JP4502100B2 - ダスト捕集部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、玄関マット用として好適なダスト捕集部材に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、表面を布あるいはパイル、他面を主としてNBRなどのゴムで一体化させた玄関マットは、次のような工程で一体化成形されていた。
▲1▼まず第一に、原反に目止め用のラテックス等により糸目パイルを固定し、▲2▼次に、カット刃にて切り抜きを行ない、▲3▼シーティングした未硬化ゴムの上に原反をのせ、プレス成形をする。
【0003】
しかし、この方法は、工程が多いこと、また、各工程の装置が必要であるため、コストがかかること、更に未硬化ゴムはシーティングが可能であることが必要な上、可塑度が低い未硬化ゴムを用いないと、布目に材料が入り込まなくなり、一体化が難しいという問題があり、この様に、工程が長いばかりでなく適度な可塑度の未硬化ゴム材料を選ばなくてはならないというわずらわしさがあった。
【0004】
しかも、プレス成形で行なわれるため、長尺ものができないという欠点もあった。
【0005】
また、NBRなどのゴムで一体化されたマットは、臭い及びゴムからの可塑剤等のブリードのために、床内に臭いがこもったり、ブリード物により床が変色したりする問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、臭いや床への汚染の問題もない上、洗濯耐久性、耐引裂き性に優れた特性を与える玄関マット用として好適なダスト捕集部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、
を含有してなるシリコーンゴム組成物を使用すると共に、マット原反として予め収縮させたものを使用し、上記シリコーンゴム組成物の硬化物と予め収縮させたマット原反とを一体化することにより得られた一体成形体(ダスト捕集部材)が、玄関マット用として優れた特性を有し、洗濯耐久性、耐引裂き性に優れ、かつ臭いや床汚染の問題がないことを知見した。
【0008】
即ち、本発明者は、玄関マット用のゴム組成物として、上述したNBRの欠点を解決するために、液状シリコーンゴム組成物を用いて種々検討したが、洗濯耐久性や引裂きに対しての強度が問題となり、洗濯耐久性としては、洗濯機内で互にこすれるためにゴムが弱いと亀裂が入るという欠点があった。そして、その原因につき検討したところ、シリコーンゴム組成物にむしろ機械的強度を高めるために通常配合される湿式フィラーを用いることにあり、この湿式フィラーを用いた充填組成物は、引裂きが弱いため、端部に機械的強度が加わると引裂き現象が生じてしまうという欠点があり、従って洗濯耐久性、機械的引裂きを解決することが課題となった。
【0009】
そこで、本発明者は、更に検討を進めた結果、フィラーとして補強性乾式フィラーを用いた上記(A)〜(D)成分を含有するシリコーンゴム組成物、特に液状シリコーンゴム組成物を用いること、しかもマット原反として予め収縮したものを使用し、この予め収縮したマット原反と一体化させることにより、工程が簡略化され、臭い、床への汚染という問題がない上、洗濯耐久性、端部の亀裂耐久性が向上し、優れた洗濯耐久性、引裂き強度を有する一体成形体(ダスト捕集部材)が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
従って、本発明は、
を含有してなるシリコーンゴム組成物の硬化物と、予め収縮させたマット原反とを一体化した一体成形体よりなるダスト捕集部材を提供する。
【0011】
この場合、マット原反としては、起毛又は絨毯状のパイルが埋め込まれた布、0.5mmφ以上のプラスチック糸が全面又は一部に植え込まれた布を用いることができる。
【0012】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のダスト捕集部材に関するシリコーンゴム組成物は、付加硬化型のものであり、前述した(A)〜(D)成分を必須成分として含有する。
【0013】
(A)成分;
本発明の組成物を構成する(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、25℃における粘度が100〜200,000mm2/secであるオルガノポリシロキサンであり、これはシリコーンゴム組成物のベースポリマーである。
【0014】
ここで、このオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。
【0015】
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。)
【0016】
上記R1で示されるケイ素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基、メタクリル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素系のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
