JP2001027862A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

Info

Publication number
JP2001027862A
JP2001027862A JP20088799A JP20088799A JP2001027862A JP 2001027862 A JP2001027862 A JP 2001027862A JP 20088799 A JP20088799 A JP 20088799A JP 20088799 A JP20088799 A JP 20088799A JP 2001027862 A JP2001027862 A JP 2001027862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
roller
layer
fixing device
fixing roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP20088799A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Kume
隆生 久米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP20088799A priority Critical patent/JP2001027862A/ja
Publication of JP2001027862A publication Critical patent/JP2001027862A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着性を満足すると共に、低光沢性を得るこ
とができる高耐久性の定着装置を提供する。 【解決手段】 芯金11aに近い弾性層14aのゴムの
熱伝導率を、弾性層12aのそれよりも高い、1.0×
10-3(cal/cm・deg・sec)以上とするこ
とにより、芯金11aと弾性層14aとの界面温度を低
くすることができ、これによりゴムの熱劣化を軽減する
ことができると共に、弾性層12aのゴム硬度を、弾性
層14aのそれよりも低い、JIS−A規格で5°以下
とすることにより、トナーの表面を平滑化することなく
トナーの凹凸形状を残したままの状態とすることがで
き、これにより定着性を損なうことなく、低光沢度を実
現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録材上の画像を
定着させる定着装置に関し、特に電子写真装置等の画像
形成装置のカラー用定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の定着装置としては、定着
ローラと加圧ローラとを備え、定着ローラ及び加圧ロー
ラの圧接部にて多色多層或いは単色の未定着トナー像を
担持した記録材を挟持搬送することにより未定着トナー
像を記録材上に定着させるようにした定着装置がある。
【0003】図8は、このような定着装置の一例である
現像剤としてトナーを用いた電子写真装置等のカラー用
画像形成装置におけるトナー画像定着装置として用いら
れる熱ローラ定着装置の概略断面図である。
【0004】画像形成装置は、露光によって像担持体上
に形成された潜像をトナーで現像してトナー像を得て、
記録材上にこのトナー像を転写し、記録材上の未定着ト
ナー像が定着装置によって加熱加圧されて定着され、定
着後に記録材が装置外へ排出されるものであり、公知技
術であるので詳しい説明を省略する。
【0005】以下、定着装置について図8に沿って説明
する。同図において、1は定着ローラである。この定着
ローラ1には、定着ローラ1との間にニップ部Nを形成
しつつ従動回転を行う加圧ローラ2が圧接している。
【0006】ここで、この定着ローラ1は、中空筒体の
芯金11a上に弾性層12aと離型層13aを有してい
る。定着ローラ1の芯金11aの中空空間には、ハロゲ
ンヒータ3aが内蔵され、定着に必要な熱供給がなされ
るようになっている。
【0007】また、加圧ローラ2は、定着ローラ1と同
様に中空筒体の芯金11b上に弾性層12bと離型層1
3bを有している。加圧ローラ2の芯金11bの中空空
間には、ハロゲンヒータ3bが内蔵され、これにより加
圧ローラ2が加熱されるようになっている。
【0008】なお、これら定着、加圧ローラ1,2の温
度制御は、各ローラ1,2の少なくとも一方、同図にお
いては両方に、温度検知素子としてのサーミスタ7a,
7bを接触配置し、その検知温度に伴う抵抗値変化によ
りローラ1,2の表面温度を検知し、制御装置(図示せ
ず)でローラ1,2の表面温度を所定値となるように、
ハロゲンヒータ3a,3bのオン・オフ制御を行ってい
る。
【0009】さらに、定着ローラ1には静電オフセット
防止のために、電源8によって−1.0〜−1.5kV
程度の電圧が芯金11aに印加され、一方、加圧ローラ
2側の芯金11bはダイオード9によって電位制御され
ている。
【0010】以上のような定着装置において、未定着記
録材は、前ガイド8により案内されて、矢印Kpに示す
ように圧接部であるニップ部Nに進入し、定着ローラ1
及び加圧ローラ2の表面により加圧及び加熱を受け、ト
ナー像を定着された後に排出される。10は、定着され
た記録材と加圧ローラ2との分離爪である。
【0011】ここで、定着ローラ1においては、カラー
画像の単色〜4色の多重トナーの厚み(数〜数10μ
m)に追従するために、アルミニウム等の芯金11aに
弾性層12aを数10μm以上設けることが必要であ
る。仮に、弾性層12aの弾性が小さい場合であると、
トナー像の凹部の未定着や、トナーのつぶれによる解像
低下をもたらしてしまう。
【0012】なお、この弾性層12aの材質としては、
メチル系,メチルピニル系の液体シリコーンゴムRTV
(室温加硫),LTV(低温加硫)タイプのゴム硬度
(JIS−A規格)5°以下の弾性を備えていることが
好適であり、低加圧力でニップ部Nを確保できるので、
ニップ部N内の線圧を抑えられ、定着後のトナー画像を
低光沢にしている。
【0013】一方、加圧ローラ2は、低光沢画像を得る
前までは定着ローラ1に比べ弾性が小さくても良いの
で、単純化が可能であり、アルミニウム芯金11bにH
TV(高温加硫)フッ素ゴム等の層を設けるのみでも良
かったが、定着ローラ1に低硬度ゴム(JIS−A規格
で5°以下)を採用することにより、定着性確保のため
に加圧ローラ2も定着ローラ1と略同一構成のものを用
いている。
【0014】なお、定着ローラ1,加圧ローラ2の弾性
層12a,12bのゴムとしては、他にメチルフェニル
系シリコーンゴムを用いても良い。
【0015】ところで、図中100で示されるトナーと
しては、オイルレス化を計るために、シャープメルトト
ナーの中に予め離型剤として溶融粘度と分子量がトナー
母体樹脂より小さいワックス、パラフィン等の離型剤を
内添した重合法によるトナーを用いている。
【0016】そして、定着ローラ1及び加圧ローラ2の
表層に、PFA(パーフロロアルコキポリマー)やFE
P(フッ化エチレンプロピレン)等の離型層13a,1
3bを設けることにより、熱ローラ定着装置の離型効果
を高めた構成でのオイルレス化を図っている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の定着装置においては、定着,加圧ロー
ラ1,2の弾性層12a,12bが低硬度ゴムであるた
めに高熱に弱い。このため、モノカラープリント等のよ
うに、芯金11a,11bと弾性層12a,12aの温
度勾配が一番厳しい連続通紙では、10万枚(普通紙,
A4サイズ)以上の通紙でゴム間の結合力がなくなり、
ゴムの液状化現象が発生し、芯金11a,11bと弾性
層12a,12aがそれぞれ剥離してしまう問題があっ
た。
【0018】上記問題のローラ耐久性は、使用頻度で著
しく変化し、実用レベル(間欠プリント等)に対しては
2倍以上の耐久性であるが、市場からの高寿命化に対す
る要求は年々厳しくなっているため、一番厳しい使用条
件でも耐久性を向上させることが必須である。
【0019】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、定着
性を満足すると共に、低光沢性を得ることができる高耐
久性の定着装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の定着装置にあっては、熱源を内包する定着ロ
ーラと、該定着ローラに圧接する加圧ローラと、を備
え、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの圧接部に未定
着現像剤像が形成された記録材を挟持搬送することによ
り未定着現像材像を記録材上に定着させる定着装置にお
いて、前記定着ローラは、芯金と、該芯金上に複数層に
形成された弾性層と、を備え、前記定着ローラの前記弾
性層は、最下層の熱伝導率を、最上層の熱伝導率よりも
高く設けたことを特徴とする。
【0021】前記定着ローラの前記弾性層は、最下層の
熱伝導率を、1.0×10-3(cal/cm・deg・
sec)以上に設けたことが好ましい。
【0022】熱源を内包する定着ローラと、該定着ロー
ラに圧接する加圧ローラと、を備え、前記定着ローラ及
び前記加圧ローラの圧接部に未定着現像剤像が形成され
た記録材を挟持搬送することにより未定着現像材像を記
録材上に定着させる定着装置において、前記定着ローラ
は、芯金と、該芯金上に複数層に形成された弾性層と、
を備え、前記定着ローラの前記弾性層は、最上層のゴム
硬度を、最下層のゴム硬度よりも低く設けたことを特徴
とする。
【0023】前記定着ローラの前記弾性層は、最上層の
ゴム硬度を、JIS−A規格で5°以下に設けたことが
好ましい。
【0024】前記定着ローラの表面硬度を、アスカーC
で65°以下に設けたことが好ましい。
【0025】熱源を内包する定着ローラと、該定着ロー
ラに圧接する加圧ローラと、を備え、前記定着ローラ及
び加圧ローラの圧接部に未定着現像剤像が形成された記
録材を挟持搬送することにより未定着現像材像を記録材
上に定着させる定着装置において、前記定着ローラは、
芯金と、該芯金上に複数層に形成された弾性層と、を備
えると共に、表面硬度をアスカーCで65°以下に設け
られ、前記定着ローラの前記弾性層は、最下層の熱伝導
率を、最上層の熱伝導率よりも高い、1.0×10
-3(cal/cm・deg・sec)以上に設けると共
に、最上層のゴム硬度を、最下層のゴム硬度よりも低
い、JIS−A規格で5°以下に設けたことを特徴とす
る。
【0026】前記定着ローラの前記弾性層の厚さを、
1.5〜3.0mmとすることが好ましい。
【0027】前記定着ローラの前記弾性層の厚さは、最
上層の層厚を、最下層の層厚よりも厚く設けたことが好
ましい。
【0028】前記加圧ローラは、芯金と、該芯金上に形
成された弾性層と、を備え、前記加圧ローラの前記弾性
層は、ゴム硬度を、JIS−A規格で5°以下に設けた
ことが好ましい。
【0029】前記加圧ローラの表面硬度を、アスカーC
で75°以下に設けたことが好ましい。
【0030】本発明の画像形成装置にあっては、定着装
置と、記録材上に未定着現像剤像を形成する画像形成手
段と、を備え、前記画像形成手段によって記録材上に形
成した未定着現像剤像を、前記定着手段で記録材上に定
着することを特徴とする。
【0031】前記未定着現像剤像を形成する現像剤は、
離型剤を含有し、重合法により製造されたものを用いる
ことが好ましい。
【0032】したがって、芯金に一番近い弾性層の最下
層の熱伝導率を最上層のそれよりも高くすることで、芯
金と弾性層の最下層との界面温度を低下させることがで
きる。また、弾性層の最上層のゴム硬度を最下層のそれ
よりも低硬度化することで、現像材の表面を平滑化する
ことなく現像材の形状を残したままの状態とすることが
できる。総じて、耐久性を損なうことなく、定着性と低
光沢度の両立を実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0034】(第1の実施の形態)図1〜図5を参照し
て、第1の実施の形態について説明する。図1は第1の
実施の形態に係る定着装置の構成を示す図である。な
お、同図において、図8と同一符号は、同一または相当
部分を示している。
【0035】同図において、1は定着ローラ、11aは
アルミニウム等の芯金である。12a、14aは芯金1
1aの表面に形成された基層である弾性層であり、カラ
ー画像の単色〜4色の多重トナーの厚み(数〜数10μ
m)に追従するために、数10μm以上の層厚を有して
いる。
【0036】なお、この弾性層12a,14aにおい
て、弾性が小さいとトナー像の凹部の未定着やトナーの
つぶれによる解像低下をもたらす。このため、弾性層1
2a,14aの材質は、メチル系,メチルビニル系の液
体シリコーンゴム(RTV,LTV)が弾性を備えてい
ると好適である。
【0037】13aは、弾性層12aの上に形成された
表層である離型層であり、PFAやFEP等を用いて形
成されたものである。そして、このように弾性層12a
の上にPFAやFEP等を用いた離型層13aを設ける
ことにより、離型層13a裏面の熱劣化や剥がれを防ぐ
ことができる。
【0038】ここで、本実施の形態においては、アルミ
ニウムの芯軸11a上に、熱伝導率が1.0×10
-3(cal/cm・deg・sec)であるLTVタイ
プのジメチルシリコーンゴムの弾性層14aを1.0m
m設けている。
【0039】そして、弾性層14aの上に、弾性層14
aよりも熱伝導率が小さい、JIS−Aゴム硬度(試験
片をJIS規格に示される形状に形成し、JIS−A硬
度計を用いて測定された硬度。以後「ゴム硬度」とい
う。)が1°又は5°であるLTVタイプのジメチルシ
リコーンゴムの弾性層12aを2.0mm設けている。
この弾性層12aのゴム硬度は、弾性層14aのそれよ
りも低く設けられている。
【0040】その弾性層12a上に50μmのPFAチ
ューブ層よりなる離型層13aを設け、定着ローラ1の
直径がφ46mmに成形されている。
【0041】なお、弾性層12a,14aには他にメチ
ルフェニル系シリコーンゴムを用いることもできる。
【0042】この定着ローラ表面硬度(高分子計器
(株)AskerC硬度計の総加重が1kg時のローラ
周面の表面硬度のことである。以後、アスカーC(As
kerC硬度計)による「表面硬度」という。)は、弾
性層12aのシリコーンゴムのゴム硬度が5°(JIS
−A規格)のときは65°であり、ゴム硬度が1°(J
IS−A規格)のときは60°である。
【0043】そして、以上のように芯金11aに近い弾
性層14aのゴムの熱伝導率を、弾性層12aのそれよ
りも高い、1.0×10-3(cal/cm・deg・s
ec)以上とすることにより、芯金11aからの熱は弾
性層14a全体にすぐに吸熱されて分散するので、芯金
11aと弾性層14aとの界面温度を低くすることがで
き、これによりゴムの熱劣化を軽減することができる。
【0044】また、弾性層12aのジメチルシリコーン
ゴムのゴム硬度を、弾性層14aのそれよりも低い、J
IS−A規格で5°以下とすることにより、記録材上の
トナー像を押しつぶさないので、トナーの表面を平滑化
することなくトナーの形状を残したままの状態とするこ
とができ、これにより定着性を損なうことなく、低光沢
度を実現することができる。
【0045】さらに、定着ローラ1の表面硬度を、アス
カーCで65°以下に設けたので、記録材上のトナー像
の凹凸を維持しつつトナーを記録材に定着することがで
きる。
【0046】なお、弾性層12aのゴムの熱伝導率は、
弾性層14aのそれよりも低い値であればよく、また弾
性層14aのゴム硬度も、弾性層12aのそれよりも高
い値であればよいので、詳しい説明を省略する。
【0047】また、弾性層14aと弾性層12aを合わ
せた弾性層全体の厚さは、本実施の形態では3.0mm
であったが、1.5〜3.0mmの範囲内の厚さとして
もよい。これにより、応答性を確保できる。特に、弾性
層14aの層厚よりも、弾性層12aの層厚を厚く設け
ることで、低高光を維持しつつ、定着性を確保すること
ができる。
【0048】一方、2は加圧ローラ、11bはアルミニ
ウム等で設けられた加圧ローラ2の芯金、12b、14
bは芯金11bに設けられた弾性層である。
【0049】ここで、加圧ローラ2の弾性層は、定着ロ
ーラ1の弾性層12aに比べ弾性が小さくても良いので
単純化が可能であり、アルミニウムの芯金11bにHT
Vタイプのフッ素ゴム等の層を設けることにより形成さ
れたものである。勿論、定着ローラと略同一構成のもの
を用いても良い。
【0050】本実施の形態の加圧ローラ2としては、ア
ルミニウム芯金11b上に、熱伝導率が1.0×10-3
(cal/cm・deg・sec)であるLTVタイプ
のジメチルシリコーンゴムの弾性層14bを1.0mm
設けている。
【0051】弾性層14b上に、ゴム硬度(JIS−A
規格)が1°又は5°であるLTVタイプのジメチルシ
リコーンゴムの弾性層12bを1.5mm設けている。
【0052】その弾性層12b上に、50μmのPFA
チューブ層よりなる離型層13bを設け、加圧ローラ2
の直径がφ46mmに成形されている。
【0053】加圧ローラ2の弾性層12b,14bのゴ
ムとしては、他にメチルフェニル系シリコーンゴム等を
用いても良い。
【0054】このような構成とすることにより、定着温
度が高温であっても記録材上のトナー像の表面はトナー
の形状が残ったままの状態となる。つまり、トナー像の
トナーの形状に沿った凹凸が定着1表面に形成され、ト
ナー像の下層部分、即ち最も記録材側のトナーも溶融し
て記録材との粘着性が十分に得られるので、光沢を抑え
つつ良好な定着性を得ることができる。
【0055】なお、本実施の形態では、加圧ローラ2の
加圧力は40kgfであるが、上記のように定着ローラ
1及び加圧ローラ2両方の弾性層12a,12bのゴム
硬度を、JIS−A規格で5°以下とすることにより、
加圧力は30kgf〜60kgfと変化させても、画像
の光沢度はほとんど変化しないことを本発明者は見いだ
している。
【0056】このように、様々な加圧力下でも、トナー
像の記録材側のトナーは溶融して記録材と接着し、トナ
ー像の表面はトナーの形状を残したままの状態とするこ
とができ、定着性の良好な低光沢度の画像を得ることが
できる。
【0057】図1中、100は後述する未定着の重合ト
ナー、Pは未定着トナーが形成される記録材である。
【0058】本定着装置において、定着温度は180℃
でリップル±3℃以内とし、ローラ周速は110〜12
0mm/secの範囲とした。
【0059】さらに、定着ローラ1には静電オフセット
防止のために、電源8によって−1.0〜−1.5kV
程度の電圧が芯金11aに印加され、一方、加圧ローラ
2側の芯金11bはダイオード9によって電位制御され
ている。
【0060】ところで、本発明の目的は、前述したよう
に各色の光沢度を低光沢度にする定着装置の高寿命化で
ある。ここで、本発明で用いる光沢度の定義としては、
主として記録材の鏡面光沢度(以下単に光沢度という)
を測定するときに適用されるJISZ8741の方法に
よった。
【0061】図2は、この光沢度を測定する測定装置の
概念図であり、光沢度を測定するには、まず光源70か
ら光学系71を介して光を試料72に照射すると共に、
光学系73を介してこの試料72の反射光を受光器74
で受光させる。なお、同図において、S1,S1',S
2はスリット、α1は光画像の開き角、β1は垂直面内
の開き角、α2は受光器の開き角、β2は垂直面内の開
き角である。
【0062】そして、同図に示す指定された入射角θに
対して試料72の面からの鏡面反射光束をφ、標準面か
らの反射光束をφsとすると、光沢度Gは、 G=(φ/φs)×(使用した標準面の光沢度) で表される。
【0063】ここで、使用した標準面の光沢度は10
0.0である。したがって、光沢度は100以下の数値
で表されることになる。
【0064】本発明に使用した光沢度測定器は、日本電
色工業製のPG−3D(入射角θ=75°)を使用し、
標準面は光沢度96.9の黒色ガラスを使用した。測定
方法としては、Xerox社製の4024用紙(75g
紙,Letterサイズ)上に3.0mm×3.0mm
サイズのベタのパッチ画像を9ヶ所出力し、その平均値
を採用した。
【0065】ところで、画像部の光沢性は、画像支持体
上に形成されたトナー像の定着状態の発現であるため、
トナーの粘弾性特性と定着プロセスの機械的な構成、定
着条件等によって光沢性を変化し得る。
【0066】そこで、使用するトナー100としては、
シャープメルトトナーの中に、予め溶融粘度と分子量が
トナー母体樹脂より小さいワックス、パラフィン等の離
型剤を内添した重合法によるトナーを使用した。
【0067】これにより、高い混色性を達成し、かつ定
着時にはトナーから熱によりワックスが滲みだし、熱ロ
ーラ定着装置の離型効果を高めた構成でのオイルレス化
を達成するようにしている。
【0068】次に、重合トナー100の概略構成図を図
3に示す。同図において、100は重合トナーであり、
この重合トナー100は製造法上球形となる。101に
エステル系ワックスを内包した重合トナー100のコ
ア、102にスチレン−ブチルアクリレートにて形成さ
れた樹脂層、103はスチレン−ポリエステルにて形成
された離型層である。
【0069】ここで、このようなコア101、樹脂層1
02及び離型層103を備えた重合トナー100の比重
は約1.05である。
【0070】なお、このように重合トナー100を3層
構成としている理由は、コア101にワックスを内包す
ることで、定着工程でのオフセット防止効果が得られ、
また離型層103に樹脂層102を設けることによっ
て、帯電効率のアップを図っているためである。
【0071】また、実際に使用時にはトナー100に与
える電荷であるトリボ安定化のためにオイル処理したシ
リカを外添している。
【0072】一方、このようなトナーを製造する方法と
しては、樹脂,低軟化点物質(ワックス)からなる離型
剤,着色剤,荷電制御剤等を加圧ニーダー、エクストル
ーダー、又はメディア分散機を用い、均一に分散せしめ
た後、機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突さ
せ、所望のトナー粒径に微粉砕化せしめ、この後、更に
分級行程を経て粒度分布をシャープ化せしめてトナー化
する所謂粉砕方法によるトナーの製造方法がある。
【0073】また、特公昭56−13945号公報等に
記載のディスク又は多流体ノイズを用い、溶融混合物を
空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭36−
10231号公報,特開昭59−53856号公報,特
開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合
方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には
可溶でありながら得られる重合体が不溶な水系有機溶剤
を用い、直接トナーを生成するソープフリー重合方法に
代表される乳化重合方法等を用いトナー100を製造す
ることが可能である。
【0074】本実施の形態においては、比較的容易に粒
度分布がシャープで4〜8μm粒径の微粒子トナーが得
られる常圧下での、または加圧下での懸濁重合方法を用
い、モノマーとしてスチレンとn−ブチルアクリレー
ト、荷電制御剤としてサリチル酸金属化合物、極性レジ
ンとして飽和ポリエステル、さらに着色剤を加え、重量
平均粒径7μmの着色懸濁粒子を製造した。
【0075】また、トナー粒度分布制御や粒径の制御
は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用を有する分散
剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件、例え
ばローラーの周速・パス回数・攪拌羽根形状等の攪拌条
件や容器形状又は、水溶液中での固形分濃度等を制御す
ることにより、所定のトナー100を得ることができ
る。
【0076】また、トナー100に用いられる結着樹脂
としては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)
アクリル共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,
スチレン−ブタジエン共重合体を利用することができ
る。
【0077】重合法による直接トナーを得る方法におい
ては、それらの単量体が好ましく用いられる。具体的に
はスチレン,O(m,P)−メチルスチレン,m(p)
−エチルスチレン等のスチレン系単量体,(メタ)アク
リル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)ア
クリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メ
タ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシ
ル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル
酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)ア
クリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸
エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘ
キセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミド
等のエン系単量体が好ましく用いられる.
【0078】ここで、これらは、単独または一般的には
出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜
192(JohnWiley&Sons社製)に記載の
理論ガラス温度(Tg)が、40〜75℃を示すように
単量体を適宜混合し用いられる。
【0079】理論ガラス転移温度が40℃未満の場合に
は、トナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生
じ、一方75℃を越える場合は定着温度の上昇をもたら
し、特にフルカラートナーの場合においては各色トナー
の混色が不十分となり色再現性に乏しく、更に記録材と
してのOHTシート等に形成した画像の透明性を著しく
低下させ、高画質の面から好ましくない。
【0080】また、結着樹脂の分子量は、GPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー)により測定され
る。具体的なGPCの測定方法としては、ソックスレー
抽出器を用い予めトナーをトルエン溶剤で20時間抽出
を行う。
【0081】抽出後、ロータリーエバボレーターでトル
エンを留去せしめ、更にエステル系ワックスは溶解する
が結着樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホル
ム等を加えて十分洗浄を行う。
【0082】洗浄後、そのトナーをTHF(テトラヒド
ロフラン)に可溶した溶液を、ポア径が0.3μmの耐
溶剤性メンブランフィルターでろ過する。
【0083】そして、ろ過後のサンプルを、ウォーター
ズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−8
01、802、803、804、805、806、80
7、を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い、分
子量分布を測定する。
【0084】ここで、得られた樹脂成分の数平均分子量
(Mn)は、5000〜1,000,000で有り、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(M
w/Mn)は、2〜100を示す結着樹脂が本実施の形
態には好ましい。また、ワックスの分子量は、結着樹脂
の分子量より少なく、数平均分子量(Mn)で数千〜数
万とする。
【0085】一方、トナーに用いられる着色剤は、黒色
着色剤としてカーボンブラック,磁性体,以下に示すイ
エロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色され
たものが利用される。
【0086】ここで、イエロー着色剤としては、縮合ア
ゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化
合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合
物に代表される化合物が用いられる。
【0087】具体的には、C.I.ピグメントイエロー
12、13、14、15、17、62、74、83、9
3、94、95、97、109、110、111、12
0、127、128、129、147、168、17
4、176、180、181、191等が好適に用いら
れる。
【0088】また、マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ
化合物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノ
ン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフ
トール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジ
ゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。
【0089】具体的には、C.I.ピグメントレッド
2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、4
8:4、57:1、81:1、144、146、16
6、169、177、184、185、202、22
0、221、254が特に好ましい。また、シアンの着
色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導
体,アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が
利用できる。
【0090】具体的には、C.I.ピグメントブルー
1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:
4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0091】これらの着色剤は、単独又は混色し、更に
は固溶体の状態で用いることができる。
【0092】本実施の形態の着色剤は、色相角,彩度,
明度,耐候性,OHTシートでの透過性,トナー中への
分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、樹脂1
00重量部に対し1〜20重量部添加して用いられる。
【0093】黒色着色剤として磁性体を用いた場合に
は、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部に対し40
〜150重量部添加して用いられる。
【0094】そして、以上のようなトナーと定着装置を
使用して、ローラ耐久性・光沢性・定着性を従来の装置
と比較した。なお、従来の定着装置として弾性層の熱伝
導率0.7×10-3(cal/cm・deg・se
c)、ゴム硬度が5°(JIS−A規格)の一層構成の
ものを使用して本発明の定着装置と比較した。
【0095】ローラ耐久性の評価は、ローラ表面の温度
低下が最も激しい、即ちローラ芯金と弾性層の界面温度
が最も上昇しやすいスループットを考え、連続通紙モー
ドを使用し、メディアとしては、通常ヘビーウェイト紙
が熱容量の関係などからローラ耐久性には厳しいが、こ
こでは比較的実用的なメディアとしてXerox社製の
4024用紙(105g紙,Letterサイズ)を使
用した。
【0096】画像の評価は、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),レッド(R),グリーン
(G),ブルー(B),ブラック(Bk)(レッド、グ
リーン、ブルーは2色のトナーで色を形成している)の
ベタ画像部の光沢性と定着性を定着温度180℃のとき
で比較測定をすることにより行った。
【0097】その評価結果のうち、最も火脹れの生じや
すいマゼンタについての結果を図4にまとめて示す。
【0098】光沢度の測定は、トナー乗り量M/S[m
g/cm2](記録材の単位面積当たりに乗っているト
ナーの重量)をM/S=1.5にして測定を行ったもの
である。これは、4種のトナーで形成するフルカラー画
像の乗り量に相当する(なお、オフセットの発生してい
る色については、オフセットの発生していない箇所で測
定を行った。)。
【0099】比較時の加圧ローラは、前述の表面硬度が
75°(アスカーC)、弾性層のゴム硬度が5°(JI
S−A規格)のものである。
【0100】図4において、「火脹れ」とは、記録材と
記録材上に形成されたトナー像の間に気泡が多く発生
し、その結果トナー像が火脹れしたように脹れた状態に
なっていることを指している。この気泡の出現のメカニ
ズムについては現在解析中であるが、記録材側のトナー
の溶融が不十分であるために記録材との粘着性が弱ま
り、発生するのではないかと本発明者は推察するもので
ある。
【0101】図4では、「火脹れ」が発生しない定着装
置構成を「O」,画像のエッジ部分でトナーが集まりや
すいハキヨセ部に「火脹れ」が発生したものを「△」,
画像全面に「火脹れ」が生じる、若しくはコールドオフ
セットが発生したものを「×」と表している。
【0102】なお、本発明者は画像をビジネス対応とす
るための光沢度を調べるために、グロスモニターテスト
行った。モニター方法としては、テキストとグラフのサ
ンプルを図5に示すような光沢度に設定し、それぞれに
ついて良い悪いを選択してもらった。
【0103】光沢度はサンプル上の数点を測定したもの
の平均で表している。光沢度の測定に用いたのは日本電
色製測定器で入射角θ=75°による測定である。
【0104】その結果から光沢度は7〜18%が好まし
く、24%を越える高光沢度は良い印象を受けてないこ
とが判った。そこで、図4=の「光沢」は24%よりも
低いものを「低」とし、24%以上を「高」としてい
る。
【0105】図4から明らかなように、弾性層の耐久性
を保ちつつ定着性を良好に、かつ光沢度を抑えること
は、定着ローラのローラ表面硬度を65°以下(アスカ
ーC)にし、2層構成とした弾性層の内層の熱伝導率を
1.0×10-3(cal/cm・deg・sec)以
上、弾性層の外層のゴム硬度を5°以下(JIS−A規
格)にすることで達成される。
【0106】より好ましい弾性層の外層のゴム硬度は、
JIS−A規格で1°以下(アスカーCで7°以上11
°以下)である。このゴムを用いるとフルカラー画像の
最大乗り量M/S=1.8であっても、光沢度は24%
を越えず、非常に好印象の画像を得ることが可能とな
る。
【0107】このように、定着ローラの弾性層を複数層
の構成として、その最下層の熱伝導率を1.0×10-3
(cal/cm・deg・sec)以上、最上層のゴム
硬度を5°以下(JIS−A規格)とすることにより、
定着性と低光沢を両立しつつローラ芯金と弾性層の界面
温度を低下させることができ、低光沢の定着性の良好な
画像と高耐久性の定着装置を得ることが可能となった。
【0108】また、加圧力を上げても低光沢の定着性の
良好な画像と高耐久性の定着装置を得ることができる。
【0109】さらに、混色性を高めるために軟化点が低
く、かつ溶融粘度も低いシャープメルトなノンマグトナ
ーと、離型剤としてシリコーンオイルを使用する系にお
いても、同様な効果を得ることができる。
【0110】以上のように、フルカラー画像時において
も、モノカラー画像時においても、低光沢度を得ること
が可能で、非画像部と画像部での光沢度の差を軽減し、
高光沢からなる反射により文字が読み難くなると言った
問題をも防止することができる。
【0111】そして、心理的にユーザーに安らぎを与
え、多数枚見ても疲労を覚えず、光沢度の安定したフル
カラー画像を得ることができる。
【0112】なお、図4の比較を行った加圧ローラは、
表面硬度が75°(アスカーC)であるが、実際には加
圧ローラの表面硬度は、75°以下(アスカーC)であ
れば良い。これにより、定着ローラと圧接して形成する
ニップを十分に確保することができる。
【0113】特に、加圧ローラの弾性層も2層構成が好
ましく、内層の熱伝導率を1.0×10-3(cal/c
m・deg・sec)以上、外層のゴム硬度を5°以下
(JIS−A規格)が好ましい。また、定着ローラと同
構成であつても同様な効果が得られる。
【0114】ここで、さらに本発明者は定着ローラの塑
性変形(永久歪み)についての検討を行った。定着ロー
ラの塑性変形とは、図6に示すように低温耐久によりロ
ーラ形状が変形してしまうことである。この塑性変形に
ついての結果も図4に示す。
【0115】塑性変形の検討は、熱源であるヒータを切
った状態、すなわち、常温(20℃〜25℃)で2週間
放置して行った。塑性変形の生じなかった定着ローラ、
つまり異音も画像不良もない定着ローラを「O」とし、
異音を発生するが画像不良のないものを「△」、異音及
び画像不良が発生したものについては「×」とした。
【0116】図4から明らかなように、定着ローラの表
面硬度が65°以下(アスカーC)で、弾性層の外層の
ゴム硬度が5°以下(JIS−A規格)のときは、定着
ローラを長時間放置しても塑性変形(永久歪み)は起き
ない。
【0117】したがって、このような定着ローラを用い
れば定着ローラの塑性変形のために生じる異音や画像不
良を防止できる。これは、定着ローラの弾性限界が従来
のゴム(JIS−A規格でゴム硬度が20°〜25°の
ゴム)を用いる場合よりも大きくなるからである、と本
発明者は推察するものである。
【0118】なお、本実施の形態の弾性層は2層である
が、弾性層が複数の層から形成されるものであっても弾
性層のゴム硬度がJIS−A規格で5°以下であればよ
い。例えば熱伝導率が上層<中層<下層となり、またゴ
ム硬度が上層<中層<下層となっているものなどがあ
る。
【0119】また、離型層は、PFAチューブに限ら
ず、他のフッ素樹脂からなるチューブあるいはコーティ
ング層でもよく、トナーに対する十分な離型が得られれ
ばよい。
【0120】本実施の形態での離型層の厚さは50μm
であるが、離型層の厚さは耐久性、熱伝導性を良好に保
ち、内側の弾性層の変形に追従するため10μm以上1
00μm以下であることが好ましい。
【0121】(第2の実施の形態)第2の実施の形態に
係る定着装置の概略構成を図7に示す。図1と同一符号
は、同一または相当部分を示している。
【0122】第2の実施の形態と第1の実施の形態との
相違点は、定着ローラ1と加圧ローラ2の芯金11a,
11b上に設けられた2層の弾性層の外層12a,12
bが表層である点である。即ち、第1の実施の形態の構
成から離型層をなくした構成である。
【0123】このような構成とすることにより、弾性層
の厚みを第1の実施の形態よりも薄くすることができ、
熱伝導及び熱応答性が更に良好になる。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、定着ロ
ーラの弾性層は、最下層の熱伝導率を、最上層の熱伝導
率よりも高く設けたことで、芯金と弾性層の界面温度を
低下させることができ、定着ローラの耐久性を向上する
ことができる。
【0125】また、定着ローラの弾性層は、最上層のゴ
ム硬度を、最下層のゴム硬度よりも低く設けたことで、
トナーの表面を平滑化することなくトナーの形状を残し
たままの状態とすることができ、これにより定着性を損
なうことなく、低光沢度を実現することができる。
【0126】さらに、定着ローラの表面硬度を、アスカ
ーCで65°以下に設けたことで、記録材上の現像剤像
の凹凸を維持しつつ現像剤を記録材に定着することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る定着装置の構成を示す
図である。
【図2】光沢度を測定するために用いた光沢度測定装置
の概念図である。
【図3】定着装置で用いる重合トナーの概略断面図であ
る。
【図4】ローラの耐久性及び画像の評価とローラの塑性
変形と表面硬度の関係を示す図表である。
【図5】グロスモニターテストの結果を示す図である。
【図6】ローラの塑性変形を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る定着装置の構成を示す
図である。
【図8】従来の定着装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 加圧ローラ 3a,3b ヒーター 11a,11b 芯金 12a,12b 弾性層(外層) 13a,13b 離型層 14a,14b 弾性層(内層) 100 重合トナー P 転写材 N ニップ部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱源を内包する定着ローラと、該定着ロー
    ラに圧接する加圧ローラと、を備え、 前記定着ローラ及び前記加圧ローラの圧接部に未定着現
    像剤像が形成された記録材を挟持搬送することにより未
    定着現像材像を記録材上に定着させる定着装置におい
    て、 前記定着ローラは、芯金と、該芯金上に複数層に形成さ
    れた弾性層と、を備え、 前記定着ローラの前記弾性層は、最下層の熱伝導率を、
    最上層の熱伝導率よりも高く設けたことを特徴とする定
    着装置。
  2. 【請求項2】前記定着ローラの前記弾性層は、最下層の
    熱伝導率を、1.0×10-3(cal/cm・deg・
    sec)以上に設けたことを特徴とする請求項1に記載
    の定着装置。
  3. 【請求項3】熱源を内包する定着ローラと、該定着ロー
    ラに圧接する加圧ローラと、を備え、 前記定着ローラ及び前記加圧ローラの圧接部に未定着現
    像剤像が形成された記録材を挟持搬送することにより未
    定着現像材像を記録材上に定着させる定着装置におい
    て、 前記定着ローラは、芯金と、該芯金上に複数層に形成さ
    れた弾性層と、を備え、 前記定着ローラの前記弾性層は、最上層のゴム硬度を、
    最下層のゴム硬度よりも低く設けたことを特徴とする定
    着装置。
  4. 【請求項4】前記定着ローラの前記弾性層は、最上層の
    ゴム硬度を、JIS−A規格で5°以下に設けたことを
    特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】前記定着ローラの表面硬度を、アスカーC
    で65°以下に設けたことを特徴とする請求項4に記載
    の定着装置。
  6. 【請求項6】熱源を内包する定着ローラと、該定着ロー
    ラに圧接する加圧ローラと、を備え、 前記定着ローラ及び加圧ローラの圧接部に未定着現像剤
    像が形成された記録材を挟持搬送することにより未定着
    現像材像を記録材上に定着させる定着装置において、 前記定着ローラは、芯金と、該芯金上に複数層に形成さ
    れた弾性層と、を備えると共に、表面硬度をアスカーC
    で65°以下に設けられ、 前記定着ローラの前記弾性層は、最下層の熱伝導率を、
    最上層の熱伝導率よりも高い、1.0×10-3(cal
    /cm・deg・sec)以上に設けると共に、最上層
    のゴム硬度を、最下層のゴム硬度よりも低い、JIS−
    A規格で5°以下に設けたことを特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】前記定着ローラの前記弾性層の厚さを、
    1.5〜3.0mmとすることを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれか一つに記載の定着装置。
  8. 【請求項8】前記定着ローラの前記弾性層の厚さは、最
    上層の層厚を、最下層の層厚よりも厚く設けたことを特
    徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の定着装
    置。
  9. 【請求項9】前記加圧ローラは、芯金と、該芯金上に形
    成された弾性層と、を備え、 前記加圧ローラの前記弾性層は、ゴム硬度を、JIS−
    A規格で5°以下に設けたことを特徴とする請求項4、
    5、又は6に記載の定着装置。
  10. 【請求項10】前記加圧ローラの表面硬度を、アスカー
    Cで75°以下に設けたことを特徴とする請求項1乃至
    9のいずれか一つに記載の定着装置。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれか一つに記載
    の定着装置と、 記録材上に未定着現像剤像を形成する画像形成手段と、
    を備え、 前記画像形成手段によって記録材上に形成した未定着現
    像剤像を、前記定着手段で記録材上に定着することを特
    徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】前記未定着現像剤像を形成する現像剤
    は、離型剤を含有し、重合法により製造されたものを用
    いることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装
    置。
JP20088799A 1999-07-14 1999-07-14 定着装置及び画像形成装置 Withdrawn JP2001027862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20088799A JP2001027862A (ja) 1999-07-14 1999-07-14 定着装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20088799A JP2001027862A (ja) 1999-07-14 1999-07-14 定着装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001027862A true JP2001027862A (ja) 2001-01-30

Family

ID=16431910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20088799A Withdrawn JP2001027862A (ja) 1999-07-14 1999-07-14 定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001027862A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006251620A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置、ゴムロール及びロール部材
JP2007086754A (ja) * 2005-08-24 2007-04-05 Oki Data Corp 画像形成装置
JP2007310212A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Shin Etsu Chem Co Ltd 定着ロール

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006251620A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置、ゴムロール及びロール部材
JP4650038B2 (ja) * 2005-03-14 2011-03-16 富士ゼロックス株式会社 定着装置、ゴムロール及びロール部材
JP2007086754A (ja) * 2005-08-24 2007-04-05 Oki Data Corp 画像形成装置
JP2007310212A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Shin Etsu Chem Co Ltd 定着ロール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6131010A (en) Rotatable member having elastic layer and fixing apparatus having said rotatable member
US20100209148A1 (en) Image forming method employing clear toner
US8428478B2 (en) Image forming apparatus
US20120077000A1 (en) Process for producing an image from porous marking particles
JP4393159B2 (ja) トナー及び画像形成方法
JP2001027862A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP3478676B2 (ja) 定着装置
US6564032B2 (en) Fixing apparatus for fixing polymerized toner by hard roller
JP5864991B2 (ja) 画像形成装置
JP2005352118A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JPH11174902A (ja) カラー画像形成装置
JP2000075714A (ja) 画像形成方法
JPH11167296A (ja) 定着装置及び定着用回転体
JP4480088B2 (ja) 静電荷像現像用カラートナー及びこれを用いる画像作製装置
JPH10221991A (ja) 定着装置
JP4847545B2 (ja) トナー及び画像形成方法
JP2008040131A (ja) 画像形成方法
JP2001125414A (ja) 定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置
JP2003107829A (ja) 画像形成装置
JP2008116610A (ja) 画像形成方法
JPH10288878A (ja) カラー画像形成装置
JP2004126268A (ja) トナー組成物
JP2000267485A (ja) 定着装置
JPH10148988A (ja) カラー画像形成装置
JP2001005242A (ja) カラー画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061003