JPH10148988A - カラー画像形成装置 - Google Patents

カラー画像形成装置

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JPH10148988A
JPH10148988A JP32085596A JP32085596A JPH10148988A JP H10148988 A JPH10148988 A JP H10148988A JP 32085596 A JP32085596 A JP 32085596A JP 32085596 A JP32085596 A JP 32085596A JP H10148988 A JPH10148988 A JP H10148988A
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JP
Japan
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fixing
roller
color image
image forming
forming apparatus
Prior art date
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Application number
JP32085596A
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English (en)
Inventor
Motoi Kato
基 加藤
Toru Saito
齋藤  亨
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着手段の定着ローラ等に離型剤オイルを塗
布することなく、用紙に転写したトナー像を良好に定着
することができ、用紙のオイル染みや紙透け、オイルに
よる定着ローラ等のゴム剥れ、径変化などの問題自体が
なく、定着手段のメンテナンスフリーを可能としたカラ
ー画像形成装置を提供することである。 【解決手段】 1成分現像剤として、パラフィンもしく
はポリオレフィンからなるワックスを内包した、重合法
により製造された重合トナーを用いる。定着ローラおよ
び加圧ローラは、円筒状の芯金からなる基材上にシリコ
ーンゴムからなる弾性層を設け、その上に上記トナーと
の離型性を有するフッ素系樹脂からなる離型層を設けた
構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式のカ
ラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式のカラー複写機
の製品開発は活発に行なわれているが、近年、レーザビ
ーム方式のカラープリンターへの応用もなされつつあ
り、市場にもいくつかの機種が現れるようになってきて
いる。ホストであるコンピュータ側のCPU性能、記憶
容量等の向上あるいは電子カメラの登場により、パーソ
ナルユースですら画像処理、カラーDTP(デスクトッ
プパブリッシング、即ち、いわゆる電子出版)を日常的
に行なうようになり、インクジェット方式の低価格のプ
リンターがかなり普及するようにもなっている。
【0003】このようなことから、扱い可能な画像デー
タがどんどん増加していくにつれて、ユーザのニーズと
して、さらにより高画質な電子写真方式のカラープリン
ターが求められている。
【0004】モノクロでは、レーザビームプリンターが
低価格化したことと、高解像度、高信頼性が達成された
ことによって、ビジネスユースにおいてはほぼ定番とな
っていることもあり、当レーザビーム方式のカラー化の
要求は高い。ただ、今のところ装置全体が複雑、大型化
するという問題等があり、普及率を高めるためには、よ
り一層の小型化、低コスト化が必要である。また、使用
形態がパーソナルユースに近づくことから、安全性の配
慮や信頼性の向上が必要とされる。
【0005】さて、カラートナーは、混色性およびOH
Tの透過性を高めるために、モノクロトナーに比べ低融
点、低溶融粘度のシャープメルト性の材料で形成した非
磁性トナーを用いている。このため、用紙上に形成した
カラートナー像の定着時に、トナーが定着手段の定着ロ
ーラ表面に融着する、いわゆるオフセットを発生しやす
い傾向にある。このため、カラーの定着では、離型剤と
して耐熱性のシリコーンオイルを定着ローラ表面に塗布
し、トナーのオフセットを防止する方式が採用されてい
る。
【0006】一方、定着ローラは、多色重ねの画像に対
する追従性と定着性そのものの向上のために適度の弾性
を備えることが必要であり、HTVゴム等の弾性層上
に、LTV、RTV等の離型性が高いシリコーンゴムで
表面層を形成している。このシリコーンゴムは、シリコ
ーンオイルと同種の材料であるため両者の親和性が高
く、オイルがゴム表面だけでなく内部にも浸透して、高
い離型性をもたらし、オフセット防止効果を発揮する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
画像形成装置のカラーの定着には以下のような問題があ
った。
【0008】定着手段の定着ローラには直接オイルを塗
布するが、定着ローラに圧接した下側の加圧ローラに
は、定着ローラからニップ(定着ニップ)を介して間接
的にオイルが供給されるようにしているため、連続プリ
ント時に加圧ローラにオイルを紙間でしか塗布できな
い。このため、加圧ローラのオイル塗布が途絶えがちに
なりやすく、加圧ローラのオフセット防止が不利なため
に、カラーDTPのための両面画像への対応が非常に困
難であった。
【0009】加圧ローラのオフセットを防止するために
は、加圧ローラにもオイルを直接塗布すればよいが、そ
のための塗布機構を必要とすることから、装置が大型
化、複雑化する問題がある。定着ローラに塗布するオイ
ル量を多めにすることも考えられるが、用紙のオイル染
みが発生しやすく、画像の品質、定着の信頼性等が低下
する。また、定着ローラのオイルによる膨潤でローラ径
の変化やゴムの剥れが生じやすくなり、これを防止する
ためにはオイルバリヤーの働きを持たせた中間層を必要
とするなど、定着ローラの構成が複雑化し、コストアッ
プする。通紙中に加圧ローラ表面にオイル付着量を確保
