JP5000036B2 - 分子化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定性の向上した分子化合物を工業的に大量に製造する方法に関し、詳しくは、固体−固体反応、又は固体−液体反応を用いた安定性の向上した分子化合物の工業的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、包接化合物に代表される分子化合物の製造方法としては、ホスト化合物及びゲスト化合物を溶媒に溶かし、溶液中で反応させる方法が一般的に行われている。しかし、溶媒を用いる従来の方法では、溶媒の種類によっては分子化合物を生成しない場合があり、ゲスト分子を包接せず溶媒のみを包接した化合物や、ゲスト分子を包接するもののその一部に溶媒を含む化合物が得られる場合があり、条件の選択が場合によって困難であることが指摘されていた。
【0003】
これに対して、溶媒を用いずに、ホスト化合物とゲスト化合物を直接混合して製造する方法がいくつか提案されている。例えば、特開昭63−35533号公報には、1分子中にフェニル基とヒドロキシル基とを有し、かつ炭素数が12を超える粉末状ホスト化合物と1分子中にフェニル基とカルボニル基とを有する粉末状ゲスト化合物とをそれぞれ粉砕して粉末状とした後、混合して反応させる方法、上記ホスト化合物と上記ゲスト化合物を混合した後、粉砕して反応させる方法、上記ホスト化合物と上記ゲスト化合物を粉砕しながら混合して反応させる方法等が開示されており、具体的な混合方法としては、乳鉢で粉砕混合する方法、振盪機で振盪混合する方法が記載されている。また、特開平1−213236号公報には、常温で固体状のゲスト化合物を加熱溶融して、次いで前記ゲスト化合物と反応して包接化合物を生成する粉末ホスト化合物を添加する包接化合物の製造方法が記載されている。他方、捏和機や造粒機は、従来から、食品の混合、農薬もしくは医薬等の錠剤化、又は樹脂の改質、強化等に一般的に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
分子化合物の固体−固体反応による従来の製造方法は、そのいずれもが小スケールの製造に関するものであり、固体−固体反応による分子化合物の製造を工業的に大スケールで実施すること自体考えられたことはなく、また、ニーダーや造粒機を、固体−固体反応や固体−液体反応に応用した例は今まで知られていない。また、分子化合物を種々の製品や製品原料として実際に使用するに際しては、その安定性が向上した分子化合物が求められている。本発明の課題は、固体−固体反応や固体−液体反応による分子化合物、特に安定性に優れた分子化合物の工業的な製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、固体−固体反応や固体−液体反応による分子化合物の工業的製造を実施する必要に迫られ上記課題を見い出し、鋭意検討した結果、ホスト化合物とゲスト化合物をニーダーや造粒機を用いて混合及び/又は混練し、又は更に造粒することにより、工業的に大量に分子化合物を製造することができることを確認し、また、分子化合物の製造に際して、ホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練した後、50℃以上で且つゲスト化合物の放出温度以下の温度に所定期間保持する工程、ホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練することにより生成した分子化合物を、ゲスト化合物を溶解することができる溶媒で洗浄する工程、固体ホスト化合物をあらかじめ粉砕する工程、水を添加して混合及び/又は混練する工程のいずれかを採用することにより、安定性の向上した分子化合物を製造することができることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、
(1)固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とを混合及び/又は混練することにより安定性の向上した分子化合物を製造する方法であって、少なくとも以下の(a)〜(d)工程のいずれか一工程を行うことを特徴とする分子化合物の製造方法
(a) ホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練した後、50℃以上で且つゲスト化合物の放出温度以下の温度に所定期間保持する工程
(b) ホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練することにより生成した分子化合物を、ゲスト化合物を溶解することができる溶媒で洗浄する工程
(c) 固体ホスト化合物をあらかじめ粉砕する工程
(d) 固体ホスト化合物、固体ゲスト化合物及び液体ゲスト化合物に対する貧溶媒を添加して混合及び/又は混練する工程、
(2)工程(c)により、固体ホスト化合物の平均粒径を1.6μm以下とすることを特徴とする(1)記載の分子化合物の製造方法、
(3)工程(c)により、固体ホスト化合物の粒径を4.0μm以下とすることを特徴とする(1)又は(2)記載の分子化合物の製造方法、
(4)工程(c)により、固体ホスト化合物の80重量%以上の粒径を2.0μm以下とすることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、及び
(5)工程(c)における粉砕が気流粉砕であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法に関する。
【0007】
また本発明は、
(6)工程(d)において、貧溶媒を、固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物の合計重量に対して、20〜200重量%添加して混合及び/又は混練することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、
(7)工程(d)において、貧溶媒を添加して貧溶媒の含量が1重量%以下になるまで加熱しながら混合及び/又は混練することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、
(8)工程(d)において、貧溶媒を添加して混合及び/又は混練し、貧溶媒の含量が1重量%以下になるまで乾燥させることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、
(9)工程(d)において、貧溶媒を、固体ホスト化合物1モルに対して200ml以上1000ml以下添加することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、
(10)工程(d)における貧溶媒として、固体ホスト化合物、固体ゲスト化合物及び液体ゲスト化合物の室温における溶解度が1g/100ml以下の溶媒を用いることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、及び
(11)工程(d)における貧溶媒が水であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法に関する。
【0008】
さらに本発明は、
(12)固体ホスト化合物と必要量の固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と必要量の液体ゲスト化合物とを一度に混合することを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、
(13)ニーダーを用いて混合及び/又は混練することを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、
(14)固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とをニーダーを用いて混合及び/又は混練することを特徴とする分子化合物の製造方法、
(15)ニーダーが多軸型混練機であることを特徴とする(13)又は(14)記載の分子化合物の製造方法、
(16)固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とをニーダーを用いて混合及び/又は混練する前に、あらかじめ固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とを均一に混合することを特徴とする(13)〜(15)のいずれかに記載の分子化合物の製造法、
(17)ニーダーを用いて、固体ホスト化合物、ゲスト化合物及び生成する分子化合物が安定な温度範囲で混合及び/又は混練することを特徴とする(13)〜(16)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、
(18)固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とをニーダーを用いて混合及び/又は混練し、更に押出し造粒することを特徴とする(13)〜(17)のいずれか記載の分子化合物の製造方法、
(19)固体ホスト化合物が、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンであることを特徴とする(1)〜(18)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、及び
(20)ゲスト化合物が、2−エチル−4−メチルイミダゾールであることを特徴とする(1)〜(19)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の分子化合物の製造方法としては、(1)固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とを混合及び/又は混練することにより安定性の向上した分子化合物を製造する方法であって、少なくとも、(a)ホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練した後、50℃以上で且つゲスト化合物の放出温度以下の温度に所定期間保持する工程、(b)ホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練することにより生成した分子化合物を、ゲスト化合物を溶解することができる溶媒で洗浄する工程、(c)固体ホスト化合物をあらかじめ粉砕する工程、(d)固体ホスト化合物、固体ゲスト化合物及び液体ゲスト化合物に対する貧溶媒を添加して混合及び/又は混練する工程、のいずれか一工程を行う方法や、(2)固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とをニーダーを用いて混合及び/又は混練する方法、であれば特に制限されるものではなく、ここで、分子化合物とは、単独で安定に存在することのできる化合物の二種以上の成分化合物が水素結合やファンデルワールス力などに代表される共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物をいい、水化物、溶媒化物、付加物、包接化合物等が含まれる。また、上記包接化合物とは、原子又は分子が結合してできた三次元構造の内部に適当な大きさの空孔があり、その中に他の原子又は分子が非共有結合的な相互作用により一定の組成比で入り込んだ物質をいう。かかる分子化合物は、ホスト化合物とゲスト化合物を混合することによって得られ、有用物質であるゲスト化合物の選択分離、ゲスト化合物の化学的安定化、不揮発化及び粉末化を可能とする機能を有している点で有用な物質である。また、本発明の分子化合物には、二種類以上のゲスト化合物を反応させることにより得られる、三成分以上の多成分からなる分子化合物も含まれる。さらに、分子化合物の結晶性は主にX線回折パターンを調べることにより確認することができ、また同一組成の分子化合物における結晶多形の存在は熱分析、X線回折パターン、固体NMR等により確認することができる。
【0010】
本発明で使用される固体ホスト化合物としては、原子又は分子が結合してできた三次元構造の内部の空孔に、他の原子又は分子を一定の組成で取り込んで、特定の構造を構築できる化合物であれば特に制限されるものでなく、具体的に、テトラキスフェノ−ル類、1,1,6,6−テトラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、1,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,6−ジフェニルヘキサン−2,4−ジイン−1,6−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、2,5−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ハイドロキノン、1,1−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、1,1,2,2−テトラフェニルエタン−1,2−ジオール、1,1′−ビ−2−ナフトール、9,10−ジフェニル−9,10−ジヒドロキシアントラセン、1,1,6,6−テトラ(2,4−ジメチルフェニル)−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、9,10−ビス(4−メチルフェニル)−9,10−ジヒドロキシアントラセン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラキス(シクロヘキシル)−(1,1′−ビフェニル)−2−2′−ジカルボキシアミド、4,4′−スルホニルビスフェノール、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(4−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−クロロフェノール)、デオキシコール酸、コール酸、α,α,α′,α′−テトラフェニル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジメタノール、t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、顆粒状コーンスターチ、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン、3,3′−ビスフェニルスルフォニル−4,4′−ジヒドロキシフェニルスルフォン、トリ−o−チモチドを例示することができる。
【0011】
また、上記のテトラキスフェノ−ル類としては、例えば、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(以下「TEP」という)、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン等テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカン類を具体的に例示することができるが、TEPが実用上特に好ましい。
【0012】
本発明に使用される固体又は液体のゲスト化合物としては、原子又は分子が結合してできた三次元構造の内部の空孔に、一定の組成で取り込まれ、特定の構造を構築できる化合物であれば特に制限されるものでなく、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール等のアルコール類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、α−ブロムシンナムアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、2−ブロモ−4′−ヒドロキシアセトフェノン等のケトン類を具体的に例示することができる。
【0013】
また、ゲスト化合物として、アセトニトリル、アクリロニトリル、n−ブチロニトリル、マロノニトリル、フェニルアセトニトリル、ベンゾニトリル、シアノピリジン、2,2−ジブロモメチルグルタルニトリル、2,3,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等のニトリル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、ジオキソラン、トリオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−ヘプチルアセテート、ビス−1,4−ブロモアセトキシ−2−ブテン等のエステル類、ベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジシアンジアミド、ジブロムニトリルプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、N,N−ジエチル−m−トルアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素、ε−カプロラクタム等のラクタム類、ε−カプロラクトン等のラクトン類、アリールグリシジルエーテル等のオキシラン類、モルホリン類、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、p−クロロ−m−クレゾール等のフェノール類を具体的に例示することができる。
【0014】
ゲスト化合物として、また、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、アジピン酸、酒石酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸等のカルボン酸類及びチオカルボン酸類、スルファミン酸類、チオカルバミン酸類、チオセミカルバジド類、尿素、フェニル尿素、ジフェニル尿素、チオ尿素、フェニルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素等の尿素及びチオ尿素類、イソチオ尿素類、スルホニル尿素類、チオフェノール、アリルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、ベンジルメルカプタン等のチオール類、ベンジルスルフィド、ブチルメチルスルフィド等のスルフィド類、ジブチルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド類、ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド等のスルホキシド類、ジメチルスルホン、フェニルスルホン、フェニル−(2−シアノ−2−クロロビニル)スルホン、ヘキサブロモジメチルスルホン、ジヨードメチルパラトリルスルホン等のスルホン類、チオシアン酸メチルエステル、イソチオシアン酸メチルエステル等のチオシアン酸類及びイソチオシアン酸類を具体的に例示することができる。
【0015】
ゲスト化合物として、また、グリシン、アラニン、ロイシン、リジン、メチオニン、グルタミン等のアミノ酸類、アミド及びウレタン化合物類、酸無水物類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アルカン類、アルケン類、アルキン類、ブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート等のイソシアネート類、メチレンビスチオシアネート、メチレンビスイソチオシアネート等のチオシアネート類及びイソチオシアネート類、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン等のニトロ化合物類、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、アリルアミン、ヒドロキシルアミン、エタノールアミン、ベンジルアミン、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N−エチル−1,3−プロパンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アルキル−t−モノアミン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、グアニジン、N−(2−ヒドロキシプロピル)アミノメタノール等の非環式脂肪族アミン類を具体的に例示することができる。
【0016】
ゲスト化合物として、また、シクロヘキシルアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ピロリジン類、アゼチジン類、ピペリジン類、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン等のピペラジン類、ピロリン類等の環式脂肪族アミン類、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノン−5−エン等の架橋型アミン類、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m−キレンジアミン等の芳香族アミン類、エポキシ化合物付加ポリアミン、マイケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリアミン、チオ尿素付加ポリアミン、ケトン封鎖ポリアミン等の変性ポリアミン類、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類を具体的に例示することができる。
【0017】
ゲスト化合物として、また、ピロール、ピリジン、ピコリン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリアジン、テトラゾール、プリン、インドール、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾリン、ピロリン、オキサゾール、ピペリン、ピリミジン、ピリダジン、ベンズイミダゾール、インダゾール、キナゾリン、キノキサリン、フタルイミド、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、2−メトキシカルボニルベンズイミダゾール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メタンスルホニルピリジン、2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−1−オキサイド)、N−メチルピロリドン、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド等の含窒素複素環化合物、フラン、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアミン、ピラン、クマリン、ベンゾフラン、キサンテン、ベンゾジオキサン等の含酸素複素環化合物、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、5−メチルオキサゾリジン、4−(2−ニトロブチル)モルホリン、4,4′−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)ジモルホリン等の含窒素及び酸素複素環化合物を具体的に例示することができる。
【0018】
さらに、ゲスト化合物として、チオフェン、3,3,4,4−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオラン−3−オン、5−クロロ−4−フェニル−1,2−ジチオラン−3−オン、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド等の含硫黄複素環化合物、チアゾール、ベンゾチアゾール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−3−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−チオシアノメチルベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−チオシアノメチルベンゾチアゾール等の含窒素及び硫黄複素環化合物、コレステロール等のステロイド類、ブルシン、キニン、テオフィリン等のアルカロイド類、シネオール、ヒノキチオール、メントール、テルピネオール、ボルネオール、ノポール、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、ゲラニオール、メントン、オイゲノール、リナロール、ジメチルオクタノール等の天然精油類、キンモクセイ、ジャスミン、レモン等の合成香料類、アスコルビン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のビタミン及び関連化合物等を具体的に例示することができる。
【0019】
前記のように、本発明の安定性の向上した分子化合物の製造方法としては、固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とを混合及び/又は混練することにより分子化合物を製造する方法であって、 (a)ホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練した後、50℃以上で且つゲスト化合物の放出温度以下の温度に所定期間保持する工程、(b)ホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練することにより生成した分子化合物を、ゲスト化合物を溶解することができる溶媒で洗浄する工程、(c)固体ホスト化合物をあらかじめ粉砕する工程、(d) 固体ホスト化合物、固体ゲスト化合物及び液体ゲスト化合物に対する貧溶媒を添加して混合及び/又は混練する工程の1又は2以上の工程を行う方法を挙げることができ、ここで「安定性の向上した分子化合物」とは、ホスト化合物とゲスト化合物との結合状態を改善し、分子化合物からのゲスト化合物の放出を適切にコントロールすることができる分子化合物をいい、以下ゲスト化合物として樹脂硬化触媒活性を有する物質を用いる場合を例にとってより具体的に説明する。反応硬化型樹脂塗料、例えばエポキシ塗料等の熱硬化型塗料は、エポキシオリゴマーと樹脂硬化触媒を含み、保存中に樹脂の硬化が進んで粘度の上昇がみられると、最終的に塗料としての使用が困難になる。例えば、エポキシ樹脂用硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)は硬化触媒性能においては優れているが、エポキシオリゴマーと共存させておくと、保存中に樹脂の硬化が進み、使用可能な時間(可使時間)が短いという欠点を有しており、現在のところ使用直前に触媒と樹脂を混合する2液タイプでのみ使用されており、あらかじめ触媒と樹脂が混合されている1液タイプとしては使用されておらず、1液タイプと比較して作業性が悪いという欠点があった。これらのことから、ゲスト化合物として樹脂硬化触媒活性を有する物質を用いた場合における安定性の向上した分子化合物とは、可使時間が長く、その保存中に塗料の粘度を上昇させることなく、塗装に際して加温等により速やかに硬化させる性能に優れた分子化合物であるということができる。
【0020】
上記の(a)工程を採用することにより、すなわちホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練した後、50℃以上で且つゲスト化合物の放出温度以下の温度に所定期間保持(以下「加温保持」という)することにより、生成する分子化合物の安定性を高めることができ、例えば、ゲスト化合物として樹脂硬化触媒活性を有する物質を用いる場合、ゲスト化合物を単独使用する場合や未加温保持処理の分子化合物を使用する場合に比べて、樹脂硬化触媒活性の発現を適切にコントロールすることができ、粉末塗料等における可使時間を大幅に延長することができる。この加温保持処理の温度範囲の下限は、50℃以上であれば制限されないが、70℃以上が好ましく、50℃未満であると分子化合物の安定性向上効果を充分に期待することができない。また、加温保持処理の温度範囲の上限であるゲスト化合物の放出温度(リリース温度)は、分子化合物の種類によって異なるが、例えば、TEPと2E4MZからなる分子化合物の場合は180〜200℃の範囲である。この場合、加温保持処理の温度範囲は、50〜170℃、好ましくは70〜150℃ということができる。
【0021】
上記の(b)工程を採用することにより、すなわちゲスト化合物を溶解することができる溶媒、好ましくはホスト化合物を溶解せずにゲスト化合物を溶解することのできる溶媒で生成した分子化合物を洗浄することにより、洗浄後の分子化合物の安定性を高めることができ、例えば、ゲスト化合物として樹脂硬化触媒活性を有する物質を用いる場合、未洗浄処理の分子化合物を使用する場合に比べて、樹脂硬化触媒活性の発現を適切にコントロールすることができ、粉末塗料等における可使時間を大幅に延長することができる。洗浄溶媒としては、ゲスト化合物を溶解することができる溶媒であれば特に制限されるものではないが、ゲスト化合物に対する溶解力の強い溶媒が好ましい。
【0022】
上記の(c)工程を採用することにより、すなわち上記固体ホスト化合物をゲスト化合物と混合・混練して分子化合物を製造するに際して、固体ホスト化合物として気流粉砕法等により粉砕した固体ホスト化合物を用いることにより、生成する分子化合物の安定性を高めることができ、例えば、ゲスト化合物として樹脂硬化触媒活性を有する物質を用いる場合、未粉砕処理の固体ホスト化合物から作った分子化合物を使用する場合に比べて、樹脂硬化触媒活性の発現を適切にコントロールすることができ、粉末塗料等における可使時間を大幅に延長することができる。かかる固体ホスト化合物の粉砕物としては、例えばその平均粒径が1.6μm以下、好ましくは1.1μm以下である固体ホスト化合物や、その粒径が4.0μm以下、好ましくは3.7μm以下である固体ホスト化合物や、その80重量%以上の粒径が2.0μm以下、好ましくは1.8μm以下である固体ホスト化合物を好適に例示することができる。
【0023】
上記の(d)工程を採用することにより、すなわちニーダー等を用いてホスト化合物とゲスト化合物を混合及び/又は混練するに際して、固体ホスト化合物、固体ゲスト化合物及び液体ゲスト化合物に対する貧溶媒を添加して混合及び/又は混練することにより、生成する分子化合物の安定性を高めることができ、例えば、ゲスト化合物として樹脂硬化触媒活性を有する物質を用いる場合、貧溶媒を添加することなく作った分子化合物を使用する場合に比べて、樹脂硬化触媒活性の発現を適切にコントロールすることができ、粉末塗料等における可使時間を大幅に延長することができる。かかる貧溶媒を添加しての混合及び/又は混練としては、固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物の合計重量に対して、20〜200重量%の貧溶媒を添加して混合及び/又は混練したり、貧溶媒を添加して貧溶媒含量が1重量%以下になるまで加熱しながら混合及び/又は混練したり、貧溶媒を添加して混合及び/又は混練し、貧溶媒含量が1重量%以下になるまで乾燥させるなど、貧溶媒の共存下に混合及び/又は混練し、生成する分子化合物の貧溶媒含量を1重量%以下とすることが特に好ましく、生成する分子化合物の安定性を一層高めることができる。また、貧溶媒の添加量としては特に制限されるものではないが、固体ホスト化合物1モルに対して200ml以上1000ml以下、好ましくは400ml以上600ml以下添加することにより生成する分子化合物の安定性を高めることができ、この場合、貧溶媒含量が1重量%を多少超えても安定性に優れた分子化合物を得ることができる。かかる貧溶媒としては、固体ホスト化合物、固体ゲスト化合物及び液体ゲスト化合物の室温におけるそれぞれの溶解度が1g/100ml以下の溶媒をあげることができ、具体的には水を好適に例示することができる。
【0024】
上記の分子化合物の製造方法における、固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とを混合及び/又は混練する手段としては、特に制限されるものではないが、ニーダーを用いて混合及び/又は混練することが工場規模での大量生産に適していることから好ましい。本発明の分子化合物の製造方法は、また、ニーダー(混練機も含む)を用いて、固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とを混合及び/又は混練することを特徴とすることから、以下、かかるニーダー及びニーダー等を用いた混合や混練について説明する。
【0025】
本発明に用いられるニーダーとしては、ホスト化合物とゲスト化合物を大スケールで充分に混合及び/又は混練することができるものであればどのような装置であってもよく、食品分野やプラスチック分野等で一般に使用されている捏和機や混練機であれば使用することができる。上記捏和機としては、1軸式又は2軸式で、軸に設置されたパドルが回転することによって物質を混合及び/又は混練でき、更にパドルと胴体のクリアランスが小さい装置が好ましく、例えば、特開平3−86223号公報、特開平9−173825号公報に記載されている、装置胴体を冷却又は加熱できるジャケットを装備しているものがより好ましい。また、上記混練機としては、バレルと呼ばれる筒、及び種々のスクリューエレメントを搭載したスクリューから主に構成され、通常複数のバレルの中をスクリューが貫通する構造を有するものが好ましい。また、上記スクリューエレメントには、台形スクリューエレメント、台形カットスクリューエレメント、台形リバースカット、ボールスクリューエレメント、ニーディングバドル等のタイプがあり、その組み合わせは任意に行うことができる。そして、バレル内に送られた物質は、スクリューによりバレル内を移動し、バレル内でニーディングバドル等のスクリューエレメントにより、剪断、混合等の処理がなされる。そしてまた、食品分野やプラスチック分野等で一般に使用されている搬送機能、混合機能、剪断機能、圧縮機能、粉砕機能、及び加熱機能といった基本特性を備えている混練機であれば、そのまま使用することができる。特に、非噛み合い型異方向又は同方向回転混練機や、完全又は一部噛み合い型異方向又は同方向回転混練機のような2軸型混練機が好ましい。
【0026】
ニーダー等を用いてホスト化合物とゲスト化合物を混合及び/又は混練する方法としては、ニーダー等にホスト化合物又はゲスト化合物を投入後、順次又は一度にその相手となるゲスト化合物又はホスト化合物を投入して混合及び/又は混練する方法、ニーダー等にホスト化合物及びゲスト化合物を同時に投入して混合及び/又は混練する方法、ホスト化合物とゲスト化合物をあらかじめ均一になるように混合及び/又は混練し、その後、ニーダー等に投入し、混合及び/又は混練する方法等を採用することができる。また、ホスト化合物とゲスト化合物を一度に混合及び/又は混練する場合、固体ホスト化合物に対して必要量の固体ゲスト化合物や必要量の液体ゲスト化合物を用いることが、ホスト化合物−ゲスト化合物反応系から未反応のゲスト化合物と除去する上で有利である。その他、固体ホスト化合物又は固体ゲスト化合物の融点が100℃以下の場合、水浴等で加熱溶融し、両者が均一になるように攪拌、混合した後、ニーダーに投入して混合及び/又は混練することが好ましい。上記均一の程度としては、目視により両者が均一に混合していれば十分である。
【0027】
反応は、速やかに進行し、装置に反応原料を投入して混合及び/又は混練開始後、10〜20分ほどで反応は完結する。反応は室温でも進行するが、生成する分子化合物の結晶性が特によい場合、反応装置に多大な負荷がかかると共に、混合又は混練に支障をきたす場合があるので、ホスト化合物、ゲスト化合物、及び生成する分子化合物が安定である温度範囲で、特に25〜120℃の温度範囲で反応させることが好ましい。また、反応が非常に速くしかもゲスト化合物の放出温度が高い場合、ホスト化合物及びゲスト化合物が接触したところから直ちに固化するため、ニーダーを用いて攪拌を行っても全体が均一に混合しない場合がある。このような場合、一度反応混合物を取り出し細かく粉砕した後、再度ニーダーを用いて混合又は混練することにより効率よく分子化合物を製造することができる。
【0028】
最終的に得られた分子化合物の融点が高く結晶性がよい場合、混合及び/又は混練されている段階で粉砕されており、反応終了後ニーダーより取り出してそのまま使用することができ、必要に応じて粉砕することもできる。また、融点、結晶性に関係なく、混合及び/又は混練後、更に押出し造粒機を用いて用途に応じて特定の形状に造粒することも可能である。さらに、得られた分子化合物を分子化合物の分解点以下の温度に保ち熟成させ、結晶系等を整えた後使用することもできる。
【0029】
本発明において使用される押出造粒機としては、医薬品、農薬、食品又はプラスチック成形等の分野で広く使われている一般的な装置であれば、使用することができ、スクリュー型、ロール型、ブレード型、自己成形型、ラム型等のどのような機種でも使用することができる。
【0030】
特に、多軸型エクストルーダーを用いた場合、混合、混練、造粒操作が一括処理することができ工業的製造の点から好ましい。エクストルーダーの主要部は、バレルと呼ばれる筒、出口に相当するダイ、及び種々のスクリューエレメントを搭載したスクリューから主に構成され、通常複数のバレルの中をスクリューが貫通する構造を有するものが好ましい。また、上記スクリューエレメントには、台形スクリューエレメント、台形カットスクリューエレメント、台形リバースカット、ボールスクリューエレメント、ニーディングバドル等のタイプがあり、その組み合わせは任意に行うことができる。そして、バレル内に送られた物質は、スクリューによりバレル内を移動し、バレル内でニーディングバドル等のスクリューエレメントにより、剪断、混合等の処理がなされ、ダイの細孔から押出される。通常、各バレル、ダイは独立して温度調節ができるようになっている。
【0031】
スクリューの回転数は、エクストルーダーの機種や種類、原料、スクリューの形状等によって適宜設定することができる。また、排出ダイは、目的に応じて適宜置換することができ、具体的には、円柱状処理物を得るための種々の口径を有する円型排出ダイ、板状処理物を得るための平型排出ダイ等を用いることができる。多軸型エクストルーダーの具体的な機種としては、ラボルーダマークII(日本製鋼所社製)、PCMシリーズ2軸押出機(池貝株式会社製)等を例示することができる。
【0032】
本発明の分子化合物の使用形態には特に制限はなく、例えばそれぞれ異なる成分化合物で構成された二種類以上の分子化合物を混合して使用することができる。また、本発明の分子化合物は目的とする機能を損なわない限り、他の物質を併用して使うことができる。本発明の分子化合物に賦形剤等を与え、顆粒や錠剤を成形して使用することもできる。更に、樹脂、塗料、並びにそれらの原料や原料組成物中に添加して使用することもできる。その他、本発明の分子化合物を、そのまま有機合成の原料として使用したり、特異的な反応場として使用することもできる。
【0033】
例えば、3,3′−ビス(フェニルスルホニル)−4,4′−ジヒドロキシフェニルスルホンをホスト化合物として、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン系殺菌剤、ヒノキチオール、1,8−シネオール等の抗菌・殺虫・防虫剤、ローズマリー等の香料、イソチアゾロン系化合物等の防汚剤、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の樹脂用硬化剤及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノン−5−エン、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のエポキシ樹脂用硬化促進剤などの触媒又はトルエン、キシレン、ピリジン等の有機溶媒をゲストとした包接化合物は、ゲスト化合物が本来有する作用の他に、徐放性、皮膚刺激性の軽減、化学的安定化、不揮発化、粉末化、有用物質の選択分離等の機能が新たに付与され、新しい特性を有する殺菌剤、抗菌剤、殺虫・防虫剤、香料、防汚剤、樹脂用硬化剤等の触媒、有機溶媒として極めて有用である。
【0034】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0035】
実施例1[混練機を用いた分子化合物の製造]
ゲスト化合物として、エポキシ樹脂用硬化促進剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)を用いた。TEP33.3g(75mmol、純度90%)に、加熱溶融させた2E4MZ17.0g(150mmol、純度97%)をよく攪拌しながら加え、更に5分間攪拌を続けた。このようにして得られた混合物を、25℃に設定した混練機(ブラベンダー・プラスチコーダーPLV151型、ブラベンダー社製)のローターを回転させながら、ミキサー部に徐々に加え投入終了後、さらに10分間攪拌を継続し、反応生成物を取り出した。この反応生成物に対し、1H−NMR及び粉末X線回折測定を実施したところ、ホスト化合物:ゲスト化合物=1:2の分子化合物の生成が認められた。また、反応生成物における熱的挙動をTG−DTA測定により観察したところ、180℃で重量減少が見られ、分子化合物が生成していることが確認された。1H−NMRスペクトルを図1に、粉末X線回折パターンを図2に、熱分析(TG−DTA)チャートを図3にそれぞれ示す。
【0036】
実施例2[混練機を用いた分子化合物の製造(混練温度の検討)]
混練する温度を70℃、100℃、120℃に変更する以外は、実施例1と同様に反応を行ったところ、実施例1と同様のTG−DTA、粉末X線回折、及び赤外吸収スペクトル測定結果を示す分子化合物が得られた。このようにTEPと2E4MZとの反応は、反応温度による反応性の差が認められなかった。
【0037】
実施例3[混練機を用いた分子化合物の製造(ホストとゲストの配合量比の検討)]
2E4MZの量を8.5g(75mmol、純度97%)に変更する以外は実施例1と同様に行ったところ、得られた分子化合物は、ホスト化合物:ゲスト化合物=1:2の混合物であった。このことから、ゲスト化合物とホスト化合物の混合比を変化させても得られる分子化合物は、常に一定の組成比の分子化合物であることがわかった。また、上記ホスト化合物:ゲスト化合物=1:2の混合物に溶融させた2E4MZ8.5g(75mmol、純度97%)を加え混合した後、実施例1と同様に各種機器分析を行ったところ、得られた分子化合物は、ホスト化合物:ゲスト化合物=1:2のものであった。
【0038】
実施例4[ニーダーを用いた分子化合物の製造]
TEP222.0g(510mmol、純度91.5%)を捏和機であるベンチニーダー(Irie syoukai社製)に加え、攪拌しながら加熱溶融させた2E4MZ114.6g(1.02mol、純度98.05%)を加え、更に20分間攪拌を続け、3個所から任意にサンプリングした。その後、90℃に加熱し20分間攪拌を行い反応を終了した。冷却後、実施例1と同様に各種機器分析を行った。加熱前のサンプリング試料の測定から、分子化合物の生成は認められなかった。反応終了後の生成物に、1H−NMR及び粉末X線回折測定を実施したところ、ホスト化合物:ゲスト化合物=1:2という分子化合物が得られた。
【0039】
実施例5[ニーダーを用いた分子化合物の製造]
ゲスト化合物として、エポキシ樹脂用硬化促進剤である1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン−7(DBU)を用いた。TEP33.3g(75mmol、純度90%)に、DBU22.9g(150mmol、純度99%)をよく攪拌しながら加え、更に5分間攪拌を続けた。このようにして得られた混合物を、100℃に設定した混練機(ブラベンダー・プラスチコーダーPLV151型、ブラベンダー社製)のローターを回転させながら、ミキサー部に徐々に加え投入終了後、さらに10分間攪拌を継続し、反応生成物を取り出した。この反応生成物に対し、1H−NMR及び粉末X線回折測定を実施したところ、ホスト化合物:ゲスト化合物=1:2の分子化合物の生成が認められた。また、反応生成物における熱的挙動をTG−DTA測定により観察したところ、169℃と316℃で重量減少が見られ、分子化合物が生成していることが確認された。1H−NMRスペクトルを図4に、粉末X線回折パターンを図5に、熱分析(TG−DTA)チャートを図6にそれぞれ示す。また、混練機で混練する前の状態の混合物の熱的挙動をTG−DTA測定により観察したところ、124℃から3段階で重量減少が見られたことから、一部分子化合物が生成していることが示唆された。
【0040】
実施例6[工程(a)による分子化合物の製造]
1L容のベンチニーダー(Irie syoukai社製)を82℃に加温し、溶融した2E4MZ(純度98.05%)106.7g(0.95モル)を撹拌しながら仕込み、次いでTEP(純度 97.9%)203.5g(0.5モル)を添加し、同温度で2時間撹拌混合することにより分子化合物を調製した。この調製した分子化合物をニーダーから取り出したところ、289.7gであった。得られた分子化合物の1H−NMRの測定結果から、TEP:2E4MZのモル比は1:1.85であった。この分子化合物を70℃に加熱したオーブン中に保持し、1、3、4、6週間ごとにサンプリングし、エポキシ樹脂用硬化促進剤としての触媒活性評価に供した。なお、比較のために、分子化合物調製直後のサンプル、及び対照としての2E4MZ単独サンプルについても触媒活性評価を行った。また、上記触媒活性評価として、次に説明する[エポキシ樹脂に対する可使時間測定試験]及び[エポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験]を行った。これらの結果を以下の表1及び結果を表2に示す。
【0041】
[エポキシ樹脂に対する可使時間測定試験]
熱硬化型樹脂粉体塗料、例えばエポキシ粉体塗料は、エポキシオリゴマーと2E4MZ等の樹脂硬化触媒を含み、保存中に樹脂の硬化が進むと、最終的に塗料としての使用が困難になることから、使用する硬化触媒としては、その保存中に粘度を上昇させることなく、塗装に際して加温等により速やかに硬化させる性能を有するものが望まれている(2E4MZは硬化触媒性能においては優れているが、可使時間が短いという欠点を有しており、現在まで実際に用いられていなかった。)。そこで、硬化触媒の評価指標の1つである可使時間を測定することにより、本発明の分子化合物の性能評価を次のように行った。エポキシオリゴマーとして、アデカレジンEP4100E(旭電化工業社製)を用いた。マヨネーズ瓶に未硬化エポキシ樹脂を100g計りとり、予め35℃に設定した恒温水槽に1時間浸漬した。これに2E4MZが3重量%になるように調整した分子化合物を加えて5分間よく混合し、恒温水槽に浸漬した状態で粘度測定を経時的に行った。初期粘度が2倍になる時間を可使時間とした。恒温水槽はトーマス科学器械製の循環式恒温水槽TRL−40SPを、粘度計は東京計器社製B型粘度計をそれぞれ用いた。
【0042】
[エポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験]
硬化触媒性能を直接的に調べるために、エポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験を示差走査熱量(DSC)を測定することにより実施した。エポキシオリゴマーとして、アデカレジンEP4100E(旭電化工業社製)を用いた。マヨネーズ瓶に20gの未硬化エポキシ樹脂を計りとり、これに2E4MZが3重量%になるように調整した分子化合物を添加し、5分間よく混合し、その混合物についてDSCを測定した。DSCは、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製「DSC 220C」)を用い、使用サンプル量:3〜4mg、測定温度範囲:30〜300℃、昇温速度:20℃/min、測定雰囲気:N2(30ml/min)流下アルミニウム製シールパンの条件下で測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
エポキシ樹脂に対する可使時間測定試験の結果を示す表1から、分子化合物を70℃で1〜6週間加温保持したサンプルを用いた場合は、保持期間が「0」の分子化合物調製直後のサンプル及び2E4MZ単独サンプルを用いた場合に比べて可使時間が大幅に増加していることから、分子化合物を調製後加温状態で保持することにより、分子化合物の安定性が向上することがわかった。この安定性の向上効果は、包接の状態が加温保持処理により、より強固になったことによるものと考えられる。また、エポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験の結果を示す表2から、エポキシ樹脂の硬化における加温保持処理による影響は殆どなく、むしろトップピークまでの温度(℃)幅が狭くなっているので、重合までの立ち上がりが早く、硬化速度が早くなることがわかる。参考までに、分子化合物を70℃で6週間加温保持したサンプルを用いた樹脂硬化試験におけるDSCチャートを図7に示す。
【0046】
実施例7[工程(b)による分子化合物の製造]
1L容のベンチニーダー(Irie syoukai社製)を80℃に加温し、溶融した2E4MZ(純度98.05%)106.7g(0.95モル)を撹拌しながら仕込み、次いでTEP(純度 97.9%)60.0gを添加し、同温度で1時間撹拌混合し、その後TEP60.0gをさらに添加して同温度で2時間撹拌混合し、さらにTEP83.5g(合計203.5g、0.5モル)を添加して、12時間撹拌混合を継続することにより分子化合物を調製した。得られた分子化合物20gを、2E4MZを溶解することができる溶媒であるキシレン20ml、n−ヘキサン50mlにそれぞれ加えて20分間撹拌した後濾別し、100℃、30分間減圧乾燥し、キシレン洗浄品19.0g、n−ヘキサン洗浄品18.8gをそれぞれ調製した。得られた洗浄品各サンプルと洗浄前のサンプルを、実施例6と同様に触媒活性評価に供した。結果を表3と表4に示す。また、1H−NMRを測定したところ、キシレン洗浄後及びn−ヘキサン洗浄後の分子化合物のTEP:2E4MZのモル比はそれぞれ1:1.85と1:1.58であった。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
エポキシ樹脂に対する可使時間測定試験の結果を示す表3から、分子化合物をキシレンやn−ヘキサンで洗浄したサンプルを用いた場合は、分子化合物調製後の未洗浄サンプルを用いた場合に比べて可使時間が大幅に増加していることから、分子化合物の調製後にキシレンやn−ヘキサンで洗浄することにより、分子化合物の安定性が向上することがわかった。この安定性の向上効果は、キシレンやn−ヘキサンを用いての洗浄処理により、未反応の2E4MZが洗浄除去されたことによるものと考えられる。また、エポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験の結果を示す表4から、エポキシ樹脂の硬化における洗浄処理による影響は殆どなく、可使時間を考慮すると、洗浄品を粉末塗料の硬化触媒として有利に用いることができることがわかった。参考までに、生成した分子化合物をキシレンで洗浄したサンプルを用いた樹脂硬化試験におけるDSCチャートを図8に示す。
【0050】
実施例8[工程(c)による分子化合物の製造]
1L容のベンチニーダー(Irie syoukai社製)を82.3℃に加温し、ウルマックス粉砕装置(日曹エンジニアリング社製「ウルマックス気流粉砕器」)により気流粉砕したTEP(純度 97.9%)150g(0.37モル)を仕込んだ。気流粉砕後のTEPの粒度分布及び未粉砕のTEPの粒度分布をそれぞれ表5に示す。次いで撹拌しながら、溶融した2E4MZ(純度98.05%)78.65g(0.70モル)を添加し、同温度で撹拌し、1.0、2.5、4.5時間後にそれぞれサンプリングし、実施例6と同様に触媒活性評価に供した。結果を表6と表7に示す。
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
エポキシ樹脂に対する可使時間測定試験の結果を示す表6から、気流粉砕したホスト化合物を用いたサンプルを用いた場合は、未粉砕したホスト化合物を用いたサンプルを用いた場合に比べて可使時間が増加していることから、ホスト化合物として気流粉砕したものを用いることにより、特にホスト化合物として気流粉砕したものを用いてゲスト化合物との混練時間を長くすることにより、分子化合物としての安定性が向上することがわかった。また、この安定性の向上効果は、気流粉砕処理したホスト化合物を用いたことにより、分子化合物の均質化が図られたことによるものと考えられる。また、エポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験の結果を示す表7から、エポキシ樹脂の硬化における気流粉砕したホスト化合物を用いたことによる影響は殆どなく、可使時間の向上を考慮すると、気流粉砕したホスト化合物を用いた分子化合物を粉末塗料の硬化触媒として有利に用いることができることがわかった。参考までに、気流粉砕したホスト化合物を用い、4.5時間混練したサンプルを使用した樹脂硬化試験におけるDSCチャートを図9に示す。
【0055】
実施例9[工程(d)による分子化合物の製造]
1L容のベンチニーダー(Irie syoukai社製)を80℃に加温し、TEP(純度 97.9%)203.5g(0.50モル)を仕込み、それに水250ml加えて10分間撹拌混合した後、溶融した2E4MZ(純度98.05%)106.7g(0.95モル)を一度に添加した。80℃で4時間撹拌し、取り出した粉体重量は294gであった。得られた粉体を70℃で5時間真空乾燥したところ、乾燥後の粉体重量は293gであり、水分含量は0.25重量%であった。得られた分子化合物の1H−NMRの測定結果から、TEP:2E4MZのモル比は1:1.68であった。この乾燥物を実施例6と同様に触媒活性評価に供した。結果を、以下の実施例10の結果と共に、表8と表9に示す。
【0056】
実施例10[工程(d)による分子化合物の製造]
1L容のベンチニーダー(Irie syoukai社製)を80℃に加温し、TEP(純度 97.9%)203.5g(0.50モル)を仕込み、それに水250ml加えて10分間撹拌混合した後、2E4MZ(純度98.05%)112.32g(1.0モル)を5分間かけて添加した。80℃で撹拌混合し、2.5時間、5時間後にそれぞれサンプリングし、水分含量を常法により測定したところそれぞれ0.23重量%、0.21重量%であった。これらサンプルを実施例6と同様に触媒活性評価に供した。結果を、上記実施例9の結果と共に、表8と表9に示す。
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】
エポキシ樹脂に対する可使時間測定試験の結果を示す表8から、水を添加して混合後に乾燥させたサンプル(実施例9)や水を添加して加熱下に混合して水分含量が1重量%以下としたサンプル(実施例10)を用いた場合は、水不添加のサンプルを用いた場合に比べて可使時間が増加することから、ホスト化合物とゲスト化合物を水の存在下に攪拌・混合・混練することにより、分子化合物としての安定性が向上することがわかった。また、この安定性の向上効果は、水の存在下に反応させることにより、分子化合物の均質化が図られたことによるものと考えられる。また、エポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験の結果を示す表9から、エポキシ樹脂の硬化における水の存在下に攪拌・混合・混練することによる影響は殆どなく、可使時間の向上を考慮すると、水の存在下に攪拌・混合・混練することにより調製した分子化合物を粉末塗料の硬化触媒として有利に用いることができることがわかった。参考までに、実施例10(5時間混練)サンプルを使用した樹脂硬化試験におけるDSCチャートを図10に示す。
【0060】
実施例11〜14[工程(d)による分子化合物の製造]
1L容のベンチニーダー(Irie syoukai社製)を表10に示す所定温度に加温し、TEP(純度 97.9%)203.5g(0.50モル)を仕込み、それに水250ml加えて3分間撹拌混合した後、撹拌を続けながら溶融した2E4MZ(純度98.05%)106.7g(0.95モル)を一度に添加した。同所定温度で撹拌混合を続け、表10に示す所定の反応時間にサンプリングし、実施例6と同様に触媒活性評価に供した。また、所定時間にサンプリングした試料の一部を、75℃で4時間乾燥後、同様に触媒活性評価に供した。結果を表10、表11に示す。
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】
エポキシ樹脂に対する可使時間測定試験の結果を示す表10から、ホスト化合物とゲスト化合物を水の存在下に攪拌・混合・混練して水分含量が1重量%以下となるまで反応させることにより、あるいは反応生成物を水分含量が1重量%以下となるまで乾燥させることにより、反応温度に関係なく、分子化合物の水分含量を1重量%以下としたサンプルは、水分含量が1重量%を超えるサンプルに比べて、エポキシ樹脂に対する可使時間を大幅に増加させうることから、水の存在下で反応させ、水分含量を1重量%以下とすると、分子化合物としての安定性が向上することがわかった。また、この安定性の向上効果は、水の存在下で反応させ、水分含量を1重量%以下にすることにより、分子化合物の均質化が図られたことによるものと考えられる。また、エポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験の結果を示す表11から、分子化合物の水分含量を1重量%以下としたサンプルは、水分含量が1重量%を超えるサンプルに比べて、硬化温度が上昇し、トップピークまでの温度幅が減少し、発熱量が増加することから、エポキシ樹脂の硬化がシャープに且つ速やかに生起することがわかった。このエポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験の結果と、上記可使時間の向上を考慮すると、水の存在下で反応させ、水分含量を1重量%以下とすることにより調製した分子化合物は、粉末塗料の硬化触媒として有利に用いることができることがわかる。
【0064】
実施例15〜17[工程(d)による分子化合物の製造]
1L容のベンチニーダー(Irie syoukai社製)を70℃に加温し、TEP(純度 97.9%)203.5g(0.50モル)を仕込み、それに表12に示す所定量の水を加えて3分間撹拌混合した後、撹拌を続けながら溶融した2E4MZ(純度98.05%)106.7g(0.95モル)を一度に添加した。同温度で撹拌を続け、表12に示す所定時間にサンプリングし、実施例6と同様に触媒活性評価に供した。また、1時間後にサンプリングした試料の一部を、75℃で4.5時間乾燥後、同様に触媒活性評価に供した。結果を表12、表13にまとめて示す。
【0065】
【表12】
【0066】
【表13】
【0067】
エポキシ樹脂に対する可使時間測定試験の結果を示す表12から、ホスト化合物とゲスト化合物を水の存在下に攪拌・混合・混練して水分含量が1.2重量%となるまで反応させることにより得られた、水分含量が1重量%を超えるサンプルであっても、水を固体ホスト化合物1モルに対して500ml添加したサンプル(実施例15)は、水の添加量を異にした水分含量1重量%以下のサンプルと同様に、エポキシ樹脂に対する可使時間を大幅に増加させうることがわかった。また、この安定性の向上効果は、固体ホスト化合物1モルに対して500ml程度の水の存在下で反応させることにより、分子化合物の均質化が図られたことによるものと考えられる。また、エポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験の結果を示す表13から、水を固体ホスト化合物1モルに対して500ml添加したサンプル(実施例15)は、水の添加量を異にした水分含量1重量%以下のサンプルと同様に、硬化温度が上昇し、トップピークまでの温度幅が減少し、発熱量が増加することから、エポキシ樹脂の硬化がシャープに且つ速やかに生起することがわかった。このエポキシ樹脂に対する樹脂硬化試験の結果と、上記可使時間の向上を考慮すると、固体ホスト化合物1モルに対して500ml程度の水の存在下で反応させることにより調製した分子化合物は、粉末塗料の硬化触媒として有利に用いることができることがわかる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の分子化合物の製造方法によると、溶媒を使用することなく分子化合物を工業的に大量に製造することができる。また、得られた分子化合物は、溶媒法を用いる場合と異なり、短時間で均一な製品とすることができるばかりか、安定性の向上した分子化合物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1のTEPと2−エチル−4−メチルイミダゾールとの組成比1:2(モル比)からなる分子化合物の1H−NMRスペクトル(DMSO−d6溶媒)を示す図である。
【図2】本発明実施例1のTEPと2−エチル−4−メチルイミダゾールとの組成比1:2(モル比)からなる分子化合物の粉末X線回析パターンを示す図である。
【図3】本発明実施例1のTEPと2−エチル−4−メチルイミダゾールとの組成比1:2(モル比)からなる分子化合物の熱分析(TG−DTA)チャートを示す図である。
【図4】本発明実施例5のTEPと2−エチル−4−メチルイミダゾールとの組成比1:2(モル比)からなる分子化合物の1H−NMRスペクトル(DMSO−d6溶媒)を示す図である。
【図5】本発明実施例5のTEPと1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン−7(DBU)との組成比1:2(モル比)からなる分子化合物の粉末X線回析パターンを示す図である。
【図6】本発明実施例5のTEPと1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン−7(DBU)との組成比1:2(モル比)からなる分子化合物の熱分析(TA/DTA)チャートを示す図である。
【図7】本発明実施例6の分子化合物を70℃で6週間加温保持したサンプルを用いた樹脂硬化試験におけるDSCチャートを示す図である。
【図8】本発明実施例7の生成した分子化合物をキシレンで洗浄したサンプルを用いた樹脂硬化試験におけるDSCチャートを示す図である。
【図9】本発明実施例8の気流粉砕したホスト化合物を用い、4.5時間混練したサンプルを使用した樹脂硬化試験におけるDSCチャートを示す図である。
【図10】本発明実施例10の水を添加して加熱下に5時間混練して水分含量が1重量%以下としたサンプルを使用した樹脂硬化試験におけるDSCチャートを示す図である。
Claims (20)
- 固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とを混合及び/又は混練することにより安定性の向上した分子化合物を製造する方法であって、少なくとも以下の(a)〜(d)工程のいずれか一工程を行う(但し、(b)工程を行う場合は単独で行う場合を除く。(c)工程を行なう場合は(a)工程又は(d)工程のいずれか一方のみと共に行う場合に限る)ことを特徴とする分子化合物の製造方法。
(a) ホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練した後、50℃以上で且つゲスト化合物の放出温度以下の温度に所定期間保持する工程
(b) ホスト化合物とゲスト化合物とを混合及び/又は混練することにより生成した分子化合物を、ゲスト化合物を溶解することができる溶媒で洗浄する工程
(c) 固体ホスト化合物をあらかじめ粉砕する工程
(d) 固体ホスト化合物、固体ゲスト化合物及び液体ゲスト化合物に対する貧溶媒を添加して混合及び/又は混練する工程 - 工程(c)により、固体ホスト化合物の平均粒径を1.6μm以下とすることを特徴とする請求項1記載の分子化合物の製造方法。
- 工程(c)により、固体ホスト化合物の粒径を4.0μm以下とすることを特徴とする請求項1又は2記載の分子化合物の製造方法。
- 工程(c)により、固体ホスト化合物の80重量%以上の粒径を2.0μm以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- 工程(c)における粉砕が気流粉砕であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- 工程(d)において、貧溶媒を、固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物の合計重量に対して、20〜200重量%添加して混合及び/又は混練することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- 工程(d)において、貧溶媒を添加して貧溶媒の含量が1重量%以下になるまで加熱しながら混合及び/又は混練することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- 工程(d)において、貧溶媒を添加して混合及び/又は混練し、貧溶媒の含量が1重量%以下になるまで乾燥させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- 工程(d)において、貧溶媒を、固体ホスト化合物1モルに対して200ml以上1000ml以下添加することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- 工程(d)における貧溶媒として、固体ホスト化合物、固体ゲスト化合物及び液体ゲスト化合物の室温における溶解度が1g/100ml以下の溶媒を用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- 工程(d)における貧溶媒が水であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- 前記記載の固体ホスト化合物が、
テトラキスフェノ−ル類、1,1,6,6−テトラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、1,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,6−ジフェニルヘキサン−2,4−ジイン−1,6−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、2,5−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ハイドロキノン、1,1−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、1,1,2,2−テトラフェニルエタン−1,2−ジオール、1,1′−ビ−2−ナフトール、9,10−ジフェニル−9,10−ジヒドロキシアントラセン、1,1,6,6−テトラ(2,4−ジメチルフェニル)−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、9,10−ビス(4−メチルフェニル)−9,10−ジヒドロキシアントラセン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラキス(シクロヘキシル)−(1,1′−ビフェニル)−2−2′−ジカルボキシアミド、4,4′−スルホニルビスフェノール、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(4−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−クロロフェノール)、デオキシコール酸、コール酸、α,α,α′,α′−テトラフェニル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジメタノール、t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、顆粒状コーンスターチ、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン、3,3′−ビスフェニルスルフォニル−4,4′−ジヒドロキシフェニルスルフォン、トリ−o−チモチド
から選ばれる化合物の一種であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。 - 固体ホスト化合物と必要量の固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と必要量の液体ゲスト化合物とを一度に混合することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- ニーダーを用いて混合及び/又は混練することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- ニーダーが多軸型混練機であることを特徴とする請求項14記載の分子化合物の製造方法。
- 固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とをニーダーを用いて混合及び/又は混練する前に、あらかじめ固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とを均一に混合することを特徴とする請求項14又は15に記載の分子化合物の製造法。
- ニーダーを用いて、固体ホスト化合物、ゲスト化合物及び生成する分子化合物が安定な温度範囲で混合及び/又は混練することを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- 固体ホスト化合物と固体ゲスト化合物、又は固体ホスト化合物と液体ゲスト化合物とをニーダーを用いて混合及び/又は混練し、更に押出し造粒することを特徴とする請求項14〜17のいずれか記載の分子化合物の製造方法。
- 固体ホスト化合物が、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンであることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
- ゲスト化合物が、2−エチル−4−メチルイミダゾールであることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
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