JPH11109064A - 時間または温度−時間積算値の表示方法およびその表示材料 - Google Patents

時間または温度−時間積算値の表示方法およびその表示材料

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JPH11109064A
JPH11109064A JP27182597A JP27182597A JPH11109064A JP H11109064 A JPH11109064 A JP H11109064A JP 27182597 A JP27182597 A JP 27182597A JP 27182597 A JP27182597 A JP 27182597A JP H11109064 A JPH11109064 A JP H11109064A
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JP
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layer
sheet
time
temperature
component
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JP27182597A
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Yasunori Kimura
康典 木村
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は所定温度において所定時間が経過した
ことを明示するための時間または温度−時間積算値の表
示材料を提供する。 【解決手段】ジアゾ成分、ジアゾ化試薬、カップラー成
分の3成分の内、任意の2成分を含有するA層を基材上
に設けたAシートと残りの1成分を含有するB層を基材
上に設けたBシートをそれぞれの層を接合するように貼
り合わせる、もしくは安定化ジアゾニウム塩を含有する
C層を基材上に設けたCシートとカップラー成分を含有
するD層を基材上に設けたDシートをそれぞれの層を接
合するように貼り合わせることによってジアゾカップリ
ング反応させることで経過時間または温度−時間の積算
値を発色濃度変化および/又は色相変化として表示する
表示材料を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、時間または温度−時間
積算値を色変化として表示する表示方法および表示材料
に関する。さらには、研究試薬、薬品、防虫剤、脱臭
剤、芳香剤等の医薬品類や、冷凍冷蔵食品、生鮮食品、
ファーストフード等の食品類など有効期間あるいは使用
期限の限られている製品の寿命の把握や、各種製品の製
造工程または流通過程での時間または温度−時間履歴を
把握することができる時間または温度−時間積算値を色
変化として表示する表示方法および表示材料に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一定温度下で物品を一定期間保管
する場合に、その温度および時間を監視するための表示
材料に対する需要は年々高まってきている。すなわち、
一般に市場に出回っている食品ならびに医薬品および化
学品に至るまで、保存温度が明示されるとともに、その
有効期間をも限定されているのが通常である。しかしな
がら、安価に且つ簡便に温度ならびに時間を同時に確認
できるような表示方法および表示材料はこれまで市場で
十分に活用されている状況には至っていない。
【0003】従来、色変化によって温度・時間履歴を表
示する材料としては、100℃前後の温度で数十時間の
範囲をピンクからメタリックグリーンへの変化等で表示
するジアセチレン系化合物を用いたパテルの米国特許第
4,189,399号(1980.2.19 発行)・米国特許第
4,208,186号(1980.6.17 発行)・米国特許第
4,276,190号(1980.6.30 発行)、室温程度で
数十日の範囲で無色から紫に発色する染料と酸あるいは
アルカリの拡散による反応を用いたキドニウス等の米国
特許第4,212,153号(1980.7.15発行)、レドッ
クス染料と酸素拡散性を用いたフー等の米国特許第3,
768,976号、緑が退色することで表示する遊離ラ
ジカル感受性染料と過酸化物の組成物を用いたカータッ
ブ等の米国特許第3,966,414号、還元剤で脱色
したトリアリールメタン染料が酸素の拡散によって着色
することを利用したブハッタチャージー等の特開昭62
−190447、酸を生成する微生物とpH指示薬を用
いた松田等の特開平5−61917がある。その他、融
点、拡散速度、酵素活性などを利用した特許が開示され
ている。
【0004】これまで、色々な表示材料が提案されてい
るものの実際に上市されていない理由としては、溶液状
態で取り扱いに不便であったり、時間を測定開始する方
法が煩雑であったり不明確であったり、構成が複雑なた
め単価が高い等の要因が考えられる。例えば、遊離ラジ
カル感受性染料と過酸化物の組成物を用いたカータッブ
等(米国特許第3,966,414号)の発明は、染料
と過酸化物をガラス繊維紙上に担持させ表示材料とする
ために、染料と過酸化物を溶媒中に溶解して、その溶液
をガラス繊維紙上に展開している。ここで時間計測とい
う観点からは、染料と過酸化物を溶解した時点で反応が
始まっており、室温以下の温度下での時間測定には現実
的に適さないという欠点があった。また、今までの技術
に見られる色変化は無色からある色が発色してその色濃
度が増していくものやその反対にある色相が退色して無
色になるものがほとんどで、視認性の観点から明確かつ
大幅に色調が変化する材料は見あたらなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一定温度あるいは変動
する温度下での熱量収支は、各時点での温度とその時間
の積によって求められる積分値として表すことができ、
本発明でいう温度−時間積算値とはこの温度と時間の積
分値のことである。例えば冷蔵食品である肉・魚等は3
0゜C では12時間、20゜C では24時間、10゜C
では72時間といった具合に保存温度によりその賞味期
限あるいは有効期限は変化する。また実際の製品の流通
を考えた場合、保存温度は程度の差はあるものの絶えず
変動していると考えて良い。ここで問題になるのが「何
度の温度で何時間放置あるいは保存されたか」というこ
とで、この尺度となるのが温度−時間積算値と言うこと
になる。一般に、研究試薬、薬品、防虫剤、脱臭剤、芳
香剤等の医薬品類や、冷凍冷蔵食品、生鮮食品、ファー
ストフード等の食品類ならびに塗料・接着剤などの化学
品に至るまでの使用有効期限を有する物品は、保存温度
とともにその有効期間を限定されているのが通常であ
り、温度が低い場合は保存期間は長く温度が高くなると
保存期間は極端に短くなる場合が多い。しかしながら、
一般的には保管場所に温度計を設置して製造年月日と保
証期限の表示によって管理しているのが現状であり、管
理すべき物品が実際に保管温度下で何時間経過したかは
不明である。また、流通過程において所定の温度で所定
時間内にある地点から別のある地点へ輸送する際に物品
一つ一つが置かれる環境をそれぞれ監視する安価なシス
テムは見あたらない。このように一つ一つの物品が所定
の温度下でどの程度時間が経過したかあるいはどの程度
の温度でどの程度時間が経過したかという熱量の総計を
明確にしかも安価に表示しうる材料を提供できる方法が
