JP3904744B2 - 低硬度シリコーンゴム定着用ロール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンター、FAXなどに使用する熱定着用ロールに関し、更に詳しくは、ロール軸の外周にシリコーンゴム層を介して低表面エネルギー性の有機樹脂層を設けてなる低硬度シリコーンゴム定着用ロールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、金属製の芯金の外周面にシリコーンゴム層を介してフッ素系樹脂層やフッ素系ラテックス層を設けてなる定着用ロールは、トナーの離型性が優れていることから、複写機、レーザービームプリンター、FAXなどの機器定着用ロールとして使用されている。最近、複写機、レーザービームプリンター、FAXなどの機器の高速化に伴い、定着装置において、定着に要する時間を増加させるため、定着幅(ニップ幅)を確保する目的で、ゴム材料のJIS硬度計にて測定困難な低硬度化が進んでいるが、ゴムの反発弾性率が高いため、定着用ロールの肉厚を薄くするにも拘らず、低いニップ圧によっても適度なニップ幅を得ることができないという問題点があった。
【0003】
一方、JIS硬度計にて測定困難な低硬度ロールにおいては、硬化条件(一次加硫条件)におけるシリコーンゴムの硬度変化が大きいと、例えば、シリコーンゴムの外周面に被覆するフッ素樹脂との接着耐久性が悪くなるという問題点があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、定着用ロールの肉厚を薄くした場合においても、低いニップ圧によっても適度なニップ幅を得ることができ、シリコーンゴムとその外周面に被覆するフッ素樹脂層との間の接着耐久性に優れた低硬度の定着用ロール、即ち定着ロール又は加圧ロール(バックアップロール)を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、円柱状又は円筒状の金属芯金の外周面をシリコーンゴム層で被覆し、更にその外周面にフッ素樹脂又はフッ素系ラテックスからなる低表面エネルギー性の有機樹脂層を設けてなる定着用ロールにおいて、上記シリコーンゴム層として、硬化後のゴム反発弾性率(JIS K6301)が30%以下であり、硬化条件(一次加硫条件)における硬度変化、即ち、100〜200℃にて10〜30分の一次加硫条件において硬化させた場合の最大硬度と最小硬度との差がアスカーCSR2にて10度以下である付加反応硬化型の液状シリコーンゴム組成物の硬化物にて形成することにより、定着用ロールの肉厚が薄くても、低いニップ圧によって適度なニップ幅が得られることを知見した。また、この場合、この液状シリコーンゴム組成物としては、特に
(A)一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を分子の側鎖のみに2個以上含有し、該脂肪族不飽和炭化水素基含有シロキサン単位ユニットが0.05〜5モル%であるオルガノポリシロキサン 100重量部
(B)下記一般式(1)で表され、一分子中に少なくとも3個以上の珪素原子に直結した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(A)成分中の珪素原子に結合した脂肪族不飽和炭化水素基(特にアルケニル基)
1モルに対して(B)成分中の珪素原子に結合した水素原子(即ちSiH基)が0
.1〜3.0モルとなる量
(C)触媒量の白金及び白金系化合物
(D)充填剤 5〜300重量部
を必須成分とするものが好適であることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
【化2】
Figure 0003904744
(式中、R1は置換又は非置換の一価炭化水素基であり、m,nは1以上の整数である。)
【0007】
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明の低硬度シリコーンゴム定着用ロールは、円柱状又は円筒状の金属芯金の外周面に、硬化後のゴム反発弾性率(JIS K6301)が30%以下である付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物を硬化して得られるシリコーンゴムを被覆し、その外周面に低表面エネルギー性の有機樹脂層を設けてなることを特徴とする。
【0008】
ここで、本発明に用いられる定着用ロールの金属芯金は、鉄、アルミニウム、ステンレスなどのいずれの材質のものでもよい。また、プライマー処理をした金属芯金を使用してもよい。
【0009】
上記金属芯金の外周面に被覆、形成するシリコーンゴム層は、上述したように、硬化後のゴム反発弾性率(JIS K6301)が30%以下、好ましくは5〜25%、特に好ましくは10〜20%の付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物を硬化させて得られるシリコーンゴムにて形成するものである。上記ゴム反発弾性率30%より大きい付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物を使用した場合は、低いニップ圧によっても十分なニップ幅を得ることができず、高速な定着装置におけるロールの特性上好ましくない。なお、このゴム反発弾性率が5%未満の場合には、ニップ圧により変形したロールの形状回復速度が遅いため、高速な定着装置においては、定着画像にむらが生じる場合がある。
【0010】
なお、JIS硬度計にて測定困難な低硬度ロールの硬度を管理するには、日本ゴム協会誌、第6巻第7号(1996)516頁にて、公開されたアスカーCSR2硬度計(高分子計器株式会社)にて測定することが好ましいが、本発明においては、液状シリコーンゴム組成物として、更に硬化条件(一次加硫条件)における硬度変化がアスカーCSR2にて±5度以下、即ち、100〜200℃にて10〜30分の一次加硫条件において硬化させた場合の最大硬度と最小硬度との差がアスカーCSR2にて10度以下のものを使用することが好ましい。10度より大きい場合は、所定の硬度が得られず、またフッ素樹脂、フッ素ラテックス等の低表面エネルギー性の有機樹脂層との接着耐久性が低下するおそれがある。
