JP4232469B2 - シリコーンゴム組成物並びに定着ロール及び定着ベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンター、FAXなどに使用する定着ロール及び定着ベルト用として使用され、低硬度でも高い反撥弾性を有するシリコーンゴムを形成することができる付加硬化型のシリコーンゴム組成物、並びにこの組成物を用いて形成された定着ロール及び定着ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンゴムは、電気絶縁性、耐熱性、耐候性、難燃性に優れており、複写機やレーザービームプリンターのヒーターロールや加圧ロールなどの定着ロールの被覆材として用いられてきた。最近では、コピーの高速化、カラーコピーの普及に伴い、定着ロールにも低硬度化が求められ、従来の金属又はフッ素樹脂では対応しきれなくなり、高熱伝導性のシリコーンゴムの上にフッ素樹脂を被覆するタイプが多く採用されている。また、主としてヒートロール用のゴムには、機械立ち上げ時の待ち時間を短くするため、及び機械自体の省エネルギーの観点から、芯金上に被覆するロールタイプだけでなく、ポリイミドなどの耐熱性樹脂やアルミ、ニッケルなどの金属製のベルト上にシリコーンゴムを被覆し、更にその上に耐久離型層としてフッ素樹脂層を設ける定着ベルトタイプも広く使用されている。ところが、これら複写機、レーザービームプリンター、FAXなどの高速化に伴い、定着装置において、定着に要する時間を増加させるため、定着幅(ニップ幅)を確保する目的で、ゴム材料の低硬度化が進んでいる。更に、同じく高速化に対応するため、高熱伝導のゴム材料も要求されている。
【0003】
しかしながら、シリコーンゴムを低硬度化させる方向も、熱伝導性を上げるために高熱伝導性の無機充填剤を添加する方向も、反撥弾性が低下してしまうという問題が生じてしまう。定着ロールや定着ベルトの高速回転時には、より応答性がよい、即ち反撥弾性の高いゴム材料が必要であるが、上記のように高速化に対応するゴムは、それと全く逆の性質を持つ材料になってしまう。特開平7−334024号公報には、ロールとして反撥弾性が20〜55%のものが好ましいと記載されているが、シリコーンゴムの組成については、何ら記載されていない。特開平9−138606号公報には、定着ロール用として低硬度のシリコーンゲルを使用することが記載されているが、反撥弾性についての記述はなく、未反応物のシリコーンオイルについても全く触れられていない。また、特開平11−116806号公報には、定着ロール用に高熱伝導性のシリコーンゴムを使用することが記載されているが、反撥弾性もフリーオイル等についての記述も全くない。あるいは、特開昭62−153884号、特開平9−62128号公報には、付加型のシリコーンゴム材料に粘度規定したシリコーンオイルを添加することが記載されているが、これらはトナー離型を目的とするものであるため、シリコーンが表層となるロールのみに使用されるものである。従って、フッ素樹脂やフッ素ゴムの表層についての記述は全くなく、勿論、トルエン抽出分や、反撥弾性への言及は全くされていない。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−334024号公報
【特許文献2】
特開平9−138606号公報
【特許文献3】
特開平11−116806号公報
【特許文献4】
特開昭62−153884号公報
【特許文献5】
特開平9−62128号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、定着ロール及び定着ベルト用として優れた反撥弾性を有し、特には低硬度でも反撥弾性に優れる、あるいは高熱伝導性でも反撥弾性に優れる、更には低硬度かつ高熱伝導性でも反撥弾性に優れるシリコーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物、並びにこのシリコーンゴムのゴム層を有する定着ロール及び定着ベルトを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、25℃での粘度が50万mPa・s以下である液状オルガノポリシロキサンをベースポリマーとする付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物を硬化させた硬化物のトルエン抽出物のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量が3万以下であるシリコーンゴム組成物が、低硬度領域及び/又は無機質充填剤を多量に含む高熱伝導性領域においても反撥弾性が高く、定着ロール、定着ベルトのシリコーンゴム層の形成に有効であることを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】
従って、本発明は、
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、アルケニル基の含有量がオルガノポリシロキサン中1.0×10-6mol/g〜5.0×10-3mol/g(但し、平均重合度が500以上のオルガノポリシロキサンである場合にはアルケニル基含有量が7.0×10 -5 mol/g〜5.0×10 -3 mol/g)であり、25℃での粘度が50万mPa・s以下である液状オルガノポリシロキサン:100重量部、
(C)一分子中の珪素原子数が2〜300個であり、一分子中に珪素原子と結合する水素原子を少なくとも2個含有する25℃での粘度が1,000mPa・s以下である架橋剤としての液状オルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜30重量部、
(D)付加反応触媒:触媒量
を必須成分としてなり、これを硬化させた硬化物のトルエン抽出物のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量が3,200〜8,400であり、硬化物のデュロメータAによる硬度が15〜32であり、トルエン抽出量が3重量%以上であり、定着ロール用又は定着ベルト用であることを特徴とするシリコーンゴム組成物を提供する。
【0008】
