JP2002323828A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002323828A JP2001125713A JP2001125713A JP2002323828A JP 2002323828 A JP2002323828 A JP 2002323828A JP 2001125713 A JP2001125713 A JP 2001125713A JP 2001125713 A JP2001125713 A JP 2001125713A JP 2002323828 A JP2002323828 A JP 2002323828A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】未定着トナー像tが形成された記録材Pを、定
着部材50と加圧部材60により互いに圧接してなる定
着ニップ間を通過させることにより、未定着トナー像t
を記録材P上に永久定着させる加熱定着装置30を有す
る画像形成装置において、定着性の向上および定着部材
・加圧部材の過昇温防止の両立を図る。 【解決手段】定着部材50、加圧部材60ともに表面温
度を検知する温度検知素子56・65を設置し、定着部
材50の検知温度および加圧部材60の検知温度の組み
合わせにより、プリント開始前に定着部材50と加圧部
材60の熱源54・55,64に通電制御しつつ回転駆
動する装置前回転時間を決定すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
・静電記録プロセスなどの適宜の作像プロセスにより未
定着トナー像が形成された記録材を、定着部材と加圧部
材により互いに圧接してなる定着ニップ間を通過させる
ことにより、前記未定着トナー像を記録材上に永久定着
させる加熱定着装置を有する、複写機・レーザプリンタ
等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真プロセスの複写機・レー
ザビームプリンタ等の画像形成装置においては、像担持
体としての感光体と、該感光体にレーザ光等によって描
かれた潜像を現像する現像装置と、現像されたトナー像
を記録材に転写する転写手段と、転写されたトナー像を
記録材上に定着する定着装置(定着器)とを備えたもの
が主流となっている。
【0003】この中で、転写されたトナー像を記録材に
定着する定着装置としては、ヒータで加熱され、温度セ
ンサを含む温調系によって所定の温度に保たれながら回
転する定着ローラと、前記定着ローラに所定の押圧力で
当接され、従動回転する加圧ローラとを有し、この両ロ
ーラの圧接部である定着ニップ部で未定着トナー像が形
成された記録材を挟持搬送させることにより、熱および
圧力をもって現像剤たるトナーを溶融させ、トナー像を
記録材に定着させる、熱ローラ方式の加熱定着装置が主
流である。
【0004】図10は熱ローラ方式の加熱定着装置の一
例の概略構成模型図である。
【0005】50は定着部材としての定着ローラ、60
は加圧部材としての加圧ローラであり、上記の両ローラ
50・60は互いに圧接されて定着ニップ部を形成して
いる。この両ローラ50・60がそれぞれ所定の温度に
加熱温調されて矢印の方向に回転駆動されている状態に
おいて、定着ニップ部に未定着トナー像tが形成された
記録材Pが導入され、それが定着ニップ部で挟持搬送さ
れることにより定着ニップ部の熱および圧力にてトナー
像tが記録材Pに定着される。
【0006】定着ローラ50は、一例として、アルミニ
ウムや鉄などの芯金51上にPFA、PTFE等の離型
性樹脂層53を設け、また、内部は定着メインヒータ5
4と定着サブヒータ55によって加熱されるようになっ
ている。定着メインヒータ54は中央部の配光分布が大
きく、定着サブヒータ55は端部の配光分布が大きくな
っており、幅が狭い小サイズ紙を通紙するときには、定
着メインヒータ54のみを点灯することで、定着ローラ
の非通紙域端部昇温を防止している。
【0007】定着ローラ50の表面温度は、定着ローラ
50に当接される温度検知素子(以下、サーミスタと記
す)56によって、定着ローラ50の表面温度として検
出され、その検出温度情報を不図示の温度制御回路に入
力する。温度制御回路はその入力する検出温度情報に基
づいて定着メインヒータ54,定着サブヒータ55を断
続的に作動させることで定着ローラ温度を所定の温度に
制御する。
【0008】加圧ローラ60は、一例として、アルミニ
ウムや鉄等の金属芯金61上に、耐熱性を有しかつ硬度
の低いシリコンゴムやシリコンスポンジ等の弾性層62
を設け、その表面にPFA樹脂による被覆層63を有し
た構造をなしている。また、内部は加圧ヒータ64によ
って加熱されるようになっている。加圧ヒータ64は長
手方向に均一な配光分布になっている。
【0009】加圧ローラ60の表面温度は、加圧ローラ
60に当接される温度検知素子(以下、サーミスタと記
す)65によって、加圧ローラ60の表面温度として検
出され、その検出温度情報を不図示の温度制御回路に入
力する。温度制御回路はその入力する検出温度情報に基
づいて加圧ヒータ64を断続的に作動させることで加圧
ローラ温度を所定の温度に制御する。
【0010】本従来例における加熱定着装置の温度制御
について詳しく説明する。画像形成装置の電源が投入さ
れると、定着メインヒータ54と定着サブヒータ55が
全点灯して、定着ローラ50の表面温度は上昇してい
く。定着ローラ50の温度が所定温度になると、不図示
の制御回路は不図示の定着ローラ駆動モータを回転させ
て定着ローラ50を回転駆動状態にする。加圧ローラ6
0は定着ローラ50の回転に従動回転する。以後、この
