JPH08325554A - 時間表示材料 - Google Patents

時間表示材料

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JPH08325554A
JPH08325554A JP7185124A JP18512495A JPH08325554A JP H08325554 A JPH08325554 A JP H08325554A JP 7185124 A JP7185124 A JP 7185124A JP 18512495 A JP18512495 A JP 18512495A JP H08325554 A JPH08325554 A JP H08325554A
Authority
JP
Japan
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layer
agent
time
temperature
dye
Prior art date
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Pending
Application number
JP7185124A
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English (en)
Inventor
Masato Yanagi
正人 柳
Makoto Doi
誠 土肥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP7185124A priority Critical patent/JPH08325554A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定温度において所定時間が経過したことまた
は温度−時間積算値を色の変化として明示することを目
的にした時間表示材料を提供する。 【解決手段】担持体中に担持された下記A剤を含む第1
層と、A剤と非接触状態としたB剤を含む第2層と、A
剤またはB剤を拡散させる第3層を上記第1層と上記第
2層との間に積層させてなる時間または温度−時間積算
値を色変化として表示する材料。ただし、A剤とB剤と
は、ラジカル発生剤とラジカルと反応することによって
色変化する色素および/又は色素前駆体、例えばフェノ
チアジン系発色色素での組合わせからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル発生剤と
ラジカルと反応することによって色変化する色素および
/又は色素前駆体を接触させることにより時間または温
度−時間積算値を色変化として表示する表示材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、一定温度下で物品を一定期間保管
する場合に、その温度および時間を監視するための表示
材料に対する需要は年々高まってきている。すなわち、
冷凍食品・冷蔵食品・生鮮食品ならびに塗料・接着剤な
どの化学品に至るまで、保存温度が明示されるととも
に、その有効期間をも限定されているのが通常である。
しかしながら、安価に温度ならびに時間を同時に測定す
る表示材料はこれまであまり市場においてみあたらな
い。
【0003】従来、色変化によって温度・時間履歴を表
示する材料としては、100℃前後の温度で数十時間の
範囲をピンクからメタリックグリーンへの変化等で表示
する共晶アセチレン系混合物を用いたパテルの米国特許
第4,189,399号(1980.2.19発行)・米国特許
第4,208,186号(1980.6.17発行)・米国特許
第4,276,190号(1980.6.30発行)、室温程度
で数十日の範囲で無色から紫に発色する染料と酸あるい
はアルカリの拡散による反応を用いたキドニウス等の米
国特許第4,212,153号(1980.7.15発行)、レド
ックス染料と酸素拡散性を用いたフー等の米国特許第
3,768,976号、緑が退色することで表示する遊
離ラジカル感受性染料と過酸化物の組成物を用いたカー
タッブ等の米国特許第3,966,414号、還元剤で
脱色したトリアリールメタン染料が酸素の拡散によって
着色することを利用したブハッタチャージー等の特開昭
62−190447、酸を生成する微生物とpH指示薬
を用いた松田等の特開平5−61917がある。その
他、融点、拡散速度、酵素活性などを利用した特許が開
示されている。
【0004】これまで、色々な表示材料が提案されてい
るものの実際に上市されていない理由としては、溶液状
態で取り扱いに不便であったり、時間を測定開始する方
法が煩雑であったり不明確であったり、価格が高い等の
要因が考えられる。例えば、米国特許第3,966,4
14号に開示されているカータッブ等の発明は、染料と
過酸化物をガラス繊維紙上に担持させ表示材料としたも
のであるが、時間計測という面においては染料と過酸化
物を溶解した時点で反応が始まっており、室温以下の温
度下での時間測定には現実的に適さないという欠点があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は所定温度にお
いて所定時間が経過したことまたは温度−時間積算値を