また、本発明は、ロール軸の外周面にシリコーンゴム層を介してフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる定着ロールであって、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが上記シリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする定着ロール、及び、ベルト基材上にシリコーンゴム層を介してフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる定着ベルトであって、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが上記シリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする定着ベルトを提供する。
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のシリコーンゴム組成物における(A)成分の一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、25℃での粘度が50万mPa・s以下である液状オルガノポリシロキサンは、本発明組成物の主剤(ベースポリマー)であり、下記平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。R1 aSiO(4-a)/2 (1)
【0010】
式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。ここで、上記R1で示される珪素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全R1の80モル%以上がメチル基であることが好ましい。また、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくはビニル基である)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中1.0×10-6mol/g〜5.0×10-3mol/g、特に5.0×10-6mol/g〜1.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないと架橋が不十分でゲル状になってしまったり、硬化物から系外に抽出(又は溶出)されてしまったりする場合があり、また5.0×10-3mol/gより多いと架橋密度が高くなりすぎて、脆いゴムとなってしまう。この場合、(A)成分の平均重合度が400以上、特に500以上の高分子量オルガノポリシロキサンである場合には、アルケニル基含有量は、5.0×10-5mol/g以上、特に7.0×10-5mol/g以上であることが好ましい。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。このオルガノポリシロキサンの構造は基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。分子量については、室温で液状であり、粘度が50万mPa・s以下、通常50mPa・s以上50万mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以上10万mPa・s以下のものである。
【0011】
(B)成分の重合度(又は一分子中の珪素原子数)が300以下で、アルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサン(即ち、無官能性オルガノポリシロキサン又はフリーのシリコーンオイル)は、下記平均組成式(2)で示されるものを用いることができる。
R2 bSiO(4-b)/2 (2)
【0012】
式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の脂肪族不飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、bは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。具体的には、R2はアルケニル基を含まないこと以外は、R1と同種のものが挙げられる。全R2の80モル%以上がメチル基であることが好ましい。このオルガノポリシロキサンの構造は基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。重合度(又は一分子中の珪素原子数)については300以下、好ましくは5以上250以下、更に好ましくは10以上200以下である。5未満では硬化中に揮発し、発泡の原因となる可能性が高く、300を超えると、反撥弾性が著しく低下してしまう。
【0013】
上記(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対し0〜100重量部であるが、好ましくは1〜60重量部、より好ましくは5〜50重量部である。多すぎると、成形物から(B)成分の無官能性オルガノポリシロキサン(フリーのシリコーンオイル)がブリードアウトしてしまうという問題点が生ずる。
【0014】
(C)成分は、本発明組成物の架橋剤として作用するものであり、一分子中に珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、分子中のSi−H基が前記(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基とヒドロシリル付加反応により架橋し組成物を硬化させるための硬化剤として作用するものである。この(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(3)
R3 cHdSiO(4-c-d)/2 (3)
(式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、cは0.7〜2.1、dは0.001〜1.0で、かつc+dは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、一分子中に少なくとも2個、通常2〜100個、好ましくは3〜100個、より好ましくは3〜50個の珪素原子結合水素原子を有するものが好適に用いられる。ここで、R3の一価炭化水素基としては、R1で例示したものと同様のものを挙げることができるが、脂肪族不飽和基を有しないものが好ましい。また、cは好ましくは0.8〜2.0、dは好ましくは0.01〜1.0、c+dは好ましくは1.0〜2.5であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、一分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、珪素原子に結合する水素原子は、分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