できるように、加圧ローラへのクリーニングブレードの
侵入量を小さくする等により、クリーニングブレードの
当接圧をゆるく設定すると、今度はオイルの擦り抜けが
起こりやすくなり、同様に、用紙へのオイル染みが発生
する。
【0010】上記のような問題の解決に加え、プリンタ
ーでは複写機以上の低コスト化が要請される問題もあ
る。この低コスト化のために、より簡単な2層あるいは
単層のローラ構成、およびオイル塗布が不要でオイルボ
トル等の消耗品のないフリーメンテナンス化が、開発の
課題となっている。また、両面画像形成では、定着に2
度のオイル塗布がなされるために、薄紙の用紙では紙透
けが生じる問題がある。プリンタからプリントアウトさ
れた紙透けを生じたカラー画像を原稿として、複写機で
コピーすると、得られるカラー画像は裏写りが発生す
る。
【0011】本発明の目的は、定着手段の定着ローラ等
に離型剤オイルを塗布することなく、用紙に転写したト
ナー像を良好に定着することができ、用紙のオイル染み
や紙透け、オイルによる定着ローラ等のゴム剥れ、径変
化などの問題自体がなく、定着手段のメンテナンスフリ
ーを可能としたカラー画像形成装置を提供することであ
る。
【0012】本発明の他の目的は、両面画像形成の用紙
の2面めの定着時に、用紙の1面めの画像の光沢度の上
昇を抑えて、光沢度の差をなくした両面カラー画像を得
ることを可能としたカラー画像形成装置を提供すること
である。
【0013】本発明のさらに他の目的は、両面画像形成
の用紙の1面めの定着時に、定着手段から排出される用
紙の定着ローラ方向へのカールを防いで、2面目の定着
を用紙が加圧ローラに巻き付くのを防止して行なうこと
を可能としたカラー画像形成装置を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にか
かるカラー画像形成装置にて達成される。要約すれば、
本発明は、像担持体上に形成した潜像をトナーを用いて
現像して各色のトナー像を形成し、その各色のトナー像
を中間転写体を介しまたは介さずに用紙上に転写して、
用紙上に各色のトナー像が重ね合わされたカラー画像を
得、次いで用紙を定着手段により加熱および加圧して、
前記カラー画像を用紙に定着するカラー画像形成装置に
おいて、前記トナーは、パラフィンもしくはポリオレフ
ィンからなるワックスを内包した、重合法により製造さ
れた重合トナーであり、前記定着手段は、熱源を有した
従動回転する定着部材と、前記定着部材に圧接してこれ
を回転させるとともに、定着部材との間に前記用紙が挿
入される転写ニップ部を構成する、熱源を有しもしくは
有さない能動回転する加圧部材とを備え、前記定着部材
および加圧部材は、剛性を有する基材上に弾性層を設
け、その上に離型層を設けてなり、前記離型層は重合ト
ナーに対する離型性を有し、離型剤オイルの塗布が不要
であることを特徴とするカラー画像形成装置である。
【0015】本発明者等は、上述した問題点を解決する
ために、オイルレス方式のカラー定着を検討した。その
結果、離型性を有するワックスを内包させたタイプのト
ナーを用いることにより、従来のようにシリコーンオイ
ルを塗布しないでも、カラー画像の良好な定着ができる
ことを見出し、カラー定着のオイルレス化を実現した。
【0016】定着ローラは、ワックスを内包したトナー
との離型性が良いフッ素樹脂、たとえばFEP、PFA
+PTFEブレンドを表面に設けたローラ構成とすれば
よく、簡単なローラ構成でカラーのオイルレス定着がで
きる。また、加圧ローラにも同様なローラ構成を採用す
ることにより、両面定着への対応が可能となり、連続プ
リント時のオフセットを防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0018】実施例1 図1に、本発明のカラー画像形成装置の一実施例におけ
る全体構成を示す。本実施例では、中間転写体を用いた
カラー画像形成装置の例を示している。
【0019】本実施例において、カラー画像形成装置
は、像担持体として矢印方向に所定の周速度で回転駆動
される感光ドラム101を有し、この感光ドラム101
の周囲に1次帯電器102等の画像形成手段が配置され
ている。感光ドラム101は、1次帯電器102により
所定の極性の所定の表面電位に一様に帯電され、露光手
段のレーザスキャナ(図示せず)からの画像の露光10
3により、感光ドラム101の表面上に1色目のたとえ
ばマゼンタ成分色の静電潜像が形成される。この潜像は
マゼンタ現像器41により現像され、マゼンタトナー像
として可視化される。現像方式は、現像剤として非磁性
トナーを用いた1成分非接触方式であり、現像器41の
現像スリーブと感光ドラム101との間に適当な現像バ
イアスを印加することにより、現像スリーブ上の非磁性
トナーが感光ドラム101に飛翔し、潜像に付着して現
像する。
【0020】中間転写体として中間転写ローラ20が、
感光ドラム101に適度な圧力を持って当接配置されて
いる。中間転写ローラ20は、シリンダ状の芯金上に中
抵抗の電気抵抗(体積抵抗率が105 〜1011Ωcm程
度)を有する非発泡体あるいは発泡体の弾性層を設けて
なっている。弾性層表面のトナーに対する離型性を向上
させるために、弾性層の表面にトナーとの離型性が良好
なPTFE等のフッ素樹脂もしくはシリコーンゴムの離
型層を、チューブもしくはコートにより形成してある。
【0021】感光ドラム101上のトナー像は、この中
間転写ローラ20と感光ドラム101との間(1次転写
ニップN)に、転写バイアス電源61により適当な転写
バイアスを印加することにより、中間転写ローラ20の
表面上に転写される(1次転写)。
【0022】1次転写が終了した中間転写ローラ20
は、クリーニング装置14により表面に残留した1次転
写残りのトナーが除去される。その後、2色目のシアン
トナー像(現像器42により現像)、3色目のイエロー
トナー像(現像器43)、4色目のブラックトナー像
(現像器44)が同様な過程を経て感光ドラム101上
に形成され、中間転写ローラ20上に重ね合わせて1次
転写され、これにより中間転写ローラ20上に4色のト
ナー像の重ね合わせ像が形成される。
【0023】中間転写ローラ20の感光ドラム101と
