JP4605726B2 - フェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物 - Google Patents

フェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP4605726B2
JP4605726B2 JP27672498A JP27672498A JP4605726B2 JP 4605726 B2 JP4605726 B2 JP 4605726B2 JP 27672498 A JP27672498 A JP 27672498A JP 27672498 A JP27672498 A JP 27672498A JP 4605726 B2 JP4605726 B2 JP 4605726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
molecular compound
bis
phenylsulfonyl
phenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27672498A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11189565A (ja
Inventor
伊豆男 青木
剛弘 佐藤
正登 天池
啓之 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soda Co Ltd filed Critical Nippon Soda Co Ltd
Priority to JP27672498A priority Critical patent/JP4605726B2/ja
Publication of JPH11189565A publication Critical patent/JPH11189565A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4605726B2 publication Critical patent/JP4605726B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規分子化合物に係わり、更に詳しくは特定の構造を有するフェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子化合物は、二種以上の化合物が水素結合やファンデルワールス力などに代表される、共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物であり、簡単な操作によってもとの各成分化合物に解離する性質を有することから、近年、有用物質の選択分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの技術分野における応用が期待されている。
【0003】
具体的な分子化合物の一例として包接化合物が挙げられ、例えば特開昭61−53201号公報には、1,1,6,6−テトラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール又は1,1−ジ(2,4−ジメチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、特開昭62−22701号公報には、1,1′−ビス−2−ナフトールとそれぞれ、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等との包接化合物が記載されている。また、特開平3−279373号公報には、ビスフェノール系化合物とイソチアゾロン系化合物との包接化合物が報告されている。更に、特開平6−166646号公報にはテトラキスフェノール類と種々の有機化合物との包接化合物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術では選択分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化等において十分満足できる性能を持った分子化合物は未だ見出されていない。
【0005】
本発明の課題は、有用物質の選択分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの技術分野において優れた性能を示す、特定構造を有するフェノール誘導体を成分化合物とする新規な分子化合物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究した結果、水酸基のオルト位にスルホニル基又はカルボニル基を有するフェノール誘導体が、有効に分子化合物を生成し有用物質の選択分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化等の技術分野において極めて優れた性能を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本願発明は、一般式(I)
【化22】
Figure 0004605726
[式中、R1、R5は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、又は
【化23】
Figure 0004605726
(Y及びZは、C1〜C8のアルキル基、C2〜C8のアルケニル基、C1〜C6のアルコキシ基、水酸基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいアラルキル基を表す)から選ばれる基を表し、
2、R4は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、又は水酸基を表すが、但しR1、R3又はR5のいずれかがC1〜C4のアルコキシ基又は水酸基の場合は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、又は
【化24】
Figure 0004605726
(式中Y及びZは前記と同じ)から選ばれる基を表し、
3 は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、一般式(II)、一般式(III)
【化25】
Figure 0004605726
{式中、Xは、
【化26】
Figure 0004605726
(wは0、1、2のいずれかを、uは0又は1を、qは0〜4のいずれかをそれぞれ表し、R14、R15は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、置換基を有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいアラルキル基を表し、R16は水素原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいアラルキル基を表す)を表し、
6、R9、R10は、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、又は、
【化27】
Figure 0004605726
(式中Y及びZは前記と同じ)から選ばれる基を表し、
7、R8、R11、R13は、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、又は水酸基を表すが、但しR12がC1〜C4のアルコキシ基又は水酸基の場合、R11は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、又は
【化28】
Figure 0004605726
(式中Y及びZは前記と同じ)から選ばれる基を表し、
12は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、又は
【化29】
Figure 0004605726
(式中Y及びZは前記と同じ)から選ばれる基を表す}、又は、
【化30】
Figure 0004605726
(式中Y及びZは前記と同じ)から選ばれる基を表し、また、
3が一般式(II)である場合、R1、R5、R6、R9のうち一つは
【化31】
Figure 0004605726
(式中Y及びZは前記と同じ)で表される基を表し、
3が一般式(III)である場合、R1、R5、R10のうちの少なくとも一つは
【化32】
Figure 0004605726
(式中Y及びZは前記と同じ)で表される基を表し、
3が一般式(II)又は(III)以外の場合、R1、R5のうちのいずれか一つは
【化33】
Figure 0004605726
(式中Y及びZは前記と同じ)で表される基を表す。]
で表されるフェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物に関する。
【0008】
また本発明は、分子化合物が包接化合物であることを特徴とする一般式(I)で表されるフェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物や、一般式(I)で表されるフェノール誘導体と、該フェノール誘導体と反応して分子化合物を形成する抗菌剤、抗カビ剤、殺虫剤、害虫忌避剤、香料、脱臭・消臭剤、防汚剤、塗料・樹脂・接着剤用硬化剤及び硬化促進剤、天然精油、酸化防止剤、加硫促進剤又は有機溶媒とを成分化合物と分子化合物に関するものであり、さらに一般式(I)で表されるフェノール誘導体と、該フェノール誘導体と反応して分子化合物を形成する成分化合物とを反応させることを特徴とする上記分子化合物の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における分子化合物とは、単独で安定に存在することのできる化合物の二種以上の成分化合物が水素結合やファンデルワールス力などに代表される共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物であり、水化物、溶媒化物、付加化合物、包接化合物などが含まれる。
【0010】
一般式(I)において、R1、R5は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、又は
【化34】
Figure 0004605726
(Y及びZは、C1〜C8のアルキル基、C2〜C8のアルケニル基、C1〜C6のアルコキシ基、水酸基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいアラルキル基を表す)から選ばれる基を表す。R1、R5の具体的な例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨード原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。
【0011】
