JP2002161081A - 新規硫黄含有化合物及び該化合物を成分化合物とする分子化合物 - Google Patents

新規硫黄含有化合物及び該化合物を成分化合物とする分子化合物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規硫黄含有化合物、該硫黄含有化合物を成分
化合物とする分子化合物等を提供することを目的とす
る。 【解決手段】式(I)で表される硫黄含有化合物 【化1】 [式(I)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、置
換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基、置換基
を有していてもよいC2〜C6アルケニル基、置換基を
有していてもよいアリール基、塩素原子、臭素原子を表
し、mは0、1、2の整数を表し、Zは下記式(II)〜
式(V) 【化2】 (式(II)〜式(V)中、R、mは前記と同様であり、W
は水素原子、C1〜C6アルキル基を表し、Yは直結
合、炭素数1〜3のアルキレン基、またはフフェニレン
基を表す。)を表す。]を用いることにより上記目的を
達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規硫黄含有化合
物、該硫黄含有化合物を成分化合物とする分子化合物等
に関する。
【0002】
【従来の技術】分子化合物は、二種以上の化合物が水素
結合やファンデルワールス力などに代表される、共有結
合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物で
あり、簡単な操作によってもとの各成分化合物に解離す
る性質を有することから、近年、有用物質の選択分離、
化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの技術分
野における応用が期待されている。
【0003】具体的な分子化合物の一例として包接化合
物が挙げられ、例えば特開平6−166646号公報に
はテトラキスフェノール類と種々の有機化合物との包接
化合物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術で
は熱やpHなどの外的要因の変化により壊れやすい、溶
液中では容易に解離してしまうなどの問題点から、選択
分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化等にお
いて十分満足できる性能を持った分子化合物は未だ見い
出されていない。本発明の課題は、有用物質の選択分
離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの技
術分野において優れた性能を示す新規な分子化合物を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決すべく鋭意研究をした結果、、トリフェニルまたは
テトラキスフェニルチオ骨格を有する新規硫黄含有化合
物誘導体が有用物質の選択分離、化学的安定化、不揮発
化、徐放化、粉末化等の技術分野において優れた性能を
示すことを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、式(I)
【化7】 [式(I)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、置
換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基、置換基
を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していて
もよいアリール基、塩素原子、臭素原子を表し、mは
0、1、2の整数を表し、Zは式(II)〜式(V)
【化8】 (式(II)〜式(V)中、R、mは前記と同様であり、W
は水素原子、置換されていてもよいC1〜C6アルキル
基を表し、Yは直結合、炭素数1〜3のアルキレン基、
またはフェニレン基を表す。)を表す。]で表される硫
黄含有化合物に関する。
【0007】更に上記式(I)で表わされる硫黄含有化
合物を成分化合物とする包接化合物等の分子化合物や、
該硫黄含有化合物と、該硫黄含有化合物と反応して分子
化合物を形成する抗菌剤、抗カビ剤、殺虫剤、害虫忌避
剤、香料、脱臭・消臭剤、防汚剤、塗料・樹脂・接着剤
用硬化剤及び硬化促進剤、天然精油、酸化防止剤、加硫
促進剤又は有機溶媒とを成分化合物とする上記包接化合
物等の分子化合物に関する。
【0008】本発明における分子化合物とは、単独で安
定に存在することのできる化合物の二種以上の成分化合
物が水素結合やファンデルワールス力などに代表される
共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化
合物であり、水化物、溶媒化物、付加化合物、包接化合
物などが含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の式(I)で表される硫黄
含有化合物において、Rで表される置換基としては、例
えば、水素原子、メチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、
n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等の直鎖、分岐又は
環状のC1〜C6のアルキル基、アリル基、ビニル基、
2−ブテニル基、1−メチルアリル基等のアルケニル
基、フェニル基、2−ピリジル基、1,3−ジメチル−
5−ピラゾール基等のアリール基、塩素原子、臭素原子
などを具体的に挙げることができる。
【0010】また、上記C1〜C6アルキル基、C2〜
C6アルケニル基、アリール基は更に、シアノ基;フッ
素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;フェニ
ル基等のアリール基で置換されていてもよい。式
(I)、式(VI)、式(VII)中のZを表す式(II)〜式
(V)において、Rとしては上記と同様の置換基を例示
することができ、Wとしては例えば、水素原子、メチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロ
ヘキシル基等の直鎖、分岐又は環状のC1〜C6のアル
キル基を具体的に挙げることができ、これらは更にフッ
素原子、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
【0011】Yとしては直結合、メチレン、エチレン、
プロピレン等の炭素数1〜3のアルキレン基、またはフ
ェニレン基を挙げることができる。また、フェニレン基
における置換位置は、特に制限されず、1,2−位、
1,3−位、1,4−位いずれの置換位置でもとること
ができる。また、フェニレン基上には、必要な結合位置
以外に置換基を有することもできる。本発明の式(V
I)、式(VIII)において、R’としては前記したRと
同様の置換基を例示することができる。
【0012】そして、本発明の式(I)で表される硫黄
含有化合物のうち、有用物質の選択分離、化学的安定
化、不揮発化、徐放化、粉末化などの性能の点から、式
(VI)、特に一般式(VIII)で表わされる化合物が好まし
い。又式(VII)で表される化合物は包接能があるだけ
でなく、式(VI)で表わされる化合物の中間体としても
有用である。
【0013】本発明の化合物は以下の製造方法によって
得ることができる。 (反応1)
【化9】
【0014】式(I)で表わされる化合物のうち、式(VI
I)で表わされる化合物は対応するフェニルアルカンもし
くはフェニルアルケンをジクロルメタン等の有機溶媒
中、室温でクロルスルホン化させることにより得ること
ができる。この場合、Zは、前記した式(II)〜(V)
と同様の置換基を表すが、式(II)〜(V)中フェニル
基上の置換基S(O)mRがなくても構わない。
【0015】(反応2)
【化10】
【0016】式(I)で表わされる化合物のうち、Rが
水素原子、mが0で表される化合物は、反応1により得
られた式(VII)で表わされる化合物をLiAlH4、Na
BH 4等の還元剤でTHF等の有機溶媒中、還元するこ
とにより得ることができる。
【0017】(反応3)
【化11】
【0018】式(I)で表わされる化合物のうち、Rが
置換基を有していてもよいC1〜C6のアルキル基、m
が0で表わされる化合物は(反応2)で得られた化合物
を水、アルコール、エーテル、THF等の溶媒中、アル
コラート、金属水素化物、有機金属、金属水酸化物等の
塩基の存在下、ハロゲン化アルキル等でアルキル化する
ことにより得ることができる。またメルカプト基がジス
ルフィドを形成している場合は、NaBH4等の還元剤
で処理してからアルキル化を行うことができる。
【0019】(反応4)
【化12】
【0020】式(I)で表わされる化合物のうち、Rが
置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基であ
り、mが1または2の化合物は、(反応3)で得られた
化合物を適した溶媒中で、過酸化水素水またはm−クロ
ロ過安息香酸等の酸化剤で酸化することにより得ること
ができる。
【0021】(反応5)
【化13】
【0022】Zが式(V)で表わされる化合物のうち、
Yが直結合の化合物については、まずZが式(IV)で表
わされる化合物を(反応2)により合成した後に、アル
カリ金属等の還元剤により還元してもよい。
【0023】(反応6)
【化14】
【0024】Rが異なる化合物については例えば以下の
ように合成することができる。まず、(反応3)におい
てハロゲン化アルキルとしてシアノエチルブロマイド等
を用いてチオール基をすべてシアノエチルチオ基にした
後、置換したい置換基数に相当する当量分のCsOHと
過剰のヨウ化アルキル等を加えると、シアノエチル基の
一部をアルキル基等で置換することができる。ここに過
剰のCsOHを加え加水分解し、酸を加えるとシアノエ
チルチオ基をチオール基に変換することができる。以上
のような操作により、チオール基に部分的に目的の置換
基を導入することが可能である。例えば、メチル基を1
ヵ所に導入したい場合は上記のようになる。
【0025】このようにして合成することができる化合
物を第1表〜第4表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】本発明において、式(I)で表される硫黄
含有化合物と分子化合物を形成する物質は、かかる硫黄
含有化合物と分子化合物を形成し得るものであればどの
ようなものでもよく、具体的には、水、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−オ
クタノール、2−エチルヘキサノール、アリルアルコー
ル、プロパルギルアルコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、シクロヘキサンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ
プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−
ニトロエタノール、4−クロロフェニル−3−ヨードプ
ロパルギルホルマール等のアルコール類、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、プロ
ピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フタルアルデヒ
ド、α−ブロムシンナムアルデヒド、フェニルアセトア
ルデヒド等のアルデヒド類、アセトン、メチルエチルケ
トン、ジエチルケトン、ジブチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、2
−ブロモ−4′−ヒドロキシアセトフェノン等のケトン
類、アセトニトリル、アクリロニトリル、n−ブチロニ
トリル、マロノニトリル、フェニルアセトニトリル、ベ
ンゾニトリル、シアノピリジン、2,2−ジブロモメチ
ルグルタルニトリル、2,3,5,6−テトラクロロイ
ソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフル
オロイソフタロニトリル、1,2−ジブロモ−2,4−
ジシアノブタン等のニトリル類、ジエチルエーテル、ジ
ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テ
トラヒドロピラン、ジオキソラン、トリオキサン等のエ
ーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−
ヘプチルアセテート、ビス−1,4−ブロモアセトキシ
−2−ブテン等のエステル類、ベンゼンスルホンアミド
等のスルホンアミド類、N−メチルホルムアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ジシアンジアミド、ジブロ
ムニトリルプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−3−
ニトリロプロピオンアミド、N,N−ジエチル−m−ト
ルアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホル
ム、ジクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロ
ゲン化炭化水素、ε−カプロラクタム等のラクタム類、
ε−カプロラクトン等のラクトン類、アリールグリシジ
ルエーテル等のオキシラン類、モルホリン類、
【0033】フェノール、クレゾール、レゾルシノー
ル、p−クロロ−m−クレゾール等のフェノール類、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、アジピ
ン酸、酒石酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸等のカ
ルボン酸類及びチオカルボン酸類、スルファミン酸類、
チオカルバミン酸類、チオセミカルバジド類、尿素、フ
ェニル尿素、ジフェニル尿素、チオ尿素、フェニルチオ
尿素、ジフェニルチオ尿素、N,N−ジメチルジクロロ
フェニル尿素等の尿素及びチオ尿素類、イソチオ尿素
類、スルホニル尿素類、チオフェノール、アリルメルカ
プタン、n−ブチルメルカプタン、ベンジルメルカプタ
ン等のチオール類、ベンジルスルフィド、ブチルメチル
スルフィド等のスルフィド類、ジブチルジスルフィド、
ジベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスル
フィド等のジスルフィド類、ジメチルスルホキシド、ジ
ブチルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド等のスル
ホキシド類、ジメチルスルホン、フェニルスルホン、フ
ェニル−(2−シアノ−2−クロロビニル)スルホン、
ヘキサブロモジメチルスルホン、ジヨードメチルパラト
リルスルホン等のスルホン類、チオシアン酸メチルエス
テル、イソチオシアン酸メチルエステル等のチオシアン
酸類及びイソチオシアン酸類、グリシン、アラニン、ロ
イシン、リジン、メチオニン、グルタミン等のアミノ酸
類、アミド及びウレタン化合物類、酸無水物類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アルカ
ン類、アルケン類、アルキン類、ブチルイソシアネー
ト、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシア
ネート等のイソシアネート類、メチレンビスチオシアネ
ート、メチレンビスイソチオシアネート等のチオシアネ
ート類及びイソチオシアネート類、トリス(ヒドロキシ
メチル)ニトロメタン等のニトロ化合物類、
【0034】アンモニア、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、
ヘキシルアミン、アリルアミン、ヒドロキシルアミン、
エタノールアミン、ベンジルアミン、エチレンジアミ
ン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジア
ミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジア
ミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ジプロピレンジアミン、N,N−ジメチルエチレン
ジアミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,
N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N−エチル
−1,3−プロパンジアミン、トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン、アルキル−t−モノアミン、メンタンジア
ミン、イソホロンジアミン、グアニジン、N−(2−ヒ
ドロキシプロピル)アミノメタノール等の非環式脂肪族
アミン類、シクロヘキシルアミン、シクロヘキサンジア
ミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ピロ
リジン類、アゼチジン類、ピペリジン類、ピペラジン、
N−アミノエチルピペラジン、N,N′−ジメチルピペ
ラジン等のピペラジン類、ピロリン類等の環式脂肪族ア
ミン類、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメ
チルアニリン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェ
ニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m−キレン
ジアミン等の芳香族アミン類、エポキシ化合物付加ポリ
アミン、マイケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリ
アミン、チオ尿素付加ポリアミン、ケトン封鎖ポリアミ
ン等の変性ポリアミン類、
【0035】イミダゾール、2−メチルイミダゾール、
2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾー
ル、2−n−プロピルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダ
ゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘ
プタデシル−1H−イミダゾール、2−フェニル−1H
−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イ
ミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等
のイミダゾール類、ピロール、ピリジン、ピコリン、ピ
ラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラゾール、トリア
ゾール、ベンゾトリアゾール、トリアジン、テトラゾー
ル、プリン、インドール、キノリン、イソキノリン、カ
ルバゾール、イミダゾリン、ピロリン、オキサゾール、
ピペリン、ピリミジン、ピリダジン、ベンズイミダゾー
ル、インダゾール、キナゾリン、キノキサリン、フタル
イミド、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、2
−メトキシカルボニルベンズイミダゾール、2,3,
5,6−テトラクロロ−4−メタンスルホニルピリジ
ン、2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−1−オキサイ
ド)、N−メチルピロリドン、2−ベンズイミダゾール
カルバミン酸メチル、2−ピリジンチオール−1−オキ
シドナトリウム、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス
(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、ヘキサヒ
ドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジン、2−
メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピ
ルアミノ−s−トリアジン、N−(フルオロジクロロメ
チルチオ)フタルイミド、1−ブロモ−3−クロロ−
5,5−ジメチルヒダントイン、2−メトキシカルボニ
ルベンズイミダゾール、2,4,6−トリクロロフェニ
ルマレイミド等の含窒素複素環化合物、
【0036】フラン、フルフリルアルコール、テトラヒ
ドロフルフリルアルコール、フルフリルアミン、ピラ
ン、クマリン、ベンゾフラン、キサンテン、ベンゾジオ
キサン等の含酸素複素環化合物、オキサゾール、イソオ
キサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾー
ル、5−メチルオキサゾリジン、4−(2−ニトロブチ
ル)モルホリン、4,4′−(2−エチル−2−ニトロ
トリメチレン)ジモルホリン等の含窒素及び酸素複素環
化合物、チオフェン、3,3,4,4−テトラヒドロチ
オフェン−1,1−ジオキサイド、4,5−ジクロロ−
1,2−ジチオラン−3−オン、5−クロロ−4−フェ
ニル−1,2−ジチオラン−3−オン、3,3,4,4
−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオ
キシド等の含硫黄複素環化合物、チアゾール、ベンゾチ
アゾール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン、4,5−ジクロロ−3−n−オクチルイソチアゾ
リン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−
3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、
2−チオシアノメチルベンゾチアゾール、2−(4−チ
アゾリル)ベンズイミダゾール、トリフェニルまたはテ
トラキスフェニル骨格を有する硫黄含有化合物誘導体を
成分化合物とする2−チオシアノメチルベンゾチアゾー
ル等の含窒素及び硫黄複素環化合物、コレステロール等
のステロイド類、ブルシン、キニン、テオフィリン等の
アルカロイド類、シネオール、ヒノキチオール、メント
ール、テルピネオール、ボルネオール、ノポール、シト
ラール、シトロネロール、シトロネラール、ゲラニオー
ル、メントン、オイゲノール、リナロール、ジメチルオ
クタノール等の天然精油類、キンモクセイ、ジャスミ
ン、レモン等の合成香料類、アスコルビン酸、ニコチン
酸、ニコチン酸アミド等のビタミン及び関連化合物等を
例示することができる。
【0037】本発明の分子化合物は、式(I)で表され
る硫黄含有化合物と、かかる硫黄含有化合物と分子化合
物を形成する前記のような物質とを直接混合するか、あ
るいは溶媒中で混合することにより得ることができる。
また、低沸点の物質あるいは蒸気圧の高い物質の場合
は、本発明のカルボン酸誘導体にこれら物質の蒸気を作
用させることにより目的とする分子化合物を得ることが
できる。そしてまた、本発明のカルボン酸誘導体に対し
て、二種類以上の物質を反応させることにより、三成分
以上の多成分からなる分子化合物を得ることもできる。
さらに、本発明のカルボン酸誘導体とある物質との分子
化合物をまず生成させ、この分子化合物と別の物質とを
上記のような方法で反応させることにより目的とする分
子化合物を得ることもできる。
【0038】本発明の分子化合物はその生成条件によ
り、これを構成する各成分化合物の比率が変化すること
があるが、上記方法により得られた物質が確かに分子化
合物であることは、熱分析(TG及びDTA)、赤外吸
収スペクトル(IR)、X線回折パターン、固体NMR
スペクトル等により確認することができる。また、分子
化合物の組成は熱分析、1H−NMRスペクトル、高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)、元素分析等によ
り確認することができる。
【0039】本発明の分子化合物は、有用物質の選択分
離、化学的安定化、不揮発化、粉末化等の機能の点、及
び一定の組成の分子化合物を安定的に製造するなどの目
的から、結晶性であることが好ましく、特に結晶性の包
接化合物であることがより好ましい。この際、同一の分
子化合物であっても結晶多形をとることがある。結晶性
の確認は主にX線回折パターンを調べることによりでき
る。また結晶多形の存在は熱分析、X線回折パターン、
固体NMR等により確認できる。ここで、包接化合物と
は、原子又は分子が結合してできた三次元構造の内部に
適当な大きさの空孔があり、その中に他の原子又は分子
が非共有結合的な相互作用により一定の組成比で入り込
んだ物質を指す。ここで、空孔は必ずしも包接化合物を
構成する一方の成分化合物が単独で形成する必要はな
く、二つの成分化合物から包接化合物ができる際にのみ
形成されるものでもよい。
【0040】本発明の分子化合物の使用形態には特に制
限はなく、例えばそれぞれ異なる成分化合物で構成され
た二種類以上の分子化合物を混合して使用することがで
きる。また、本発明の分子化合物は目的とする機能を損
なわない限り、他の物質と併用して使うことができる。
本発明の分子化合物に賦形剤等を与え、顆粒や錠剤に成
形して使用することもできる。更に、樹脂、塗料、並び
にそれらの原料や原料組成物中に添加して使用すること
もできる。本発明の分子化合物はそのまま有機合成の原
料として使用したり、分子化合物を特異的な反応場とし
て使用することもできる。
【0041】例えば、一般式(I)で表される硫黄含有
化合物をホスト化合物とし、5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン系殺菌剤、ヒ
ノキチオール、1,8−シネオール等の抗菌・殺虫・防
虫剤、ローズマリー等の香料、イソチアゾロン系化合物
等の防汚剤、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のエポキシ
樹脂用硬化剤及び1,8−ジアザビシクロ(4,5,
0)ウンデセン−7等のエポキシ樹脂用硬化促進剤など
の触媒、又はトルエン、キシレン、ピリジン等の有機溶
媒をゲストとした包接化合物は、ゲスト化合物が本来有
する作用の他に、徐放性、皮膚刺激性の軽減、化学的安
定化、不揮発化、粉末化、有用物質の選択分離等の機能
が新たに付与され、新しい特性を有する殺菌剤、抗菌
剤、殺虫・防虫剤、香料、防汚剤、エポキシ樹脂用硬化
剤等の触媒、有機溶媒として極めて有用である。
【0042】また、本発明の式(I)で表される硫黄含
有化合物は2座配位子としても機能するため、金属イオ
ンと配位化合物を形成することができる。かかる硫黄含
有化合物と配位化合物を形成する金属イオンとしては例
えば、金、白金、銅、亜鉛、ニッケル、鉄等を例示する
ことができる。
【0043】なお、本発明の硫黄含有化合物は、自己集
積単分子膜の形成が可能であり、かつ金属との結合が可
能なことから、金属の超微粒子固定化膜の作成に利用す
る事ができる。超微粒子金属層膜は電子デバイス作成技
術、特に電子デバイスの接着材料への利用が可能であ
る。また、撥水性の置換基を導入した自己集積単分子膜
は超微細構造を有する装置の撥水処理に利用することが
できる。この他にも、リソグラフィへの利用や、ポリイ
ミドの代替としての配向膜への利用も可能である。
【0044】以下、本発明を実施例に従ってさらに詳細
に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限
定されるものではない。また得られた物質が配位化合物
であることは、熱分析(TG及びDTA)、赤外吸収ス
ペクトル(IR)、X線回折パターン等により確認する
ことができる。また、配位化合物の組成は熱分析、原子
吸光分析、元素分析等により確認することができる。
【0045】
【実施例】実施例1 1,1,2,2−テトラキス(4−クロロスルホニルフ
ェニル)エチレンの合成(化合物No.5) 窒素雰囲気下、撹拌子の入った100mL3つ口丸底フラスコ
に無水ジクロロメタン30mL、クロロ硫酸6mL(90.6mmo
l)を加え、続いて氷浴下攪拌しながらテトラフェニル
エチレン3324mg(10mmol)を3回にわけて10分ごとに添
加した。この時、塩化水素の発生が確認された。添加が
終了し10分氷浴下攪拌した後、室温で24時間攪拌した。
反応溶液を飽和食塩水50mLに注意深く注ぎ込み、さらに
反応容器に残留する固形物も飽和食塩水で洗い流した。
この集めた水溶液からTHFで抽出した(100mL×5)。無
水硫酸マグネシウムにより十分脱水し、硫酸マグネシウ
ム濾別後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶
媒:クロロホルム)により生成物を確認したのち、この
溶液にシリカゲル10gを加え、溶媒を留去後、1時間真空
乾燥(0.2Torr)し、シリカゲルに生成物を吸着させ
た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ=4
0mm、Height=50mm、展開溶媒:クロロホルム)で精製、
引き続くTHFによる再結晶で目的化合物1,1,2,2-テトラ
キス(4-クロロスルホニルフェニル)エチレンとTHFと
の1:1錯体として無色結晶、2350mg(2.94mmol)、29%
の収率で得た。THFを除去した1,1,2,2-テトラキス(4-
クロロスルホニルフェニル)エチレンを必要とする時は
この錯体を120℃加熱下2時間真空乾燥(0.2Torr)し、
目的化合物を得た。
【0046】実施例2 1,1,2,2−テトラキス(4−メルカプトフェニ
ル)エチレンの合成(化合物No.4) 撹拌子の入った100mL丸底フラスコに1,1,2,2-テトラキ
ス(4-クロロスルホニルフェニル)エチレン-THF1:1錯
体799mg(1mmol)、無水塩化カルシウムで予備乾燥した
THF50mLを加え攪拌し、基質を溶解させた。氷浴で冷却
し攪拌しながら水素化アルミニウムリチウム760mg(20m
mol)を徐々に添加した。添加終了後、冷却管を取り付
け加温し、12時間還流下攪拌した。反応溶液を注意深く
氷水50mLに注ぎ込み、引き続き塩酸で酸性化した(pH<<
1)。この溶液からジクロロメタンにより抽出し(50mL
×3)、引き続きこのジクロロメタン溶液から1M水酸化ナ
トリウム水溶液により抽出(50mL×3)、さらにこの水溶
液を塩酸で酸性化し(pH<<1)、ジクロロメタンにより
抽出した(50mL×3)。無水硫酸ナトリウムにより十分脱
水し、硫酸ナトリウム濾別後、シリカゲル薄層クロマト
グラフィー(展開溶媒:四塩化炭素)により生成物を確
認したのち、この溶液にシリカゲル2gを加え溶媒を留去
しシリカゲルに生成物を吸着させた。これをシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(φ=25mm、Height=50mm、展
開溶媒:四塩化炭素)で精製、引き続く四塩化炭素によ
る再結晶で目的化合物1,1,2,2-テトラキス(4-メルカプ
トフェニル)エチレンを淡黄色結晶として、399mg(0.8
66mmol)、87%の収率で得た。
【0047】実施例3 1,1,2,2−テトラキス(4−メルカプトフェニ
ル)エタンの合成(化合物No.8) 窒素雰囲気下、撹拌子、1,1,2,2-テトラキス(4-メルカ
プトフェニル)エチレン124mg(0.269mmol)の入った20
mL枝付き丸底フラスコに無水THFを加え基質を溶解させ
た。これを-78℃まで冷却し、液体アンモニア10mLを加
え引き続き攪拌しながら金属ナトリウム49mg(2.15mmo
l)を加え、反応溶液が濃青色になることを確認した
(ならない場合は液体アンモニアをたした。)。-78℃
で1時間攪拌した後、塩化アンモニウム115mg(2.15mmo
l)を加え、徐々に加温し液体アンモニアを蒸発させ
た。反応溶液に水10mLを加えた後、塩酸で酸性化した
(pH<<1)。この溶液からジクロロメタンにより抽出し
(20mL×3)、引き続きこのジクロロメタン溶液から1N水
酸化ナトリウム水溶液により抽出(20mL×3)、さらにこ
の水溶液を塩酸で酸性化し(pH<<1)、ジクロロメタン
により抽出した(20mL×3)。無水硫酸ナトリウムにより
十分脱水し、硫酸ナトリウム濾別後、シリカゲル薄層ク
ロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)により生
成物を生成物を確認したのち、この溶液にシリカゲル1g
を加え溶媒を留去しシリカゲルに生成物を吸着させた。
これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ=15m
m、Height=50mm、展開溶媒:クロロホルム)で精製、引
き続くクロロホルムによる再結晶で目的化合物1,1,2,2-
テトラキス(4-メルカプトフェニル)エタンを無色結晶
として、81mg(0.175mmol)、65%の収率で得た。
【0048】実施例4 1,1,2,2−テトラキス(4−クロロスルホニルフ
ェニル)メタンの合成(No.9) 窒素雰囲気下、撹拌子の入った100mL3つ口丸底フラスコ
に無水ジクロロメタン30mL、クロロ硫酸6mL(90.6mmo
l)を加え、続いて氷浴下攪拌しながらテトラフェニル
メタン3204mg(10mmol)を3回にわけて10分ごとに添加
した。この時、塩化水素の発生が確認された。添加が終
了し10分氷浴下攪拌した後、室温で24時間攪拌した。反
応溶液を飽和食塩水50mLに注意深く注ぎ込み、さらに反
応容器に残留する固形物も飽和食塩水で洗い流した。こ
の集めた水溶液からTHFで抽出した(100mL×5)。無水
硫酸マグネシウムにより十分脱水し、硫酸マグネシウム
濾別後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶
媒:クロロホルム)により生成物を確認したのち、この
溶液にシリカゲル10gを加え、溶媒を留去後、1時間真空
乾燥(0.2Torr)し、シリカゲルに生成物を吸着させ
た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ=4
0mm、Height=50mm、展開溶媒:クロロホルム)で精製、
引き続くTHFによる再結晶で目的化合物1,1,2,2-テトラ
キス(4-クロロスルホニルフェニル)メタンとTHFとの
1:0.75錯体として無色結晶、974mg(1.36mmol)、14%
の収率で得た。
【0049】実施例5 1,1,2,2−テトラキス(4−メルカプトフェニ
ル)メタン(化合物No.10) 撹拌子の入った100mL丸底フラスコに1,1,2,2-テトラキ
ス(4-クロロスルホニルフェニル)メタン-THF1:0.75
錯体315mg(0.410mmol)、無水塩化カルシウムで予備乾
燥したTHF20mLを加え攪拌し、基質を溶解させた。氷浴
で冷却し攪拌しながら水素化アルミニウムリチウム304m
g(8mmol)を徐々に添加した。添加終了後、冷却管を取
り付け加温し、14.5時間還流下攪拌した。反応溶液を注
意深く氷水50mLに注ぎ込み、引き続き塩酸で酸性化した
(pH<<1)。この溶液からジクロロメタンにより抽出し
(50mL×3)、引き続きこのジクロロメタン溶液から1N水
酸化ナトリウム水溶液により抽出(50mL×3)、さらにこ
の水溶液を塩酸で酸性化し(pH<<1)、ジクロロメタン
により抽出した(50mL×3)。無水硫酸ナトリウムにより
十分脱水し、硫酸ナトリウム濾別後、シリカゲル薄層ク
ロマトグラフィー(展開溶媒:四塩化炭素)により生成
物を確認したのち、この溶液にシリカゲル1gを加え溶媒
を留去しシリカゲルに生成物を吸着させた。これをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(φ=20mm、Height=50
mm、展開溶媒:四塩化炭素)で精製、引き続く四塩化炭
素による再結晶で目的化合物1,1,2,2-テトラキス(4-メ
ルカプトフェニル)メタンを無色結晶として、133mg
(0.296mmol)、72%の収率で得た。
【0050】実施例6 1,1,2,2−テトラキス(4−シアノエチルチオフ
ェニル)エチレンの合成(化合物No.11) 実施例2で作成した1,1,2,2−テトラキス(4−
メルカプトフェニル)エチレン0.5mmolをTHF30mlに加
え、氷浴下攪拌しながら水素化ナトリウム(4.0mmol)1
60mg、3−ブロモプロピオニトリル(4.0mmol)0.35ml
を加えた後、85℃で24h還流した。溶媒を留去し、氷冷
水を加え、塩酸で反応液を酸性にした後、ジクロロメタ
ンで抽出した。無水硫酸マグネシウムで脱水した後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(φ=40mm、Height=
50mm、展開溶媒:エチルアセテート:クロロホルム=
1:15)で精製し、クロロホルム、四塩化炭素から再結
晶して目的化合物を得た。
【0051】以上のようにして得られた化合物、および
同様にして得られた化合物を第5表に示す。
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】実施例7 1,1,2,-トリス(4-シアノエチルチオフェニル)-2-(4-
メチルチオフェニル)エチレンの合成(化合物No.1
2) 撹拌子の入った200mL丸底フラスコに化合物1,1,2,2-テ
トラキス (4-シアノエチルチオフェニル)エチレン3
36mg (0.5mmol)、アセトニトリル50mLを加え撹拌し、基
質を溶解させる。引き続き水酸化セシウム75mg (0.5mmo
l)をメタノール10mLに溶解させた溶液をアセトニトリル
50mLに加え、この溶液を滴下漏斗を用いて1.5時間かけ
てゆっくりと滴下する。室温で1時間撹拌後、ヨウ化メ
チル0.7mL(11mmol)を滴下し、さらに1時間撹拌した。反
応溶液を飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液50mLに注ぎ込
み、ジクロロメタンにより抽出する(50mL×3)無水硫
酸マグネシウムにより十分脱水し硫酸マグネシウム濾別
後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(Mobile phas
e:酢酸エチル:クロロホルム=1:15)により生成物を確
認したのち、この溶液にシリカゲル2gを加え溶媒を除去
しシリカゲルに生成物を吸着さる。これをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(φ=25mm, Height=80mm, Mobi
le phase: 酢酸エチル:クロロホルム=1:15)で精製、
1,1,2,-トリス(4-シアノエチルチオフェニル)-2-(4-
メチルチオフェニル)エチレンを黄色の結晶として56%
の収率で得た。
【0057】Yellow crystals; mp. 117.5 0C; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) d 2.44 ( s, 3H, CH3), 2.5
7 ( t, J = 7.3 Hz, 2H,CH2), 2.580 ( t, J = 7.2 Hz,
2H, CH2), 2.584 ( t, J = 7.2 Hz, 2H, CH2),3.10 (
t, J = 7.1 Hz, 6H, CH2), 6.89 ( d, J = 8.5 Hz, 2
H, ArH), 6.95 (d, J = 8.3 Hz, 2H, ArH),6.96 ( d, J
= 8.2 Hz, 2H, ArH), 6.98 ( d, J = 8.2 Hz, 2H, Ar
H), 6.99 ( d, J = 8.5 Hz, 2H, ArH), 7.138 ( d, J
= 8.2 Hz,2H, ArH), 7.145 ( d, J = 8.3 Hz, 2H, Ar
H), 7.15 ( d, J = 8.2 Hz, 2H, ArH); 13C-NMR (101 MHz, CDCl3) d 15.2, 18.1, 18.16, 18.1
9, 29.74, 29.77, 117.85, 117.89, 125.4, 130.15, 13
0.23, 130.28, 131.6, 131.8, 131.93, 131.96,132.11,
132.13, 132.2, 137.6, 139.2, 139.3, 140.6, 142.4,
142.5; IR (KBr) 3446, 2923, 2250 (CN),1590, 1492, 1418, 1
398, 1283, 1090, 1013,957, 826, 799, 739, 572, 403
cm-1.
【0058】実施例8 1,1,2,-トリス(4-メルカプトフェニル)-2-(4-メチル
チオフェニル)エチレンの合成(化合物No13) 撹拌子の入った50mL丸底フラスコに実施例7で調整した
化合物No12 127mg (0.2mmol)、アセトニトリル30mLを
加え撹拌し、基質を溶解させる。引き続き水酸化セシウ
ム270mg(1.8mmol)をメタノール5mLに溶解させた溶液を
滴下し、室温で1時間撹拌した。反応溶液を塩酸で酸性
化した(Ph<1)水に注ぎ込み、ジクロロメタンにより
抽出する(50mL*3)。ひきつづきこのジクロロメタン溶
液から1M水酸化ナトリウム水溶液により抽出(50mL×
3)、さらにこの水溶液を塩酸で酸性化し(Ph<1)、ジ
クロロメタンにより抽出する。(50mL×3)無水硫酸マ
グネシウムにより十分脱水し硫酸マグネシウム濾別後、
シリカゲル薄層クロマトグラフィー(Mobile phase:ク
ロロホルム)により生成物を確認したのち、この溶液に
シリカゲル2gを加え溶媒を除去しシリカゲルに生成物を
吸着させる。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(φ=25mm, Height=50mm, Mobile phase: クロロホル
ム)で精製、1,1,2,-トリス(4-メルカプトフェニル)-
2-(4-メチルチオフェニル)エチレンを黄色の結晶として
27%の収率で得た。
【0059】Yellow crystals; mp. 215.8 oC; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) d 2.42 ( s, 3H, CH3), 3.3
7 ( s, 1H, SH), 3.38 (s, 2H, SH), 6.83-6.89 ( m, 8
H, ArH), 6.96-6.7.01 ( m, 8H, ArH); 13C-NMR (101 MHz, CDCl3) d 15.3, 125.5, 128.8 (2
C), 129.06, 129.08, 131.7, 132.0 (2C), 136.9, 139.
2, 139.7, 139.9, 140.86, 140.88; IR (KBr) 3449, 2920, 2559 (SH), 1591, 1492, 1399,
1184, 1096, 1016, 862, 818, 797, 739, 524, 499 cm
-1.
【0060】実施例9 1,1,2,2−テトラキス(4−メルカプトフェニ
ル)エタンを成分化合物とする分子化合物の製造 1,1,2,2−テトラキス(4−メルカプトフェニ
ル)エタン0.13gをピリジン3mlに加熱溶解した
後、室温で24時間放置した。析出した結晶を濾取し、
40℃下で1時間ロータリー真空ポンプを用いて減圧乾
燥し、1,1,2,2−テトラキス(4−メルカプトフ
ェニル)エタンとピリジンとの組成比率1:3(モル
比)から成る分子化合物を得た。次にピリジンの代わり
にN,N−ジメチルホルムアミドを使用し、同様の操作
を行ったが、室温で24時間放置した後は、減圧下で
N,N−ジメチルホルムアミドを留去し、残査について
更に80℃で1時間ロータリー真空ポンプを用いて減圧
乾燥し、1,1,2,2−テトラキス(4−メルカプト
フェニル)エタンとN,N−ジメチルホルムアミドとの
組成比率1:1(モル比)から成る分子化合物を得た。
【0061】
【発明の効果】本発明の新規硫黄含有化合物を成分とす
る分子化合物は、簡単な操作で調製できる上に、種々の
物質について化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化
などの機能を付与することができ、また特定物質の選択
分離や回収を行うことができる。また、本発明の化合物
による自己集積単分子膜は電子デバイス作成技術への応
用が可能である。従って、本発明は非常に広範な分野で
利用可能であり、産業上における意義は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 321/28 C07C 321/28 323/60 323/60

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)で表される硫黄含有化合物。 【化1】 [式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を
    有していてもよいC1〜C6アルキル基、置換基を有し
    ていてもよいC2〜C6アルケニル基、置換基を有して
    いてもよいアリール基、塩素原子、臭素原子を表し、m
    は0、1、2の整数を表し、Zは下記式(II)〜式(V) 【化2】 (式(II)〜式(V)中、R、mは前記と同様であり、W
    は水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C6アル
    キル基を表し、Yは直結合、炭素数1〜3のアルキレン
    基、またはフェニレン基を表す。)を表す。]
  2. 【請求項2】式(VI)で表される硫黄含有化合物。 【化3】 [式(VI)中、R’はそれぞれ独立して、水素原子、置
    換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基、置換基
    を有していてもよいC2〜C6アルケニル基、置換基を
    有していてもよいアリール基を表し、Zは前記と同様で
    あり、Zで表わされる式(II)〜式(V)中、W、Y、nは
    前記と同様であり、RはR’を表わし、mは0を表わ
    す。]
  3. 【請求項3】式(VII)で表される硫黄含有化合物。 【化4】 [Zは前記と同様であり、Zで表わされる式(II)〜式
    (V)中、W、Y、nは前記と同様であり、Rは塩素原子
    を表わし、mは2を表わす。]
  4. 【請求項4】式(VIII)で表される硫黄含有化合物。 【化5】 [R’は前記と同様である。]
  5. 【請求項5】式(IX)で表される硫黄含有化合物。 【化6】
  6. 【請求項6】請求項1記載の式(I)で表される硫黄含
    有化合物を成分化合物とする分子化合物。
  7. 【請求項7】分子化合物が包接化合物であることを特徴
    とする請求項6記載の分子化合物。
  8. 【請求項8】請求項1記載の式(I)で表される硫黄化
    合物と請求項1記載の式(I)で表される硫黄含有化合
    物と反応して分子化合物を形成する抗菌剤、抗カビ剤、
    殺虫剤、害虫忌避剤、香料、脱臭・消臭剤、防汚剤、塗
    料・樹脂・接着剤用硬化剤及び硬化促進剤、天然精油、
    酸化防止剤、加硫促進剤又は有機溶媒とを成分化合物と
    する請求項6又は7のいずれか記載の分子化合物。
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