画像形成装置の動作期間を「前多回転」とよぶ。
【0011】この前多回転中は、定着サブヒータ55は
全点灯のままであるが、定着ローラ中央部のオーバーシ
ュートを防止するために、定着メインヒータ54は間欠
点灯となる。定着ローラ温度が所定温度になると前多回
転が終了して、画像形成装置は「プリントレディ状態
(スタンバイ状態)」となる。この後、プリントリクエ
ストがなければ加熱定着装置はスタンバイ制御となる。
【0012】加熱定着装置のスタンバイ制御は、定着ロ
ーラ50の回転駆動は停止され、定着ローラ温度を所定
の一定温度に保つように定着メインヒータ54と定着サ
ブヒータ55の同時点灯、消灯を繰り返す。一方、定着
サブヒータ55が消灯している間は、加圧ヒータ64を
間欠点灯して、加圧ローラ60が所定の一定温度となる
ように制御している。
【0013】画像形成装置のプリントレディ状態からプ
リントリクエストがあれば、加熱定着装置について定着
ローラ50の回転駆動を再開始させて所定時間の定着ロ
ーラと加圧ローラの回転を実行させる。この画像形成装
置の動作期間を「前回転」とよぶ。この所定時間の前回
転後にプリント開始となる。
【0014】定着ローラ50の回転駆動が行われないス
タンバイ状態において、加圧ローラ60も回転を停止し
ており、定着ローラ50からの熱が伝わる定着ニップ部
以外は熱が供給されないため、プリント開始前に前回転
を行うことで、加熱ローラ60を予備加熱して定着性が
確保できるようにしている。特に、ゴム層が厚い加圧ロ
ーラ60を用いる場合には、プリント開始前に前回転を
行うことで定着ローラ50がもっている熱を供給して加
圧ローラ60全体を温めることで定着性の向上に大きな
効果がある。
【0015】定着性を確保するためには、プリント開始
前の前回転時間はできるだけ長い方が良い。しかし、前
回転時間が長過ぎる場合には、定着ローラ・加圧ローラ
の過昇温が起こりローラの寿命を短くしてしまう可能性
がある。最悪の場合には、ローラのゴム層破壊などに至
ることがある。したがって、前回転時間は定着性の向上
とローラの過昇温防止を両立させる最適の時間に設定す
る必要がある。
【0016】そこで、適切な前回転時間の決定には次の
方法が用いられている。
【0017】(1)プリント開始前の定着ローラ温度に
よって前回転時間を決定する。
【0018】通常、定着ローラ50の表面温度は定着メ
インヒータ54、定着サブヒータ55のON/OFFに
よって、一定温度となるように制御されている。すなわ
ち、サーミスタ56の検知温度が目標温度よりも小さけ
ればヒータの通電をON、目標温度以上になればヒータ
の通電をOFFにするように制御している。しかし、実
際にはオーバーシュートやアンダーシュートによって、
定着ローラ表面温度は数℃の幅をもって変化している。
本従来例においては、定着ローラ端部の非通紙域にサー
ミスタ56を当接して温度制御を行っている。中央の配
光分布が大きい定着メインヒータ54によって温められ
る定着ローラ中央部の温度は、定着ローラ端部よりもオ
ーバーシュートやアンダーシュートが顕著であり、定着
ローラ中央部の温度は端部よりもさらに大きな幅をもっ
て変化している。
【0019】プリント1枚目の定着性には、このプリン
ト開始直前の定着ローラ中央部の表面温度が大きな影響
を及ぼすため、定着ローラ中央部の温度が最下点である
タイミングでプリント開始した場合でも定着性を満足で
きるような前回転時間を設定しなければならない。しか
しながら、定着性の満足を優先して一律で前回転時間を
設定すると、定着ローラ中央部の温度が最高点であるタ
イミングでプリント開始した場合にローラの過昇温が発
生するという問題がある。
【0020】そこで、定着ローラ端部の非通紙域に設置
したサーミスタ検知温度から、定着ローラ中央部の温度
を予測して、前回転時間を変更する方法が従来行われて
いる。スタンバイ中は、定着メインヒータ54と定着サ
ブヒータ55の同時点灯、消灯であるため、定着ローラ
中央部と端部の温度の変化の仕方はほぼ同じであること
を利用している。すなわち、サーミスタ56が検知した
定着ローラ端部の表面温度が高い場合は前回転時間を短
く設定、定着ローラ端部の表面温度が低い場合は前回転
時間を長く設定することで、定着性の向上とローラの過
昇温防止を両立している。
【0021】(2)加圧ローラ温度が所定の温度になる
まで前回転を行う。
【0022】スタンバイ中は、定着ローラ50の回転駆
動は行われないため、加圧ローラも回転を停止しており
定着ローラ50との圧接部である定着ニップ部位置から
しか熱が供給されない。したがって、前多回転終了後の
スタンバイ中は、定着ニップ部位置以外の加圧ローラ表
面温度は急激に低下していく。本従来例のように、加圧
ローラ内部に加圧ヒータ64を配置している場合におい
ても、ゴム層が厚い場合には、内部の加圧ヒータ64か
らの熱が加圧ローラ表面に達するまでには時間がかか
る。
【0023】複数枚プリントを行う場合には、ローラの
通紙域は記録材に熱を奪われるため、定着ローラ50・
加圧ローラ60ともに表面温度は徐々に低下していく。
プリント開始前に加圧ローラ60が内部まで十分に温ま
っていなければ、紙間において加圧ローラ60が定着ロ
ーラ50表面の熱を吸収してしまう。定着ローラ50は
記録材だけでなく加圧ローラ60からも表面の熱を奪わ
れるため、定着ローラ中央部の温度低下がさらに急激に
なり、定着性が満足できなくなる。
【0024】したがって、特に複数枚のプリントを行う
場合には、前回転時に加圧ローラ60を十分に温めてお
くことが重要である。
【0025】そこで、加圧ローラ60の非通紙域に設置
したサーミスタ65の検知温度が所定の温度になるま
で、前回転を行うという制御が行われている。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例においては、以下の問題点がある。
【0027】前記(1)のプリント開始前の定着ローラ
温度によって前回転時間を決定するものにおいては、加
圧ローラ60には、定着ローラ50の表面の熱によって
ゴム層の表面だけ温まっている状態(以後、状態1とよ
ぶ)と、内部の熱源によりゴム層の内部まで温まってい
る状態(以後、状態2とよぶ)がある。この加圧ローラ
60の「状態1」と「状態2」の温度状態によって前回
転中の定着ローラ50の温度上昇率も影響を受ける。特
に、加圧ローラ60のゴム厚が大きい場合には顕著であ
る。
【0028】図11は加圧ローラ60の状態1と状態2
による前回転中の定着ローラおよび加圧ローラの表面温
度変化を示している。
【0029】状態1では、加圧ローラゴム層の表面だけ
温まっている状態であり、ローラ回転中に加圧ローラ表
面が定着ローラ表面の熱を奪いやすい。したがって、前
回転中の定着ローラ50の温度上昇は緩やかになり、加
圧ローラ60の温度上昇は急激になる。定着ローラ50
の表面温度が最も低いときにプリントを開始した場合に
は、前回転終了後の定着ローラ50の表面温度はかなり
低く、定着性を満足しない。
【0030】状態2では、加圧ローラゴム層の内部まで
温まっている状態であり、ローラ回転中に加圧ローラ表
面は定着ローラ表面の熱をあまり奪わない。したがっ
て、前回転中の定着ローラ50の温度上昇は急激にな
り、加圧ローラ60の温度上昇は緩やかになる。定着ロ
ーラ50の表面温度が最も高いときにプリントを開始し
た場合には、前回転中に定着ローラ50の表面温度はN
G領域に達してしまう。
【0031】また、前記(2)の加圧ローラ温度が所定
の温度になるまで前回転を行うものにおいては、前回転
開始直後に定着ローラ表面から加圧ローラ表面に熱が供
給されるため、加圧ローラ60の表面温度はすぐに定着
ローラ表面温度と同じになる。したがって、定着ローラ
50の熱による加圧ローラ表面の温度上昇は瞬時である
ため、加圧ローラ表面に接触したサーミスタ65の検知
温度では、すぐに目標温度に到達して、前回転は終了し
てしまう。
【0032】しかし、実際には、加圧ローラ60は内部
にまで熱が達していない場合もあり、この状態でプリン
トを開始すると、加圧ローラ表面温度の低下がはやく、
数枚のプリントで定着性が悪化する。
【0033】そこで、本発明の目的は、未定着トナー像
が形成された記録材を、定着部材と加圧部材により互い
に圧接してなる定着ニップ間を通過させることにより、
未定着トナー像を記録材上に永久定着させる加熱定着装
置を有し、定着部材と加圧部材いずれにも熱源が設置さ
れており、定着部材、加圧部材ともに表面温度を検知す
る温度検知素子を設置した画像形成装置において、定着
部材と加圧部材のいかなる温度状態においても前回転時
間の最適化を図り、定着性の向上および定着部材と加圧
部材の過昇温防止を両立させることを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする画像形成装置である。
【0035】(1)未定着トナー像が形成された記録材
を、定着部材と加圧部材により互いに圧接してなる定着
ニップ間を通過させることにより、前記未定着トナー像
を記録材上に永久定着させる加熱定着装置を有し、前記
定着部材と前記加圧部材いずれにも熱源が設置されてお
り、前記定着部材、前記加圧部材ともに表面温度を検知
する温度検知素子を設置した画像形成装置において、前
記温度検知素子による前記定着部材の検知温度および前
記加圧部材の検知温度の組み合わせにより、プリント開
始前に前記定着部材と前記加圧部材の熱源に通電制御し
つつ回転駆動する装置前回転時間を決定することを特徴
とする画像形成装置。
【0036】(2)前記温度検知素子は前記定着部材、
前記加圧部材の非通紙域に設置されている(1)に記載
の画像形成装置。
【0037】(3)未定着トナー像が形成された記録材
を、定着部材と加圧部材により互いに圧接してなる定着
ニップ間を通過させることにより、前記未定着トナー像
を記録材上に永久定着させる加熱定着装置を有し、前記
定着部材と前記加圧部材いずれにも熱源が設置されてお
り、前記定着部材、前記加圧部材ともに表面温度を検知
する温度検知素子を設置し、記録材の紙種を検知する紙
種検知手段を有した画像形成装置において、前記温度検
知素子による前記定着部材の検知温度と前記加圧部材の
検知温度と、前記紙種検知手段による記録材の紙種情報
の組み合わせにより、プリント開始前に前記定着部材と
前記加圧部材の熱源に通電制御しつつ回転駆動する装置
前回転時間を決定することを特徴とする画像形成装置。
【0038】(4)画像形成装置のオペレータ操作パネ
ルもしくは画像形成装置に接続されたパソコンなどの端
末装置からユーザーが記録材の紙種情報を入力して、そ
の情報に基づいて、前記装置前回転時間を変更する
(3)に記載の画像形成装置。
【0039】(5)紙幅検知センサ、メディア検知セン
サなどによって検知された記録材の紙種情報に応じて、
自動的に前記装置前回転時間を変更する(3)に記載の
画像形成装置。
【0040】(6)記録材の紙種情報は、記録材のサイ
ズ情報または種類情報もしくはその両方である(3)、
(4)または(5)に記載の画像形成装置。
【0041】〈作 用〉すなわち、定着部材に設置した
温度検知素子の検知温度と加圧部材に設置した温度検知
素子の検知温度によって、前回転時間を変更することに
より、また、記録材の紙種情報(記録材のサイズ情報ま
たは種類情報もしくはその両方)に応じて前回転時間を
変更する場合、定着部材に設置した温度検知素子の検知
温度および加圧部材に設置した温度検知素子の検知温度
によって前回転時間を決定することにより、定着部材お
よび加圧部材の温度状態によって前回転時間を変更する
ことで、定着性の向上および定着部材・加圧部材の過昇
温防止が可能となる。
【0042】また、記録材の紙種情報に応じて前回転時
間を変更する場合、定着性が悪い記録材は前回転を長く
設定しているが、通常プリント時には前回転を短く設定
できるため、定着部材・加圧部材の寿命を長くすること
が可能である。
【0043】
【発明の実施の形態】〈第1の実施例〉 (1)画像形成装置例 図1は本実施例における画像形成装置の概略構成模型図
である。本実施例の画像形成装置は、電子写真プロセス
利用のレーザビームプリンタである。
【0044】11は像担持体としての回転ドラム型の電
子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印
の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもっ
て回転駆動される。
【0045】感光ドラム11はその回転過程で、一次帯
電器12による所定の極性・電位の一様帯電処理を受
け、次いでその一様帯電処理面にレーザスキャナ10に
よるレーザ走査露光Lを受ける。レーザ走査露光Lは画
像情報パターンの書き込み露光であり、走査露光パター
ンに対応した静電潜像が感光ドラム11に順次に形成さ
れる。その静電潜像が現像器13によりトナー像として
現像される。そしてそのトナー像が感光ドラム11と転
写ローラ16との圧接部である転写ニップ部に給紙部か
ら所定の制御タイミングにて給送された記録材(転写
材:以後、紙と記す)Pに順次に転写される。紙Pは転
写ニップ部を出て、感光ドラム11面から分離されて加熱
定着装置30へ導入されて、紙P上の未定着トナー像が
加熱・加圧により定着される。トナー像の定着された紙
Pは定着排紙搬送ローラ対70から排紙ローラ対81の
経路を通ってプリンタ本体上面の排紙トレイ80に画像
形成物として排紙される。
【0046】また、紙分離後の感光ドラム11の面はク
リーニング装置14により転写残りトナー等の残留付着
物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供され
る。
【0047】20は上下2段の給紙カセットであり、選
択指定された側の給紙カセットの給紙ローラ(ピックア
ップローラを含む)21の駆動によりその給紙カセット
内に積載収容の紙Pが一枚分離給送され搬送ガイド板金
22に導かれて搬送ローラ対(レジストローラ対)18
のニップ部へ送られる。搬送ローラ対18はその紙を所
定の制御タイミングにて転写ニップ部に給送する。
【0048】15はプリンタ本体に対して着脱交換自在
のプロセスカートリッジ(印字プロセスユニット)であ
る。本実施例のプリンタにおいては、感光ドラム11、
一次帯電器12、現像器13、クリーニング装置14の
4つのプロセス機器をカートリッジ筐体に組み込んで一
括してプリンタ本体に対して着脱交換自在のユニットに
してある。
【0049】(2)プリンタの動作行程 図2はこのプリンタの動作行程図である。
【0050】a.前多回転行程 プリンタの電源投入後所定時間、プリンタモータを駆動
させて、感光ドラム11を回転駆動させるとともに、所
要のプロセス機器に準備動作を実行させる、プリンタ起
動動作期間(プリンタウォーミング期間)である。
【0051】加熱定着装置30については、プリンタの
電源投入時点から定着ローラのヒータへの通電が開始さ
れ、定着ローラ温度が所定温度になると、プリンタモー
タ・定着ローラ駆動モータの駆動が開始されて前多回転
が開始される。この前多回転で定着ローラと加圧ローラ
の所定温度への立上げがなされる。
【0052】b.プリントレディ状態(スタンバイ制
御) 加熱定着装置30の定着ローラ温度が所定温度に立ち上
がり、所定の前多回転行程が終了すると、プリントリク
エストがなければ、プリンタモータの駆動が停止され、
プリンタはプリントリクエストがあるまで待機するプリ
ントレディ状態となる。
【0053】このプリントレディ状態において、加熱定
着装置30についてはスタンバイ制御となり、定着ロー
ラの回転駆動は停止され、定着ヒータと加圧ヒータに対
する通電制御は所定になされて定着ローラと加圧ローラ
が所定温度に維持される。
【0054】c.前回転行程 プリントレディ状態からプリントリクエストがあると、
プリンタモータを再起動させて感光ドラム11を回転駆
動させるとともに、プリント開始までの間、所要のプロ
セス機器にプリント前動作を実行させる動作期間であ
る。
【0055】この前回転行程において、加熱定着装置3
0については定着ローラの回転駆動が再開され、定着ヒ
ータと加圧ヒータに対する所定の通電制御がなされて定
着ローラと加圧ローラが定着実行可能な所定温度に加熱
される。
【0056】本実施例においてはこの前回転行程の時間
が(5)項で詳述するように適切に制御される。
【0057】d.プリント行程 前回転行程が終了すると、引き続きプリンタモータの駆
動が続行され、加熱定着装置30については定着ローラ
の駆動、定着ローラ・加圧ローラの温調がなされて、一
枚目のプリント動作が実行される。
【0058】連続プリントモードの場合は、プリント動
作が繰り返されて所定の設定枚数n分のプリント行程が
順次に実行される。
【0059】e.紙間行程 連続プリントモードにおいて、一の記録材Pの後端が転
写部を通過した後、次の記録材Pの先端が転写部に到達
するまでの間の、転写部における非通紙状態期間であ
る。
