JPH11124362A - 置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成分化合物とする分子化合物 - Google Patents

置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成分化合物とする分子化合物

Info

Publication number
JPH11124362A
JPH11124362A JP28984697A JP28984697A JPH11124362A JP H11124362 A JPH11124362 A JP H11124362A JP 28984697 A JP28984697 A JP 28984697A JP 28984697 A JP28984697 A JP 28984697A JP H11124362 A JPH11124362 A JP H11124362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
hydroxydiphenylsulfone
molecular compound
compound
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP28984697A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4367976B2 (ja
Inventor
Izuo Aoki
伊豆男 青木
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
Masato Amaike
正登 天池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soda Co Ltd filed Critical Nippon Soda Co Ltd
Priority to JP28984697A priority Critical patent/JP4367976B2/ja
Publication of JPH11124362A publication Critical patent/JPH11124362A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4367976B2 publication Critical patent/JP4367976B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 有用物質の選択分離、化学的安定化、不揮発
化、徐放化、粉末化などの技術分野において優れた性能
を示す新規な分子化合物を提供する。 【解決手段】 一般式I〜IIIの置換ヒドロキシヒドロ
キシジフェニルスルホンを成分化合物とする分子化合物
を製造する。 これら化合物の具体例には4−イソプロポキシ−4′−
ヒドロキシジフェニルスルホンがある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規分子化合物に
係わり、更に詳しくは特定の構造を有する置換ヒドロキ
シヒドロキシジフェニルスルホンを成分化合物とする分
子化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子化合物は、二種以上の化合物が水素
結合やファンデルワールス力などに代表される、共有結
合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物で
あり、簡単な操作によってもとの各成分化合物に解離す
る性質を有することから、近年、有用物質の選択分離、
化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの技術分
野における応用が期待されている。
【0003】具体的な分子化合物の一例として包接化合
物が挙げられ、例えば特開昭61−53201号公報に
は、1,1,6,6,−テトラフェニル−2,4−ヘキ
サジイン−1,6−ジオール又は1,1−ジ(2,4−
ジメチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、特開
昭62−22701号公報には、1,1′−ビス−2−
ナフトールとそれぞれ、5−クロロ−2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オン等との包接化合物が記載され
ている。また、特開平3−279373号公報には、ビ
スフェノール系化合物とイソチアゾロン系化合物との包
接化合物が報告されている。更に、特開平6−1666
46号公報にはテトラキスフェノール類と種々の有機化
合物との包接化合物が開示されている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】しかし、従来の技術では選択
分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化等にお
いて十分満足できる性能を持った分子化合物は未だ見出
されていない。本発明の課題は、有用物質の選択分離、
化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの技術分
野において優れた性能を示す、特定構造を有する置換ヒ
ドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成分化合物と
する新規な分子化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、一般式(I)
【化4】 又は一般式(II)
【化5】 又は一般式(III)
【化6】 (式中、X、Y及びZは直鎖もしくは分岐を有してもよ
いC1〜C8のアルキル基、直鎖もしくは分岐を有して
もよいC2〜C8のアルケニル基、C1〜C4のアルキ
ル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜
C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原
子を有してもよいシクロヘキシル基、C1〜C4のアル
キル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1
〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン
原子を有してもよいシクロペンチル基、C1〜C4のア
ルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC
1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲ
ン原子を有してもよいベンジル基、C1〜C4のアルキ
ル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜
C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原
子を有してもよいフェネチル基、C1〜C4のアルキル
基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C
4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原子
を有してもよいα―メチルベンジル基、又はC1〜C4
のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしく
はC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハ
ロゲン原子を有してもよいナフチルメチル基を表し、R
1〜R8、R9〜R16及びR17〜R24 は互いに同一又は異
なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4の
アルキル基、C2〜C4のアルケニル基を表す)で表さ
れる置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成
分化合物とする分子化合物が有用物質の選択分離、化学
的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化等の技術分野にお
いて極めて優れた性能を示すことを見出し、本発明を完
成した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における分子化合物とは、
単独で安定に存在することのできる化合物の二種以上の
成分化合物が水素結合やファンデルワールス力などに代
表される共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結
合した化合物であり、水化物、溶媒化物、付加化合物、
包接化合物などが含まれる。
【0007】本発明の分子化合物を構成する成分化合物
である一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III)
で表される置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホ
ンにおいて、式中、X、Y及びZは直鎖もしくは分岐を
有してもよいC1〜C8のアルキル基、直鎖もしくは分
岐を有してもよいC2〜C8のアルケニル基、C1〜C
4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もし
くはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくは
ハロゲン原子を有してもよいシクロヘキシル基、C1〜
C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基も
しくはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしく
はハロゲン原子を有してもよいシクロペンチル基、C1
〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基
もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もし
くはハロゲン原子を有してもよいベンジル基、C1〜C
4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もし
くはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくは
ハロゲン原子を有してもよいフェネチル基、C1〜C4
のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしく
はC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハ
ロゲン原子を有してもよいα−メチルベンジル基、又は
C1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニ
ル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基
もしくはハロゲン原子を有してもよいナフチルメチル基
を表し、具体的な例としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、i
so−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、sec−ペ
ンチル基、neo−ペンチル基、tert−ペンチル
基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘ
キシル基、n−ヘプチル基、iso−ヘプチル基、se
