位とからなり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重合度700、ビニル価0.025mol/100g)100質量部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製R−972)20質量部、酸化鉄20質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン50質量部、下記式(I)のオルガノハイドロジェンポリシロキサン20質量部、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基量0.0030mol/g)5質量部をミキサーにて混合後、更にエチニルシクロヘキサノール0.1質量部、塩化白金酸0.1質量部、酢酸エチル200質量部及びヘプタン600質量部を加えて、30分混合を続け、室温での粘度が12mPa・sである接着剤組成物(3)を得た。
Figure 0005217111
上記組成物(3)をトレイに流し込んで、室温で24時間放置し、溶剤を大部分揮発させた後、150℃のオーブンに30分放置して、溶剤を完全に揮発させると同時に組成物を硬化させ、更に200℃のオーブンに4時間放置して反応を完結させることにより、厚さ約1mmのゴムシートを得た。このゴムシートについて、JIS K 6249に基づいて硬度(タイプA)、引張り強度、切断時伸びを測定した結果、それぞれ、29、3.2MPa、270%であった。
[調製例4:接着剤組成物(4)]
主鎖がジメチルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位とからなり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(重合度700、ビニル価0.025mol/100g)100質量部、(CH33SiO1/2単位及びCH2=CH(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体[{(CH33SiO1/2単位+CH2=CH(CH32SiO1/2単位}/SiO2単位(モル比)=0.8、ビニル基含有量=0.0005mol/g]50質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン50質量部、下記式(I)のオルガノハイドロジェンポリシロキサン80質量部、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基量0.0030mol/g)5質量部をミキサーにて混合後、更にエチニルシクロヘキサノール0.1質量部、塩化白金酸0.1質量部、酢酸エチル200質量部及びヘプタン600質量部を加えて、30分混合を続け、室温での粘度が8mPa・sである接着剤組成物(4)を得た。
Figure 0005217111
上記組成物(4)をトレイに流し込んで、室温で24時間放置し、溶剤を大部分揮発させた後、150℃のオーブンに30分放置して、溶剤を完全に揮発させると同時に組成物を硬化させ、更に200℃のオーブンに4時間放置して反応を完結させることにより、厚さ約1mmのゴムシートを得た。このゴムシートについて、JIS K 6249に基づいて硬度(タイプA)、引張り強度、切断時伸びを測定した結果、それぞれ、49、2.1MPa、180%であった。
[調製例5:接着剤組成物(5)]
ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000である生ゴム状オルガノポリシロキサン100質量部、BET比表面積200m2/gのシリカ(商品名アエロジル200、日本アエロジル(株)製)8質量部、平均粒子径3μmの珪藻土(オプライトW−3005K、北秋珪藻土(株)製)30質量部、酸化セリウム10質量部、ビニルトリメトキシシラン30質量部、下記式(II)のオルガノハイドロジェンポリシロキサン50質量部、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基量0.0030mol/g)を20質量部及びトルエン100質量部をミキサーにて混合後、更にエチニルシクロヘキサノール0.5質量部、塩化白金酸の1質量%イソプロピルアルコール溶液0.5質量部、酢酸エチル100質量部及びヘプタン300質量部を加えて、1時間混合を続け、室温での粘度が100mPa・sである接着剤組成物(5)を得た。
Figure 0005217111
上記組成物(5)をトレイに流し込んで、室温で24時間放置し、溶剤を大部分揮発させた後、150℃のオーブンに30分放置して、溶剤を完全に揮発させると同時に組成物を硬化させ、更に200℃のオーブンに4時間放置して反応を完結させることにより、厚さ約1mmのゴムシートを得た。このゴムシートについて、JIS K 6249に基づいて硬度(タイプA)、引張り強度、切断時伸びを測定した結果、それぞれ、22、2.6MPa、200%であった。
[実施例1]
直径30mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面に接着剤組成物(1)を塗布して、室温で1時間乾燥させた後、150℃で30分焼付けを実施した。この時、接着剤層の厚さは約5μmであった。次いで、内面をプライマー処理した厚さ50μmのフッ素PFAチューブとアルミニウムシャフトとの間に液状付加硬化型シリコーンゴム組成物KE1374A/B(信越化学工業(株)製、タイプA硬度=40)を充填し、120℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、ゴム厚さ1.2mm、長さ250mmのPFA樹脂被覆シリコーンゴムロールを作製した。
このロールをレーザープリンターの定着ロールとして組み込み、芯金温度250℃、ロール表面温度205℃の条件で通紙を行ったところ、1万枚連続通紙しても画像に変化なく、また定着ロール自体にも全く異常は見られなかった。
[実施例2]
直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面に接着剤組成物(2)を塗布して、室温で1時間乾燥させた後、150℃で1時間焼付けを実施した。この時、接着剤層の厚さは20μmであった。次いで、アルミニウムシャフトを中心に設置した型内に液状付加硬化型シリコーンゴム組成物KE1376A/B(信越化学工業(株)製、タイプA硬度=23)を充填し、120℃で30分加熱硬化した後、更に200℃で4時間ポストキュアし、ゴム厚さ0.8mm、長さ250mmのシリコーンゴムロールを作製した。上記シリコーンゴムロール表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン工業(株)製)を均一に塗付し、80℃/10分加熱した後、更にダイエルラテックスGLS−213を厚さ10μmに均一にスプレー塗付し、300℃で1時間加熱して、長さ250mmのダイエルラテックスコーティングシリコーンゴムロールを作製した。