【0011】
このようなシリコーンゴム層を形成させる付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物としては、
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した脂肪族不飽和炭化水素基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部
(B)一分子中に少なくとも2個以上の珪素原子に直結した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(A)成分中の珪素原子に結合した脂肪族不飽和炭化水素基1モルに対して(B)成分中の珪素原子に結合した水素原子が0.1〜3.0モルとなる量
(C)触媒量の白金及び白金系化合物
(D)充填剤 5〜300重量部
であるものが好ましい。
【0012】
ここで、(A)成分の脂肪族不飽和炭化水素基含有オルガノポリシロキサンは、通常、付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物の主原料として使用されている公知のオルガノポリシロキサンであり、常温(25℃)で100〜100,000cpの粘度を有し、下記平均組成式(2)
aSiO(4-a)/2 (2)
(式中、Rは非置換又は置換一価炭化水素基、aは1.9〜2.4の正数である。)
で示されるものを使用することができる。
【0013】
式(2)において、Rは好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基であるが、全Rのうち少なくとも2個はアルケニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基である。なお、この非置換又は置換一価炭化水素基の具体例は後述する。
【0014】
この脂肪族不飽和炭化水素基含有オルガノポリシロキサンとしては、下記のものを例示することができるが、このオルガノポリシロキサンは直鎖状のものに限られず、RSiO3/2単位やSiO4/2単位を含んだ分岐状のものであってもよい。
【0015】
【化3】
Figure 0003904744
(Rは上記と同様の意味を示すが、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基を示す。p,qは正の整数を示す。)
【0016】
上記オルガノポリシロキサンとしては、特にゴムの低硬度化の点から、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を分子の側鎖のみ(即ち、ジオルガノシロキサン単位の珪素原子に結合した置換基としてのみ)に2個以上含有し、該脂肪族不飽和炭化水素基含有シロキサン単位ユニットが0.05〜5モル%であるオルガノポリシロキサンを使用する。
【0017】
このようなオルガノポリシロキサンとしては、下記平均分子式(3)で示されるものを好適に使用することができる。
【0018】
【化4】
Figure 0003904744
(但し、R2は、脂肪族不飽和炭化水素基以外の置換又は非置換の一価炭化水素基、R3は一価の脂肪族不飽和炭化水素基であり、x、yはそれぞれx≧38、y≧2、40≦x+y≦20,000、好ましくは100≦x+y≦10,000、0.05≦〔y/(x+y)〕×100≦5、好ましくは0.1≦〔y/(x+y)〕×100≦3を満たす整数である。)
【0019】
上記式(3)において、R2は好ましくは炭素数1〜12のもの、より好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、これらの基の水素原子の一部又は全部を塩素、臭素、フッ素などのハロゲン原子やシアノ基で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられるが、特にメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基が好ましい。R3はビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6、特に2〜4のアルケニル基などの脂肪族不飽和炭化水素基であり、特にビニル基が好ましい。
【0020】
上記式(3)において、各置換基は異なっていても同一であってもよいが、このオルガノポリシロキサンは、分子中の側鎖のみ(即ち、R23SiO2/2で示されるジオルガノシロキサン単位の珪素原子に結合した置換基R3としてのみ)に2個以上の脂肪族不飽和炭化水素基を含有し、かつ脂肪族不飽和炭化水素基を含有するシロキサン単位の量が0.05〜5モル%、好ましくは0.1〜3モル%であることが必要である。なお、この脂肪族不飽和炭化水素基を含有するシロキサン単位の量(モル%)は、オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(即ち、R2 2SiO2/2単位とR23SiO2/2単位の合計)に対する脂肪族不飽和炭化水素基含有シロキサン単位(即ち、R23SiO2/2単位)の割合を意味するものである。上記脂肪族不飽和炭化水素基の含有量が0.05モル%に満たないと機械的強度などのゴムとしての物性を保つことが困難となり、また5モル%を超えると低硬度の硬化物を得ることが非常に困難となる。
【0021】
なお、このオルガノポリシロキサンは、一般的には主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位(即ち、R2 2SiO2/2単位及びR23SiO2/2単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(即ち、R2 3SiO1/2単位)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、部分的にR2SiO3/2単位、R3SiO3/2単位又はSiO4/2単位を含んだ分岐状や環状であってもよい。
【0022】
また、上記式(3)のオルガノポリシロキサンの重合度(あるいは分子中の珪素原子の数)は50〜20,000、特に100〜15,000、とりわけ500〜10,000程度が好適である。
【0023】
次に、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分と反応し、架橋剤として作用するものであり、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐状構造や三次元網状構造等各種のものが使用可能であるが、一分子中に3個以上の珪素原子に直接結合した水素原子(SiH基)を含むものとする必要がある。この化合物の水素以外の珪素原子に結合する置換基は(A)成分のオルガノポリシロキサンにおける置換基と同様である。
【0024】
この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(4)で示されるものが好適に使用される。
【0025】
1 bcSiO(4-b-c)/2 (4)
(R1は炭素数1〜12、好ましくは脂肪族不飽和結合を除く炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基、b,cはそれぞれ0.7≦b≦2.1、好ましくは1≦b≦2、0.002≦c≦1、好ましくは0.01≦c≦0.6、0.8≦b+c≦3、好ましくは1.5≦b+c≦2.6を満足する正数である。)
【0026】
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンにおいて、水素原子以外の珪素原子に結合する置換基R1は(A)成分のオルガノポリシロキサンにおける平均分子式(3)の置換基R2として例示したものと同様の炭素数1〜12、好ましくは脂肪族不飽和結合を除く炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基である。
【0027】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、メチルハイドロジェン環状ポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などを挙げることができる。
【0028】
この(B)成分の添加量は、(A)成分中の珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基1モルに対し、この(B)成分中の珪素原子に結合した水素原子(SiH基)が0.1〜3.0モル、特に0.3〜2.0モルの範囲となる割合が好適であり、上記範囲外の場合、硬化が不十分であったり、圧縮永久歪の特性が悪くなったりする場合がある。
【0029】
このものは当業者にとって公知の製造方法によって得ることが可能である。ごく一般的な製造方法を挙げると、オクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はテトラメチルシクロテトラシロキサンと末端基となり得るヘキサメチルジシロキサン或いは1,1’−ジハイドロ−2,2’,3,3’−テトラメチルジシロキサン単位を含む化合物とを硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
【0030】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの中では、上述したゴム反発弾性率(JIS K6301で30%以下)の点、更には硬化条件(一次加硫条件)における硬度変化(アスカーCSR2にて±5度以下)の点から、下記一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用する。
【0031】
【化5】
Figure 0003904744
(式中、R1は上記平均組成式(4)におけるR1と同じ意味を示し、m,nは1以上の整数である。)
【0032】
ここで、R1としては、R2と同様の炭素数1〜12、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜4の非置換又は置換一価炭化水素基を挙げることができ、特にはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基が好ましい。
【0033】
なお、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの常温(25℃)における粘度は0.2〜1,000cp、特に1〜700cpであることが好ましく、分子中の珪素原子数は200個以下、より好ましくは2〜150個、特には4〜50個程度であることが好ましい。
【0034】
本発明に使用される(C)成分の白金及び白金系化合物は、前記した(A)成分と(B)成分との硬化付加反応(ハイドロサイレーション)を促進させるための触媒として使用されるものであるが、これは当業者において公知とされるものでよい。従って、これには白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコール類等との錯体などが例示される。なお、この添加量は希望する硬化速度に応じて適宜増減すればよいが、通常は(A)成分に対して白金量で0.1〜1,000ppm、好ましくは1〜200ppmの範囲とすればよい。
【0035】
(D)成分の充填剤は、付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物に所定の硬度及び引っ張り強さなどの物理的強度を付与するものである。用いる充填剤としては、従来よりシリコーンゴム組成物に通常使用されるものでよい。具体的には、例えばヒュームドシリカ、結晶性シリカ(石英粉末)、沈降性シリカ、疎水化処理したシリカなどのシリカ系充填剤が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上を組み合わせてもよい。このような材料の例示としては、親水性のシリカとしてAerosil 130,200,300(日本アエロジル社、Degussa社製)、Cabosil MS−5,MS−7(Cabot社製),Rheorosil QS−102,103(徳山曹達社製),Nipsil LP(日本シリカ社製)等が、疎水性のシリカとしてAerosil R−812,R−812S,R−972,R−974(Degussa社製)、Rheorosil MT−10(徳山曹達社製),Nipsil SSシリーズ(日本シリカ社製)、結晶性シリカ(石英粉末)としてクリスタライト((株)龍森社製)、Minusil(ペンシルバニア・ガラス・サンド社製),Imisil(イリノイミネラル社製)が挙げられる。