Y及びZとしては、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原子を有してもよいシクロヘキシル基、C1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原子を有してもよいシクロペンチル基、C1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくはハロゲン原子を有してもよいフェニル基、C1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原子を有してもよいベンジル基、C1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原子を有してもよいフェネチル基、C1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原子を有してもよいα―メチルベンジル基、又はC1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくは水酸基もしくはハロゲン原子を有してもよいナフチル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、sec−ペンチル基、neo−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、n−ヘプチル基、iso−ヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−オクチル基、sec−オクチル基、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、iso−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ヘキシニル基、ヘキシジニル基、ヘプチニル基、ヘプチジニル基、オクチニル基、オクチジニル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、テトラメチルシクロヘキシル基、ペンタメチルシクロヘキシル基、ヘキサメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘプチル基、フェニル基、o−又はm−又はp−トリル基、2,3−又は2,4−又は2,5−又は2,6−又は又は3,4−又は3,5−又は4,6−キシリル基、o−又はm−又はp−クメニル基、メシチル基、ベンジル基、o−又はm−又はp−トルイルメチル基、2,3−又は2,4−又は2,5−又は2,6−又は3,4−又は3,5−又は4,5−キシリルメチル基、メシチルメチル基、o−又はm−又はp−クメニルメチル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、メトキシ基、エトキシ基、ジメチルアミノ基を具体的に例示することができる。以下本文中において、特に断らない限り、R2、R3、R4 等におけるY、Zは上記のとおりのものを意味する。
【0012】
一般式(I)において、R2、R4は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、又は水酸基を表すが、但しR1、R3又はR5のいずれかがC1〜C4のアルコキシ基又は水酸基の場合は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、又は
【化35】
Figure 0004605726
から選ばれる基を表し、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨード原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1、3−ブタンジエニル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などを具体的に例示することができる。
【0013】
一般式(I)において、R3 は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、一般式(II)、一般式(III)、又は
【化36】
Figure 0004605726
から選ばれる基を表す。具体的な例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨード原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。
【0014】
一般式(II)及び一般式(III)において、Xは、
【化37】
Figure 0004605726
(wは0、1、2のいずれかを、uは0又は1を、qは0〜4のいずれかをそれぞれ表し、R14、R15は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、置換基を有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいアラルキル基を表し、R16は水素原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいアラルキル基を表す)で表される。具体的には、1,1−ジメチルメチレン基、1−メチル−t−ブチル−メチレン基、1−メチル−1−フェニル−メチレン基、1−メチル−1−ヒドロキシメチレン基、N−メチルイミノ基、N−メトキシイミノ基、N−アリルイミノ基、1,1−シクロヘキシレン基、1,1−シクロペンチレン基等が挙げられる。
一般式(II)及び(III)において、R6、R9、R10は、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、又は、
【化38】
Figure 0004605726
から選ばれる基を表す。そして、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨード原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などを例示することができる。
【0015】
7、R8、R11、R13は、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基を表す。ただしR12がC1〜C4のアルコキシ基、水酸基の場合、R11は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、又は
【化39】
Figure 0004605726
から選ばれる基を表す。具体的な例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨード原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。
12は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、又は
【化40】
Figure 0004605726
から選ばれる基を表す。具体的な例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨード原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。
【0016】
本発明で使用するフェノール誘導体は、水酸基のオルト位に少なくとも一つのスルホニル基又はカルボニル基を有する一般式(I)で表される化合物であれば特に限定されないが、一般式(I)で表される化合物の具体的な例を第1表(表1001〜表1087)、第2表(表1088〜表1158)、第3表(表1159〜表1266)に示した。
【0017】
【表1001】
Figure 0004605726
【0018】
【表1002】
Figure 0004605726
【0019】
【表1003】
Figure 0004605726
【0020】
【表1004】
Figure 0004605726
【0021】
【表1005】
Figure 0004605726
【0022】
【表1006】
Figure 0004605726
【0023】
【表1007】
Figure 0004605726
【0024】
【表1008】
Figure 0004605726
【0025】
【表1009】
Figure 0004605726
【0026】
【表1010】
Figure 0004605726
【0027】
【表1011】
Figure 0004605726
【0028】
【表1012】
Figure 0004605726
【0029】
【表1013】
Figure 0004605726
【0030】
【表1014】
Figure 0004605726
【0031】
【表1015】
Figure 0004605726
【0032】
【表1016】
Figure 0004605726
【0033】
【表1017】
Figure 0004605726
【0034】
【表1018】
Figure 0004605726
【0035】
【表1019】
Figure 0004605726
【0036】
【表1020】
Figure 0004605726
【0037】
【表1021】
Figure 0004605726
【0038】
【表1022】
Figure 0004605726
【0039】
【表1023】
Figure 0004605726
【0040】
【表1024】
Figure 0004605726
【0041】
【表1025】
Figure 0004605726
【0042】
【表1026】
Figure 0004605726
【0043】
【表1027】
Figure 0004605726
【0044】
【表1028】
Figure 0004605726
【0045】
【表1029】
Figure 0004605726
【0046】
【表1030】
Figure 0004605726
【0047】
【表1031】
Figure 0004605726
【0048】
【表1032】
Figure 0004605726
【0049】
【表1033】
Figure 0004605726
【0050】
【表1034】
Figure 0004605726
【0051】
【表1035】
Figure 0004605726
【0052】
【表1036】
Figure 0004605726
【0053】
【表1037】
Figure 0004605726
【0054】
【表1038】
Figure 0004605726
【0055】
【表1039】
Figure 0004605726
【0056】
【表1040】
Figure 0004605726
【0057】
【表1041】
Figure 0004605726
【0058】
【表1042】
Figure 0004605726
【0059】
【表1043】
Figure 0004605726
【0060】
【表1044】
Figure 0004605726
【0061】
【表1045】
Figure 0004605726
【0062】
【表1046】
Figure 0004605726
【0063】
【表1047】
Figure 0004605726
【0064】
【表1048】
Figure 0004605726
【0065】
【表1049】
Figure 0004605726
【0066】
【表1050】
Figure 0004605726
【0067】
【表1051】
Figure 0004605726
【0068】
【表1052】
Figure 0004605726
【0069】
【表1053】
Figure 0004605726
【0070】
【表1054】
Figure 0004605726
【0071】
【表1055】
Figure 0004605726
【0072】
【表1056】
Figure 0004605726
【0073】
【表1057】
Figure 0004605726
【0074】
【表1058】
Figure 0004605726
【0075】
【表1059】
Figure 0004605726
【0076】
【表1060】
Figure 0004605726
【0077】
【表1061】
Figure 0004605726
【0078】
【表1062】
Figure 0004605726
【0079】
【表1063】
Figure 0004605726
【0080】
【表1064】
Figure 0004605726
【0081】
【表1065】
Figure 0004605726
【0082】
【表1066】
Figure 0004605726
【0083】
【表1067】
Figure 0004605726
【0084】
【表1068】
Figure 0004605726
【0085】
【表1069】
Figure 0004605726
【0086】
【表1070】
Figure 0004605726
【0087】
【表1071】
Figure 0004605726
【0088】
【表1072】
Figure 0004605726
【0089】
【表1073】
Figure 0004605726
【0090】
【表1074】
Figure 0004605726
【0091】
【表1075】
Figure 0004605726
【0092】
【表1076】
Figure 0004605726
【0093】
【表1077】
Figure 0004605726
【0094】
【表1078】
Figure 0004605726
【0095】
【表1079】
Figure 0004605726
【0096】
【表1080】
Figure 0004605726
【0097】
【表1081】