【0017】
この場合、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(特に炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6である)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基中(即ち、前記平均組成式(1)におけるR1としての非置換又は置換の一価炭化水素基中)0.01〜20モル%、特に0.1〜10モル%とすることが好ましい。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、組成物の硬化速度、硬化物の物性等の点から、本発明で用いるオルガノポリシロキサンは、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含んだものであることが好ましい。
【0018】
上記オルガノポリシロキサンの構造は、通常は、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された基本的には直鎖状構造を有するジオルガノポリシロキサンであるが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。
【0019】
また、このオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が100〜200,000mm2/sec(即ち、cst(センチストークス))、特に500〜50,000mm2/secの範囲にあり、これに対応する重合度を有している。即ち、粘度が上記範囲よりも大であると、組成物の作業性等が損なわれ、また上記範囲よりも小さいと、硬化物の特性等に不都合を生じることがある。
【0020】
本発明において、上述したオルガノポリシロキサンは単独でもまたは2種以上を組合せて使用することもできる。かかる(A)成分のオルガノポリシロキサンの適当な例は、次の式(2)〜(4)で表されるものが代表的である。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
(上記式中、s,t,u,v,w,xは、このオルガノポリシロキサンを上述した粘度値とする0又は正の整数、pは0〜3の整数である。)
【0024】
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン;
本発明の組成物を構成する(B)成分としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、前述した(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンの架橋剤として作用するものであり、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を一分子中に2個以上有するものが使用される。即ち、前記(A)成分中のアルケニル基と、この(B)成分中のSiH基とがヒドロシリル化付加反応して架橋構造を形成することによりゴム弾性体の接着性硬化物が形成されるのである。
【0025】
この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(5)
RbHcSiO(4-b-c)/2 (5)
で示され、一分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜200個、より好ましくは3〜100個のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)を有するものが好ましい。
【0026】
上記式(5)中、Rは炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、このRとしては、上記式(1)中のR1と同様の基を挙げることができる。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cが0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくはbは1.0〜2.0、cは0.01〜1.0、b+cが1.5〜2.5である。
【0027】
一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上含有されるSiH基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は通常2〜300個、好ましくは4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが望ましい。
【0028】
式(5)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)3SiO1/2単位とからなる共重合体などが挙げられ、下記のものを例示することができる。
