JP2009292901A - 接着性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】有機樹脂に自己接着するためのシリコーンゴム組成物であって、
(A)一分子中に珪素原子結合アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中にSiH基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ヒドロシリル化反応触媒、
(D)分子内に芳香環を有する一価又は二価の有機基を少なくとも1個含有し、式(1)、(2)で示される有機基をそれぞれ少なくとも1個含有する有機珪素化合物
−R1−SiR2−H (1)
−R2−SiR2−X (2)
(R1、R2は二価炭化水素基、Xはエポキシ基含有一価有機基、Rは一価炭化水素基。)
を含有してなる接着性シリコーンゴム組成物。
【効果】本発明の組成物は、短時間の硬化条件で速やかに硬化してABS樹脂、ポリスチレン樹脂等の汎用樹脂あるいは各種エンジニアリングプラスチックス等の有機樹脂と十分に接着し得、その後の耐環境試験(耐水、耐酸など)の後にも優れた接着性を維持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機樹脂に対して優れた接着性を有するシリコーンゴム組成物に関する。
シリコーンゴムは耐候性、耐熱性、清潔さ、ゴム弾性等の種々の特性に優れていることから、有機樹脂とシリコーンゴムとを短時間の硬化条件で一体成形させるという需要が高まってきている。このような状況下、短時間での硬化及びシール剤としての特性を考慮すると付加硬化型シリコーンゴム組成物を用いることが最適である。
従来、付加硬化型シリコーンゴム組成物と有機樹脂とを接着させるには、成形樹脂表面にプライマーを塗布し、その上から未硬化のシリコーンゴム組成物を塗布・硬化させて接着させる方法があるが、作業上プライマー塗布工程が必要となり、手間がかかる。そこで自己接着性シリコーンゴム材料を成形樹脂の上から硬化させる方法が種々提案されている(特許文献1〜3:特開平6−172738号公報、特許第3511127号公報、特許第3944681号公報)。
しかし、これらの方法では樹脂/シリコーン成形体の初期接着は良好であるが、その後耐水試験など環境試験を行うと容易に接着面が剥がれてしまうといった問題点があった。
特開平6−172738号公報 特許第3511127号公報 特許第3944681号公報
従って、本発明は、有機樹脂に対して優れた初期接着性と耐環境接着性をもった接着性シリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたもので、接着助剤としてフェニル骨格及び下記式(1)、(2)で示される構造をそれぞれ少なくとも分子中に1個づつ含有する有機珪素化合物を添加することにより、有機樹脂に対して優れた接着性を有し、更にその耐水接着性等の耐環境接着性が優れることを確認し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記接着性シリコーンゴム組成物を提供する。
請求項1:
有機樹脂に自己接着するためのシリコーンゴム組成物であって、
(A)一分子中に珪素原子結合アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)一分子中にSiH基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.5〜20質量部、
(C)ヒドロシリル化反応触媒:有効量、
(D)分子内に芳香環を有する一価又は二価の有機基を少なくとも1個含有し、下記式(1)及び式(2)で示される有機基をそれぞれ少なくとも1個含有する有機珪素化合物:0.1〜50質量部
−R1−SiR2−H (1)
−R2−SiR2−X (2)
(式中、R1、R2は炭素数1〜10の非置換又は置換の二価炭化水素基、Xは少なくとも1個のエポキシ基を含有する一価の有機基であり、Rは互いに独立に炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基を示す。)
を含有してなるものであることを特徴とする接着性シリコーンゴム組成物。
請求項2:
(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のSiH基とのモル比が、SiH基/アルケニル基=0.8〜3.0の範囲であることを特徴とする請求項1記載の接着性シリコーンゴム組成物。
請求項3:
(D)成分中のエポキシ基が脂環式エポキシ基であることを特徴とする請求項1又は2記載の接着性シリコーンゴム組成物。
請求項4:
(D)成分が分子中にシロキサン結合を有さないものである請求項1〜3のいずれか1項記載の接着性シリコーンゴム組成物。
請求項5:
更に、(E)成分として窒素含有有機化合物を(A)成分100質量部に対し0.1〜50質量部含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の接着性シリコーンゴム組成物。
請求項6:
窒素含有有機化合物がトリアゾール系化合物及びイミダゾール系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の接着性シリコーンゴム組成物。
本発明の接着性シリコーンゴム組成物は、短時間の硬化条件で速やかに硬化してABS樹脂、ポリスチレン樹脂等の汎用樹脂あるいは各種エンジニアリングプラスチックス等の有機樹脂と十分に接着し得る上、その後の耐環境試験(耐水、耐酸など)の後にも優れた接着性を維持する。また金属材質を選択することでシリコーンゴム成形枠から十分な実用性をもって剥離することも可能である。それ故、この付加硬化型の接着性シリコーンゴム組成物は、プライマーを使用することなく簡単な操作で経済的に有利に、しかも有機樹脂の本来の特性を維持して有機樹脂と満足に接着し得るものである。
本発明に係る(A)成分の一分子中に珪素原子結合アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(3)で示されるものの1種又は2種以上を好適に用いることができる。
3 aSiO(4-a)/2 (3)