Figure 0004605726
【0098】
【表1082】
Figure 0004605726
【0099】
【表1083】
Figure 0004605726
【0100】
【表1084】
Figure 0004605726
【0101】
【表1085】
Figure 0004605726
【0102】
【表1086】
Figure 0004605726
【0103】
【表1087】
Figure 0004605726
【0104】
【表1088】
Figure 0004605726
【0105】
【表1089】
Figure 0004605726
【0106】
【表1090】
Figure 0004605726
【0107】
【表1091】
Figure 0004605726
【0108】
【表1092】
Figure 0004605726
【0109】
【表1093】
Figure 0004605726
【0110】
【表1094】
Figure 0004605726
【0111】
【表1095】
Figure 0004605726
【0112】
【表1096】
Figure 0004605726
【0113】
【表1097】
Figure 0004605726
【0114】
【表1098】
Figure 0004605726
【0115】
【表1099】
Figure 0004605726
【0116】
【表1100】
Figure 0004605726
【0117】
【表1101】
Figure 0004605726
【0118】
【表1102】
Figure 0004605726
【0119】
【表1103】
Figure 0004605726
【0120】
【表1104】
Figure 0004605726
【0121】
【表1105】
Figure 0004605726
【0122】
【表1106】
Figure 0004605726
【0123】
【表1107】
Figure 0004605726
【0124】
【表1108】
Figure 0004605726
【0125】
【表1109】
Figure 0004605726
【0126】
【表1110】
Figure 0004605726
【0127】
【表1111】
Figure 0004605726
【0128】
【表1112】
Figure 0004605726
【0129】
【表1113】
Figure 0004605726
【0130】
【表1114】
Figure 0004605726
【0131】
【表1115】
Figure 0004605726
【0132】
【表1116】
Figure 0004605726
【0133】
【表1117】
Figure 0004605726
【0134】
【表1118】
Figure 0004605726
【0135】
【表1119】
Figure 0004605726
【0136】
【表1120】
Figure 0004605726
【0137】
【表1121】
Figure 0004605726
【0138】
【表1122】
Figure 0004605726
【0139】
【表1123】
Figure 0004605726
【0140】
【表1124】
Figure 0004605726
【0141】
【表1125】
Figure 0004605726
【0142】
【表1126】
Figure 0004605726
【0143】
【表1127】
Figure 0004605726
【0144】
【表1128】
Figure 0004605726
【0145】
【表1129】
Figure 0004605726
【0146】
【表1130】
Figure 0004605726
【0147】
【表1131】
Figure 0004605726
【0148】
【表1132】
Figure 0004605726
【0149】
【表1133】
Figure 0004605726
【0150】
【表1134】
Figure 0004605726
【0151】
【表1135】
Figure 0004605726
【0152】
【表1136】
Figure 0004605726
【0153】
【表1137】
Figure 0004605726
【0154】
【表1138】
Figure 0004605726
【0155】
【表1139】
Figure 0004605726
【0156】
【表1140】
Figure 0004605726
【0157】
【表1141】
Figure 0004605726
【0158】
【表1142】
Figure 0004605726
【0159】
【表1143】
Figure 0004605726
【0160】
【表1144】
Figure 0004605726
【0161】
【表1145】
Figure 0004605726
【0162】
【表1146】
Figure 0004605726
【0163】
【表1147】
Figure 0004605726
【0164】
【表1148】
Figure 0004605726
【0165】
【表1149】
Figure 0004605726
【0166】
【表1150】
Figure 0004605726
【0167】
【表1151】
Figure 0004605726
【0168】
【表1152】
Figure 0004605726
【0169】
【表1153】
Figure 0004605726
【0170】
【表1154】
Figure 0004605726
【0171】
【表1155】
Figure 0004605726
【0172】
【表1156】
Figure 0004605726
【0173】
【表1157】
Figure 0004605726
【0174】
【表1158】
Figure 0004605726
【0175】
【表1159】
Figure 0004605726
【0176】
【表1160】
Figure 0004605726
【0177】
【表1161】
Figure 0004605726
【0178】
【表1162】
Figure 0004605726
【0179】
【表1163】
Figure 0004605726
【0180】
【表1164】
Figure 0004605726
【0181】
【表1165】
Figure 0004605726
【0182】
【表1166】
Figure 0004605726
【0183】
【表1167】
Figure 0004605726
【0184】
【表1168】
Figure 0004605726
【0185】
【表1169】
Figure 0004605726
【0186】
【表1170】
Figure 0004605726
【0187】
【表1171】
Figure 0004605726
【0188】
【表1172】
Figure 0004605726
【0189】
【表1173】
Figure 0004605726
【0190】
【表1174】
Figure 0004605726
【0191】
【表1175】
Figure 0004605726
【0192】
【表1176】
Figure 0004605726
【0193】
【表1177】
Figure 0004605726
【0194】
【表1178】
Figure 0004605726
【0195】
【表1179】
Figure 0004605726
【0196】
【表1180】
Figure 0004605726
【0197】
【表1181】
Figure 0004605726
【0198】
【表1182】
Figure 0004605726
【0199】
【表1183】
Figure 0004605726
【0200】
【表1184】
Figure 0004605726
【0201】
【表1185】
Figure 0004605726
【0202】
【表1186】
Figure 0004605726
【0203】
【表1187】
Figure 0004605726
【0204】
【表1188】
Figure 0004605726
【0205】
【表1189】
Figure 0004605726
【0206】
【表1190】
Figure 0004605726
【0207】
【表1191】
Figure 0004605726
【0208】
【表1192】
Figure 0004605726
【0209】
【表1193】
Figure 0004605726
【0210】
【表1194】
Figure 0004605726
【0211】
【表1195】
Figure 0004605726
【0212】
【表1196】
Figure 0004605726
【0213】
【表1197】
Figure 0004605726
【0214】
【表1198】
Figure 0004605726
【0215】
【表1199】
Figure 0004605726
【0216】
【表1200】
Figure 0004605726
【0217】
【表1201】
Figure 0004605726
【0218】
【表1202】
Figure 0004605726
【0219】
【表1203】
Figure 0004605726
【0220】
【表1204】
Figure 0004605726
【0221】
【表1205】
Figure 0004605726
【0222】
【表1206】
Figure 0004605726
【0223】
【表1207】
Figure 0004605726
【0224】
【表1208】
Figure 0004605726
【0225】
【表1209】
Figure 0004605726
【0226】
【表1210】
Figure 0004605726
【0227】
【表1211】
Figure 0004605726
【0228】
【表1212】
Figure 0004605726
【0229】
【表1213】
Figure 0004605726
【0230】
【表1214】
Figure 0004605726
【0231】
【表1215】
Figure 0004605726
【0232】
【表1216】
Figure 0004605726
【0233】
【表1217】
Figure 0004605726
【0234】
【表1218】
Figure 0004605726
【0235】
【表1219】
Figure 0004605726
【0236】
【表1220】
Figure 0004605726
【0237】
【表1221】
Figure 0004605726
【0238】
【表1222】
Figure 0004605726
【0239】
【表1223】
Figure 0004605726
【0240】
【表1224】
Figure 0004605726
【0241】
【表1225】
Figure 0004605726
【0242】
【表1226】
Figure 0004605726
【0243】
【表1227】
Figure 0004605726
【0244】
【表1228】
Figure 0004605726
【0245】
【表1229】
Figure 0004605726
【0246】
【表1230】
Figure 0004605726
【0247】
【表1231】
Figure 0004605726
【0248】
【表1232】
Figure 0004605726
【0249】
【表1233】
Figure 0004605726
【0250】
【表1234】
Figure 0004605726
【0251】
【表1235】
Figure 0004605726
【0252】
【表1236】
Figure 0004605726
【0253】
【表1237】
Figure 0004605726
【0254】
【表1238】
Figure 0004605726
【0255】
【表1239】
Figure 0004605726
【0256】
【表1240】
Figure 0004605726
【0257】
【表1241】
Figure 0004605726
【0258】
【表1242】
Figure 0004605726
【0259】
【表1243】
Figure 0004605726
【0260】
【表1244】
Figure 0004605726
【0261】
【表1245】
Figure 0004605726
【0262】