第1層と第2層の間に積層された第3層の物質移動速度
を制御することで、所定条件下で反応を開始させ、色相
の明確な変化によって手軽かつ安価に表示することを可
能にする時間表示材料および時間表示装置を提供するも
のである。すなわち、本発明は使用する温度以下の場合
には、第3層を形成する樹脂のガラス転移点を適正に設
定する等の方法で物質移動速度を制御し、第1層ならび
に第2層に含まれるそれぞれのA剤とB剤が拡散するの
を阻止して反応が始まらず、測定温度に達した場合に第
3層の物質移動速度が上昇して第1層ならびに第2層に
含まれるそれぞれのA剤とB剤が第3層を介して拡散し
反応が開始して、単純かつ明解に時間測定を始めること
ができる。
【0006】一般に、冷凍食品・冷蔵食品・生鮮食品な
らびに塗料・接着剤などの化学品に至るまでの使用有効
期限を有する物品は、保存温度とともにその有効期間を
限定されているのが通常であり、温度が低い場合は保存
期間は長く温度が高くなると保存期間は極端に短くなる
場合が多い。しかしながら、一般的には保管場所に温度
計を設置して製造年月日と保証期限の表示によって管理
しているのが現状であり、管理すべき物品が実際に何度
で何時間経過したかは不明である。このように一つ一つ
の物品が所定の温度下でどの程度時間が経過したかある
いはどの程度の温度でどの程度時間が経過したかという
熱量の総計である温度−時間積算値を明確にしかも安価
に表示しうる材料を提供できる方法が求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ラジカル
発生剤とラジカルと反応することによって色変化する色
素および/又は色素前駆体からなり、ラジカル濃度に応
じた色の変化が起きることを見出し、さらにラジカル濃
度がアレニウス則によって温度と時間で規定されること
から、所定温度における時間変化または熱量の総計とも
いうべき温度−時間積算値を色の変化として表示しうる
ことを見出した。また、ラジカル発生剤とラジカルと反
応することによって色変化する色素および/又は色素前
駆体を担持する層の間に物質移動速度を制御しうる層を
積層することで、時間変化または温度−時間積算値を測
定開始する温度を任意に設定しうることを見出した。
【0008】本発明は、担持体中に担持された下記A剤
を含む第1層と、A剤と非接触状態としたB剤を含む第
2層と、A剤またはB剤を拡散させる第3層を上記第1
層と上記第2層との間に積層させてなる時間または温度
−時間積算値の表示材料(ただし、A剤とB剤とは、ラ
ジカル発生剤とラジカルと反応することによって色変化
する色素および/又は色素前駆体の組合わせからな
る。)に関する。
【0009】更に本発明は、第1層が接着性の材料であ
る上記の表示材料である。更に本発明は、第2層が透明
基材に積層された樹脂層である上記の表示材料である。
更に本発明は、透明基材に積層された樹脂層が印刷層で
ある上記の表示材料である。更に本発明は、ラジカル発
生剤が有機過酸化物である上記の表示材料である。更に
本発明は、色素および/又は色素前駆体がフェノチアジ
ン系発色色素である上記の表示材料である。更に本発明
は、色素および/又は色素前駆体がラジカル発生剤の分
解触媒を含む上記の表示材料である。更に本発明は、ラ
ジカル発生剤の分解触媒がアミンおよび/又は金属化合
物である上記の表示材料である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるラジカ
ル発生剤は、その分解温度の違いにより所定温度でのラ
ジカル発生量が規定され、希望する温度ならびに時間に
よって最適なラジカル発生剤を設定することで、ラジカ
ルに接触することによって発色する色素および/又は色
素前駆体の色相を変化させる時間を決定できる。すなわ
ち、ラジカル発生剤の分解速度はアレニウス則に従うた
め、温度と時間を関数としてラジカル発生量が規定さ
れ、この結果、時間または時間−温度積算値を表示する
ことが可能となるのである。
【0011】一定温度あるいは変動する温度下において
得られる熱量は、各時点での温度とその時間の積によっ
て求められる積分値として表すことができ、この温度と
時間の積分値を温度−時間積算値と定義する。例えば冷
蔵食品である肉・魚等は30℃では12時間、20℃で
は24時間、10℃では72時間といった具合に保存温
度によりその正味期限あるいは有効期限は変化する。ま
た実際の製品の流通を考えた場合、保存温度は程度の差
はあるものの絶えず変動していると考えて良い。ここで
問題になるのが「何度の温度で何時間放置あるいは保存
されたか」ということで、この尺度となるのが温度−時
間積算値ということになる。但し、温度20℃1時間で
の劣化あるいは変化が温度10℃で何時間の変化に相当
するかという問題は、アレニウス則における頻度因子お
よび活性化エネルギーによって規定されるので単純な絶
対温度と時間の積によって表されるものではない。
【0012】ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、
アゾ化合物、ハロゲン化炭素化合物などが挙げられる。
具体的に有機過酸化物としては,ジ−tert−ブチル
パーオキサイド,tert−ブチルクミルパーオキサイ
ド,ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキ
サイド類,アセチルパーオキサイド,ラウロイルパーオ
キサイド,ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパ
ーオキサイド類,メチルエチルケトンパーオキサイド,
シクロヘキサノンパーオキサイド,3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサノンパーオキサイド,メチルシクロヘ
キサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド
類,1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサンなどパーオキシケタール類,tert−ブチ
ルヒドロパーオキサイド,クメンヒドロパーオキサイ
ド,1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオ
キサイド,p−メンタンヒドロパーオキサイド,ジイソ
プロピルベンゼンヒドロパーオキサイド,2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイドなどの
ヒドロパーオキサイド類,tert−ブチルパーオキシ
アセテート,tert−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート,tert−ブチルパーオキシベンゾエ
ートなどのパーオキシエステル類などがあるが,これら
の中でもベンゾイルパーオキサイドはラジカル発生能力
と保存安定性のバランスに優れ,ラジカル発生剤には好
適である。
【0013】アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル
ブチロニトリル)などのアゾニトリル類、2,2’−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライドな
どのアゾアミジン類、2,2’−アゾビス(2−メチル
プロピオンアミド)ジヒドレートなどのアゾアミド類、
2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)などのアゾ
アリル類が挙げられる。ハロゲン化炭素化合物として
は、四臭化炭素などのポリハロゲン化合物が挙げられ
る。ラジカル発生剤は、担持体に対して1.0から20
重量%、好ましくは2.0から15.0重量%添加して
本発明の時間表示材料を得る。
【0014】本発明のラジカルと反応することによって
色変化する色素および/又は色素前駆体は、ラジカルに
よって分子中の水素原子が引き抜かれやすい性質を持っ
ており、その際に色の変化が認められる。この発色の機
構としては、フェノチアジンを例にして下記のような機
構が類推される。
【0015】
【化1】
【0016】まず、フェノチアジン分子中の水素原子が
引き抜かれ窒素原子がラジカルとなる。次にラジカルが
硫黄原子に移動し、硫黄原子の原子価が2価から4価に
変わる。そして共役が両側のベンゼン環に伸び、可視光
部の光吸収率が変化し色相が変わる。この他、「カラー
ケミカル事典」(CMC出版)に記載されている様にフ
リーラジカル写真などで用いられる反応が本発明におい
て用いられる。すなわち、ラジカルによって水素原子を
引き抜かれて起こる連鎖反応によって青色を呈するラジ
カル−ジフェニルアミン系化合物、ラジカル−トリフェ
ニルメタン系化合物の反応等によって色が変わる。さら
に、同じく「カラーケミカル事典」にあるBell&H
owell法によるラジカル−色素前駆体−増感剤系の
反応によっても色が変わる。
【0017】本発明に用いられるラジカルに接触するこ
とによって発色する色素および/又は色素前駆体として
は、フェノチアジンを始めとするフェノチアジン系発色
色素、フェノキサジンを始めとするフェノキサジン系色
素、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイト
グリーン、クリスタルバイオレット、ロイコクリスタル
バイオレットラクトン等のトリフェニルメタン系化合
物、4−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン等の
キノリン系染料が挙げられる。特にフェノチアジンはラ
ジカルと接触した直後は緑色で、ラジカルとの反応が進
行するにつれ赤色に変化する特徴を有し、物品の有効期
限を表示する材料としては感覚的に認知しやすく最も好
都合な物質の一つである。また、フェノキサジンは無色
から黄土色に変化する点でフェノチアジンと同様に、物
品の有効期限を表示する材料としては感覚的に認知しや
すく最も好都合な物質の一つである。また、ある期間以
降に有効性を指し示す用途には、無色から青色に変化す
るロイコマラカイトグリーンが、物品の有効期限を表示
する材料としては感覚的に認知しやすく最も好都合な物
質の一つである。また、これら色素および/または色素
前駆体に他の顔料および染料を添加して色調整すること
も可能である。
【0018】ラジカルと反応することによって色変化す
る色素および/又は色素前駆体は、担持体に対して1.
0から20重量%、好ましくは2.0から15.0重量
%添加して本発明の時間表示材料を得る。このとき、色
素および/又は色素前駆体の配合量が1.0重量%以下
だと被試験物中にラジカルが十分にあったとしても発色
が薄く視認性が悪くなる。色素および/又は色素前駆体
を添加する量によって検出できるラジカル濃度に限界が
あり、添加量が少ない場合ある一定値以上のラジカル濃
度での、発色後の色調の変化がなくなってしまい、正確
な時間表示ができない。よって、期待する表示時間に合
わせた量の色素および/又は色素前駆体の添加が必要と
なる。経験則としてラジカル発生剤にベンゾイルパーオ
キサイド、色素および/又は色素前駆体にフェノチアジ
ンを用いた場合、ベンゾイルパーオキサイド1重量%に
対してフェノチアジン0.3から1.5重量%の添加が
望ましい。また、フェノチアジンの配合量を20重量%
以上としても発色の度合はそれ程変わらない反面、イン
ジケーター保管中に空気酸化によって発色してしまい、
使用に適さなくなってしまう場合がある。
【0019】本発明において、透明基材としてはポリエ
チレンやポリプロピレン等のオレフィン系フィルム、ポ
リエチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル
フィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化
ビニリデン共重合体、ポリフッ化ビリニデン、ポリ塩化
ビニル、ナイロン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、等のプラスチックフィルム等が挙げられる。その
他、色相変化を確認できる程度の透明性を有する素材で
あれば、いかなるものを用いても何ら制限するものでは
ない。本発明において、印刷層とはシルクスクリーン印
刷、グラビア印刷、オフセット印刷等によって印刷され
た樹脂を担持体とした層で、印刷様式および用いるバイ
ンダー樹脂に関しては、印刷によって形成することので
きる樹脂層であるならば、いかなるものを用いても何ら
制限するものではない。
【0020】本発明において、ラジカル発生剤の分解触
媒はラジカル発生剤の分解速度を速める目的で添加さ
れ、同一のラジカル発生剤を用いた場合でもこの分解触
媒の添加量でその分解速度を制御することが可能とな
る。すなわち、所定温度における色相の変化する時間ま
たは温度−時間積算値を設定することができる。具体的
には、アミン類および金属化合物が分解触媒として挙げ
られる。すなわち、アミン類としては、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルアニ
リン、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニル
ジイソプロパノールアミン、ジメチル−p−トルイジ
ン、ジエチル−m−トルイジン、トリエタノールアミ
ン、4−フェニルモルホリン、4,4’−ビス(ジエチ
ルアミノ)ベンゾフェノン、N−フェニル−2−ナフチ
ルアミン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジベ
ンジル−2−アミノエタノール等、金属化合物としては
リチウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、セ
リウム、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、鉛等
の金属のラウリル塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、オ
レイン酸塩、オクテン酸塩等の脂肪酸塩、ロジン塩等の
樹脂酸塩、アセチルアセトネート錯塩等のキレート化合
物等から1種または2種以上を用いることができる。特
にアミン類又は金属化合物のうちどちらか、あるいはそ
の両方を併用するのが望ましい。アミン類および/又は
金属化合物は、ラジカル発生剤100重量部に対して
0.1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部添
加する。これにより本発明の時間表示材料の表示する温
度ならびに時間または温度−時間積算値の範囲が大幅に
広がる。
【0021】本発明において、ラジカル発生剤およびラ
ジカルと反応することによって色変化する色素および/
又は色素前駆体を含む第1層および第2層の担持体とし
ては、所定の温度においてラジカル発生剤および色素お
よび/又は色素前駆体が拡散できることが可能かつ形態
を維持できるもので、なおかつ色変化を認識しうる程度
の透明性を有するものならば、いかなるものを用いても
何ら制限するものではない。具体的には、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂等、
通常のインキ、塗料等のバインダーとして使用される樹
脂および一般の粘着剤として用いられる粘着性ゴム系樹
脂等なら何でもよく、前記の樹脂数種類の混合系でもよ
いし、ケトン系、エーテル系、アルコール系、セロソル
ブ系、石油系、水系溶媒等通常使用される溶媒で希釈さ
れていてもいなくてもよい。特に粘着性ゴム系樹脂は、
担持体および透明基材とを接触する際に、接着機能を発
現する点で好都合である。
【0022】具体的に粘着性ゴム系樹脂とは、Tgが室
温以下、好ましくは−10℃以下の樹脂であり、使用時
の温度範囲ではゴム状領域であることが望ましい。例と
して、粘着性アクリル樹脂、天然および合成のシス−
1、4−ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化
ブチルゴム、部分加硫ブチルゴム、スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン
−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SI
S)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロッ
クコポリマー(SEBS)、シリコンゴム、クロロプレ
ンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴムなどの、粘着剤
用樹脂として用いられているものが挙げられる。とりわ
け、粘着性アクリル樹脂は、構造、分子量とも自在に設
定して自在にTgを変化させることが可能でラジカル発
生剤および色素および/又は色素前駆体の拡散速度を制
御することができ、本発明のラジカル発生剤および色素
および/又は色素前駆体の担持体には好適である。粘着
性アクリル樹脂とは、水酸基、三級アミノ基、カルボキ
シル基、アミド基、ニトリル基などの官能基を有するも
のであり、一般に粘着剤用アクリル樹脂として用いられ
ているものである。これらの官能基を有するアクリル樹
脂は、水酸基、三級アミノ基、カルボキシル基、アミド
基、ニトリル基などを有するモノマーのうちの一種また
は数種と、アルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレンな
どのモノマーとの共重合体などである。
【0023】合成法は通常のラジカル重合であり、反応
方法に何等制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合
などの公知の重合法で行なうことができるが、反応のコ
ントロールが容易であることや直接次の操作に移れるこ
とから溶液重合が好ましい。溶媒としては、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソ
ルブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど本発明の樹脂が溶解
するものであれば何でもよく、単独でも、複数の溶媒を
混合してもよい。また、重合反応の際に使用される重合
開始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキ
サイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブ
チロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれ
ば何でもよく、とくに制限はない。粘着性ゴム系樹脂を
イソシアネートおよびエポキシ化合物などの架橋剤を用
いて部分的に架橋して、担持体の接触時における接着特
性を改善し凝集力を高める目的やラジカル発生剤と色素
および/又は色素前駆体の拡散速度を調節することがで
きる。
【0024】また、ポリウレタン樹脂は、グラビア印刷
等の印刷適性が良く、表示材料の生産性の面からは担持
体として好ましい材料の一つである。この様なポリウレ
タン樹脂としては、東洋インキ製造(株)製のグラビア
インキ用ウレタン樹脂の商品名「ラミスターRメジウ
ム」、「ニューLPスーパー」、「LPクィーン」等が
挙げられる。
【0025】本発明において、ラジカル発生剤およびラ
ジカルと反応することによって色変化する色素および/
又は色素前駆体を含む担持体を構成する第1層および第
2層の間に積層される第3層としては、第1層ならびに
第2層の担持体と同様に所定の温度においてラジカル発
生剤および色素および/又は色素前駆体が拡散できるこ
とが可能かつ形態を維持できるもので、なおかつ色変化
を認識しうる程度の透明性を有するものならば、いかな
るものを用いても何ら制限するものではない。具体的に
は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹
脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、
ビニル樹脂等、通常のインキ、塗料等のバインダーとし
て使用される樹脂および一般の粘着剤として用いられる
粘着性ゴム系樹脂等なら何でもよく、前記の樹脂数種類
の混合系でもよいし、ケトン系、エーテル系、アルコー
ル系、セロソルブ系、石油系、水系溶媒等通常使用され
る溶媒で希釈されていてもいなくてもよい。
【0026】とりわけ、アクリル樹脂は、構造、分子量
とも自在に設定して自在にTgを変化させることが可能
でラジカル発生剤および色素および/又は色素前駆体の
物質移動速度を制御することができ、第3層の材料とし
て好適である。このアクリル樹脂の調製は、先に述べた
第1層ならびに第2層の代表的な担持体である粘着性ア
クリル樹脂と同様であるが、粘着性アクリル樹脂は、T
gが室温以下、好ましくは−10℃以下の樹脂であるの
に対し、第3層の材料としては使用時の温度範囲にあわ
せてTgを設定する点で若干のモノマー組成が異なるも
のとなる。第3層の厚さとしては1〜100μmが好ま
しい。また、物質移動速度の制御という点ではアクリル
樹脂を始めとする汎用樹脂等とサーモトロピック液晶や
ワックス類等の感温性の高い物質とをブレンドして、本
発明における第3層とすることも可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%を、それぞれ表す。
【0028】樹脂1 ブチルアクリレート 94.1部 アクリル酸 5.9部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成比
の混合物125部に、上記の同組成比の混合物125部
を滴下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却
し、樹脂1の溶液(固形分40%)を得た。
【0029】樹脂2 ブチルアクリレート 92.0部 アクリルアミド 2.8部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.2部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成比
の混合物125部に、上記の同組成比の混合物125部
を滴下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却
し、樹脂2の溶液(固形分40%)を得た。
【0030】樹脂3 ブチルアクリレート 38.8部 イソブチルアクリレート 38.8部 メチルアクリレート 15.9部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 6.5部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成比
の混合物125部に、上記の同組成比の混合物125部
を滴下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却
し、樹脂3の溶液(固形分40%)を得た。
【0031】樹脂4 2−エチルヘキシルアクリレート 100.0部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成比
の混合物125部に、上記の同組成比の混合物125部
を滴下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却
し、樹脂4の溶液(固形分40%)を得た。
【0032】樹脂5 メチルアクリレート 100.0部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成比
の混合物125部に、上記の同組成比の混合物125部
を滴下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却
し、樹脂5の溶液(固形分40%)を得た。
【0033】実施例1 樹脂1の溶液を100部、フェノチアジンの10%酢酸
エチル溶液を12部とを撹拌混合し、離型表面処理され
たPETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥
させ膜厚を25ミクロンとしてA剤を含む第1層を得
た。次に樹脂1の溶液を100部、ベンゾイルパーオキ
サイドの40%酢酸エチル溶液を5部とを撹拌混合し、
離型表面処理されたPETフィルム上に塗布し、90℃
で2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてB剤を
含む第2層を得た。さらに樹脂2の溶液を100部、離
型表面処理されたPETフィルム上に塗布し、90℃で
2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてA剤また
はB剤を拡散させる第3層を得た。それぞれの層を塗布
する際に使用したPETフィルムを剥離した後、第1層
と第3層を積層し、更に第3層の第1層を積層した面の
反対側の面に第2層を積層して、第1層/第3層/第2
層の順に積層された時間表示材料1を得た。また、測定
する温度下に達した瞬間を時間測定の開始点とした。な
お、色の経時変化は以下の条件で観察した。結果は表2
に示した。 (1)色の経時変化 測定温度に達した時間を時間測定開始時点として、20
℃、40℃、および100℃の恒温層に表示材料を保管
して、経時の色変化を観察した。
【0034】実施例2〜15、17〜20および比較例
1〜2 実施例1と同様に第1層、第2層および第3層を、色素
および/又は色素前駆体の10%酢酸エチル溶液、ラジ
カル発生剤の分解触媒の10%酢酸エチル溶液、樹脂の
溶液を表1にある固形分配合比で混合撹拌し、離型表面
処理されたPETフィルム上にそれぞれ塗布し、90℃
で2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとし、実施例