【0029】
【化4】
(上記式中、e,f,g,i,j,k,mは0または正の整数を表し、hは2以上の整数を表す。)
【0030】
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、前記した(A)成分としてのオルガノポリシロキサンに含まれるケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を1.0〜6.0個供給するのに充分な量、好ましくはケイ素原子に結合したアルケニル基に対するSiH基のモル比が1.2〜4.0となるような割合で使用される。
【0031】
(C)白金族金属系触媒;
(C)成分の白金族金属系触媒は、前記アルケニル基とSiH基との付加反応用触媒であり、硬化促進剤として作用する。かかる触媒としては、白金系、パラジウム系、ロジウム系のものがあり、これらの何れも使用することができる。本発明においては特に白金系の触媒が好適であり、これに限定されるものではないが、例えば白金黒、アルミナ、シリカなどの担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体等を好適に使用することができる。
【0032】
これらの触媒の使用にあたっては、それが固体触媒であるときには、分散性をよくするために細かく砕いたり、その担体を粒径が小さく且つ比表面積が大きいものとすることが好ましい。また塩化白金酸とオレフィンとの錯体については、これらをアルコール、ケトン、エーテルもしくは炭化水素系などの溶剤に溶解して使用することが望ましい。
【0033】
これら触媒の使用量は、所謂触媒量で所望の硬化速度を得ることができ、白金族金属として(A)成分に対し1〜1,000ppmとすることができるが、経済的見地或いは良好な硬化物を得るためには、次のような割合で使用することが好適である。即ち、塩化白金酸のようにシロキサン成分と相溶するものについては、前記(A)成分に対して1〜500ppm(白金換算)、また白金黒等の固体触媒については、20〜1,000ppm(白金換算)の範囲とするのがよい。
【0034】
(D)補強性乾式フィラー;
本発明の組成物を構成する(D)成分としての補強性乾式フィラーは前述した(A),(B),(C)成分よりなる付加型シリコーンゴム組成物に強度、粘性を付与するものである。この補強性乾式フィラーとしては、BET吸着法による比表面積が50m2/g以上、通常50〜400m2/g、好ましくは100〜350m2/g程度の微粉末状のシリカ系充填剤を使用することができる。
【0035】
具体的には、ヒュームドシリカ、疎水化処理したヒュームドシリカ等が挙げられ、単独あるいは2種以上の組合せで使用される。具体的には、親水性の乾式シリカとして、Aerosil 130,200,300(日本アエロジル製,Degussa社製)、疎水性の乾式シリカとして、Aerosil R−812,R−812S,R−972,R−974(Degussa社製)などが挙げられる。
【0036】
(D)成分は、通常(A)成分の100重量部に対し、5〜50重量部の範囲で使用されるが、作業性及び硬化度の強度の点から10〜30重量部が好適である。
【0037】
なお、本発明においては、本発明の効果を損わない範囲で、親水性の湿式シリカとしてRheorosil QS−102,103(徳山曹達社製)、Cabosil MS−5,MS−7(Cahst社製)、Nipsil LP(日本シリカ社製)、疎水性の湿式シリカとしてRheorosil MT−10(徳山曹達社製)、Nipsil SSシリーズ(日本シリカ社製)等の湿式シリカを配合することはできるが、フィラーがこれら湿式シリカのみであると強度が十分に得られず、見かけ上はマットは仕上がっても洗濯耐久性、端部の引裂性に十分なものが得られなくなってしまう。
【0038】
本発明のシリコーンゴム組成物には、上記成分に加え、必要に応じて硬化物の強度を補強するために、SiO2単位、Vi(R')2SiO0.5単位及びR'3SiO0.5単位(Viはビニル基、R'は不飽和脂肪族基を含まない1価の炭化水素基)を含む樹脂構造のオルガノポリシロキサン(特公昭38−26771号、特公昭45−9476号公報等参照)を添加することもできる。更に、組成物の硬化速度を制御する目的で、Vi(R')SiO単位(Vi,R'は上記と同じ)を有するオルガノポリシロキサン(特公昭48−10947号公報等参照)、米国特許第3,445,420号明細書に開示されたアセチレン化合物、及び米国特許第3,532,649号明細書に開示された重金属のイオン性化合物等を配合することができ、また硬化物の耐熱衝撃性、可撓性等を向上させるために無官能のオルガノポリシロキサンを配合することもできる。
【0039】
また、酸化セリウムなどの耐熱向上剤、酸化チタン、ベンゾトリアゾール、炭酸亜鉛、炭酸マンガンなどの難燃性付与剤、ビニル基含有シロキサン、アセチレン系化合物などの付加反応制御剤、発泡剤等も適宜配合することができる。
【0040】
さらに、本組成物を原反マットに強固に一体化させるために組成物に接着助剤(接着付与剤)を添加することも任意である。接着付与剤としては、特開平5−271548号公報に記載されている分子中にSiH基と同時にエポキシ基及び/又はアルコキシシリル基等の官能基を有するオルガノシラン、オルガノシロキサン等の有機ケイ素化合物などが挙げられ、下記のものを例示することができる。
【0041】
【化5】
【0042】
本発明において、これら必要に応じて配合される各種の添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない限り任意である。
【0043】
上記組成物は、以上の(A)〜(D)成分及び他の任意成分を通常の液状シリコーンゴム組成物と同様の製造方法によって混練りすることにより容易に得られる。組成物は(A),(C),(D)と(A),(B),(D)の二成分によって供給される2液性のものが作業上使用しやすい。
【0044】
なお、(A)成分と(D)成分の混練は、(A)成分に(D)成分の無処理のヒュームドシリカと同時にヘキサメチルジシラザン等の処理剤をニーダー内に投入して、処理ヒュームドシリカとする場合も含んでいる。
【0045】
また、本発明において、シリコーンゴム組成物の粘度は、25℃において30〜5,000Pa・sec(パスカル・秒)、特に50〜800Pa・secの液状であることが好ましい。尚、オルガノポリシロキサンは通常、密度(g/cm3)≒1の材料であるから、前記(A)成分の粘度単位(動粘性率):mm2/sec(又はcst)はオルガノポリシロキサンに関しては粘性率:mPa・sec(ミリパスカル・秒)の単位とほぼ等価である。
【0046】
本発明において、上記シリコーンゴム組成物は、玄関マット等のダスト捕集部材用のマット原反と一体化される。この場合、マット原反乃至布としては、玄関マットとして使用可能なものであればいずれのものでもよいが、望ましくは靴の泥やよごれを吸着したりかき落とすことができるものが望ましい。具体的には、表面が起毛した布、ポリエステル等の平織りの布に直径0.5〜5mmのパイルを縫い込んだ布、さらには、そのパイルが上面で切断されているもの、また、平織りの布に直径0.5mm以上、特に0.5〜3mmのプラスチック単糸が植え込まれた人工芝状のもの等があげられる。さらに、部分的にこれらが組み合わされたもの等が挙げられる。なお、布の材質としては、ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。
【0047】
本発明においては、マット原反として予め収縮したものを使用し、これを上記シリコーンゴム組成物と一体化する。即ち、マット原反とシリコーンゴム組成物との一体化において洗濯乾燥時にマット原反(布)と硬化シリコーンゴムの収縮率に差があるため(布の方が洗濯乾燥時に縮む)、ゴムが波打ってくる現象が出やすい。これをおさえるため、上記シリコーンゴム組成物と一体化する前にマット原反(布)に対して水による収縮あるいは熱による収縮を行なうと、一体化後の収縮の差が少ないために洗濯の繰り返しによるマットの波打が減少される。布の収縮は水あるいは熱処理で1回目の収縮が大きく、2回目からは少ないので、1回処理することでかなり変形が緩和される。
【0048】
なお、マット原反に対する収縮率は、0.5〜10%、特に1.5〜5%であることが好ましく、しかもこの収縮は、縦横両方向に上記収縮率で収縮させたものが好ましい。更には,耐久洗濯時における原反の最終収縮率に近づける程望ましい。
【0049】
本発明において、上記シリコーンゴム組成物とマット原反と一体化させる方法としては、マット原反にシリコーンゴム組成物を直接塗布し、加熱硬化させる方法、コンベア上にシリコーンゴム組成物をコーターにて塗布し、これにマット原反をラミネートし、次いで加熱硬化する方法などが挙げられ、マット原反の形状、製造装置、連続的に製造するのかバッチ法によるのか等の製造条件、要求生産速度、硬化乾燥器の温度や大きさなどによって適宜選定されるが、シリコーンゴム組成物の硬化は、40〜250℃、特に80〜150℃の温度で、5〜30分程度とすることが好ましい。
【0050】
本発明のダスト捕集部材は、上記したシリコーンゴム組成物の硬化物と上記したマット原反(布)を一体化することにより得られるもので、店舗の入口等に置かれる靴底の汚れを落とすマットや人工芝のマット等に用いられる。
【0051】
本発明によれば、シリコーンゴムを用いることで、従来のNBR等のゴム臭がないばかりか耐候性、耐久性も向上し、床面への汚染もない。また、製造工程的にもいくつもの工程をふむことなく一回のラミネートにより安定した長尺ものが得られる。
【0052】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中の粘度はすべて25℃における粘度である。
【0053】
[実施例1]
両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された5,000mm2/secのジメチルポリシロキサン100重量部、及びトリメチルシリル基で表面を疎水化した比表面積200m2/gのヒュームドシリカ20重量部を150℃の加熱下で2時間ニーダーにて処理し、室温まで冷却した後、2重量%の白金を含有する塩化白金酸のオクタノール溶液を0.02重量部、制御剤として3−メチル−3−ジヒドロキシ−1−ブチンを0.005重量部加えて均一にし、更に下記平均式