c−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−オクチル
基、sec−オクチル基、ビニル基、アリル基、1−プ
ロペニル基、iso−プロペニル基、1−ブテニル基、
2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエ
ニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペ
ンテニル基、4−ペンテニル基、ヘキシニル基、ヘキシ
ジニル基、ヘプチニル基、ヘプチジニル基、オクチニル
基、オクチジニル基、シクロペンチル基、メチルシクロ
ペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシ
ル基、トリメチルシクロヘキシル基、テトラメチルシク
ロヘキシル基、ペンタメチルシクロヘキシル基、ヘキサ
メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシ
クロヘプチル基、ベンジル基、o−又はm−又はp−ト
ルイルメチル基、2,3−又は2,4−又は2,5−又
は2,6−又は3,4−又は3,5−又は4,5−キシ
リルメチル基、メシチルメチル基、o−又はm−又はp
−クメニルメチル基、フェネチル基、α−メチルベンジ
ル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基な
どが挙げられる。
【0008】また、本発明の分子化合物を構成する成分
化合物である一般式(I)、一般式(II)及び一般式
(III) で表される置換ヒドロキシヒドロキシジフェニ
ルスルホンにおいて、式中R1〜R8、R9〜R16及びR
17〜R24 は互いに同一又は異なってもよく、水素原
子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C
4のアルケニル基を表し、具体的な例としては、水素原
子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨード原子、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル
基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、iso
−プロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、
3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基などが挙げ
られる。
【0009】本発明で使用する置換ヒドロキシヒドロキ
シジフェニルスルホンは一般式(I)、一般式(II)又
は一般式(III) で表される化合物であれば特に限定さ
れないが、一般式(I)で表される化合物の具体的な例
としては、4−メトキシ−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、4−エトキシ−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、4−プロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4−(iso−プロポキシ)−4′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン、4−ブトキシ−4′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン、4−(iso−ブトキシ)
−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(sec
−ブトキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4−(tert−ブトキシ)−4′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4−ペンチルオキシ−4′−ヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4−(iso−ペンチルオキシ)
−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(sec
−ペンチルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスル
ホン、4−(neo−ペンチルオキシ)−4′−ヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−(tert−ペンチルオ
キシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヘ
キシルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4−(iso−ヘキシルオキシ)−4′−ヒドロキシジ
フェニルスルホン、4−(sec−ヘキシルオキシ)−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヘプチルオ
キシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(i
so−ヘプチルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、4−(sec−ヘプチルオキシ)−4′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4−オクチルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(iso−
オクチルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−(sec−オクチルオキシ)−4′−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、4−ビニルオキシ−4′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン、4−アリルオキシ−4′−
ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(1−プロペニル
オキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−
(iso−プロペニルオキシ)−4′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−(1−ブテニルオキシ)−4′−
ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(2−ブテニルオ
キシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−
(3−ブテニルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、4−(1,3−ブタンジエニルオキシ)−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(1−ペン
テニルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−(2−ペンテニルオキシ)−4′−ヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4−(3−ペンテニルオキシ)−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(4−ペン
テニルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−ヘキシニルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4−ヘキシジニルオキシ−4′−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、4−ヘプチニルオキシ−4′−
ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヘプチジニルオキ
シ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−オクチ
ニルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4
−オクチジニルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルス
ルホン、4−シクロペンチルオキシ−4′−ヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4−メチルシクロペンチルオキシ
−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ジメチル
シクロペンチルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルス
ルホン、4−シクロヘキシルオキシ−4′−ヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4−メチルシクロヘキシルオキシ
−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ジメチル
シクロヘキシルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルス
ルホン、4−トリメチルシクロヘキシルオキシ−4′−
ヒドロキシジフェニルスルホン、4−テトラメチルシク
ロヘキシルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−ペンタメチルシクロヘキシルオキシ−4′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4−ヘキサメチルシクロ
ヘキシルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−シクロヘプチルオキシ−4′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、4−トルイルメチルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−キシリルメ
チルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4
−メシチルメチルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、4−クメニルメチルオキシ−4′−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、4−フェネチルオキシ−4′−
ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(α−メチルベン
ジルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4−(1−ナフチルメチルオキシ)−4′−ヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4−(2−ナフチルメチルオキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンなどが挙げ
られる。
【0010】一般式(II)で表される化合物の具体的な
例としては、2−メトキシ−4′−ヒドロキシジフェニ
ルスルホン、2−エトキシ−4′−ヒドロキシジフェニ