【表1246】
Figure 0004605726
【0263】
【表1247】
Figure 0004605726
【0264】
【表1248】
Figure 0004605726
【0265】
【表1249】
Figure 0004605726
【0266】
【表1250】
Figure 0004605726
【0267】
【表1251】
Figure 0004605726
【0268】
【表1252】
Figure 0004605726
【0269】
【表1253】
Figure 0004605726
【0270】
【表1254】
Figure 0004605726
【0271】
【表1255】
Figure 0004605726
【0272】
【表1256】
Figure 0004605726
【0273】
【表1257】
Figure 0004605726
【0274】
【表1258】
Figure 0004605726
【0275】
【表1259】
Figure 0004605726
【0276】
【表1260】
Figure 0004605726
【0277】
【表1261】
Figure 0004605726
【0278】
【表1262】
Figure 0004605726
【0279】
【表1263】
Figure 0004605726
【0280】
【表1264】
Figure 0004605726
【0281】
【表1265】
Figure 0004605726
【0282】
【表1266】
Figure 0004605726
【0283】
一般式(I)で表されるフェノール誘導体のうち、合成の容易さ、並びに有用物質の選択分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの性能の点から、特に第1表記載の化合物番号1〜64、77〜86、123〜138、209〜230、295〜310、381〜396、467〜482、553〜568、639〜654、695〜740、811〜826、861〜924、937〜942、983〜998、1069〜1090、1155〜1170、1241〜1256、1327〜1342、1413〜1428、1499〜1514、1585〜1600、1631〜1634、1671〜1686が好ましい。更に好ましくは第1表記載の37〜48、77〜82、123〜134、209〜220、295〜306、381〜392、467〜478、553〜564、639〜650、695〜736、811〜822、897〜908、983〜994、1069〜1080、1155〜1166、1241〜1252、1327〜1338、1413〜1424、1499〜1510、1585〜1596、1671〜1682の化合物であり、中でも特に37〜39、41〜43、45〜47、209〜211、213〜215、295〜297、299〜301、381〜383、385〜387、389〜391、467〜469、471〜473、553〜555、557〜559、695〜697、699〜701、811〜813、815〜817、897〜899、901〜903、905〜907、1069〜1071、1073〜1075、1155〜1157、1159〜1161、1241〜1243、1245〜1247、1327〜1329、1331〜1333、1413〜1415、1417〜1419、1585〜1587、1589〜1591、1671〜1673、1675〜1677が特に好ましい。
【0284】
また、特に第2表記載の化合物番号1721〜1790、1836〜1850、1906〜1920、1976〜1990、2046〜2060、2116〜2130、2188〜2200、2256〜2270、2326〜2345、2396〜2410、2421〜2490、2536〜2550、2606〜2620、2676〜2692、2746〜2760、2816〜2830、2886〜2900、2956〜2970、3026〜3040、3096〜3110が好ましい。更に好ましくは第2表記載の1766〜1780、1909、1910、1914、1915、1919、1920、1979、1980、1984、1985、2049、2050、2054、2055、2059、2060、2119、2120、2124、2125、2189、2190、2194、2195、2329、2330、2334、2335、2399、2400、2404、2405、2466〜2480、2609、2610、2614、2615、2679、2680、2684、2685、2749、2750、2754、2755、2819、2820、2824、2825、2889、2890、2894、2895、3029、3030、3034、3035、3099、3100、3104、3105の化合物である。
【0285】
また特に第3表記載の化合物番号3870〜4297、4404〜4618、4833〜5260の化合物が好ましい。中でも特に第3表記載の化合物番号3870〜4190及び4512〜4618が好ましい。更に好ましくは3870〜3883、3977〜3990、4084〜4097、4084〜4097の化合物である。
【0286】
一般式(I)で表されるフェノール誘導体は、例えば、ジヒドロキシジフェニルスルホン誘導体、ジヒドロキシジフェニルエーテル誘導体、ジヒドロキシジフェニルチオエーテル誘導体、ジヒドロキシジフェニルケトン誘導体、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン誘導体、置換フェノール等と、アルキルスルホニルクロリド、アルケニルスルホニルクロリド、フェニルスルホニルクロリド、アルキルカルボニルクロリド、アルケニルカルボニルクロリド、フェニルカルボニルクロリド等とを、塩化鉄、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸存在下Friedel−Crafts反応させることにより製造できる。
【0287】
本発明のフェノール誘導体は、通常結晶固体であるが、アモルファス或いは油状の場合もある。また、結晶多形をとることもあるが、これらの形態に係わりなく、一般式(I)で表されるフェノール誘導体はすべて本発明に属する。
【0288】
本発明において、一般式(I)で表されるフェノール誘導体と分子化合物を形成する物質は、かかる誘導体と分子化合物を形成し得るものであれば良く特に制限されない。具体的な例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール等のアルコール類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、α−ブロムシンナムアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、2−ブロモ−4′−ヒドロキシアセトフェノン等のケトン類、アセトニトリル、アクリロニトリル、n−ブチロニトリル、マロノニトリル、フェニルアセトニトリル、ベンゾニトリル、シアノピリジン、2,2−ジブロモメチルグルタルニトリル、2,3,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等のニトリル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、ジオキソラン、トリオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−ヘプチルアセテート、ビス−1,4−ブロモアセトキシ−2−ブテン等のエステル類、ベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジシアンジアミド、ジブロムニトリルプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、N,N−ジエチル−m−トルアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素、ε−カプロラクタム等のラクタム類、ε−カプロラクトン等のラクトン類、アリールグリシジルエーテル等のオキシラン類、モルホリン類、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、p−クロロ−m−クレゾール等のフェノール類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、アジピン酸、酒石酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸等のカルボン酸類及びチオカルボン酸類、スルファミン酸類、チオカルバミン酸類、チオセミカルバジド類、尿素、フェニル尿素、ジフェニル尿素、チオ尿素、フェニルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素等の尿素及びチオ尿素類、イソチオ尿素類、スルホニル尿素類、チオフェノール、アリルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、ベンジルメルカプタン等のチオール類、ベンジルスルフィド、ブチルメチルスルフィド等のスルフィド類、ジブチルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド類、ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド等のスルホキシド類、ジメチルスルホン、フェニルスルホン、フェニル−(2−シアノ−2−クロロビニル)スルホン、ヘキサブロモジメチルスルホン、ジヨードメチルパラトリルスルホン等のスルホン類、チオシアン酸メチルエステル、イソチオシアン酸メチルエステル等のチオシアン酸類及びイソチオシアン酸類、グリシン、アラニン、ロイシン、リジン、メチオニン、グルタミン等のアミノ酸類、アミド及びウレタン化合物類、酸無水物類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アルカン類、アルケン類、アルキン類、ブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート等のイソシアネート類、メチレンビスチオシアネート、メチレンビスイソチオシアネート等のチオシアネート類及びイソチオシアネート類、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン等のニトロ化合物類、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、アリルアミン、ヒドロキシルアミン、エタノールアミン、ベンジルアミン、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N−エチル−1,3−プロパンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アルキル−t−モノアミン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、グアニジン、N−(2−ヒドロキシプロピル)アミノメタノール等の非環式脂肪族アミン類、シクロヘキシルアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ピロリジン類、アゼチジン類、ピペリジン類、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン等のピペラジン類、ピロリン類等の環式脂肪族アミン類、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m−キレンジアミン等の芳香族アミン類、エポキシ化合物付加ポリアミン、マイケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリアミン、チオ尿素付加ポリアミン、ケトン封鎖ポリアミン等の変性ポリアミン類、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ピロール、ピリジン、ピコリン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリアジン、テトラゾール、プリン、インドール、