【0054】
【化6】
を40重量部加えて、シリコーンゴム組成物Iを調製した。
【0055】
この組成物Iをコーター上にドクターブレードにて厚さ1.0mm、巾80cmに塗布した。一方、ナイロンパイルを埋め込んだ絨毯状の原反を浸水10分の後、120℃で30分乾燥し、縦横両方向に3%の収縮処理を行ない、この処理をした原反を上記組成物Iのコーター上への塗布層にラミネートし、次いで120℃で10分硬化して玄関マット成形体を作製した。
【0056】
その後、マットによる洗濯耐久性等を調べた。この結果を表1に示す。また、組成物Iを120℃、10分でプレスし、JIS K 6249による物性を測定した。この結果を表2に示す。
【0057】
[実施例2]
下記平均式
【化7】
で示される粘度37,500mm2/secのオルガノポリシロキサン100重量部に表面を式(CH3)3SiO0.5で示されるトリメチルシロキシ基で処理した比表面積が300m2/gのヒュームドシリカ30重量部、塩化白金酸のオクタノール変性溶液(白金濃度2.0重量%)を白金として10ppm、及び反応制御剤として3−メチル−1−ブチル−3−オール0.1重量部を添加混合し、次いで平均式
【0058】
【化8】
で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン1.3重量部を均一に混合して液状シリコーンゴム組成物IIを調製した。
【0059】
次いで、この組成物IIをドクターブレードにて0.8mm厚さで、80cm×90cmの大きさに流し、その上に2mmφのナイロンパイルが植えつけてあるポリエステル原反(長さ方向3.0%、巾方向2.0%の収縮処理をしたもの、75cm×85cm)を置き、10kgで加圧押さえつけた後、150℃、5分で硬化させ、マット成形体を作製した。その後、洗濯耐久性等を調べた。この結果を表1に示す。
【0060】
また、組成物IIを150℃、10分でプレスし、JIS K 6249によるシート物性を測定した。これは、非常に高いゴム強度と引裂強さを示した。この結果を表2に示す。
【0061】
[比較例1]
実施例1のヒュームドシリカのかわりに、湿式シリカ(即ち、沈降シリカ)ニプシル(日本シリカ社製)を80重量部配合した他は、実施例1と同様にして比較シリコーンゴム組成物IIIを調製した。他と同様に各試験を行なった結果を表1及び表2に示す。
【0062】
[比較例2]
シリコーンゴム組成物の代わりにNBRを用いて実施例1と同様にしてマット成形体を得、各試験を行なった。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
また、上記シリコーンゴム組成物I〜IIIを用い、マット原反として長手方向3.0%、巾方向1.0%に収縮させたナイロンパイルを埋め込んだポリエステル原反、長手方向3.5%、巾方向2.0%に収縮させた同ポリエステル原反、非収縮の同ポリエステル原反のそれぞれを実施例1と同様にして一体化させた場合の洗濯耐久性を評価した。結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、洗濯耐久性、端部の亀裂耐久性に優れたダスト捕集部材を提供できる。
Claims (8)
- (A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、25℃における粘度が100〜200,000mm2/secであるオルガノポリシロキサン
100重量部
(B)一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
上記(A)成分中のアルケニル基1個に対し、ケイ素原子に結合した水素原子を1.0〜6.0個供給する量
(C)白金族金属系触媒 白金族金属として(A)成分に対し1〜1,000ppm
(D)補強性乾式フィラー 5〜50重量部
を含有してなるシリコーンゴム組成物の硬化物と、予め収縮させたマット原反とを一体化した一体成形体よりなるダスト捕集部材。 - シリコーンゴム組成物が、25℃における粘度が30〜5,000Pa・sのものである請求項1記載のダスト捕集部材。
- マット原反が、起毛又は絨毯状のパイルが埋め込まれた布からなる請求項1又は2記載のダスト捕集部材。
- マット原反が、0.5mmφ以上のプラスチック糸が全面又は一部に植え込まれた布である請求項1又は2記載のダスト捕集部材。
- (D)補強性乾式フィラーが、BET吸着法による比表面積が50〜400m2/gのヒュームドシリカ及び疎水化処理したヒュームドシリカから選ばれる1種又は2種以上である請求項1乃至6のいずれか1項記載のダスト捕集部材。
- 予め収縮させたマット原反の縦横両方向の収縮率が0.5〜10%である請求項1乃至7のいずれか1項記載のダスト捕集部材。
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