は反対の側の位置に、2次転写ローラ25が離接自在に
設置されている。2次転写ローラ25は、芯金上に中抵
抗の弾性層を設けてなっている。
【0024】この2次転写ローラ25と中間転写ローラ
20とのニップ間(2次転写ニップn)に、用紙カセッ
ト109からの用紙11が通紙される。バイアス電源を
電源29から電源28に切換えて、中間転写ローラ20
と2次転写ローラ25との間に適当な転写バイアスを印
加することにより、中間転写上の4色のトナー像が一括
して用紙11上に転写される(2次転写)。用紙11
は、給紙カセット109から給紙ローラ110により搬
送され、レジストローラ111およびその前後の給紙ガ
イド112により、上記2次転写ニップに供給される。
【0025】2次転写が終了した中間転写ローラ20の
表面に残留した2次転写残りのトナーは、中間転写ロー
ラ20と感光ドラム101との間にバイアス電源62で
1次転写時と逆極性のバイアスを印加することにより、
感光ドラム101上へ戻され、最終的にクリーニング装
置14により回収される。
【0026】4色のトナー像が転写された用紙11はガ
イド113を経て定着装置10に搬送され、定着ローラ
1と加圧ローラ2との間の定着ニップを通過して、トナ
ーの混色および紙の繊維への定着がなされる。片面画像
形成の場合は、このまま用紙11を排紙トレイへ排出す
る。両面画像形成の場合は、定着装置10を出た用紙1
1は、一旦別の紙パス方向Aへ送った後、スイッチバッ
クをされて両面ユニット部Bへと運ばれる。そして、用
紙11の1面めと反対側の2面めの画像形成時に、用紙
11が上記の2次転写ニップnに到達し、用紙11の反
対側の面に2次転写されつつ通過し、定着装置10を経
て2面めの定着が終了した後、排紙トレイに排出され
る。
【0027】図2に、本実施例における定着装置を示
す。定着装置10は、上下に圧接した定着ローラ1と加
圧ローラ2とを備えてなっており、定着ローラ1は、ア
ルミニウム等の芯金1a上に弾性層1bとその上の離型
層1cとを設けた2層構造に構成されている。
【0028】上層の離型層1cはFRPまたはPFA、
PTFE等のフッ素樹脂からなり、芯金1a上の弾性層
1b上にフッ素樹脂のコートもしくはチューブを用いて
形成している。下層の弾性層1bは、定着ローラ1がカ
ラー画像における単色から4色重ねにわたるトナーの厚
み変動(数〜数十μm)に追従でき、また定着ローラ1
に加圧ローラ2との間にニップを確保できるようにする
ために、LTVもしくはHTVのシリコーンゴムを用い
て芯金1a上に形成している。弾性層1bは弾性が小さ
いと、トナー像の凹部の未定着やトナーのつぶれによる
画像の解像度の低下をもたらすので、適当な大きさの弾
性を要する。
【0029】加圧ローラ2も定着ローラ1と同様な2層
構造に形成され、芯金2a上に同様な材質のシリコーン
ゴムの弾性層2bを設け、その上に同様な材質のフッ素
樹脂の離型層2cを設けてなっている。この加圧ローラ
2は駆動ローラとされており、定着ローラ1との間にニ
ップを形成しつつ回転することにより、定着ローラ1を
従動回転する。
【0030】定着ローラ1の芯金1aは中空の筒体に形
成されており、その中空内にはハロゲンヒータ3が内蔵
され、ハロゲンヒータ3が定着に必要な熱を供給する。
同様に、加圧ローラ2の芯金2aも中空の筒体に形成さ
れ、その中空内に内蔵したハロゲンヒータ3′からも定
着のための熱が供給される。ローラの温度制御は、定着
ローラ1にサーミスタ(温度検知素子)4を接触配置
し、加圧ローラ2にサーミスタ4′を接触配置して、そ
れぞれのローラ1、2の温度変化にともなうサーミスタ
4、4′の抵抗値変化からローラ1、2の温度を検知
し、制御装置(図示せず)によりハロゲンヒータ3、
3′のON/OFFを制御し、定着ローラ1、加圧ロー
ラ2の温度を所定に維持する。加圧ローラ2にサミース
タ4′を設けないこともあり、そのときは、サーミスタ
4による定着ローラ1の温度検知で加圧ローラ2の制御
も併せて行なう。
【0031】本実施例では、定着ローラ1は直径が46
mm、弾性層1bの厚さが2.0mm、フッ素樹脂離型
層1cの厚さが50μmとした。フッ素樹脂離型層1c
はFEPチューブで形成した。弾性層1bのシリコーン
ゴムには、ベンガラ等の顔料、シリカまたはカーボン等
の添加剤を加え、弾性層1bの熱伝導性を向上させた。
加圧ローラ2も同じ構成で、直径46μm、シリコーン
弾性層2bの厚さ2.0mm、フッ素樹脂離型層2cの
厚さ50μmである。定着ローラ1への加圧ローラ2の
圧接力(加圧力)は40〜60kgfとした。そのニッ
プの幅は6.8mmである。ローラ周速度は30〜13
0mm/秒とした。定着温度は150〜190℃の範囲
で、その範囲でのリップル(変動)を±4℃とした。
【0032】本発明において、1成分現像剤の非磁性ト
ナーとしてシャープメルトトナーを使用した。さらにい
えば、このシャープメルトトナーは重合法で製造した重
合トナーで、溶融粘度と分子量がトナーの母体樹脂より
も小さいワックス、パラフィン等の離型剤を内包してい
る。このような重合法によるシャープメルトトナーを使
用することにより、定着時に高いトナーの混色性を達成
するともに、トナーからの内包されたワックスの熱によ
る滲み出しにより高い離型性を得、定着のオイルレス化
を実現した。
【0033】重合トナーの概略構成を図3に示す。重合
トナーはその製法上、球形となる。重合トナーは、コア
93、その上の樹脂層92およびその上の表層91から
構成されており、コア93にはエステル系ワックスが内
蔵され、樹脂層92はスチレン−ブチルアクリレート樹
脂からなり、表層91はスチレン−ポリエステル樹脂か
らなっている。この重合トナーの比重は約1.05であ
る。重合トナーが3層構造となっている理由は、コア9
3にワックスを内包することにより、定着工程でのオフ
セット防止効果を得、樹脂層の表層91を設けることに
より、トナーの帯電効率の向上を図るためである。この
重合トナーを使用するに際しては、摩擦帯電電荷の安定
化のためにオイル処理したシリカを外添する。
【0034】一般に、球形トナーの製造法としては、樹
脂、低軟化点物質(ワックス)からなる離型剤、着色
剤、荷電制御剤等を、加圧ニーダーやエクスクルーダー
またはメディア分散機を用いて均一に分散した後、機械
的またはジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望
のトナー粒径に微粉砕化した後、さらに分級工程を経て
粒度分布をシャープにしてトナー化するいわゆる粉砕方
法;特公昭56−13954号公報等に記載のディスク
または多流体ノズルを用いた溶融混合物を空気中に霧化
し、球状トナーを得る方法;特公昭36−10231号
公報、特開昭59−53856号公報および特開昭59
−61842号公報に述べられている懸濁重合によりト
ナーを直接生成する重合法;単量体は可溶で、得られる
重合体は不溶な水系有機溶剤を用いてトナーを直接生成
する、ソープフリー重合法に代表される乳化重合法等が
挙げられる。
【0035】本実施例においては、粒度分布がシャープ
で粒径4〜8μmの微粒子が比較的容易に得られる常圧
下、または加圧下での懸濁重合法を用いてシャープメル
トトナーを製造した。モノマーにはスチレンとn−ブチ
ルアクリレートを用い、荷電制御剤にはサリチル酸金属
化合物を、極性レジンには飽和ポリエステルを用い、こ
れに着色剤を加え、重量平均粒径7μmの着色懸濁粒
子、つまりシャープメルトトナーを得た。トナーの粒度
分布の制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コ
ロイド作用を有する分散剤の種類、添加量を変える方法
や、装置の機械的条件、たとえばローラの周速、パス回
数、撹拌羽根の形状等の撹拌条件、容器形状、あるいは
水溶液中での固形分濃度等を制御することにより実施で
き、本実施例における所定のトナーを得ることができ
る。
【0036】トナーに用いられる結着樹脂としては、一
般に使用されているスチレン−(メタ)アクリル共重合
体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合体を利用することができる。
【0037】トナーを直接生成する重合法においては、
上記樹脂の単量体が好ましく用いられる。具体的には、
o−、m−またはp−メチルスチレン、m−またはp−
エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、
(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベ
ヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセ
ン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等の
エステル系単量体が好ましく用いられる。
【0038】これらの単量体は単独で用いるか、また
は、一般的には、「ポリマーハンドブック第2版 III、
139頁〜192頁(John Wiley & Sons 社)」に記載
の理論ガラス転位温度(Tg)が40〜75℃を示すよ
うに、単量体を適宜混合して用いる。単量体混合物の理
論ガラス転位温度が40℃未満の場合には、トナーの保
存安定性や耐久安定性の面で問題が生じ、一方、75℃
を超える場合は、定着温度の上昇をもたらし、特にフル
カラートナーにあっては、各色トナーの混色が不十分と
なって色の再現性に乏しく、さらにトランスペアレント
画像の透明性が著しく低下し、高画質のカラー画像が得
られない。
【0039】結着樹脂の分子量は、GPC(ゲル・パー
ミエーション・クロマトグラフィー)により測定する。
測定に際して、ソックスレー抽出器を用いてトナーを溶
剤のトルエンで20時間抽出し、次いでロータリーエバ
ポレーターでトルエンを留去し、その残留物にエステル
系ワックスは溶解するが結着樹脂は溶解しない有機溶
剤、たとえばクロロホルム等を加えて十分洗浄した後、
残留物をTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、次い
でポア径0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターで
濾過して試料(溶液)を調製する。ウォーターズ社製G
PC(モデル150C)に昭和電工製のカラムA−80
1、802、803、804、805、806、807
を連結し、これに得られた試料溶液を注入して、標準ポ
リスチレン樹脂の検量線により結着樹脂の分子量を測定
し、分子量分布を求めた。
【0040】結着樹脂の数平均分子量Mnは5,000
〜1,000,000、重量平均分子量Mwと数平均分
子量Mnの比Mw/Mnは2〜100であることが、本
実施例のトナーの結着樹脂に好ましい。ワックスの分子
量は結着樹脂の分子量より小さく、数平均分子量で数千
〜数万程度がよい。
【0041】トナーに用いられる着色剤は次の通りであ
る。黒色着色剤は、カーボンブラック、磁性体が使用さ
れ、その他、イエロー、マゼンタ、シアンの着色剤を混
合して黒色に調製したものも使用される。
【0042】イエロー着色剤は、縮合アゾ化合物、イオ
インドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属
錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される
化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメント
イエロー12、13、14、15、17、62、74、
83、93、94、95、97、109、110、11
1、120、127、128、129、147、16
8、174、176、180、181、191等が好適
に用いられる。
【0043】マゼンタ着色剤は、縮合アゾ化合物、ジケ
トピロロピロール化合物、アンスラキノン化合物、キナ
クリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化
合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合
物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8;2、48;3、48;4、57;1、81;1、1
44、146、166、169、177、184、18
5、202、220、221、254が特に好ましい。
【0044】シアン着色剤は、銅フタロシアニン化合物
およびその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レ
ーキ化合物等が利用できる。C.I.ピグメントブルー
1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;
4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0045】これらの着色剤は、単独または混合して用
いられ、さらには固溶体の状態で用いることができる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、トラペン透過
性、トナー中への分散性を考慮して選択される。着色剤
の添加量は、100重量部の樹脂に対し1〜20重量部
である。黒色着色剤として磁性体を用いた場合は、他の
着色剤と異なり、100重量部の樹脂に対し40〜15
0重量部添加して用いられる。
【0046】以上のように、本発明では、トナーを従来
のシャープメルトタイプでなくワックス内包タイプとし
たので、離型剤オイルを使用しないオイルレス定着を実
現することができる。従って、用紙のオイル染みや紙透
け、オイルによる定着ローラ等のゴム剥れ、径変化など
の問題自体がなく、定着手段のメンテナンスフリーが可
能となる。
【0047】また、両面画像形成の場合、用紙の1面め
は2回定着手段を通過するので、従来のシャープメルト
トナーでは、1面めの画像の光沢が2面めに比べて非常
に高くなるが、本発明で用いたワックス内包タイプのト
ナーでは、この差をより小さく抑えることが可能である
ことが判明した。
【0048】しかし、上記の実施例1では、それでもな
お、1面めの画像の光沢が2面目よりも大となる傾向が
ある。以下の実施例2〜3では、これらの差をさらに低
減するようにした。
【0049】実施例2 本実施例は、両面画像形成において、用紙の1面めの画
像の光沢をより小さくして、2面めとの光沢度の差を低
減するようにした。そのために、加圧ローラ2の温度を
定着ローラ1の温度よりも小とした。具体的には、定着
ローラ1の温度=180℃、加圧ローラ2の温度=17
0℃とした。
【0050】定着ローラ1、加圧ローラ2の弾性層の厚
さは2.0mm、表面離型層の厚さは30μmである。
表面離型層は、共にFEPチューブにより形成した。ま
た、加圧力は50kg、ニップ幅の設定は7.8mmで
ある。
【0051】本実施例では、定着ローラ1と加圧ローラ
2のニップを通過する用紙に与える熱は加圧ローラ2の
方が少ないので、上下を反転した用紙の2面めの定着
時、加圧ローラ2側となる用紙の1面めに加わる熱量が
少なくなり、このため、1面めの画像の光沢度の上昇が
実施例1のときよりもさらに抑えられる。
【0052】本実施例によれば、用紙の1面め、2面め
とも、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(Bk)の光沢度が10〜15、レッ
ド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の光沢度が1
5〜20となった。
【0053】実施例3 本実施例では、用紙の1面めの画像の光沢をより小さく
するために、加圧ローラ2の表面粗さを定着ローラ1よ
りも大とした。具体的には、加圧ローラ2の離型層にサ
ンドブラストによる粗し処理を施して、離型層の表面粗
さRzを最大2μmとした。定着ローラ1の離型層の表
面は、粗し処理を行なわずFEPチューブ表面のままで
あり、表面粗さRzは0.5μm以下である。
【0054】本実施例のその他の条件は、実施例2と同
様で、定着ローラ1、加圧ローラ2の弾性層の厚さは
2.0mm、表面の離型層の厚さは30μmで、離型層
は共にFEPチューブにより形成し、また、加圧力は5
0kg、ニップ幅の設定は7.8mmである。
【0055】本実施例によれば、2面目の定着時、定着
ローラ1と加圧ローラ2のニップを通過する際、加圧ロ
ーラ2側となる用紙の1面めは、加圧ローラ2による粗
しにより画像の光沢が消され気味になり、1面目の画像
の光沢度の上昇が抑制される。実施例2と同様、用紙の
1面め、2面めとも、イエロー、マゼンタ、シアン、ブ
ラックの光沢度が10〜15、レッド、グリーン、ブル
ーの光沢度が15〜20となった。
【0056】実施例4 本発明によれば、シャープメルトタイプでなくワックス
内包タイプのトナーを採用したので、オイルレスの定着
を実現できたが、さらなる検討をしたところ次のことが
分かった。すなわち、本発明に従った定着では、定着ロ
ーラ1と用紙画像面との密着性が定着オイルを用いた従
来法に比べて高まるので、1面目の定着時に、定着ニッ
プから排紙される用紙が定着ローラ側に反れて上側にカ
ールする。このため、2面め定着時に、用紙は下側にカ
ールして定着ニップに挿入されることになり、用紙が加
圧ローラ2側へ貼り付きやすく、巻き付きの発生する怖
れがあった。
【0057】そこで、実施例4〜7では、用紙の加圧ロ
ーラ2への巻き付きを防止し、装置の信頼性を高めた。
【0058】さて、本実施例4では、1面めの定着時、
用紙が定着ローラ1側に反れて排出され、上側にカール
するのを防止するために、定着ローラ1の弾性層の厚さ
を加圧ローラ2の弾性層の厚さよりも厚くした。具体的
には、定着ローラ1の弾性層の厚さ=2.5mm、加圧
ローラ2の弾性層の厚さ=1.5mmとした。
【0059】その他は定着ローラ1、加圧ローラ2とも
同じであり、共に外径が46mm、離型層の厚さが30
μmで、離型層はFEPチューブにより形成し、加圧力
は50kgf、ニップ幅は7.7mmを設定した。
【0060】本実施例によれば、定着ローラ1よりも弾
性層の薄い加圧ローラ2の方がローラ硬度が高くなるの
で、図4に示すように、加圧ローラ2の周面が定着ロー
ラ1の表面に食い込む。このため、1面めの定着時、定
着ニップからの用紙11は加圧ローラ2寄りとなり、用
紙11の定着ローラ1側への反れが修正されて、定着ロ
ーラ1と加圧ローラ2の中心を結ぶ線に対しほぼ直角の
方向に排出される(いわゆる水平排紙)。このため、用
紙11にカールが付かないか、付いても下向き気味にな
る。従って、2面めの定着時、用紙が加圧ローラ側に貼
り付くやすくなるが、用紙はカールがないか、上向きに
カールした状態で挿入されるので、加圧ローラ側への貼
り付きがなく、巻き付くことがない。
【0061】実施例5 本実施例では、1面めの定着時、用紙が定着ローラ1側
に反れて排出され、上側にカールするのを防止するため
に、加圧ローラ2の弾性層の硬度を定着ローラ1の弾性
層の硬度よりも高くした。具体的には、定着ローラ1の
弾性層のJIS−A硬度を20°、加圧ローラ2の弾性
層のJIS−A硬度を10°とした。
【0062】その他は定着ローラ1、加圧ローラ2とも
同じであり、共に外径が46mm、離型層の厚さが30
μmで、離型層はFEPチューブにより形成し、加圧力
は50kgf、ニップ幅は7.6mmを設定した。
【0063】本実施例でも、実施例4のときと同じよう
に、加圧ローラ2の周面が定着ローラ1の表面に食い込
むようになるので、1面めの定着時、定着ニップからの
用紙11は、加圧ローラ2寄りとなり反れが修正されて
ほぼ水平排紙となり、用紙11にカールが付かないか、
下向き気味のカールとなるので、2面めの定着時、用紙
が加圧ローラ側に貼り付くやすくなるが、用紙はカール
がないか、上向きにカールした状態で挿入されるので、
加圧ローラ側への貼り付きがなく、巻き付くことがな
い。
【0064】実施例6 本実施例では、1面めの定着時、用紙が定着ローラ1側
に反れて排出され、上側にカールするのを防止するため
に、加圧ローラ2の表面の離型層の厚さを定着ローラ1
の表面の離型層の厚さより厚くした。具体的には、定着
ローラ1の離型層の厚さ=30μm、加圧ローラ2の離
型層の厚さ=50μmである。これらの離型層はFEP
チューブで形成した。
【0065】その他は定着ローラ1、加圧ローラ2とも
同じであり、共に外径が46mm、弾性層の厚さが2.
0mmで、加圧力は50kgf、ニップ幅は7.6mm
を設定した。
【0066】定着ローラ1よりも離型層が厚い加圧ロー
ラ2の方がローラ硬度が高くなるので、実施例4と同
様、加圧ローラ2の周面が定着ローラ1の表面に食い込
む。従って、本実施例によっても、1面めの定着時、定
着ニップからの用紙11を加圧ローラ2寄りとして反れ
を修正してほぼ水平排紙とし、用紙11のカールをなく
すか、下向き気味のカールにでき、2面めの定着時、用
紙はカールがないか、上向きにカールした状態で挿入で
きて、加圧ローラ側への貼り付き、巻き付きを防止でき
る。
【0067】実施例7 本実施例では、1面めの定着時、用紙が定着ローラ1側
に反れて排出され、上側にカールするのを防止するため
に、加圧ローラ2の外径を定着ローラ1の外径よりも小
さくした。具体的には、定着ローラ1の外径=46m
m、加圧ローラ2の外径=48mmとした。
【0068】その他は定着ローラ1、加圧ローラ2とも
同じであり、共に弾性層の厚さが2.0mm、離型層の
厚さが30μmで、離型層はFEPチューブで形成し、
加圧力は50kgf、ニップ幅は8.0mmを設定し
た。
【0069】加圧ローラ2の外径を定着ローラ1の外径
より小さくすることによっても、加圧ローラ2の周面が
定着ローラ1の表面に食い込むようになるので、1面め
の定着時、定着ニップからの用紙11は、反れが修正さ
れてほぼ水平排紙となり、用紙11にカールが付かない
か、下向き気味のカールとなり、2面めの定着時、用紙
が加圧ローラ側に貼り付くやすくなるが、用紙はカール
がないか、上向きにカールした状態で挿入されて、加圧
ローラへの巻き付が防止される。
【0070】実施例8 以上の実施例1〜7では、熱ローラ定着方式においてオ
イルレス定着を行なった例を示したが、本実施例は、定
着ベルトを備え、これを必要時に急速加熱して定着に使
用する、省エネルギー型オンデマンド定着装置に適用し
た場合について述べる。
【0071】このオンデマンド定着装置は、図5に示す
ように、耐熱モールド材からなるシリンダー5の外周に
定着ベルト1′が配設され、加圧ローラ2は定着ベルト
1′を介してシリンダー5に圧接されている。定着ベル
ト1′は、加圧ローラ2の駆動回転にともない表面摩擦
力により駆動されて、シリンダー5の回りに摺動回転す
る。定着ベルト1′は、ポリイミドフィルムからなる厚
さ50μmのベース材上に、シリコーンゴムからなる厚
さ100μmの弾性層を設け、その上にフッ素樹脂(F
EP、PTFE、PFA等)からなる厚さ10μmの離
型層を設けてなっている。
【0072】シリンダー5の加圧ローラ2と対向した位
置には、ヒータ6がシリンダー5の表面に露出するよう
にして設置され、このヒータ6はいわゆるセラミックヒ
ータで、セラミック板上に電気抵抗体層を形成してなっ
ている。ヒータ6の加圧ローラ2とは反対の非接触側に
はサーミスタ4が設けられ、サーミスタ4はヒータ6の
温度を検知して、電流制御によりヒータ6の温度調節を
行なうようになっている。ヒータ6への通電によりヒー
タ6を加熱し、このヒータ6が圧接する定着ベルト1′
を加熱する。
【0073】定着ベルト1′と加圧ローラ2とのニップ
間に挿入された用紙11は、これらの間を通過するに従
い、加圧されるとともに定着ベルト1′により加熱され
て、画像の定着が行なわれる。なお、加圧ローラ2はヒ
ータを内蔵していても、していなくてもどちらでもよ
い。
【0074】セラミックヒータ6は割れやすいため、通
常、総加圧力は20kg程度に抑え、ニップ幅は10m
m程度に大きめにして、加圧力を分散することが好まし
い。
【0075】このようなベルト方式の定着装置によれ
ば、熱ローラ方式の定着装置とは違って、定着ニップを
平面に保ったままニップ下流の排紙部において、定着ベ
ルト1′の用紙11との分離角αを、定着ベルト1′の
周長に関係なく、熱ローラ方式よりも大きくとることが
できる。普通、熱ローラ方式では、定着ローラ外径46
μm、ニップ幅8mmで分離角αが10°程度である
が、ベルト方式では、定着ローラ外径が46mm相当の
周長を有するものでも、αを30°以上にすることがで
きる。
【0076】従って、従来の熱ローラ方式の定着より
も、定着ベルト1′の画像との分離性を向上して、用紙
11の定着ベルト1′への巻き付き防止をより改善する
ことができる。さらに軽圧定着ができ、しかも平面性の
高い定着ニップであるので、用紙のカールが熱ローラ方
式よりも軽減される。つまり、用紙の1面めの定着で上
方へのカールがほとんどなく、2面の定着を下側にカー
ルしていない状態で行なえるので、加圧ローラ2への用
紙の巻き付きも防止される。
【0077】実施例9 本実施例は、ベルト方式の省エネルギー型オンデマンド
定着装置において、定着ベルトの加熱に誘導加熱を用い
た。そのため、図6に示すように、定着ベルト1″を、
ニッケル電鋳からなる厚さ50μmのベース材上にシリ
コーンゴムからなる厚さ100μmの弾性層を設け、そ
の上にフッ素樹脂からなる厚さ10μmの離型層を設け
た構成とした。定着ベルトのベース材にニッケル電鋳を
用いたのは、これが高磁性で、電磁誘導効率が高まるか
らある。
【0078】一方、シリンダー5内に磁気コイル8を配
設し、その交番磁界により定着ベルト1″内に渦電流を
発生させ、その抵抗損失により定着ベルト1″を発熱さ
せる。磁気コイル8の定着ベルト1″とは反対の側にサ
ーミスタ4を配置し、定着ベルト1″の温度を検知して
コイル8に通電する電流を制御し、定着ベルト1″の温
度調節を行なう。
【0079】本実施例においても、実施例8と同様、定
着ニップを平面に保ったままニップ下流の排紙部におい
て、定着ベルト1″の用紙11との分離角αを、定着ベ
ルト1″の周長に関係なく熱ローラ方式よりも大きくと
ることができる。従って、従定着ベルト1″の画像との
分離性が向上して、用紙11の定着ベルト1″への巻き
付き防止をより改善することができる。
【0080】さらに、セラミックヒータような割れの心
配がないので、加圧力の大幅な増加が可能であり、ニッ
プをより大きくして定着性を一段と向上することができ
る。もちろん、加圧力を増大してもニップの平面性が高
いので、1面めの定着での用紙のカールが熱ローラ方式
の定着と比べ軽減され、2面めの定着時に加圧ローラへ
巻き付くことがない。
【0081】以上において、図7に示すように、ニップ
部の定着ベルト1″の内側にニッケル板、鉄板等の磁性
板9を配置し、磁性板9によりニップ部の定着ベルト
1″に磁束を集中して、定着ベルト1″の加熱効率を高
めてもよい。この場合は、定着ベルト1″のベース材は
高磁性でなくともよく、ポリイミド樹脂のような低磁性
のものでも用が足りる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
離型性を有するワックスを内包したタイプのトナーを用
いたので、オイルレス定着によりオフセットのない定着
をでき、両面定着も可能となった。用紙のオイル染み、
紙透け、定着ローラ等のゴム剥れ、削れ、径変化等の問
題自体がなく、定着手段のフリーメンテナンス化が図ら
れ、また、画像形成装置の待機時間が短縮され、前回転
時間の短縮による装置の高寿命化が図られる。またオイ
ルレス定着なので、両面画像形成時の用紙の1面めと2
面めの光沢度の差を小さく抑えることができる。また定
着による紙透け等がないので、得られたカラー画像を原
稿にして複写しても、裏写りが発生しない。
【0083】また、加圧ローラの表面温度を定着ローラ
の表面温度よりも低くする等の手段をとることにより、
両面画像形成時の用紙の1面めと2面めの光沢度の差の
抑制をさらに向上できる。また、加圧ローラの弾性層の
厚さを定着ローラの弾性層の厚さより薄くする等によ
り、加圧ローラを定着ローラに食い込ませる手段をとる
ことにより、1面めの定着で定着ニップから排出される
用紙を加圧ローラ方向にカールさせることができ、2面
めの定着時に用紙を定着ローラ方向にカールした状態で
定着ニップに挿入することができて、加圧ローラへの用
紙の巻き付きを防止できる。従って、画像の品質の安定
性、定着手段、画像形成装置の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー画像形成装置の一実施例を示す
全体構成図である。
【図2】図1の画像形成装置に設置した定着装置を示す
概略構成図である。
【図3】本発明で使用するワックス内方型の重合トナー
を示す概略構成図である。
【図4】本発明の他の一実施例における定着時の用紙の
排出方向を示す説明図である。
【図5】本発明の他の一実施例におけるベルト方式の省
エネルギー型オンデマンド定着装置を示す概略構成図で
ある。
【図6】本発明の他の一実施例におけるベルト方式の省
エネルギー型オンデマンド定着装置を示す概略構成図で
ある。
【図7】図6の定着装置の定着ニップ部に磁性板を設け
たことを示す説明図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 1′、1″ 定着ベルト 1a、2a 芯金 1b、2b 弾性層 1c、2c 離型層 2 加圧ローラ 3、3′ ヒータ 4、4′ サーミスタ 6 セラミックヒータ 8 磁気コイル 9 磁性板 10 定着装置 11 用紙 91 表層 92 樹脂層 93 コア

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上に形成した潜像をトナーを用
    いて現像して各色のトナー像を形成し、その各色のトナ
    ー像を中間転写体を介しまたは介さずに用紙上に転写し
    て、用紙上に各色のトナー像が重ね合わされたカラー画
    像を得、次いで用紙を定着手段により加熱および加圧し
    て、前記カラー画像を用紙に定着するカラー画像形成装
    置において、前記トナーは、パラフィンもしくはポリオ
    レフィンからなるワックスを内包した、重合法により製
    造された重合トナーであり、前記定着手段は、熱源を有
    した従動回転する定着部材と、前記定着部材に圧接して
    これを回転させるとともに、定着部材との間に前記用紙
    が挿入される転写ニップ部を構成する、熱源を有しもし
    くは有さない能動回転する加圧部材とを備え、前記定着
    部材および加圧部材は、剛性を有する基材上に弾性層を
    設け、その上に離型層を設けてなり、前記離型層は重合
    トナーに対する離型性を有し、離型剤オイルの塗布が不
    要であることを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性層がシリコーンゴムからなり、
    前記離型層がフッ素系樹脂からなる請求項1のカラー画
    像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記定着部材および加圧部材のうちの少
    なくとも定着部材に設けられた、これに接触して表面温
    度を検知する検温素子と、検知した表面温度に基づいて
    定着部材および加圧部材内の熱源を温度制御し、定着部
    材および加圧部材の表面温度を所定値に調節する温度制
    御手段とを備えた請求項1または2のカラー画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記カラー画像形成装置は、前記用紙の
    1面めにカラー画像を形成し、定着した後、用紙の上下
    を反転して2面めにカラー画像を形成し、定着する両面
    画像形成機能を有している請求項1〜3のいずれかの項
    に記載のカラー画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記定着部材は、円筒状の芯金からなる
    基材上に、弾性層および離型層を積層した定着ローラで
    あり、前記加圧部材は、円筒状の芯金からなる基材上
    に、弾性層および離型層を積層した加圧ローラである請
    求項1〜4のいずれかの項に記載のカラー画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】 前記定着手段は、用紙の2面めの定着
    を、用紙の1面めの画像の光沢度の上昇を抑えて行なう
    請求項4または5のカラー画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記加圧ローラの表面温度を定着ローラ
    の表面温度よりも低くすることにより、用紙の1面めの
    画像の光沢度の上昇を抑えた2面めの定着を行なう請求
    項6のカラー画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記加圧ローラの表面粗さを定着ローラ
    の表面粗さよりも粗くすることにより、用紙の1面めの
    画像の光沢度の上昇を抑えた2面めの定着を行なう請求
    項6のカラー画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記定着手段は、1面めの定着で定着ニ
    ップから排出される用紙を加圧ローラ方向にカールさ
    せ、2面めの定着時に用紙を定着ローラ方向にカールし
    た状態で定着ニップに挿入することを可能とする請求項
    4または5のカラー画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記加圧ローラの弾性層の厚さを定着
    ローラの弾性層の厚さより薄くして、加圧ローラを定着
    ローラに食い込ませることにより、前記1面めの定着に
    おける用紙の所定のカールを得る請求項9のカラー画像
    形成装置。
  11. 【請求項11】 前記加圧ローラの弾性層の硬度を定着
    ローラの弾性層の硬度より高くして、加圧ローラを定着
    ローラに食い込ませることにより、前記1面めの定着に
    おける用紙の所定のカールを得る請求項9のカラー画像
    形成装置。
  12. 【請求項12】 前記加圧ローラの離型層の厚さを定着
    ローラの離型層の厚さより厚くして、加圧ローラを定着
    ローラに食い込ませることにより、前記1面めの定着に
    おける用紙の所定のカールを得る請求項9のカラー画像
    形成装置。
  13. 【請求項13】 前記加圧ローラの外径を定着ローラの
    外径より小さくして、加圧ローラを定着ローラに食い込
    ませることにより、前記1面めの定着における用紙の所
    定のカールを得る請求項9のカラー画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記定着部材は、無端状の剛性を有す
    る可撓性基材上に弾性層および離型層を積層した定着ベ
    ルトであり、前記加圧部材は、円筒状の芯金からなる基
    材上に弾性層および離型層を積層した加圧ローラであ
    り、前記定着ベルトは、加熱手段を内蔵した筒体の周囲
    に被せられ、前記加圧ローラにより前記筒体の周囲を回
    転される請求項1〜4のいずれかの項に記載のカラー画
    像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記定着ベルトの基材が磁性材からな
    り、前記加熱手段が前記基材を誘導加熱する加熱装置で
    ある請求項14のカラー画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記加圧ローラとの間に形成した定着
    ニップ部の定着ベルトの内側位置に磁性板を配置した請
    求項15のカラー画像形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6911240B2 (en) 2002-08-20 2005-06-28 Ricoh Company, Ltd. Fixing member, method for producing it, and image forming apparatus comprising the fixing member

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6911240B2 (en) 2002-08-20 2005-06-28 Ricoh Company, Ltd. Fixing member, method for producing it, and image forming apparatus comprising the fixing member

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