1と同様な方法で積層して表示材料とした。なお、色の
経時変化は実施例1と同様な方法で観察した。結果は表
2に示した。ただし、表1での配合比は固形分換算で表
示した。
【0035】実施例16 樹脂1の溶液を100部、フェノチアジンの10%酢酸
エチル溶液を12部、N−フェニルジエタノールアミン
の10%酢酸エチル溶液を4部とを撹拌混合し、離型表
面処理されたPETフィルム上に塗布し、90℃で2分
間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてA剤を含む第
1層を得た。次に東洋インキ製造(株)製グラビアイン
キ用ウレタン樹脂ラミスターRメジウム(固形分40
%)を100部、ベンゾイルパーオキサイドの40%キ
シレン溶液を5部とを撹拌混合し、グラビア印刷して透
明PETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥
させ膜厚を25ミクロンとしてB剤を含む第2層を得
た。さらに樹脂2の溶液を100部、離型表面処理され
たPETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥
させ膜厚を25ミクロンとしてA剤またはB剤を拡散さ
せる第3層を得た。第3層を塗布する際に使用したPE
Tフィルムを剥離した後、第1層と第3層を積層し、更
に第3層の第1層を積層した面の反対側の面に第2層を
積層して、PETフィルム/第1層/第3層/第2層/
PETフィルムの順に積層された時間表示材料1を得
た。必要に応じてPETフィルムは剥離して使用できる
が、本実施例ではPETフィルムは付けたまま測定し
た。また、測定する温度に達した瞬間を時間測定の開始
点とした。なお、色の経時変化は実施例1と同様な方法
で観察した。結果は表2に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の時間または温度−時間積算値の
表示材料により、所定温度において所定時間が経過した
ことを色相の明確な変化によって手軽かつ安価に表示す
ることが可能となった。すなわち、所定温度に達するま
で色変化の反応が始まらず、なおかつ所定温度に達した
時点が時間測定の開始点となり、単純かつ明解に測定を
始めることができるようになった。フェノチアジンおよ
びフェノキサジンは、無色から時間とともに着色するこ
とで時間の経過を表示することができ、有効期限を表示
する材料には非常に適している。とりわけ、フェノチア
ジンは初期は無色であり、測定温度に達すると即座に緑
色に変化して以後時間の経過とともに青色、紫、赤色と
変化する材料であり感覚的に表示材料として最適であ
る。また、測定したい温度ならびに時間については、ラ
ジカル発生剤または色素および/又は色素前駆体を拡散
させる第3層を構成する材料の選択、ラジカル発生剤の
種類、ラジカル発生剤の分解触媒とその配合量によって
制御することが可能であった。このことから、幅広い温
度範囲での時間または温度−時間積算値測定に対し、本
発明の表示材料が有効であることがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01K 3/02 G01K 11/16 3/04 B41M 5/12 102 11/12 5/18 102 11/16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持体中に担持された下記A剤を含む第
    1層と、A剤と非接触状態としたB剤を含む第2層と、
    A剤またはB剤を拡散させる第3層を上記第1層と上記
    第2層との間に積層させてなる時間または温度−時間積
    算値を色変化として表示する材料(ただし、A剤とB剤
    とは、ラジカル発生剤とラジカルと反応することによっ
    て色変化する色素および/又は色素前駆体の組合わせか
    らなる。)。
  2. 【請求項2】 第1層が接着性の材料である請求項1記
    載の表示材料。
  3. 【請求項3】 第2層が透明基材に積層された樹脂層で
    ある請求項1または2記載の表示材料。
  4. 【請求項4】 透明基材に積層された樹脂層が印刷層で
    ある請求項3記載の表示材料。
  5. 【請求項5】 ラジカル発生剤が有機過酸化物である請
    求項1記載の表示材料。
  6. 【請求項6】 色素および/又は色素前駆体がフェノチ
    アジン系発色色素である請求項1記載の表示材料。
  7. 【請求項7】 色素および/又は色素前駆体とともにラ
    ジカル発生剤の分解触媒を含む請求項1記載の表示材
    料。
  8. 【請求項8】 ラジカル発生剤の分解触媒がアミンおよ
    び/又は金属化合物である請求項7記載の表示材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017033489A1 (ja) * 2015-08-27 2017-03-02 株式会社日立製作所 温度履歴表示体

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