【0015】
上記(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
【0016】
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部、特に0.2〜15重量部である。また、この(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基に対する(C)成分中の珪素原子に結合する水素原子のモル比が、0.5〜5モル/モル、好ましくは0.8〜3モル/モル程度となるように配合することもできる。
【0017】
(D)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などが挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常白金族金属として、(A)、(B)成分の合計量に対し、0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度である。
【0018】
なお、これら以外にシリコーンゴムに熱伝導性を付与するための充填剤として高熱伝導性無機粉体を添加してもよい。具体的には、石英粉、珪藻土、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭化珪素、窒化珪素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などが挙げられ、特に石英粉とアルミナが好適に用いられる。高熱伝導性無機粉体としては、その平均粒子径が0.1〜50μm、好ましくは0.5〜40μmであるものを使用する。平均粒子径が0.1μm未満の粒子は、製造が困難であると共に、多量に配合するのが困難であり、50μmを超えるとゴム硬化物の機械的強度が損なわれる場合があるだけでなく、ロールとしての表面性能等に問題が生じてしまう。これら高熱伝導性無機粉体は、1種のみを用いてもよくあるいは2種以上を併用してもよい。あるいは、同種のもの、例えばアルミナでも、平均粒子径や製造方法、あるいは純度や表面処理の有無など異なる2品種以上のものを併用してもよい。これら熱伝導性無機粉体の混合方法は、常温でプラネタリーミキサーやニーダーなどの機器を用いて(A)、(B)、(C)成分と混合してもよいし、あるいは100〜200℃の高温で混合してもよい。
【0019】
この場合、無機粉体の配合量は、(A)成分100重量部に対し、5〜800重量部、特に10〜500重量部とすることができるが、高熱伝導性を付与する場合は、(A)成分100重量部に対し、50〜600重量部、特に100〜500重量部の配合量とすることが好ましい。
【0020】
更に上記シリコーンゴム組成物には、必要に応じてシリカヒドロゲル(含水珪酸)、シリカエアロゲル(無水珪酸・煙霧質シリカ)などの補強性シリカ充填剤、クレイ、炭酸カルシウム、珪藻土、二酸化チタン等の充填剤、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、接着性や成形加工性を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させる窒素化合物、ハロゲン化合物を添加混合してもよい。
【0021】
本発明の硬化物は、硬化ゴムのトルエン抽出成分のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量が3万以下、好ましくは2万以下でなければならず、3,200〜8,400の範囲である。抽出成分の分子量が3万より大きいと、この分子が硬化ゴム内で粘性物質として働き、ゴムの反撥弾性を著しく低下させてしまう。硬化ゴムのトルエン抽出量は通常のゴムでは微量であるが、複写機、プリンター等の高速化に対応するため低硬度とすると、架橋が不十分になり、抽出量も大きくなってしまう。同じく高熱伝導材料では、熱伝導を高くするために充填剤を多くすると硬度が高くなってしまうため、硬度を下げようとすると架橋が不完全なものになってしまう。この抽出量が特に3重量%以上となると、その抽出成分の分子量が反撥弾性に著しく影響してしまう。
【0022】
この場合、このように抽出成分の数平均分子量を3万以下にする手法としては、特に(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン(ベースポリマー)中に存在し得る官能基を持たないポリマーを極力低減すること、官能基を持たないポリマーが存在してしまう場合は、その分子量が大きくならないように制御すること、あるいは官能基を少量(例えば一分子中に1個)有していても架橋又は鎖長延長反応が不十分でポリマーが高分子量にならないようにすること、硬化物を低硬度化する目的で官能基を持たないポリマー(例えば(B)成分の無官能性オルガノポリシロキサン等)を配合する場合、その分子量を3万以下にすることなどの方法が採用される。
【0023】
なお、硬化ゴムのトルエン抽出方法及び抽出物のGPC測定は、一般的な方法であれば特に問題ないが、本発明では以下の条件で行ったものの値である。
*トルエン抽出法
2mmの硬化シートを約3mm×3mmに切断し、23℃で50%RHの部屋に一日放置後、重量を測定する。これを初期重量とし、重量測定したサンプルを500ccのトルエンを満たした密閉できる容器に入れ、23℃の部屋に24時間放置した。24時間後、サンプルを取り出し、23℃で50%RHの部屋に48時間つるしながら放置し、乾燥を行った。48時間後の重量を測定し、乾燥重量とした。次の式でトルエン抽出量を計算した。
トルエン抽出量(重量%):[(初期重量−乾燥重量)/初期重量]×100**GPC測定方法
抽出したトルエン溶液をフラスコに移し、減圧下(2mmHg)、120℃で2時間溶剤除去を行い、残留物の重量を測定後、これをトルエンで0.5重量%に溶解し、GPC測定を行った。
【0024】
本発明に係るシリコーンゴム組成物の硬化方法は、注入成形、圧縮成形、射出成形、コーティングなどの方法があり、硬化条件としては100〜300℃の温度で10秒〜1時間の範囲が好適に採用される。また、圧縮永久歪を低下させる、低分子シロキサン成分を低減させる等の目的で、成形後、更に120〜250℃のオーブン内で30分〜70時間程度のポストキュア(2次キュア)を行ってもよい。
【0025】