ルスルホン、2−プロポキシ−4′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン、2−(iso−プロポキシ)−4′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホン、2−ブトキシ−4′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホン、2−(iso−ブトキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(s
ec−ブトキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2−(tert−ブトキシ)−4′−ヒドロキシジ
フェニルスルホン、2−ペンチルオキシ−4′−ヒドロ
キシジフェニルスルホン、2−(iso−ペンチルオキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(s
ec−ペンチルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、2−(neo−ペンチルオキシ)−4′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホン、2−(tert−ペンチ
ルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2
−ヘキシルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2−(iso−ヘキシルオキシ)−4′−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、2−(sec−ヘキシルオキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−ヘプ
チルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2
−(iso−ヘプチルオキシ)−4′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、2−(sec−ヘプチルオキシ)−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−オクチルオ
キシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(i
so−オクチルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、2−(sec−オクチルオキシ)−4′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホン、2−ビニルオキシ−4′
−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−アリルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(1−プロ
ペニルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2−(iso−プロペニルオキシ)−4′−ヒドロ
キシジフェニルスルホン、2−(1−ブテニルオキシ)
−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(2−ブ
テニルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2−(3−ブテニルオキシ)−4′−ヒドロキシジ
フェニルスルホン、2−(1,3−ブタンジエニルオキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(1
−ペンテニルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルス
ルホン、2−(2−ペンテニルオキシ)−4′−ヒドロ
キシジフェニルスルホン、2−(3−ペンテニルオキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(4
−ペンテニルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルス
ルホン、2−ヘキシニルオキシ−4′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、2−ヘキシジニルオキシ−4′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン、2−ヘプチニルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−ヘプチジニ
ルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−
オクチニルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2−オクチジニルオキシ−4′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン、2−シクロヘキシルオキシ−4′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン、2−メチルシクロヘキシル
オキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−ジ
メチルシクロヘキシルオキシ−4′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン、2−トリメチルシクロヘキシルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−テトラメチ
ルシクロヘキシルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、2−ペンタメチルシクロヘキシルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−ヘキサメチ
ルシクロヘキシルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、2−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、2−トルイルメチルオキシ−4′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホン、2−キシリルメチルオキ
シ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−メシチ
ルメチルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2−クメニルメチルオキシ−4′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、2−フェネチルオキシ−4′−ヒドロ
キシジフェニルスルホン、2−(α−メチルベンジルオ
キシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−
(1−ナフチルメチルオキシ)−4′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、2−(2−ナフチルメチルオキシ)−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホンなどが挙げられ
る。
【0011】一般式(III) で表される化合物の具体的
な例としては、4−メトキシ−2′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4−エトキシ−2′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4−プロポキシ−2′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−(iso−プロポキシ)−2′−
ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ブトキシ−2′−
ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(iso−ブトキ
シ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(s
ec−ブトキシ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−(tert−ブトキシ)−2′−ヒドロキシジ
フェニルスルホン、4−ペンチルオキシ−2′−ヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−(iso−ペンチルオキ
シ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(s
ec−ペンチルオキシ)−2′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、4−(neo−ペンチルオキシ)−2′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4−(tert−ペンチ
ルオキシ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4
−ヘキシルオキシ−2′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−(iso−ヘキシルオキシ)−2′−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、4−(sec−ヘキシルオキ
シ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヘプ
チルオキシ−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4
−(iso−ヘプチルオキシ)−2′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−(sec−ヘプチルオキシ)−
2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−オクチルオ
キシ−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(i
so−オクチルオキシ)−2′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、4−(sec−オクチルオキシ)−2′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4−ビニルオキシ−2′
−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−アリルオキシ−
2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(1−プロ
ペニルオキシ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−(iso−プロペニルオキシ)−2′−ヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−(1−ブテニルオキシ)
−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(2−ブ
テニルオキシ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−(3−ブテニルオキシ)−2′−ヒドロキシジ