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾリン、ピロリン、オキサゾール、ピペリン、ピリミジン、ピリダジン、ベンズイミダゾール、インダゾール、キナゾリン、キノキサリン、フタルイミド、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、2−メトキシカルボニルベンズイミダゾール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メタンスルホニルピリジン、2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−1−オキサイド)、N−メチルピロリドン、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、2−メトキシカルボニルベンズイミダゾール、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド等の含窒素複素環化合物、フラン、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアミン、ピラン、クマリン、ベンゾフラン、キサンテン、ベンゾジオキサン等の含酸素複素環化合物、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、5−メチルオキサゾリジン、4−(2−ニトロブチル)モルホリン、4,4′−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)ジモルホリン等の含窒素及び酸素複素環化合物、チオフェン、3,3,4,4−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオラン−3−オン、5−クロロ−4−フェニル−1,2−ジチオラン−3−オン、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド等の含硫黄複素環化合物、チアゾール、ベンゾチアゾール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−3−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−チオシアノメチルベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−チオシアノメチルベンゾチアゾール等の含窒素及び硫黄複素環化合物、コレステロール等のステロイド類、ブルシン、キニン、テオフィリン等のアルカロイド類、シネオール、ヒノキチオール、メントール、テルピネオール、ボルネオール、ノポール、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、ゲラニオール、メントン、オイゲノール、リナロール、ジメチルオクタノール等の天然精油類、キンモクセイ、ジャスミン、レモン等の合成香料類、アスコルビン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のビタミン及び関連化合物等を例示することができる。
【0289】
本発明の分子化合物は、一般式(I)で表されるフェノール誘導体と、かかる誘導体と分子化合物を形成する前記のような物質とを直接混合するか、或いは溶媒中で混合することにより得ることができる。また、低沸点の物質或いは蒸気圧の高い物質の場合は、本発明のフェノール誘導体にこれら物質の蒸気を作用させることにより目的とする分子化合物を得ることができる。更に、まず本発明のフェノール誘導体とある物質との分子化合物を生成させ、この分子化合物と別の物質とを上記のような方法で反応させることにより目的とする分子化合物を得ることもできる。
【0290】
これらの方法により得られた物質が確かに分子化合物であることは、熱分析(TG及びDTA)、赤外吸収スペクトル(IR)、X線回折パターン、固体NMRスペクトル等により確認することができる。また、分子化合物の組成は熱分析、1HNMR スペクトル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、元素分析等により確認することができる。
【0291】
本発明の分子化合物はその生成条件により、これを構成する各成分化合物の比率が変化することがある。また、本発明のフェノール誘導体に対して、二種類以上の物質を反応させることにより、三成分以上の多成分からなる分子化合物を得ることもできる。
【0292】
本発明の分子化合物は、有用物質の選択分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化等の機能の点、及び一定の組成の分子化合物を安定的に製造するなどの目的から、結晶性であることが好ましく、特に結晶性の包接化合物であることがより好ましい。
この際、同一の分子化合物であっても結晶多形をとることがある。結晶性の確認は主にX線回折パターンを調べることによりできる。また結晶多形の存在は熱分析、X線回折パターン、固体NMR等により確認できる。ここで、包接化合物とは、原子又は分子が結合してできた三次元構造の内部に適当な大きさの空孔があり、その中に他の原子又は分子が非共有結合的な相互作用により一定の組成比で入り込んだ物質を指す。
【0293】
本発明の分子化合物の使用形態には特に制限はなく、例えばそれぞれ異なる成分化合物で構成された二種類以上の分子化合物を混合して使用することができる。また、本発明の分子化合物は目的とする機能を損なわない限り、他の物質を併用して使うことができる。本発明の分子化合物に賦形剤等を与え、顆粒や錠剤を成形して使用することもできる。更に、樹脂、塗料、並びにそれらの原料や原料組成物中に添加して使用することもできる。本発明の分子化合物はそのまま有機合成の原料として使用したり、分子化合物を特異的な反応場として使用することもできる。
【0294】
例えば、本発明における上記一般式(I)で表されるフェノール誘導体をホスト化合物とし、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン系殺菌剤、ヒノキチオール、1,8−シネオール等の抗菌・殺虫・防虫剤、ローズマリー等の香料、イソチアゾロン系化合物等の防汚剤、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のエポキシ樹脂用硬化剤及び1,8−ジアザビシクロ(4,5,0)ウンデセン−7等のエポキシ樹脂用硬化促進剤などの触媒又はトルエン、キシレン、ピリジン等の有機溶媒をゲストとした包接化合物は、ゲスト化合物が本来有する作用の他に、徐放性、皮膚刺激性の軽減、化学的安定化、不揮発化、粉末化、有用物質の選択分離等の機能が新たに付与され、新しい特性を有する殺菌剤、抗菌剤、殺虫・防虫剤、香料、防汚剤、エポキシ樹脂用硬化剤等の触媒、有機溶媒として極めて有用である。
【0295】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0296】
実施例1
3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン(第1表記載の化合物番号38、融点245℃)26g(50mmol)を酢酸エチル500mlに分散・懸濁した。ここに工業用殺菌剤であるケーソンWT(ローム&ハース社製)220ml[5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン22g(150mmol)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン8.4g、及び残部として塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、水を含む]を加え、10分間加熱攪拌した。室温で24時間放置後、酢酸エチル層を取り出し、減圧下で酢酸エチルを蒸発濃縮し、析出した結晶を濾取した。その後、この結晶を室温でロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物を得た。この組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから本分子化合物が明らかに結晶性であることを確認した。本分子化合物は5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンをおよそ140℃〜160℃の範囲で放出した。本分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャート、1HNMR スペクトル(重クロロホルム溶媒使用)及びX線回折パターンを図1、図2及び図3にそれぞれ示した。
このように本発明の分子化合物は、液状で刺激性、かつ分解性の高い殺菌剤であるケーソンWTの有効成分5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを粉末化し、かつ熱的安定化を付与した。
【0297】
実施例2
3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン26g、ケーソンWT220ml及びメタノール900mlを加え、加熱攪拌して溶解させた。その後、室温、減圧下で徐々にメタノールを蒸発濃縮し、析出した結晶を濾取した。この結晶を室温でロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物を得た。この組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから本分子化合物が明らかに結晶性であることを確認した。
【0298】
また、同様の操作で、室温、減圧下で急速にメタノールを蒸発濃縮し、結晶を析出させた場合には、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物を得た。この組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから本分子化合物が明らかに結晶性であることを確認した。
【0299】
このように本発明の分子化合物は、液状で刺激性、かつ分解性の高い殺菌剤であるケーソンWTの有効成分5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを粉末化し、かつ熱的安定化を付与した。
【0300】
実施例3
工業用殺菌剤であるケーソンWT(ローム&ハース社製)220mlに3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン26gを加え、室温下、縣濁状態で10分間攪拌した。室温で24時間放置した後、固形物を濾取し、室温下ロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物を得た。この組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから本分子化合物が明らかに結晶性であることを確認した。本分子化合物は5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンをおよそ120℃〜205℃の範囲で放出した。
このように本発明の分子化合物は、液状で刺激性、かつ分解性の高い殺菌剤であるケーソンWTの有効成分5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを粉末化し、かつ熱的安定化を付与した。
【0301】
比較例1
実施例1〜3において、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンの代わりに、同じモル数の4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン又は2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は実施例1〜3と同様の操作を行った。しかし、いずれの場合にも5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの分子化合物は生成しなかった。
【0302】
実施例4