このロールをレーザープリンターの定着ロールとして組み込み、芯金温度230℃、ロール表面温度190℃の条件で通紙を行ったところ、1万枚連続通紙しても画像は鮮明であり、定着ロールにも異常は全くなかった。
[比較例3]
直径30mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面に接着剤組成物(3)を塗布して、室温で1時間乾燥させた後、150℃で30分焼付けを実施した。この時、接着剤層の厚さは約5μmであった。次いで、内面をプライマー処理した厚さ50μmのフッ素PFAチューブとアルミニウムシャフトとの間に液状付加硬化型シリコーンゴム組成物KE1374A/B(信越化学工業(株)製、タイプA硬度=40)を充填し、120℃で30分加熱硬化した後、更に200℃で4時間ポストキュアし、ゴム厚さ1.2mm、長さ250mmのPFA樹脂被覆シリコーンゴムロールを作製した。
このロールをレーザープリンターの定着ロールとして組み込み、芯金温度250℃、ロール表面温度205℃の条件で通紙を行ったところ、6,000枚通紙で画像が乱れ始め、6,200枚で通紙を停止した。定着ロールを観察すると、接着剤層が破壊してしまっていた。
[比較例4]
直径30mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面に接着剤組成物(4)を塗布して、室温で1時間乾燥させた後、150℃で30分焼付けを実施した。この時、接着剤層の厚さは5μmであった。次いで、内面をプライマー処理した厚さ50μmのフッ素PFAチューブとアルミニウムシャフトとの間に液状付加硬化型シリコーンゴム組成物KE1374A/B(信越化学工業(株)製、タイプA硬度=40)を充填し、120℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、ゴム厚さ1.2mm、長さ250mmのPFA樹脂被覆シリコーンゴムロールを作製した。
このロールをレーザープリンターの定着ロールとして組み込み、芯金温度250℃、ロール表面温度205℃の条件で通紙を行ったところ、1,500枚通紙で画像が乱れ始め、1,600枚で通紙を停止した。定着ロールを観察すると、接着剤層が破壊してしまっていた。
[比較例5]
直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面に接着剤組成物(5)を塗布して、室温で1時間乾燥させた後、150℃で1時間焼付けを実施した。この時、接着剤層の厚さは20μmであった。次いで、アルミニウムシャフトを中心に設置した型内に液状付加硬化型シリコーンゴム組成物KE1376A/B(信越化学工業(株)製、タイプA硬度=23)を充填し、120℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、ゴム厚さ0.8mm、長さ250mmのシリコーンゴムロールを作製した。上記シリコーンゴムロール表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン工業(株)製)を均一に塗付し、80℃/10分加熱した後、更にダイエルラテックスGLS−213を厚さ10μmに均一にスプレー塗付し、300℃で1時間加熱して、長さ250mmのダイエルラテックスコーティングシリコーンゴムロールを作製した。
このロールをレーザープリンターの定着ロールとして組み込み、芯金温度230℃、ロール表面温度190℃の条件で通紙を行ったところ、7,500枚で画像が乱れ始め、7,600枚で通紙を停止した。定着ロールを取り出して観察すると、芯金とゴムの間の接着剤層が破壊していた。

Claims (7)

  1. ロール軸の外周に接着剤組成物を硬化させてなる接着剤層を有し、この接着剤層の外周に付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化して得られるシリコーンゴム層を有し、更にその外側にフッ素樹脂からなる表層を有する定着ロールにおいて、接着剤層の厚さが0.5μm以上0.15mm以下で、シリコーンゴム層の厚さが0.2mm以上3mm以下であり、かつデュロメータAによる接着剤層の硬度がシリコーンゴム層の硬度より5ポイント以上高硬度で、デュロメータAによるシリコーンゴム層の硬度が1ポイント以上45ポイント以下であり、なおかつ接着剤層のJIS K 6249に基づく引張り強度が2.5MPa以上であることを特徴とする定着ロール。
  2. 接着剤層が、
    (A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合するアルケニル基を含有する重合度100以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)一分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜300質量部、
    (C)接着助剤:10〜1,000質量部、
    (D)耐熱向上剤:0.1〜1,000質量部、
    (E)付加反応触媒:触媒量、
    (F)溶剤:必要量
    を含有する接着剤組成物を硬化させた層からなることを特徴とする請求項1記載の定着ロール。
  3. 接着剤組成物が、更に、(G)成分として
    3SiO1/2単位(式中、Rは非置換又は置換の一価炭化水素基)とSiO2単位を主成分とし、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5である樹脂質共重合体:10〜1,000質量部
    を含有することを特徴とする請求項記載の定着ロール。
  4. (C)接着助剤が、一分子中に、アルコキシシリル基、シラノール基、カルビノール基、エポキシ基、ケイ素原子と結合する水素原子、脂肪族不飽和基、アミノ基、エステル基から選ばれるいずれか2種以上の官能基を有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項2又は3記載の定着ロール。
  5. (D)耐熱向上剤が、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、結晶性シリカ、珪藻土、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリウム、カーボンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の定着ロール。
  6. ロール軸内部に熱源を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の定着ロール。
  7. トナー定着動作作動時のロール軸温度が220℃以上、ロール表面の温度が180℃以上で、かつロール軸温度とロール表面との温度差が20℃以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の定着ロール。
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