【0060】f.後回転行程 最後のn枚目のプリント行程が終了した後もしばらくの
間プリンタモータの駆動を継続させて感光ドラム11を
回転駆動させ、プリンタの所定の後動作を実行させる期
間である。
【0061】b.プリントレディ状態(スタンバイ制
御) 所定の後回転行程が終了すると、プリンタモータの駆動
が停止されて感光ドラム11の回転駆動が停止され、プ
リンタは次のプリントリクエストがあるまで待機状態に
なる。
【0062】加熱定着装置30については、このプリン
トレディ状態においてスタンバイ制御となり、定着ロー
ラの回転駆動は停止され、定着ヒータに対する所定の通
電制御がなされて定着ローラが所定温度に維持される。
【0063】上記において、前多回転行程後直ぐにプリ
ントリクエストがあるときは、引き続いて前回転行程を
経てプリント行程が実行される。
【0064】1枚だけのプリントの場合は、そのプリン
ト行程の終了後、プリンタは後回転を経てプリントレデ
ィ状態になる。
【0065】(3)加熱定着装置30 図3は加熱定着装置30の概略構成模型図である。この
装置30は前述の図10と同様の熱ローラ方式の加熱定
着装置である。
【0066】この加熱定着装置30は、A3(297m
m)幅を最大通紙サイズとする記録材である紙Pを装置
の通紙中心を基準として搬送する中央基準の装置であ
る。
【0067】定着ローラ50は、ステンレスを芯金51
とする直径50mmのローラである。厚さ2.5mmの
芯金51上は、肉厚250μmの絶縁シリコンゴム層5
2であり、その表層にはPFAの離型層53を被覆した
薄肉ローラとなっている。
【0068】定着ローラ50の定着メインヒータ54は
120V入力時に700Wの定格出力がでるものを使用
し、ヒータ配光は両端部100%に対して中央部350
%であり、中央部の配光分布が大きくなっている。一
方、定着サブヒータ55は120V入力時に300Wの
定格出力がでるものを使用し、ヒータ配光は中央部10
0%に対して両端部350%であり、端部の配光分布が
大きくなっている。また、定着メインヒータ54、定着
サブヒータ55はいずれも通紙基準に対して対称な配光
分布になっている。
【0069】定着ローラ50の温度は、定着ローラ50
の非通紙域に当接されるサーミスタ56によって、定着
ローラ50の表面温度として検出され、温度制御回路に
よって定着メインヒータ54を断続的に作動させること
で、上記表面温度は所定の温度に制御される。
【0070】加圧ローラ60は、厚さ4.5mmのアル
ミニウム芯金61上に、肉厚4.5mmの導電シリコン
ゴムの弾性層62、表層にPFAの離型層63を有し、
直径40mm、製品硬度60°のものを用いており、5
00Nの加圧力をかけることで定着ローラ50との間に
約8.0mmの定着ニップ部幅をつくることができる。
【0071】加圧ローラ内部に配置された加圧ヒータ6
4は120V入力時に300Wの定格出力がでるものを
使用し、ヒータ配光は長手方向に均一になっている。ま
た、加圧ヒータ64は定着サブヒータ55と定電圧回路
が同じであり、ヒータセレクト信号により点灯するヒー
タが選択されるため、加圧ヒータ64と定着サブヒータ
55が同時に点灯することはない。
【0072】加圧ローラ60の温度は、加圧ローラ60
の非通紙域に当接されるサーミスタ65によって、加圧
ローラ60の表面温度として検出され、温度制御回路に
よって加圧ヒータ64を断続的に作動させることで、上
記表面温度は所定の温度に制御される。
【0073】また、トナーのオフセット、尾引き対策と
しては、定着ローラ50の芯金51に定着バイアス−
1.2k(V)を印加している。一方、加圧ローラ60
は芯金61からアースにすることで、表面がマイナスの
電位になるのを防止している。
【0074】この一対の定着ローラ50・加圧ローラ6
0の定着ニップ部によって定着が完了した紙Pは、不図
示の定着排紙ローラにより搬送される。なお、プロセス
スピードは240mm/secであり、この構成におい
てA4横送りで50枚/分のプリントが可能である。
【0075】(4)加熱定着装置30の温度制御 図4に、プリンタの電源を投入してからの、加熱定着装
置30のヒータ制御および定着ローラ中央部、定着ロー
ラ端部(サーミスタ位置)、加圧ローラ端部(サーミス
タ位置)のローラ表面温度変化を示した。
【0076】電源が投入されると、定着ローラ50の定
着メインヒータ54と定着サブヒータ55が全点灯し
て、定着ローラ50の表面温度は上昇していく。定着ロ
ーラサーミスタ位置の温度が160℃になると前多回転
が開始される。前多回転中は、定着サブヒータ55は全
点灯のままであるが、定着ローラ中央部のオーバーシュ
ートを防止するために、定着メインヒータ54は間欠点
灯となる。定着ローラサーミスタ位置の温度が180℃
になると前多回転が終了して、プリントレディ状態とな
る。
【0077】この後、プリントリクエストがなければス
タンバイ制御、プリントリクエストがあれば前回転の後
にプリント温調となる。スタンバイ制御は、定着ローラ
温度を180℃に保つように定着メインヒータ54と定
着サブヒータ55の同時点灯、消灯を繰り返す。一方、
定着サブヒータ55が消灯している間は、加圧ローラ6
0の加圧ヒータ64を間欠点灯して、加圧ローラサーミ
スタ位置の温度が140℃となるように制御している。
【0078】図5に、プリント信号が発せられてからの
前回転、プリント時のヒータ制御および定着ローラ中央
部、定着ローラ端部(サーミスタ位置)、加圧ローラ端
部(サーミスタ位置)のローラ表面温度変化を示す。
【0079】前回転中は、小刻みな定着メインヒータ5
4と定着サブヒータ55の同時点灯、消灯が繰り返され
る。定着サブヒータ55が消灯している間には、加圧ヒ
ータ64が全点灯して加圧ローラ60を内部から温めて
いる。
【0080】プリント中のプリント温調においては、ヒ
ータ点灯の方式は前回転時と同じであるが、定着ローラ
サーミスタ位置の温度が190℃、加圧ローラサーミス
タ位置の温度が185℃となるように制御される。
【0081】(5)前回転時間の決定制御 定着ローラサーミスタ56・加圧ローラサーミスタ65
による定着ローラ50の検知温度および加圧ローラ60
の検知温度の組み合わせにより、プリント開始前に定着
ローラ50と加圧ローラ60の熱源54・55,64に
通電制御しつつプリンタの前回転時間を決定する制御を
以下に説明する。
【0082】図6は、本実施の形態を示す図である。プ
リント開始前の定着ローラ温度と加圧ローラ温度の組み
合わせによって5つのブロックに分かれている。
【0083】図4のスタンバイ状態中に示した加圧ロー
ラ温度が120℃未満である「状態1」(加圧ローラゴ
ム層の表面だけ温まっている状態)の場合には、定着ロ
ーラ温度が180℃より大きければ10秒間(a)、1
80℃以下であれば20秒間(b)の前回転を行う。
【0084】図4のスタンバイ状態中に示した加圧ロー
ラ温度が120〜150℃である「状態2」(加圧ロー
ラゴム層の内部まで温まっている状態)の場合には、定
着ローラ温度が180℃より大きければ5秒間(c)、
180℃以下であれば10秒間(d)の前回転を行う。
加圧ローラ温度が150℃より大きい状態(プリント直
後である状態)であれば、前回転を行わない(e)。
【0085】定着性の確保のためには、前回転終了後の
定着ローラ中央部温度が200℃を越えていることが望
ましい。一方、定着ローラ50の過昇温を防止するため
には、PFA樹脂やゴムの耐熱温度を考慮して定着ロー
ラ中央部の温度が230℃以下になるように抑えなけれ
ばならない。例えば、前回転時間を一律15秒と設定し
た場合には、以下の問題が発生した。プリントを開始し
たタイミングが、加圧ローラ状態1であり、かつ定着ロ
ーラ中央部の温度が最下点である場合には、定着ローラ
50の温度があまり上がらず200℃をきってしまうた
めに、定着性を満足することができない。一方で、プリ
ントを開始したタイミングが、加圧ローラ状態2であ
り、かつ定着ローラ中央部が最高点である場合には、定
着ローラ50の温度が急激に上昇して230℃を越えて
しまうため、ローラ過昇温を防止できない。
【0086】そこで、本実施例では、 (a)加圧ローラ60が状態1であり、定着ローラ50
の温度が高い場合には、10秒間の前回転を行う。
【0087】(b)加圧ローラ60が状態1であり、定
着ローラ50の温度が低い場合には、20秒間の前回転
を行う。
【0088】(c)加圧ローラ60が状態2であり、定
着ローラ50の温度が高い場合には、5秒間の前回転を
行う。
【0089】(d)加圧ローラ60が状態2であり、定
着ローラ50の温度が低い場合には、10秒間の前回転
を行う。
【0090】この(a)〜(d)の場合の定着ローラ5
0、加圧ローラ60の温度状態は、図7のスタンバイ状
態中に示している。
【0091】以上のような前回転時間に設定すること
で、図7に示したように、いずれの場合も前回転終了後
には定着ローラ中央部温度は210℃程度となってお
り、定着性の向上とローラ過昇温防止を両立できる温度
領域となっている。
【0092】また、(e)加圧ローラ温度が150℃以
上である場合は、プリント直後であるため、前回転でロ
ーラを温める必要はない。プリント直後も毎回前回転を
行うと、間欠プリント時のローラ過昇温の危険性があ
る。したがって、前回転は実施しない。
【0093】このように、サーミスタによって検知され
た定着ローラ温度および加圧ローラ温度の組み合わせに
より、最適な前回転時間を設定することで、定着性の向
上およびローラの過昇温防止が可能となる。
【0094】このように、定着ローラサーミスタ56・
加圧ローラサーミスタ65による定着ローラ50の検知
温度および加圧ローラ60の検知温度の組み合わせによ
り、プリンタの最適な前回転時間を設定することで、定
着性の向上およびローラの過昇温防止が可能となる。
【0095】〈第2の実施例〉この第2の実施例では、
プリンタに通紙使用する記録材である紙Pの紙種即ちサ
イズや種類に応じて前回転時間を変更する場合の例を示
す。
【0096】本実施例における加熱定着装置30の構成
で、先に述べた第1の実施例と同様である箇所について
は説明を省略する。
【0097】第1の実施例ではプリンタに通紙使用する
紙Pの紙種にかかわらず前回転時間の制御を行ったが、
本実施例ではプリンタに通紙使用される紙Pの紙種の情
報によって必要に応じて前回転を延長する。特に、記録
材Pに定着性が悪い厚紙や封筒を通紙する場合にのみ前
回転を延長することにより、必要以上の前回転を行わず
にローラ寿命を延命させる効果がある。
【0098】本実施例のプリンタは、プリンタに通紙使
用される紙Pのサイズ、紙Pの種類に応じて、定着のプ
ロセス条件を一部変更するモードを有している。例え
ば、厚紙、ラフ紙、封筒などの定着性が悪い紙を通紙す
る場合に、オフセットの軽減や定着性の向上のために定
着温度を上げ、スループットを落としている。このモー
ドに切り替える方法としては、プリンタの不図示のオペ
レータ操作パネルに特殊紙設定を行うスイッチが設けら
れており、ユーザーがプリントする紙に応じてモードを
選択することにより、定着のプロセス条件が一部変更さ
れるようになっている。また、ユーザーがプリンタに接
続されたパソコンなどの端末からプリントするメディア
を設定した場合にも、モードが切り替わるようになって
いる。
【0099】さらに、給紙カセット20で紙Pのサイズ
を検知する紙幅検知センサや紙の種類を検知するメディ
ア検知センサによって、自動的にモードが変更される場
合もある。例えば、幅が小さい紙をプリントする場合に
は、定着、加圧ローラ非通紙域の昇温を防止するため
に、定着ヒータの制御を変更している。また、記録材P
の透過率によりプリントするメディアがOHTであると
判別した場合には、排紙されたOHT同士がトナーによ
って貼り付くのを防止するために、定着温度を下げて、
スループットを落とすようにしている。
【0100】このように本実施例のプリンタは紙種に応
じて種々のモードを有しているが、本実施例では、封筒
プリント時の前回転制御について述べる。
【0101】封筒は2枚重ねとなっているため、厚紙と
同じく定着性が悪い。したがって、封筒プリント時に
は、定着温度を上げ、スループットを落として定着性を
向上させるための封筒モードを設けている。
【0102】この封筒モードの場合、定着温度、スルー
プットの変更以外に前回転の延長も同時に行う。これ
は、封筒モードに設定された場合には、通常プリント時
の前回転時間よりもさらに長い時間の前回転を行うこと
で、定着性が悪い封筒のプリントに備えるものである。
【0103】また、封筒モード時のみ前回転時間を長く
して、通常プリント時には前回転時間を短く設定するこ
とができるため、必要以上の前回転を行わずにローラ寿
命を延命させるメリットがある。
【0104】本実施例においても、封筒モードの設定の
場合には通常プリント時の前回転を延長しているが、定
着ローラ50に設置したサーミスタ56の検知温度およ
び加圧ローラ60に設置したサーミスタ64の検知温度
によって、前回転延長時間を変更している。
【0105】普通紙のみのプリントであれば、前回転終
了時の定着ローラ中央部温度が190℃を越えていれ
ば、プリント中も同じ温度を維持できるため、定着性は
問題ないレベルである。
【0106】しかし、普通紙と比較して定着性が悪い封
筒をプリントする場合は、定着性の確保のために、前回
転終了後の定着ローラ中央部温度が210℃を越えてい
ることが望ましい。一方、ローラの過昇温を防止するた
めには、第1の実施例の場合と同じく定着ローラ中央部
の温度が230℃以下になるように抑えなければならな
い。
【0107】図8に本実施例における前回転延長時間を
示した。通常プリント時には、一律5秒間の前回転を行
うが、封筒モードの設定である場合には、図8のように
前回転延長を行う。これは、プリント開始前の定着ロー
ラ温度と加圧ローラ温度の組み合わせによって5つのブ
ロックに分かれている。
【0108】加圧ローラ温度が120℃未満である「状
態1」(加圧ローラゴム層の表面だけ温まっている状
態)であり、定着ローラ温度が180℃より大きければ
10秒間(a)、180℃以下であれば20秒間(b)
の前回転延長を行う。
【0109】加圧ローラ温度が120〜150℃である
「状態2」(加圧ローラゴム層の内部まで温まっている
状態)であり、定着ローラ温度が180℃より大きけれ
ば5秒間(c)、180℃以下であれば10秒間(d)
の前回転延長を行う。
【0110】加圧ローラ温度が150℃より大きい状態
(プリント直後である状態)であれば、前回転延長を行
わない。
【0111】すなわち、本実施例では、図6の( )内
に示したように、 (a)加圧ローラ60が状態1であり、定着ローラ50
の温度が高い場合には15秒間の前回転を行う。
【0112】(b)加圧ローラ60が状態1であり、定
着ローラ50の温度が低い場合には25秒間の前回転を
行う。
【0113】(c)加圧ローラ60が状態2であり、定
着ローラ50の温度が高い場合には10秒間の前回転を
行う。
【0114】(d)加圧ローラ60が状態2であり、定
着ローラ50の温度が低い場合には15秒間の前回転を
行う。
【0115】封筒モードの場合には以上のような前回転
時間に設定することで、図9に示したように、いずれの
場合も前回転終了後の定着ローラ中央部温度は220℃
程度となっており、定着性の向上とローラの過昇温防止
を両立できる温度領域となっている。また、通常プリン
ト時は、5秒間の前回転を行うが、図9からもわかるよ
うに5秒間の前回転終了時点では、いずれの場合も定着
ローラ中央部温度は190℃を越えており、普通紙の定
着性には影響を及ぼさない温度領域となっている。
【0116】また、(e)加圧ローラ温度が150℃以
上である場合は、プリント直後であるため、前回転でロ
ーラを温める必要はない。プリント直後も毎回前回転を
行うと、間欠プリント時のローラ過昇温の危険性があ
る。したがって、前回転は実施しない。
【0117】このように、記録材のサイズや種類に応じ
て前回転時間を変更するプリンタにおいて、定着ローラ
50および加圧ローラ60の温度状態によって前回転時
間を決定することで、定着性の向上およびローラの過昇
温防止が可能となる。また、定着性が悪い紙のみ前回転
延長を行い、通常プリント時には前回転を短く設定して
いるため、ローラ寿命を長くすることができる。
【0118】また、例えばOHTをプリントするときに
は、OHTの過昇温や排紙されたOHT同士がトナーに
よって貼り付くのを防止するために、逆にプリント開始
前の前回転時間を短く設定する場合もある。この場合
も、本発明により、OHTが検知されたときには、定着
ローラおよび加圧ローラの温度状態によって前回転時間
を決定することが可能である。
【0119】〈その他〉 1)本発明の画像形成装置において、加熱定着装置は実
施例の熱ローラ方式の装置に限られるものではなく、フ
ィルム加熱方式等の他のタイプの装置であってもよい
し、加熱方式も例えば電磁誘導加熱方式など任意であ