3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン26g(50mmol)と2−エチル−4−メチルイミダゾール17g(150mmol)を酢酸エチル400mlに添加し、加熱溶解した。その後、室温で24時間放置し、析出した結晶を濾取し、室温下ロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2−エチル−4−メチルイミダゾールとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物を得た。この組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから本分子化合物が結晶性であることを確認した。2−エチル−4−メチルイミダゾールの融点が47℃であるのに対して、本分子化合物の融点は199℃であり、195℃付近から2−エチル−4−メチルイミダゾールを放出した。本分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)及びX線回折パターンを図4及び図5にそれぞれ示した。このように本発明の分子化合物は、低融点物質である2−エチル−4−メチルイミダゾールの結晶化、並びに溶融、揮発の制御を可能にした。
【0303】
次に、上記3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとエポキシ樹脂の硬化剤及び硬化促進剤として作用する2−エチル−4−メチルイミダゾールとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物を包接化触媒として用いてエポキシ樹脂の硬化特性について調べてみた。
エポキシモノマーとしては、ユニオンカーバイド社製の汎用モノマーであるUVR−6410を使用し、モノマー10gに対し、硬化剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)純分として0.4gとなるように上記包接化触媒を添加し、50mlのテフロンビーカー内でその混合物を5分間良く攪拌した後、その一部をDSC(示差走査熱量計)測定用サンプルとした。DSCの測定結果を図6に示した。
図6からもわかるように、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンをホストとする2−エチル−4−メチルイミダゾール包接化触媒を用いると、114℃で硬化が始まり、135℃で硬化反応がトップに至った。
一方、包接化触媒を用いる代わりに、2−エチル−4−メチルイミダゾールを硬化剤として用いる他は上記と同様に反応させたところ、79℃で硬化が始まり、114℃で硬化反応がトップに至った。
これらのことから、2−エチル−4−メチルイミダゾールを包接化触媒として用いることにより、硬化開始温度が上昇し、かつ、硬化開始から硬化反応がトップに至るまでの温度差が小さく、熱感受性が上昇することが確認できた。
【0304】
実施例5
3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン20g(38mmol)とピリジン12g(150mmol)を室温下でメタノール100mlに溶解した。0℃で24時間放置した後、析出した結晶を濾取し、室温下ロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとピリジンとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物を得た。この組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから本分子化合物が結晶性であることを確認した。本分子化合物はピリジンをおよそ90℃〜200℃の範囲で放出した。本分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)及び熱分析(TG/DTA)チャートを図7及び図8にそれぞれ示した。このように本発明の分子化合物は、室温で液体であるピリジンを粉末化し、また揮発の制御を可能にした。
【0305】
実施例6
3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン20g(38mmol)、ピリジン12g(150mmol)、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン4.6g(40mmol)を室温下酢酸エチル200mlに加熱溶解した。0℃で24時間放置した後、析出した結晶を濾取し、室温下ロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ピリジン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとの組成比率1:1:1(モル比)から成る分子化合物を得た。この組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから本分子化合物が結晶性であることを確認した。本分子化合物はピリジン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンをおよそ118℃〜212℃の範囲で放出した。本分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)及び熱分析(TG/DTA)チャートを図9及び図10にそれぞれ示した。
【0306】
このように本発明の分子化合物は、室温で液体であるピリジン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを粉末化し、両者の揮発の制御を可能にした。
【0307】
比較例2
実施例5及び6において、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンの代わりに、同じモル数の4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン又は2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は実施例5及び6と同様の操作を行った。しかし、いずれの場合にもピリジン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとの分子化合物は生成しなかった。
【0308】
実施例7
3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン15g(28mmol)をテトラヒドロフラン100mlに加熱溶解した後、室温で72時間放置した。析出した結晶を濾取し、室温下ロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとテトラヒドロフランとの組成比率1:4(モル比)から成る分子化合物を得た。同様にしてテトラヒドロフランの代わりに1,4−ジオキサン及びN,N−ジメチルホルムアミドを使用し、それぞれ3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと1,4−ジオキサンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物、及び3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとN,N−ジメチルホルムアミドとの組成比率1:1.5(モル比)から成る分子化合物を得た。これらのものが分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから本分子化合物が結晶性であることを確認した。
このように本発明の分子化合物は、室温で液体であるテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン及びN,N−ジメチルホルムアミドの粉末化を可能にした。
【0309】
比較例3
実施例7において、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンの代わりに、同じモル数の4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン又は2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は実施例7と同様の操作を行った。しかし、いずれの場合にもテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン及びN,N−ジメチルホルムアミドとの分子化合物は生成しなかった。
【0310】
実施例8
2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール20gを1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとメタノール1:1(容量比)の混合溶媒100mlに加熱溶解した後、5℃で24時間放置し、析出した結晶を濾取し、室温下ロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物を得た。次に、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとメタノールの代わりにピリジンを使用し、同様の操作により、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールとピリジンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物を得た。また、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール20gをN,N−ジメチルホルムアミド50ミリリットルに加熱溶解した後、ロータリーエバポレーターを使用してN,N−ジメチルホルムアミドを除去し、固体残渣を80℃にてロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールとN,N−ジメチルホルムアミドとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物を得た。更に、N,N−ジメチルホルムアミドの代わりにジメチルスルホキシドを使用して同様な操作を行い、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールとジメチルスルホキシドとの組成比率1:0.75(モル比)から成る分子化合物を得た。各々が前記の組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから各々の分子化合物が明らかに結晶性であることを確認した。各々の分子化合物は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンをおよそ130℃〜230℃の範囲、ピリジンをおよそ90〜210℃の範囲、N,N−ジメチルホルムアミドをおよそ95℃〜185℃の範囲、ジメチルスルホキシドをおよそ95℃〜220℃の範囲で放出した。
【0311】
2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドとの分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)をそれぞれ図11,図12、図13及び図14に示し、熱分析(TG/DTA)チャートをそれぞれ図15、図16、図17及び図18に示した。また、比較のために、2、4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールの 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を図19に示した。
【0312】
このように本発明の分子化合物は、室温で液体である1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドを粉末化し、また揮発の制御を可能にした。
【0313】
実施例9
2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノール20gをアセトン100mlに懸濁し、10分間還流温度で加熱した後、5℃で24時間放置し、析出した結晶を濾取し、室温下ロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールとアセトンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物を得た。また、アセトンの代わりに酢酸エチル、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンを使用し、各々同様の操作を行い、2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールと酢酸エチル、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物を得た。各々が前記の組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、1HNMR 及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから各々の分子化合物が明らかに結晶性であることを確認した。各々の分子化合物はアセトンをおよそ90℃〜132℃の範囲、酢酸エチルをおよそ70℃〜81℃の範囲、テトラヒドロフランをおよそ85℃〜188℃の範囲、ジメチルスルホキシドをおよそ92℃〜136℃の範囲で放出した。
【0314】
2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールとアセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン及び1,4−ジオキサンとの分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)をそれぞれ図20、図21、図22及び図23に示し、熱分析(TG/DTA)チャートをそれぞれ図24、図25、図26及び図27に示した。また、比較のために、2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールの 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を図28に示した。
【0315】
このように本発明の分子化合物は、室温で液体であるアセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン及び1,4−ジオキサンを粉末化し、また揮発の制御を可能にした。
【0316】
実施例10
3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン5.3gをメタノール150mlに加え、加熱攪拌して溶解させた。ここに2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン5.9gを加え、10分間加熱撹拌を行った。室温で24時間静置した後、析出した結晶を濾取した。この結晶を室温でロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物を得た。この組成の分子化合物であることは熱分析(TG/DTA)、 1HNMR及びX線回折パターンにより確認した。またX線回折パターンから本分子化合物が明らかに結晶性であることを確認した。
【0317】
また、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン5.3gを酢酸エチル150mlに加え、加熱攪拌して懸濁させた。ここに2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン5.9gを加え、10分間加熱撹拌を行った。室温で24時間静置した後、結晶を濾取した。この結晶を室温でロータリー真空ポンプを用いて5時間減圧乾燥し、上記のものと同一の分子化合物を得た。本分子化合物の融点は109℃であった。
このように本発明の分子化合物は、室温において液状で刺激性、かつ分解性の高い殺菌剤である2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを粉末化し、かつ熱的安定化を付与した。
【0318】
【発明の効果】
本発明の新規な分子化合物は、簡単な操作で調製できる上に、種々の物質について化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの機能を付与することができ、また特定物質の選択分離や回収を行うことができる。更に本発明の分子化合物は種々の物質と併用して使用することができ、また各種の形態で用いることもできる。従って、本発明は非常に広範な分野で利用可能であり、産業上における意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図2】本発明の実施例1の3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(重クロロホルム溶媒使用)を示す図である。
【図3】本発明の実施例1の3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物のX線回折パターンを示す図である。
【図4】本発明の実施例4の3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2−エチル−4−メチルイミダゾールとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図5】本発明の実施例4の3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2−エチル−4−メチルイミダゾールとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物のX線回折パターンを示す図である。
【図6】本発明の実施例4の3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2−エチル−4−メチルイミダゾールとの組成比率1:2(モル比)から成る包接化触媒を用いた場合のエポキシ樹脂の硬化特性を示すDSCの測定結果を示す図である。
【図7】本発明の実施例5の3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとピリジンとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図8】本発明の実施例5の3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとピリジンとの組成比率1:2(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図9】本発明の実施例6の3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ピリジン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとの組成比率1:1:1(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図10】本発明の実施例6の3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ピリジン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとの組成比率1:1:1(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図11】本発明の実施例8の2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図12】本発明の実施例8の2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールとピリジンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図13】本発明の実施例8の2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールとN,N−ジメチルホルムアミドとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図14】本発明の実施例8の2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールとジメチルスルホキシドとの組成比率1:0.75(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図15】本発明の実施例8の2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図16】本発明の実施例8の2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールとピリジンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図17】本発明の実施例8の2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールとN,N−ジメチルホルムアミドとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図18】本発明の実施例8の2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールとジメチルスルホキシドとの組成比率1:0.75(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図19】2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールの 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図20】本発明の実施例9の2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールとアセトンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図21】本発明の実施例9の2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールと酢酸エチルとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図22】本発明の実施例9の2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールとテトラヒドロフランとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図23】本発明の実施例9の2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールと1,4−ジオキサンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。
【図24】本発明の実施例9の2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールとアセトンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図25】本発明の実施例9の2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールと酢酸エチルとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図26】本発明の実施例9の2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールとテトラヒドロフランとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図27】本発明の実施例9の2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールと1,4−ジオキサンとの組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物の熱分析(TG/DTA)チャートを示す図である。