【0036】
(D)成分の充填剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して5〜300重量部が好ましく、より好ましくは20〜200重量部である。硬化後のゴム反発弾性率の点からは結晶性シリカを使用することが好ましい。
【0037】
更にこれらの材料を実用に供するため、その他の成分を必要に応じて添加することができる。
【0038】
具体的には、炭酸カルシウムのような充填剤、補強剤となるシリコーン系レジン、カーボンブラック、導電性亜鉛華、銀、銅、ニッケルなどの金属粉の導電性付与剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱向上剤、硬化時間の調製を行う必要がある場合には、制御剤(付加反応抑制剤)としてテトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンのようなビニル基含有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート、アセチレンアルコール類及びそのシラン、シロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テロラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール及びそれらの混合物からなる群から選ばれる化合物などを使用しても差し支えない。
【0039】
なお、上記液状シリコーンゴム組成物は、これを硬化させる場合、各成分を混合した後、恒温槽における熱風(オープン)加硫、プレス機、射出成形機等に型を設置した型(加熱)加硫などの手法により、一次加硫としては100〜200℃で10〜30分程度処理した後、好ましくは二次加硫として150〜200℃で2〜4時間程度処理するという条件を採用することができる。
【0040】
本発明の定着用ロールにおいて、上記シリコーンゴム層を被覆する表層の低表面エネルギー性の有機樹脂層としては、フッ素樹脂とフッ素系ラテックスを使用することができる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレンポリプロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)などが挙げられる。特にフッ素樹脂はテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)が好ましく、シリコーンゴムとの接着面はコロナ放電処理、ナトリウムナフタレン法、スパッタエッチング法、液体アンモニア法などにより、シリコーンゴムとの接着を有利にすることが好ましい。更に接着耐久性を向上させるためにプライマー処理を行ってもよい。
【0041】
フッ素系ラテックスとしては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)ラテックスやダイエルラテックス(ダイキン工業社製フッ素系ラテックス)などが挙げられる。
【0042】
このフッ素樹脂及びフッ素系ラテックスの厚さとしては、0.1mm以下であることが好ましく、特に0.1〜30μmの範囲であることが好ましい。なお、シリコーンゴム層の厚さとしては、1〜30mmであることが好ましい。
【0043】
本発明の定着用ロールは以下の工程により製造することができる。
まず、プレス成形又は液状射出成形により、プライマー処理をした金属芯金の外周面へ、硬化後のゴム反発弾性率(JIS K6301)が30%以下、好ましくは5〜25%である付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物の被覆層を形成する。更にそのゴム被覆層表面に例えばフッ素系ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ラテックスコーティング剤をスプレー塗布し、高温にてコーティング剤層を焼結させる。また、別の製造方法として、予めテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)チューブ内面にプライマー処理を行い、次にプライマー処理をした金属芯金とテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)チューブの間に、未硬化液状シリコーンゴム組成物を注入と同時に加熱硬化させてロールを成形させる方法を採用することができるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0044】
【実施例】
以下、調製例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において部はいずれも重量部である。また、平均粒径の値は、レーザー光回折法による粒度分布測定装置を用いた重量平均値(メジアン径)である。
【0045】
〔調製例1〕
分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、メチルビニルシロキサン単位として側鎖ビニル基を平均約5個含有する直鎖状ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体(重合度約700)100部、平均粒径5μmの結晶性シリカ25部、酸化鉄2部を均一に混合した後、これに下記式(i)で表される常温での粘度25℃(以下同様)が約10センチポイズであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを1.5部、珪素原子に直結したビニル基〔−Si(CH3)(CH=CH2)O−〕を5モル%含有する常温での粘度が1,000センチポイズであるビニルメチルポリシロキサンを4部、反応制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1部、白金ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加し、均一になるまでよく混合した。これを液状組成物1とした。
【0046】
【化6】
Figure 0003904744
【0047】
〔調製例2〕
調製例1で使用した両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン共重合体100部、結晶性シリカ(平均粒径5μm)25部、酸化鉄2部を均一に混合した後、これに下記式(ii)で表される常温での粘度が約38センチポイズであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを1.5部、珪素原子に直結したビニル基〔−Si(CH3)(CH=CH2)O−〕を5モル%含有する常温での粘度が1,000センチポイズであるビニルメチルポリシロキサンを4部、反応制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1部、白金ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加し、均一になるまでよく混合した。これを液状組成物2とした。
【0048】
【化7】
Figure 0003904744
【0049】
〔調製例3〕
調製例1で使用した両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン共重合体100部、結晶性シリカ(平均粒径5μm)25部、酸化鉄2部を均一に混合した後、これに下記式(iii)で表される常温での粘度が約10センチポイズであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを1.5部、珪素原子に直結したビニル基〔−Si(CH3)(CH=CH2)O−〕を5モル%含有する常温での粘度が1,000センチポイズであるビニルメチルポリシロキサンを4部、反応制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1部、白金ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加し、均一になるまでよく混合した。これを液状組成物3とした。
【0050】
【化8】
Figure 0003904744
【0051】
〔調製例4〕
調製例1で使用した両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン共重合体100部、結晶性シリカ(平均粒径5μm)25部、酸化鉄2部を均一に混合した後、これに上記式(iii)で表される常温での粘度が約10センチポイズであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを1.0部、下記式(iv)で表される常温での粘度が約30センチポイズであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを0.5部、珪素原子に直結したビニル基〔−Si(CH3)(CH=CH2)O−〕を5モル%含有する常温での粘度が1,000センチポイズであるビニルメチルポリシロキサンを4部、反応制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1部、白金ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加し、均一になるまでよく混合した。これを液状組成物4とした。
【0052】
【化9】
Figure 0003904744
【0053】
〔調製例5〕
調製例1で使用した両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン共重合体100部、結晶性シリカ(平均粒径5μm)25部、酸化鉄2部を均一に混合した後、これに上記式(i)で表される常温での粘度が約10センチポイズであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを1.0部、下記式(v)で表される常温での粘度が約20センチポイズであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを0.5部、珪素原子に直結したビニル基〔−Si(CH3)(CH=CH2)O−〕を5モル%含有する常温での粘度が1,000センチポイズであるビニルメチルポリシロキサンを4部、反応制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1部、白金ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加し、均一になるまでよく混合した。これを液状組成物5とした。
【0054】
【化10】
Figure 0003904744
【0055】
〔調製例6〕
調製例1で使用した両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン共重合体100部、結晶性シリカ(平均粒径5μm)25部、酸化鉄2部を均一に混合した後、これに上記式(i)で表される常温での粘度が約10センチポイズであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを1.7部、珪素原子に直結したビニル基〔−Si(CH3)(CH=CH2)O−〕を5モル%含有する常温での粘度が1,000センチポイズであるビニルメチルポリシロキサンを4部、反応制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1部、白金ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加し、均一になるまでよく混合した。これを液状組成物6とした。
【0056】
〔実施例1〕
液状組成物1を厚み6mmの型に入れ、120℃,140℃,200℃で10分及び30分プレス加硫した。テストピースを型から取り出した後、室温まで冷却し、アスカーCSR2の硬度計でゴム硬度を測定した。次にJIS K6301に準拠し、反発弾性率を測定した。硬度はアスカーCSR2で120℃−10分にて30、120℃−30分にて31、140℃−10分にて32、140℃−30分にて34、200℃−10分にて34、200℃−30分にて37であり、反発弾性率は20%であった。
【0057】
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。更にこの上に液状組成物1を塗布し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃/10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、300℃で1時間加熱焼成し、外径26mm×長さ250mmのダイエルラテックスコーティング低硬度シリコーンゴムロールを作製した。
【0058】
一方、直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面にポリテトラフルオロエチレンのラテックスコーティングを施し、300℃で15分加熱焼成した。このロールと上記ロールを接触させ、2kgの荷重をかけ、ニップ幅を測定したところ、20mmであった。
【0059】
更に、PPC複写機の定着ロールとして組み込み、10万枚複写を行ったところ、良好な複写物が得られた。
【0060】
〔実施例2〕
直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。内面をプライマー処理した50μmのPFAチューブとアルミニウムシャフトとの間に液状組成物1を充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーし、外径26mm×長さ250mmのPFA樹脂被覆低硬度シリコーンゴムロールを作製した。
【0061】
一方、直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面にポリテトラフルオロエチレンのラテックスコーティングを施し、300℃で15分加熱焼成した。このロールと上記ロールを接触させ、2kgの荷重をかけ、ニップ幅を測定したところ、20mmであった。
【0062】
更に、PPC複写機の定着ロールとして組み込み、10万枚複写を行ったところ、良好な複写物が得られた。
【0063】
〔実施例3〕
液状組成物6を厚み6mmの型に入れ、120℃,140℃,200℃で10分及び30分プレス加硫した。テストピースを型から取り出した後、室温まで冷却し、アスカーCSR2の硬度計でゴム硬度を測定した。次にJIS K6301に準拠し、反発弾性率を測定した。硬度はアスカーCSR2で120℃にて34(10分)、140℃にて36(10分)、200℃にて38(10分)及び40(30分)であり、反発弾性率は25%であった。
【0064】
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。更にこの上に液状組成物1を塗布し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーした。この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に塗布し、80℃/10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一にスプレー塗布し、300℃で1時間加熱焼成し、外径26mm×長さ250mmのラテックスコーティング低硬度シリコーンゴムロールを作製した。
【0065】
一方、直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面にポリテトラフルオロエチレンのラテックスコーティングを施し、300℃で15分加熱焼成した。このロールと上記ロールを接触させ、2kgの荷重をかけ、ニップ幅を測定したところ、20mmであった。
【0066】
更に、PPC複写機の定着ロールとして組み込み、10万枚複写を行ったところ、良好な複写物が得られた。
【0067】
〔比較例1〕
液状組成物2を厚み6mmの型に入れ、120℃,140℃,200℃で10分プレス加硫した。テストピースを型から取り出した後、室温まで冷却し、アスカーCSR2の硬度計でゴム硬度を測定した。次にJIS K6301に準拠し、反発弾性率を測定した。硬度はアスカーCSR2で120℃にて20、140℃にて26、200℃にて32であり、反発弾性率は33%であった。
【0068】
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。内面をプライマー処理した50μmのPFAチューブとアルミニウムシャフトとの間に液状組成物2を充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーし、外径26mm×長さ250mmのPFA樹脂被覆低硬度シリコーンゴムロールを作製した。
【0069】
一方、直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面にポリテトラフルオロエチレンのラテックスコーティングを施し、300℃で15分加熱焼成した。このロールと上記ロールを接触させ、2kgの荷重をかけ、ニップ幅を測定したところ、17mmであった。
【0070】
更に、PPC複写機の定着ロールとして組み込み、5千枚複写を行ったところ、PFAチューブとシリコーンゴム層が剥離し、定着むらのある複写物が得られた。
【0071】
〔比較例2〕