本発明の定着ロール又は定着ベルトは、ステンレス、鉄、ニッケル、アルミなどの芯金、又はポリイミドなどの耐熱性樹脂のベルト基材上に上記シリコーンゴム組成物の硬化物層を形成するものであるが、この場合、芯金やベルトの材質、寸法等はロールやベルトの種類に応じて適宜選定し得る。また、シリコーンゴム組成物の成形、硬化方法も適宜選定し得、例えば注入成形、移送成形、射出成形、コーティング等の方法によって成形でき、加熱により硬化される。シリコーンゴム層の外周に更にフッ素樹脂層やフッ素ゴム層を設けてもよい。この場合、フッ素系樹脂層は、フッ素系樹脂コーティング材やフッ素系樹脂チューブなどにより形成され、上記シリコーンゴム層を被覆する。ここでフッ素系樹脂コーティング材としては、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のラテックスや、ダイエルラテックス(ダイキン工業社製、フッ素系ラテックス)等が挙げられ、またフッ素系樹脂チューブとしては、市販品を使用し得、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレン−ポリプロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂などが挙げられるが、これらのうちで特にPFAが好ましい。
【0026】
なお、上記シリコーンゴム層の厚さは適宜選定されるが、0.05〜80mm、特に0.1〜50mmであることが、シリコーンゴムの反撥弾性をいかすという点で好ましい。また、その上に形成されるフッ素樹脂又はフッ素ゴム層の厚さは、5〜200μm、特に10〜100μmが好ましい。
【0027】
更に、上記シリコーンゴム層(上記シリコーンゴム組成物の硬化物)は、比較的低荷重でも広いニップ幅を確保するという点からデュロメータAによる硬度が15〜32であり、30以下、より好ましくは15〜25、更に好ましくは15〜20であることが望ましい。また、ヒーターの熱を迅速にトナーに伝えるという点で、熱伝導率が0.4W/m℃以上、より好ましくは0.5〜1.5W/m℃、更に好ましくは0.6〜1.2W/m℃であることが望ましい。
【0028】
【発明の効果】
本発明の定着ロール及び定着ベルトは、反撥弾性が高く、特に低硬度あるいは高熱伝導でも高い反撥弾性を示すことができるものである。
【0029】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において部はいずれも重量部を示す。
【0030】
[実施例1]
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖に(即ち、ジオルガノシロキサン単位の珪素原子に結合した一価炭化水素基として)ビニル基を有するジメチルポリシロキサン(重合度500、ビニル基含有量0.0001mol/g)80部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニル基を含有しないジメチルポリシロキサン(重合度100)20部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製R−972)10部をプラネタリーミキサーに入れ、室温(23℃)で30分撹拌を行った。この混合物を3本ロールにかけてヒュームドシリカの分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基量0.0042mol/g)を1.9部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けて、できあがった組成物をシリコーンゴム組成物(実−1)とした。
【0031】
このシリコーンゴム組成物(実−1)を120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、JIS K6301に従い、硬さ及び反撥弾性を測定した。また、熱伝導率を熱伝導計(QTM−3京都電子社製)で測定し、表1に記した。更に上述した方法により、硬化ゴムのトルエン抽出量及び抽出物の分子量を測定し、表1に記した。
【0032】
[実施例2]
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持つ(ビニル基含有量0.00007mol/g)ジメチルポリシロキサン(重合度500)70部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニル基を含有しないジメチルポリシロキサン(重合度50)30部、平均粒子径が5μmのアルミナ250部をプラネタリーミキサーに入れ、室温で30分撹拌を行った。この混合物を3本ロールにかけて充填剤の分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度22、Si−H基量0.0038mol/g)を1.29部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けて、できあがった組成物をシリコーンゴム組成物(実−2)とした。
【0033】
このシリコーンゴム組成物(実−2)を120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、実施例1と同様に硬さ、反撥弾性、熱伝導率、トルエン抽出量、抽出物の分子量を測定し、表1に記した。
【0034】
[実施例3]
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持つ(ビニル基含有量0.00015mol/g)ジメチルポリシロキサン(重合度200)100部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製R−972)2部、平均粒子径が12μmのアルミナ200部、平均粒子径が4μmの石英粉50部をプラネタリーミキサーに入れ、室温で30分撹拌を行った。この混合物を3本ロールにかけて充填剤の分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度22、Si−H基量0.0038mol/g)を5.9部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けて、できあがった組成物をシリコーンゴム組成物(実−3)とした。
【0035】
このシリコーンゴム組成物(実−3)を120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、実施例1と同様に硬さ、反撥弾性、熱伝導率、トルエン抽出量、抽出物の分子量を測定し、表1に記した。