求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】ジアゾ成分として第一級
アミノ化合物、特に芳香族第一級アミノ化合物は亜硝酸
ソーダ等のジアゾ化試薬にて容易にジアゾ化されジアゾ
ニウム塩を生じ、カップラー成分である芳香族アミン、
フェノール性水酸基を有する化合物等と容易に反応して
黄、橙、赤、茶、緑、青、黒等の種々の色相を有するア
ゾ色素が得られることは公知であり、この反応即ちジア
ゾカップリング反応を用いて広くアゾ色素が工業的に生
産され汎用されていることは周知の事実である。しかし
ながら、専ら着色剤としての色素を得ることのみに主眼
がおかれており、その色素生成過程での発色現象をイン
ジケータに応用することにはこれまで全く無関心であっ
た。このような状況下において本発明者らは、ジアゾ成
分とカップラー成分とのジアゾカップリング反応により
アゾ色素を生成する過程においてその反応条件に着目し
て種々検討を行った結果、この一連の反応がその進行状
況に応じて生成したアゾ色素の量に相関した発色濃度を
示し、この反応が定常条件下においては通常の化学反応
と同様にアレニウス則によって温度と時間で規定される
ことから、所定温度における時間変化および熱量の総計
とも言うべき温度−時間積算値を色濃度の変化として表
示しうることを見出した。これを色濃度および/又は色
相の明確な変化によって簡便かつ安価に表示することを
可能にする時間または温度−時間積算値の表示材料に応
用すべく鋭意検討を進めて本発明の表示材料に至った。
本発明においては所定温度において所定時間が経過した
ことを二つの組成物を接触させるという単純な操作によ
り反応を開始させ、色相の明確な変化によって簡便かつ
安価に表示することを可能にする時間または温度−時間
積算値の表示方法ならびに表示材料を提供するものであ
る。本発明の表示材料では使用する温度域が室温以下の
場合においても、二つのシートを接合させるまでは反応
は起こらず、室温での保存が可能であり、なおかつ接合
した時点が時間測定の開始点となり、単純かつ明解に測
定を開始することができる。
【0007】即ち本発明は、ジアゾ成分、ジアゾ化試薬
およびカップラー成分の3成分の内、任意の2成分の混
合物と他の1成分を接触させる、もしくは予め調製され
た安定化ジアゾニウム塩とカップラー成分を接触させる
ことにより経過時間または温度−時間の積算値を発色濃
度変化および/又は色相変化として表示することを特徴
とする表示方法である。更に本発明は、ジアゾ成分、ジ
アゾ化試薬およびカップラー成分の3成分の内、任意の
2成分を含有するA層を基材上に設けたAシートと他の
1成分を含有するB層を基材上に設けたBシートとから
なり、上記AシートのA層および上記BシートのB層を
接合するように貼り合わせることによって経過時間また
は温度−時間の積算値を発色濃度変化および/又は色相
変化として表示することを特徴とする表示材料である。
更に本発明は、A層が2成分を個別に含有する層を任意
の順に積層した2層からなる上記記載の表示材料であ
る。更に本発明は、ジアゾ化試薬としてニトロセルロー
スを用いる上記記載の表示材料である。
【0008】更に本発明は、ジアゾニウム塩を含有する
C層を基材上に設けたCシートとカップラー成分を含有
するD層を基材上に設けたDシートからなり、上記Cシ
ートのC層および上記DシートのD層を接合するように
貼り合わせることによって経過時間または温度−時間の
積算値を発色濃度変化および/又は色相変化として表示
することを特徴とする表示材料である。更に本発明は、
A層またはB層の少なくとも1層、もしくはC層または
D層の少なくとも1層が熱可塑性樹脂またはワックスを
バインダーとして含有する上記記載の表示材料である。
更に本発明は、A層およびB層、もしくはC層およびD
層の一層もしくは全部の層が粘着性を有する層である上
記記載の表示材料である。更に本発明は、基材が透明フ
ィルムである上記記載の表示材料である。更に本発明
は、A層およびB層、もしくはC層およびD層の一層も
しくは全部の層が任意の形状にパターニングされて設け
られている上記記載の表示材料である。更に本発明は、
AシートまたはBシート、もしくはCシートまたはDシ
ートの背面に粘着加工を施してある上記記載の表示材料
である。
【発明の実施の形態】
【0009】本発明の実施の形態としては以下のような
構成に基づくものであれば良い。即ち、単独または複数
の構成成分からなり、ジアゾ成分、ジアゾ化試薬および
カップラー成分の各成分に対し不活性な媒体に前記3成
分の内の任意の2成分を溶解または分散または吸着等に
より担持させてなる液状またはゲル状もしくは固体の第
一組成物と、先と同様に単独または複数の構成材料から
なり、各成分に対し不活性な媒体に他の1成分を溶解ま
たは分散または吸着等により担持させてなる液状または
ゲル状もしくは固体の第二組成物とを従来公知の手段に
より接触させることで反応を開始させる。あるいは単独
または複数の構成成分からなり、安定化ジアゾニウム塩
およびカップラー成分の各成分に対し不活性な媒体に前
記2成分の内の任意の1成分を溶解または分散または吸
着等により担持させてなる液状またはゲル状もしくは固
体の第一組成物と、先と同様に単独または複数の構成材
料からなり、各成分に対し不活性な媒体に他の1成分を
溶解または分散または吸着等により担持させてなる液状
またはゲル状もしくは固体の第二組成物とを従来公知の
手段により接触させることで反応を開始させれば、その
反応による経時での色変化で所定温度における時間また
は温度−期間積算値を表示することができる。以下に本
発明の構成要素および実施形態について具体的且つ詳細
に述べる。
【0010】まず、本発明の構成成分であるジアゾ成
分、ジアゾ化試薬、カップリング成分および安定化ジア
ゾニウム塩について説明する。本発明において用いられ
るジアゾ成分とはジアゾニウム塩形成能を有するアミノ
化合物全てを指し、一般的には通常の染料、顔料の合成
に用いられるような芳香族第一級アミンが好ましいが、
特にこれに限定されるものではない。代表的なものの一
例として、アニリン、トルイジン、アニシジン、ベンジ
ジン、アミノアントラキノン、ナフチルアミン、ジアミ
ノジフェニルエーテル、フェニレンジアミン、アミノア
セトアニリド、アミノフェノール、アミノサリチル酸お
よびこれらすべての化合物において、芳香環に対しニト
ロ基、アルコキシ基、アルキル基、ハロゲン元素、スル
ホン酸基、ヒドロキシル基、シアノ基、アシル基、カル
ボキシル基、酸アミド基、アミノ基さらには他の芳香環
等の置換基が単独または複数導入された誘導体が挙げら
れる。さらに実際に染料に用いられているものの具体例
を挙げると、例えばC.I.Azoic Diazo Component 1、同
2〜5、同8〜13、同20〜21、同24、同26〜
27、同31〜32、同34〜35、同41〜42、同
44、同48、同109等がある。
【0011】また、本発明にて用いられるジアゾ化試薬
とは前述のジアゾ成分からジアゾニウム塩を形成させる
ことのできる化合物全てを指し、通常の染料、顔料の合
成には一般的に亜硝酸塩、メタ亜硫酸塩が用いられる
が、特にこれに限定されるものではない。代表的なもの
の一例として、亜硝酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウ
ムが挙げられる。また、亜硝酸アルキル等の亜硝酸エス
テルも用いることができ、特に取り扱いの点で好ましい
のがセルロースの硝酸エステルであるニトロセルロース
であり、亜硝酸エステルでないためその反応機構の詳細
は不明であるが、本発明において実施するに必要十分な
ジアゾ化能を有し、尚且つ樹脂やワックスのような有機
バインダー中にてジアゾカップリング反応を行う際には
親油性の悪い亜硝酸ナトリウムなどの無機塩と異なりバ
インダー成分と安定且つ均質に混合できる点で非常に好
ましい。
【0012】さらに、本発明にて用いられる安定化ジア
ゾニウム塩とは通常のジアゾニウム塩が不安定であるの
に対し、通常の取り扱いでの安定性を付与するためジア
ゾニウム陽イオンに対し特定の陰イオンと結合させた塩
である。このような塩としては前述のジアゾ成分をジア
ゾ化した後、塩素塩、硫酸塩、金属塩化物との複塩、芳
香族スルホン酸塩、フッ化ホウ素水素酸塩としたものが
挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
実際に染料に用いられているものの具体例を挙げると、
例えばC.I.Azoic Diazo Component 16、同17、同1
9、同22、同25、同36、同38、同47、同49
等がある。
【0013】続いて、本発明にて用いられるカップラー
成分とはジアゾニウム塩とカップリング能を有する化合
物全てを指し、一般的には通常の染料、顔料の合成に用
いられるような芳香族アミン、フェノール性水酸基を有
する化合物が好ましいが、活性メチレン基を有しエノー
ル化能を有する化合物、その他芳香族性を有する複素環
化合物も用いることができ、特にこれらに限定されるも
のではない。代表的なものの一例として、アニリン、フ
ェノール、ナフトール、ナフチルアミンおよびこれらす
べての化合物において、芳香環に対しニトロ基、アルコ
キシ基、アルキル基、ハロゲン元素、スルホン酸基、ヒ
ドロキシル基、シアノ基、アシル基、カルボキシル基、
酸アミド基、アミノ基さらには他の芳香環等の置換基が
単独または複数導入された誘導体が挙げられる。さらに
実際に染料に用いられているものの具体例を挙げると、
C.I.Azoic Coupling Component2、同3〜5、同7〜1
2、同14〜20、同23、同26、同28〜29、同
35〜37、同41、同108等がある。
【0014】本発明においては、上述のジアゾ成分、ジ
アゾ化試薬、安定化ジアゾニウム塩、カップラー成分の
各成分において、(1)複数のジアゾ化可能な第一級ア
ミノ基を有するジアゾ成分や複数種のジアゾ成分を用い
る。(2)あるいは安定化ジアゾニウム塩のうち複数の
ジアゾ基を有するジアゾニウム塩や複数種のジアゾニウ
ム塩を用いる。(3)複数のカップリング可能部位を有
するカップラー成分や複数種のカップラー成分を用い
る。上記(1)〜(3)の手法を利用することでアゾ結
合を一個有するモノアゾ系色素の他にアゾ結合を2個以
上有する、ジスアゾ系、トリスアゾ系、テトラキスアゾ
系などのポリアゾ系色素生成による発色として利用する
こともできる。
【0015】次に各成分の組成比であるが、本発明に用
いるジアゾ成分もしくは安定化ジアゾニウム塩とカップ
ラー成分の組成比は、カップリングにより生成させよう
とするアゾ色素の構造中に存在するジアゾ成分、カップ
ラー成分のモル構成比率と一致させるのを基本として、
各成分の反応性およびバインダー中での拡散性に応じて
10%程度の増減を考慮すれば良い。但し、カップリン
グ反応の反応性が著しく低い場合、もしくは動作開始後
におけるバインダー中での拡散性が著しく低い場合は、
過剰成分の発色への影響が無いことを前提としていずれ
か一方を大過剰に用いても差し支えない。一方、ジアゾ
成分とジアゾ化試薬の組成比は当量即ち1:1のモル比
で用いるのを基本としてジアゾ成分のジアゾ化の際の反
応性に応じてジアゾ化試薬を数%〜10%程度過剰に用
いれば良い。但し、過剰のジアゾ化試薬の発色への影響
が全く無視できるならばジアゾ化試薬を大過剰に用いて
も差し支えなく、特にニトロセルロースをジアゾ化試薬
に用いる場合はニトロセルロースを大過剰に用いても全
く差し支えない。
【0016】本発明の具体的な実施形態としては、測定
を開始しようとする時点において、AシートおよびBシ
ートからなる表示材料の場合ではAシートのA層とBシ
ートのB層とを互いに接触させ、またCシートおよびD
シートからなる表示材料ではCシートのC層とDシート
のD層とを互いに接触させることでジアゾカップリング
反応(発色)を開始させ、同時に任意の測定対象物に貼
付あるいは近傍に設置することで、所定温度における経
時により発色濃度変化ならびに色相変化に応じて測定対
象物の履歴、即ち経過時間あるいは温度−時間積算値が
視認できるものである(但し、時間あるいは温度−時間
積算値に応じた色相を事前に確認してあるものとす
る)。
【0017】まず、AシートおよびBシートからなる表
示材料の場合について以下にその構成を詳細に述べる。
本発明に用いられるAシートは前述のジアゾ成分、ジア
ゾ化試薬およびカップラー成分の3成分のうち、任意の
2成分を含有するA層を基材上に設けたものである。A
層は含有成分とこれを担持し、基材に結着させるための
バインダーから構成される。その他、必要に応じて発色
時の色相を調整するために染料、顔料等の着色材やA層
を強靱に保持するため有機および無機充填剤等の皮膜強
度改質剤、またバインダーの熱応答性、即ちバインダー
中でのジアゾカップリング反応の反応速度を調整するた
めの可塑剤、さらには紫外線吸収剤、酸化防止剤等の保
存時および動作時の劣化防止剤を添加剤類として適宜添
加することができる。
【0018】前述のジアゾ成分、ジアゾ化試薬およびカ
ップラー成分の3成分のうち、任意の2成分のA層中で
の含有量は、組み合わせて用いるBシートのB層に用い
る他の1成分の含有量と共に前述した3成分の組成比を
満たすように決定される。実際のA層中での含有量とし
ては2成分合わせた量としてA層の全構成成分中0.0
1から50.0重量%、視認性の観点からより好ましく
は0.05から15.0重量%の範囲となるよう添加さ
れる。このとき2成分合わせての配合量が0.01重量
%以下だと発色が薄く視認性が悪くなり、また配合量を
50重量%より多くしても視認性はそれ程向上しない反
面、バインダー成分が少なくなるためA層の形成、維持
が困難になる場合がある。また、添加剤類は添加する場
合においても発色に悪影響を与えない範囲として添加剤
類全て合わせてA層の全構成成分中10.0重量%以下
にするのが好ましい。上記のA層含有成分を担持し、基
材に結着させるためのバインダーの含有量としてはA層
の全構成成分中40%より多く、さらには50%以上含
有されるのがA層を安定に基材に結着、保持するのに好
ましい。但し、ニトロセルロースをジアゾ化試薬として
用いる場合はニトロセルロース自身がバインダーとして
の機能も有するため、特例としてバインダーを別途用い
ることなく、他の任意の1成分と合わせた量としてA層
の全構成成分中0.01から100.0重量%の範囲で
用いることができる。
【0019】A層はジアゾ成分、ジアゾ化試薬およびカ
ップラー成分の3成分のうち、任意の2成分の各成分を
それぞれ含有するA1層とA2層を順に積層してなる2
層構成でも良く、この場合にはA1層、A2層それぞれ
における各成分の含有量は、組み合わせて用いるBシー
トのB層に用いる他の1成分と共に前述した3成分の組
成比を満たすように決定される。各成分の含有量として
はA1層、A2層とも各層の全構成成分中0.01から
50.0重量%、視認性の観点からより好ましくは0.
05から15.0重量%の範囲となるよう添加される。
このとき配合量が0.01重量%以下だと発色が薄く視
認性が悪くなり、また配合量を50重量%より多くして
も視認性はそれ程向上しない反面、バインダー成分が少
なくなるためA層の形成、維持が困難になる場合があ
る。また、添加剤類は添加する場合においても発色に悪
影響を与えない範囲として添加剤類全て合わせてA1
層、A2層とも各層の全構成成分中10.0重量%以下
にするのが好ましい。上記のA1層、A2層とも含有成
分を担持し、基材に結着させるためのバインダーの含有
量としては各層の全構成成分中40%より多く、さらに
は50%以上含有されるのがA1層、A2層の各層を安
定に結着、保持するのに好ましい。但し、A1層、A2
層のいずれかにニトロセルロースをジアゾ化試薬として
用いる場合はニトロセルロース自身がバインダーとして
の機能も有するため、特例としてバインダーを別途用い
ることなく、その層の全構成成分中0.01から10
0.0重量%の範囲で用いることができる。
【0020】A層あるいはA1層、A2層のバインダー
として用いられるものとしては、B層と接合して反応を
開始させるまで含有成分を安定に担持し、反応開始後に
は所定の温度においてジアゾ成分、ジアゾ化試薬および
カップラー成分の3成分のうち、担持している任意の2
成分が移動あるいは拡散して反応することができ、尚且
つ形態を維持できるものであれば良い。但し、使用時に
接合する相方となるBシートの基材もしくはB層が不透
明な場合には視認性を確保するため視認性を妨げない程
度の透明性が必要となる。用いる素材としては例えば、
粘着剤、熱可塑性樹脂、ワックス類などが例示できる。
具体的には粘着剤としてアクリル系粘着剤、ゴム系粘着
剤、シリコン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤等が、ま
た熱可塑性樹脂としてポリスチレン、スチレン/無水マ
レイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセ
タール類、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/
(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン/(メタ)アク
リル酸エステル共重合体、ポリカプロラクトン、ポリ
(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステ
ル、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジンおよ
びロジン誘導体、インデンクマロン樹脂、テルペン樹
脂、スクロースベンゾエート、ポリエステル、ポリウレ
タン、ポリアミド、合成ゴム等が、ワックスとしてはカ
ルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワック
ス、木ロウ等の植物系ワックス、蜜ロウ、鯨ロウ、ラノ
リン等の動物系ワックス、パラフィンワックス、モンタ
ンワックス等の石油系ワックス、サゾールワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシ
ュワックス、ポリエチレンワックス、各種変性ワックス
等の合成ワックス、ステアリン酸、パルミチン酸等の高
級脂肪酸類、ラウロン、ステアロン等の長鎖脂肪族ケト
ン類が例示できる。
【0021】これらバインダー材料はその熱物性が本発
明の表示材料の動作特性を大きく支配し、材料の持つ融
点または軟化点またはガラス転移点(Tg)によって色
相変化の変色速度に大きな影響を与える。即ち、常温領
域で使用する表示材料には融点または軟化点またはTg
が目安として5〜40℃の温度領域のバインダーを用
い、これより高いバインダーを用いれば高温領域での表
示材料に適しており、逆にこれより低いバインダーを用
いれば低温領域での表示材料に適している。また、実施
する際には相方のB層との接合の確実性および安定性を
考慮してB層が粘着性を持たない場合はA層が粘着性を
有する材料構成にすることが好ましい。
【0022】着色材は視認性を阻害しない範囲で色相変
化を調整するために添加してもよく、例えばカーボンブ
ラック、アイアンオキサイドブラック、アニリンブラッ
ク、酸化チタン、フタロシアニン系、モノアゾ系、ジス
アゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、ペリレン系、イソイン
ドリノン系、キナクリドン系等の有機および無機顔料
や、アゾ系、アントラキノン系、ニグロシン系等の染料
など通常ペイントやインキに使用されるものが挙げられ
る。但し、安定した動作を保持するために、本発明にて
用いるアゾカップリングによる発色に影響を与えないも
のであることが前提である。皮膜強度を調整するための
充填剤としてはシリカ、マイカ、タルク、クレー、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム等の無機フィラーや各種樹脂
硬化物の微粉末からなる有機フィラー等が例示できる。
但し、安定した動作を保持するために、本発明でのジア
ゾカップリングによる発色に影響を与えないものである
ことが前提である。
【0023】バインダーの熱特性を調整する可塑剤とし
てはフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリ
メリット酸、オレイン酸等のカルボン酸類と1価または
多価アルコールとのエステル系可塑剤、低分子ポリエス
テル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、流動パラフィン、高
沸点オイル等が例示できる。但し、安定した動作を保持
するために、本発明でのジアゾカップリングによる発色
に影響を与えないものであることが前提である。劣化防
止剤としては紫外線吸収剤として例えばベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニルエステ
ル系、シアノアクリレート系、桂皮酸系、化合物を挙げ
ることができ、保存時並びに動作時の劣化防止剤として
の紫外線遮断剤として微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜
鉛等の少なくとも平均粒径1μ以下に微粒子化された金
属酸化物が例示できる。但し、安定した動作を保持する
ために、本発明でのジアゾカップリングによる発色に影
響を与えないものであることが前提である。
【0024】Aシートの基材としてはA層を支持できる
ものであれば良く、実施するのに不都合を生じない範囲
で特に制限はないが、使用時に接合する相方となるBシ
ートの基材もしくはB層が不透明な場合には視認性を確
保するため、視認性を妨げない程度の透明性が必要とな
る。また、視認性を阻害しない範囲で色相変化を調整す
るために着色されていても良い。具体的には、プラスチ
ック基材としてポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウ
レタン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリイミド、セルロース誘導体、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等の板、シ
ート、フィルム、不織布、織物が例示でき、また木材、
金属、鉱物等の天然物からなる板、シート、フィルム、
紙、不織布、織物(布)でも構わない。さらにはこれら
の単一物からなる基材のほか複数種の混合物や積層物か
らなる基材でも差し支えない。これらの中でもハンドリ
ングの良いプラスチックフィルムが実用上好ましい。
【0025】A層を基材上に設ける手段としては、従来
公知のいかなる方法を用いても良く、例えばA層組成物
を有機溶剤あるいは水に溶解もしくは分散させた、溶液
またはサスペンションまたはエマルション塗工液をグラ
ビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、リッ
プコーター、キスコーター、スロットダイコーター、メ
イヤバーコーター等の塗工装置を用いて塗布乾燥して設
ける方法が挙げられ、さらに本発明の表示材料の動作時
に視認性を向上あるいはサポートするため変色部分を何
らかのメッセージやパターニングした形状にしたい場合
などは、同じく塗工液をグラビア印刷、フレキソ印刷、
オフセット印刷、シルクスクリーン印刷法において任意
のパターニングを施された版を用いて印刷することで達
成することができる。また、オンデマンドで印刷可能な
インキジェット、感熱転写、ドットインパクト、タイプ
ライター等の各種プリンター類に適用するインキの形態
にすればこれらを用いて任意のパターンを形成すること
ができる。パターニングの例として、例えば「使用期限
に注意」などの文字でパターニングしておくことで、こ
の文字が動作開始から時間の経過に従い発色するため、
注意を喚起し易くなる。また、A層がA1層、A2層の
2層からなる場合は各層を上記の手段により順次積層し
て設ければよくパターニングも同様に行うこともでき
る。A層、A1層、A2層の各層は、それぞれ2〜10
0μmの厚さとすることが好ましい。
【0026】一方、Aシートと組み合わせて用いられる
Bシートは3成分のうちA層に含有されない他の1成分
を含有するB層を基材上に設けたものである。また、A
層と同様にB層もその含有成分とこれを担持し、基材に
結着させるためのバインダーから構成され、A層と同様
に必要に応じて染料、顔料等の着色材や有機および無機
充填剤等の皮膜強度改質剤、またバインダーの熱応答
性、即ちバインダー中でのジアゾカップリング反応の反
応速度を調整するための可塑剤、さらには紫外線吸収
剤、酸化防止剤等の保存時および動作時の劣化防止剤を
添加剤類として適宜添加することができる。
【0027】前述のジアゾ成分、ジアゾ化試薬およびカ
ップラー成分の3成分のうちA層に含有されない他の1
成分のB層中での含有量は、組み合わせて用いるAシー
トのA層中の2成分の含有量と共に前述した3成分の組
成比を満たすように決定される。実際のB層中での含有
量としては、B層の全構成成分中0.01から50.0
重量%、視認性の観点からより好ましくは0.05から
15.0重量%の範囲となるよう添加される。このとき
配合量が0.01重量%以下だと発色が薄く視認性が悪
くなり、また配合量を50重量%より多くしても視認性
はそれ程向上しない反面、バインダー成分が少なくなる
ためB層の形成、維持が困難になる場合がある。また、
添加剤類は添加する場合においても発色に悪影響を与え
ない範囲として添加剤類全て合わせてB層の全構成成分
中10.0重量%以下にするのが好ましい。上記のB層
含有成分を担持し、基材に結着させるためのバインダー
の含有量としてはB層の全構成成分中40%より多く、
さらには50%以上含有されるのがB層を安定に基材に
結着、保持するのに好ましい。但し、ニトロセルロース
をジアゾ化試薬として用いる場合はニトロセルロース自
身がバインダーとしての機能も有するため、特例として
バインダーを別途用いることなく、その層の全構成成分
中0.01から100.0重量%の範囲で用いることが
できる。
【0028】B層のバインダーとして用いられるものと
しては、A層と接合して反応を開始させるまで含有成分
を安定に担持し、反応開始後には所定の温度においてジ
アゾ成分、ジアゾ化試薬およびカップラー成分の3成分
のうち、担持している成分として、A層に含有されない
残りの1成分が移動あるいは拡散して反応することがで
き、尚且つ形態を維持できるものであれば良い。但し、
使用時に接合する相方となるAシートの基材もしくはA
層が不透明な場合には視認性を確保するため視認性を妨
げない程度の透明性が必要となる。用いる素材としては
例えば、粘着剤、熱可塑性樹脂、ワックス類などが例示
でき、A層と全く同様の材料を用いることができる。ま
たこれらバインダー材料はA層の場合と同様、その熱物
性が本発明の表示材料の動作特性を大きく支配し、材料
の持つ融点または軟化点またはガラス転移点(Tg)に
よって色相変化の変色速度に大きな影響を与える。即
ち、常温領域で使用する表示材料には融点または軟化点
またはTgが目安として5〜40℃の温度領域のバイン
ダーを用い、これより高いバインダーを用いれば高温領
域での表示材料に適しており、逆に低いバインダーを用
いれば低温領域での表示材料に適している。また、実施
する際には相方のA層との接合の確実性および安定性を
考慮してA層が粘着性を持たない場合はB層が粘着性を
有する材料構成にすることが好ましい。
【0029】着色材は視認性を阻害しない範囲で色相変
化を調整するために添加してもよく、A層と全く同様の
材料を用いることができる。皮膜強度を調整するための
充填剤並びに、バインダーの熱特性を調整する可塑剤、
保存時および動作時の劣化防止剤としてはA層と全く同
様の物を用いることができる。Bシートの基材としては
B層を支持できるものであれば良く、実施するのに不都
合を生じない範囲で特に制限はないが、使用時に接合す
る相方となるAシートの基材もしくはA層が不透明な場
合には視認性を確保するため、視認性を妨げない程度の
透明性が必要となる。また、視認性を阻害しない範囲で
色相変化を調整するために着色されていても良い。具体
的には、Aシートに用いるものと全く同様のものが使用
でき、基材として望まれる特性も同様である。B層を基
材上に設ける手段としてはA層と全く同様の手段を用い
て設けることができ、パターニングする場合も全く同様
に設けることができる。B層の厚さとしては、2〜10
0μmとすることが好ましい。
【0030】次に、CシートおよびDシートからなる表
示材料の場合について以下にその構成を詳細に述べる。
本発明に用いられるCシートは前述の安定化ジアゾニウ
ム塩を含有するC層を基材上に設けたものである。C層
は含有成分とこれを担持し、基材に結着させるためのバ
インダーから構成される。その他、必要に応じて発色時
の色相を調整するために染料、顔料等の着色材やC層を
強靱に保持するため有機および無機充填剤等の皮膜強度
改質剤、またバインダーの熱応答性、即ちバインダー中
でのジアゾカップリング反応の反応速度を調整するため
の可塑剤、さらには紫外線吸収剤、酸化防止剤等の保存
時および動作時の劣化防止剤を添加剤類として適宜添加
することができる。
【0031】前述の安定化ジアゾニウム塩のC層中での
含有量は、組み合わせて用いるDシートのD層に含有さ
れるカップラー成分と共に前述した2成分の組成比を満
たすように決定される。含有量としてはC層の全構成成
分中0.01から50.0重量%、視認性の観点からよ
り好ましくは0.05から15.0重量%の範囲となる
よう添加される。このとき配合量が0.01重量%以下
だと発色が薄く視認性が悪くなり、また配合量を50重
量%より多くしても視認性はそれ程向上しない反面、バ
インダー成分が少なくなるためC層の形成、維持が困難
になる場合がある。また、添加剤類は添加する場合にお
いても発色に悪影響を与えない範囲として添加剤類全て
合わせてC層の全構成成分中10.0重量%以下にする
のが好ましい。上記のC層含有成分を担持し、基材に結
着させるためのバインダーの含有量としてはC層の全構
成成分中40%より多く、さらには50%以上含有され
るのがB層を安定に基材に結着、保持するのに好まし
い。
【0032】C層のバインダーとして用いられるものと
しては、D層と接合して反応を開始させるまで含有成分
を安定に担持し、反応開始後には所定の温度において安
定化ジアゾニウム塩が移動あるいは拡散して反応するこ
とができ、尚且つ形態を維持できるものであれば良い。
但し、使用時に接合する相方となるDシートの基材もし
くはD層が不透明な場合には視認性を確保するため視認
性を妨げない程度の透明性が必要となる。用いる素材と
しては例えば、粘着剤、熱可塑性樹脂、ワックス類など
が例示でき、A層と全く同様の材料を用いることができ
る。またこれらバインダー材料はA層の場合と同様、そ
の熱物性が本発明の表示材料の動作特性を大きく支配
し、材料の持つ融点または軟化点またはガラス転移点
(Tg)によって色相変化の変色速度に大きな影響を与
える。即ち、常温領域で使用する表示材料には融点また
は軟化点またはTgが目安として5〜40℃の温度領域
のバインダーを用い、これより高いバインダーを用いれ
ば高温領域での表示材料に適しており、逆に低いバイン
ダーを用いれば低温領域での表示材料に適している。ま
た、実施する際には相方のD層との接合の確実性および
安定性を考慮してD層が粘着性を持たない場合はC層が
粘着性を有する材料構成にすることが好ましい。
【0033】着色材は視認性を阻害しない範囲で色相変
化を調整するために添加してもよく、A層と全く同様の
材料を用いることができる。皮膜強度を調整するための
充填剤並びに、バインダーの熱特性を調整する可塑剤、
保存時および動作時の劣化防止剤としてはA層と全く同
様の物を用いることができる。Cシートの基材としては
C層を支持できるものであれば良く、実施するのに不都
合を生じない範囲で特に制限はないが、使用時に接合す
る相方となるDシートの基材もしくはD層が不透明な場
合には視認性を確保するため、視認性を妨げない程度の
透明性が必要となる。また、視認性を阻害しない範囲で
色相変化を調整するために着色されていても良い。具体
的には、Aシートに用いるものと全く同様のものが使用
でき、基材として望まれる特性も同様である。C層を基
材上に設ける手段としてはA層と全く同様の手段を用い
て設けることができ、パターニングする場合も全く同様
に設けることができる。C層の厚さとしては、2〜10
0μmとすることが好ましい。
【0034】一方、Cシートと組み合わせて用いられる
Dシートは前述のカップラー成分を含有するD層を基材
上に設けたものである。D層は含有成分とこれを担持
し、基材に結着させるためのバインダーから構成され
る。その他、必要に応じて発色時の色相を調整するため
に染料、顔料等の着色材やD層を強靱に保持するため有
機および無機充填剤等の皮膜強度改質剤、またバインダ
ーの熱応答性、即ちバインダー中でのジアゾカップリン
グ反応の反応速度を調整するための可塑剤、さらには紫
外線吸収剤、酸化防止剤等の保存時および動作時の劣化
防止剤を添加剤類として適宜添加することができる。
【0035】前述のカップラー成分のD層中での含有量
は、組み合わせて用いるCシートのC層に含有される安
定化ジアゾニウム塩と共に前述した2成分の組成比を満
たすように決定される。含有量としてはC層の全構成成
分中0.01から50.0重量%、視認性の観点からよ
り好ましくは0.05から15.0重量%の範囲となる
よう添加される。このとき配合量が0.01重量%以下
だと発色が薄く視認性が悪くなり、また配合量を50重
量%より多くしても視認性はそれ程向上しない反面、バ
インダー成分が少なくなるためC層の形成、維持が困難
になる場合がある。また、添加剤類は添加する場合にお
いても発色に悪影響を与えない範囲として添加剤類全て
合わせてC層の全構成成分中10.0重量%以下にする
のが好ましい。上記のC層含有成分を担持し、基材に結
着させるためのバインダーの含有量としてはC層の全構
成成分中40%より多く、さらには50%以上含有され
るのがB層を安定に基材に結着、保持するのに好まし
い。
【0036】D層のバインダーとして用いられるものと
しては、C層と接合して反応を開始させるまで含有成分
を安定に担持し、反応開始後には所定の温度においてカ
ップラーが移動あるいは拡散して反応することができ、
尚且つ形態を維持できるものであれば良い。但し、使用
時に接合する相方となるCシートの基材もしくはC層が
不透明な場合には視認性を確保するため視認性を妨げな
い程度の透明性が必要となる。用いる素材としては例え
ば、粘着剤、熱可塑性樹脂、ワックス類などが例示で
き、A層と全く同様の材料を用いることができる。また
これらバインダー材料はA層の場合と同様、その熱物性
が本発明の表示材料の動作特性を大きく支配し、材料の
持つ融点または軟化点またはガラス転移点(Tg)によ
って色相変化の変色速度に大きな影響を与える。即ち、
常温領域で使用する表示材料には融点または軟化点また
はTgが目安として5〜40℃の温度領域のバインダー
を用い、これより高いバインダーを用いれば高温領域で
の表示材料に適しており、逆に低いバインダーを用いれ
ば低温領域での表示材料に適している。また、実施する
際には相方のC層との接合の確実性および安定性を考慮
してC層が粘着性を持たない場合はD層が粘着性を有す
る材料構成にすることが好ましい。
【0037】着色材は視認性を阻害しない範囲で色相変
化を調整するために添加してもよく、A層と全く同様の
材料を用いることができる。皮膜強度を調整するための
充填剤並びに、バインダーの熱特性を調整する可塑剤、
保存時および動作時の劣化防止剤としてはA層と全く同
様の物を用いることができる。Dシートの基材としては
D層を支持できるものであれば良く、実施するのに不都
合を生じない範囲で特に制限はないが、使用時に接合す
る相方となるCシートの基材もしくはC層が不透明な場
合には視認性を確保するため、視認性を妨げない程度の
透明性が必要となる。また、視認性を阻害しない範囲で
色相変化を調整するために着色されていても良い。具体
的には、Aシートに用いるものと全く同様のものが使用
でき、基材として望まれる特性も同様である。D層を基
材上に設ける手段としてはA層と全く同様の手段を用い
て設けることができ、パターニングする場合も全く同様
に設けることができる。D層の厚さとしては、2〜10
0μmとすることが好ましい。
【0038】本発明の表示材料を実施する際にはその利
便性および測定対象物との温度合致性の点で、測定対象
物に貼付するのが簡便である。このためAシートまたは
Bシート、あるいはCシートまたはDシートの背面に通
常の粘着テープや粘着シールラベル等と同様な粘着剤処
理を予め施しておくことが好ましい。粘着剤処理を施す
ことで測定開始と同時に対象物に密着させることがで
き、単に近傍に設置した場合とは異なり実際の測定対象
物と同じ温度履歴を受けるため測定の際の表示誤差を小
さくすることができる。このような粘着剤処理は従来公
知の手段を用いて行えば良く、特に限定はないが、例え
ば粘着剤塗工液を本発明のAシートまたはBシート、あ
るいはCシートまたはDシートの背面にの背面にコンマ
コーター等のコーティング装置で塗布、乾燥させれば良
い。
【0039】本発明の用途は、特に限定されず有効期間
を有する各種製品、製造工程、流通過程において使用す
ることができる。具体的には牛肉、豚肉、鳥肉等の食肉
類や鮪、鰤、鯛、タラバガニ、烏賊、牡蠣、イクラ、数
の子等の魚介類等の冷凍食品、冷蔵食品。冷凍ブロッコ
リー、冷凍カボチャ、冷凍コロッケ、冷凍チャーハン等
の野菜・加工食品等の冷凍食品、牛乳、チーズ等の乳製
品やトーフ、薩摩揚げ、納豆、竹輪、蒲鉾、プリン、ジ
ュース類に至る冷蔵食品、大根、キュウリ、トマト等の
野菜類や生花等の生鮮品、即席麺、油菓子、和菓子、ケ
ーキ、生菓子等の加工食品類などの製造・流通・保管・
販売等の各過程において保管温度が限定されなおかつ有
効期限が限定された製品の有効期間、各過程の温度−時
間の管理等が挙げられる。また、インスタント麺、レト
ルト食品等を熱湯で加熱調理する際の温度−時間管理、
レトルト食品等の製造時における加熱殺菌等の工程管理
等。また、塗料等の焼き付けオーブン、乾燥炉等の熱処
理温度−時間の管理等に使用することができる。防虫
剤、忌避剤、芳香剤、脱臭剤あるいは抗性物質、ワクチ
ン、輸血用血液などの医薬品類等、化粧品等、樹脂合成
原料の各種モノマー類、重合開始剤類、嫌気性接着剤
等、写真フィルム、印画紙、感光紙、電池、オイル等の
化学品の製造・流通・保管・販売等の各過程において保
管温度を限定されなおかつ有効期限が限定された製品の
有効期間を管理する用途に使用することができる。この
他、移植用の臓器の保存および輸送の温度−時間管理な
どにも使用することができる。ワイン、日本酒等の酒類
貯蔵温度の管理、あるいはメロン、洋なし、キウイ、バ
ナナ等の収穫後熟成期間を要する果実や、魚類の味噌漬
け、野菜類の漬け物、チーズ等の微生物発酵系加工食品
等の最適賞味時期を有する食品類の食べ頃時期を表示す
る用途等に使用できる。この他本発明は、時間−温度の
管理が必要な用途に使用することに対して何ら制限を加
えるものではない。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。但
し、例中において、部とは重量部を指し、%とは重量%
を指す。
【0041】 (粘着性アクリル樹脂溶液1の調製) ブチルアクリレート 94.1部 アクリル酸 5.9部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 フラスコ中に上記組成の混合物の半量を仕込み、窒素雰
囲気中80℃に加熱した後に残りの半量を徐々に滴下
し、滴下終了後、12時間加熱還流させた後に冷却して
粘着性アクリル樹脂溶液1(固形分40%)を得た。
【0042】 (A層形成用塗液1の調製) C.I.Azoic Coupling Component 2(カップラー成分) 0.8部 粘着性アクリル樹脂溶液1 51.1部 ニトロセルロース VX-1 旭化成社製(ジアゾ化試薬) 12.5部 メチルエチルケトン 35.6部 上記原材料を混合してA層形成用塗液1(固形分30
%)を得た。
【0043】 (A層形成用塗液2の調製) C.I.Azoic Coupling Component 5(カップラー成分) 1.1部 粘着性アクリル樹脂溶液1 50.5部 ニトロセルロース VX-1 旭化成社製(ジアゾ化試薬) 12.4部 メチルエチルケトン 36.0部 上記原材料を混合してA層形成用塗液2(固形分30
%)を得た。
【0044】 (B層形成用塗液1の調製) p-トルイシ゛ン (ジアゾ成分) 0.3部 粘着性アクリル樹脂溶液1 74.2部 メチルエチルケトン 25.5部 上記原材料を混合してB層形成用塗液1(固形分30
%)を得た。
【0045】 (B層形成用塗液2の調製) p-アニシシ゛ン (ジアゾ成分) 0.4部 粘着性アクリル樹脂溶液1 74.1部 メチルエチルケトン 25.5部 上記原材料を混合してB層形成用塗液2(固形分30
%)を得た。
【0046】 (B層形成用塗液3の調製) 1-ナフチルアミン (ジアゾ成分) 0.4部 粘着性アクリル樹脂溶液1 74.0部 メチルエチルケトン 25.6部 上記原材料を混合してB層形成用塗液3(固形分30
%)を得た。
【0047】 (B層形成用塗液4の調製) C.I.Azoic Diazo Component 48(ジアゾ成分) 0.7部 粘着性アクリル樹脂溶液1 73.2部 メチルエチルケトン 26.1部 上記原材料を混合してB層形成用塗液4(固形分30
%)を得た。
【0048】 (B層形成用塗液5の調製) 4-アミノヘ゛ンセ゛ンスルホンアミト゛(ジアゾ成分) 0.5部 粘着性アクリル樹脂溶液1 73.7部 メチルエチルケトン 25.8部 上記原材料を混合してB層形成用塗液5(固形分30
%)を得た。
【0049】(Aシートの調製)膜厚75μの白色P
ETフィルム基材にバーコーターを用いてA層形成用塗
液1を乾燥後の膜厚が20μとなるよう均一に塗布し、
90℃のオーブン中で2分間加熱乾燥させてA層を設け
た後に、別途片面離型処理を施した膜厚50μのPET
フィルム基材の離型処理面側に、予めバーコーターを用
いて粘着性アクリル樹脂溶液1を塗布し、90℃のオー
ブン中で2分間加熱乾燥させて膜厚30μの粘着性アク
リル樹脂層を設けてなるシートをA層の反対面にラミネ
ートさせることでAシートを得た。
【0050】(Aシートの調製)膜厚75μの白色P
ETフィルム基材にバーコーターを用いてA層形成用塗
液2を乾燥後の膜厚が20μとなるよう均一に塗布し、
90℃のオーブン中で2分間加熱乾燥させてA層を設け
た後に、別途片面離型処理を施した膜厚50μのPET
フィルム基材の離型処理面側に、予めバーコーターを用
いて粘着性アクリル樹脂溶液1を塗布し、90℃のオー
ブン中で2分間加熱乾燥させて膜厚30μの粘着性アク
リル樹脂層を設けてなるシートをA層の反対面にラミネ
ートさせることでAシートを得た。
【0051】(Aシートの調製)「有効期限に注意
!」のパターニングを施したシルクスクリーンの刷版を
使用してA層形成用塗液1を膜厚75μの白色PETフ
ィルム基材上に乾燥後の膜厚が20μとなるよう印刷
し、パターニングされたA層を設けた。次にA層の反対
面にはAシート、と全く同様の粘着剤加工を施した
シートをラミネートさせAシートを得た。
【0052】(Bシートの調製)膜厚50μの無色透
明PETフィルム基材にバーコーターを用いてB層形成
用塗液1を乾燥後の膜厚が20μとなるよう均一に塗布
し、90℃のオーブン中で2分間加熱乾燥させて膜厚2
0μのB層を設けたBシートを得た。
【0053】(Bシート〜の調製)B層形成用塗液
1に変えてB層形成用塗液2〜5を用いる以外はBシー
トと全く同様にしてBシート〜を得た。
【0054】(AシートとBシートを組み合わせて用い
る表示材料の実施例)実施例1〜6として表1に示した
組み合わせのAシートおよびBシートをA層とB層にて
接合し、Aシートの反対面の粘着剤加工を施した部分の
離型フィルムを剥離して厚さ3mmのアルミ板に貼付し
て60℃、90℃の各温度環境下に放置し、経時による
色相変化を観察した。色の経時変化は開始時点の初期測
色値と経時後の測色値の色差をLAB表色系における色
差ΔEとして測定した。尚、接合させた時点をもって時
間測定の開始点とし、色相変化の観察結果は経時におけ
るΔE曲線として図1、図2に示した。図1、図2を見
ると判るようにいずれの温度条件においても経過時間に
応じて色差が増しているのが判る。従って、ある温度条
件における発色濃度あるいは色相の変化により経過時間
が把握できるということになる。また、実施例6は実施
例1の発色部分をパターニングしたものに相当するた
め、色差は実施例1と等価であるが、パターニングした
「有効期限に注意!」の文字が時間経過と共に濃度が増
してくるため注意を喚起しやすいことが確認できた。
【0055】 (C層形成用塗液1の調製) C.I.Azoic Diazo Component 36(安定化ジアゾニウム塩)0.5部 粘着性アクリル樹脂溶液1 73.8部 メチルエチルケトン 25.7部 上記原材料を混合してC層形成用塗液1(固形分30
%)を得た。
【0056】 (D層形成用塗液1の調製) C.I.Azoic Coupling Component2(カップラー成分) 0.4部 粘着性アクリル樹脂溶液1 74.0部 メチルエチルケトン 25.6部 上記原材料を混合してD層形成用塗液1(固形分30
%)を得た。
【0057】 (D層形成用塗液2の調製) C.I.Azoic Coupling Component5(カップラー成分) 0.6部 粘着性アクリル樹脂溶液1 73.6部 メチルエチルケトン 25.8部 上記原材料を混合してD層形成用塗液2(固形分30
%)を得た。
【0058】(Cシートの調製)膜厚75μの白色P
ETフィルム基材にバーコーターを用いてC層形成用塗
液1を乾燥後の膜厚が20μとなるよう均一に塗布し、
90℃のオーブン中で2分間加熱乾燥させてC層を設け
た後に、別途片面離型処理を施した膜厚50μのPET
フィルム基材の離型処理面側に、予めバーコーターを用
いて粘着性アクリル樹脂溶液1を塗布し、90℃のオー
ブン中で2分間加熱乾燥させて膜厚30μの粘着性アク
リル樹脂層を設けてなるシートをC層の反対面にラミネ
ートさせることでCシートを得た。
【0059】(Dシートの調製)膜厚50μの無色透
明PETフィルム基材にバーコーターを用いてD層形成
用塗液1を乾燥後の膜厚が20μとなるよう均一に塗布
し、90℃のオーブン中で2分間加熱乾燥させて膜厚2
0μのD層を設けたDシートを得た。
【0060】(Dシートの調製)膜厚50μの無色透
明PETフィルム基材にバーコーターを用いてD層形成
用塗液1を乾燥後の膜厚が20μとなるよう均一に塗布
し、90℃のオーブン中で2分間加熱乾燥させて膜厚2
0μのB層を設けたDシートを得た。
【0061】(CシートとDシートを組み合わせて用い
る表示材料の実施例)実施例7〜8として表2に示した
組み合わせのCシートおよびDシートをC層とD層にて
接合し、Cシートの反対面の粘着剤加工を施した部分の
離型フィルムを剥離して厚さ3mmのアルミ板に貼付し
て60℃、90℃の各温度環境下に放置し、経時による
色相変化を観察した。色の経時変化は開始時点の初期測
色値と経時後の測色値の色差をLAB表色系における色
差ΔEとして測定した。尚、接合させた時点をもって時
間測定の開始点とし、色相変化の観察結果は経時におけ
るΔE曲線として図3、図4に示した。図3、図4を見
ると判るようにいずれの温度条件においても経過時間に
応じて色差が増しているのが判る。従って、Aシートお
よびBシートを組み合わせて用いる表示材と同様に、あ
る温度条件における発色濃度あるいは色相の変化により
経過時間が把握できるということになる。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【発明の効果】本発明の時間または温度−時間積算値の
表示方法およびその表示材料により、二つのシートを接
触させるという単純な操作によりジアゾカップリング反
応を開始させ、所定温度において所定時間が経過したこ
とを生成するアゾ色素に応じた発色濃度あるいは色相の
変化によって手軽かつ安価に表示することが可能となっ
た。発色濃度もしくは色相の変化は目視で確認する以外
に色差計等の測色装置を用いればより精度の高い測定が
可能となり好ましい。また、測定したい温度ならびに時
間については、構成成分であるジアゾ成分およびジアゾ
化試薬、安定化ジアゾニウム塩、カップラー成分の種類
とその配合量、さらにはA層およびB層、あるいはC層
およびD層を構成するバインダー樹脂の種類や各層の膜
厚によって制御することが可能であり、幅広い温度範囲
での時間測定に対し、本発明の時間または温度−時間積
算値の表示方法ならびに表示材料は有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 表示材料の色相変化を示すグラフ。
【図2】 表示材料の色相変化を示すグラフ。
【図3】 表示材料の色相変化を示すグラフ。
【図4】 表示材料の色相変化を示すグラフ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアゾ成分、ジアゾ化試薬およびカップ
    ラー成分の3成分の内、任意の2成分の混合物と他の1
    成分を接触させる、もしくは安定化ジアゾニウム塩とカ
    ップラー成分を接触させることにより経過時間または温
    度−時間の積算値を発色濃度変化および/又は色相変化
    として表示することを特徴とする表示方法。
  2. 【請求項2】 ジアゾ成分、ジアゾ化試薬およびカップ
    ラー成分の3成分の内、任意の2成分を含有するA層を
    基材上に設けたAシートと他の1成分を含有するB層を
    基材上に設けたBシートとからなり、上記AシートのA
    層および上記BシートのB層を接合するように貼り合わ
    せることによって経過時間または温度−時間の積算値を
    発色濃度変化および/又は色相変化として表示すること
    を特徴とする表示材料。
  3. 【請求項3】 A層が2成分を個別に含有する層を任意
    の順に積層した2層からなる請求項2記載の表示材料。
  4. 【請求項4】 ジアゾ化試薬としてニトロセルロースを
    用いる請求項2または3記載の表示材料。
  5. 【請求項5】 安定化ジアゾニウム塩を含有するC層を
    基材上に設けたCシートとカップラー成分を含有するD
    層を基材上に設けたDシートからなり、上記Cシートの
    C層および上記DシートのD層を接合するように貼り合
    わせることによって経過時間または温度−時間の積算値
    を発色濃度変化および/又は色相変化として表示するこ
    とを特徴とする表示材料。
  6. 【請求項6】 A層またはB層の少なくとも1層、もし
    くはC層またはD層の少なくとも1層が熱可塑性樹脂ま
    たはワックスをバインダーとして含有する請求項2ない
    し5いずれか記載の表示材料。
  7. 【請求項7】 A層およびB層、もしくはC層およびD
    層の一層もしくは全部の層が粘着性を有する層である請
    求項2ないし6いずれか記載の表示材料。
  8. 【請求項8】 基材が透明フィルムである請求項2ない
    し7いずれか記載の表示材料。
  9. 【請求項9】 A層およびB層、もしくはC層およびD
    層の一層もしくは全部の層が任意の形状にパターニング
    されて設けられている請求項2ないし8いずれか記載の
    表示材料
  10. 【請求項10】 AシートまたはBシート、もしくはC
    シートまたはDシートの背面に粘着加工を施してある請
    求項2ないし9いずれか記載の表示材料。
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