液状組成物3を厚み6mmの型に入れ、120℃,140℃,200℃で10分プレス加硫した。テストピースを型から取り出した後、室温まで冷却し、アスカーCSR2の硬度計でゴム硬度を測定した。次にJIS K6301に準拠し、反発弾性率を測定した。硬度はアスカーCSR2で120℃にて30、140℃にて36、200℃にて43であり、反発弾性率は32%であった。
【0072】
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。内面をプライマー処理した50μmのフッ素PFAチューブとアルミニウムシャフトとの間に液状組成物3を充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーし、外径26mm×長さ250mmのPFA樹脂被覆低硬度シリコーンゴムロールを作製した。
【0073】
一方、直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面にポリテトラフルオロエチレンのラテックスコーティングを施し、300℃で15分加熱焼成した。このロールと上記ロールを接触させ、2kgの荷重をかけ、ニップ幅を測定したところ、15mmであった。
【0074】
更に、PPC複写機の定着ロールとして組み込み、5千枚複写を行ったところ、PFAチューブとシリコーンゴム層が剥離した。
【0075】
〔比較例3〕
液状組成物4を厚み6mmの型に入れ、120℃,140℃,200℃で10分プレス加硫した。テストピースを型から取り出した後、室温まで冷却し、アスカーCSR2の硬度計でゴム硬度を測定した。次にJIS K6301に準拠し、反発弾性率を測定した。硬度はアスカーCSR2で120℃にて32、140℃にて37、200℃にて43であり、反発弾性率は35%であった。
【0076】
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。内面をプライマー処理した50μmのPFAチューブとアルミニウムシャフトとの間に液状組成物3を充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーし、外径26mm×長さ250mmのPFA樹脂被覆低硬度シリコーンゴムロールを作製した。
【0077】
一方、直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面にポリテトラフルオロエチレンのラテックスコーティングを施し、300℃で15分加熱焼成した。このロールと上記ロールを接触させ、2kgの荷重をかけ、ニップ幅を測定したところ、14mmであった。
【0078】
更に、PPC複写機の定着ロールとして組み込み、5千枚複写を行ったところ、定着むらのある複写物が得られた。
【0079】
〔比較例4〕
液状組成物5を厚み6mmの型に入れ、120℃,140℃,200℃で10分プレス加硫した。テストピースを型から取り出した後、室温まで冷却し、アスカーCSR2の硬度計でゴム硬度を測定した。次にJIS K6301に準拠し、反発弾性率を測定した。硬度はアスカーCSR2で120℃にて41、140℃にて47、200℃にて54であり、反発弾性率は37%であった。
【0080】
次に、直径24mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト上に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業社製)を塗布した。内面をプライマー処理した50μmのPFAチューブとアルミニウムシャフトとの間に液状組成物3を充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーし、外径26mm×長さ250mmのPFA樹脂被覆低硬度シリコーンゴムロールを作製した。
【0081】
一方、直径50mm×長さ300mmのアルミニウムシャフトの表面にポリテトラフルオロエチレンのラテックスコーティングを施し、300℃で15分加熱焼成した。このロールと上記ロールを接触させ、2kgの荷重をかけ、ニップ幅を測定したところ、12mmであった。
【0082】
更に、PPC複写機の定着ロールとして組み込み、5千枚複写を行ったところ、定着むらのある複写物が得られた。
【0083】
【発明の効果】
本発明の低硬度シリコーンゴム定着用ロールは、そのシリコーンゴム層の肉厚を薄くした場合においても、低いニップ圧によっても適度なニップ幅を得ることができる。

Claims (1)

  1. 円柱状又は円筒状の金属芯金の外周面に、硬化後のゴム反発弾性率(JIS K6301)が30%以下であり、100〜200℃にて10〜30分の一次加硫条件において硬化させた場合の最大硬度と最小硬度との差がアスカーCSR2にて10度以下のものである、下記(A)〜(D)成分を必須成分とする付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物を硬化して得られるシリコーンゴムを被覆し、その外周面にフッ素樹脂又はフッ素系ラテックスからなる低表面エネルギー性の有機樹脂層を設けてなることを特徴とする低硬度シリコーンゴム定着用ロール。
    (A)一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を分子の側鎖のみに2個以上含有し、該脂肪族不飽和炭化水素基含有シロキサン単位ユニットが0.05〜5モル%であるオルガノポリシロキサン 100重量部
    (B)下記一般式(1)
    Figure 0003904744
    (式中、R1は置換又は非置換の一価炭化水素基であり、m,nは1以上の整数である。)
    で表され、一分子中に少なくとも3個以上の珪素原子に直結した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (A)成分中の珪素原子に結合した脂肪族不飽和炭化水素基1モルに対して(B)
    成分中の珪素原子に結合した水素原子が0.1〜3.0モルとなる量
    (C)触媒量の白金及び白金系化合物
    (D)充填剤 5〜300重量部
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