【0036】
[実施例4]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度160)100部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製R−972)2部、平均粒子径が12μmのアルミナ150部をプラネタリーミキサーに入れ、室温で30分撹拌を行った。この混合物を3本ロールにかけて充填剤の分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度22、Si−H基量0.0038mol/g)を4.5部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けて、できあがった組成物をシリコーンゴム組成物(実−4)とした。
【0037】
このシリコーンゴム組成物(実−4)を120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、実施例1と同様に硬さ、反撥弾性、熱伝導率、トルエン抽出量、抽出物の分子量を測定し、表1に記した。
【0038】
[比較例1]
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を有するジメチルポリシロキサン(重合度500、ビニル基含有量0.0001mol/g)80部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニル基を含有しないジメチルポリシロキサン(重合度1,000)20部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製R−972)10部をプラネタリーミキサーに入れ、室温(23℃)で30分撹拌を行った。この混合物を3本ロールにかけてヒュームドシリカの分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H基量0.0042mol/g)を1.5部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けて、できあがった組成物をシリコーンゴム組成物(比−1)とした。
【0039】
このシリコーンゴム組成物(比−1)を120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、実施例1と同様に硬さ、反撥弾性、熱伝導率、トルエン抽出量、抽出物の分子量を測定し、表2に記した。
【0040】
[比較例2]
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持つ(ビニル基含有量0.00007mol/g)ジメチルポリシロキサン(重合度500)70部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニル基を含有しないジメチルポリシロキサン(重合度500)30部、平均粒子径が5μmのアルミナ250部をプラネタリーミキサーに入れ、室温で30分撹拌を行った。この混合物を3本ロールにかけて充填剤の分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度22、Si−H基量0.0038mol/g)を1.29部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けて、できあがった組成物をシリコーンゴム組成物(比−2)とした。
【0041】
このシリコーンゴム組成物(比−2)を120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、実施例1と同様に硬さ、反撥弾性、熱伝導率、トルエン抽出量、抽出物の分子量を測定し、表2に記した。
【0042】
[比較例3]
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持つ(ビニル基含有量0.00006mol/g)ジメチルポリシロキサン(重合度800)100部、平均粒子径が12μmのアルミナ200部、平均粒子径が4μmの石英粉50部をプラネタリーミキサーに入れ、室温で30分撹拌を行った。この混合物を3本ロールにかけて充填剤の分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度22、Si−H基量0.0038mol/g)を1.3部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けて、できあがった組成物をシリコーンゴム組成物(比−3)とした。
【0043】
このシリコーンゴム組成物(比−3)を120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、実施例1と同様に硬さ、反撥弾性、熱伝導率、トルエン抽出量、抽出物の分子量を測定し、表2に記した。
【0044】
[比較例4]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持つ(ビニル基含有量0.00004mol/g)ジメチルポリシロキサン(重合度900)100部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製R−972)2部、平均粒子径が12μmのアルミナ150部をプラネタリーミキサーに入れ、室温で30分撹拌を行った。この混合物を3本ロールにかけて充填剤の分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度22、Si−H基量0.0038mol/g)を1.3部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けて、できあがった組成物をシリコーンゴム組成物(比−4)とした。
【0045】
このシリコーンゴム組成物(比−4)を120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、実施例1と同様に硬さ、反撥弾性、熱伝導率、トルエン抽出量、抽出物の分子量を測定し、表2に記した。
【0046】
上記比較例1,2においては、組成物中に配合されたビニル基を含有しないフリーのジメチルポリシロキサン(無官能性ジメチルシリコーンオイル)が高分子量であるため、比較例3,4は、組成物中に無官能性ジメチルシリコーンオイルを配合していないものであるが、(A)成分のベースポリマーである側鎖にビニル基を有するジメチルポリシロキサンが高分子量であり、かつ、そのビニル基含有量(平均値)が比較的低いものであることから、分子中にビニル基を含有しないもの又は分子中にビニル基を1個しか含有しないものが(A)成分中に存在しているため、これらの高分子量ポリマー成分が抽出される結果、抽出物の数平均分子量が3万を超えるものとなってしまうものと推定される。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
[実施例5]
直径10mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業社製)を塗付した。内面をプライマー処理した厚さ50μmのフッ素PFAチューブとアルミニウムシャフトとの間に実施例2のシリコーンゴム組成物(実−2)を5kg/cm2充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアし、外径20mm×長さ250mmのPFA樹脂被覆シリコーンゴムロールを作製した。
この定着ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を1,000枚連続複写したが、複写された画像はすべて鮮明であった。
【0050】
[実施例6]
ニッケル製のベルト基材(厚さ50μm、形状:内径φ55mm、幅250mm)の外周面に、付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.101A/B(信越化学工業社製)を塗布し、乾燥後焼付け(150℃/15分)を行った。この上に、実施例3のシリコーンゴム組成物をコーティングし(厚さ約300μm)、150℃/15分加熱し、更に200℃で2時間ポストキュアを行った。この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗付し、80℃/10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗付し、300℃で1時間加熱焼成し、フッ素樹脂コーティングシリコーンゴム製定着ベルトを作製した。この定着ベルトを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を1,000枚連続複写したが、複写された画像はすべて鮮明であった。
【0051】
[比較例5]
実施例5で、シリコーンゴム組成物(実−2)に替えて(比−2)を使用した以外は同様にロールを作製し、電子複写機に装着してA4サイズの複写紙を連続通紙したところ、100枚目くらいから画像が不鮮明になってしまった。
【0052】
[比較例6]
実施例6で、シリコーンゴム組成物(実−3)に替えて(比−3)を使用した以外は同様に定着ベルトを作製し、電子複写機に装着してA4サイズの複写紙を連続通紙したところ、1枚目から一部不鮮明な部分があり、50枚目以降は全体的に不鮮明な画像になってしまった。
Claims (8)
- (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、アルケニル基の含有量がオルガノポリシロキサン中1.0×10-6mol/g〜5.0×10-3mol/g(但し、平均重合度が500以上のオルガノポリシロキサンである場合にはアルケニル基含有量が7.0×10 -5 mol/g〜5.0×10 -3 mol/g)であり、25℃での粘度が50万mPa・s以下である液状オルガノポリシロキサン:100重量部、
(C)一分子中の珪素原子数が2〜300個であり、一分子中に珪素原子と結合する水素原子を少なくとも2個含有する25℃での粘度が1,000mPa・s以下である架橋剤としての液状オルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜30重量部、
(D)付加反応触媒:触媒量
を必須成分としてなり、これを硬化させた硬化物のトルエン抽出物のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量が3,200以上8,400以下であり、硬化物のデュロメータAによる硬度が15〜32であり、トルエン抽出量が3重量%以上であり、定着ロール用又は定着ベルト用であることを特徴とするシリコーンゴム組成物。 - フッ素樹脂又はフッ素ゴムからなる表層の下層用である請求項1記載のシリコーンゴム組成物。
- (A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基に対する(C)成分中の珪素原子に結合した水素原子のモル比が0.5〜5モル/モルである請求項1又は2記載のシリコーンゴム組成物。
- (B)重合度が300以下で、アルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサンを(A)成分100重量部に対し1〜100重量部含有する請求項1乃至3のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
- 更に、高熱伝導性無機粉体を(A)成分100重量部に対し5〜800重量部含有する請求項1乃至4のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
- 硬化物の熱伝導率が0.4W/m℃以上である請求項1乃至5のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
- ロール軸の外周面にシリコーンゴム層を介してフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる定着ロールであって、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが請求項1乃至6のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする定着ロール。
- ベルト基材上にシリコーンゴム層を介してフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる定着ベルトであって、該シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが請求項1乃至6のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする定着ベルト。
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