フェニルスルホン、4−(1,3−ブタンジエニルオキ
シ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(1
−ペンテニルオキシ)−2′−ヒドロキシジフェニルス
ルホン、4−(2−ペンテニルオキシ)−2′−ヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−(3−ペンテニルオキ
シ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(4
−ペンテニルオキシ)−2′−ヒドロキシジフェニルス
ルホン、4−ヘキシニルオキシ−2′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−ヘキシジニルオキシ−2′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン、4−ヘプチニルオキシ−
2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヘプチジニ
ルオキシ−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−
オクチニルオキシ−2′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−オクチジニルオキシ−2′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4−シクロヘキシルオキシ−2′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン、4−メチルシクロヘキシル
オキシ−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ジ
メチルシクロヘキシルオキシ−2′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4−トリメチルシクロヘキシルオキシ−
2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−テトラメチ
ルシクロヘキシルオキシ−2′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、4−ペンタメチルシクロヘキシルオキシ−
2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヘキサメチ
ルシクロヘキシルオキシ−2′−ヒドロキシジフェニル
スルホン、4−ベンジルオキシ−2′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−トルイルメチルオキシ−2′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4−キシリルメチルオキ
シ−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−メシチ
ルメチルオキシ−2′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−クメニルメチルオキシ−2′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−フェネチルオキシ−2′−ヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−(α−メチルベンジルオ
キシ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−
(1−ナフチルメチルオキシ)−2′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−(2−ナフチルメチルオキシ)−
2′−ヒドロキシジフェニルスルホンなどが挙げられ
る。
【0012】一般式(I)で表される上記置換ヒドロキ
シヒドロキシジフェニルスルホンのうち、有用物質の選
択分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化など
の性能の点から、特に4−(iso−プロポキシ)−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(sec−
ブトキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4
−(sec−ペンチルオキシ)−4′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、4−トルイルメチルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(α−メチ
ルベンジルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスル
ホン、4−(1−ナフチルメチルオキシ)−4′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン、4−(2−ナフチルメチル
オキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンが好ま
しい。
【0013】一般式(II)で表される上記置換ヒドロキ
シヒドロキシジフェニルスルホンのうち、有用物質の選
択分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化など
の性能の点から、特に2−(iso−プロポキシ)−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(sec−
ブトキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2
−(sec−ペンチルオキシ)−4′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、2−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、2−トルイルメチルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(α−メチ
ルベンジルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスル
ホン、2−(1−ナフチルメチルオキシ)−4′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン、2−(2−ナフチルメチル
オキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンが好ま
しい。
【0014】一般式(III) で表される上記置換ヒドロ
キシヒドロキシジフェニルスルホンのうち、有用物質の
選択分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化な
どの性能の点から、特に4−(iso−プロポキシ)−
2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(sec−
ブトキシ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4
−(sec−ペンチルオキシ)−2′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−2′−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、4−トルイルメチルオキシ−
2′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(α−メチ
ルベンジルオキシ)−2′−ヒドロキシジフェニルスル
ホン、4−(1−ナフチルメチルオキシ)−2′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン、4−(2−ナフチルメチル
オキシ)−2′−ヒドロキシジフェニルスルホンが好ま
しい。
【0015】一般式(I)で表される置換ヒドロキシヒ
ドロキシジフェニルスルホンは、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウムのようなアルカリ存在下、トルエン
のような有機溶媒中又は水−トルエン混合溶媒中など
で、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンにハロ
ゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化シ
クロアルキル、ハロゲン化ベンジル、ハロゲン化フェネ
チル等を加熱条件下で反応させることにより製造するこ
とができる。
【0016】また、一般式(II)及び一般式(III) で
表される置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホン
は、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンの代わ
りに2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用
することにより、一般式(I)で表される置換ヒドロキ
シヒドロキシジフェニルスルホンの製造法に準じて製造
することができる。
【0017】本発明の置換ヒドロキシヒドロキシジフェ
ニルスルホンは、通常結晶固体であるが、アモルファス
或いは油状の場合もある。また、結晶多形をとることも
あるが、これらの形態に係わりなく、一般式(I)、一
般式(II)及び一般式(III)で表される置換ヒドロキ
シヒドロキシジフェニルスルホンはすべて本発明に属す
る。
【0018】本発明において、一般式(I)、一般式
(II)及び一般式(III) で表される置換ヒドロキシヒ
ドロキシジフェニルスルホンと分子化合物を形成する物
質は、かかる置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスル
ホンと分子化合物を形成し得るものであれば良く特に制
限されるものではない。具体的な例としては、水、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、アリ
ルアルコール、プロパルギルアルコール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、シクロヘキサンジオール、2−ブロモ−2−
ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ
−2−ニトロエタノール、4−クロロフェニル−3−ヨ
ードプロパルギルホルマール等のアルコール類、ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、n−ブチルアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フタル
アルデヒド、α−ブロムシンナムアルデヒド、フェニル
アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトン、ジブチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセ
トン、2−ブロモ−4′−ヒドロキシアセトフェノン等
のケトン類、アセトニトリル、アクリロニトリル、n−
ブチロニトリル、マロノニトリル、フェニルアセトニト
リル、ベンゾニトリル、シアノピリジン、2,2−ジブ
ロモメチルグルタルニトリル、2,3,5,6−テトラ
クロロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−
トリフルオロイソフタロニトリル、1,2−ジブロモ−
2,4−ジシアノブタン等のニトリル類、ジエチルエー
テル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、テトラヒドロピラン、ジオキソラン、トリオキサ
ン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、n−ヘプチルアセテート、ビス−1,4−ブロモア
セトキシ−2−ブテン等のエステル類、ベンゼンスルホ
ンアミド等のスルホンアミド類、N−メチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジシアンジアミ
ド、ジブロムニトリルプロピオンアミド、2,2−ジブ
ロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、N,N−ジエチ
ル−m−トルアミド等のアミド類、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、ジクロロエチレン、テトラクロロエチレン
等のハロゲン化炭化水素、ε−カプロラクタム等のラク
タム類、ε−カプロラクトン等のラクトン類、アリール
グリシジルエーテル等のオキシラン類、モルホリン類、
フェノール、クレゾール、レゾルシノール、p−クロロ
−m−クレゾール等のフェノール類、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、シュウ酸、クエン酸、アジピン酸、酒石酸、
安息香酸、フタル酸、サリチル酸等のカルボン酸類及び
チオカルボン酸類、スルファミン酸類、チオカルバミン
酸類、チオセミカルバジド類、尿素、フェニル尿素、ジ
フェニル尿素、チオ尿素、フェニルチオ尿素、ジフェニ
ルチオ尿素、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素等
の尿素及びチオ尿素類、イソチオ尿素類、スルホニル尿
素類、チオフェノール、アリルメルカプタン、n−ブチ
ルメルカプタン、ベンジルメルカプタン等のチオール
類、ベンジルスルフィド、ブチルメチルスルフィド等の
スルフィド類、ジブチルジスルフィド、ジベンジルジス
ルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のジス
ルフィド類、ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキ
シド、ジベンジルスルホキシド等のスルホキシド類、ジ
メチルスルホン、フェニルスルホン、フェニル−(2−
シアノ−2−クロロビニル)スルホン、ヘキサブロモジ
メチルスルホン、ジヨードメチルパラトリルスルホン等
のスルホン類、チオシアン酸メチルエステル、イソチオ
シアン酸メチルエステル等のチオシアン酸類及びイソチ
オシアン酸類、グリシン、アラニン、ロイシン、リジ
ン、メチオニン、グルタミン等のアミノ酸類、アミド及
びウレタン化合物類、酸無水物類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アルカン類、アル
ケン類、アルキン類、ブチルイソシアネート、シクロヘ
キシルイソシアネート、フェニルイソシアネート等のイ
ソシアネート類、メチレンビスチオシアネート、メチレ
ンビスイソチオシアネート等のチオシアネート類及びイ
ソチオシアネート類、トリス(ヒドロキシメチル)ニト
ロメタン等のニトロ化合物類、アンモニア、メチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペ
ンチルアミン、ヘキシルアミン、アリルアミン、ヒドロ
キシルアミン、エタノールアミン、ベンジルアミン、エ
チレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−
プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−
ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、ジプロピレンジアミン、N,N−ジメ
チルエチレンジアミン、N,N′−ジメチルエチレンジ
アミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミ
ン、N−エチル−1,3−プロパンジアミン、トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン、アルキル−t−モノアミ
ン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、グアニジ
ン、N−(2−ヒドロキシプロピル)アミノメタノール
等の非環式脂肪族アミン類、シクロヘキシルアミン、シ
クロヘキサンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)メタン、ピロリジン類、アゼチジン類、ピペリジン
類、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、N,
N′−ジメチルピペラジン等のピペラジン類、ピロリン
類等の環式脂肪族アミン類、アニリン、N―メチルアニ
リン、N,N−ジメチルアニリン、o−フェニレンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルホン、m−キレンジアミン等の芳香族アミン類、エポ
キシ化合物付加ポリアミン、マイケル付加ポリアミン、
マンニッヒ付加ポリアミン、チオ尿素付加ポリアミン、
ケトン封鎖ポリアミン等の変性ポリアミン類、イミダゾ
ール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾー
ル、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ウンデシ
ル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イ
ミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−
メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、1−ベン
ジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ピ
ロール、ピリジン、ピコリン、ピラジン、ピリダジン、
ピリミジン、ピラゾール、トリアゾール、ベンゾトリア
ゾール、トリアジン、テトラゾール、プリン、インドー
ル、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾ
リン、ピロリン、オキサゾール、ピペリン、ピリミジ
ン、ピリダジン、ベンズイミダゾール、インダゾール、
キナゾリン、キノキサリン、フタルイミド、アデニン、
シトシン、グアニン、ウラシル、2−メトキシカルボニ
ルベンズイミダゾール、2,3,5,6−テトラクロロ
−4−メタンスルホニルピリジン、2,2−ジチオ−ビ
ス−(ピリジン−1−オキサイド)、N−メチルピロリ
ドン、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、2
−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、ヘキサ
ヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)
−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエ
チル−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−t−ブチ
ルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジ
ン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミ
ド、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダン
トイン、2−メトキシカルボニルベンズイミダゾール、
2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド等の含窒素
複素環化合物、フラン、フルフリルアルコール、テトラ
ヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアミン、ピラ
ン、クマリン、ベンゾフラン、キサンテン、ベンゾジオ
キサン等の含酸素複素環化合物、オキサゾール、イソオ
キサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾー
ル、5−メチルオキサゾリジン、4−(2−ニトロブチ
ル)モルホリン、4,4′−(2−エチル−2−ニトロ
トリメチレン)ジモルホリン等の含窒素及び酸素複素環
化合物、チオフェン、3,3,4,4−テトラヒドロチ
オフェン−1,1−ジオキサイド、4,5−ジクロロ−
1,2−ジチオラン−3−オン、5−クロロ−4−フェ
ニル−1,2−ジチオラン−3−オン、3,3,4,4
−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオ
キシド等の含硫黄複素環化合物、チアゾール、ベンゾチ
アゾール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン、4,5−ジクロロ−3−n−オクチルイソチアゾ
リン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−
3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、
2−チオシアノメチルベンゾチアゾール、2−(4−チ
アゾリル)ベンズイミダゾール、2−チオシアノメチル
ベンゾチアゾール等の含窒素及び硫黄複素環化合物、コ
レステロール等のステロイド類、ブルシン、キニン、テ
オフィリン等のアルカロイド類、シネオール、ヒノキチ
オール、メントール、テルピネオール、ボルネオール、
ノポール、シトラール、シトロネロール、シトロネラー
ル、ゲラニオール、メントン、オイゲノール、リナロー
ル、ジメチルオクタノール等の天然精油類、キンモクセ
イ、ジャスミン、レモン等の合成香料類、アスコルビン
酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のビタミン及び関
連化合物等を例示することができる。
【0019】本発明の分子化合物は、一般式(I)、一
般式(II)及び一般式(III) で表される置換ヒドロキ
シヒドロキシジフェニルスルホンと、かかる置換ヒドロ
キシヒドロキシジフェニルスルホンと分子化合物を形成
する前記のような物質とを直接混合するか、或いは溶媒
中で混合することにより得ることができる。また、低沸
点の物質或いは蒸気圧の高い物質の場合は、本発明の置
換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンにこれら物
質の蒸気を作用させることにより目的とする分子化合物
を得ることができる。更に、まず本発明の置換ヒドロキ
シヒドロキシジフェニルスルホンとある物質との分子化
合物を生成させ、この分子化合物と別の物質とを上記の
ような方法で反応させることにより目的とする分子化合
物を得ることもできる。
【0020】これらの方法により得られた物質が確かに
分子化合物であることは、熱分析(TG及びDTA)、
赤外吸収スペクトル(IR)、X線回折パターン、固体
NMRスペクトル等により確認することができる。ま
た、分子化合物の組成は熱分析、 1HNMRスペクト
ル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、元素分
析等により確認することができる。
【0021】本発明の分子化合物はその生成条件によ
り、これを構成する各成分化合物の比率が変化すること
がある。また、本発明の置換ヒドロキシヒドロキシジフ
ェニルスルホンに対して、二種類以上の物質を反応させ
ることにより、三成分以上の多成分からなる分子化合物
を得ることもできる。
【0022】本発明の分子化合物は、有用物質の選択分
離、化学的安定化、不揮発化、粉末化等の機能の点、及
び一定の組成の分子化合物を安定的に製造するなどの目
的から、結晶性であることが好ましく、特に結晶性の包
接化合物であることがより好ましい。この際、同一の分
子化合物であっても結晶多形をとることがある。結晶性
の確認は主にX線回折パターンを調べることによりでき
る。また結晶多形の存在は熱分析、X線回折パターン、
固体NMR等により確認できる。ここで、包接化合物と
は、原子又は分子が結合してできた三次元構造の内部に
適当な大きさの空孔があり、その中に他の原子又は分子
が非共有結合的な相互作用により一定の組成比で入り込
んだ物質を指す。
【0023】本発明の分子化合物の使用形態には特に制
限はなく、例えばそれぞれ異なる成分化合物で構成され
た二種類以上の分子化合物を混合して使用することがで
きる。また、本発明の分子化合物は目的とする機能を損
なわない限り、他の物質を併用して使うことができる。
本発明の分子化合物に賦形剤等を与え、顆粒や錠剤を成
形して使用することもできる。更に、樹脂、塗料、並び
にそれらの原料や原料組成物中に添加して使用すること
もできる。本発明の分子化合物はそのまま有機合成の原
料として使用したり、分子化合物を特異的な反応場とし
て使用することもできる。
【0024】例えば、本発明における上記一般式
(I)、一般式(II)及び一般式(III)で表される置
換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンをホスト化
合物とし、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン等のイソチアゾロン系殺菌剤、ヒノキチオール、
1,8−シネオール等の抗菌・殺虫・防虫剤、ローズマ
リー等の香料、イソチアゾロン系化合物等の防汚剤、無
水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、2−エチル−
4−メチルイミダゾール等のエポキシ樹脂用硬化剤及び
1,8−ジアザビシクロ(4,5,0)ウンデセン−7
等のエポキシ樹脂用硬化促進剤などの触媒又はトルエ
ン、キシレン、ピリジン等の有機溶媒をゲストとした包
接化合物は、ゲスト化合物が本来有する作用の他に、徐
放性、皮膚刺激性の軽減、化学的安定化、不揮発化、粉
末化、有用物質の選択分離等の機能が新たに付与され、
新しい特性を有する殺菌剤、抗菌剤、殺虫・防虫剤、香
料、防汚剤、エポキシ樹脂用硬化剤等の触媒、有機溶媒
として極めて有用である。
【0025】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるも
のではない。
【0026】実施例1 4−(iso−プロポキシ)−4′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン(融点129〜130℃)20グラムをト
ルエン100ミリリットルに加熱溶解した後、室温で2
4時間放置した。析出した結晶を濾取し、室温下ロータ
リー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、4−(is
o−プロポキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ンとトルエンとの組成比率1:1(モル比)から成る分
子化合物を得た。次にトルエンの代わりにo−キシレン
を使用し、同様の操作を行って4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとo−キシ
レンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物
を得た。更にo−キシレンの代わりにm−キシレンを使
用し、同様の操作を行って4−(iso−プロポキシ)
−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとm−キシレン
との組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物を得
た。各々が前記の組成の分子化合物であることは熱分析
(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンに
より確認した。またX線回折パターンから各々の分子化
合物が明らかに結晶性であることを確認した。各々の分
子化合物はトルエンをおよそ55℃〜80℃の範囲、o
−キシレンをおよそ65℃〜120℃の範囲、m−キシ
レンをおよそ55℃〜86℃の範囲で放出した。4−
(iso−プロポキシ)−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホンとトルエン、o−キシレン及びm−キシレンと
の分子化合物の 1HNMRスペクトル(重クロロホルム
溶媒使用)をそれぞれ図1、図2及び図3に示し、熱分
析(TG/DTA)チャートをそれぞれ図4、図5及び
図6に示した。また、4−(iso−プロポキシ)−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとo−キシレン及
びm−キシレンとの分子化合物の粉末X線回折パターン
をそれぞれ図7及び図8に示した。更に、比較のため
に、4−(iso−プロポキシ)−4′−ヒドロキシジ
フェニルスルホンの 1HNMRスペクトル及び粉末X線
回折パターンをそれぞれ図9及び図10に示した。この
ように本発明の分子化合物は、室温で液体であるトルエ
ン、o−キシレン及びm−キシレンを粉末化し、また揮
発の制御を可能にした。
【0027】実施例2 4−(iso−プロポキシ)−4′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン20グラムをo−キシレンとp−キシレン
の1:1(容量比率)の混合溶媒100ミリリットルに
加熱溶解した後、室温で24時間放置した。析出した結
晶を濾取し、室温下ロータリー真空ポンプを用いて5時
間減圧乾燥したところ、4−(iso−プロポキシ)−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとo−キシレンと
の組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物が得ら
れた。この分子化合物中にp−キシレンは極く僅かしか
含有されておらず、o−キシレンのみが選択的に分子化
合物を形成した。このものが前記の組成の分子化合物で
あることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX
線回折パターンにより確認した。またX線回折パターン
から分子化合物が明らかに結晶性であることを確認し
た。この分子化合物はo−キシレンをおよそ65℃〜1
20℃の範囲で放出した。本分子化合物の 1HNMR
(重クロロホルム溶媒使用)、熱分析(TG/DTA)
チャート及び粉末X線回折パターンをそれぞれ図11、
図12及び図13に示した。このように本発明の分子化
合物は、構造異性体であるo−キシレンとp−キシレン
の混合溶液からo−キシレンのみを選択的に包接分離し
た。
【0028】実施例3 4−(iso−プロポキシ)−4′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン20グラムをo−キシレンとm−キシレン
の1:1(容量比率)の混合溶媒100ミリリットルに
加熱溶解した後、室温で24時間放置した。析出した結
晶を濾取し、室温下ロータリー真空ポンプを用いて5時
間減圧乾燥したところ、4−(iso−プロポキシ)−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、o−キシレン及
びm−キシレンとの組成比率1:0.75:0.25
(モル比)から成る分子化合物を得た。このものが前記
の組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DT
A)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認し
た。またX線回折パターンから分子化合物が明らかに結
晶性であることを確認した。この分子化合物はo−キシ
レン及びp−キシレンをおよそ60℃〜125℃の範囲
で放出した。本分子化合物の 1HNMR(重クロロホル
ム溶媒使用)、熱分析(TG/DTA)チャート及び粉
末X線回折パターンをそれぞれ図14、図15及び図1
6に示した。このように本発明の分子化合物は、構造異
性体であるo−キシレンとm−キシレンの混合溶液から
o−キシレンをより選択的に包接した。
【0029】実施例4 4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスル
ホン(融点167〜169℃)20グラムをピリジン4
0ミリリットルに加熱溶解した後、5℃で24時間放置
し、析出した結晶を濾取して室温下ロータリー真空ポン
プを用いて5時間減圧乾燥し、4−ベンジルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとピリジンとの組
成比率1:1(モル比)から成る分子化合物を得た。次
に、4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニル
スルホン20グラムをiso−プロパノール100ミリ
リットルに懸濁し、10分間還流温度で加熱した後、2
4時間室温で放置した。固体成分を濾取し、室温下ロー
タリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、4−ベン
ジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとi
so−プロパノールとの組成比率1:0.5(モル比)
から成る分子化合物を得た。更に、iso−プロパノー
ルの代わりにp−キシレンを使用し、同様の操作により
4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスル
ホンとp−キシレンとの組成比率1:0.4(モル比)
から成る分子化合物を得た。各々が前記の組成の分子化
合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR
及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パ
ターンから各々の分子化合物が明らかに結晶性であるこ
とを確認した。各々の分子化合物はピリジンを80℃〜
110℃の範囲、iso−プロパノールをおよそ70℃
〜105℃の範囲、p−キシレンをおよそ90℃〜10
6℃の範囲で放出した。4−ベンジルオキシ−4′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホンとピリジンとの分子化合物
1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6
溶媒使用)及び熱分析(TG/DTA)チャートをそれ
ぞれ図17及び図18に示した。また、4−ベンジルオ
キシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとiso−
プロパノール及びp−キシレンとの分子化合物の 1HN
MRスペクトルをそれぞれ図19及び図20に示した。
更に、比較のために、4−ベンジルオキシ−4′−ヒド
ロキシジフェニルスルホンの 1HNMRスペクトルを図
21に示した。このように本発明の分子化合物は、室温
で液体であるピリジン、iso−プロパノール及びp−
キシレンを粉末化し、また揮発の制御を可能にした。
【0030】実施例5 4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスル
ホン20グラムをメタノール100ミリリットルに加熱
溶解し、ここに工業用殺菌剤であるケーソンWT(ロー
ム&ハース社製)[5−クロロ−2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン22グラム、2−メチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オン8.4グラム、及び残部として
塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、水を含む]26
0ミリリットルを添加し、10分間加熱攪拌した。室温
で24時間放置後、固形物を濾取し、室温でロータリー
真空ポンプを用いて2時間減圧乾燥することにより、4
−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オンとの組成比率1:0.5(モル比)から成る分子
化合物を得た。また、4−ベンジルオキシ−4′−ヒド
ロキシジフェニルスルホン20グラムを直接ケーソンW
T260ミリリットルに添加し、10分間加熱攪拌した
後、室温で24時間放置し、固形物を濾取し、室温でロ
ータリー真空ポンプを用いて2時間減圧乾燥することに
より、同様に4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジ
フェニルスルホンと5−クロロ−2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オンとの組成比率1:0.5(モル
比)から成る分子化合物を得た。各々がこの組成の分子
化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNM
R及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折
パターンから本分子化合物が明らかに結晶性であること
を確認した。本分子化合物は共に5−クロロ−2−メチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オンをおよそ57℃以上
で放出した。本分子化合物(メタノール溶媒を使用して
調製したもの)の 1HNMRスペクトル(ジメチルスル
ホキシド−d6溶媒使用)及び熱分析(TG/DTA)
チャートをそれぞれ図22及び図23に示した。このよ
うに本発明の分子化合物は、液状で刺激性、かつ分解性
の高い殺菌剤であるケーソンWTの有効成分5−クロロ
−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを粉末化
した。
【0031】実施例6 4−(iso−プロポキシ)−4′−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン20グラムを、ケーソンWTを水で3倍に
希釈した溶液780ミリリットルに添加し、10分間加
熱攪拌した。5℃で24時間放置後、固形物を濾取し、
室温でロータリー真空ポンプを用いて2時間減圧乾燥す
ることにより、4−(iso−プロポキシ)−4′−ヒ
ドロキシジフェニルスルホンと5−クロロ−2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率1:1
(モル比)から成る分子化合物を得た。この組成の分子
化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNM
R 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回
折パターンから本分子化合物が明らかに結晶性であるこ
とを確認した。本分子化合物は5−クロロ−2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オンをおよそ60℃以上で
放出した。このように本発明の分子化合物は、液状で刺
激性、かつ分解性の高い殺菌剤であるケーソンWTの有
効成分5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オンを粉末化した。
【0032】比較例 実施例1〜実施例6において、4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン及び4−ベ
ンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンの
代わりに、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン
及び2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用
した以外はそれぞれ実施例1〜実施例6と同様の実験を
行った。しかし、4,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン及び2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン
はいずれの化合物とも分子化合物を形成しなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明の新規な分子化合物は、簡単な操
作で調製できる上に、種々の物質について化学的安定
化、不揮発化、徐放化、粉末化などの機能を付与するこ
とができ、また特定物質の選択分離や回収を行うことが
できる。更に本発明の分子化合物は種々の物質と併用し
て使用することができ、また各種の形態で用いることも
できる。従って、本発明は非常に広範な分野で利用可能
であり、産業上における意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとトルエン
との組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の 1
HNMRスペクトル(重クロロホルム溶媒使用)を示す
図である。
【図2】本発明の実施例1の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとo−キシ
レンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物
1HNMR スペクトル(重クロロホルム溶媒使用)を
示す図である。
【図3】本発明の実施例1の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとm−キシ
レンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物
1HNMR スペクトル(重クロロホルム溶媒使用)を
示す図である。
【図4】本発明の実施例1の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとトルエン
との組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の熱
分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図5】本発明の実施例1の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとo−キシ
レンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物
の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図6】本発明の実施例1の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとm−キシ
レンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物
の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図7】本発明の実施例1の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとo−キシ
レンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物
の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図8】本発明の実施例1の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとm−キシ
レンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物
の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図9】4−(iso−プロポキシ)−4′−ヒドロキ
シジフェニルスルホンの 1HNMRスペクトル(重クロ
ロホルム溶媒使用)を示す図である。
【図10】4−(iso−プロポキシ)−4′−ヒドロ
キシジフェニルスルホンの粉末X線回折パターンを示す
図である。
【図11】本発明の実施例2の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとo−キシ
レンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物
1HNMR スペクトル(重クロロホルム溶媒使用)を
示す図である。
【図12】本発明の実施例2の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとo−キシ
レンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物
の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図13】本発明の実施例2の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとo−キシ
レンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物
の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図14】本発明の実施例3の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、o−キシ
レン及びm−キシレンとの組成比率1:0.75:0.
25(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペク
トル(重クロロホルム溶媒使用)を示す図である。
【図15】本発明の実施例3の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、o−キシ
レン及びm−キシレンとの組成比率1:0.75:0.
25(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/D
TA)チャートを示す図である。
【図16】本発明の実施例3の4−(iso−プロポキ
シ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、o−キシ
レン及びm−キシレンとの組成比率1:0.75:0.
25(モル比)から成る分子化合物の粉末X線回折パタ
ーンを示す図である。
【図17】本発明の実施例4の4−ベンジルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとピリジンとの組
成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の 1HNM
Rスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6溶媒使用)
を示す図である。
【図18】本発明の実施例4の4−ベンジルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとピリジンとの組
成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の熱分析
(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図19】本発明の実施例4の4−ベンジルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとiso−プロパ
ノールとの組成比率1:0.5(モル比)から成る分子
化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド
−d6溶媒使用)を示す図である。
【図20】本発明の実施例4の4−ベンジルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホンとp−キシレンと
の組成比率1:0.4(モル比)から成る分子化合物の
1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6溶
媒使用)を示す図である。
【図21】4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフ
ェニルスルホンの 1HNMRスペクトル(ジメチルスル
ホキシド−d6溶媒使用)を示す図である。
【図22】本発明の実施例5の4−ベンジルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホンと5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率
1:0.5(モル比)から成る分子化合物の 1HNMR
スペクトル(ジメチルスルホキシド−d6溶媒使用)を
示す図である。
【図23】本発明の実施例5の4−ベンジルオキシ−
4′−ヒドロキシジフェニルスルホンと5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率
1:0.5(モル比)から成る分子化合物の熱分析(T
G/DTA)チャートを示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 又は一般式(II) 【化2】 又は一般式(III) 【化3】 (式中、X、Y及びZは直鎖もしくは分岐を有してもよ
    いC1〜C8のアルキル基、直鎖もしくは分岐を有して
    もよいC2〜C8のアルケニル基、C1〜C4のアルキ
    ル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜
    C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原
    子を有してもよいシクロヘキシル基、C1〜C4のアル
    キル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1
    〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン
    原子を有してもよいシクロペンチル基、C1〜C4のア
    ルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC
    1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲ
    ン原子を有してもよいベンジル基、C1〜C4のアルキ
    ル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜
    C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原
    子を有してもよいフェネチル基、C1〜C4のアルキル
    基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C
    4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原子
    を有してもよいα―メチルベンジル基、又はC1〜C4
    のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしく
    はC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハ
    ロゲン原子を有してもよいナフチルメチル基を表し、R
    1〜R8、R9〜R16及びR17〜R24 は互いに同一又は異
    なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4の
    アルキル基、C2〜C4のアルケニル基を表す)で表さ
    れる置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成
    分化合物とすることを特徴とする分子化合物。
  2. 【請求項2】 分子化合物が、包接化合物であることを
    特徴とする請求項1記載の分子化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一般式(I)、一般式
    (II)又は一般式(III) で表される置換ヒドロキシヒ
    ドロキシジフェニルスルホンと、該置換ヒドロキシヒド
    ロキシジフェニルスルホンと反応して分子化合物を形成
    する抗菌剤、抗カビ剤、殺虫剤、害虫忌避剤、香料、脱
    臭・消臭剤、防汚剤、塗料・樹脂・接着剤用硬化剤及び
    硬化促進剤、天然精油、酸化防止剤、加硫促進剤又は有
    機溶媒とを成分化合物とする請求項1又は2記載の分子
    化合物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(I)、一般式
    (II)又は一般式(III) で表される置換ヒドロキシヒ
    ドロキシジフェニルスルホンと、該置換ヒドロキシヒド
    ロキシジフェニルスルホンと反応して分子化合物を形成
    する成分化合物とを反応させることを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれか記載の分子化合物を製造する方
    法。
JP28984697A 1997-10-22 1997-10-22 置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成分化合物とする分子化合物 Expired - Fee Related JP4367976B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28984697A JP4367976B2 (ja) 1997-10-22 1997-10-22 置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成分化合物とする分子化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28984697A JP4367976B2 (ja) 1997-10-22 1997-10-22 置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成分化合物とする分子化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11124362A true JPH11124362A (ja) 1999-05-11
JP4367976B2 JP4367976B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=17748530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28984697A Expired - Fee Related JP4367976B2 (ja) 1997-10-22 1997-10-22 置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成分化合物とする分子化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4367976B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161081A (ja) * 2000-03-14 2002-06-04 Nippon Soda Co Ltd 新規硫黄含有化合物及び該化合物を成分化合物とする分子化合物
WO2002057221A1 (fr) * 2001-01-22 2002-07-25 Nippon Soda Co.,Ltd. Procede de production d'un compose de diphenylsulfone
CN1318399C (zh) * 2001-01-22 2007-05-30 日本曹达株式会社<Del/> 制备二苯基砜化合物的方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161081A (ja) * 2000-03-14 2002-06-04 Nippon Soda Co Ltd 新規硫黄含有化合物及び該化合物を成分化合物とする分子化合物
WO2002057221A1 (fr) * 2001-01-22 2002-07-25 Nippon Soda Co.,Ltd. Procede de production d'un compose de diphenylsulfone
CN1318399C (zh) * 2001-01-22 2007-05-30 日本曹达株式会社<Del/> 制备二苯基砜化合物的方法
CN100383117C (zh) * 2001-01-22 2008-04-23 日本曹达株式会社 制备二苯基砜化合物的方法
US7619120B2 (en) 2001-01-22 2009-11-17 Nippon Soda Co., Ltd. Processes for the preparation of diphenylsulfone compounds

Also Published As

Publication number Publication date
JP4367976B2 (ja) 2009-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1306369B1 (en) Novel sulfur compounds and intermolecular compounds containing the same as the component compound
US7655820B2 (en) Method for producing molecular compound
JP4367976B2 (ja) 置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成分化合物とする分子化合物
JP4605726B2 (ja) フェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物
JP5367201B2 (ja) 分子化合物の製造方法
JP5000036B2 (ja) 分子化合物の製造方法
EP1016656A1 (en) Molecular compounds containing phenol derivatives as constituent
JP4565582B2 (ja) 新規カルボン酸誘導体を成分化合物とする分子化合物
JP4229345B2 (ja) フェニルスルホン誘導体を成分化合物とする分子化合物
JPH1143448A (ja) フェノール系分子化合物を使用する反応方法
JP4573926B2 (ja) ビキサンテン誘導体を成分化合物とする分子化合物
JP2000212171A (ja) ジヒドロキシトリアジン誘導体を成分化合物とする分子化合物
JP4801266B2 (ja) 新規硫黄含有化合物及び該化合物を成分化合物とする分子化合物
JP5164223B2 (ja) 包接化合物用ホスト化合物
JP4544551B2 (ja) トリ−o−チモチド類を成分化合物とする分子化合物
US6566548B1 (en) Molecular compounds containing novel carboxylic acid derivatives as the constituent compound
JP4804601B2 (ja) トリアジン誘導体を成分化合物とする分子化合物
JP3936775B2 (ja) ジフェニルスルホン誘導体を成分化合物とする分子化合物
JPH1129501A (ja) 分子化合物の製造方法
JP2000344687A (ja) 分子化合物の製造方法
JPH1112257A (ja) 架橋型トリアジン誘導体を成分化合物とする分子化合物
WO2005082823A1 (ja) 新規分子化合物
Ovsepyan et al. Synthesis and antitumor activity of 3, 4, 5-substituted 1, 2, 4-triazoles.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070709

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090825

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees