JP2656194B2 - フッ素樹脂被覆弾性ロール - Google Patents

フッ素樹脂被覆弾性ロール

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JP2656194B2 JP30753592A JP30753592A JP2656194B2 JP 2656194 B2 JP2656194 B2 JP 2656194B2 JP 30753592 A JP30753592 A JP 30753592A JP 30753592 A JP30753592 A JP 30753592A JP 2656194 B2 JP2656194 B2 JP 2656194B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素樹脂被覆弾性ロー
ル、特には使用中に界面剥離や接着剤破壊が発生せず、
耐ストレスクラック性がすぐれていることから長寿命化
を図ることができるフッ素樹脂被覆弾性ロールに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電子複写機等の定着装置に定着ロールま
たは加圧ロールとして用いられる弾性ロールとしては、
通常、ロール上の芯金上に設けられたシリコーンゴム弾
性層に接着剤を用いてフッ素系樹脂被覆層を形成してな
るものが使用されている。従来、かかる弾性ロールとし
てはフッ素系樹脂被覆層の内表面をエッチング処理した
後にその上にプライマーを塗布したものを、縮合硬化型
RTVシリコーンゴムからなる接着剤を用いてシリコー
ンゴム弾性層に接着してなる弾性ロールが公知であり
(特公昭47-20747)、また、シリコーン弾性層とフッ素
系樹脂被覆層とをフッ素樹脂含有ラテックスからなる接
着剤を用いて接着した弾性ロールも知られている(特開
昭61-38957)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このフッ素樹
脂被覆弾性ロールについては接着が安定性に欠け、耐久
性も悪いということから、本発明者らはシリコーンゴム
ロール層とフッ素樹脂被覆層とを付加反応型シリコーン
ゴムを接着層として接着すれば接着が安定し、高い耐久
性の得られることを見出した(特開平4-173328号公報参
照)が、このフッ素樹脂としてテトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロエチレン共重合体を使用する場合には
ストレスと熱によってこの樹脂層にたやすくクラックが
入るために実用上、このものは電子複写機のロールとし
て用いたときに長期使用に耐えないことが判った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、欠点を解決したフッ素樹脂被覆弾性ロールに関する
もので、これはロール上の芯金上にシリコーンゴム弾性
層を形成し、その上に付加反応型自己接着性シリコーン
ゴムからなる接着層を形成したのち、最外層にメルトフ
ローレートが 2.0以下のテトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体からなるフッ素樹脂を被
覆してなることを特徴とするものである。
【0005】すなわち、本発明者らは耐ストレスクラッ
ク性が向上し、寿命の長いフッ素樹脂被覆弾性ロールを
開発すべく種々検討した結果、ロール状の芯金上にシリ
コーンゴム弾性体層を形成し、これに付加反応型の自己
接着性シリコーンゴム層を設け、さらにこの上にメルト
フローレートを 2.0以下と特定したテトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなるフッ
素樹脂を被覆すればこのものが耐ストレスクラック性が
向上したものとなり、寿命が大幅に向上された弾性ロー
ルを得ることができることを見出し、ここに使用するシ
リコーンゴム弾性体層、付加反応型自己接着性シリコー
ンゴム、フッ素樹脂層の構成、それらの処理方法につい
て研究を進めて本発明を完成させた。以下にこれをさら
に詳述する。
【0006】
【作用】本発明はフッ素樹脂被覆弾性ロールに関するも
のであり、これはロール状の芯金上にシリコーンゴム弾
性層を形成し、その上に付加反応型自己接着性シリコー
ンゴムからなる接着剤層を設けたのち、最外層にメルト
フローレートが 2.0以下のテトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体からなるフッ素樹脂を
被覆してなることを特徴とするものであるが、このよう
にして作られた弾性ロールには耐ストレスクラック性が
向上したものとなるので寿命が大幅に延びたものになる
という有利性が与えられる。
【0007】本発明のフッ素樹脂被覆弾性ロールは芯金
上にシリコーンゴム弾性体層、付加反応型自己接着性シ
リコーンゴム層およびフッ素樹脂層を設けてなるもので
ある。この芯金上に形成されるシリコーンゴム弾性体層
は特に限定されず、公知のシリコーンゴムのいずれを使
用してもよく、これにはジオルガノポリシロキサンに充
填剤、その他の添加剤を必要に応じて配合したシリコー
ンゴム組成物の硬化物が挙げられる。
【0008】ここに用いられるジオルガノポリシロキサ
ンとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルビ
ニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、
3,3,3-トロフルオロプロピルメチルポリシロキサンを初
めとして、これらを構成する種々のシロキシ単位、シロ
キサン単位からなる様々な共重合体が挙げられる。
【0009】また、ここに使用される充填剤としては、
例えばフェームドシリカ、沈降性シリカ、疎水性シリ
カ、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸
化アルミニウム、酸化亜鉛、石英粉末、ケイソウ土、ケ
イ酸カルシウム、タルク、ベントナイト、アスベスト、
ガラス繊維、有機繊維などが挙げられ、これらの1種又
は2種以上を配合してもよい。また、充填剤以外の添加
剤も、各種のもののうち1種又は2種以上を配合するこ
とができる。
【0010】なお、このシリコーンゴム組成物の硬化の
型は何ら限定されず、したがってこれは有機過酸化物硬
化型、Si-H結合と脂肪族不飽和結合との白金族金属系触
媒によるハイドロシリレーション反応を利用する付加反
応硬化型、種々の縮合硬化型のいずれでもよいが、縮合
硬化型のシリコーンゴムを使用する場合には、用いる縮
合触媒の種類によっては (b)の接着剤層が触媒毒のため
に硬化不良をおこすことがあるので、これは有機過酸化
物硬化型または付加反応硬化型のものとすることがよ
い。
【0011】このシリコーンゴム弾性層の芯金上への形
成は、常法に従い、必要に応じあらかじめプライマーを
塗布しておいた芯金上に、硬化剤を含んだシリコーンゴ
ム未加硫物を所要の形状に成形し、硬化後、所定の外形
寸法に研磨することにより行うことができる。使用され
る代表的なプライマーとしては、例えばシリコーンゴム
と金属との接着に、通常、用いられる信越化学社製プラ
イマー NO.16、NO.18B(商品名)などが挙げられる。
【0012】また、芯金上へのシリコーンゴム未加硫物
の成形は、例えば加圧成形、射出成形、押出成形、注型
法等の成形方式で行うことができるが、この芯金の材料
としては、通常、例えばアルミニウム、鉄などの金属ま
たはこれらの合金などが使用される。
【0013】つぎにこのシリコーンゴム弾性層の上に形
成される付加反応型自己接着性シリコーンゴムはこのシ
リコーンゴム弾性層と後記するフッ素樹脂層とを接着さ
せるための接着層となるものであるが、このものはそれ
が付加反応型のものとされることから、(イ)アルケニ
ル基を含有するジオルガノポリシロキサン、(ロ)オル
ガノハイドロジェンポリシロキサン、(ハ)白金系の硬
化触媒及び(ニ)接着性付与剤を必須成分とするもので
あり、必要に応じて、(a) のシリコーンゴム弾性層で用
いる充填剤及び添加剤などを適宜配合したものとされ
る。
【0014】この(イ)アルケニル基を含有するジオル
ガノポリシロキサンとしては、ケイ素原子に結合するア
ルケニル基を、1分子中に少なくとも2個含有するもの
が好ましい。かかるアルケニル基としては、例えばビニ
ル基、アリル基等があり、好ましくはビニル基である。
また、ケイ素原子に結合するその他の有機基は、炭素原
子数が10以下の一価の炭化水素基が好ましく、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル
基、フェニル基、トリル基等のアリール基、クロロメチ
ル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等の水素原子の一
部または全部がハロゲン原子等で置換された炭化水素基
などが挙げられ、中でもメチル基及びフェニル基が好ま
しい。これらのアルケニル基、及び炭素原子数が10以下
の一価の炭化水素基を含んでなるジオルガノポリシロキ
サンとしては直鎖状のものが好ましい。また、アルケニ
ル基は、ジオルガノポリシロキサンの分子鎖中もしくは
分子鎖両末端のいずれに存在してもよく、その含有量
は、全有機基中0.05〜10モル%であることが好ましい。
【0015】この(ロ)オルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンは前記(イ)のジオルガノポリシロキサン中の
アルケニル基と付加反応して組成物を硬化せしめる架橋
剤であるので、1分子中に少なくとも2個の SiH基を有
することが必要であるが、その分子構造は直鎖状、環
状、分岐状のいずれの状態であってもよい。このオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンの使用量は、それに含
まれるSi-H基と(イ)のジオルガノポリシロキサン中の
アルケニル基とのモル比[Si-H基]/[アルケニル基]
が 0.5〜5の範囲となる量であることが好ましい。
【0016】また、この(ハ)白金系触媒は公知のもの
でよく、これには例えば塩化白金酸、アルコール変性塩
化白金酸、塩化白金酸とオレフィン、ビニルシロキサン
との錯体などが挙げられるが、その使用量は、通常、前
記(イ)成分に対し1〜100ppm程度でよい。
【0017】なお、ここに使用される(ニ)接着性付与
剤はこの付加反応型シロキサン組成物に自己接着性を付
与するためのものであることから、接着性を付与する官
能基を含有するケイ素化合物とすることが好ましい。か
かる官能基としては、例えばエポキシ基、アルコキシ
基、ビニル基、 SiH基などが挙げられ、1分子中にこれ
らの官能基を2種以上含有するものが特に好ましい。
【0018】また、このような官能基を含有するケイ素
化合物としては、例えば
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】 などが例示され、これらの添加量は通常上記した(イ)
成分としてのジオルガノポリシロキサン 100重量部に対
して 0.1〜5重量部とすればよいが、このものが官能基
としてSi-H結合やアルケニル基を含むものである場合に
は接着性付与剤中の全Si-H基量[(ロ)+(ニ)]の接
着剤付与剤中の全アルケニル基量[(イ)+(ニ)]に
対するモル比が 0.5〜20の範囲とすることがよく、この
範囲を外れると接着剤の機械的特性が損なわれるように
なる。
【0019】なお、このものは充填剤およびその他の添
加剤を含んでいてもよく、これらはいずれも公知のもの
でよいが、これには例えば (a)のシリコーンゴム弾性層
において例示したものなどが挙げられ、通常、その配合
量は前記(イ)成分のジオルガノポリシロキサン 100重
量部当り5〜100 重量部とすればよい。
【0020】この接着剤層に用いる付加硬化型シリコー
ンゴム組成物の硬化後の硬度(JISK 6301)は、十分な
接着耐久性を得るために、前記のシリコーンゴム弾性層
の硬度と同等ないし10程度高めのものとすることが好ま
しい。例えば、シリコーンゴム弾性層の硬度は用途ある
いは仕様に依存するが、通常、20〜70程度であるため、
接着剤層の硬化後の硬度は30〜80の範囲が好ましい。ま
た、かかる硬度の調整は、架橋剤である前記(ロ)のオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造、または充
填剤の添加量によって調節することができる。
【0021】この接着剤層に用いる付加硬化型シリコー
ンゴム組成物をシリコーンゴム弾性層上に塗布する方法
としては、例えば、付加硬化型シリコーンゴム組成物を
有機溶剤で希釈し、その溶液をスプレー塗布、ディップ
塗布などにより塗布する方法がある。かかる有機溶剤と
しては、例えばトルエン、キシレン、1,1,1-トリクロロ
エタン、テトラクロロエチレン等が例示されるが、これ
が液状タイプのものであるときにはこれをナイフコー
ト、ロードコート法などで弾性層上に塗布してもよい。
ここに形成される接着剤層の厚さは、薄すぎると接着力
が低下し、また厚すぎると層の厚さが均一性を欠く恐れ
があるため、 0.1〜0.3mm の厚さが好ましい。
【0022】また、スプレー塗布により均一な接着剤層
を形成する場合には、芯金上のシリコーンゴム弾性層を
50〜80℃に予熱しておくとよく、これによれば接着剤溶
液中の溶剤がシリコーンゴム弾性層表面上で素早く揮散
するため、付加硬化型シリコーンゴム組成物が微粒子化
しやすく、また溶剤揮散の際に発生する気化熱によっ
て、接着力低下の原因となるシリコーンゴム弾性層表面
への水分の吸着を防止する効果も生ずる。また、粘度の
高い付加硬化型シリコーンゴム組成物を使用する場合に
は、表面平滑性を向上させるために、接着剤塗布後の該
層表面をバフがけすることが好ましい。
【0023】本発明のフッ素樹脂被覆弾性ロールは上記
したシリコーンゴム弾性層に付加反応型自己接着性シリ
コーンゴム層を設けたのち、これにフッ素樹脂を被覆す
るのであるが、ここに使用するフッ素樹脂はテトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以
下FEP樹脂と略記する)とされる。
【0024】しかし、FEP樹脂もASTM D2116で規定さ
れたメルトフローレート(g/10分;372 ℃、荷重5,000
g)が 2.0以上であると樹脂そのものの耐久ストレスク
ラック性評価としてのMIT曲げ寿命が通常 7,000〜1
5,000サイクルとなり、実際の複写機ロールの構成に近
い形態、すなわちシリコーンゴム弾性体上にFEPフィ
ルムを貼り合わせて De Mettia式の屈曲試験にかけたと
ころ、約 100〜5,000 サイクルで亀裂が発生したが、こ
れをそのメルトフローレートが 2.0以下のものとすると
その耐ストレスクラック性評価のMIT曲げ寿命が約7
0,000サイクルとなり、上記した De Mettia式の屈曲試
験結果も 175℃の条件下で約30,000サイクルでも亀裂の
発生しないことが見出されたので、このFEP樹脂につ
いてはメルトフローレートが 2.0以下のものとすること
が必要でとされる。
【0025】このフッ素樹脂による被覆層の形成はその
粉末塗料またはディスパージョンを塗布して硬化または
焼成する方法、あるいはこのフッ素樹脂をチューブ状、
フィルム状に加工してこれを被覆する方法があるが、こ
の被覆層の強度、均一性からはチューブを用いることが
好ましく、これには被覆作業の容易性、接着の安定性か
ら熱収縮タイプのチューブとすることがよいが、フッ素
樹脂チューブの特性を引き出すためには接着剤と接する
FEP樹脂チューブの内表面を予めナトリウム−ナフタ
レンなどでエッチング処理しておくことがよい。
【0026】ここに使用するFEP樹脂チューブの厚さ
は0.03〜1.0mm とすることがよいが、これは得られる弾
性ロールの用途などによって使い分けるようにすればよ
い。このFEP樹脂チューブで接着剤層を被覆したもの
は、ついでホットエアーガン、乾燥機などの加熱手段で
FEP樹脂を熱収縮させて、同時にエアーを除去すれば
FEP樹脂被覆層の形成が完了するが、このもののロー
ル表面を平滑にするためには上記工程中にFEP樹脂チ
ューブの上から圧着ロールで圧着を行なってもよい。
【0027】このFEP樹脂被覆をした弾性ロールは接
着剤の硬化とシリコーンゴム弾性層とFEP樹脂チュー
ブ内面との接着を強固にするために加熱処理をすること
がよいが、これは乾燥機を用いて 150℃で30〜60分とい
う条件で行なえばよい。
【0028】このようにして作られた本発明のフッ素樹
脂被覆弾性ロールは電子複写機などの定着装置などに使
用することができ、この場合シリコーンゴム弾性層とF
EP樹脂チューブの厚さとの組合せによりこのものは定
着ロールにも加圧ロールにも使用することができるが、
例えば定着ロールに使用する場合には、通常、シリコー
ンゴム弾性層の厚さを 0.1〜0.5mm 、フッ素系樹脂チュ
ーブの厚さを0.03〜0.1mm とすることが好ましく、加圧
ロールに使用する場合には、シリコーンゴム弾性層の厚
さを5〜10mm、フッ素系樹脂チューブの厚さを0.05〜1.
0mm とすることが好ましい。
【0029】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例 ロールの芯となるアルミニウム製芯金(外形84mmφ、長
さ 350mm)上にシリコーン系プライマー No.16[信越化
学工業(株)製商品名]を塗布し、その上にシリコーン
ゴムコンパウンド・KE-7010u[信越化学工業(株)製商
品名] 100重量部と加硫剤として有機過酸化物:2,5-ジ
メチル−2,5-ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキ
サン 0.5重量部とを混合したものを、金型を用いたプレ
ス加硫により加熱成形し、その後研磨機にて外径99.8mm
φに研磨してシリコーンゴム弾性層を形成したところ、
このシリコーンゴム弾性層のゴム強度は50であった。
【0030】また、ジオルガノポリシロキサンコンパウ
ンド・KE-164u [信越化学工業(株)製商品名] 100重
量部、下記のメチルハイドロジェンポリシロキサン
【化6】 1.5重量部、 塩化白金酸の イソプロパノール溶液 0.1重量部、 (Pt濃度が1重量%) および下記式の接着付与剤
【化7】 1.0重量部、をテトラクロルエチレン 800重量部を溶剤
として用いて均一に溶解し、混合して、接着剤層として
の付加反応型自己接着性シリコーンゴム組成物を調整し
た。
【0031】ついで、この組成物を70℃に予熱されたシ
リコーンゴム弾性層の表面に対して、ロールを回転させ
ながらスプレーガンを用いて塗布して接着剤層を形成し
た後放置して風乾し、溶剤を揮発させたが、この接着剤
層の厚さをレーザー測長器により測定したところ、約
0.2mmであった。なお、ここで調製した付加反応型シリ
コーンゴム組成物中の SiH基とビニル基とのモル比:
[SiH 基]/[ビニル基]を測定したところ、これは
4.0であり、硬化後のゴム硬度は別途同一組成物から同
様の条件で硬化シートを形成して測定したところ60であ
った。
【0032】一方、フッ素系樹脂層については潤工社製
のメルトフローレートが 1.2であるFEP樹脂を用いて
内径 106mmφ、厚さ0.20mmの熱収縮型の樹脂チューブを
作り、その内表面をナトリウム−ナフタレンのテトラヒ
ドロフラン溶液でエッチング処理した。ついでこの熱収
縮性FEP樹脂チューブを前記で得たシリコーンゴム弾
性層に付加反応型自己接着性シリコーンゴムを塗布した
その接着剤層の表面に被覆したのち、ホットエアーガン
で加熱してこの熱収縮性FEP樹脂チューブを熱収縮さ
せ、これを乾燥機中に 150℃で30分間放置し、冷却後得
られたロールの外径をレーザー測定器を用いて測定した
ところ、これは 100.8〜 100.9mmφであり、このロール
を軸受で支えながら回転させて外径を測定したときのレ
ーザー測定器の振れ幅を読みとったところ、その偏心度
は 0.1mm以下と測定された。
【0033】つぎにこのフッ素樹脂被覆ロールを電子複
写機の加圧ロールとして装着して使用したところ、この
ものは用紙エッジによるFEP樹脂被覆層の摩耗が 0.1
mmを越えてオフセットが発生するまで長期間使用するこ
とができ、この場合には接着層の剥離もなく、充分な耐
久性を示した。
【0034】しかし、比較のために実施例で使用された
FEP樹脂をメルトフローレートが4.0 であるものとし
たほかは実施例と同じように処理してフッ素樹脂被覆ロ
ールを作り、これを実施例と同じように電子複写機の加
圧ロールとして使用したところ、この場合にはFEP樹
脂被覆層の摩耗が0.03mm以下で未だオフセットが発生す
る段階でもないのに、ロールのFEP樹脂被覆部にクラ
ックが発生し、それがロールニップのシェアにより成長
して割れとなり、加圧ロールの機能が果たせなくなっ
た。
【0035】
【発明の効果】本発明はフッ素樹脂被覆弾性ロールに関
するものであり、これは前記したようにロール状の芯金
上にシリコーンゴム弾性層を形成し、その上に付加反応
型自己接着性シリコーンゴムからなる接着層を設けたの
ち、最外層にメルトフローレートが 2.0以下のテトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体か
らなるフッ素樹脂を被覆してなることを特徴とするもの
であるが、このものはここに使用されるフッ素樹脂がメ
ルトフローレートが 2.0以下ものとされているのでこの
弾性ロールの耐ストレスクラック特性の向上によって寿
命が大幅に延長され、実用上電子複写機の加圧ロールに
したときに目標とする耐久枚数を達成することができる
ほか、使用中に界面剥離や接着剤破壊が発生せず、ロー
ル表面の平滑性、ロール径の精度もよいものになるとい
う有利性を持つものになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 5/147 501 G03G 5/147 501 15/20 103 15/20 103 // B29K 27:12 83:00 105:22 (72)発明者 佐藤 誠 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 橋本 毅 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平2−113281(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロール状の芯金上にシリコーンゴム弾性層
    を形成し、その上に付加反応型自己接着性シリコーンゴ
    ムからなる接着層を設けたのち、最外層にメルトフロー
    レート(ASTM D2116)が 2.0以下のテトラフルオロエチ
    レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなるフッ
    素樹脂を被覆してなることを特徴とするフッ素樹脂被覆
    弾性ロール。
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JP2005296697A (ja) * 2004-04-06 2005-10-27 Cashew Co Ltd 好触感塗装体
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