る。内側加熱方式でも、外側加熱方式でもよい。
【0120】2)記録材に対するトナー像の形成方式・
プロセス機構は電子写真プロセスに限られず、静電記録
方式、磁気記録方式など任意である。また転写方式で
も、直接方式でもよい。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
未定着トナー像が形成された記録材を、定着部材と加圧
部材により互いに圧接してなる定着ニップ間を通過させ
ることにより、前記未定着トナー像を記録材上に永久定
着させる加熱定着装置を有し、前記定着部材と前記加圧
部材いずれにも内部にはヒータなどの熱源が設置されて
おり、前記定着部材、前記加圧部材ともに表面温度を検
知する温度検知素子を設置した画像形成装置において、
定着部材の検知温度と加圧部材の検知温度の組み合わせ
によって最適な前回転時間を決定することにより、定着
性の向上および定着部材・加圧部材の過昇温防止を両立
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例の画像形成装置の概略構成模型
【図2】 画像形成装置の動作行程図
【図3】 加熱定着装置の概略構成模型図
【図4】 電源投入からスタンバイ時のローラ表面温度
変化およびヒータ制御を示す図
【図5】 前回転からプリント時のローラ表面温度変化
およびヒータ制御を示す図
【図6】 第1の実施例における前回転時間を示す図
【図7】 第1の実施例における前回転時間とローラ表
面温度の関係
【図8】 第2の実施例における前回転延長時間を示す
【図9】 第2の実施例における前回転時間とローラ表
面温度の関係
【図10】 熱ローラ方式の加熱定着装置の概略構成模
型図
【図11】 加圧ローラ温度状態の違いによる前回転中
のローラ表面温度変化を示す図
【符号の説明】
50……定着ローラ、54……定着メインヒータ、55
……定着サブヒータ、56……定着サーミスタ、60…
…加圧ローラ、64……加圧ヒータ、65……加圧サー
ミスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/00 335 H05B 3/00 335 Fターム(参考) 2H027 DA12 DA38 DC02 DC10 DC19 EA12 EA18 EC02 EC20 ED25 EE02 EE07 EF06 EJ15 GA01 GA32 2H033 AA02 AA29 BA25 BA27 BA32 BB18 BB37 CA03 CA05 CA07 CA16 CA17 CA40 3K058 AA04 AA12 BA18 CA12 CA22 CA61 CA92 CB02 CB19 DA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未定着トナー像が形成された記録材を、
    定着部材と加圧部材により互いに圧接してなる定着ニッ
    プ間を通過させることにより、前記未定着トナー像を記
    録材上に永久定着させる加熱定着装置を有し、前記定着
    部材と前記加圧部材いずれにも熱源が設置されており、
    前記定着部材、前記加圧部材ともに表面温度を検知する
    温度検知素子を設置した画像形成装置において、 前記温度検知素子による前記定着部材の検知温度および
    前記加圧部材の検知温度の組み合わせにより、プリント
    開始前に前記定着部材と前記加圧部材の熱源に通電制御
    しつつ回転駆動する装置前回転時間を決定することを特
    徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記温度検知素子は前記定着部材、前記
    加圧部材の非通紙域に設置されている請求項1に記載の
    画像形成装置。
  3. 【請求項3】 未定着トナー像が形成された記録材を、
    定着部材と加圧部材により互いに圧接してなる定着ニッ
    プ間を通過させることにより、前記未定着トナー像を記
    録材上に永久定着させる加熱定着装置を有し、前記定着
    部材と前記加圧部材いずれにも熱源が設置されており、
    前記定着部材、前記加圧部材ともに表面温度を検知する
    温度検知素子を設置し、記録材の紙種を検知する紙種検
    知手段を有した画像形成装置において、 前記温度検知素子による前記定着部材の検知温度と前記
    加圧部材の検知温度と、前記紙種検知手段による記録材
    の紙種情報の組み合わせにより、プリント開始前に前記
    定着部材と前記加圧部材の熱源に通電制御しつつ回転駆
    動する装置前回転時間を決定することを特徴とする画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 画像形成装置のオペレータ操作パネルも
    しくは画像形成装置に接続されたパソコンなどの端末装
    置からユーザーが記録材の紙種情報を入力して、その情
    報に基づいて、前記装置前回転時間を変更する請求項3
    に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 紙幅検知センサ、メディア検知センサな
    どによって検知された記録材の紙種情報に応じて、自動
    的に前記装置前回転時間を変更する請求項3に記載の画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】 記録材の紙種情報は、記録材のサイズ情
    報または種類情報もしくはその両方である請求項3、4
    または5に記載の画像形成装置。
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