式中、R3は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。ここで、上記R3で示される珪素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全R3の90モル%以上、特にはアルケニル基以外の全てのR3がメチル基であることが好ましい。また、R3のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくはビニル基である。)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中5.0×10-6mol/g〜5.0×10-3mol/g、特に1.0×10-5mol/g〜1.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が5.0×10-6mol/gより少ないとゴム硬度が低く十分なシール性が得られなくなってしまい、また5.0×10-3mol/gより多いと架橋密度が高くなりすぎて、脆いゴムとなってしまう。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、少なくとも分子鎖両末端の珪素原子に結合したアルケニル基を含有するものであることが望ましい。このオルガノポリシロキサンの構造は基本的には直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよく、通常は、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R3 2SiO2/2)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R3 3SiO1/2)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが望ましい。分子量については、特に限定なく、粘度の低い液状のもの(例えば25℃において100〜500,000mPa・s、特に500〜100,000mPa・s程度)から、粘度の高い生ゴム状のもの(例えば25℃において1,000,000mPa・s以上、特に10,000,000mPa・s以上で、自己流動性のないガム状)までを使用できる。
(B)成分は、一分子中に珪素原子と結合する水素原子(SiH基)を2個以上、好ましくは少なくとも3個有するオルガノハイドロポリジェンシロキサンであり、分子中のSiH基が前記(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基とヒドロシリル付加反応により架橋し、組成物を硬化させるための硬化剤として作用するものである。この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(4)
4 bcSiO(4-b-c)/2 (4)
(式中、R4は炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、一分子中に少なくとも2個(通常、2〜300個)、好ましくは3〜100個、より好ましくは3〜50個の珪素原子結合水素原子を有するものの1種又は2種以上の組み合わせが好適に用いられる。ここで、R4の一価炭化水素基としては、R3で例示したものと同様のものを挙げることができるが、脂肪族不飽和基を有しないものが好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。また、bは好ましくは0.8〜2.0、cは好ましくは0.01〜1.0、b+cは好ましくは1.0〜2.5であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、一分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、珪素原子に結合する水素原子は分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
上記(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100部(質量部、以下同様)に対して0.5〜20部、特に0.6〜15部であるが、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの珪素原子と結合する水素原子(SiH基)と(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基の総量とのモル比はSiH基/アルケニル基=0.8〜3.0、特に1.0〜2.0が好ましい。この比が0.8より小さくても、3.0より大きくてもシリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪が大きくなってしまい、シール性が不十分となってしまう。
(C)成分のヒドロシリル化反応触媒(付加反応触媒)としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などが挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常、白金族金属の重量換算で(A)、(B)成分の合計量に対して0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度である。
(D)成分は接着助剤であり、本発明組成物中の根幹をなすもので、分子内に芳香環を有する一価又は二価の有機基を少なくとも1個含有し、下記式(1)及び式(2)で示される有機基をそれぞれ少なくとも1個、好ましくは式(1)で示される有機基を1〜10個、特に2〜5個、式(2)で示される有機基を1〜10個、特に1〜5個含有し、かつ、好適には、分子中にシロキサン結合(−Si−O−Si−)を有さない有機珪素化合物である。
−R1−SiR2−H (1)
−R2−SiR2−X (2)
(式中、R1、R2は炭素数1〜10の非置換又は置換の二価炭化水素基、Xは少なくとも1個のエポキシ基を含有する一価の有機基であり、Rは互いに独立に炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基を示す。)
ここで、R1、R2の二価炭化水素基としては、炭素数1〜10、好ましくは2〜6のアルキレン基、アリーレン基やアルキレン基とアリーレン基の組み合わせ等が挙げられる。また、Rの一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基などの、好ましくは、脂肪族不飽和結合を除く、炭素数1〜10、特に1〜6のもの等が挙げられる。次に、エポキシ基含有有機基Xとしては、2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−プロピル基等のエポキシシクロヘキシルアルキル基などが例示される。中でも反応性の点から脂環式エポキシ基を含有する有機基が推奨される。
一方、分子内に芳香環を有する一価又は二価の有機基としては、以下のようなベンゼン環構造(例えば、フェニル又はフェニレン骨格)、ジベンゼン環構造(例えば、ビフェニル又はビフェニレン骨格)や、後述する二価の連結基Yによってフェニレン骨格とフェニル又はフェニレン骨格とが連結された一価又は二価の構造などを有する一価又は二価の芳香族有機基が挙げられる。
Figure 2009292901

[式中、R5〜R13は互いに同一又は異種の水素原子、ハロゲン原子、水酸基、非置換又は置換のアルキル基等の炭素数1〜6の一価炭化水素基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる一価の基である。Yは下記
Figure 2009292901

(R14、R15は互いに同一又は異種の水素原子、ハロゲン原子、非置換又は置換のアルキル基等の炭素数1〜6の一価炭化水素基から選ばれる一価の基又はR14とR15とが結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数4〜10の非芳香炭素環又は複素環を形成する基、dは1以上の整数、特に1〜6の整数を示す。)から選ばれる二価の基である。]
また、(D)成分の有機珪素化合物としては、有機樹脂に対する接着性、特に耐温水条件下での接着性の点から分子中にシロキサン結合(−Si−O−Si−構造)を有さないものであることが好ましく、例えば一分子中に1〜10個、好ましくは2〜8個、より好ましくは3〜6個程度の珪素原子を有するオルガノシラン化合物であることが好適である。
このような(D)成分の接着助剤の具体例としては、次のような化合物を例示できる。
Figure 2009292901
Figure 2009292901
なお、上記接着助剤は、上記成分を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(D)成分の接着助剤の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100部に対して0.1〜50部がよく、配合量が0.1部未満では十分な接着性が得られず、50部を超えると物性低下を引き起こす可能性がある。好ましくは0.2〜30部である。
また、1個のアルケニル基とエステル基を少なくとも1個有する有機化合物あるいは有機珪素化合物、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸等の不飽和カルボン酸類、安息香酸アリルエステル、フタル酸ジアリルエステル、ピロメリット酸テトラアリルエステル、アルキル酸アリルエステル等のアリルエステル類などを含有した有機化合物あるいは有機珪素化合物を配合してもよい。
(E)成分の窒素含有有機化合物は、本発明組成物に低圧縮歪特性を付与するもので、トリアゾール系化合物及びイミダゾール系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の窒素含有有機化合物が好適である。前記トリアゾール系化合物としては、例えば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、N−トリメチルシリル−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。前記イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾールなどが挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても用いることができる。
(E)成分の窒素含有有機化合物の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100部に対して0.1〜50部がよく、配合量が0.1部未満では十分な効果が得られず、50部を超えると硬化不良を引き起こす可能性がある。好ましくは0.2〜30部である。
本発明の接着性シリコーンゴム組成物は、有機樹脂成形体との複合体を得る場合に好適に用いることができ、この場合、有機樹脂としてはABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)などを挙げることができる。
本発明の接着性シリコーンゴム組成物は、加熱することで付加反応して容易に硬化し得るもので、この場合硬化条件は特に制限されないが、通常60〜180℃で1秒〜360分間とすることが好適である。
以下、実施例と比較例を示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、各例中の部はいずれも質量部である。
[実施例1,2、比較例1〜3]
接着助剤1,2
フェニルトリス(ジメチルハイドロジェンシリルエチル)シラン1モルに対してセロキサイド2000(ダイセル化学工業製品)を、白金系触媒を用いて1モル及び2モル滴下付加させて下記構造式の接着助剤1,2を得た。
Figure 2009292901
接着助剤3,4(比較例)
フェニルトリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)シラン1モルに対してセロキサイド2000(ダイセル化学工業製品)を、白金系触媒を用いて1モル滴下付加させて下記構造式の接着助剤3を得た。
メチルトリス(ジメチルハイドロジェンシリルエチル)シラン1モルに対してセロキサイド2000(ダイセル化学工業製品)を、白金系触媒を用いて1モル滴下付加させて下記構造式の接着助剤4を得た。
Figure 2009292901
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が500のジメチルポリシロキサン68部、比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル200)32部、ヘキサメチルジシラザン5部、水2.0部を室温で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却してシリコーンゴムベース(1)を得た。このシリコーンゴムベース(1)を100部に対して両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が250のジメチルポリシロキサン40部を加え、30分撹拌を続けた。ここに架橋剤として両末端及び側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、SiH基量0.0060mol/g)を2.2部[SiH基/アルケニル基=1.5(モル比)]、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けてシリコーンゴムベース(2)を得た。このシリコーンゴムベース(2)を100部に対して上記接着助剤1〜4及びフェニルトリス(ジメチルハイドロジェンシリルエチル)シランをそれぞれ5部添加後、白金系触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合、脱泡して、シリコーンゴム組成物を得た。
次に、図1(A)〜(C)に示したように、幅25mm、長さ50mm、厚み0.1mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム1を用意し、その先端部20mmに上記ゴム2を分出しし、更にその上から同じポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム1で挟み込むようにして貼り付けた。これを120℃,10分でプレス成形し、その後120℃,1時間のポストキュアを行った。次に、この試験片3を圧力容器に純水と共に入れ、90℃,2000時間の耐温水試験を行った。その後、耐温水試験前後でこの試験片のPETフィルム部を試験機で上下に引っ張り、その破断面を観察した。評価方法としては、ゴムが破壊したものは接着力が強いとして○、ゴムが完全にどちらかの箔から取れたものは接着力が弱いとして×、一部ゴム破壊するものを△とした。結果を表1に示す。
Figure 2009292901
[実施例3、比較例4]
接着助剤5
ジフェニルビス(ジメチルハイドロジェンシリルエチル)シラン1モルに対してアリルグリシジルエーテルを、白金系触媒を用いて1モル滴下付加させて下記構造式の接着助剤5を得た。
Figure 2009292901
接着助剤6(比較例)
ジフェニルビス(ジメチルハイドロジェンシリルエチル)シラン1モルに対してアリルグリシジルエーテルを、白金系触媒を用いて2モル滴下付加させて下記構造式の接着助剤6を得た。
Figure 2009292901
実施例1において、接着助剤1の代わりに接着助剤5,6を使用したものを作製し、同様な試験を行った。なお、本試験でプレス成形する際、プレス金型はテフロンニッケル加工された金型を使用した。この時、ゴムが金型に対して接着(又は剥離)するかどうかを確認するため、手でゴムを剥がした時の破断面の状態(ゴム破壊か界面剥離か)を観察し、破断面の面積に対するゴム破壊した面積の比率として凝集破壊率(%)を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2009292901
表1,2の結果から、本発明の接着性シリコーンゴム組成物は自己接着性であり、有機樹脂と強固に接着した。
接着性の試験方法の説明図で、(A)はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの先端部にシリコーンゴム組成物を分出しした状態の平面図、(B)は該シリコーンゴム組成物を2枚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムで挟んだ状態の側面図、(C)は該シリコーンゴム組成物を硬化後、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを上下に引っ張った状態の側面図である。
符号の説明
1 ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
2 シリコーンゴム組成物又はその硬化物
3 試験片

Claims (6)

  1. 有機樹脂に自己接着するためのシリコーンゴム組成物であって、
    (A)一分子中に珪素原子結合アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)一分子中にSiH基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.5〜20質量部、
    (C)ヒドロシリル化反応触媒:有効量、
    (D)分子内に芳香環を有する一価又は二価の有機基を少なくとも1個含有し、下記式(1)及び式(2)で示される有機基をそれぞれ少なくとも1個含有する有機珪素化合物:0.1〜50質量部
    −R1−SiR2−H (1)
    −R2−SiR2−X (2)
    (式中、R1、R2は炭素数1〜10の非置換又は置換の二価炭化水素基、Xは少なくとも1個のエポキシ基を含有する一価の有機基であり、Rは互いに独立に炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基を示す。)
    を含有してなるものであることを特徴とする接着性シリコーンゴム組成物。
  2. (A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のSiH基とのモル比が、SiH基/アルケニル基=0.8〜3.0の範囲であることを特徴とする請求項1記載の接着性シリコーンゴム組成物。
  3. (D)成分中のエポキシ基が脂環式エポキシ基であることを特徴とする請求項1又は2記載の接着性シリコーンゴム組成物。
  4. (D)成分が分子中にシロキサン結合を有さないものである請求項1〜3のいずれか1項記載の接着性シリコーンゴム組成物。
  5. 更に、(E)成分として窒素含有有機化合物を(A)成分100質量部に対し0.1〜50質量部含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の接着性シリコーンゴム組成物。
  6. 窒素含有有機化合物がトリアゾール系化合物及びイミダゾール系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の接着性シリコーンゴム組成物。
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