【図28】2,4,6−トリス(フェニルスルホニル)フェノールの 1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6 溶媒使用)を示す図である。

Claims (4)

  1. 一般式(IV)
    Figure 0004605726
    [式中、Aは
    Figure 0004605726
    (wは0、1、2のいずれかを、uは0又は1をそれぞれ表す)を表し、R18、R19、R21、R24は、互いに同一又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、又はC2〜C4のアルケニル基を表し、R17
    ―SO−Y
    (Yは、C1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくはハロゲン原子を有してもよいフェニル基を表す)を表し、R20、R22、R23は互いに同一もしくは異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基又はR17と同一の基を表す]で表されるフェノール誘導体からなる分子化合物形成用成分化合物。
  2. 一般式(V)
    Figure 0004605726
    [式中、Bは
    Figure 0004605726
    (wは0、1、2のいずれかを、uは0又は1をそれぞれ表す)から選ばれる基を表し、R26、R27、R30、R32は、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、又はC2〜C4のアルケニル基を表し、R25、R28、R29、R31は、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、又は
    ―SO−Y
    (Yは、C1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくはハロゲン原子を有してもよいフェニル基を表す)を表すが、R25、R28、R29のうちの少なくとも一つは、
    ―SO−Y
    (Yは前記定義と同じ)を表す]で表されるフェノール誘導体からなる分子化合物形成用成分化合物。
  3. 一般式(VI)
    Figure 0004605726
    [式中、R33及びR35
    ―SO−Y
    (Yは、C1〜C4のアルキル基もしくはC2〜C4のアルケニル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基もしくはハロゲン原子を有してもよいフェニル基を表す)を表し、R34、R36、R37は、互いに同一又は異なってもよく、水素原子、C1〜C4のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、又はR33と同一の基を表す。]で表されるフェノール誘導体からなる分子化合物形成用成分化合物。
  4. 分子化合物が、包接化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分子化合物形成用成分化合物。
JP27672498A 1997-09-02 1998-09-02 フェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物 Expired - Fee Related JP4605726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27672498A JP4605726B2 (ja) 1997-09-02 1998-09-02 フェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25293097 1997-09-02
JP9-308058 1997-10-22
JP30805897 1997-10-22
JP9-252930 1997-10-22
JP27672498A JP4605726B2 (ja) 1997-09-02 1998-09-02 フェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11189565A JPH11189565A (ja) 1999-07-13
JP4605726B2 true JP4605726B2 (ja) 2011-01-05

Family

ID=27334168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27672498A Expired - Fee Related JP4605726B2 (ja) 1997-09-02 1998-09-02 フェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4605726B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4801266B2 (ja) * 2000-03-14 2011-10-26 日本曹達株式会社 新規硫黄含有化合物及び該化合物を成分化合物とする分子化合物

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH563356A5 (ja) * 1972-05-17 1975-06-30 Esteve Dr Lab Del Sa
CH551956A (fr) * 1972-05-17 1974-07-31 Esteve Lab Del Dr Sa Procede pour la preparation de sels de sulfones derivant des acides 2,5-dihydroxybenzenemonosulfonique et 2,5dihydroxybenzenedisulfonique.
ZA745083B (en) * 1973-09-11 1975-08-27 Esteve Labor Dr Process for the preparation of monoesters and diesters of 2,5-dihydroxy-benzene-sulphonic acid
US4045558A (en) * 1975-10-08 1977-08-30 Merck & Co., Inc. Pilocarpine salts
EP0029990B1 (de) * 1979-12-04 1982-09-08 Byk Gulden Lomberg Chemische Fabrik GmbH Diphenylmethanderivat, Verfahren zu seiner Herstellung und es enthaltende Arzneimittel
IT8222600A0 (it) * 1982-07-28 1982-07-28 Pietro Tommaso Tessitore Nuovi idrossibenzensolfonati della 5-(o-clorobenzil)-4,5,6,7-tetraidro tieno parentesi quadra aperta 3,2-c parentesi quadra chiusa piridina.
JPS6123969A (ja) * 1984-07-13 1986-02-01 Toyo Roshi Kk 体液中のウロビリノ−ゲンを検出するための試験用組成物
GB8620073D0 (en) * 1986-08-18 1986-10-01 Delandale Lab Ltd Pharmaceutical compositions
JPS6470453A (en) * 1987-08-12 1989-03-15 Pennwalt Corp 2-hydroxybenzophenonehydrazide and derivative
JPH03132A (ja) * 1989-05-24 1991-01-07 Kurita Water Ind Ltd 多分子系ホスト化合物担持担体
JP3077243B2 (ja) * 1991-04-12 2000-08-14 日本曹達株式会社 包接化合物およびその製造方法
JP3463349B2 (ja) * 1994-06-01 2003-11-05 栗田工業株式会社 殺菌剤分子化合物
JP3650181B2 (ja) * 1994-09-13 2005-05-18 日本エンバイロケミカルズ株式会社 殺菌剤および殺菌方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11189565A (ja) 1999-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Boger et al. Inverse electron demand Diels-Alder reactions of 3, 6-bis (methylthio)-1, 2, 4, 5-tetrazine. 1, 2-Diazine introduction and direct implementation of a divergent 1, 2, 4, 5-tetrazine. fwdarw. 1, 2-Diazine. fwdarw. benzene (indoline/indole) Diels-Alder strategy
EP1306369B1 (en) Novel sulfur compounds and intermolecular compounds containing the same as the component compound
JPS6341906B2 (ja)
JP4605726B2 (ja) フェノール誘導体を成分化合物とする分子化合物
US7655820B2 (en) Method for producing molecular compound
JP4367976B2 (ja) 置換ヒドロキシヒドロキシジフェニルスルホンを成分化合物とする分子化合物
JP4565582B2 (ja) 新規カルボン酸誘導体を成分化合物とする分子化合物
EP1016656A1 (en) Molecular compounds containing phenol derivatives as constituent
JP4229345B2 (ja) フェニルスルホン誘導体を成分化合物とする分子化合物
US6566548B1 (en) Molecular compounds containing novel carboxylic acid derivatives as the constituent compound
JPH1143448A (ja) フェノール系分子化合物を使用する反応方法
JP4801266B2 (ja) 新規硫黄含有化合物及び該化合物を成分化合物とする分子化合物
JP4573926B2 (ja) ビキサンテン誘導体を成分化合物とする分子化合物
JP5367201B2 (ja) 分子化合物の製造方法
JPS60218387A (ja) ケテンs,s−アセタ−ル類
JP5164223B2 (ja) 包接化合物用ホスト化合物
JP4553416B2 (ja) ジヒドロキシトリアジン誘導体を包接化合物のホスト化合物として使用する方法
JP5000036B2 (ja) 分子化合物の製造方法
JP4804602B2 (ja) 架橋型トリアジン誘導体を成分化合物とする分子化合物
JP3936775B2 (ja) ジフェニルスルホン誘導体を成分化合物とする分子化合物
JP4804601B2 (ja) トリアジン誘導体を成分化合物とする分子化合物
JPH1129501A (ja) 分子化合物の製造方法
JP4544551B2 (ja) トリ−o−チモチド類を成分化合物とする分子化合物
JP2000344687A (ja) 分子化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees