JPH11174902A - カラー画像形成装置 - Google Patents

カラー画像形成装置

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JPH11174902A
JPH11174902A JP9363303A JP36330397A JPH11174902A JP H11174902 A JPH11174902 A JP H11174902A JP 9363303 A JP9363303 A JP 9363303A JP 36330397 A JP36330397 A JP 36330397A JP H11174902 A JPH11174902 A JP H11174902A
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roller
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JP9363303A
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Motoi Kato
基 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーバーシュートを抑制して定着ローラ及び
加圧ローラの寿命を延命し、さらに安定した画像を得る
ことのできる信頼性に優れたカラー画像形成装置を提供
する。 【解決手段】 モノカラー連続モードにて、スタンバイ
目標温度より第1プリント目標温度に設定を切り換え
後、さらにプリント枚数が所定の枚数に達した時点で第
2プリント目標温度に切り換えを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式のカラ
ー画像形成装置に関し、とくに連続して単色画像を形成
する場合に特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のカラー画像形成装置とし
て、例えば複写機、レーザビームプリンタ、インクジェ
ットプリンタ等があり、主に電子写真方式のカラー複写
機の製品化は活発に行われている。
【0003】ホストであるコンピュータ側のCPU性
能、記憶容量等の向上あるいは電子カメラの登場により
パーソナルユースですら画像処理、カラーDTPを日常
的に行うようになった。そのため、インクジェット方式
の低価格のプリンタがかなりの普及をするようにもなっ
た。けれども、扱い可能な画像データ量がどんどん増加
していくにつれてユーザーのニーズとしてさらにより高
画質なカラープリンタが求められている。
【0004】近年では、レーザビーム方式のカラープリ
ンタへの応用もなされ始めており、市場にもいくつかの
機種が現れるようになってきている。
【0005】モノクロプリンタにおいてはレーザービー
ムプリンタが低価格化したことと高解像度、高信頼性が
達成されたことでビジネスユースにおいてはほぼ定番と
なっていることもあり、当方式のカラー化の要求は高い
ものがある。
【0006】ただ、装置全体が複雑、大型化することと
いう問題等があり、普及率を高めるためにはよりいっそ
うの小型化、低コスト化が必要である。また、パーソナ
ルユースに近づくことからよりいっそうの安全性への配
慮や信頼性の向上が必要さとれる。
【0007】次に、レーザビームプリンタのカラー化に
ついて述べる。
【0008】画像形成部の画像形成の方式は転写ドラム
を用いて転写体上に多重像を順次形成していく方式、或
は中間転写体に形成した多重転写像や感光体上に形成し
た多重現像像を転写体に一括転写する方式等が存在して
いた。
【0009】カラートナーは混色性及びOHTの透過性
を高めるためにモノクロトナーに比べ低融点、低溶融粘
度の非磁性トナーを用いている。
【0010】このためカラー定着では、一般にトナーが
定着ローラ表面に融着するいわゆるオフセットを防止す
るための離型剤として耐熱性のシリコーンオイルを定着
ローラ表面に塗布する方式を採用していた。
【0011】しかし、プリンタでは複写機以上に低コス
ト化のために、より簡単な2層あるいは単層のローラ構
成が求められ、オイルボルト等の消耗品のないフリーメ
ンテ化が要求されるようにってきている。
【0012】これについては根本的に解決する手段とし
て、オイルレス定着方式を検討して、従来のシリコーン
オイルに代わり離型性を有するワックスをトナーに内包
するタイプのトナーを用いることにより定着のオイルレ
ス化を図ることが可能であることを見出し、これを実現
した。
【0013】ワックス内包トナーに対してこれと離型性
の良いフッ素樹脂(FEP、PFA、PTFE、CPT
FE等)を定着ローラの表面に設けたローラ構成とする
ことで、オイルレスのカラー定着が可能となったばかり
でなく、加圧ローラも同様の構成とすることで両面定着
への対応も可能となり、連続プリント時でのオフセット
を防止することができた。
【0014】さらに、フルカラーはもちろんのこと、従
来のモノクロプリンタの長所であるモノクロ高画質と高
速性をそのまま備えたものであることが必要である。ま
た、ハガキ、小サイズ紙、封筒、厚紙、ラベル紙等の各
種転写体に対して広い対応性を有するものであると同時
に高速化を実現するものでなくてはならない。
【0015】モノクロプリンタの長所であるモノクロ高
画質と高速性をそのまま備えたものとするためには以下
のような問題点があった。
【0016】カラー定着ローラにはシリコーンゴム、フ
ッ素樹脂等の耐熱材料が用いられているが、プリンタが
高速化するにつれて熱ローラ系においては定着性を確保
するために定着,加圧ローラ間のニップがしだいに大き
くなる方向にシフトしている。
【0017】このため、定着,加圧ローラは一般的に芯
金上にシリコーンゴム等の耐熱性を有する厚い弾性体層
を形成して構成されるものであるが、弾性体層の厚みは
しだいに厚くなる傾向がある。
【0018】また、その材料はより低硬度なものへと移
行しているが、低硬度化の方向をめざした場合には、材
料を硬くしてしまう金属フィラー等の外添は抑えなけれ
ばならないため、熱伝導率の向上がはかりにくくなる。
【0019】すると、定着,加圧ローラの表面と芯金界
面との温度差は大きくなり、耐熱性を有するシリコーン
ゴムにとってさえも耐久性には不利な方向となり、定着
ローラの寿命を縮めることになっていく。
【0020】通常、定着の温調はローラの表面温度を接
触式のサーミスタで検知して制御する方式が広く用いら
れている。
【0021】定着,加圧ローラの表面温度を一定の目標
温度に対して制御を行うため、芯金の温度はローラ内部
のヒータの発熱量に応じてゴム内部の温度差の分だけ表
面温度より高くなっている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、転写ド
ラムを用いて転写体上に多重像を順次形成していく方
式、或は中間転写体に形成した多重転写像や感光体上に
形成した多重現像像を転写体に一括転写する方式等の画
像形成方式において、本発明者らの検討によれば、フル
カラー4色連続プリント時には上記のようにローラ表面
と芯金界面の温度差はゴム材料の耐熱性の限度内である
が、モノカラー連続プリント時においてはこの温度差が
増大し、以下のような不都合が生じることが判明した。
【0023】すなわち、モノカラー連続プリント時にお
いては潜像、現像形成等が1色ですむ分、通過頻度が高
くなる(通常4倍)ため、それだけヒータの平均発熱量
が大きくなり、通過中にできていたローラのゴム中の熱
勾配が連続通過終了後になって芯金の熱がローラ表面に
移動して表面温度が大きくオーバーシュートしたり、小
サイズ紙や封筒を連続通過した場合に通過域外のローラ
端部では大きく昇温してしまうという問題のあることが
判明した。
【0024】そして、ローラ表面温度が220〜230
℃を越えた場合にはシリコーンゴムの熱劣化が起こって
しまいゴム剥がれや表面離型層の剥離や劣化が発生する
ことがあった。
【0025】図7にA4の105g紙のプリント時にお
けるオーバーシュートの状態を示す。
【0026】横軸はプリント枚数、縦軸は定着,加熱ロ
ーラ表面温度を表す。
【0027】下の折れ線は実際の枚数に対する表面温度
の変化、上の折れ線はその枚数でプリントを終了した場
合のオーバーシュートのピーク温度を表す(通常プリン
ト終了後1分〜1分半程度かかって到達する。)。
【0028】ローラ表面温度がプリント目標温度と一致
して安定するまでにかなりの枚数がかかることがわか
る。これはローラの芯金とゴム層が厚い熱容量の大きい
定着系であることによる。
【0029】さて、スタンバイでローラが静止状態のと
きにはスタンバイ温度170℃としている。ローラが前
回転を始めると(サーミスタへの単位時間当たりの熱流
入が増加する等の理由で)、サーミスタの検知温度が3
〜4℃程度上がってしまう。そのためプリント開始直後
にヒータがOFFしてしまう状況が発生してプリント初
期の定着性が不利になることがあった。
【0030】プリント直後では、まだ、スタンバイ時と
同様に芯金とローラ表面温度は近いため芯金からローラ
表面に向かう熱流は少なく、ほぼゴム表面の熱容量で定
着を行わねばならない。
【0031】そのため、なるべく早く芯金を加熱して芯
金から表面へと向かう熱流をつくり出してやる必要があ
る。
【0032】そこで、プリント温度を10℃高めの18
0℃とすることによってプリント開始直後のヒータOF
Fは防止されプリント初期の定着性は確保された。
【0033】しかし、スタンバイ温度170℃からプリ
ント目標温度をそれより高い180℃とした場合、プリ
ント枚数が30枚を越えた時点で、芯金からローラ表面
へと熱が向かって、表面温度が大きくオーバーシュート
し、表面温度は200℃を越えてしまい、ローラの寿命
低下が起こっていた。
【0034】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、オー
バーシュートを抑制して定着ローラ及び加圧ローラの寿
命を延命し、さらに安定した画像を得ることのできる信
頼性に優れたカラー画像形成装置を提供することにあ
る。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、未定着画像が形成された転写体を
加熱して転写体上の画像を定着させる定着手段を備え、
転写体上に単色画像を形成する場合は、多色画像を形成
する場合よりも、1枚あたりの画像形成が短時間で済
み、前記定着手段の待機時間が短縮されるカラー画像形
成装置において、連続して単色画像を形成する場合に
は、所定の枚数に達した時点で、所定部の加熱温度を、
第1目標温度より低い、第2目標温度に設定する制御を
行うことを特徴とする。
【0036】従って、定着手段表面温度のオーバーシュ
ート或は転写体不通過の定着手段端部昇温を抑制するこ
とができる。
【0037】前記所定の枚数とは、使用可能最大電圧で
連続して単色画像を形成し続けた場合に、前記定着手段
の表面温度が第1目標温度に達する以前の枚数であるこ
とが好ましい。
【0038】これにより、使用電圧によらず、共通な転
写体枚数で第2目標温度を設定できる。
【0039】未定着画像が形成された転写体を加熱して
転写体上の画像を定着させる定着手段を備え、転写体上
に単色画像を形成する場合は、多色画像を形成する場合
よりも、1枚あたりの画像形成が短時間で済み、前記定
着手段の待機時間が短縮されるカラー画像形成装置にお
いて、連続して単色画像を形成する場合には、所定の枚
数に達した時点で、画像出力スループット若しくは画像
定着速度を、遅くする制御を行うことを特徴とする。
【0040】従って、定着手段表面温度のオーバーシュ
ート或は転写体不通過の定着手段端部昇温を抑制するこ
とができる。
【0041】前記画像出力スループット若しくは画像定
着速度を、遅くする制御は、多段階に分けて遅くするこ
とが好ましい。
【0042】これにより、定着手段表面温度のオーバー
シュート或は転写体不通過の定着手段端部昇温をさらに
抑制することができる。
【0043】転写体サイズの情報に応じて前記制御の温
度設定値或は前記所定の枚数を設定することが好まし
い。
【0044】これにより、細かい設定条件が求められ、
よりよく定着手段表面温度のオーバーシュート或は転写
体不通過の定着手段端部昇温を抑制することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する
趣旨のものではない。
【0046】(第1の実施の形態)図1に第1の実施の
形態の構成図を示す。
【0047】この図1では、カラー画像形成装置として
中間転写体を用いたカラーレーザビームプリンタを示し
ており、以下に画像形成の概略を述べる。
【0048】まず、像担持体である感光体ドラム101
は所定の周速度で回転駆動される。
【0049】次に、感光体ドラム101は1次帯電器1
02により所定の極性、表面電位に一様に帯電される。
【0050】ここに、露光手段であるレーザスキャナー
からのレーザ103により露光されることで、静電潜像
が形成される。
【0051】この静電潜像に対して各色現像機41〜4
4のうち、現像器41(マゼンタ現像器)から1色めの
マゼンタトナーが現像され、顕像化がなされる。
【0052】現像方式は非磁性1成分の非接触方式によ
り行われる。現像スリーブと感光体ドラム101間に
は、適度な現像バイアスが印加されることで、トナーは
現像スリーブ上から感光体ドラム101上の潜像部位に
現像される。
【0053】中間転写ローラ20は、感光体ドラム10
1に適度な圧力をもって当接配置されており、両者間に
適度な1次転写バイアスを印加することによりトナーは
感光体ドラム101側から中間転写ローラ20へと1次
転写される。
【0054】中間転写ローラ20はシリンダー芯金上に
中抵抗の電気抵抗(体積抵抗10E5〜11Ω・cm)
を有するソリッドあるいは発泡体の弾性体層を設けて構
成される。
【0055】弾性体層表面にはトナーに対する離型性を
向上させるためPTFE等のフッ素樹脂コート等による
離型層22を設けている。
【0056】中間転写ローラ20に1次転写後の感光体
ドラム101の表面は、クリーニング装置14により残
トナーを除去される。
【0057】この後、2色めのシアン、3色めのイエロ
ー、4色めのブラックが順次同様の過程を経て中間転写
ローラ20上に1次転写されて行き、各色トナー像が多
重形成される。
【0058】中間転写ローラ20近傍には2次転写のた
めの2次転写ローラ25が接離可能に配置されており、
中間転写ローラ20及び2次転写ローラ25の両者間に
適度な2次転写バイアスを印加することにより両者ニッ
プ間を通過する転写体上に多重トナー像を一括転写を行
う。
【0059】2次転写ローラ25は芯金26上に中抵抗
な弾性体27を設けて構成されている。
【0060】転写体は供給カセット109から供給ロー
ラ110と分離爪(不図示)により1枚分離されて給送
され、転写体ガイド112にガイドされて搬送され、レ
ジストローラ111で同期をとって、中間転写ローラ2
0及び2次転写ローラ25のニップ間に到達し、2次転
写がなされつつ通過する。
【0061】中間転写ローラ20表面の2次転写後の残
トナーは、1次転写時と逆極性のバイアスを中間転写ロ
ーラ20と感光ドラム101間に印加することにより、
中間転写ローラ20上から感光ドラム101上へと戻さ
れ、最終的にクリーニング装置114に回収される。
【0062】2次転写後の転写体は定着装置へと送ら
れ、定着手段としての定着ローラ1と加圧ローラ2間の
ニップを通過して定着、混色がなされる。
【0063】片面画像の場合はこのまま排出トレイへと
排出される。両面画像の場合は1面目が定着された後、
転写体は一旦別の紙パス方向Aへと送られ、スイッチバ
ックされて、両面ユニット部Bへと運ばれ、次の2面目
形成時に前述ニップ間に到達し、1面目と反対面側に2
次転写がなされつつ通過して、その後排出トレイへと排
出される。
【0064】図2に本実施の形態に係る定着装置を示
す。
【0065】定着ローラ1は2層より成っており、上層
1cにFEPまたはPFA、PTFE、CPTFE等の
コートもしくはチューブによるフッ素樹脂離型層を有す
る。
【0066】また、下層1bにはカラー画像の単色〜4
色の多重トナーの厚み変動(数〜数十μm)に追従する
ためと、ニップを確保するために、アルミニウム等の芯
軸上に弾性層として得るLTVもしくはHTVシリコー
ンゴムを用いている。
【0067】弾性が小さいとニップが小さくなり定着性
の確保が困難である他、トナー凹部の未定着やトナーの
つぶれによる解像低下をもたらすため、適度な弾性を要
する。
【0068】加圧ローラ2も定着ローラ1と同様に上層
フッ素樹脂離型層2c、下層シリコーンゴム弾性層2b
の2層より成り、同様の材料より成っている。
【0069】定着ローラ1には、加圧ローラ2が圧接し
て定着ローラ1との間にニップを形成しつつ回転を行う
ようになっている。
【0070】定着ローラ1の芯金1aは中空筒体形態と
なっており、芯金1aの中空空間には加熱体としてのハ
ロゲンヒータ3が内蔵され、定着に必要な熱供給がなさ
れる。
【0071】加圧ローラ2も定着ローラ1と同様に、芯
金2a内部の中空空間に加熱体としてのハロゲンヒータ
3′により加熱される。
【0072】定着,加圧ローラ1,2の温度制御は、所
定部として定着ローラ1にサーミスタ4を接触配置、も
しくは所定部として加圧ローラ2にサーミスタ4′を接
触配置し、その検知温度に伴う抵抗値変化により、接触
した各ローラの表面温度を検知し、制御装置(図示せ
ず)によりローラ表面温度を所定値となるようにハロゲ
ンヒータ3,3′のON・OFF制御を各々独立に行っ
ている。
【0073】サーミスタ4,4′は定着,加圧ローラ
1,2表面の温度変化を検出するもので、転写体のロー
ラ通過が中央位置基準であれば中央に置くことが、通過
時のローラ表面の温度変化を検出し易く好ましい。
【0074】定着温度は150〜190℃の範囲でリッ
プル±4℃以内とし、ローラ周速は30〜130mm/
secの範囲、加圧力は40〜60kgfとした。
【0075】定着ローラ1は直径40φ(直径40m
m)、弾性層1bシリコーンゴムは厚さ2.1t(厚さ
2.1mm)、ゴム硬度3°(JIS−A)であり、ベ
ンガラ等の顔料、もしくはシリカまたはカーボン等の添
加剤を加え熱伝導性を向上させるのが望ましい。
【0076】表面離型層1cは厚さ30μmのFEPも
しくはPTFE、CPTFE、PFA等のフッ素樹脂の
チューブまたはコート層より形成する。
【0077】加圧ローラ2も同じく直径40φ(直径4
0mm)、弾性層ゴム厚さ1.9t(厚さ1.9mm)
であり、表面離型層2cも30μm厚の同材料より成
る。
【0078】定着ローラ1及び加圧ローラ2の両者間に
形成されるニップ巾は8.5mmであった。
【0079】続いて温調制御の説明に移る。本実施の形
態においては同一の転写体に対してスループットまたは
定着速度の異なる複数の連続通過モードを有している。
例えば、フルカラー(多色)連続モードと、モノカラー
(単色)連続モードの各モードである。
【0080】そして、モノカラー連続モードにて、少な
くも第1目標温度としての第1プリント目標温度と、こ
れより低い第2目標温度としての第2プリント目標温度
を有し、プリント画像信号を受けた以後にスタンバイ目
標温度より第1プリント目標温度に設定を切り換え後、
さらにプリント枚数が所定の枚数に達した時点で第2プ
リント目標温度に切り換えを行う。
【0081】実験では、スタンバイ目標温度を170
℃、第1プリント目標温度を180℃、第2プリント目
標温度を170℃に設定した。
【0082】この場合、第1プリント目標温度は目標温
度とはいうものの、本実施の形態の使用状態では実際の
ローラ表面温度は、必ずしもこの目標温度まで到達する
必要はなく、プリント初期で確実にヒータONを行うた
めのいわばダミー温度であるため、スタンバイ目標温度
よりもある程度高温であれば良い。
【0083】プリント終了後は、再びスタンバイ目標温
度170℃に戻る。
【0084】ヒータ3,3’は共に127V定格490
Wのものを用いた。
【0085】そこで、定着ローラ1と加圧ローラ2の熱
容量は、初期の立ち上がり時間を合わせるように同一の
290J/Kとしている(シリコーンゴムとアルミ芯金
との体積あたりの熱容量はほぼ等しいため、ゴムと芯金
の厚みの和が等しくなるように定着ローラ1の芯金厚さ
を2.5t(厚さ2.5mm)、加圧ローラ2の芯金厚
さを2.7t(厚さ2.7mm)とした。)。
【0086】モノカラー連続プリント後の昇温(オーバ
ーシュート)対策のため、図3(b)のような温調制御
を行い、動作チェックと効果を確認した(なお、図3
(a)は従来制御を表す。)。
【0087】制御には、目標温度を下げる所定の枚数を
n、定着,加圧ローラスタンバイ目標温度をTst、定
着,加圧ローラ第1プリント目標温度をTpr1、定
着,加圧ローラ第2プリント目標温度をTpr2とした
パラメータを可変として最適な値を探索した。
【0088】確認条件として実用下よりも広範囲な、環
境:室温10〜30℃、湿度10〜80%RHの範囲、
ヒータ電源電圧:85〜140Vの範囲、紙種:放置紙
64〜105g/m2 (A4、Letter)の範囲を
とった。
【0089】この結果、モノカラー連続プリントについ
ては、オーバーシュートの昇温ピークを従来205℃に
対し本発明195℃と従来設定より10℃下げることが
できた。定着性に対してはA4:105g紙の連続5〜
7枚目でも従来と本実施の形態との差はなかった。
【0090】最適設定値としては、n=5、Tst=1
70℃、Tpr1=180℃、Tpr2=170℃の値
を得た。
【0091】Tpr2を、従来ではTpr1で維持する
温度より、10℃下げた値とした結果、昇温ピーク温度
を10℃下げることができた。
【0092】なお、制御はプリント枚数が所定の枚数に
達した時点で、目標温度をTpr1から、それより低い
Tpr2に切り替えるようにしている。温調制御にはO
N・OFF制御方式を採用した。
【0093】目標温度に対して、それ以上ではヒータ
3,3’はOFF、それよりわずかに0.7℃下がった
時点でヒータONとなるようにした。0.7℃の不感域
を設けた理由は、各ヒータ3,3’のON・OFFのち
らつきをなるべく防止するためである。
【0094】プリント信号が入った時点で即座にスタン
バイ目標温度から第1プリント目標温度へ切り替える理
由は、以下のようなものである。
【0095】厚いゴム厚のローラ構成では、内部のヒー
タ3,3’がONしてから実質的にローラ表面温度が上
がり始めるまでに、5〜6秒程度の時間(本ローラ構
成)を要するため、プリント初期段階での定着性を確保
する上で、少しでも早く内部のヒータ3,3’をONさ
せて予め芯金を蓄熱させておくためである。
【0096】定着,加圧ローラ1,2が静止状態から前
回転状態になるとサーミスタ4,4’とローラ表面の熱
接触が向上して検知温度が3〜4℃は高くなる傾向があ
るため、Tpr1がTstに対して5℃程度高いだけで
は必ずしもヒータ3,3’がONするとは限らない。そ
こでTpr1にはTstに対して10℃近くは高めの値
としておくのが望ましい。
【0097】また、ハガキ等のように紙長の短い転写体
では定着,加圧ローラ1,2ニップに転写体不通過時間
で高めの温度を検知しやすくなるため、ヒータ3,3’
がOFFしないようにTpr1からTpr2に切り替え
る所定の枚数nの設定は3枚以上としておくとプリント
初期の定着性を確保することができた。
【0098】各種転写体における連続通過中のローラ表
面温度は、4〜8枚程度でTpr1の設定値より低い最
低値(140〜155℃)に達し、それ以後では上昇を
始める。
【0099】Tpr2に達するのに20〜35枚程度要
し、各ヒータ3,3’はそれまでずっと完全ONの状態
であった。
【0100】また、本実験装置の使用可能最大電圧であ
る140Vでの使用時には、ヒータ3,3’の出力は5
70Wで100Vの340Wの1.7倍にもなり、ロー
ラの昇温速度は早くなる。
【0101】このため、使用電圧によらない共通な所定
の枚数とするには、使用可能最大電圧でモノカラー連続
通過を行ってTpr1に達する温度以前の枚数としなけ
ればならず、結局、nを8以下にとる必要があった。
【0102】スタンバイ時はローラの保温のためのヒー
タの発熱量は、25℃環境で定着ローラ1及び加圧ロー
ラ2とも約60Wであった。
【0103】モノカラー連続通過(A4:105g/m
2 紙)を16ppm(枚/分)の割合で行ったとき温調
安定時では定着ローラ1は165W、加圧ローラ2は1
95W要した。
【0104】フルカラー連続通過は4ppmの割合で行
ったが、温調安定時で定着ローラ1は90W、加圧ロー
ラ2は110W要した。
【0105】なお、フルカラー連続通過後のオーバーシ
ュートはほとんど発生していないため、枚数制御の必要
はなかった。
【0106】プリント時で加圧ローラ2より定着ローラ
1の消費電力が少ない理由はユニット側板から底板、本
体への熱の逃げが上部に設けられた定着ローラ1は小さ
いためと、加圧ローラ2から定着ローラ1に温められた
空気の自然対流があるためプリント時の余分な放熱時は
上の保温効果が大きいためとみられる。
【0107】なお、本実施の形態では定着ローラ1が上
部、加圧ローラ2が下部に設けられたものであったが、
これに限らず定着ローラ1が下部、加圧ローラ2が上部
であってもよい。
【0108】モノカラー連続通過時の安定状態からプリ
ント終了した場合の図7で示した温度増分の理由を述べ
る。
【0109】熱の逃げを無視した場合、安定状態ではゴ
ムの厚みにわたって、均一な熱勾配の状態からアルミ芯
金1a,2aの熱がゴム弾性層1b,2bへと拡散し
て、定着,加圧ローラ1,2全体の熱平衡が起こる過程
で熱量は保存するとみなして、次の値程度であると見積
もられ、ヒータ3,3’の発熱量と温度増分はほぼ比例
関係にある。
【0110】 ΔT〜{1+1/(1+C1 /C2 )}・R1 ・(W−W0 )/2 …(A) C1 :ゴムの熱容量、C2 :芯金の熱容量、R1 :ゴム
の熱抵抗、W0 :スタンバイ時のヒータ発熱量、W:連
続通過時の安定状態でのヒータ発熱量 但し、ここで、放熱はローラの表面のみで行われるとみ
なし、アルミの熱抵抗はゴムに比べはるかに小さいので
無視した。
【0111】C1 :100J/K、C2 :190J/
K、R1 :0.21K/Wとして温度増分の実測値との
比較を示す。大体一致しており、モデルも合っているも
のと考えられる。
【0112】これによると、温度増分は、モノカラー連
続通過では計算値18〜23℃、実測値22〜25℃、
フルカラー連続通過では計算値5〜9℃、実測値6〜9
℃となり、モノカラー連続通過ではフルカラー連続通過
に対して、非常にオーバーシュートによる温度上昇が大
きいことがわかる。
【0113】なお、安定状態での平均発熱量(転写体不
通過間も含めてならした値)については環境の影響は受
けるものの、電圧の影響は直接にはないため、電圧によ
らずオーバーシュートは本手法で改善される。
【0114】これらの手段は、特に、ヒータ配光のピー
ク位置が通過可能最大紙巾より内側に、最小紙巾より外
側に配置されている系に対して、定着,加圧ローラ端部
昇温抑制の効果も大きいものとなる。
【0115】本実施の形態に使用するトナーとしては、
トナーの中に予め離型剤として溶融粘度と分子量がトナ
ー母体樹脂より小さいワックス、パラフィン等の離型剤
を内添した重合法によるトナーを使用した。
【0116】これにより、高い混色性を達成し、かつ定
着時にはトナーから熱により内包されたワックスが滲み
だし、定着装置の離型効果を高めた構成でのオイルレス
化を達成している。
【0117】重合トナーの概略構成について述べる。
【0118】重合トナーは、その製造法上球形となる。
本実験ではコアとしてエステル系ワックスを内包し、中
間樹脂層にスチレン−ブチルアクリレート、表層にスチ
レン−ポリエステルという構成の重合トナーを用いた。
【0119】その比重は約1.05である。3層構成と
なっている理由は、コアにワックスを内包することで、
定着工程でのオフセット防止効果が得られ、また、表層
に樹脂層を設けることによって帯電効率のアップを図っ
ているためで、また、実際に使用時には、トリボ安定化
のためにオイル処理したシリカを外添している。
【0120】製造する方法としては、樹脂,低軟化点物
質(ワックス)からなる離型剤,着色剤,荷電制御剤等
を加圧ニーダーやエクストルーダー又は転写体分散機を
用い均一に分散せしめた後、機械的又はジェット気流下
でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉砕化
せしめた後、更に分級行程を経て粒度分布をシャープ化
せしめトナー化する所謂粉砕方法によるトナーの製造方
法がある。
【0121】この他に、特公昭56−13945号公報
等に記載のディスク又は多流体ノイズを用いた溶融混合
物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭3
6−10231号公報,特開昭59−53856号公
報,特開昭59−61842号公報に述べられている懸
濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量
体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用
い直接トナーを生成するソープフリー重合方法に代表さ
れる乳化重合方法等を用いトナーを製造することが可能
である。
【0122】本実施の形態においては、比較的容易に粒
度分布がシャープで4〜8μm粒径の微粒子トナーが得
られる常圧下での、または、加圧下での懸濁重合方法を
用い、モノマーとしてスチレンとn−プチルアクリレー
ト、荷電制御剤としてサリチル酸金属化合物、極性レジ
ンとして飽和ポリエステル、さらに着色剤を加え、重量
平均粒径7μmの着色懸濁粒子を製造した。
【0123】トナー粒度分布制御や粒径の制御は、難水
溶性の無機塩や保護コロイド作用を有する分散剤の種類
や添加量を変える方法や機械的装置条件、例えばローラ
の周速・パス回数・撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形
状又は、水溶液中での固形分濃度等を制御することによ
り所定の本実施の形態のトナーを得ることができる。
【0124】トナーに用いられる結着樹脂としては、一
般的に用いられているスチレン−(メタ)アクリル共重
合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,スチレン−ブ
タジエン共重合体を利用することが出来る。
【0125】重合法による直接トナーを得る方法におい
ては、それらの単量体が好ましく用いられる。
【0126】これらは、単独または一般的には出版物ポ
リマーハンドブック第2版III−P139〜192
(John Wiley&Sons社製)に記載の理論
ガラス温度(Tg)が、40〜75℃を示すように単量
体を適宜混合し用いられる。
【0127】理論ガラス転移温度が40℃未満の場合に
は、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から
問題が生じ、一方75℃を越える場合は定着温度の上昇
をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各
色トナーの混色が不十分となり色再現性に乏しく、更に
トラペン画像の透明性を著しく低下させ高画質の面から
好ましくない。
【0128】これらの着色剤と、単独又は混色し更には
固溶体の状態で用いることが出来る。
【0129】本実施の形態の着色剤は、色相角,彩度,
明度、耐候性,トラペン透過性,トナー中への分散性の
点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100重
量部に対し1〜20重量部添加して用いられる。
【0130】黒色着色剤として磁性体を用いた場合に
は、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部に対し40
〜150重量部添加して用いられる。このように、トナ
ーをシャープメルトからワックス内包タイプとすること
で、オイルレスを実現している。
【0131】このような実験結果から、モノカラー連続
モードにおいて、定着,加圧ローラ1,2表面の最大ピ
ーク温度をこれまでより抑えることができ、オーバーシ
ュートを抑制することができる。
【0132】また、最小紙巾より外側の定着,加圧ロー
ラ端部昇温も抑制することができる。
【0133】なお、この方法は、普通紙だけでなくOH
T(トランスペアレンシート)のモノカラー連続モード
に対しても有効である。
【0134】また、これらの制御は転写体サイズ、例え
ば紙長,紙巾,紙厚等、の転写体判別手段もしくは判別
情報等の情報で、転写体に応じてモノカラー連続モード
の温度制御の温度設定値としての初期値,変更値或は所
定の枚数等の設定値を変えるようにすると一層効果的で
ある。
【0135】さらにこの場合、定着性は定着,加圧ロー
ラ表面温度で決定されるため、温度変化の最下点温度で
定着性が確保されている限り、第2プリント目標温度を
温度変化の最下点温度より高く設定しておけば、必ず定
着性を確保することができる。
【0136】(第2の実施の形態)或は、モノカラー連
続モードを、所定の枚数nに達した時点で、画像出力ス
ループット自体を下げてヒータの所要平均発熱量を低下
させるようにすることでオーバーシュートや、更には、
後述する小サイズ紙での端部昇温を防止することも可能
であることが続く実験にて判明した。
【0137】その他の構成および作用については第1の
実施の形態と同一なので、同一の構成部分についての説
明は省略する。
【0138】画像出力スループット(以下スループット
という)16ppm(枚/分)でのオーバーシュートは
22〜25℃、8ppmでは13〜17℃、4ppmで
は6〜8℃の程度となっており、スループットが下がる
につれ、オーバーシュートは大幅に低減された。
【0139】この結果の理由を説明するものとして図4
にA4、105g紙を室温25℃、定着温度170℃、
定着速度120mm/sにて16、8、4ppmの各ス
ループットでモノカラー連続プリントを行ったときのヒ
ータ3,3’の所要平均発熱量を表す。
【0140】なお、示した測定値は連続プリントの枚数
がすすんで温調が安定状態となった状態のものであり、
過渡期のものではない。
【0141】定着,加圧ローラ1,2のニップを転写体
が通過している時間と紙間の空き時間も含めた時間平均
の発熱量をワッテージとして表している。
【0142】プリント時の所要平均発熱量はヒータ3,
3’ともppmの値に対して、ほぼリニアとなってい
る。このことから16ppmに対して8ppmのオーバ
ーシュートは半分程度、4ppmのオーバーシュートは
1/4程度と大幅に小さくなることが納得される。
【0143】そこで、本発明者らは第1の実施の形態で
の温度の枚数制御に加えて、COM10封筒等を含めた
小サイズ紙におけるオーバーシュート及び端部昇温の対
策として、スループットの枚数制御を盛り込み、実験を
行った。
【0144】なお、スループットの枚数制御の切換枚数
は温度設定の切換枚数と必ずしも同じである必要はな
い、紙巾の小さいCOM10封筒等でモノカラー連続プ
リントを数十枚行う場合に、オーバーシュート及び端部
昇温が著しい。
【0145】そこで、プリント初期16ppmに相当す
る速度で転写体通過を行い、プリント枚数n=10に達
すると同時に8ppmへの切換を行うことでオーバーシ
ュート及び端部昇温のより大きな改善があった。
【0146】なお、16→8→4ppm相当の転写体通
過速度となるような多段階制御を設けても良い。
【0147】これらの手段により、プリント枚数が多い
場合はオーバーシュート及び定着,加圧ローラ端部昇温
が抑制されると同時に、プリント枚数が少ない場合には
最初から低い8あるいは4ppmのスループットで行う
よりも高速な出力が可能となる。
【0148】このように、プリント枚数がある設定値に
達した時点でプリント開始初期時点よりスループットを
下げるようにしてもオーバーシュートや端部昇温は抑制
することができる。
【0149】また、これらの制御は転写体サイズ、例え
ば紙長,紙巾,紙厚等、の転写体判別手段もしくは判別
情報等の情報で、転写体に応じてモノカラー連続モード
の温度制御の温度設定値としての初期値,変更値或は所
定の枚数等の設定値を変えるようにすると一層効果的で
ある。
【0150】(第3の実施の形態)転写体の種類によら
ずモノカラー連続モードでは、プリントの枚数がすすむ
につれ、いずれはプリント第2目標温度に到達するが、
到達までの時間は転写体によって異なるため、紙長、紙
巾を検知して特定種類のみ枚数制御の設定条件、例えば
nを変えるようにしても良い。
【0151】その他の構成および作用については第1の
実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同
一の符号を付して、その説明は省略する。
【0152】紙長がより短いものの場合には、同じスル
ープットでは、ヒータの所要平均発熱量は小さくて良い
ため、初期のヒータが完全ONの状態では、ローラ表面
温度はより早くより少ない枚数で第2目標温度に到達す
る。
【0153】そこで、供給・搬送時にフォトセンサー等
で紙長を検知して、図5に示したように転写体サイズに
応じたモード分けを行うことができる。
【0154】例えば、転写体サイズがA4,Lette
rではn=8として、B5,EXEではn=5、A5で
はn=3というように設定しておき、転写体に応じてき
めの細かい温調を行えば、温調変動は最小に抑えられ、
より安定した画質(定着性、グロス等)を得ることがで
きる。
【0155】なお、紙巾についても供給トレイ、供給カ
セットに紙巾センサーを設けて検知すれば良い。
【0156】また、紙巾検知により最もサイズの小さい
封筒、ハガキ類については定着、加圧ローラ1,2の端
部昇温防止のため第2の実施の形態のごとくスループッ
トを落とすことを併用するとなお良い。
【0157】これは、前述の様に小サイズ紙では温調の
みでは転写体通過域外の端部昇温を防ぐのが難しい場合
があるからである。
【0158】このように、転写体の判別は紙長、紙巾、
紙厚、光の反射性、透過性等を各所センサにより供給中
もしくは転写体搬送中に検知するか、もしくは、ホスト
コンピュータにより、ユーザがディスプレイ上で転写体
種を選択して入力する等により目標温度やスループット
の切換えを最適に行うことができる。
【0159】例えば、ハガキ等の小サイズ紙や規格をは
ずれた不定形紙に対しても使用する転写体に応じてオー
バーシュートがないように予め設けた複数のモードに対
して自動的に最適モードを決定、もしくは、選択するこ
とができる。
【0160】また、スループットや定着速度と合わせて
条件を変えるようにするのも良い。連続通過後のオーバ
ーシュート時の温度増分ΔTがある値以下になるように
するには平均発熱量<W>aveをある値以下とすれば
よい。
【0161】そこで、転写体の大きさを検知して、予め
用意された最適なモード(定着速度、ppm)で出力す
ることが可能である。
【0162】ここで、最適と言う意味は、オーバーシュ
ートが一定値以下でスループット(ppm)が最大にな
るという意味であり、当然定着性は確保されているもの
とする。
【0163】予め使用する転写体サイズと紙厚とが指定
されていれば、第2プリント目標温度の設定温度を紙厚
の薄いものでは低めに設定して、オーバーシュートを抑
制するのも良い。
【0164】また、転写体厚センサを設けることも差し
支えない、光学特性により材質等を検知する手段を設
け、その影響を考慮すればより、安定した温調を行うこ
とも可能である。
【0165】また、温湿度センサにより環境条件に伴う
温調補正を行うことも可能である。
【0166】なお、複数枚PRT→昇温ピーク→複数枚
PRTのようなサイクルを繰り返すような状況に対応す
るためにプリント履歴に基づく温調制御を行ってもよ
い。
【0167】(第4の実施の形態)なお、今まで述べた
プリント枚数に応じた制御方法はON・OFF制御とし
て説明したが、位相制御、PWM制御等で行っても同様
の効果を得るものである。
【0168】また、ヒータ3,3’の温調を定着,加圧
ローラ1,2とも独立に行っていたが、例えば、サーミ
スタ4′のみ(もしくは4のみ)の1つのサーミスタ制
御でこれを行うことも可能である。
【0169】この場合の利点としては、サーミスタ当接
による定着,加圧ローラ1,2表面の傷防止、コストダ
ウンがあげられる。
【0170】第1,第2の実施の形態と同一の構成部分
については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0171】まず、最初の立ち上がりを定着,加圧ロー
ラ1,2とも同じ時間とするためヒータ発熱量/ローラ
熱容量の比を定着,加圧ローラ1,2とも合わせておく
のが望ましい(正確にはローラ熱容量にはばらつきがあ
る他、ヒータ出力にも±5%程度ばらつきがあるため、
例えば下加圧ローラで温度検知する場合には上の定着ロ
ーラ熱容量をわずかに数%上げておく方が安全であ
る。)。
【0172】このようにしても、定着,加圧ローラ1,
2のヒートリークがそれぞれ異なることがある。
【0173】そのため、ヒータ3,3’の点灯比率(d
uty)を同一として制御した場合にはスタンバイ時に
定着,加圧ローラ1,2の表面温度がずれることがあ
る。これらの問題はヒータ3,3’の点灯比率を変えた
duty制御により解決することができる。
【0174】その制御の様子を図6に示す。ここでは、
スタンバイ時にヒータ3に対してヒータ3’の点灯時間
を短く制御した。
【0175】プリント時のようにローラが回転している
状態では定着,加圧ローラ1,2の表面で熱交換が行わ
れるため、定着,加圧ローラ1,2間の温度の大きいず
れはあまり起こりにくいが、わずかなずれが画質に影響
を与えるようなら、第2の実施の形態で述べたような発
熱量となるように各種転写体に応じて例えば設定した所
定の切換枚数n以後でTpr2のduty比を変えれば
良い。
【0176】
【発明の効果】本発明は、連続して単色画像を形成する
場合には、所定の枚数に達した時点で、所定部の加熱温
度を、第1目標温度より低い、第2目標温度に設定する
制御を行うことで、定着手段表面温度のオーバーシュー
ト或は転写体不通過の定着手段端部昇温を抑制すること
ができる。
【0177】所定の枚数とは、使用可能最大電圧で連続
して単色画像を形成し続けた場合に、前記定着手段の表
面温度が第1目標温度に達する以前の枚数であると、使
用電圧によらず、共通な転写体枚数で第2目標温度を設
定できる。
【0178】連続して単色画像を形成する場合には、所
定の枚数に達した時点で、画像出力スループット若しく
は画像定着速度を、遅くする制御を行うことで、定着手
段表面温度のオーバーシュート或は転写体不通過の定着
手段端部昇温を抑制することができる。
【0179】画像出力スループット若しくは画像定着速
度を、遅くする制御は、多段階に分けて遅くすると、定
着手段表面温度のオーバーシュート或は転写体不通過の
定着手段端部昇温をさらに抑制することができる。
【0180】転写体サイズの情報に応じて前記制御の温
度設定値或は前記所定の枚数を設定することで、細かい
設定条件が求められ、よりよく定着手段表面温度のオー
バーシュート或は転写体不通過の定着手段端部昇温を抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1の実施の形態に係るカラーレーザビ
ームプリンタを示す全体構成図である。
【図2】図2は第1の実施の形態に係る定着手段を示す
概略断面図である。
【図3】図3(a)は従来技術の温度制御を示すグラフ
図であり、図3(b)は第1の実施の形態に係る温度制
御を示すグラフ図である。
【図4】図4は第2の実施の形態に係るスループットと
ヒータ所要発熱量を示す表図である。
【図5】図5は第3の実施の形態の係る転写体に応じた
温度制御の例を示した表図である。
【図6】図6は第4の実施の形態に係るヒータの点灯制
御を示すグラフ図である。
【図7】図7は従来技術でのオーバーシュートの発生を
表したグラフ図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 加圧ローラ 3,3’ ハロゲンヒータ 4,4’ サーミスタ 10 定着装置 20 中間転写ローラ 25 2次転写ローラ 41〜44 各色現像器 101 感光ドラム 102 1次帯電器 109 供給カセット 114 クリーニング装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未定着画像が形成された転写体を加熱し
    て転写体上の画像を定着させる定着手段を備え、 転写体上に単色画像を形成する場合は、多色画像を形成
    する場合よりも、1枚あたりの画像形成が短時間で済
    み、前記定着手段の待機時間が短縮されるカラー画像形
    成装置において、 連続して単色画像を形成する場合には、所定の枚数に達
    した時点で、所定部の加熱温度を、第1目標温度より低
    い、第2目標温度に設定する制御を行うことを特徴とす
    るカラー画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の枚数とは、使用可能最大電圧
    で連続して単色画像を形成し続けた場合に、前記定着手
    段の表面温度が第1目標温度に達する以前の枚数である
    ことを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 未定着画像が形成された転写体を加熱し
    て転写体上の画像を定着させる定着手段を備え、 転写体上に単色画像を形成する場合は、多色画像を形成
    する場合よりも、1枚あたりの画像形成が短時間で済
    み、前記定着手段の待機時間が短縮されるカラー画像形
    成装置において、 連続して単色画像を形成する場合には、所定の枚数に達
    した時点で、画像出力スループット若しくは画像定着速
    度を、遅くする制御を行うことを特徴とするカラー画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 前記画像出力スループット若しくは画像
    定着速度を、遅くする制御は、多段階に分けて遅くする
    ことを特徴とする請求項3に記載のカラー画像形成装
    置。
  5. 【請求項5】 転写体サイズの情報に応じて前記制御の
    温度設定値或は前記所定の枚数を設定することを特徴と
    する請求項1、2、3又は4に記載のカラー画像形成装
    置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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